「ロックマン」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ロックマン - (2018/09/05 (水) 10:52:59) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*ロックマン 【ろっくまん】 |ジャンル|横スクロールアクション|&image(rockman.png,width=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|1MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|1987年12月17日|~| |定価|5,300円|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2008年7月29日/500Wiiポイント&br()【3DS】2012年7月18日&br()【WiiU】2013年6月12日/上記共に500円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **プロローグ >時は未来。ロボットが人間社会に浸透し、人間とロボットが仲良くしていた時代。~ ある日、平和を願う天才科学者「Dr.ライト」の元から6体の平和利用ロボットが奪われた。~ 犯人は悪の科学者「Dr.ワイリー」。彼は奪った6体のロボットを戦闘用に改造し、世界征服を狙っていたのだ。 > >ライトのもとに残ったのはお手伝いロボットの「ロック」と「ロール」だけ。~ ロックは兄弟を救う為、ワイリーの野望を防ぐ為に、ライトに自分を戦闘ロボに改造してもらうよう願う。~ 平和を愛するライトは渋々ながらこれを承知、ロックを戦闘ロボへと改造した。 > >かくして生まれた「ロックマン」の、正義の戦いが幕を開ける。 ---- **概要 『ロックマンシリーズ』の第1作であり、ファミコン初期にして後世のゲームにも多大な影響を与えた横スクロール・アクションの旗手。~ 未来の世界を舞台に、少年型ロボット・ロックマンと悪の天才科学者Dr.ワイリーの戦いを描く。 ---- **特徴 後のシリーズ作品の多くに受け継がれる主な要素は、以下の通り。 -目標となるボスの容姿が模されたアイコンを選択して各ステージへと移行する、プレイヤーの任意で攻略の順序を決める事が可能なシステム。~ 全ボスを撃破しクリアすると、最終面が出現する。 -撃破したボスの特殊武器を入手できる。 --それぞれエネルギー消費による使用回数制限はあるものの、初期装備のロックバスターでは破壊が困難な敵に対して有効であったりと攻略に深く関わる要素である。~ また、''ほぼ全てのボスがいずれかの特殊武器を弱点としており''、弱点武器を用いることで優位に立つことができ、どの順番でボスを倒していくかという戦略性にも繋がっている。 --武器を変更すると、ロックマン自身の体色も変化する。 //--特殊武器持ちのボス達は、全員最終面で再登場する。 -基本システムは十字ボタンでの移動、ジャンプ・ショットとオーソドックスなもの。初期装備のロックバスターは弾数が無限で、ある程度連射も利くが威力は低め。 -ライフ制+残機制の併用。ライフが無くなるか穴に落ちる・即死トラップの「トゲ」に触れるなどでミスとなり、復活ポイントに戻される。 --雑魚敵を倒すとライフ回復や1UPを落とすことがあり回復機会は多めだが、それが要因で難易度が低くなるようなことはない。 --ミスした時の光が弾けていくような演出と「ティウンティウン」という切なげな効果音は印象深い。 --残機が0になるとゲームオーバーとなり、同じステージを続けてプレイ(コンティニュー)するか、ステージ選択に戻るかを選べる(倒したボスの記録はそのまま)。コンティニュー回数は無限。 -特定の武器で破壊できる地形が存在する。 ''本作固有の特徴'' -ボス前の通路が長くザコ敵がいる。これは当初ディスクシステムで出す予定でロード時間をごまかすためであったという説が有力。 --以後のシリーズでは一画面になり敵はいなくなったが、「ボス前には原則として扉一つ挟んだ通路がある」ことは伝統として引き継がれている。 -ボスを倒した時にアイテムを取らないとクリアにならない。 -最初に選択できるステージは、8つではなく6つ((容量の都合によるものであり、当初は8ステージを想定していた。リメイク版である『ロックマン ロックマン』では、当初登場予定であったボスとは異なるものの、新しくボスが2体追加されている))。 -1度クリアしたステージにリトライすることはできるが、ボスも復活しているので再び倒さなくてはならない。 -スコア(得点)の概念があり、全てのボスキャラクターにスコアが設定されているほか、スコア獲得用のアイテム「ボーナスボール」(敵を倒すとこれを落とすことがあり、そのステージ内で入手した数が、同ステージのボス撃破時に1個につき1000点としてスコアに加算される)も存在する。 -パスワードが存在せず、1度電源を切ると最初からになる。 -最終面で登場する6体のボス再戦は選択式でなく、一定の順番で登場する。 --この再戦ボスを倒してもライフ回復アイテムが出現しない上、1度負けるとまた最初からやり直しになるなど、後のシリーズのものと比べると難易度は非常に高い。 -ロックバスター(初期装備)は敵に通用しない武器を当てても跳ね返らず、その場で消滅する。((8ではこの方式に戻っている)) --ロックバスター以外の特殊武器は、通用しない敵に当てても消えずに貫通する。 --サンダービームのみ、カットマンに当てた場合に電撃がバラバラに砕け散る演出が発生する。ただし、ダメージを与えることはできる。 -ダメージを受けた直後の無敵時間中でも、トゲに触れた瞬間にミスとなる。 -水中でもジャンプ力が増加しない。 -地形以外の足場(リフト、マグネットビームなど)に立っている間も重力が加算されているらしく、これらからジャンプせずに足を踏み外すと、物凄い速さで落下してしまう(出現・消滅を繰り返す点滅ブロックを除く)。 -上下移動などで画面が切り替わる、あるいはスクロールアウトしてまた戻ってくるなどすると、ステージ中に配置されたアイテムが復活する。 --箇所によってはライフや武器エネルギーの回復ポイントとなる。この仕様を知っていると幾分攻略しやすくなる。 ---- **評価点 -ステージ選択性、特殊武器によりプレイヤーが決められるゲーム進行 --難易度の低いステージから始めて弱点武器でゴリ押しするもあえて難易度の高いステージからプレイして行くのもプレイヤー次第。~ さすがに開始直後だと厳しいステージもあるものの、どの面から進んでもボスまでたどり着けて撃破することは可能。 -完成度の高いアクション性 --敵ボスの武器の使用可能という面に目を奪われがちな本作であるが、その真髄は過去のゲームを綿密に研究しまとめあげたアクションの仕様にある。 --十字ボタンを短く押すことでできる、すり足移動による微調整。 --ジャンプボタンの押し加減によるジャンプの大小と、それによる微妙な軸ずらし攻撃のしやすさ。 --踏み出した足場に戻って来られる空中制動と、それに合致したレベルデザイン。 --着地時のジャンプ先行入力(これが無かったら、イエローデビルはさらに恐ろしい目押しゲーになっていたはず)。 --等々、今なら当然と思えるような仕様を過不足なく実装・調整していたことによって、本作の快適な操作が実現している。 -敵味方ともに非常に多いグラフィックパターン --自機であるロックマンひとつとっても、立ちポーズ、移動時、ジャンプ時、攻撃時の他、被弾時(仰け反るアクション付き)、ハシゴを登る際(登り切った時の「体を折り曲げている」姿まである)、果ては数秒ごとに''まばたき''まで行う程である。 ---ガッツマンの地震攻撃による「のけぞりリアクション」(基本的に、対ガッツマン戦専用のリアクションだと思われがちだが、実は後述するマグネットビームに乗った状態で敵からダメージを受けた際も同リアクションが見られる)や、スーパーアームを使ってブロックを持ち上げたときの独自のグラフィックパターンまで用意してある。これらのものは基本的に後続の作品にすらない。 -バリエーションに富むステージ構成 --「ビーム飛び交うエレキマンステージ」「氷で滑るアイスマンステージ」などボスからイメージされた各ステージはそれぞれに特色があり、似たようなステージがなく飽きさせない。そのステージ限定のザコ敵もおり個性的なステージ構成となっている。 --横方向にのみスクロールすることが多かった当時の他のアクションゲームに比べ、梯子を大量配置することで縦方向へのスクロールも多くなっている。これにより横と縦を組み合わせた多様性に富むステージ構成が実現されている。 -個性的かつ温かみのある世界観 --ロボット同士の戦いというシビアな設定ではあるが、懐かしいレトロフューチャー風味の世界観や丸みを帯びたロボットキャラのデザインに温かみがあり、殺伐さを感じさせない。 ---- **賛否両論点 -攻略に必須な移動用アイテム「マグネットビーム」だが、ボタンを押している時間で足場の長さが決まる、ボタンを離した時点の高さで固定される(ただし出しながら動き回っているうちにもなぜか勝手に固定される)というもので、慣れるまで操作が難しい。 --表示処理の関係で、長くした足場ほど視認性が悪くなる。また、非常に長く伸ばせるものの意外に保持時間は短く、最大まで伸ばした状態で乗っても最後まで行く前に消えてしまうので、場合によっては途中で次の足場を作っておく必要がある。 --また、普通にジャンプしないで降りた(端から歩いて落ちる・時間切れでビームが消える)場合はとてつもない速さで落下するため、ジャンプしなくても(惰性で)自然落下中に足場にとどくだろうと思っているとひどい目にあう。 -調整不足な難易度 //-非常に高い難易度 //当時の他のゲームや後発のXシリーズなどと比べても本作を「非常に高い難易度」とは言い切れず飽くまで無印ロックマンシリーズ内の比較という印象しかない。敵の攻撃が嫌らしくかわしにくかったり、攻撃力が高すぎたり、回復なしボス連戦があったりと難易度は「調整不足」という言葉がよりふさわしい。 --本作を語る上で外せないのが、シリーズ中でも一二を争う難易度の高さである。豊富に施された様々なギミック・トラップは即死を伴うものも多く、初見でクリアするのは至難。 ---もちろん慣れれば攻略可能だが、頻繁に足場として機能しなくなる移動リフト、一定間隔で出現・消滅する足場ブロックなど後発作品に比べ難易度が高い。 ---ショットでプレイヤーを叩き落とす浮遊足場型のザコ敵「フットホールダー」は、完全にランダムで高度を変える上、何故か足場判定がなくなることもあるため運が絡む(マグネットビームで回避可能ではある)。例えアクション慣れしているプレイヤーでも一筋縄ではいかない。 ---驚異の耐久度とダメージを誇る一ツ脚の巨大なメカ「ビッグアイ」等、ザコ敵もなかなかに強敵であるものが存在する。 --ボスも手強く''こちらのライフゲージが満タンでもたった3発で0にする''恐るべき高ダメージの特殊武器を放ってくるエレキマンとアイスマン。この2体とそれぞれ戦った時の緊張感は凄まじいものがある。 ---ただ、6ボスの時点では初心者お断りとなるような理不尽な難易度ではない。消えるブロックや特殊ギミック、一撃死が目白押しの「アイスマン」ステージの難易度が高く設定されている一方、即死ポイントの少ない「カットマン」「ボンバーマン」ステージの難易度が非常に低く攻略しやすい。 ---前述したエレキマン・アイスマンも、弱点をつけば''相手も3発で倒せる''ので、バスターでの攻略に固執しなければ極端ではあるがバランスは取れている。また、同時にステージ・ボス共に簡単なカットマン((ロックバスターでも(シリーズでも最大の)3ダメージを与えられ、かつ固有武器の攻撃力が低い。))から攻略する事で、エレキマンの弱点武器を先に入手する手順が成り立つ。エレキマン攻略後は他のステージ中の難関も幾つかはマグネットビームによって難易度の緩和ができる。 ---また、初心者向けのカットマン→エレキマンルートで攻略する場合、マグネットビームの回収のためにエレキマンステージに2度挑戦する必要があるが、マグネットビームなしでリフト地帯を突破できるならカットマンより先にガッツマンを攻略するパターンもあり、プレイヤーの腕次第で簡略化も可能。 -一部のボスの凶悪さ --ワイリーステージ1の最奥部で待ち受けるボスであり、そして本作における象徴的な存在こと''イエローデビル''は多くのプレイヤーにコントローラーを投げ出させ、多大なトラウマを植え付けた。 ---パターンとしては、本体がパーツごとに分散しかなりのスピードで飛来し、合体して巨大な一つ目の怪物を形作った瞬間に僅かな時間だけ弱点を露出させる。攻撃のチャンスはその一瞬だけであり、すぐさま分離して逆側に移動しつつプレイヤーに体当たり攻撃を開始するという凶悪なもの。最初に登場する時でさえボスエネルギーゲージだけが先に出現し攻撃してくる。 ---相手と自分の1ヒットのダメージ量は(こちらがボスの弱点武器を使用して)互角。目の出現位置以外は固定パターンなので、攻略は回避技術と''集中力''が全てである。 ---このイエローデビルを越えられる事は当時のステータスであり、完全にパターン化しているとはいえ、タイミングは結構シビア。その強さたるや、現在でも「裏技を使わなければ倒せる気がしない」と嘆くプレイヤーが存在するほど。 ---ミスした際のリトライポイントがボス部屋直前であることが救いか。 ---その強さのインパクトもあってか、後のシリーズでも似たようなタイプのボスがちょくちょく登場している((その内の一体が『X5』に登場した「シャドーデビル」であり、戦闘BGMは本作のアレンジになっている。))。 --イエローデビルを倒しても、次にワイリーステージ2のボスであるロックマンと同じ姿のコピーロボットが立ちふさがる。 ---こちらも攻略法を確立するまではかなりの強敵で、随時ロックマンの装備している武器を使ってくる上、同じ武器にも関わらず弱点武器でもダメージ量は相手の方が2倍あり、体当たりでも厳しいダメージを与えてくる。 ---さらにこのステージ途中ではカットマンとエレキマンとの再戦が待っており、回復アイテムもほとんどなくザコ敵からも稼ぎにくい。ボスに到達するまでは、ミスした際のリトライポイントはそのステージ初めからである。 --ラストステージでは残りの4体のボスとの連戦があり、最後にワイリーが待ち受けている。 ---ワイリーに到達するまでは、これらを全て途中回復なしで撃破しなければならない。道中も他のステージほどでないにしろ決して簡単ではない。 とはいえ、このような難易度の高さは逆に本作の魅力としてプレイヤーを惹きつける要素ともなっており、必ずしも問題点とは言えない。~ コンティニューはステージ毎かつ無制限であるため、まさしくシリーズの特徴である典型的な「ミスを繰り返して覚える」を体現したシステムと言う事もできる。 ---- **問題点 //-特定武器がないと後戻りしなければならない場面がある。 //--前者はワイリーステージ1で「マグネットビーム」未所持だと先に進むことができない。 //マグネットビームについて、説明書には「撃ったレーザー光線の上に乗れるというすごいアイテム。このアイテムがないと最終ステージをクリアーすることは不可能なのだ」と明記されているが。どこが問題? 説明書なしの中古を買ったプレイヤーに関してはメーカーの責任じゃないし。 //↑説明書は知らないし初耳だがこれに関しては問題点とは思わない。というか道中の画面上で目立つこのアイテムを手に入れない理由がないし、仮に手に入れていなければゲームオーバーからワイリーステージを抜けるだけで「詰む」とは呼ばない //--後者はエレキマンステージではしごを登っていくルートのうち一つはブロックの除去方法がないと先に進めず一度戻ってもう一方のルートを進まなければならず更にこのステージに配置されているマグネットビームも入手できない。 //---こういった面がエレキマンステージの(仕様上の理不尽による)難易度が高い理由の一つになっている。 //---次回作以降、攻略に必須となる特殊武器・アイテムは特定のボス撃破後に手に入るといった形で後戻りしなくてもいいように配慮されるようになった。 //これも直線の梯子を3画面分くらい登るだけだった気が。出現する邪魔な雑魚も少し慣れれば簡単に潰せるし、この程度で問題点はさすがに無理がある -本シリーズでは特殊武器の使い勝手に差が大きいが、本作ではガッツマン・ボンバーマンの撃破でそれぞれ得られる「スーパーアーム」「ハイパーボム」の性能が微妙すぎる。 --スーパーアーム ---これは特定ブロックを持ち上げて投げる特殊武器(特殊装備)で、攻撃用途で見ると''肝心のブロックが道中にほとんどなく''、1つもないステージもざらにある。というよりまともに武器として使えるのはカットマンステージぐらいなものなのだが、そこですらボス戦以外たいして役には立たない。また、当然といえば当然であるが、ブロックを持ち上げている状態ではハシゴにつかまって昇降することが出来ない。 ---ボスに対して使おうにも、選択6ボスステージでボス部屋にブロックが置いてあるのは、ガッツマン・カットマン・エレキマンのみである。さらに、ワイリーステージでは3番目のボス・CWU-01Pの部屋のみである。もちろん、ガッツマンと初めて戦う時にはスーパーアームは持っていない(本作の仕様上、ガッツマン撃破後に再び同ステージ最奥部まで行き再戦すれば、ブロック[岩石]を持ち上げてガッツマンを攻撃することも出来るが、当然そんなことをする意味はほぼ無い)し、''ワイリーステージの再戦時にはブロックが置かれていない''。弱点武器としての効果は高いが使いどころが限られるため「通路を塞ぐブロックの撤去」の方が主な使い道になってしまう。 ---しかも、これらの対象ブロックは''サンダービームでも破壊可能''なので、むしろ接近しないとつかめない分使い勝手が悪い。サンダービームは温存したいので結局スーパーアームを使いがちなのだが、立場が弱いことに変わりはない((リメイク作の『ロックマン ロックマン』ではサンダービームでブロックを壊せなくなり差別化された。))。 ---ただそのサンダービームを入手できるエレキマンステージでは、ブロックの撤去能力はなかなか役立つため先に入手しておく価値はある。 --ハイパーボム ---放物線を描く大型爆弾を投擲し、発射後しばらくすると爆発する特殊武器。しかし投擲距離があまりに短く、爆発までタイムラグがあるため、基本的には下方への攻撃にしか使えない。しかも爆発するまでは攻撃判定がなく、画面上に長く残る性質ながら同時に出せるのは1発であるため、攻撃効率も極めて低い。せめて、ボンバーマン自身が使用するものと同様に「敵や地形に当たった瞬間に爆発する」という性能であれば、まだ使い道はあったであろう。 ---下方への攻撃に使おうにも、よほど敵との位置関係がピッタリな場所でないとまず当てられない。唯一の救いは、この武器を弱点とする本命のボス・ガッツマン(爆風を3回当てれば倒せる)が鈍重であること、次点のアイスマン(本来はサンダービームが弱点で3発当てれば倒せるが、ハイパーボムの爆風でも7発当てれば倒せる)も動きが一定で比較的当てやすいことぐらいか。 ---なおガッツマンは初戦では最弱クラスのボスであり、十分にバスターで攻略できるためわざわざ使いにくいハイパーボムを使うまでもなく、難関とされるステージ最初のリフト地帯も慣れてしまえば十分に行けるため、最初のステージとしても選択しやすい。ハイパーボムが役立つのは有利な岩の上で戦えない再戦時ぐらいのものである。 ---一応カットマンステージで飛んでくる障害物の「スーパーカッター」はこのハイパーボムでしか倒せない。もっとも、当てづらい上に倒しても特にメリットはないのだが…。 --この2つの武器の使いづらさゆえかGB移植版ともいえる[[ロックマンワールド]]ではこの2体のボスはステージごと省かれている。しかし「スーパーアーム」は[[ロックマンワールド5]]で「ディープディガー」として形を変えて復活している。 --同様にAC『[[ロックマン ザ パワーバトル]]』やPSPでのリメイク『ロックマン ロックマン』でもボス本人が出演し両者の特殊武器も登場しているものの、特殊武器自体の性能が大きくアレンジされた物になっている。詳しくはそれぞれの記事で。 -説明書には、''特殊武器の名称及び解説が全く載っていない''。特殊武器の名称と解説が説明書に載るのは、シリーズ全体では『[[ロックマンワールド]]』、本家シリーズでは『4』以降である。さらに本作ではゲーム中にすら特殊武器の名称が表示されない(次作『2』と次々作『3』では説明書には載っていないものの、ゲーム中、ボス撃破時に各特殊武器の名称は表示される)。 //「載っていないこと」自体は単独の問題点になりうる。 --ボスの弱点に関しては、推理するなり実際に当てて試せということなのかもしれないが、使い方の分かりにくい武器や道中のギミック解除に必要な武器もあるため、どんな性質を持っているのか簡単なヒントくらいは欲しかったところである。 --発売当時のゲームとして、このくらいの不親切さは標準だったという面もあるにはある。 -当時のゲームとしては珍しい事ではないが、スコア表示はエクステンド(残機アップ)やランキングがないので特に意味がない。 --制限時間がなく、ザコ敵もスクロールアウトして戻れば無限に沸いて出てくるため、高得点を競う意味もない。 ---本作の難易度はかなり高いため、せめて、エクステンド有り(例えば数十万点取るごとに残機アップ)にして、さらに1UPアイテムはザコ敵を倒すことでは入手出来ない(ステージ中に置いてあるものだけ入手可能)という仕様になっていればまだ意味はあったかもしれないが…。 -パスワード機能が無いために電源を入れるたびに最初からプレイしていかなければならない。 --一応ゲームそのものは短めだがそれでも一気に最後まですすめるのは骨が折れる。 --ただこれはシリーズ後発作品と比べた場合の話であって、当時この程度の長さで途中再開がないのは普通である。むしろコンティニューが無限な分プレイしやすい方である。 ---- **総評 初代作品ゆえところどころ粗は目立つが、操作性、アクション性、ステージ構成、グラフィックなど、いずれも当時のアクションゲームの水準を越えて抜きんでた質の高さを内包しており、十分に高い完成度でまとめ上げられている。 独自色を出すべく工夫を凝らしながらもシリーズ初作品ということで、当時はあまり売れなかったが、続編以降、本作で確立されたゲーム性に更なる磨きをかけて完成度を高めつつ、ボスキャラデザインの一般公募を恒例行事として行うなどのイベントも相まって徐々に人気を高め、カプコンの看板タイトルとして順当に成長していくことになる。 ---- ---- **移植 -後にメガドライブ用ソフト『[[ロックマンメガワールド]]』に再録され、PSにも[[移植>ロックマンコンプリートワークス]]が行われた。更にリニューアル版として『[[ロックマン ロックマン]]』が発売された。 -他にも携帯アプリにて『ロックマン Lite』と『ロックマン完全版』のタイトルで配信されている。 --Lite版は当時の携帯端末の性能に合わせて調整が行われているためFC版とは内容が少々異なる。 --完全版はほぼ忠実な移植であり、1度オールクリアをすると隠し要素としてロールでプレイできるようになる。 ---ロールはロックマンよりバスターの威力が低く、特殊武器も使えない。代わりに武器エネルギーを消費して、敵を貫通するチャージショットが撃てる。但し、『ロックマン4』以降のチャージショットと違い、チャージから発射までがオートで行われる為、動いている敵に当てるのが難しいため難易度はロックマンよりも高い。 -Wii、3DS共にバーチャルコンソールでも配信されている。こちらも完全な移植だが、目の負担を軽減するため、FC版に比べて画面の輝度が抑えられている。 -これら移植・リメイク版では移植に伴いセーブ機能が追加されているので、今本作を始めるのなら移植版をプレーする事を推奨する。 ---- **余談 //余談的内容なのでこっちに移動。 -裏技 #region(閲覧注意) -セレクトボタンを押してポーズをかけてもダメージ後の無敵時間は減っている。つまり、これを利用するとボス敵の無敵時間を消す事ができる。 --具体的には、攻撃を当てた瞬間にポーズをかけ、無敵時間を示すエフェクトが消えたらポーズを解除し、再度ポーズ…を繰り返す事で連続してダメージが与えられる。 --作中最強と謂われるイエローデビルをアクションが苦手なプレイヤーでも撃破できる、唯一の救済策とも言える。 ---但しこれを利用すると各ボスが軒並みザコに成り下がってしまう為、シリーズ屈指の難易度が急激に落ち込んでしまう。通常プレイでの利用はお勧めしかねる所である。 #endregion -Dr.ワイリーは主人公のロックマンを差し置いて『クイズカプコンワールド』で一足先にアーケードデビューを果たしている。 --『2』でも「ロックマンは道中の雑魚なのにワイリーはボス」と優遇されている。 -開発当初は上層部の意向により鉄腕アトムの版権を用いたゲームを作る予定だったが、プロデューサーの意向でオリジナルキャラのロックマンで貫き通した逸話がある。 -「ロックマン」と言うタイトルが決まる前は、『''レインボー戦士ミラクルキッド''』というタイトル候補があった。 --これは特殊武器を装備するとロックマンの色が変わるところから着想されたものとのこと。 -海外NES版『MEGAMAN(メガマン)』のパッケージイラストでは、日本版のロックマンとはかけ離れた黄色と青の全身スーツ姿のマッチョな人物が描かれている([[参考画像>https://en.wikipedia.org/wiki/File:Mega_Man_1_box_artwork.jpg]])。 --このメガマンは海外では「Bad Box Art Mega Man(BBA Mega Man)」とも呼ばれている。 --尤も、当時の海外版パッケージは色んな意味でアメリカナイズされているものが多く、イメージギャップがあるのはロックマンだけに限らないのだが… --ちなみにこのパッケージのメガマンは、PS3/PSV版『ストリートファイター X 鉄拳』に参戦する事になった。まさかの海外パッケージ仕様のロックマンが参戦するとは誰が思っただろうか。 -本作に登場するボスキャラクターの1体である「ボンバーマン」は何かと不遇でマイナーキャラ扱いされる事が多い。 --『[[ロックマンワールド]]』ではガッツマンと共にオミット対象となった。 ---しかし相方のガッツマンは『2』や『7』で派生ボスが出ており、『[[ロックマン ザ パワーバトル]]』、『ロックマン バトル&チェイス』といったスピンオフ作品に出演する機会にも恵まれており、見事に汚名を返上している。 --一応ボンバーマン自体は『[[ロックマンズサッカー]]』に出演しているが、同じく1のボスであるカットマン、エレキマン、ファイヤーマンが8大ボスに抜擢される、アイスマンは8大ボスには選ばれなかったものの俊足型でFW向きと個性付けがされる一方で、ボンバーマンは平均性能であるが止められる・通用する必殺シュートの幅が少なく今一つなキャラクターとなっているなど、ここでも扱いの悪さが目立つ。 --とどめにロックマンエグゼ。[[初代エグゼ>バトルネットワーク ロックマンエグゼ]]では終盤戦のボスという非常に美味しい役回りで、アニメ版でもN-1グランプリ準決勝でのストーンマンとのタッグでそれぞれ熱斗やロックマンを苦しめたが、他のWWWメンバーがオペレーター・ナビ共々個性派揃いだった事から地味に見られがちで、以降の続編やスピンオフへの出演も無くアニメでは登場する度にかませ犬という有様。 --爆弾を扱うという設定であるにも関わらず見た目が地味な事、[[ハドソンの同名看板タイトル>ボンバーマンシリーズ]]の知名度の影に霞みがちな事も原因と思われる。 ---ただしキャラの名前に関しては、海外版ではステージセレクト画面で表示される名義の「ボムマン」に名称が変更され某タイトルの差別化が図られている。
