SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語3 伝説の騎士団
【えすでぃーがんだむがいでん ないとがんだむものがたりすりー でんせつのきしだん】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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4MbitROMカートリッジ
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発売元
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バンダイ
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開発元
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トーセ (プログラム、サウンド) D&D (デザイン等)
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発売日
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1992年10月23日
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定価
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7,800円
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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パーティ分割強制セーブ 高エンカウント&恐怖のバックアタック
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SDガンダムシリーズ
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概要
カード自販機『カードダス』をメインに展開していたシリーズ『SDガンダム外伝』のカード第5~8弾(円卓の騎士編)を原作としたソフト。
もちろんイギリス発祥の伝説『アーサー王物語』がモチーフとなっている。
なお同じ『円卓の騎士編』を原作としたSFCソフト『SDガンダム外伝2 円卓の騎士』が、この2か月後に発売されている。
特徴
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内容は前作と似た仕様のRPGであるが登場キャラが多いため、冒険中盤からは2つのパーティを編成して順次進めていくことになる。
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FCで発売されたナイトガンダムシリーズの最後を飾る作品であり、人気の高い円卓の騎士編を扱っていることからSFC版同様ファンは多い。
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しかし、バランス面で調整不足な点がいくつかあるため以下列挙していく。
問題点
バランス面の不安定さ(戦闘面)
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味方になるキャラの極端な能力格差
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本作でのキャラクターは大まかに「魔法が使えるか否か」に分けられる。魔法が使えないキャラにとっては攻撃力が最も重要な要素となる。魔法が使えない且つ攻撃力の低いキャラは戦闘では役に立たない。
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攻撃力が低くても必ず2回攻撃が出来るレッドウォーリア、素早さが高いプラスと剣士Jr.はまだ救いがある。問題はF90と白金卿で、彼らは全ての能力値が低い。
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どちらも先代円卓の騎士(本作の設定では)にも拘わらずパーティ最弱キャラという悲劇的な扱いを受けている。レベルを上げても成長が悪い。
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一応、F90は「パーティ入りする前は氷漬けにされていた」、白金卿は「記憶喪失となっており戦いとは無縁の生活を送っていた」と言う設定があるために戦いに関してブランクがあり、さらに先代だったために能力面で衰退が始まっていると考えられなくもないが…。
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付け加えておくと、F90はパーティ入りした時点では能力が高く非常に役に立つがステータスの成長率が悪く、後に行くにつれて能力が追いつかなくなる早熟タイプのポジションである(『ファイアーエムブレム』でいうジェイガンのようなポジション)。
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ただし白金卿はパーティに加わった当初から微妙なステータスの為、全くフォローできない。
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一方で、F91とマークIIは魔法耐性持ちで能力もバランスよく高い。ヘヴィガンダムや闘士Jr.はパワータイプで攻撃力が高い。円卓の騎士団内の極端な格差社会が想像される。
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その為、微妙なキャラはアイテムを使って強いキャラをフォローするアイテム係に落ち着く。アイテムが本体と言ってはいけない。
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高エンカウントと強力なザコ敵
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当ゲームでの一番のストレスは何と言ってもエンカウントの高さとザコ敵の強さ。特にダンジョン内ではイラッと来るほどわんさか出てくる。また新しい地方やダンジョンに行く度に強力なザコキャラが登場することが多く、油断するとすぐに殺されてしまうので回復アイテムは常に必須。ゼダンの要塞、ザビロニア地方への大洞窟、ロンデニオン地方には特に強いザコ敵が出る。
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本作には素早さの高いキャラは低い相手に対して「れんぞくこうげき」できるというシステムがある。また敵味方ともにクリティカルが非常にでやすいので、素早さの低いキャラはれんぞくこうげき→クリティカルという凶悪なコンボで沈むことも珍しくない。
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常に死と隣り合わせのゲームバランスである一方、仲間を生き返らせるアイテムは金貨4000枚と法外に高い。街中では医者に治療してもらうことも可能だが、『ドラクエ』で言うところのルーラ・キメラのつばさ・気球のような長距離の移動を快適にする手段が無いので街に戻るのが非常に面倒。エンカウントを封じたり遭遇率を下げたりする手段も無い。
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魔法を使えるキャラが蘇生系の呪文を覚えることが可能だが、それは冒険終盤まで待たねばならない。
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恐怖の「バックアタック」システム。
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戦闘の際に敵に奇襲を仕掛けられると仲間が「こんらん」状態になる上に隊列が逆になってしまう。耐久力の高さ順に隊列を組むのがRPGの基本であるが、このゲームでは魔法使いキャラを最後尾に安心して置けない。
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本作の戦闘面で最も凶悪なシステム。隊列が逆になるバックアタック自体は珍しくはないのだが、問題はそこではなく後述のような追加要素があることである。
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混乱状態に陥ったキャラは当然味方を攻撃する。上述の通りクリティカルも出やすいので、混乱した仲間(特にヘヴィガンダムや闘士Jr.)は強力なザコ敵以上に危険な存在となる。仲間の少ない冒険序盤では「敵に奇襲されてから全滅余裕でした」なんてシャレにならないことも。
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パーティリーダーが死亡したり混乱したりすると強制オートバトルにチェンジする。
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あるイベントで入手できるアイテム「めいばのたてがみ」か「チキンホイッスル」を使って乗り物に乗れば、不意打ちやバックアタックを受けなくなる。ただしフィールド上でしか使えないうえ、その間は森に入れなくなる。
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なお、このバックアタックシステムは頻発する。逆にこちらから敵に奇襲を仕掛けることもよくある。騎士道精神は…?などという甘い考えはザビロニアの猛者どもには通用しないので心して臨もう!
