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ビックリマンワールド - (2019/07/12 (金) 18:56:17) の1つ前との変更点

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*ビックリマンワールド 【びっくりまんわーるど】 |ジャンル|アクションRPG|#amazon(B0000ZPSTI)| |対応機種|PCエンジン|~| |発売・開発元|ハドソン|~| |発売日|1987年10月30日|~| |定価|4,500円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ビックリマンシリーズリンク>ビックリマンシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[ワンダーボーイ/モンスターワールドシリーズリンク>ワンダーボーイ/モンスターワールドシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -PCエンジン本体と同時に発売されたPCエンジン最初期の作品。ウエストン(販売はセガ)のアーケードゲーム『ワンダーボーイ モンスターランド』を当時人気だった『ビックリマン』((元はロッテが販売している同名のチョコレート菓子に付属するシールの「悪魔VS天使」シリーズ。))にキャラ替え移植をしたPCエンジンのローンチタイトルである。 -主人公ブックはヘッドロココに、最初に会う占い師はスーパーゼウス、ラスボスは始祖ジュラ(ブラックゼウス)等と、イベント及びボスキャラがビックリマンキャラに変更されている。 -ちなみにパッケージデザインからもわかるように発売当時は「ビックリマン」のTVアニメが放映を開始しており、東映動画(現:東映アニメーション)の権利許諾シールもあることから、「(『モンスターランド』の器を借りた)アニメ版「ビックリマン」のゲーム化」でもあることが明らかに伺える。((タイトル画面の著作権表記にも東映動画の記述が見られる。)) **特徴 -『モンスターランド』同様に、全11ステージをクリアしてジュラの城に待ち構える始祖ジュラ(ブラックゼウス)を倒すのが目的。 -プレイヤーのヘッドロココはゲーム開始時は%%パンツ一丁%%何の装備もしていないが、剣はボスを倒すことにより、鎧、盾、靴はお店でゴールドを利用して購入して強化できる(一部アイテムは稀にザコが落とす)。 -お店の中にはゴールドを支払うとヒントが貰えて体力も小回復する酒場や、残体力が得点に変換された上で全回復する病院も存在する。但し、病院は利用するたび料金が増加するので、頼りきりにはできない。ここぞという時に利用する必要がある。 -10面までは基本的にボスを倒し守っている鍵を入手し(一部クイズに答えるだけで戦わないで倒せるボスもいる)、柵のかかった出口に到達すればクリアとなる。 -Iボタンを押すとジャンプし、IIボタンで剣による攻撃ができる。十字キーの下を押すと所得した武器アイテム(爆弾、竜巻、ファイヤーボール、雷)を使用する。 --十字キーの上を押すとハシゴを登ったり、扉に入ったりすることができる。一見ただの壁に見えるところが隠し扉の場所もある。 -キャラ替え移植なので、攻略法は『モンスターランド』のものがほぼそのまま通用する。 --最終面は所謂『ドラクエII』のロンダルキアの洞窟のような正しい道順を通らないと先に進めない迷宮になっており、道順が分からなければ隠しアイテムのベルを入手する必要がある。ただしこのベルはわらしべ長者のように隠しアイテムを交換していって最後にラスボスに大ダメージを与えられるルビーと二者択一となるため、一度ルートを覚えたらルビーを取ったほうがよい。 -敵を倒す、または特定地点を通過することによってゴールドが出現する。中には雲の上や針の山の上から出現するものもあり、出現地点を覚える必要がある。 --アーケード版『モンスターランド』で出来たゴールド増殖技はゲームバランスやハイスコア集計の関係で出来なくなり、ゴールドは地道で稼ぐしかなく、『モンスターランド』とはまた違った買い物の計画を求められる。((2019年5月30日より配信開始した本家のSwitch版に追加要素「マネーハングリーモード」としてこの仕様が逆輸入されている。)) -ステージ内は制限時間があり、一定時間経過すると体力がハート1マス分消滅する。時間は体力回復アイテムまたは砂時計を取ることによってリセットされる。 -体力はハートのマスで表され、初期値は5だが一定スコア(3万、10万、20万、30万、40万の5回。50万、60万、70万はハートが2つ回復する)を超えると1マスずつ増え最大10となる。体力が0になるとゲームオーバー。道中の敵や一定ショップで入手できる(スタート直後にもスーパーゼウスからもらえる)復活の薬があればハート5マス分回復してその場からリスタートできる。 -ゲームオーバー後はタイトル画面に直行するようになったが、タイトル画面で左を押しながらRUNボタンでゲームオーバーになったラウンドの最初からコンティニューは可能。 --コンティニューすると代償として得点が初期化=最大ライフがリセットされるが、ゴールド・装備・病院で治療した回数がそのまま引き継がれる。ちなみに、アーケード版『モンスターランド』ではゴールドと剣以外の装備がステージ開始時点に戻されるようになっている。 **評価点 -当時の流行りものを取り入れプレイヤーの間口を大きくした。 --原作の『モンスターランド』は当時アーケードでは珍しかったRPG要素を含んだ横画面アクションであり、RPGにありがちな冗長な経験値稼ぎは存在せず、1プレイ時間も長くても1時間弱とプレイヤーの財布に優しいゲームであった。かといって決して簡単なゲームではなく、シビアな操作が要求されるのでアクション性は非常に高くボスもきっちりパターンにはめるなどしないと勝てないやりごたえのあるゲームである。 --またPCエンジンという新ハードでスプライトを多く使えるようになったことにより、大きいキャラクターを同時に画面に表示することが可能となり原作に忠実な移植をすることができた。後述のセガマークIII/マスターシステム版『モンスターワールド』と比べると一目瞭然である。 --そしてゲームセンターに行くのが時期尚早な小学生にも受け入れられるように一大ブームだったビックリマンチョコのおまけ((仮面ライダースナック同様シールが商品でチョコがおまけという社会問題になった。))である「悪魔vs天使シール」のキャラクターを使用。キャラゲーにありがちなゲーム性の問題をほぼ損なうことなく入れ替えることができ、モンスターランドが家でも遊べビックリマンのキャラゲーができるという一石二鳥となった。 -コンティニューと酒場の改善 --上記の通り、今作はコンティニューするとゴールド・装備が引き継がれる仕様に変更されたため、駆使することでお金を稼ぎつつ装備を補強できるようになった。更に『モンスターランド』の最終面ではコンティニューが出来なかったが、本作では最終面でもコンティニューを出来るようになっている。 --アーケード版は酒場は一度聞いた情報は二度聞けない(同じ物を頼むと味を聞いてきたりする)がPCE版では二度聞けるようになっており情報を聞き漏らす可能性が低くなった。 -砂時計の仕様が調整された。 --アーケード版にはラウンド11での砂時計の仕様が「1つのエリアのみで砂時計が消費」と「エリア全体で砂時計が共有する」の2種類存在し、PCE版は前者の仕様となっている。このゲームには耐久力と得点が非常に高いモンスターが存在し、ラウンド11は正しい道を進む迷路になっている。上記の敵はラウンド11に登場するので道を間違える事で得点を永久に稼げるパターンを作れる。これにより、ラウンド11でコンティニューしてライフが初期化したとしてもその敵を倒せば簡単に最大値まで増やすことも出来るので立て直しが利くようになった。極端な話、時間さえあればゴールドを貯めアイテムを購入しわざとやられて…を繰り返すことができるようになったため雷のゴリ押しでクリアできるようになっている。 ---アーケード版の純正基板は後者の仕様が正解。エリア切り替え毎に砂時計が回復するのはコピー基板のプロテクトが正常に解除されていないことにより発生するが、奇しくもこれが難易度の緩和に繋がっている。 -BGM・SEはほぼアーケード版を忠実に再現。 --BGMは音程がアーケード版と比べて僅かに低いものの、違和感が直ぐ消える程度。SEはほぼ忠実に再現されている。((本家のSwitch版でもアップデートにより前述のマネーハングリーモード限定で本作仕様のBGMでプレイ可能となった。)) **賛否両論点 -削除されてしまった箇所がチラホラ。 --扉、SEのみ流れる笛、ラウンドクリア画面、3面最後の屋外マップ、スタッフロール等、恐らく容量不足の為に細かい部分で再現出来なかった箇所がある。 //もし冗長な要素であるのなら削除する方が望ましく、原作の完全再現が必ずしも良作の基準とは言えないため、問題点から賛否両論点へ移させてもらいました。明らかな問題点であるのなら、それによる弊害を記載してください。 --エンディングではスタッフロールの代わりにゼウスがヘッドロココを労う台詞に差し替えられた。 **問題点 //-ボスキャラの当たり判定が大きい。→なぜ問題なのかの記載がないため、一時的に非表示にさせてもらいました。コンシューマー移植にあたって難易度の変化はあって然るべきだと思います。 -ビックリマンの原作は一切無視 --ビックリマンワールドへようこそ。って何?天聖界じゃないの? --ボス戦ではビックリマンと何の関係もないキノコやヘビが歩き回る。 -パッケージイラストはヤマト王子をはじめとした「8人の若神子」達が主人公っぽく描かれているが、''ゲーム中には登場しない。'' --一方、若神子達を差し置いて、何故か聖蝶士・聖澄士・聖華士の”聖ウォーマン”は総登場する。 --聖フェニックスもパッケージに描かれているが登場しない。実はヘッドロココは聖フェニックスのパワーアップ後の姿だが、ゲームでは最初からロココである。逆にタイトル画面に登場するのは(シール版の)ロココひとりだけ。 ---聖フェニックスは(初期は)非戦闘キャラなのでアクションゲームの主人公にふさわしくないのは理解できるが、若神子の件も含めてなぜアニメ初期の集合絵をパッケージに使ったのか…。 -ビックリマンキャラを忠実に再現したためか、いくつかのグラフィックや原作のホブゴブリンといったボスキャラが削除された。 --ホブゴブリンが出てくるはずの所はネロ魔身(原作のデーモンにあたる)が代理で登場する形になっている((このため、ラウンド8は伝説の尖聖剣・カギを守るボスが両方ネロ魔身になり、伝説の尖聖剣をパスした場合でもネロ魔身と戦わねばならなくなった。))。 --パンツ一丁で戦うヘッドロココ((ただし嘴状のバイザーだけは付けている。もっとも、バイザーも無かったらロココに見えないのだが…。当然、ゲーム的には兜としての機能は無い。))や、原作の死神・お化けキノコ・スフィンクス・貧乏神を兼任させられたサタンマリア((スフィンクスの所のみパワーアップ版になっている。))や、各色ナイトを兼任させられたワンダーマリア((なおワンダーマリアはサタンマリアのパワーアップ後の姿なので同一人物。))といった、シール版からはありえない光景が見られる。 -隠し部屋のヒントが乏しい --序盤は隠し扉のある所に行くと「かべのむこうに、ひとのけはいがする」「おや!?」といったメッセージが出るが、笛、お守り、最強の剣、紋章の部屋は何のメッセージも出ない((ほとんどの部屋は酒場でヒントがもらえる。))。 -伝説の剣はラストボス・始祖ジュラ(ブラックゼウス)に対して必須ではないが…。 --紋章を取る所は隠し部屋ではないものの一度入ったアイテム屋から出て入れないはずの扉に入る((これも直前の酒場でヒントをもらえる。))というものであり、これを忘れるとルビーが取れなくなりラストボスと真っ向勝負をしなければならないのだが、これは上記でベルを入手した場合もラストボスと戦う場合は同じ展開になるので、最悪、しっかり装備を固めていけば、コンティニューを駆使してサンダーゴリ押しやガチ勝負でも勝ち目はある。問題なのは最強武器である「伝説の尖聖剣(せんせいけん)」を入手し損ねるとかなりの火力不足に陥るため、相当の腕前が無いとリセットすることになること請け合い。 ---一応救済措置として、伝説シリーズの武器防具以外を装備している場合、中ザコ以上から現装備品より一ランク上の装備が出る可能性がある。伝説の剣も例外ではない。 -アーケード版にあったレバガチャでのゴールド増殖技ナシの為、ゲーム中はずっと貧乏プレイ。 --セガマークIII版もレバガチャ技は無いが、代わりにステータス画面を37回表示でのゴールド増殖裏技がある。 **総評 本作のオリジナル要素は、主人公のグラフィックをはじめ、店番や各ステージのボスキャラクター程度である。~ そのため、発売当時はセガマニアの読者比率が高かった雑誌『Beep』の読者コーナーや一部のプレイヤーからは「ソックリマンワールド」と揶揄された。~ しかし、当時は本家セガ系のハードでも満足のいく『モンスターランド』の移植ができなかった。~ マークIII/マスターシステム版『モンスターワールド』((モンスターランドという家庭用ゲームが既に存在したためタイトル変更となった。))はキャラの小ささは言うまでもなく、ジャンプ軌道が異なっていたり、アイテムの仕様が全然違っていたりなどと全く異なる点が非常に強かった((ただし、FM音源は評価が高い。また欧米では本作が未発売、家庭用ではマスターシステム版をプレイするしか方法がなかった。))。~ そのような不作続きの中で、キャラ替え移植とは言え、PCエンジンのスペックをフルに活用して『モンスターランド』を高水準で移植した事は特筆に価する。~ 携帯アプリ版では、主人公のヘッドロココは高橋名人に置き換え、本作をベースにした『新高橋名人の冒険島』として配信されていた。
*ビックリマンワールド 【びっくりまんわーるど】 |ジャンル|アクションRPG|#amazon(B0000ZPSTI)| |対応機種|PCエンジン|~| |発売・開発元|ハドソン|~| |発売日|1987年10月30日|~| |定価|4,500円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ビックリマンシリーズリンク>ビックリマンシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[ワンダーボーイ/モンスターワールドシリーズリンク>ワンダーボーイ/モンスターワールドシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -PCエンジン本体と同時に発売されたPCエンジン最初期の作品。ウエストン(販売はセガ)のアーケードゲーム『ワンダーボーイ モンスターランド』を当時人気だった『ビックリマン』((元はロッテが販売している同名のチョコレート菓子に付属するシールの「悪魔VS天使」シリーズ。))にキャラ替え移植をしたPCエンジンのローンチタイトルである。 -主人公ブックはヘッドロココに、最初に会う占い師はスーパーゼウス、ラスボスは始祖ジュラ(ブラックゼウス)等と、イベント及びボスキャラがビックリマンキャラに変更されている。 -ちなみにパッケージデザインからもわかるように発売当時は「ビックリマン」のTVアニメが放映を開始しており、東映動画(現:東映アニメーション)の権利許諾シールもあることから、ぶっちゃけた物言いをするなら&bold(){「(『ワンダーボーイ モンスターランド』の器を借りた)アニメ版「ビックリマン」のゲーム化」}でもある((タイトル画面の著作権表記にも東映動画の記述が見られる。))。 **特徴 -『モンスターランド』同様に、全11ステージをクリアしてジュラの城に待ち構える始祖ジュラ(ブラックゼウス)を倒すのが目的。 -プレイヤーのヘッドロココはゲーム開始時は%%パンツ一丁%%何の装備もしていないが、剣はボスを倒すことにより、鎧、盾、靴はお店でゴールドを利用して購入して強化できる(一部アイテムは稀にザコが落とす)。 -お店の中にはゴールドを支払うとヒントが貰えて体力も小回復する酒場や、残体力が得点に変換された上で全回復する病院も存在する。但し、病院は利用するたび料金が増加するので、頼りきりにはできない。ここぞという時に利用する必要がある。 -10面までは基本的にボスを倒し守っている鍵を入手し(一部クイズに答えるだけで戦わないで倒せるボスもいる)、柵のかかった出口に到達すればクリアとなる。 -Iボタンを押すとジャンプし、IIボタンで剣による攻撃ができる。十字キーの下を押すと所得した武器アイテム(爆弾、竜巻、ファイヤーボール、雷)を使用する。 --十字キーの上を押すとハシゴを登ったり、扉に入ったりすることができる。一見ただの壁に見えるところが隠し扉の場所もある。 -キャラ替え移植なので、攻略法は『モンスターランド』のものがほぼそのまま通用する。 --最終面は所謂『ドラクエII』のロンダルキアの洞窟のような正しい道順を通らないと先に進めない迷宮になっており、道順が分からなければ隠しアイテムのベルを入手する必要がある。ただしこのベルはわらしべ長者のように隠しアイテムを交換していって最後にラスボスに大ダメージを与えられるルビーと二者択一となるため、一度ルートを覚えたらルビーを取ったほうがよい。 -敵を倒す、または特定地点を通過することによってゴールドが出現する。中には雲の上や針の山の上から出現するものもあり、出現地点を覚える必要がある。 --アーケード版『モンスターランド』で出来たゴールド増殖技はゲームバランスやハイスコア集計の関係で出来なくなり、ゴールドは地道で稼ぐしかなく、『モンスターランド』とはまた違った買い物の計画を求められる。((2019年5月30日より配信開始した本家のSwitch版に追加要素「マネーハングリーモード」としてこの仕様が逆輸入されている。)) -ステージ内は制限時間があり、一定時間経過すると体力がハート1マス分消滅する。時間は体力回復アイテムまたは砂時計を取ることによってリセットされる。 -体力はハートのマスで表され、初期値は5だが一定スコア(3万、10万、20万、30万、40万の5回。50万、60万、70万はハートが2つ回復する)を超えると1マスずつ増え最大10となる。体力が0になるとゲームオーバー。道中の敵や一定ショップで入手できる(スタート直後にもスーパーゼウスからもらえる)復活の薬があればハート5マス分回復してその場からリスタートできる。 -ゲームオーバー後はタイトル画面に直行するようになったが、タイトル画面で左を押しながらRUNボタンでゲームオーバーになったラウンドの最初からコンティニューは可能。 --コンティニューすると代償として得点が初期化=最大ライフがリセットされるが、ゴールド・装備・病院で治療した回数がそのまま引き継がれる。ちなみに、アーケード版『モンスターランド』ではゴールドと剣以外の装備がステージ開始時点に戻されるようになっている。 **評価点 -当時の流行りものを取り入れプレイヤーの間口を大きくした。 --原作の『モンスターランド』は当時アーケードでは珍しかったRPG要素を含んだ横画面アクションであり、RPGにありがちな冗長な経験値稼ぎは存在せず、1プレイ時間も長くても1時間弱とプレイヤーの財布に優しいゲームであった。かといって決して簡単なゲームではなく、シビアな操作が要求されるのでアクション性は非常に高くボスもきっちりパターンにはめるなどしないと勝てないやりごたえのあるゲームである。 --またPCエンジンという新ハードでスプライトを多く使えるようになったことにより、大きいキャラクターを同時に画面に表示することが可能となり原作に忠実な移植をすることができた。後述のセガマークIII/マスターシステム版『モンスターワールド』と比べると一目瞭然である。 --そしてゲームセンターに行くのが時期尚早な小学生にも受け入れられるように一大ブームだったビックリマンチョコのおまけ((仮面ライダースナック同様シールが商品でチョコがおまけという社会問題になった。))である「悪魔vs天使シール」のキャラクターを使用。キャラゲーにありがちなゲーム性の問題をほぼ損なうことなく入れ替えることができ、モンスターランドが家でも遊べビックリマンのキャラゲーができるという一石二鳥となった。 -コンティニューと酒場の改善 --上記の通り、今作はコンティニューするとゴールド・装備が引き継がれる仕様に変更されたため、駆使することでお金を稼ぎつつ装備を補強できるようになった。更に『モンスターランド』の最終面ではコンティニューが出来なかったが、本作では最終面でもコンティニューを出来るようになっている。 --アーケード版は酒場は一度聞いた情報は二度聞けない(同じ物を頼むと味を聞いてきたりする)がPCE版では二度聞けるようになっており情報を聞き漏らす可能性が低くなった。 -砂時計の仕様が調整された。 --アーケード版にはラウンド11での砂時計の仕様が「1つのエリアのみで砂時計が消費」と「エリア全体で砂時計が共有する」の2種類存在し、PCE版は前者の仕様となっている。このゲームには耐久力と得点が非常に高いモンスターが存在し、ラウンド11は正しい道を進む迷路になっている。上記の敵はラウンド11に登場するので道を間違える事で得点を永久に稼げるパターンを作れる。これにより、ラウンド11でコンティニューしてライフが初期化したとしてもその敵を倒せば簡単に最大値まで増やすことも出来るので立て直しが利くようになった。極端な話、時間さえあればゴールドを貯めアイテムを購入しわざとやられて…を繰り返すことができるようになったため雷のゴリ押しでクリアできるようになっている。 ---アーケード版の純正基板は後者の仕様が正解。エリア切り替え毎に砂時計が回復するのはコピー基板のプロテクトが正常に解除されていないことにより発生するが、奇しくもこれが難易度の緩和に繋がっている。 -BGM・SEはほぼアーケード版を忠実に再現。 --BGMは音程がアーケード版と比べて僅かに低いものの、違和感が直ぐ消える程度。SEはほぼ忠実に再現されている。((本家のSwitch版でもアップデートにより前述のマネーハングリーモード限定で本作仕様のBGMでプレイ可能となった。)) **賛否両論点 -削除されてしまった箇所がチラホラ。 --扉、SEのみ流れる笛、ラウンドクリア画面、3面最後の屋外マップ、スタッフロール等、恐らく容量不足の為に細かい部分で再現出来なかった箇所がある。 //もし冗長な要素であるのなら削除する方が望ましく、原作の完全再現が必ずしも良作の基準とは言えないため、問題点から賛否両論点へ移させてもらいました。明らかな問題点であるのなら、それによる弊害を記載してください。 --エンディングではスタッフロールの代わりにゼウスがヘッドロココを労う台詞に差し替えられた。 **問題点 //-ボスキャラの当たり判定が大きい。→なぜ問題なのかの記載がないため、一時的に非表示にさせてもらいました。コンシューマー移植にあたって難易度の変化はあって然るべきだと思います。 -ビックリマンの原作は一切無視 --ビックリマンワールドへようこそ。って何?天聖界じゃないの? --ボス戦ではビックリマンと何の関係もないキノコやヘビが歩き回る。 -パッケージイラストはヤマト王子をはじめとした「8人の若神子」達が主人公っぽく描かれているが、''ゲーム中には登場しない。'' --一方、若神子達を差し置いて、何故か聖蝶士・聖澄士・聖華士の”聖ウォーマン”は総登場する。 --聖フェニックスもパッケージに描かれているが登場しない。実はヘッドロココは聖フェニックスのパワーアップ後の姿だが、ゲームでは最初からロココである。逆にタイトル画面に登場するのは(シール版の)ロココひとりだけ。 ---聖フェニックスは(初期は)非戦闘キャラなのでアクションゲームの主人公にふさわしくないのは理解できるが、若神子の件も含めてなぜアニメ初期の集合絵をパッケージに使ったのか…。 -ビックリマンキャラを忠実に再現したためか、いくつかのグラフィックや原作のホブゴブリンといったボスキャラが削除された。 --ホブゴブリンが出てくるはずの所はネロ魔身(原作のデーモンにあたる)が代理で登場する形になっている((このため、ラウンド8は伝説の尖聖剣・カギを守るボスが両方ネロ魔身になり、伝説の尖聖剣をパスした場合でもネロ魔身と戦わねばならなくなった。))。 --パンツ一丁で戦うヘッドロココ((ただし嘴状のバイザーだけは付けている。もっとも、バイザーも無かったらロココに見えないのだが…。当然、ゲーム的には兜としての機能は無い。))や、原作の死神・お化けキノコ・スフィンクス・貧乏神を兼任させられたサタンマリア((スフィンクスの所のみパワーアップ版になっている。))や、各色ナイトを兼任させられたワンダーマリア((なおワンダーマリアはサタンマリアのパワーアップ後の姿なので同一人物。))といった、シール版からはありえない光景が見られる。 -隠し部屋のヒントが乏しい --序盤は隠し扉のある所に行くと「かべのむこうに、ひとのけはいがする」「おや!?」といったメッセージが出るが、笛、お守り、最強の剣、紋章の部屋は何のメッセージも出ない((ほとんどの部屋は酒場でヒントがもらえる。))。 -伝説の剣はラストボス・始祖ジュラ(ブラックゼウス)に対して必須ではないが…。 --紋章を取る所は隠し部屋ではないものの一度入ったアイテム屋から出て入れないはずの扉に入る((これも直前の酒場でヒントをもらえる。))というものであり、これを忘れるとルビーが取れなくなりラストボスと真っ向勝負をしなければならないのだが、これは上記でベルを入手した場合もラストボスと戦う場合は同じ展開になるので、最悪、しっかり装備を固めていけば、コンティニューを駆使してサンダーゴリ押しやガチ勝負でも勝ち目はある。問題なのは最強武器である「伝説の尖聖剣(せんせいけん)」を入手し損ねるとかなりの火力不足に陥るため、相当の腕前が無いとリセットすることになること請け合い。 ---一応救済措置として、伝説シリーズの武器防具以外を装備している場合、中ザコ以上から現装備品より一ランク上の装備が出る可能性がある。伝説の剣も例外ではない。 -アーケード版にあったレバガチャでのゴールド増殖技ナシの為、ゲーム中はずっと貧乏プレイ。 --セガマークIII版もレバガチャ技は無いが、代わりにステータス画面を37回表示でのゴールド増殖裏技がある。 **総評 本作のオリジナル要素は、主人公のグラフィックをはじめ、店番や各ステージのボスキャラクター程度である。~ そのため、発売当時はセガマニアの読者比率が高かった雑誌『Beep』の読者コーナーや一部のプレイヤーからは「ソックリマンワールド」と揶揄された。~ しかし、当時は本家セガ系のハードでも満足のいく『モンスターランド』の移植ができなかった。~ マークIII/マスターシステム版『モンスターワールド』((モンスターランドという家庭用ゲームが既に存在したためタイトル変更となった。))はキャラの小ささは言うまでもなく、ジャンプ軌道が異なっていたり、アイテムの仕様が全然違っていたりなどと全く異なる点が非常に強かった((ただし、FM音源は評価が高い。また欧米では本作が未発売、家庭用ではマスターシステム版をプレイするしか方法がなかった。))。~ そのような不作続きの中で、キャラ替え移植とは言え、PCエンジンのスペックをフルに活用して『モンスターランド』を高水準で移植した事は特筆に価する。~ 携帯アプリ版では、主人公のヘッドロココは高橋名人に置き換え、本作をベースにした『新高橋名人の冒険島』として配信されていた。

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