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*ドラゴンクエストIX 星空の守り人 【どらごんくえすとないん ほしぞらのまもりびと】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B000LXD7HO)&br()&amazon(B0034792E6)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|(容量不明)DSカード|~| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|レベルファイブ、スクウェア・エニックス|~| |発売日|2009年7月11日|~| |価格|5,980円(税込)|~| |プレイ人数|1~4人(通信による協力プレイ)|~| |セーブデータ|1個+中断データ1個 ※中断データは再開後自動的に消去|~| |通信機能|ワイヤレス通信、すれちがい通信、ニンテンドーWi-Fiコネクション対応|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|アルティメットヒッツ:2010年3月4日/2,940円|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| |ポイント|自由度が高いやり込み型RPG&br()従来シリーズや事前情報からの路線変更に反発も&br()大都市優遇過疎地方不遇な要素&br()シリーズ初のギネス認定獲得&br;クリアしてからが本番|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズリンク>ドラゴンクエストシリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 -説明不要の国民的RPG、ドラゴンクエストシリーズ(以下DQ)9作目。製作は『VIII』同様、レベルファイブが担当。 --ゲーム中のグラフィックスは3DCG中心だが、三人称視点の『VIII』とは違い、『VII』以前の作品に近い俯瞰視点の形式。また、マップ上のキャラクターなど、一部ではドット絵を使用している。 **特徴・評価点 ''キャラクタークリエイションシステム・着せ替えシステム'' -主人公と仲間キャラクターは体型(5種)、顔(10種)、目の色・肌の色・髪の色(各10種)を組み合わせることで、自分好みに作成できる。 --仲間はルイーダの酒場でプレイヤーが自由に設定する、『III』と似たシステム。 --なお、ナンバリングDQとしては5作目ぶりに男女選択が可能。 -武器・防具といった装備品は、種類によってキャラクターの見た目に反映される。 --もともと個性的な見た目の武器・防具を多く擁する(公式攻略本の設定画などではおなじみだった)シリーズだが、今回はレア装備の中に、歴代主人公や歴代キャラクターのイメージコスチュームも用意され、非常に好評となった。 --ただし、種類の割には顔や髪型にネタっぽいものが多い(引いてはキャラ作成の幅が狭く感じられてしまう)点が批判を受けることもある。 --ちなみに、Yahooゲーム、DQMBVコンテンツ内での「一番思い入れのある(ナンバリング限定)主人公は?」の2010年8月から9月に行なわれたアンケートでは、全9作中、『IX』の主人公が3位にランクインしている。 -武器系統が12種類(剣/短剣/ヤリ/杖/棍/扇/ムチ/ツメ/オノ/ハンマー/弓/ブーメラン)に増加。防具は6箇所(盾/頭/上半身/手/下半身/足)に装備できる。 --キャラクター1人あたりの装備は、上記にアクセサリを加えた8箇所。 --アイテムの数が大幅に増え、DQ8より登場した錬金(特定の素材を集めて上位のアイテムを作る)システムの重要度が更に増している。 ''戦闘・職業周りの仕様'' #region(職業の一覧) -本作の職業は同様のシステムを持つ『Ⅲ』と比べると、どの職業も一長一短であり、勇者の様にいわゆる万能職と言う物は見られない。 -また、下級職と上級職の性能差は抑え目になっており、単純にストーリーをクリアするまでなら、どの職業を使っても問題ない。 -上級職は『DQⅥ』などとの仕様と異なり、転職のためのクエストを成功させる必要がある。 ''戦士'' -肉弾戦のプロ。HP・力・身の守りは全職業中トップクラスだが、それ以外のステータスは底辺クラス。 --装備可能なのは剣、ヤリ、短剣、盾。固有スキルはステータス補強に使えるが特技は微妙な「ゆうかん」。必殺技は会心の一撃を放つ「改心必中」。 -他の職業と比べるとかなりの重装備が可能なため、安定した前衛として使いやすい。 --流石にクリア後となると、能力や呪文で勝っている上級職にその立場を譲っている。 ''僧侶'' -回復呪文のエキスパート。全職最高の回復魔力を持ち、魔法使いよりかはマシな程度に肉弾戦も出来る。 --装備可能なのはヤリ、棍、杖、盾。固有スキルは回復魔力が大きく伸びる「しんこう心」。必殺技は全員HP回復+状態異常回復の「ゴスペルソング」。 -習得呪文は過去作に比べてやや不器用だが、本作では唯一ベホマズンを習得できるため、高レベルの魔王戦では必須。 ''魔法使い'' -攻撃と補助呪文を操る職業。非常に脆くて非力だが、もちろん魔法攻撃では高い性能を誇る。 --装備可能なのは杖、ムチ、短剣、盾。固有スキルは攻撃魔力が大きく伸びる「まほう」。必殺技は3ターンの間呪文でのMP消費がなくなる「ミラクルゾーン」。 -本作では後述の通り呪文の地位が向上したため、それに応じて魔法使い自体もやや地位が向上した。 --本編だと上級攻撃呪文は取得が遅いために使えないが、豊富な数の補助呪文でカバーしたい。 --クリア後はスキルで耐久力を補強すれば、最上級魔法でのアタッカーとして非常に有用となる。 ''武闘家'' -素早さと力の高さを活かしたアタッカー。伝統の会心の一撃が出やすいと言う特性は失われたが、ゲームシステムの変化により全体的に使いやすくなった。 --装備可能なのは棍、ツメ、扇。固有スキルは素早さが上がり、テンションを上げる「ためる」などを習得できる「きあい」。必殺技は相手を怯ませ、テンションを一段階アップする「一喝」。 -相変わらず防具の性能は全体的に低いが、素早さを活かして相手に一撃を与える有用性は高い。ただし、MPはほんの僅かしかないために低MP消費の特技ですら乱発する事は出来ない。 ''盗賊'' -相手の道具を盗む事が出来る職業。固有スキルで習得可能な「ぬすむ」の価値が極めて高い。素早さの高さが魅力で、かなり少ないが回復や探索系の呪文も習得する。 //「ぬすむ」はSP10で覚えるので、習得までの下積み期間も短めです。 --装備可能なのは剣、短剣、ツメ。固有スキルは文字通り宝に関係した特技を覚えられる「おたから」。必殺技は相手からのお宝ドロップ率を100%にする「お宝ハンター」。 -ステータスこそ全体的に武闘家をこじんまりとさせた感じだが、一応前衛は務まる。「ぬすむ」も錬金やクエストでモンスターの落とすアイテムを使う本作では必須の特技。 --ただしクリア後の宝の地図探索を始めると、中途半端なステータスのために足を引っ張りがち。呪文にいたっては本当に基礎も基礎のみなので、クリア後どころか本編の中盤くらいにはもう辛くなってくる。スキルを覚えたらとっとと転職するが吉。 ''旅芸人'' -主人公が最初から就いている職業。『Ⅲ』の遊び人の様に役に立たない訳ではなく、前衛に立てるステータスを持ち、攻撃・回復呪文もある程度は覚える。 --装備可能なのは剣、ムチ、扇、盾。固有スキルはそこそこ便利な特技を覚える「きょくげい」。必殺技は身かわし率とカウンター率を大幅に上げる「アクロバットスター」。 -初期職業だけあってステータスはバランスよく、攻撃と回復呪文を両立できる珍しい存在のために有用性は高い。 --しかし、クリア後の冒険となると盗賊共々貧弱さが目立ってしまう。呪文も中途半端なレベルまでしか覚えない。 ''バトルマスター'' -攻撃に特化した上級職。力は全職業中最高で、HPと身の守りもかなり高い。素早さは低く、MPは武闘家と同等。 --装備可能なのは剣、オノ、ハンマー。固有スキルは攻撃系の特技を多く覚える「とうこん」。必殺技はテンションを一気に上げる「テンションブースト」。 -盾こそ装備できないが、その破壊力は見事の一言。雑魚戦はもちろん、ボス戦でも主力のアタッカーとして役立つ事間違いなし。 --後述の通り、盾スキルを100にすれば盾も装備できる様になるため、ステータスも相まって戦士の上位互換に近くなる。ただしバトルマスター自体は盾スキルを転職しない限り伸ばせなかったり、スキルを極めた頃にはゲームも終盤頃だが。 ''魔法戦士'' -補助呪文に特化した上級職。バランスのとれたステータスを持つ。しかし他の作品とは異なり、攻撃呪文の類は一切使えない。 --装備可能なのは剣、弓、杖、盾。固有スキルは属性の力を与える特技を覚える「フォース」。必殺技は経験値をランダムで引き上げる「EXPルーレット」。 -フォース系の特技を使えば攻撃にはその属性が付き、その属性への耐性も大きく上がる。攻防一体の能力を持つため、覚えるだけでもゲームが楽になる。魔王戦では習得必須の特技。 ''レンジャー'' -大自然と共に生きる狩人の上級職。全職最高のきようさが際立つ。 --装備可能なのはオノ、ブーメラン、弓。固有スキルはきようさなどが上がる「サバイバル」。必殺技は自分のステータスをアップさせる「妖精たちのポルカ」。 -これと言って効果を実感しにくいきようさ以外のステータスは平凡で、特徴らしい特徴があまりない。ただし回復・補助呪文が使えるため、MPこそ低いものの補助的な回復役として立ち回れる。特技を使いこなして攻撃役にもなれる。 ''パラディン'' -味方を守る騎士の上級職。素早さこそ低いが耐久力は最高クラス。 --装備可能なのはハンマー、ヤリ、杖、盾。固有スキルは防御系に優れた「はくあい」。必殺技は4ターンの間無敵になれる「パラディンガード」。 -スクルトやマジックバリアなど防御系の呪文もこなせるため、ボス戦では是非とも欲しい。宝の地図の魔王戦ではその耐久性能から必須。 ''賢者'' -悟りを開いた聖者の上級職。攻撃・回復呪文は専門家の魔法使いや僧侶に一歩譲るが、こちらでしか使えない呪文も覚える。 --装備可能なのは杖、弓、ブーメラン、盾。固有スキルはMPに大きく関わる「さとり」。必殺技は自分のMPを回復する「神の息吹」。 -肉弾戦は僧侶と同程度で素早さも低く、転職はラスボス直前と非常に遅くなったなど他作品にない欠点も目立つが、魔法のプロだけあって攻撃呪文も回復も両方こなせるのは非常に大きい。 ''スーパースター'' -ステージに立つアイドルの上級職。転職できるのはクリア後のみ。魅力は全職最高で攻撃呪文も回復呪文も使えるのだが、それ以外は低水準と言ったところ。 --装備可能なのは扇、ムチ、ブーメラン、盾。固有スキルはアイドルらしい特技を覚える「オーラ」。必殺技は武闘家と同じ性能の「ダンスフィーバー」。 -一見旅芸人の上位互換に思えるが、攻撃魔力が低く、回復呪文もベホイミまで。基礎的なステータスも低めと使いにくい。しかし装備可能な装備品が多く、必殺技の発動率も高い。 --固有スキルの演出などを考えると、どちらかと言えばお遊び要素として意図的に弱く調整した可能性もある。 #endregion -キャラクターの特殊能力は、本作でも「呪文」と「特技」の2系統がある。 --呪文の威力に影響するパラメータ(攻撃魔力・回復魔力)が新設され、成長や装備品によって呪文の威力を底上げできるようになった。また、通常攻撃の会心の一撃にあたる「呪文の暴走」という概念が追加。 --その一方で、強力な特技の多くは消費MPを課されるようになった。 --呪文はキャラクターが現在就いている職業で習得できるもののみ、使用可能。特技はMPさえ足りていれば、職業に関係なく自由に使える。 -属性耐性・弱点の影響量が大幅に増加。特に弱点属性はダメージが倍加されるようになり、本作の攻略において重要である。 --過去のナンバリング作品では耐性なしの場合に最大ダメージが通り、耐性がつくごとに割合でダメージカットされていた。「弱点属性でダメージ倍加」は、主に『DQM』などの外伝作品で見られた方式である。 -通常ザコとの戦闘はシンボルエンカウント制を採用。 -転職は、各キャラクターそれぞれが職業ごとの経験値・パラメータ情報を保持する、新しい方式を採用している。 --初めて就く職業は全てLv1から経験を積み、転職を経て再度同じ職業に戻してもレベルはそのまま。細かいパラメータも個別管理されている様子であり、種系アイテムは使用した職業限定の効果となる。 //修正依頼に基づき、DQ9の攻略wikiを参考に「職業ごとの個別管理」を解説する文章に変更。 --『VIII』のスキルポイント制を導入。呪文・特技・その他のスキルは、レベルアップ時に獲得するスキルポイントを、職業ごとに定められた5系統のスキルに割り振って習得する。 ---基本的に装備可能な武器数種類に職業固有のスキル、盾や素手などを加えて5系統となっている。 ---武器スキルを100まで上げる事により、すべての職業でその武器を装備できるようにもなる。 ---各職業・スキル毎に『秘伝書』というアイテムが存在し、持っているだけで強力な特技や便利な特殊能力を使える。便利なアイテムだが、入手条件が厳しいものが多い。 --『転生』を行うことで、レベル99になった職業をレベル1に戻して再び育て直すことが出来る。一見意味のない行為に思えるが、全スキルポイントをカンストさせるには転生が不可欠。 ---各職業毎に初めて転生を行った際に、特典として『○○(職業名)の証』というアクセサリーが貰える。特定のステータスが大幅に上がる、便利な特殊効果が付くなど有用な物が大半だが、中にはガッカリ性能の物も存在する(後述)。 ''やり込み要素の充実'' -本作はやりこみ要素が非常に多く、どちらかというとクリア前よりもクリア後の楽しみに比重が寄っている作りとなっている。~ 長く楽しめる数々のやり込み要素にハマって、プレイ時間が数百時間となるユーザーも続出した。今となっては、プレイ時間が数千時間に及ぶユーザーもそう珍しくはない。 -クエスト及びWi-Fi配信クエスト --ゲーム中に特定のキャラクターから「クエスト」を請け負って要求を満たすと、アイテムなどの報酬がもらえる。 --クエストの一部はWi-Fiで順次配信されていく。 ---クリア後限定で受注できるクエストの一部には、クリア前までの本編では描かれなかったストーリーが付属している。また、クリア報酬として本編登場キャラクターを仲間にできるようになるものもある。 -宝の地図ダンジョン --「宝の地図」というアイテムで示される隠しダンジョン。ダンジョンの形態などといった細かい設定は、地図を入手した時点でランダムに決定される。 --最後のフロアにはボスがいて、クリアすると新しい地図が手に入る。どんな内容のダンジョンかは入ってからのお楽しみ。 --全12種ものボスやレアモンスターやレアアイテムの宝箱などやりこみ要素が盛りだくさん。 -魔王の地図 --クエスト報酬や『DQMB』との連動などで手に入る特殊な宝の地図。ここでは歴代DQシリーズの魔王と対決できる。 --このダンジョンは1フロアのみであり、ボス戦闘に専念できる仕様。 --勝利するとレアアイテムをドロップする。また、戦闘後に獲得した経験値を魔王側に与えることで地図のレベルが上がり、魔王が強化されるシステムを採用。より強く、よりレアなアイテムを落とすボスになっていく。 --対歴代魔王戦時の背景やBGMも再現されている。 -ワイヤレス通信のマルチプレイ対応。DQを一緒にコミュニケーションしながら楽しむことができる。 --高レベルのプレイヤーにボスを倒してもらうといった攻略も可能。 --レア度0のアイテムなら交換できる。 ---本作ではフィールドの特定箇所に、プレイ時間に応じて復活する錬金素材が落ちている。補充される時間はソフトによって異なり、「集めやすい素材、集めにくい素材」が偏るようになっているのだが、自分のソフトで集めにくい錬金素材はマルチプレイで他の世界に行くと補いやすい。 ※すれ違い通信については別項参照 **評価点 -長年の課題だった「呪文と特技のバランス」が、本作ではいくぶん改善された。 --先述した弱点属性の追加や、能力値による呪文の威力の上昇量が『VIII』と比べて大幅に増えている事、呪文の威力を強化する特技が登場した事など、呪文が大幅に強化されており、攻撃呪文がある程度価値を取り戻した。 --呪文を習得するのが過去作に比べてかなり遅くなった事や、呪文の消費MPが大幅に増えた事、呪文威力強化の特技は自分にしか使えず確実に1ターンは必要になるなど、完全にフォローされているとは言えない。 ---特に風属性の呪文・バギ系は使える職業が攻撃魔力の低い旅芸人とスーパースターで、ダメージの幅の広さも相変わらずなためにかなり不遇となっている。また、土属性と光属性には攻撃呪文すら存在しない。 ---特技はどの職業になっても使えるのに、呪文は使える職業に制限があるのも大きな逆風である。 ---呪文以上に強すぎる特技も相変わらず存在している。特に、後述するスーパースターの全体攻撃特技『バックダンサー呼び』はコストパフォーマンスの面では魔法使いの呪文を大きく上回っている。前作で指摘された多重攻撃の特技の強さも相変わらず。 --育成を突き詰めると最終的にはやはり特技優遇なのは変わらない。 ---特に今作はやりこみ型RPGであるため、クリア後の世界をじっくり冒険したいならば、どのプレイヤーもある程度は育成を突き詰める必要があり、結局は特技優勢になってしまう。 -結論としては、完全に攻撃呪文の低価値化を跳ね返すには至らなかった。 -無駄な戦闘を回避しやすいシンボルエンカウント制は、マルチプレイとの相性が良い。 -攻略の自由度は高い方。 --船を手に入れてからは、いくつかのストーリーを好きな順にクリアできる。冒険の道筋が不自然に固定されておらず、自由かつ快適な冒険を送れる。 --宝の地図で生成されるダンジョンは、入る事さえできれば(入口が孤島や高台にある場合は、適切な移動手段が必要)ゲーム本編の進行度と関係なく挑戦できる。((もちろん攻略できるかは別。最初の宝の地図を手に入れた時にすぐ入ってそこのボスにボコボコにされたという報告も相次いだ。))マルチプレイを交えると、自由度の幅は更に広がる。 -すぎやまこういち氏が担当したBGMは相変わらず好評。特に東京都交響楽団による「序曲IX」は大好評。 --また、一部のシーンやダンジョンで過去作品のBGMが流れるようになっている。ファンには嬉しい配慮。 -一部のイベントシーンに導入されたアニメーションムービーは、DSとは思えないほどクオリティが高いと評価されている。 -錬金釜でのアイテムの合成に時間がかからない。 --『VIII』の錬金釜システムでは錬金アイテムにより歩数が設定されており、その歩数分を歩くまでアイテムが完成しなかった。今作では歩数を稼ぐ必要がなくなり、錬金アイテムによる資金稼ぎなどが容易になった。 -Wi-Fiを繋ぐと歴代DQキャラクターの脇役達がリッカの宿屋に遊びに来るというファンサービスがある。 --フローラの性格が原作と異なる(いたスト準拠)という問題点もあるものの、基本的に好評である。 ---- **賛否両論点 -主人公である天使の職業が序盤から中盤まで旅芸人確定であり、転職できるまでに期間がある。 --主人公が旅芸人になる動機も「最初の村の住民に旅芸人と間違われた」というあんまりなものである。 --一応、旅芸人自体の性能は悪くないし、すぐに仲間を作成・加入できるようになるため戦力面で不足を感じることは少ない。 -少し驚くほど平易化した難易度 --本作では敵の出現数が少なく全体攻撃もかなり緩めに抑えられている。加えてパラメータアップ系スキルや、「テンションシステム」「たまに発動する必殺技」などプレイヤー側に強力な要素も多く、レベルアップの経験値も少ない。一回も全滅しないでクリアしたプレイヤーも数多くいたと思われ、シリーズ中でも難易度が低い部類に入る。 ---それに加えて、クエストで得られる報酬や錬金での稼ぎなどで金策に困ることが少ないのが難易度が低いと言われる要因。転職を利用して手っ取り早く強化する手段もある((レベルアップで手に入るスキルポイントは全職業共通のため、「転職を繰り返し、全部の職業をLv10~20程度まで上げる」だけでも莫大なスキルポイントを得られてしまう。))。 --レベル上げの観点でもかなり平易化がみられ、道なりのエンカウントを避けずにこなしていればラストまでにレベルは40前後に達し特に労せずクリア可能であり、手頃なクエストを少しこなしていればレベルの上げ過ぎになり易い。この点は道中のエンカウントのみを前提にバランスがとられているFFに近い。 ---ただし、今回はシンボルエンカウント方式であり、従って低レベルのままで要所要所のボスに挑むことも可能である。 ---因みに本作のラスボスは5つのパターンテーブルがあり、パターンが戦闘中ランダムで入れ替わるのだが、そのパターン毎の強弱のムラが激しい。あるパターンは全体攻撃や強制催眠が多く、あるパターンはマダンテを撃ってくるローテーション、あるパターンは打撃中心である等。しかし、厄介な行動の割合が少なくターンを無駄にするような行動も目立つ上に、攻撃力も低めに設定されていることは否めない。 --「初心者に難しすぎず甘すぎず」をモットーに、取っつき易いバランスをウリにしてきたDQであることを考慮しても異例とも言える簡単さであり、これがmk2を始めとするレビューサイトでも槍玉の一つになった。 ---逆説的に言えば、本編において難易度が低く抑えられ携帯のお手軽性を前面に出したことが、より幅広い層に対するシリーズ浸透に貢献し「マニアほど批判するが結果的に売れている」という図式になっている。 --発売前に堀井氏のインタビューで「敵の強さに関しては、DQシリーズで今作の9が一番強く感じる設定にしてある」「理由はネット環境の充実により攻略法をすぐに調べられるので、攻略法を知ってても手応えのある強さにしてある」的な発言をしており、『[[DQII>ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]』並の難易度の再来を期待していただけに余計肩透かしを感じたプレイヤーも多かったものと思われる。蓋を開けて見ればボスやラスボスも含めて歴代でも最弱クラスであり、正反対の結果であった。 //--一応転職無しでいくと、職スキルが1種類しか取れずスキルポイントもあまり稼げないため、難易度は丁度良いぐらいになる。その場合、ジャダーマやエルシオン辺り要所のボスも強敵となってくるしラスボスも豊富な攻撃手段もあり結構な手応になる。何より多彩な剣技を扱うギュメイ将軍が大きな壁。どんな人でも楽しめるドラクエというのがIXだから、ドラクエに慣れていない人でもクリア出来るくらいの難易度になっているのかも知れない。歯ごたえのある難易度が欲しい経験者は転職縛りをお勧めする。 //DQ総合スレで相談し、CO。 --また、難易度の低下は着せ替えシステムや攻略順の自由度とも相性が良く、よりプレイの自由度が高くなっているとも言える。 ---逆に、後述されているようにクリア後に挑むと思われる練金や魔王のレベルアップなどの難易度は天井知らずとも言えるほど高く、オンラインゲームに取り掛かるような手間暇が必要。おそらく堀井氏の発言はこちらのほうを指していると思われる。 --近作と比しても大幅に下がった難易度や、それに逆比例するかの様な裏要素のインフレぶりはPS以降のFFを思わせ、俗に言う「ドラクエのFF化」とも揶揄された。(対照的に、すっかりゆとり難易度が定着していた当の揶揄対象のFFは『[[XIII>ファイナルファンタジーXIII]]』でかなり難化してFC時代をも彷彿させる水準に復古している) -歴代魔王の戦闘難度 --Lv99魔王は凄まじく強い。スキル全習得・最強装備・レベルカンストのパーティでも惨敗することも多い。3回行動に加え、運が悪いと痛恨の一撃((魔王の種類やレベルによっては食らうと999ダメージを受け即死))や全体攻撃の魔法を連発してくるため、倒すにはプレイヤーの腕以上に運も絡んでくる。 ---パーティのレベルがカンストしてからも互角以上に戦える敵がいることを喜ぶ声もある反面、そこまでの育成作業が面倒だという声も。 ---製作スタッフ曰く魔王は自分たちが勝てなくても構わないぐらいの強さに調整したらしく、長くプレイしてもらうための工夫として捉えることもできる。 -クエストに面倒なものやおつかい系が多い。 --クエストは基本的に指定のアイテム調達や錬金したり、モンスター討伐を特殊な方法を加えて行うと言った作業。やらなくていいものも多いが、上級職に転職したりするのもクエストを行う必要がある。 ---故に作業系ゲームが苦手なユーザーからは不満が上がることが多い。反対にクエストにはまったというユーザーも多く、人により評価が大きく分かれるところである。 --モンスター討伐系のクエストは普段は使わない呪文や特技を駆使するものもあり、パズル的な要素もある。しかしこれにより、振りたくもないスキルにスキルポイントを費やさざるを得ない事もある。また、「スライムをドラゴン斬り((ドラゴン系のモンスターに対して与えるダメージが増える特技。))で倒せ」等、必然性がなく無理矢理感が強いものもある。 ---特に上級職になるためのクエストはやけに難しいものが多く、攻略法が分かっても時間がかかる・解きにくいものもあったりする。 ---「特定のモンスターを通常攻撃による会心の一撃で倒せ」「特定のモンスターからアイテムを盗め」などの、成否が完全に運任せのものもあり、運が悪いと延々と特定のモンスターを倒し続けるという作業ゲーになることもある。 ---追加クエストの中には「Wi-Fiショッピング」限定アイテムやすれ違い通信の報酬限定アイテムを要求するものも。 -呪文を活用させる為か、一部のアイテムが過去作品と比べて大幅に弱体化したり特殊効果が削除されたりしている。 --特に、戦闘中に道具として使うと特殊な効果のある装備品の弱体化が著しい。 ---装備品は「現在装備している物」しか道具として使えず、防具は戦闘中の装備変更が出来ない仕様に変更された。 ---ダメージを与える効果のある装備品は、終盤~クリア後に手に入るようなものでも全体に30前後のダメージしか与えられない。しかも、それらの武器の説明文には「戦闘中使うと強い炎を放つ」などと書かれている為違和感もある。 --攻撃がミスか会心のどちらかのみになる武器だった『魔神の金槌』は、攻撃力が上がった代わりに「命中すると必ず会心になる」という効果が削除され、ただミスが多いだけの武器になってしまった。 --前作でHPを100以上回復出来たアイテム(『月のめぐみ』『万能ぐすり』など)の回復量が一律90にまで弱体化してしまった。回復量が3桁のアイテムもあるが、全てWi-Fi限定品。 --『命の石』の「1回だけ即死を防ぐ」という効果が削除され、錬金専用のアイテムになってしまった。クリア後のイベントで似たような効果を持つイベントアイテムが登場するため、そちらの価値を上げるためと思われる。代用品となるスキルも存在するが、使い勝手は悪い。 --シリーズ恒例の全体回復アイテム『賢者の石』は効果量が使用者の回復魔力に比例するようになった。回復魔力の高いキャラが使った場合の回復量も過去作よりやや低く、回復魔力の低いキャラに使わせると30~40しか回復しなくなってしまう。尤も、錬金で何個でも入手できるようになっている為一長一短と言えなくもないが。 --持てるアイテムの数自体も過去作に比べて少なくなっている。 --一応、過去作と比べて利用価値が上がったアイテムも存在する(蘇生系呪文の弱体化に伴って相対的に利用価値が高まった『世界樹の葉』など)。 -本作は歴代シリーズ同様、主人公は基本的にセリフがない。また、自由なキャラ作成ができる『DQIII』同様、仲間キャラクターも喋らない。 --それ自体は、キャラクターを固定せずプレイヤーそれぞれの自由な想像に任せてきた過去作品と変わらない仕様と言える。しかし、「主人公は人間ではない(天使界の天使)」という設定上、天使界絡みのイベントには普通の人間である仲間キャラクターは参加できず、シナリオ上もグラフィック上も存在が完全に消えてしまう。イベントが終わるとどこからともなく戻ってくるなど、演出面での仲間の描き方はかなりおざなり。 --このように公式で「空気」さながらの扱いを受けている仲間たちだが、主人公一人で来ることを求められるイベントがあるなど、きちんと存在していることは確か。こういった箇所に違和感を覚える人も多い。 //-3Dの主人公、モンスター、背景…なのに、町人が2D(ドット) //--容量の都合もあったかもしれないが、人数や種類が少ないとは言え『ジョーカー』では町人も3Dであった。 //--また、ニード、リッカ、ルイーダなどのイベントキャラは3Dなのに、宿屋に勤務すると2Dに戻ってしまう。 //↑仕様自体は、とくに珍しいものでもないようです。記述の一部を問題点に移行。 //なお、『ジョーカー』はマップ数も汎用キャラの種類も少なく、また三人称視点でキャラの表示サイズが比較的大きい、根っから仕様の異なるゲーム。比較対象として疑問あり。 -廉価版発売による新規ユーザーの増加が歓迎される一方で、8ヶ月で廉価版が発売されることに難色を示すユーザーもいた。 --特典にここでしか手に入らない[[DQMBIIレジェンド>ドラゴンクエスト モンスターバトルロードシリーズ]]カードが同梱され、『DQIII』の主人公の強力な性能を誇るものである。 --廉価版のみ特典がつくことに難色を示す人もいた。ただし、DQMBIIレジェンドカードを特典同梱すること自体は『DQMJ2』『DS版DQVI』『Wii版DQMBV』でも行われている。 --しかしそのカードを使えば大魔王まで易々と行けるため、DQMBIIで超連動しやすいようにという配慮かもしれない。 -ラスボスの公式ネタバレが発売後半年と、シリーズ中では異例の早さ((実際の最速は発売から5ヶ月後に登場した『SFC版DQV』の主人公、もう1人花嫁、子ども2人、ラスボスのジクソーパズルであるが、出回りが悪かったために批判にはならなかった。))。ちなみにこれは、2010年7月9日に発売の''『ドラゴンクエストIX星空の守り人公式ガイドブック 秘伝・最終編』ですら公開していない''情報である。 //赤くするほどの事でもないと思うので。 --2009年12月19日、20日の「ジャンプフェスタ2010」DQMBIIレジェンドのプロモーション映像と公式HPのムービーで紹介。その後、2010年5月14日稼動のDQMBIIレジェンド新章『逆襲の魔王』でボス敵として登場した。 --週刊ファミ通2010年6月17号ではWii版『ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー』のオープニングに、ラスボスがVIIIの主人公とともに登場することが公開。 --Wii版『ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー』の初回封入にそのボスのカードが入れられることが決定した。 ---- **問題視されやすい点 -冒険の書(いわゆるセーブデータ)が1つしか作成できない。 --やり直す際はデータを消すか新しくソフトを買うかとなる。故に家族間でのソフトの使い回しや友人間での借り貸しができない。 ---ファミ通のユーザーアンケートの不満点第1位は「セーブデータの数」。女優の淡路恵子氏がラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』にゲスト出演した際に、IXがセーブ1本な事を不満点として述べ、結局もう1本買ったというエピソードが存在している。 --しかし、本作の通信を前面に押し出した内容は、複数人で回して遊んだり、複数のセーブデータを使い分けたりする遊び方と非常に相性が悪いため、複数あればそれはそれで面倒な面も増えると思われる。 ---「ポケットモンスター」シリーズや、それのフォロワーである「ドラゴンクエストモンスターズ」なども同様にセーブデータ1つであり、本作は従来のナンバリング作品よりこの2シリーズに作りが近い。 -ストーリー部分が短い。 --今作はストーリー部分よりも、システム面やクリア後のやりこみ要素のほうに重点が置かれており、ストーリー部分は短めである。 ---ストーリーを重視する傾向にある天空シリーズのDQファンからは、「ストーリーが薄い」といった不満が上がることも。 --今作のストーリーは『DQⅦ』の様に散らばっているものの、ストーリー間のつながりは皆無。また、個々のストーリーも話こそ良さげだが非常に短く、ビタリ山のストーリーに至っては一番奥にいるボスを倒すだけでおしまい。 -炎のギラ系と電撃のデイン系の攻撃呪文がなくなった。 --ギラ系は「属性システムが採用された為、炎系の立ち位置がメラ系と被る」「そもそも単体火力重視のメラ系と全体攻撃のイオ系の間に挟まれて中途半端な感が否めず、あまり使われていなかった」。デイン系に関しては「勇者専用であり、本作には勇者がいないため」という理由だと思われる。 ---しかしギラ系削除、イオ系が従来の炎属性から電撃属性に変更された煽りを受け、炎属性の集団攻撃が前述のアイテム効果以外にほぼなくなってしまったので、批判が根強い。 ---シリーズ皆勤であったギラ系、3以降の勇者の象徴であり最強呪文として扱われてきたデイン系の呪文の削除を残念に思う旧来のシリーズファンは多い。 -カジノの廃止。 --カジノはシリーズ伝統の好評な寄り道(やり込み)要素であるため、旧来のシリーズファンを中心に落胆を示す人が特に多かった。他のやりこみ要素が豊富なため不必要という意見もあるが…。 --ちなみに、内部データの中には本来消されるはずのカジノ関係の台詞やBGM指定などが残っている。このことはゲームラボでも紹介された。 -ダンジョンに仕掛けがなく、道も単純。 --ドラクエと言えば簡単から難しいのまでダンジョンの幅が広いが、本作のダンジョンは上記の通りであり、非常に簡単である。 ---本作では上画面に常時マップが表示されている。宝の地図のダンジョンの事を考えれば一概に悪いとは言えないが、道の単純さをより感じてしまう。 ---「ふういんのほこら」というダンジョンでは大掛かりな仕掛けを作ろうとした痕跡が見られるものの、スイッチを押すだけという単純どころでない仕掛けになっており、ないよりマシとも言い難い。 --発売数ヶ月前に「はてな匿名ダイアリー」において関係者の知人から「ダンジョンの仕掛けが全て作動しないようになっている」ということがリークされるというスキャンダルがあった。 -『DQVIII』と同様に戦闘も3Dだが、テンポの悪さは相変わらず。キャラの攻撃前にカメラワークの移動とキャラの移動が頻繁に行われるのも変わらず。 -呪文や特技の同時表示数が4つと少ない。 --特に特技は最大で30ページ以上にもなるため何度もボタンを押す必要がある。「装備していない武器の特技を非表示にすれば良かったのでは」との意見も。 -主人公の相方的立場の妖精・サンディ。 --おそらく本作で最も批判の集中した点であろう。容姿・性格・言動共に典型的なガングロコギャルという中世ファンタジー的なDQの世界観から浮いたキャラクターは物議をかもした。 --クリア後の彼女に纏わる一連の追加クエストの中でも「ネイルアーティスト」「日焼けサロン」という中世ファンタジーの世界観にそぐわない単語が普通に登場する。 --中盤のイベントでの人の死を蔑視したような発言も物議をかもした。一応、直後の戦歴のコメントから、彼女は「人の生死」を知らなかったということが分かるのだが、時期が短く見落としてしまうプレイヤーも多い。 ---が、終盤ある人物が亡くなった時には(言葉はともかくとして)主人公を励まそうとしており、上記の一連の追加クエストの最中にも病気で死にかけている少女を心配して大泣きする場面があるなど、内面は最悪と言う程ではない。 --上記の様な旅の中での心情の変化を思わせる描写もなくはないのだが、第一印象を払拭するには至らなかった模様。 --なんだかんで愛着がわいたなどの意見も多く、現在では一時期ほどのバッシングは受けていない。とはいえ、主人公の相方役にしてはあまりにも人を選びすぎるキャラクターであるのは確か。 ---そのため彼女を酷く嫌ったプレイヤーから、''彼女をボコボコにするフラッシュまで作られたほど。'' -スキル間のバランス調整が十分でなく、前作に引き続いて使えるものと使えないものの格差が激しい。 --特に短剣スキルの冷遇が著しい。前作でも地雷と呼ばれていたものだが、そこからさらに弱体化している。 ---「状態異常中の敵に大ダメージ」といった効果の特技を持つのだが、今作ではほとんどのボスキャラに状態異常に対する耐性があり、全く活用できない。単体攻撃技しかないのも前作と変わっておらず、転職がしやすいために前作にあった「長剣も一部装備できるようになる」という数少ない利点まで削除されてしまっている。 --他にもサポート重視で攻撃力が低めな扇スキル、MP消費の荒さと装備可能職業が噛み合ってないハンマースキルは本編プレイ中では地雷気味。クリア後の冒険では使える面がある装備なのだが。 --逆に、強いのは本編では装備も多く性能が安定しており、クリア後には武器とスキルの組み合わせで最高クラスの火力を出せる剣スキル。使いやすい特技が揃ったオノスキルとヤリスキルも優遇気味。 --剣は意図的に強く調整された気配があり、これさえ除けば総合的にはやや均等に近くなる。それでも短剣が露骨に弱い、ヤリとオノとが安定して使い勝手いいといった差は残るが。 -各職業の証の性能差も激しい。 --証は「特殊効果がない代わりにステータスが大幅に上がるもの」と「ステータス上昇は少ないが特殊効果が付くもの」の2タイプあるのだが、前者の中では素早さが120上がる武闘家の証、器用さが100上がるレンジャーの証、最大MPが60上がる賢者の証など有用性の高いものが多い一方、守備力が20上がるだけのパラディンの証のように、Wi-Fiショッピングでの購入を除くとデータ毎に1つしか手に入らない点や「育ち切った職業のレベルを1に戻す」というリスクの割に合わないようなガッカリ性能の証も存在する。 --後者の特殊効果に関してはスーパースターの証が群を抜いて弱い。「おしゃれさ((装備品のコーディネートにより変動するマスクデータの1つで、一部のクエストをクリアするのに必要となる。))が上がる」という効果があるのだが、戦闘での実用性が皆無な上に効果を実感しにくい。同じネタ系の特殊効果を持つ証でも、異性専用の装備品(一部除く)が装備出来るようになる旅芸人の証の方が数倍楽しめる。 -レベルの高いキャラクター程経験値をたくさん貰える(正確には経験値の配分が多くなる)という仕様。 --等配分ではないシステムとしては珍しい部類に入る。このため、従来作と比べて成長の早いキャラクターと遅いキャラクターの差が付きやすい。また新しい職業に転職したばかりのキャラクターはレベルを上げるのに多少手間がかかる。 //DQ総合スレで相談の上、賛否点より移行。仕様本来の意図が現状不明瞭で、是とする場合はどう機能しているのかを明記されたい。 //--この仕様になった理由については「低レベルの職業への転職を繰り返してスキルポイントを稼ぐのを防ぐ為」「レベルがカンストしたキャラの積極的な転生を促す為」「マルチプレイで未クリアのプレイヤーがクリアしたプレイヤーにレベル上げを手伝ってもらうのを防ぐ為」等様々な説が推測されているが、キャラを自由に作れるシステムや職業がレベル毎というシステムの関係上、やり込んだプレイヤーでもレベルの低いキャラを連れ歩くことは普通にある為、結果としてキャラ育成や転職のモチベーションを削ぐ仕様と受け取られやすい。 -パーティの並べ替えが「ルイーダの酒場に一旦預けてもう一度呼び出す」という方法でしか出来ない。 --主人公は先頭で固定されており、列の後ろに持っていくことは出来ない。 --今作では各キャラごとに前列・後列を指定するシステムであり、使用者を敵に狙われにくく(狙われやすく)する特技もあるので致命的な問題ではないのだが、前にいるキャラ程受けるダメージが増える特技を使ってくる敵もいる。 -メニューや戦歴を開いている最中も敵シンボルが移動する。 --この為、回復している時に敵に近付かれたり、戦歴を閉じた瞬間いきなり戦闘になったりすることがある。 --但し、メニューを開いている間は敵に見つからない仕様になっている為、コツを掴めばやり過ごすことは一応可能。 -PS2版『V』同様、トラマナ((一定歩数の間ダメージ床の影響を受けなくなる呪文。))は1度戦闘に入ると効果が消えてしまう。この為戦闘が終わる度に掛け直す必要があり、その間も上記のように敵に近づかれる危険がある。 -錬金システムの問題点 --最強装備の錬金にはいずれも運要素が絡む。最強錬金時にはセーブが行われるためリセットで何度も試す事もできない。 --しかも、作成には入手の難しいレアアイテムのドロップと50000Gもする素材アイテムが必須になる。このためにアイテムコンプリートを諦めた人も多い。 --最強装備の錬金は「錬金大成功」と呼ばれ、最強装備が手に入らずとも「とは言えそれがふつうなのです」と言われるように、制作側としては「あくまで最強装備は大成功、運良く手に入れられれば良い」程度のつもりだったと思われる。だが、やりこみ要素がメインとも言える本作では、どうしても気になるところ。 --さらに、アイテムコンプを目指す場合、大成功だけではなく通常成功もしておかないといけない。 ---研究が進んだ現在、レアアイテムのドロップや最強装備錬金を確実に成功させる裏技(通称ホイミテーブル)が発見されている。 -グビアナ城のイベントなど、3Dキャラが大きく映る場面で2Dドット絵キャラも拡大表示される事に、違和感を覚える人もいる。 //DQ総合スレで相談の上、内容を編集。賛否点とは言えないので一旦ここに移すが、スレの流れからするとかなり軽微な問題の様子。書き方や置き場所には再考の余地がありそう。 -過去作キャラのコスプレ装備の中に、一式揃わないもの(3の女戦士、3女賢者、4の男&女勇者)がある。 --3戦士は鎧が男性版のみ、3賢者は腕装備とブーツが男性版のみしかない。4勇者は頭装備が男性版であり、また元デザインと比べてバンドが2本足りない。 --ゲームへ及ぼす影響としては小さな問題だが、本作におけるコスプレ装備の充実度からすると残念な点と言える。 //--女勇者は頭が男性装備である。キャラクターイラストやWii版DQMBV重視だと揃わないが、公式ガイドブックのコーディネイトで『IX』同様の天空の兜を装備している、スクウェア・エニックスメンバーズアバターではどちらも可なので判定が難しい。男勇者だと、頭のバンドが2本足りないために中途半端な状態になっている。 //DQ総合スレで相談の上、賛否点より移行。細かな指摘を省き、軽めの記述に変更。問題がある場合は改めて相談を。 -DQMBIIの連動 --Wi-Fiクエストで、その当時連動でしか入手できない地図の課題を2回出題。DQMBIIがない地域では、すれちがいでその地図を手に入れられない限り参加不可能。 --現在はDQMBIIは稼働終了しているため連動による地図の入手は不可能だが、配信クエストでそれらの地図を手に入れる事が可能となっている。 ---- **すれちがい通信 本作について語るときに「すれちがい通信」の存在を外すことはできない。~ 従来のDQにない「すれちがい通信」の使用を前提に作っているため不可分であるにも関わらず、従来のDQと同じ物差しを使っての批判が相次いでいることが、本作の評価を難しくしている一因である。 -主人公キャラクターにメッセージと「宝の地図」「魔王の地図」を託してすれちがい通信を行うことで、他プレイヤーとの交流や地図の受け取り・配布ができる。 --この他、冒険の拠点となる「リッカの宿屋」がこれまですれちがい通信を行った人の数によって拡大していくという仕掛けがあり、錬金レシピやレアアイテムを入手できる。 --有用な宝の地図や高レベルの魔王の地図といったランダムでしか手に入れられない貴重品が、このすれ違い通信によって広範囲に広まっていった。 すれちがい通信にはゲームの作りとかみ合った様々なメリットがあり、この点は非常に好評。~ 一方、「すれちがい通信を前提にした作り」そのものを問題視する声も多い。 -ユーザーモラルの欠如による問題。 --チートプレイヤーと通信プレイにより未配信クエストが解禁される、チートプレイヤーとの宝の地図交換により[[改造地図>http://www12.atwiki.jp/baramos/pages/83.html]]が感染するといった被害が出ている。改造地図の使用は追加クエストの全開放やセーブデータの破壊といった被害にもつながりうる。 ---チートプレイヤーのユーザーモラルの欠如が上記の問題の主要原因ではあるが…。 ---公式側は警告を行っているが、警告の存在に気付かないユーザーや、低年齢層を中心に警告の内容自体が理解できないユーザーも多い。 ---2010年5月9日に東京都の「すぎやまこういちがやってきた!」コンサートのようなシリーズファンの集まるイベントや、2010年の夏休みに期間限定のオフィシャル・バー「[[LUIDA'S BAR>http://www.paselabo.tv/luidas_bar/index.html]]」でも改造地図を配布している報告もあり、実質歯止めがきかない状態である。 --すれ違い通信時のコメント欄でストーリーのネタバレ、放送禁止用語、「改造地図ですどうぞ」と書いてくることが稀にある。 -人口の問題。発売してから数年経過した現在、「今となってはすれちがい通信の相手を見つけるのが難しい」という問題も出てきた。 --時間が経つにつれ、他のすれちがい通信対応ソフトの登場で移行したユーザーが増え始めたか、すれ違い通信自体のブームが過ぎ去ったのか、すれ違い通信の機会が多い都心ですらその人数は全盛期とは程遠く、地方ではさらに絶望的な状況。すれ違い通信をすることが困難な状況にあり、廉価版や中古で今から始めるというプレイヤーがすれちがい通信による恩恵を得るのは難しい状況にある。 ---ゲームラボが検証企画を行ったが、ゲーマーの多い秋葉原ですら2、3人程度としかすれ違えなかったという結果も出ている。 --2011年10月8日から12月4日まで六本木ヒルズ森タワー52階で開催していた「ドラゴンクエスト展」会場は流石にすれちがいを行う人が多く、狙い目であった。 なお、本作のすれちがい通信が社会現象となったためか、DSの後継機である3DSではすれ違い機能がより強化され、ドラクエ以外の多くのゲームにもすれ違い通信を用いた要素が登場するようになった。~ それらのゲームにおいても本作と同様の問題が発生しており、本作固有の問題ではない。 ---- **Wi-Fiショッピングシステムの問題点 -2011年7月22日更新分をもってWi-Fiショッピングの更新が終了。ただしサービスそのものは継続し、今までに販売されたアイテムをランダムで販売するようになっており、時間と運が絡むものの、根気よくWi-Fi接続を続けていればいつかは目当てのアイテムを購入できるようになった。そのため、以下の記述はそのほとんどが過去のものである事に留意されたし。 -限定アイテムが多い上に、運が悪いと素材しか入荷しない。 -後期には限定アイテムのみの販売もしているが、金稼ぎの地図がない場合はかなりきつい。 --アイテムコンプリートまで時間がかかる。自宅や近場にWi-Fi環境のない人や、廉価版で遅く始めた人には過酷。 -限定アイテムは高額なものが多く、また値段設定がおかしい品も多い。 --万G単位の商品が多く(最大10万G)、金稼ぎ用の宝の地図を持っていない人は辛い。 --装備品がゲーム内の店の最高で3倍の値で売られたことも(スパンコールドレス:元値2500G→7750G、おしゃれなタキシード:元値2300G→7250G)。 -限定アイテムの配布の波が大きい。 --2011年に配信された各職業の証は2回、主人公専用初期装備は1回、後述のリッカの宿屋拡大システムで貰えるレアアイテムの中には関連した配信が終了した2010年7月半ば以降最大3ヶ月後に配信された。特に前述の証アイテムの中には、レアアイテム入手に役に立つものがあるので複数は欲しかった。 --その反面、DQシリーズ記念やリアル月イベントフェアで、頭装備、ハロウィン、DQ5、DQ6((以下の2作はDS版のリメイク発売日とオリジナル発売日記念で、シリーズ中、最多になっている。))、DQ7((DQ7ものはゲームタイトルフェアではなく2010年の七夕(7月7日)フェアに増えることが多い。))((DQ3ものは各装備フェアにまぎれている上に、限定1品ものアイテム以外がゲームソフトでもそこそこ入手可能であるので印象に残りにくい。))関連アイテムが圧倒的に多い。 -毎年12月31日に、無制限に配信購入できるミスが初版、アルティメットヒッツ共通して可能。 --これに関しては、人によってはありがたい仕様である。 -ゲームそのものの問題というわけではないが、東日本大震災で被害を受けた東北、震災に伴う電力不足のため計画停電が実施された関東において、DSステーションが管理のお店で不通又は切断された。 --場所によっては((主に計画停電地域。))、マックでDS自体が撤去、3回((3月11日の震災後、2回目の震度6地震後、7月1日の15パーセント節電など。))、店側から切断したところもあった。 -''2014年5月20日をもって、DSのWi-Fiサービスが終了した''。Wi-Fiショッピング限定アイテムがないとクリアできないクエストも存在する為、コンプリートが困難になってしまった。 ---- **総評 ネット上、特に2chや2ch系列ブログ・サイトでは低評価を受けることの非常に多い本作であるが、それは旧来のプレイヤーや据え置きでの登場を期待していたプレイヤーからの批判が大半を占める。~ DQファンが大事にしてきた、見た目には分からない「ドラクエらしさ((そもそもこの言葉自体、人によって受け取り方が違う。))」がかなり失われたこと、延期に次ぐ延期、当初売りとしてきたインターネットを使ったマルチプレイが行えないことなど、ことごとく前評判を裏切ったこともその批判に拍車をかけている。~ しかし、そもそも本作は過去のシリーズとは作りが違った。~ 序盤からクリアまでにかけての難易度が旧作と比べて大きく低下しているのに対し、クリア後からはそれまでのプレイの積み重ねが物を言う強大な難易度に変化する。~ また「すれ違い通信」は、メッセージや地図ダンジョンの交換…同じゲームを遊ぶ者同士の交流を通じて、ゲームの幅を広げてくれる。~ これらは、通り一遍のプレイでエンディングを迎えるだけでは感じ取ることのできない、しかし本作の持つ確かな魅力である。 国民的有名タイトルに、当時勢力を劇的に伸ばしつつあった「ソーシャルゲーム」の要素を搭載した本作は、各種メディアですれ違い通信の流行が取り上げられるなど社会現象と化し、秋葉原などに設置された通信スポットも連日大盛況した。また女性や子どもなどの新規層の開拓にも成功している。~ 伸びに伸びた売上は09年10月末に実売本数400万本を突破し、ロングセラーソフトとなった(11年1月現在の実売本数は約430万本超、全世界では500万本達成)。これは任天堂以外のメーカーとしては初の快挙である。~ ゲーム性への理解が深まるまでの間、本作の評価は不安定な様相を見せていた。それは、保守的なイメージのあるシリーズとしては、見た目以外の部分にかなりドラスティックな変化が施されていたが故だろう。 -そもそも、本作ではアクションRPG的要素を取り入れると発表されながら、旧来ユーザーの猛反発で元のコマンド式に戻されたという経緯がある。その時点で、正統派続編を求める旧来ファンと、新しいゲームを目指すスタッフや新規ファンとの間で目指す場所が大きく分かれていたと言える。 --そういった事情から、評価は人によって大きく別れるゲームである。本記事では「スルメゲー判定」としているが、「良作」と取る人間も「過去シリーズから劣化した」と取る人間も多い。 --ここで没となったアクションRPG的要素は、ネットゲームとなった『X』で利用されている。 ---- **評価に関する騒動とその影響 -本作は&bold(){発売前に}ネット上で大規模なネガティブキャンペーンが展開されたことでも話題になったソフトである。 --特にAmazonにおいて本作発売日前に酷評レビュー大量が投稿された件は問題化した。Amazon側はレビューの全削除、全商品の発売日前レビュー禁止処置をした。 ---その内容も、「(7、8がPSハードだったのに)9がDSだから」という、ゲーム部分とは一切関係ないレビューが相当数あった。 --ちなみに、こうした行為が行われたにもかかわらず、&bold(){2009年10月10日から2010年6月30日までのAmazonゲーム販売サービスにおいて、もっとも売れた商品}となっている。 --このこともあり、本作に関する客観的な評価は現状では難しくなっている。 --一応、海外評価サイトmetacricでは100点満点中87点と高評価は得ている。 //何がいいたいのかわからない記述なのでここはCOします。 //何がわからないのかがわからないのでCO解除。 **余談 -当初はオンラインマルチプレイに対応したアクションRPGとして、2007年内に発売するはずであった。しかしアクションからコマンド型への仕様変更、オンラインマルチプレイからワイヤレス通信への仕様変更などにより、発売は2009年夏にまで延びた。 -国内での売上本数は2011年2月末時点で432万本(廉価版含む)、海外版を含めれば約540万本。これは現在のところDQシリーズ史上最多である。 --リメイク版を含めれば3(FC版約380万本、SFC版約140万本、GBC版約75万本)が最多。 -「ファミ通アワード2009」で「ベストヒット大賞」「MVP(堀井雄二)」「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」を取った。受賞した読者の要因は、1位、すれちがい通信。2位、やりこみ要素。3位、着せ替え。という結果だった。 -&color(red){''「ワイヤレス通信を通じて、1億1757万7073人がすれちがったゲームソフト」として、ギネス世界記録にも認定された''}。ギネス認定はシリーズ初の快挙である。 -2010年9月16に行なわれた東京ゲームショウ2010の「日本ゲーム大賞」にて「ベストセールス」「優秀賞」を受賞した。 -企業とのコラボレーションが多い。企業コラボ関連のWi-FiクエストやWi-Fiショッピング限定アイテム配信を中心とする、ゲーム内外・規模の大小とも様々な企画が実施された。 -2011年3月31日発売の『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2 プロフェッショナル』でサンディが''モンスター''として登場、なんと???系((俗に言うラスボス。))である。 --しかし、そこから一方的なデータ引き継ぎができるはずの『テリーのワンダーランド3D』ではモンスターどころかスキル名までも消滅しており((「ラプソーン」等のランクが高いモンスターの引き継ぎはできないが、ラプソーンのスキルを下級モンスターに持たせて引き継ぐことはできる。が、サンディスキルを下級モンスターに持たせても引き継ぎの際にはデータ一覧から消滅している(元のJ2Pではそのまま)。))、''唯一引継ぎができない''。 -『[[いただきストリートWii]]』で天使界がマップで登場した。形は魚になっている。スイッチ踏むと天の箱舟が登場する。BGMは「天の祈り」。 --サンディもCPUとして登場している。 ---- //タグ管理用スペース(タグを変更した時は内容をこちらにコピペ上書きしてください。) //ドラゴンクエストシリーズ,ニンテンドーDS,スクウェア・エニックス

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