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MPがゼロになると「きぜつ」
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HPがゼロになるのはもちろんだが、本作ではMP(メンタルポイント)がゼロになっても戦闘不能となる。ただしこれはMP回復アイテムで治療することができる。
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従って、戦闘ではHPだけでなくMPにも気を配らなくてはならない。MPにダメージを与える+混乱状態に陥らせるマインド系という呪文が当ゲームには存在するほど。
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MPを消費してクリティカル攻撃を出す「きあい」という攻撃方法があるが、残りMPが「きあい」によるMP消費量と丁度同じ時にこれを使用すると残りMP全てを使用して勝手に気絶状態となる。だったら使わせるな!
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物語前半にはメガマインド(全員にマインドの効果)を多用してくるダーティギャンというボスがいる。マインドで気絶&混乱を誘い、なおかつタフなので凶悪な初見殺しとなっている。彼との戦闘にはぶどう酒を大量に持っていかないとまず勝てない。
以上のように本作では油断していると仲間がすぐに死ぬ。終盤は6人での大パーティになるため全滅の危険性は少ないが、序盤と中盤のパーティ分割直後は仲間が少ないため全滅することもしばしば。
なお、戦闘不能になった仲間は街にいる医者の注射一発で治る。MS族なのに?
問題点(パーティ分割)
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冒険中盤からパーティをニ分割して進めていくという独特なシステム
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パーティ分割及び切り替えの際には強制セーブされる。セーブファイルは1つしか無いのでやり直しはきかない。また任意でのパーティチェンジは不可。
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ボスを倒しダンジョン踏破後にパーティ切り替えで強制セーブ → もう一方のパーティで進める → 元のパーティに戻ると敵城スタートで、町などに戻ってアイテム等の準備をすることもできずハマリ状態…ということもありうる。
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1つのパーティで最大6人の仕様のため、13人目の円卓の騎士である闇騎士は仲間に入れることは出来ない。仲間に入れば一番強いだろうが…。
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やり直しがきかないので、仲間キャラの戦力を考えず安易にパーティ分割をすると泣きを見ることとなる。
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預かり所も存在しないため、パーティ間のアイテムの受け渡しも不可能である。
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再編成は特定のイベントでしかできない。
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パーティの分割及び再編成のタイミングは、シナリオ中の特定のポイントに限られる。
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前述のように強制セーブなので、戦力バランスやアイテムの配分などに失敗したことに気付いてもやり直せない。
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節目毎には再編成できるが、それまでは同じパーティで進めなければならない。
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特に、魔法の消費MPを1ポイント軽減する「ひすいのゆびわ」は、うまくやらないとパーティ内でダブってしまう。
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難攻不落の要塞「ゼダンの要塞」の存在
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原作のカードダス的にも、本作としても中盤の山場となるダンジョン。突入前に初のパーティ分割が起こるのだが、この時点ではまだ仲間は合計7人しかいないので3-4で分けるしかない。しかも上記の通り最弱キャラであるF90が「わたしは こうみえても れきせんのゆうし わたしのほうは ふたりつけて いただくだけで けっこうです」(原文ママ)と宣う。ツッコんだら負けである。
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また分割直前にマークIIとレッドウォーリアのどちらかが加入するが、分割前にその具体的な強さを確かめることができない。後者は説明書で「剣の腕は確か」と紹介されているが、実際はそれほど強くない。
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ちなみに分けるように助言した軍師は後に、「主人公のパーティ」に合流する。向こうに合流してあげろよ…この時点で3-5。
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元々この要塞は敵キャラが強く苦戦は必至なのだが、原作と同じようなパーティ分割(F90、プラス、白金卿)をすると元々厳しいF90側の難易度をさらに激烈に上げることになる。
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もっともここまで進んだプレイヤーならば、常に「ぶどう酒」を大量に持って引き際も大体分かるので時間がかかることを除けば何とかなる。敵の罠を逆に利用すると時間が短縮できると助言しよう。
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その後も何度かパーティを分ける展開になるが、仲間の数が増える事や最強クラスのマークIIやF91がF90側に固定されるので伝説のパーティは組めなくなっている。
その他の問題点
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「めいせい」というパラメータがある。説明書には名声値の効果が「仲間が集まってきたり、士気が高まってくる」と書かれているが、実際には名声値が関わるイベントはごく一部で、基本的にほとんど活かされていない。
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名声値はザコ戦に勝つと1アップし、ボス戦に勝利すると100単位で上がる。逆に退却・全滅したり、味方が重体状態になったりすると下がる。名声値が変化するアイテムも存在する。
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ランダムエンカウントでは、モンスターに襲われている旅人に出くわすことがある。助けると大きく上昇する。
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クリアすると名声値が100上がる「ミニイベント」というものも複数存在する(名声が上がる以外のメリットは無い)。
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実際に名声値が関係するイベントと言えば、「MK-IIと初めて会う時名声が500未満だと、加入が遅くなる」及び「名声5000以上でニセ皇騎士のミニイベントがある」のみ。
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この加入条件はノーヒントであり、しかも普通にプレイしていても彼の登場以前に名声値を500以上にするのは難しい。旅人を助ける戦闘を複数回行う必要があるが、フィールド上のみでしかもランダム発生。また彼がいない場合上述の強ボス・ダーティギャンは本作最強クラスのボスと化す。
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一応名声が高いと、医者と宿屋と鍛冶屋が代金を割引してくれる。一方、ゲームシステム上頻繁に利用することになる道具屋はまったく変化しない。
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本作では武器防具はキャラごとに固定されており、アイテムとしては存在していない。交換するのではなく、鍛冶屋で鍛えることになっている。レベルは+1~+9までの9段階。ただし仲間になった時点である程度鍛えられているキャラが大半。
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鍛冶屋で鍛えてもらうには「ガンダリウム」というアイテムが必要なのだが、非売品なのでダンジョンなどで一定数しか入手できない。故に「お金はあるのに武具を鍛えられない」というジレンマが発生する。
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弱いキャラでも鍛えればそれなりに強くなるのだが、鍛えられる数が決まっている以上どうしても限界がある。またパーティ分割時は各キャラの所持品に気を配らないと、片方だけにガンダリウム所持数が偏りかねない。
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主人公の皇騎士は、イベントで新しい鎧を2回入手するが、この鎧はどちらも最初から一定の段階に鍛えられており、それまでプレイヤーの手で鍛えていると資金とガンダリウムが無駄になってしまう。
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また鍛冶屋で鍛えられる限界は、現在どの鎧を着ているかで変化するうえ、+8以上鍛えられるのは一部の鍛冶屋に限られる。
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余談だが、『ドラクエ』の「力の種」の様な能力アップアイテムや、アクセサリーの類も無い為、キャラの欠点を補うことはできない。魔法やブレス攻撃に対する耐性はキャラごとに決まっており、永遠に不変。特に素早さの数値は固定されていて、レベルアップしても成長しない。キャラ格差を生み出す原因になっている。
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一部キャラはステータス上では左手に盾もしくは武器を装備しているが、こちらを強化することはできないため名前のみで実質的に意味がない。また皇騎士は初期状態からキングガンダムII世専用の盾である「キングシールド」を装備していることになっているが、逆に鎧はキングガンダムII世となっても「キングアーマー」に変化することはなくフルアーマーのまま。
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中盤に「しょうかいじょう」というイベントアイテムを入手することになるが、これは店で売却可能であり、イベントで使う前に間違って売ってしまうと詰む。
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容量の都合上仕方ないのだが、原作では皇騎士(キングII世)以外の仲間も途中で容姿や名前が変化していたのだが、本作では名前のみの変化になっている(F90Jr.の3人はそれすら変わらず。反映させた場合戦闘画面などの文字数をオーバーしてしまうためと考えられる)。
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シリーズ恒例のカードダスは完全に本編と分離されたミニゲームになった。カードを集めたり閲覧したりすることはできない。
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カードバトルにおける攻撃力は基本的に全カード一律のため、キングガンダムII世などHPの高いキャラ同士の対決になった場合、一部のアイテムが選択されていない限り延々と続く殴り合いを見る羽目に。しかもこれらのキャラは体力ゲージが全て表示されるのにも非常に時間がかかる。一応攻撃力はターン数を重ねるにつれて上がっていく設定になっている。
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中には冗長なものもあるため本編で採用されてもテンポが悪くなるだけであり一概に問題とは言えないが、ミニゲームであるにもかかわらず本編の戦闘にはない攻撃エフェクトが存在する。
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本屋では金を払うとヒントを教えてくれる…と言いつつ、大体は「人の話は聞いて、行ける所に行ってみる事」という当たり前のメッセージや応援メッセージしか出ない。
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魔法が6種までしか持てず、勝手が悪い。本作では魔法はLvUPによって「覚える」のではなくお店で「買う」。またドラクエで言うルーラにあたる移動系の呪文やアイテムがないので不便。リレミトに当たる呪文やアイテムならあるが効かないダンジョンが多い(というか買える頃以降に登場するダンジョンではほぼ効かない)。
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逆に言えば、魔法の買い直しが可能ということ。
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なお魔法を使える仲間は2人しかいないのだが、中盤以降にならないと加入しないため、それまでは使い捨ての回復アイテムが文字通り命綱となる。
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冒険も後半に入ると仲間の充実や敵の素早さを低下させる魔法、ガンダリウム鉱山の出現によりある程度は楽になる。しかし相変わらずのザコ敵の強さとエンカウント、バックアタック等によりプレイヤーは死の恐怖と闘い続けなければならない。
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一方、6対1で戦うこともあってか一部を除きボスはそれほど強くないものが多く、ラスボスに至ってはHPの高さだけがとりえ(SFC版では強烈な全体攻撃を放ってくる)でそれまでのザコ敵を思えば楽勝である。さらにラスボスの全体攻撃を封じる魔法まであったりするので、中盤の苦労は何だったんだ?と拍子抜けしたプレイヤーも多いだろう。
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本作では昼・夜の概念があり。登場する雑魚、また夜でないと見れない台詞等も存在。普通に歩いていても、宿屋に泊まると当然1日が経過してしまう。そのためレベル上げのため、ザコ敵と戦い、宿屋に泊まって回復すると日数が経過してしまうため、エンディングでのプレイ評価(上から「ゴッド・クラス」「キング・クラス」「ナイト・クラス」)に響いてくる。アイテム回収なども含め、万全の態勢で挑もうとすると、大体は「ナイト・クラス」になってしまうだろう。
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但し、夜に宿屋に泊まらずにセーブして、リセットして再開すると朝に戻る。これを利用し、回復を道具や医者で行えば、手間がかかるが日数を経過することなくレベルを上げることが可能。遠方の町に移動する際も、夜明けまでに入ってセーブして再開すればよい。
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謎の騒音に悩まされているという設定の村では実際にBGMの代わりに騒音のSEが大音量で鳴り響いており、演出としては正しいが非常に不快なものとなっている。この村では騒音を止めるまで宿屋に泊まってもMPを回復することができないが、プレイヤーのメンタルにも影響を及ぼしかねない。なおこのSEはラスボスの変身時にも(いわゆる「ポケモンフラッシュ」のような激しい点滅を伴って)使われている。
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クリティカル時のセリフは敵味方を問わず一律で「ぐわっ!」。女キャラや人語を話せないモンスターでさえも。
評価点
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移動速度や大きいキャラグラフィック等、前作の良かったところをそのまま受け継いでいる。またBGMもちゃんと作られており、前作にあったような短いループ曲は無い。
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ザコ戦の曲も前作とは違って戦闘らしい激しい曲である。
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しかし「画面切り替え時にBGMの出だしが間延びする」という欠点は前作から変わっていない。
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前作に続き個別に必殺技のグラフィックが描かれている。演出は非常に格好いい。但し前作とは違い、背景がスクロールするのみでキャラ自身のアニメーションはなくなっている。
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ゲーム再開時やエンディングで、ゲームプレイに応じた内容の歴史年表を表示してくれる。
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上述の歴史年表を使った演出や経過日数などに応じたプレイ評価があるなど、当時のFCゲームにしてはエンディングは丁寧に作られている。
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仲間パーティには加わらないものの、クリスやヘビーガンといったサブキャラ達も登場はしている。沢山のキャラが仲間になるSFC版ですら無視された人間戦士軍団もいる。
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元のカードダス全4弾分に登場した敵キャラが、ほぼ全員登場している(人間系以外の敵キャラは全て登場)。後のSFC版では多くの敵が削られていたのを鑑みるに、驚くべき点である。
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FC版第1作同様、『ネオバトル』オリジナルの敵(オメガケンプファーなど)も登場。
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ただし守備隊長キシリアは幹部クラスであるにもかかわらず登場しない。
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名声値自体はともかく、ミニイベントはそれ自体楽しめる要素といえる。キャラカーン入手やシロッコの名セリフを言う「パプティ人形」など、ガンダムファンのツボを突いたイベント多数。
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前作で存在したキャンプシステムは今回も健在。前作と違い、HPだけでなくMPも全回復するようになり、キャンプ中に敵の襲撃を受ける事は無くなった。移動中にHP、MPを全回復させる事ができるのはこのゲームでは特にありがたい。
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ただし、今作ではアイテム「キャンプようぐ」が無いと実行できなくなった。とはいえ移動中限定であることを差し引いてもコストパフォーマンスは良好。さらにダンジョン内だろうがボスの目前だろうが可能。
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直接的なデメリットはないが、使用すると一日が経過するのでエンディング時の評価に影響する。
総評
名声値にあまり意味が無いとは言え、プレイの妨げになるような障害を引き起こすというわけでもない。やはり問題点はゲームバランスの悪さとパーティ分割&強制セーブに集約されるだろう。
原作を意識し(総勢13名の円卓の騎士のため)独自のシステムを導入しようと試みたものの作り込みが甘かったという印象を受ける。
しかしそれ以外の部分はストーリーを中心にキチンとまとまっており、キャラゲーとして十分に合格点。
余談だが前2作に続き本作も携帯アプリとしてリメイクされている。魔法が増えるなど微妙に仕様が変更されているが、高エンカウントやバックアタックはそのままなので開発スタッフ陣のドSぶりがよくわかる。
FC版からさらに次章の『聖機兵伝説』につながる追加エピソードも入っているので、興味ある方はプレイされたし。
余談
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電波な台詞がそこかしこに登場する。当時のスタッフは疲れていたのだろうか?
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中ボスを倒すと、町の人々の台詞がパーティを称えるものに変化するが、ある村の住人は「フシャーッ」というモンスターの声を発する。
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「やすいよやすいよ騙されやすいよー」としか言わない「占い師」と、「この世はもうすぐ終わりを告げるのじゃあ」としか言わない「偽占い師」というキャラクターが複数の町に登場する。
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終盤で祠の封印を解くイベントでは「きたーっ」「トリオでよろしく」「ベスト・ガイ」という謎のメッセージが表示される。織田雄二氏のCMのフレーズが元ネタなのだがなぜこのイベントで?
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同イベントで使用するアイテム「マロンの本」「チョコの本」「ミスの本」の元ネタも上記「トリオでよろしく」のフレーズが登場するCMである。
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ザビロニア地方
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本ゲームにおけるブリティスは、アイルランドにあたる地域(ベルファスト村があるラナール地方、アイリッシュ地方など)をブリテン島の北西にくっつけたような地形になっており、さらにその西にあるアイルランド島のような小さい島がザビロニア本国という地理になっている。
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公式設定上はザビロニア帝国の本国に攻め込むストーリー展開はなく、位置も不明。
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ちなみに元ネタであるアーサー王伝説ではアーサー王はローマ帝国に対してイタリア半島まで攻め込んでいる。
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2010年10月、正式な続編RPG『聖機兵と機甲神』が携帯アプリとして少しずつ配信されはじめた。システム面はFC3の正当な続編とも言うべき内容となっており、エンカウント率が相変わらず高いところにスタッフの変わらぬ愛を感じる。しかし2014年にサービスを終了した。
最終更新:2024年05月18日 10:18