*ロックマン 【ろっくまん】 |ジャンル|横スクロールアクション|&image(rockman.png,width=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|1MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|1987年12月17日|~| |定価|5,300円|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2008年7月29日/500Wiiポイント&br()【3DS】2012年7月18日&br()【WiiU】2013年6月12日/上記共に500円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **プロローグ >時は未来。ロボットが人間社会に浸透し、人間とロボットが仲良くしていた時代。~ ある日、平和を願う天才科学者「Dr.ライト」の元から6体の平和利用ロボットが奪われた。~ 犯人は悪の科学者「Dr.ワイリー」。彼は奪った6体のロボットを戦闘用に改造し、世界征服を狙っていたのだ。 > >ライトのもとに残ったのはお手伝いロボットの「ロック」と「ロール」だけ。~ ロックは兄弟を救う為、ワイリーの野望を防ぐ為に、ライトに自分を戦闘ロボに改造してもらうよう願う。~ 平和を愛するライトは渋々ながらこれを承知、ロックを戦闘ロボへと改造した。 > >かくして生まれた「ロックマン」の、正義の戦いが幕を開ける。 ---- **概要 『ロックマンシリーズ』の第1作であり、ファミコン初期にして後世のゲームにも多大な影響を与えた横スクロール・アクションの旗手。~ 未来の世界を舞台に、少年型ロボット・ロックマンと悪の天才科学者Dr.ワイリーの戦いを描く。 ---- **特徴 後のシリーズ作品の多くに受け継がれる主な要素は、以下の通り。 -目標となるボスの容姿が模されたアイコンを選択して各ステージへと移行する、プレイヤーの任意で攻略の順序を決める事が可能なシステム。~ 全ボスを撃破しクリアすると、最終面が出現する。 -撃破したボスの特殊武器を入手できる。 --それぞれエネルギー消費による使用回数制限はあるものの、初期装備のロックバスターでは破壊が困難な敵に対して有効であったりと攻略に深く関わる要素である。~ また、''ほぼ全てのボスがいずれかの特殊武器を弱点としており''、弱点武器を用いることで優位に立つことができ、どの順番でボスを倒していくかという戦略性にも繋がっている。 --武器を変更すると、ロックマン自身の体色も変化する。 //--特殊武器持ちのボス達は、全員最終面で再登場する。 -基本システムは十字ボタンでの移動、ジャンプ・ショットとオーソドックスなもの。初期装備のロックバスターは弾数が無限で、ある程度連射も利くが威力は低め。 -ライフ制+残機制の併用。ライフが無くなるか穴に落ちる・即死トラップの「トゲ」に触れるなどでミスとなり、復活ポイントに戻される。 --雑魚敵を倒すとライフ回復や1UPを落とすことがあり回復機会は多めだが、それが要因で難易度が低くなるようなことはない。 --ミスした時の光が弾けていくような演出と「ティウンティウン」という切なげな効果音は印象深い。 --残機が0になるとゲームオーバーとなり、同じステージを続けてプレイ(コンティニュー)するか、ステージ選択に戻るかを選べる(倒したボスの記録はそのまま)。コンティニュー回数は無限。 -特定の武器で破壊できる地形が存在する。 ''本作固有の特徴'' -ボス前の通路が長くザコ敵がいる。これは当初ディスクシステムで出す予定でロード時間をごまかすためであったという説が有力。 --以後のシリーズでは一画面になり敵はいなくなったが、「ボス前には原則として扉一つ挟んだ通路がある」ことは伝統として引き継がれている。 -ボスを倒した時にアイテムを取らないとクリアにならない。 -最初に選択できるステージは、8つではなく6つ((容量の都合によるものであり、当初は8ステージを想定していた。リメイク版である『ロックマン ロックマン』では、当初登場予定であったボスとは異なるものの、新しくボスが2体追加されている))。 -1度クリアしたステージにリトライすることはできるが、ボスも復活しているので再び倒さなくてはならない。 -スコア(得点)の概念があり、全てのボスキャラクターにスコアが設定されているほか、スコア獲得用のアイテム「ボーナスボール」(敵を倒すとこれを落とすことがあり、そのステージ内で入手した数が、同ステージのボス撃破時に1個につき1000点としてスコアに加算される)も存在する。 -パスワードが存在せず、1度電源を切ると最初からになる。 -最終面で登場する6体のボス再戦は選択式でなく、一定の順番で登場する。 --この再戦ボスを倒してもライフ回復アイテムが出現しない上、1度負けるとまた最初からやり直しになるなど、後のシリーズのものと比べると難易度は非常に高い。 -ロックバスター(初期装備)は敵に通用しない武器を当てても跳ね返らず、その場で消滅する。((8ではこの方式に戻っている)) --ロックバスター以外の特殊武器は、通用しない敵に当てても消えずに貫通する。 --サンダービームのみ、カットマンに当てた場合に電撃がバラバラに砕け散る演出が発生する。ただし、ダメージを与えることはできる。 -ダメージを受けた直後の無敵時間中でも、トゲに触れた瞬間にミスとなる。 -水中でもジャンプ力が増加しない。 -地形以外の足場(リフト、マグネットビームなど)に立っている間も重力が加算されているらしく、これらからジャンプせずに足を踏み外すと、物凄い速さで落下してしまう(出現・消滅を繰り返す点滅ブロックを除く)。 -上下移動などで画面が切り替わる、あるいはスクロールアウトしてまた戻ってくるなどすると、ステージ中に配置されたアイテムが復活する。 --箇所によってはライフや武器エネルギーの回復ポイントとなる。この仕様を知っていると幾分攻略しやすくなる。 ---- **評価点 -ステージ選択性、特殊武器によりプレイヤーが決められるゲーム進行 --難易度の低いステージから始めて弱点武器でゴリ押しするもあえて難易度の高いステージからプレイして行くのもプレイヤー次第。~ さすがに開始直後だと厳しいステージもあるものの、どの面から進んでもボスまでたどり着けて撃破することは可能。 -完成度の高いアクション性 --敵ボスの武器の使用可能という面に目を奪われがちな本作であるが、その真髄は過去のゲームを綿密に研究しまとめあげたアクションの仕様にある。 --十字ボタンを短く押すことでできる、すり足移動による微調整。 --ジャンプボタンの押し加減によるジャンプの大小と、それによる微妙な軸ずらし攻撃のしやすさ。 --踏み出した足場に戻って来られる空中制動と、それに合致したレベルデザイン。 --着地時のジャンプ先行入力(これが無かったら、イエローデビルはさらに恐ろしい目押しゲーになっていたはず)。 --等々、今なら当然と思えるような仕様を過不足なく実装・調整していたことによって、本作の快適な操作が実現している。 -敵味方ともに非常に多いグラフィックパターン --自機であるロックマンひとつとっても、立ちポーズ、移動時、ジャンプ時、攻撃時の他、被弾時(仰け反るアクション付き)、ハシゴを登る際(登り切った時の「体を折り曲げている」姿まである)、果ては数秒ごとに''まばたき''まで行う程である。 ---ガッツマンの地震攻撃による「のけぞりリアクション」(基本的に、対ガッツマン戦専用のリアクションだと思われがちだが、実は後述するマグネットビームに乗った状態で敵からダメージを受けた際も同リアクションが見られる)や、スーパーアームを使ってブロックを持ち上げたときの独自のグラフィックパターンまで用意してある。これらのものは基本的に後続の作品にすらない。 -バリエーションに富むステージ構成 --「ビーム飛び交うエレキマンステージ」「氷で滑るアイスマンステージ」などボスからイメージされた各ステージはそれぞれに特色があり、似たようなステージがなく飽きさせない。そのステージ限定のザコ敵もおり個性的なステージ構成となっている。 --横方向にのみスクロールすることが多かった当時の他のアクションゲームに比べ、梯子を大量配置することで縦方向へのスクロールも多くなっている。これにより横と縦を組み合わせた多様性に富むステージ構成が実現されている。 -個性的かつ温かみのある世界観 --ロボット同士の戦いというシビアな設定ではあるが、懐かしいレトロフューチャー風味の世界観や丸みを帯びたロボットキャラのデザインに温かみがあり、殺伐さを感じさせない。 ---- **賛否両論点 -攻略に必須な移動用アイテム「マグネットビーム」だが、ボタンを押している時間で足場の長さが決まる、ボタンを離した時点の高さで固定される(ただし出しながら動き回っているうちにもなぜか勝手に固定される)というもので、慣れるまで操作が難しい。 --表示処理の関係で、長くした足場ほど視認性が悪くなる。また、非常に長く伸ばせるものの意外に保持時間は短く、最大まで伸ばした状態で乗っても最後まで行く前に消えてしまうので、場合によっては途中で次の足場を作っておく必要がある。 --また、普通にジャンプしないで降りた(端から歩いて落ちる・時間切れでビームが消える)場合はとてつもない速さで落下するため、ジャンプしなくても(惰性で)自然落下中に足場にとどくだろうと思っているとひどい目にあう。 -調整不足な難易度 //-非常に高い難易度 //当時の他のゲームや後発のXシリーズなどと比べても本作を「非常に高い難易度」とは言い切れず飽くまで無印ロックマンシリーズ内の比較という印象しかない。敵の攻撃が嫌らしくかわしにくかったり、攻撃力が高すぎたり、回復なしボス連戦があったりと難易度は「調整不足」という言葉がよりふさわしい。 --本作を語る上で外せないのが、シリーズ中でも一二を争う難易度の高さである。豊富に施された様々なギミック・トラップは即死を伴うものも多く、初見でクリアするのは至難。 ---もちろん慣れれば攻略可能だが、頻繁に足場として機能しなくなる移動リフト、一定間隔で出現・消滅する足場ブロックなど後発作品に比べ難易度が高い。 ---ショットでプレイヤーを叩き落とす浮遊足場型のザコ敵「フットホールダー」は、完全にランダムで高度を変える上、何故か足場判定がなくなることもあるため運が絡む(マグネットビームで回避可能ではある)。例えアクション慣れしているプレイヤーでも一筋縄ではいかない。 ---驚異の耐久度とダメージを誇る一ツ脚の巨大なメカ「ビッグアイ」等、ザコ敵もなかなかに強敵であるものが存在する。 --ボスも手強く''こちらのライフゲージが満タンでもたった3発で0にする''恐るべき高ダメージの特殊武器を放ってくるエレキマンとアイスマン。この2体とそれぞれ戦った時の緊張感は凄まじいものがある。 ---ただ、6ボスの時点では初心者お断りとなるような理不尽な難易度ではない。消えるブロックや特殊ギミック、一撃死が目白押しの「アイスマン」ステージの難易度が高く設定されている一方、即死ポイントの少ない「カットマン」「ボンバーマン」ステージの難易度が非常に低く攻略しやすい。 ---前述したエレキマン・アイスマンも、弱点をつけば''相手も3発で倒せる''ので、バスターでの攻略に固執しなければ極端ではあるがバランスは取れている。また、同時にステージ・ボス共に簡単なカットマン((ロックバスターでも(シリーズでも最大の)3ダメージを与えられ、かつ固有武器の攻撃力が低い。))から攻略する事で、エレキマンの弱点武器を先に入手する手順が成り立つ。エレキマン攻略後は他のステージ中の難関も幾つかはマグネットビームによって難易度の緩和ができる。 ---また、初心者向けのカットマン→エレキマンルートで攻略する場合、マグネットビームの回収のためにエレキマンステージに2度挑戦する必要があるが、マグネットビームなしでリフト地帯を突破できるならカットマンより先にガッツマンを攻略するパターンもあり、プレイヤーの腕次第で簡略化も可能。 -一部のボスの凶悪さ --ワイリーステージ1の最奥部で待ち受けるボスであり、そして本作における象徴的な存在こと''イエローデビル''は多くのプレイヤーにコントローラーを投げ出させ、多大なトラウマを植え付けた。 ---パターンとしては、本体がパーツごとに分散しかなりのスピードで飛来し、合体して巨大な一つ目の怪物を形作った瞬間に僅かな時間だけ弱点を露出させる。攻撃のチャンスはその一瞬だけであり、すぐさま分離して逆側に移動しつつプレイヤーに体当たり攻撃を開始するという凶悪なもの。最初に登場する時でさえボスエネルギーゲージだけが先に出現し攻撃してくる。 ---相手と自分の1ヒットのダメージ量は(こちらがボスの弱点武器を使用して)互角。目の出現位置以外は固定パターンなので、攻略は回避技術と''集中力''が全てである。 ---このイエローデビルを越えられる事は当時のステータスであり、完全にパターン化しているとはいえ、タイミングは結構シビア。その強さたるや、現在でも「裏技を使わなければ倒せる気がしない」と嘆くプレイヤーが存在するほど。 ---ミスした際のリトライポイントがボス部屋直前であることが救いか。 ---その強さのインパクトもあってか、後のシリーズでも似たようなタイプのボスがちょくちょく登場している((その内の一体が『X5』に登場した「シャドーデビル」であり、戦闘BGMは本作のアレンジになっている。))。 --イエローデビルを倒しても、次にワイリーステージ2のボスであるロックマンと同じ姿のコピーロボットが立ちふさがる。 ---こちらも攻略法を確立するまではかなりの強敵で、随時ロックマンの装備している武器を使ってくる上、同じ武器にも関わらず弱点武器でもダメージ量は相手の方が2倍あり、体当たりでも厳しいダメージを与えてくる。 ---さらにこのステージ途中ではカットマンとエレキマンとの再戦が待っており、回復アイテムもほとんどなくザコ敵からも稼ぎにくい。ボスに到達するまでは、ミスした際のリトライポイントはそのステージ初めからである。 --ラストステージでは残りの4体のボスとの連戦があり、最後にワイリーが待ち受けている。 ---ワイリーに到達するまでは、これらを全て途中回復なしで撃破しなければならない。道中も他のステージほどでないにしろ決して簡単ではない。 とはいえ、このような難易度の高さは逆に本作の魅力としてプレイヤーを惹きつける要素ともなっており、必ずしも問題点とは言えない。~ コンティニューはステージ毎かつ無制限であるため、まさしくシリーズの特徴である典型的な「ミスを繰り返して覚える」を体現したシステムと言う事もできる。 ---- **問題点 //-特定武器がないと後戻りしなければならない場面がある。 //--前者はワイリーステージ1で「マグネットビーム」未所持だと先に進むことができない。 //マグネットビームについて、説明書には「撃ったレーザー光線の上に乗れるというすごいアイテム。このアイテムがないと最終ステージをクリアーすることは不可能なのだ」と明記されているが。どこが問題? 説明書なしの中古を買ったプレイヤーに関してはメーカーの責任じゃないし。 //↑説明書は知らないし初耳だがこれに関しては問題点とは思わない。というか道中の画面上で目立つこのアイテムを手に入れない理由がないし、仮に手に入れていなければゲームオーバーからワイリーステージを抜けるだけで「詰む」とは呼ばない //--後者はエレキマンステージではしごを登っていくルートのうち一つはブロックの除去方法がないと先に進めず一度戻ってもう一方のルートを進まなければならず更にこのステージに配置されているマグネットビームも入手できない。 //---こういった面がエレキマンステージの(仕様上の理不尽による)難易度が高い理由の一つになっている。 //---次回作以降、攻略に必須となる特殊武器・アイテムは特定のボス撃破後に手に入るといった形で後戻りしなくてもいいように配慮されるようになった。 //これも直線の梯子を3画面分くらい登るだけだった気が。出現する邪魔な雑魚も少し慣れれば簡単に潰せるし、この程度で問題点はさすがに無理がある -本シリーズでは特殊武器の使い勝手に差が大きいが、本作ではガッツマン・ボンバーマンの撃破でそれぞれ得られる「スーパーアーム」「ハイパーボム」の性能が微妙すぎる。 --スーパーアーム ---これは特定ブロックを持ち上げて投げる特殊武器(特殊装備)で、攻撃用途で見ると''肝心のブロックが道中にほとんどなく''、1つもないステージもざらにある。というよりまともに武器として使えるのはカットマンステージぐらいなものなのだが、そこですらボス戦以外たいして役には立たない。また、当然といえば当然であるが、ブロックを持ち上げている状態ではハシゴにつかまって昇降することが出来ない。 ---ボスに対して使おうにも、選択6ボスステージでボス部屋にブロックが置いてあるのは、ガッツマン・カットマン・エレキマンのみである。さらに、ワイリーステージでは3番目のボス・CWU-01Pの部屋のみである。もちろん、ガッツマンと初めて戦う時にはスーパーアームは持っていない(本作の仕様上、ガッツマン撃破後に再び同ステージ最奥部まで行き再戦すれば、ブロック[岩石]を持ち上げてガッツマンを攻撃することも出来るが、当然そんなことをする意味はほぼ無い)し、''ワイリーステージの再戦時にはブロックが置かれていない''。弱点武器としての効果は高いが使いどころが限られるため「通路を塞ぐブロックの撤去」の方が主な使い道になってしまう。 ---しかも、これらの対象ブロックは''サンダービームでも破壊可能''なので、むしろ接近しないとつかめない分使い勝手が悪い。サンダービームは温存したいので結局スーパーアームを使いがちなのだが、立場が弱いことに変わりはない((リメイク作の『ロックマン ロックマン』ではサンダービームでブロックを壊せなくなり差別化された。))。 ---ただそのサンダービームを入手できるエレキマンステージでは、ブロックの撤去能力はなかなか役立つため先に入手しておく価値はある。 --ハイパーボム ---放物線を描く大型爆弾を投擲し、発射後しばらくすると爆発する特殊武器。しかし投擲距離があまりに短く、爆発までタイムラグがあるため、基本的には下方への攻撃にしか使えない。しかも爆発するまでは攻撃判定がなく、画面上に長く残る性質ながら同時に出せるのは1発であるため、攻撃効率も極めて低い。せめて、ボンバーマン自身が使用するものと同様に「敵や地形に当たった瞬間に爆発する」という性能であれば、まだ使い道はあったであろう。 ---下方への攻撃に使おうにも、よほど敵との位置関係がピッタリな場所でないとまず当てられない。唯一の救いは、この武器を弱点とする本命のボス・ガッツマン(爆風を3回当てれば倒せる)が鈍重であること、次点のアイスマン(本来はサンダービームが弱点で3発当てれば倒せるが、ハイパーボムの爆風でも7発当てれば倒せる)も動きが一定で比較的当てやすいことぐらいか。 ---なおガッツマンは初戦では最弱クラスのボスであり、十分にバスターで攻略できるためわざわざ使いにくいハイパーボムを使うまでもなく、難関とされるステージ最初のリフト地帯も慣れてしまえば十分に行けるため、最初のステージとしても選択しやすい。ハイパーボムが役立つのは有利な岩の上で戦えない再戦時ぐらいのものである。 ---一応カットマンステージで飛んでくる障害物の「スーパーカッター」はこのハイパーボムでしか倒せない。もっとも、当てづらい上に倒しても特にメリットはないのだが…。 --この2つの武器の使いづらさゆえかGB移植版ともいえる[[ロックマンワールド]]ではこの2体のボスはステージごと省かれている。しかし「スーパーアーム」は[[ロックマンワールド5]]で「ディープディガー」として形を変えて復活している。 --同様にAC『[[ロックマン ザ パワーバトル]]』やPSPでのリメイク『ロックマン ロックマン』でもボス本人が出演し両者の特殊武器も登場しているものの、特殊武器自体の性能が大きくアレンジされた物になっている。詳しくはそれぞれの記事で。 -説明書には、''特殊武器の名称及び解説が全く載っていない''。特殊武器の名称と解説が説明書に載るのは、シリーズ全体では『[[ロックマンワールド]]』、本家シリーズでは『4』以降である。さらに本作ではゲーム中にすら特殊武器の名称が表示されない(次作『2』と次々作『3』では説明書には載っていないものの、ゲーム中、ボス撃破時に各特殊武器の名称は表示される)。 //「載っていないこと」自体は単独の問題点になりうる。 --ボスの弱点に関しては、推理するなり実際に当てて試せということなのかもしれないが、使い方の分かりにくい武器や道中のギミック解除に必要な武器もあるため、どんな性質を持っているのか簡単なヒントくらいは欲しかったところである。 --発売当時のゲームとして、このくらいの不親切さは標準だったという面もあるにはある。 -当時のゲームとしては珍しい事ではないが、スコア表示はエクステンド(残機アップ)やランキングがないので特に意味がない。 --制限時間がなく、ザコ敵もスクロールアウトして戻れば無限に沸いて出てくるため、高得点を競う意味もない。 ---本作の難易度はかなり高いため、せめて、エクステンド有り(例えば数十万点取るごとに残機アップ)にして、さらに1UPアイテムはザコ敵を倒すことでは入手出来ない(ステージ中に置いてあるものだけ入手可能)という仕様になっていればまだ意味はあったかもしれないが…。 -パスワード機能が無いために電源を入れるたびに最初からプレイしていかなければならない。 --一応ゲームそのものは短めだがそれでも一気に最後まですすめるのは骨が折れる。 --ただこれはシリーズ後発作品と比べた場合の話であって、当時この程度の長さで途中再開がないのは普通である。むしろコンティニューが無限な分プレイしやすい方である。 ---- **総評 初代作品ゆえところどころ粗は目立つが、操作性、アクション性、ステージ構成、グラフィックなど、いずれも当時のアクションゲームの水準を越えて抜きんでた質の高さを内包しており、十分に高い完成度でまとめ上げられている。 独自色を出すべく工夫を凝らしながらも当時はあまり売れなかったが、続編以降、本作で確立されたゲーム性に更なる磨きをかけて完成度を高めつつ、ボスキャラデザインの一般公募を恒例行事として行うなどのイベントも相まって徐々に人気を高め、カプコンの看板タイトルとして順当に成長していくことになる。 ---- ---- **移植 -後にメガドライブ用ソフト『[[ロックマンメガワールド]]』に再録され、PSにも[[移植>ロックマンコンプリートワークス]]が行われた。更にリニューアル版として『[[ロックマン ロックマン]]』が発売された。 -他にも携帯アプリにて『ロックマン Lite』と『ロックマン完全版』のタイトルで配信されている。 --Lite版は当時の携帯端末の性能に合わせて調整が行われているためFC版とは内容が少々異なる。 --完全版はほぼ忠実な移植であり、1度オールクリアをすると隠し要素としてロールでプレイできるようになる。 ---ロールはロックマンよりバスターの威力が低く、特殊武器も使えない。代わりに武器エネルギーを消費して、敵を貫通するチャージショットが撃てる。但し、『ロックマン4』以降のチャージショットと違い、チャージから発射までがオートで行われる為、動いている敵に当てるのが難しいため難易度はロックマンよりも高い。 -Wii、3DS共にバーチャルコンソールでも配信されている。こちらも完全な移植だが、目の負担を軽減するため、FC版に比べて画面の輝度が抑えられている。 -これら移植・リメイク版では移植に伴いセーブ機能が追加されているので、今本作を始めるのなら移植版をプレーする事を推奨する。 ---- **余談 //余談的内容なのでこっちに移動。 -裏技 #region(閲覧注意) -セレクトボタンを押してポーズをかけてもダメージ後の無敵時間は減っている。つまり、これを利用するとボス敵の無敵時間を消す事ができる。 --具体的には、攻撃を当てた瞬間にポーズをかけ、無敵時間を示すエフェクトが消えたらポーズを解除し、再度ポーズ…を繰り返す事で連続してダメージが与えられる。 --作中最強と謂われるイエローデビルをアクションが苦手なプレイヤーでも撃破できる、唯一の救済策とも言える。 ---但しこれを利用すると各ボスが軒並みザコに成り下がってしまう為、シリーズ屈指の難易度が急激に落ち込んでしまう。通常プレイでの利用はお勧めしかねる所である。 #endregion -Dr.ワイリーは主人公のロックマンを差し置いて『クイズカプコンワールド』で一足先にアーケードデビューを果たしている。 --『2』でも「ロックマンは道中の雑魚なのにワイリーはボス」と優遇されている。 -開発当初は上層部の意向により鉄腕アトムの版権を用いたゲームを作る予定だったが、プロデューサーの意向でオリジナルキャラのロックマンで貫き通した逸話がある。 -「ロックマン」と言うタイトルが決まる前は、『''レインボー戦士ミラクルキッド''』というタイトル候補があった。 --これは特殊武器を装備するとロックマンの色が変わるところから着想されたものとのこと。 -海外NES版『MEGAMAN(メガマン)』のパッケージイラストでは、日本版のロックマンとはかけ離れた黄色と青の全身スーツ姿のマッチョな人物が描かれている([[参考画像>https://en.wikipedia.org/wiki/File:Mega_Man_1_box_artwork.jpg]])。 --このメガマンは海外では「Bad Box Art Mega Man(BBA Mega Man)」とも呼ばれている。 --尤も、当時の海外版パッケージは色んな意味でアメリカナイズされているものが多く、イメージギャップがあるのはロックマンだけに限らないのだが… --ちなみにこのパッケージのメガマンは、PS3/PSV版『ストリートファイター X 鉄拳』に参戦する事になった。まさかの海外パッケージ仕様のロックマンが参戦するとは誰が思っただろうか。 -本作に登場するボスキャラクターの1体である「ボンバーマン」は何かと不遇でマイナーキャラ扱いされる事が多い。 --『[[ロックマンワールド]]』ではガッツマンと共にオミット対象となった。 ---しかし相方のガッツマンは『2』や『7』で派生ボスが出ており、『[[ロックマン ザ パワーバトル]]』、『ロックマン バトル&チェイス』といったスピンオフ作品に出演する機会にも恵まれており、見事に汚名を返上している。 --一応ボンバーマン自体は『[[ロックマンズサッカー]]』に出演しているが、同じく1のボスであるカットマン、エレキマン、ファイヤーマンが8大ボスに抜擢される、アイスマンは8大ボスには選ばれなかったものの俊足型でFW向きと個性付けがされる一方で、ボンバーマンは平均性能であるが止められる・通用する必殺シュートの幅が少なく今一つなキャラクターとなっているなど、ここでも扱いの悪さが目立つ。 --とどめにロックマンエグゼ。[[初代エグゼ>バトルネットワーク ロックマンエグゼ]]では終盤戦のボスという非常に美味しい役回りで、アニメ版でもN-1グランプリ準決勝でのストーンマンとのタッグでそれぞれ熱斗やロックマンを苦しめたが、他のWWWメンバーがオペレーター・ナビ共々個性派揃いだった事から地味に見られがちで、以降の続編やスピンオフへの出演も無くアニメでは登場する度にかませ犬という有様。 --爆弾を扱うという設定であるにも関わらず見た目が地味な事、[[ハドソンの同名看板タイトル>ボンバーマンシリーズ]]の知名度の影に霞みがちな事も原因と思われる。 ---ただしキャラの名前に関しては、海外版ではステージセレクト画面で表示される名義の「ボムマン」に名称が変更され某タイトルの差別化が図られている。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: