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「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。~ 修正内容は「シリーズ破綻の元凶となった根拠を具体的に追記すること」です。 ---- *がんばれゴエモン ~来るなら恋!綾繁一家の黒い影~ 【がんばれごえもん くるならこい!あやしげいっかのくろいかげ】 |ジャンル|アクション|&image(img55857116.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B000069TYW)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテイメント名古屋|~| |発売日|1998年12月23日|~| |定価|5,800円(税抜)|~| |廉価版|コナミ・ザ・ベスト:2000年7月6日/オープン価格|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|何度も同じ道を往復させられる&br()雑なグラフィック&br()曲も『ゴエモン』に合っていない&br()後年のシリーズ破綻の元凶|~| |>|>|CENTER:''[[がんばれゴエモンシリーズ・関連作品リンク>がんばれゴエモンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『がんばれゴエモン』シリーズのひとつで、『[[宇宙海賊アコギング>がんばれゴエモン ~宇宙海賊アコギング~]]』に続くプレイステーション版ゴエモンシリーズの第2作目。~ 同日に発売された『[[でろでろ道中>がんばれゴエモン ~でろでろ道中 オバケてんこ盛り~]]』が横スクロールアクションであるのに対し、本作は『[[ネオ桃山幕府のおどり>がんばれゴエモン ~ネオ桃山幕府のおどり~]]』と同様の俯瞰視点の3Dアクションアドベンチャーとなっている。~ 『ネオ桃山幕府』の評価が高かったため本作も期待されていたが、中身はとんでもない地雷であった。 ---- **あらすじ >ある日、自分を呼ぶ声で目覚めたゴエモンはあまりに煩かったため、起きると同時に怒鳴ってしまう。~ だが、起こしに来たのはおみっちゃんであり、その態度に怒ってしまう。 >こうして、おみっちゃんの機嫌を取るため、エビス丸と共に山へドングリを拾いに行くことになる。 > >ところが、山でキノコを拾い食いしたエビス丸が倒れてしまう。~ そこにヤブと名乗る医者が現れ、エビス丸を治してくれた。~ ヤブにドングリをもらい、礼を言いながら町にもどると、~ なんとおみっちゃんが謎のあやしげなヤツらに連れ去られていた。 > >連れ去られたおみっちゃんを救うべくゴエモンとエビス丸は旅立った。 ---- **問題点 ***ゲームシステム -無個性化したキャラ性能 --プレイヤーキャラ4人とも性能はほぼ一緒。違うといえば一部の必殺技の性能や、物知りじいさんとの会話内容くらいである。 --従来のゴエモンシリーズは各キャラの個性的な能力・操作性が特徴で、場面に応じてキャラクターを使い分けて攻略するのがウリだったのだが、これではシリーズの特色を完全に殺している。 ---ゴエモンシリーズに限らず、プレイヤーキャラを選べるゲームでキャラに個性が殆ど無いのは問題である。 --またダンジョンによって使用キャラが固定されてしまうので、キャラチェンジの存在意義が余計に薄くなっている。 -小判や手裏剣といった、お馴染みのサブウェポンの削除 --一応、道端に落ちているかんしゃく玉を拾って投げることができるが、設置場所が少なすぎるのが原因で空気と化している。 -まねき猫システムの改悪 --アイテムの招き猫を取得すると体力の最大値が上がる(銀は4個で金は1個)お馴染みのシステムだが、本作では3段階ほど上がると''それ以上増えなくなる''。 ---ただし、銀を10個、金を5個を集めると各キャラの隠し秘技が使えるようになるという特典はある。 -イベントアイテムを入手できる枠が4つしかない。 --そのうち、ゲーム序盤で入手するドングリのせいで1枠埋まっているので実質3枠。 --このせいで後述のインパクトの部品集めのために何度も行き来せねばならず、作業感の助長に繋がっている。一度に3つまでしか持って帰れないのに部品は無駄に多く、なんと12個もある。 ---そもそも専用のイベントアイテム欄というのは、アイテム欄を通常アイテムと共有することで発生する「イベントアイテムの存在による通常アイテムの所持数の圧迫」という不都合を解消するための措置であり、「イベントアイテムの最大所持数が少ないせいでまともな数を所持できない」というのでは本末転倒である。 -ステージ構造の手抜き --テクスチャーが違うだけで、ステージのギミックは移動する足場を渡っていく場面ばかりである(殆どの場合、落下するとダメージを受けて戻される)。 --そのくせラストダンジョンだけやたら力が入った迷路になっている。敵の追尾もいやらしい。 -アイテムの仕様が面倒。 --回復アイテムのだんごは過去作のように取得時点で回復するのではなく、いちいちスタートボタンでポーズメニューを開いて使用しなければならない。 --任意のタイミングで回復できるものの、タイミングを選ぶメリットは全くと言っていいほどない。 --体力最大の時でも蓄積できるのが長所だが、そうでないときはひたすら煩わしくなってしまう。 -モーションは基本もっさりしておりコンボによる爽快感はあまりない。 --また、本作ではなぜかどのキャラも共通して蹴りが出せる。そこまでして攻撃方法を増やす必要性も感じられない上、頭身が高めなヤエはともかくエビス丸やサスケのデフォルメ体型では無理がありすぎる。 -全体的に敵が固く、倒すのにやたら時間が掛かる。そのくせ落とす小判は1枚だけ。 --今作では弱攻撃と強攻撃、それらを駆使したコンボや必殺技があるのだが、弱攻撃はまだしも強攻撃でもザコ敵一匹倒すのに数回コンボを叩き込まねばならない。そもそもゴエモンはコンボを重視するような作風のゲームではない。 --ぶっちゃけた話、ザコ敵を倒す必要は無いため、今作の敵は基本的に無視することが推奨される。 --ただし敵に近づくとカメラがその敵を追尾するようになるため距離感が掴みづらく、無視して先へ進もうとして落下する…といった問題も。 -ラスボス前のボスがおにぎり所有前提の難しさ --「難しい」というより「理不尽」というべき調整になっている。相手は高い攻撃力と長いリーチを誇り、さらには時間制限まであるという始末。 --しかも攻撃を食らうとこちらが行動不能になることがあるためハメられやすい。 --なお、コンティニュー前におにぎり・団子・お守りを使用していた場合、コンティニュー後ではこれらのアイテムがない状態で始まる。技量次第では無理ゲーと化す。 -インパクト戦がショボ過ぎる --本作では主観視点はそのままながら戦闘フィールド内を自在に動き回れるようになっている。~ しかしながら、小判の連射ができないわ、パンチは弱すぎるわ((一応、パンチを当てると必殺技ゲージのチャージが早くなる特典がある。))、エフェクトはショボイわと散々な出来栄え。 --肝心の戦闘バランスの方はというと、時間経過でチャージされる必殺技を的確に当てていくだけで勝ててしまう。大味にも程がある。 ***グラフィック 本作でもっとも槍玉に挙げられている点で、キャラやマップの造形、3D空間の処理なども含め、この時代のPS作品として見ても明らかに質が低すぎる。~ 誰であっても一目で分かる程のレベルであり、はっきり言ってゲーム以前の問題点と化している。 -グラフィック全般の粗 --全体的にポリゴンが粗く、汚い。 -キャラ造形の酷さ --古参女性キャラであるヤエの作画崩壊が特に酷い。他のプレイヤーキャラ3人と比べても極端な差で、ファンから「''ヤエに見えない''」と言われるレベル。 ---デフォルメが利いたデザインとなっている他のキャラよりも頭身が若干高めとなっているヤエでは、その辺りの誤魔化しが出来なかったのだろう。 --表情変化や瞬き・口パクの表現もできていない。 ---N64版ではポリゴンのテクスチャをリアルタイムで切り替えるという手法でキャラクターの表情を表現していた。~ ハードが違うとはいえ、プレイステーションの性能ならばこれくらいのことは十分再現できたはず。 -専用インパクトの出来もひどい。 --特にヤエインパクトが酷く、''化け物じみた凄まじい風貌になっている''。目や口などのパーツ一つ一つはそれほど変でもないが、それを本作の稚拙なポリゴンで表現した結果、ほとんどホラーのような有様となってしまった。 ---造った物知りじいさん曰く「華麗なプロポーションが魅力」とのことだが、この顔でプロポーションがどうのと言われても反応に困る。~ マーメイドというデザインそのものは悪くないものの、いかんせん表現力が壊滅的過ぎて、魅力が半減…なんて生易しいレベルではない。 --サスケインパクトも同様に顔が怖い。一応、凶暴なノーズアートを特徴としているとのことだが、勿論サスケはこんなイメージのキャラではない。 --エビス丸インパクトも微妙な出来ではあるが、エビス丸自身がコミカルなギャグキャラである分だけ、他の2体に比べてまだマシな方。 --肝心の合体シーンも非常にお粗末。~ 「''各専用インパクトが変形してゴエモンインパクトの強化パーツになり本体と合体''」という流れなのだが、変形プロセスの描写が極めて適当で、~ 「''合体に必要のないパーツ部分がスポーンと外れて画面外にすっとんでいく''」という、手抜きにも程がある代物。~ 凶悪な外観のサスケインパクトやヤエインパクトの頭や腕がぶっとんでいく様はもはや完全にホラーの域である。 ---せめて「余分なパーツは本体に格納されて変形する」くらいの描写はやって欲しいものだが、グラフィックの質自体がこの有様なところからして、そんな表現力すらなかったのだろう。 --当然いずれも後のシリーズに登場することなく黒歴史化。合体インパクトというコンセプトは悪くないだけにもったいない。 --対する敵の巨大メカの方はというと、ラスボスの巨大メカが何故かヒーローロボットのような風貌になっている。 ---対してそれ以外の敵ロボは顔の部分が統一されているがその顔が異常に気持ち悪いデザイン。恐らく敵集団が「怪しげ」であることを強調する為の仕様だろうが、それが仇となりラスボスだけがどうしても世界観から浮いてしまっている。 -マップ造形の適当さ --地面や足場の無い背景部分には一切何も描画されておらず、足場を飛び移るアクションを多用させられるせいもあって''異次元空間に浮かんでいるようにしか見えない''。 --全編通して、マップのテクスチャに線の後がくっきりと見えてしまっている。 -ポーズ画面やインパクト戦の戦闘画面などのUIのデザインも全体的にショボく、PS極初期の時代を思わせるチープさである。 ***シナリオ・演出 -シナリオの内容も何かと粗が多い。 --ギャグは寒くてすべっている感があり、会話のテンポの悪さがそれに拍車をかけてしまっている。ギャグに合わせて笑い声を流すお馴染みの演出((『3』や『ネオ桃山幕府』であった通称:笑システム))でのフォローもない分、余計に寒々しさを助長している。 --メタ発言やギャグシーンでもないのに、ゴエモンがゲーム内部の用語を不自然にゲーム中で使いだす。 --医者がそこまで悪い事をしたわけでもないのに、唐突にゴエモンに説教される。自分の作った薬がバカ売れしたのがきっかけで本作のボス(妻と子)を守銭奴にしてしまったという程度で、寧ろ気の毒な立場。開発段階では医者も悪役だったのでその名残だろうか。 --ラスボスの1人が改心するシーンがギャグシーンのように流される。しかもそのキャラは以下完全に放置されたままゲームは終了する。 ---更にもう1人のラスボスは改心したのかしていないのかよく分からない行動をする。 -ムービーシーンの手抜きや演出のテンポの悪さ --主に巨大ロボが出てくる場面は背景が無くまっさらなグラデーションのみ。 --それ以外のムービーシーンも何かと雑。エビス丸を棒立ちのまま不自然に斜めに傾けたり。 --ザコキャラ3人組が出てくるシーンはなぜか総じてテンポが悪い。搭乗したロボットが爆発してふっ飛ばされる際にわざわざ一人ずつ飛んでいくなど。 ***世界観に合わないBGM -和楽を基調に様々な音楽ジャンルの成分を取り込むのがこれまでのBGMの特徴であったが、本作では和風の成分が薄く、~ 音楽ジャンルや曲調的にも世界観的にもゲームのイメージからかけ離れた曲ばかりで明らかに浮いてしまっている。 ---- **評価点 -OPムービー''だけ''は綺麗でかっこよく仕上がっている。…まさにOP詐欺。 -イベントシーンがフルボイス --N64版2作ではフルボイス付きのシーンはOPとEDだけであるため、この点だけは勝っている。 -サスケがちゃんとジャンプの際に一回転している。 -音楽の質自体は高い。 --世界観から乖離している面が目立つだけでBGMの質そのものは高く、クソ要素だらけの本作における数少ない評価点として認める声も少なくはない。 --特に、ヤエインパクト戦やヤエ専用ステージのしおから海岸のBGMは評価が高い曲である。 --また、過去作からのBGMのアレンジ流用はなく全て新曲。 ---この時期の外部開発作品では、据え置き機・携帯機双方において過去作からのBGMの流用が多く、この点について「さすがに手抜き感が否めない」「せっかくの新作なのだから新曲で統一してほしい」というユーザーの声も少なからずあったため、(世界観との融和性はともかくとして)新曲で統一したこと自体は評価できる。 -前述のように4人それぞれの専用インパクトの登場と、最終決戦で全インパクトが合体する、ありそうでなかった展開。 --それだけに、上述のあまりにも酷すぎる出来栄えが悔やまれる。 -インパクト戦は前述の通り出来は悪いが従来とは違ったシステムのため、極僅かだが評価するプレイヤーもいる。 --逃げ回って必殺技を打つ戦法を封印すれば新しい発見がある…かもしれない。 ---- **総評 出来の差が激しい外部開発作品中、最も評価の悪い問題作。~ システム・シナリオ・グラフィックといったゲームを構成する要素のどれもが低質の極みであり、合体インパクトなどの光るアイデアも見受けられるものの、開発元の技術力・表現力があまりにも追いついていないばかりか、シリーズの特色やそれまでお馴染みだったシステムまでことごとく排除した結果、シリーズの魅力が著しく削がれてしまった。~ そのゲーム内容のあまりの酷さからユーザー離れが発生し、7年後の『[[東海道中>がんばれゴエモン ~東海道中 大江戸天狗り返しの巻~]]』まで深刻なユーザー不信が尾を引き、シリーズが破綻に追い込まれてしまった。 ---- **余談 -実はエビス丸インパクトは、本作に先駆け帯ひろ志氏の漫画版『2』のストーリーにて、オリジナル設定のメカとして登場していた。 -『でろでろ道中』の開発者が名古屋を訪れた際、本作に登場する[[新型インパクトのイメージイラスト>http://www.konami.jp/gs/game/goegoe/library/0610_i_06.html]](公式サイトより)を見て悔しかったため、対抗すべくおみっちゃんをモデルとしたミスインパクトを登場させたらしい。声優は本作でおみっちゃんの声を担当した丹下桜氏。 --ちなみにゲーム中に登場する各インパクトは、このイラストとは似ても似つかないデザインになっている。 -当時ゴエモンシリーズとタイアップしていた講談社の児童誌『コミックボンボン』にコミカライズが連載されたが、作者はこれまで担当していた帯ひろ志氏ではなく、同誌初登場となる山藤ひろみ氏である。一応、ラスボスは倒してはいるが短期間の打ち切りであり、単行本も発売していない。 --正確には本作と『でろでろ道中』と同じく同時発売であったGBの『天狗党の逆襲』を混ぜたものである。その所為で内容もチグハグだが、本作だけを題材にしていたら数ヶ月すら持たなかった事だろう。 --当時はいわゆる「98年の誌面刷新」による、同誌の迷走が始まっていた時期でもある。 -ゴエモンシリーズの生みの親にしてシリーズ優良作を開発してきたKCE大阪に対して、こちらは過去にも『[[悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲]]』や『[[パワプロGB]]』でやらかしたKCE名古屋の開発である。 --ゴエモンシリーズにおいても、本作の前に発売された『[[黒船党の謎>がんばれゴエモン ~黒船党の謎~]]』でやらかしていたためユーザーからの批判は大きく、『パワプロ』や『悪魔城』と本作を合わせて「''シリーズを潰すために作られた''」「''KCE名古屋の悪意の象徴''」とまで言われている。 --また『黒船党』ではヤエの扱いが非常に悪かったため、「''KCE名古屋はヤエが嫌いなのでは?''」とファンの間でささやかれた。 -時期が時期だけにクリスマスプレゼントとして被害に遭った人も多い模様。またこんな内容にも関わらずベスト版が発売されている。 -公式のゴエモン総合サイトに掲載されている本家シリーズ制作者の蛭子悦延・山内円両氏の対談では、''敢えてタイトルを挙げてこれから語るかのように思わせて『きらきら道中』の話に切り替え、結局語らず仕舞い''と言う扱いをされている。(一応、開発資料は公開しているが) --メインタイトルで数々の良作を生み出してきた両氏にとって、本作の立場がどのようなものであったかがうかがえると同時に、両氏の胸の内が暗に察せられる一幕といえよう。 -実は[[『BEMANI』シリーズ>BEMANIシリーズ]]のコンポーザーの一人、junこと辛島純子氏が本作BGMの作曲者の一人として参加している。 --彼女が「DDR MAX2」でシリーズに参入するのは、この4年後の事である。

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