スーパーロボット大戦F

【すーぱーろぼっとたいせん えふ】

スーパーロボット大戦F 完結編

【すーぱーろぼっとたいせん えふ かんけつへん】

ジャンル シミュレーションRPG
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対応機種 セガサターン
プレイステーション
発売元 バンプレスト
開発元 ウィンキーソフト
発売日
(F/完結編)
【SS】1997年9月25日/1998年4月23日
【PS】1998年12月10日/1999年4月15日
定価 各7,140円
レーティング
(F/完結編)
【SS】セガ審査:全年齢推奨(両方)
【PS】CERO:A(全年齢対象)/CERO:B(12才以上対象)*1
廉価版/配信*2 PlayStation the Best:2000年12月7日/各2,940円
ゲームアーカイブス:2011年11月9日/各1,200円
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 様々な面で『第4次』とは別物に
ニュータイプにあらずんば人にあらず
別次元の強さのイデオン
スーパーロボット大戦シリーズ

概要

セガサターン唯一のスーパーロボット大戦シリーズ作品。のちにプレイステーションにも移植された。
元々は『第4次スーパーロボット大戦』(実質的には『第4次スーパーロボット大戦S』。以下『第4次』)に若干の新要素を加えた上でセガサターンに移植するという企画から生まれた。
開発中に参戦作品やシナリオ内容が大幅に変更され、ゲームバランスも極端に変化し、結果として良くも悪くも『第4次』とは別物と言える内容となった。

基本的に、先に発売されたSS版をベースに解説する。PS版で変更された点については独立項で述べる。

+ 参戦作品一覧

★マークは新規参戦作品。※はゲーム内での登場作品表記が『オリジナル』の作品。
『第4次』に参戦していた『勇者ライディーン』・『UFOロボグレンダイザー』・『闘将ダイモス』・『無敵超人ザンボット3』は不参戦となった。
また、本作オリジナルのマジンガー「マジンカイザー」が参戦しているが、参戦作品としてはクレジットされていない。

  • マジンガーZ
  • グレートマジンガー
  • ゲッターロボ
  • ゲッターロボG
  • 真・ゲッターロボ(原作漫画版) ※
  • 機動戦士ガンダム
  • 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
  • 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
  • 機動戦士Zガンダム
  • 機動戦士ガンダムZZ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • 機動武闘伝Gガンダム
  • 新機動戦記ガンダムW
  • ★新機動戦記ガンダムW Endless Waltz*3
  • ★M-MSV*4
  • 無敵鋼人ダイターン3
  • ★伝説巨神イデオン
  • 聖戦士ダンバイン
  • 重戦機エルガイム
  • 超電磁ロボ コン・バトラーV
  • 戦国魔神ゴーショーグン
  • 超獣機神ダンクーガ
  • ★トップをねらえ!
  • ★新世紀エヴァンゲリオン
  • 魔装機神 THE LOAD OF ELEMENTAL ※
  • バンプレストオリジナル ※

過去作からの追加・変更点

ドラマチック・ボイス・イベント(DVE)

  • 『第4次S』から戦闘中に限りキャラクターがボイス付きで喋るようになったが、本作ではシナリオ上の一部イベントにもキャラクターボイスが付くようになった。これがドラマチック・ボイス・イベント(DVE)である。
    • 『マジンガー』のボスの「ジャンジャジャ~ン!」や『ガンダムW』のヒイロの「お前を殺す」など原作で印象深いセリフに採用されているだけでなく、『Gガンダム』の東方不敗の超人的な暴れっぷりに驚愕する『エヴァ』のアスカのセリフなどゲームオリジナルのセリフにもボイスが用意されていることがある。

一言モード

  • キャラクター事典に収録されている一部のキャラクターのページで、Zボタン(SS)/□ボタン(PS)を押すと登録されているボイスがランダムで再生される。
    • 登録されているボイスの数はキャラによって異なる。

強化パーツの入手方法変更

  • 『新』までは強化パーツはマップ上の特定の個所に味方ユニットを配置させることで入手できたが、これが廃止(精神コマンドの「探索」も廃止)され、代わりに一部の敵を倒した時のボーナスとして強化パーツを入手できるようになった。何が入手できるかは倒すまで分からない。
    • なお、ドロップする強化パーツを実際に敵が装備しているわけではない(続編の中には敵が装備して能力が上がったり消費アイテムを使用する作品もある)。
    • 本作独自の仕様として、特定のマップで出現する一部の敵ユニットを倒したときに手に入る強化パーツが、低確率で高性能なパーツに変化する*5。落とすパーツはその敵の出現時に決定されるが、どちらを落とすかは実際に倒すまで確認できない。

前後編シナリオの仕様

  • 前後編に分かれているシナリオにおいて、前編で気力100を超えたパイロットは、後編にも出撃すると初期の気力が下がるようになった。逆に前編終了時点で気力100以下だったパイロットは、後編では気力100で出撃できる。
    • 「連戦からくる疲労」という理由付けはあるので、納得するか理不尽に思うかは個人差である。しかし本作の戦闘バランスとの噛み合いが悪い点から不評だった。詳細は問題点を参照。

パイロットのパラメータの仕様変更

  • 『第4次』『新』では最大射程1の武器を「近距離武器」、最大射程2以上の武器を「遠距離武器」として区別し、パイロットの攻撃力のパラメータもそれぞれに対応する「近距離」「遠距離」が存在していた。
  • 本作ではこの距離による区別が廃止され、代わりに「格闘武器」(拳のアイコンが付いている武器)と「射撃武器」(照準のアイコンが付いている武器)に分類され、パイロットの攻撃力のパラメータもそれぞれに対応する「格闘」「射撃」に改められた。
    • 格闘・射撃の分類はおおむね武器のイメージに合うものが設定されており、拳やサーベルなどによる接近戦は格闘武器、ライフルやミサイルなどの飛び道具は射撃武器になっている。ただしマジンガーZ等のロケットパンチ系の武器は飛び道具ながら格闘武器に設定されているなど、例外もある。

半オリジナルロボット「マジンカイザー」

  • マジンガーシリーズの生みの親であるダイナミックプロの監修のもと、マジンガーZの上位版と言える新規ロボット「マジンカイザー」が初登場した。
    • 本作では「マジンガーZにゲッター線を浴びせて強化する」というクロスオーバーによって誕生している。なおゲッター線による強化案を受けず純粋にマジンガーZを強化する選択も可能。

その他

  • 『F』では強敵を倒すなど特定の条件を満たすと隠しポイントを入手できる。続編の『α』以降に実装された熟練度/SRポイントの先駆けと言える。
    • しかし、この隠しポイントを獲得できるシナリオは『F』の僅か10のみであり、それによって内容が変化するシナリオは序盤の『ヒイロとリリーナ』及び『南海の死闘』の2つだけ。『完結編』では一切獲得できない。
    • 獲得したポイント数やポイントを獲得したメッセージなどもなく、作りかけで放置されたと思わしきシステムとなっている。
    • またSS版後期ROMでは、熟練度によって変動した敵からバリアジェネレーターを高確率で、超合金ニューZを低確率で入手できる。
      • 前者は本来『F』『完結編』通して没パーツであり装備しても効果がなく、後者は本来『完結編』でしか入手できないものであるため、明らかに設定ミスである。
  • 恋人同士や片思いなどの関係にあるキャラ同士が近くにいると、攻撃力や防御力が上がるようになっている。いわゆる信頼補正であり、こちらも隠しパラメータとなっている。
    • レベルが上がるとかなり大きな効果になるのだが、攻略本等にも載っていなかったので解析や研究が進むまであまり知られていなかった。

問題点

両編共通

演出面

  • 相変わらず戦闘アニメをスキップできず、毎回ロードが挟まるために戦闘のテンポが悪い。
    • これ自体は同じCD-ROM媒体である『第4次S』や『』から引き継いだ難点といえる。しかし問題なのは肝心の戦闘アニメが、グラフィックが綺麗になった点以外はSFC版の『第4次』と大差ないレベルであること。
      • 静止画の立ち絵をベースに攻撃エフェクトを加えた程度。EVA弐号機のプログレッシブナイフやNT-1アレックスのビームライフルなどのように「握り拳に武器のドット絵を重ねただけ」という雑なもののほか、一部の武器は色やエフェクト、効果音が原作と異なっている。
      • 本作の前に発売された『新』の戦闘アニメは、機体/パイロットのカットインを多用したり、戦艦のメガ粒子砲が画面一杯に広がるほど巨大だったり、コマ数こそ少ないが手が動いていたりと、ローテクながらも相当な工夫を施していた。本作ではそういった工夫が一切見られず、退化したと言わざるを得ない。
    • またファンネル系武器など一部の武器を除き「キャラが喋り終わる→攻撃」の手順を踏むため、ロード時間とは別に戦闘アニメのテンポが非常に悪くなる。これも初めて戦闘にボイスが付いた『第4次S』からの改悪点といえる。
    • スタッフは当時の雑誌インタビューで「戦闘アニメのスキップ機能を持たせることはできたが、折角作ったのだから飛ばさず全て見てほしかったので搭載しなかった」と語っている。しかしプレイヤーの快適さを犠牲にしてまで見せる程の出来とは言えないため、評価を下げる要因になっている。

戦闘面

  • ユニット・パイロットのバランス調整が不十分。
    • リアル系パイロットは「ニュータイプや聖戦士などの強力な特殊能力を持つ主役級は強く、それ以外は弱い」という極端なバランスで、しかも敵のインフレが激しくプレイヤーの愛で弱キャラを使い続けることが困難。その結果「ニュータイプ(と強化人間と聖戦士)にあらずんば人にあらず」と評された。
      • 本作から特殊技能や一部パイロットが持つ特殊システムによって、命中率・回避率などにボーナスを得られるようになった*6。しかし本作ではこの補正が非常に強力で、特に『完結編』はその補正ありきで難易度が調整されているとしか思えないほど敵の運動性が高い。
      • 『ガンダム0083』のコウ*7や『ガンダムW』のガンダムチーム(詳細は下記「その他」を参照)などは、主役級なのにとにかく使いづらい性能にされてしまったため、槍玉に挙がりやすい。
      • さらに、リアル系の主役級ユニットのメイン武器(ファンネルなど)は切り払い可能なものであることが多く、終盤は位置取りに気を付けないとボス級はおろか雑魚敵にすら切り払われ「踏み込みが足りん!」と煽られる。
  • スーパー系パイロットはリアル系より命中・回避が低く、加入が早いユニットの場合は運動性も低いため、中盤以降は精神コマンドの「必中」がないとリアル系には雑魚にすら当てづらくなる。必殺技クラスの武器の燃費も悪め。
    • とはいえ「必中」をかけた必殺技が大ボスの撃破に重要な役割を果たす場面も多いので、ある程度育てておく必要はある。
  • スーパー系・リアル系を問わず、命中・回避を補う精神コマンドを覚えない味方パイロットが多い。特に『完結編』の大ボスクラスになると、能力が高くても命中・回避を補う精神コマンドがない場合はまず当てられず避けられない。
    • 敵の「シールド防御」(ダメージ半減)や「切り払い」(剣や実弾の攻撃を無効)の確率が、旧作以上に高まっているのもやっかいな点の一つ。終盤ともなると、実質的に50~60%程度の確率でいずれかが発動してしまう。切り払いは「必中」で無効化できるが、シールド防御はそれもできず*8、運に任せるほかできなくなっている。
  • 地形適応の設定も雑で、『F』『完結編』共に後半は殆どが宇宙であるにもかかわらず、マジンガーシリーズ*9や『ダンバイン』など原作で宇宙戦が存在しない作品や魔装機神系のユニット・パイロットは、たとえ主役級でも宇宙適応がB(最大のAより1段階劣るランク)となっており不利になる*10。サイバスターなどのように強力な要素を持つものを除いて、終盤は二軍落ちしやすい。鳴り物入りで初登場したマジンカイザーも例外ではない。
    • 地形適応を補う強化パーツは空適応をAにするミノフスキークラフトのみで、ユニットの空以外の地形適応はフル改造ボーナスでのみ補えるが莫大な資金がかかり、パイロットの地形適応は本作では一切改善できない。仕様上パイロット・機体の適応値双方がAでないと総合でB以下と判定されてしまうため、パイロット側の地形適応が悪い場合はどうしようもない*11
    • 「スーパー系・宇宙A・強力な必殺武器・戦闘系精神コマンド(命中系+熱血or魂)」という4つの条件を併せ持つユニットは、真ゲッター・イデオン・ガンバスター・ダンクーガ(条件付き)と、スーパー系主人公機のグルンガストくらい。
      特にイデオンは攻撃力9999・射程∞という規格外すぎるMAP兵器を持ち、更にパイロットの一人が精神コマンドの「魂」を覚えるなどバランスブレイカーと言える性能を持つ。ただしイデオンに関してはどうしてもクリアできない時の救済要員としての色合いが濃いうえ、イデゲージが上がりすぎると制御不能になって味方を攻撃したり、イデが発動してゲームオーバーになるというリスクも背負っている。
  • このようなバランスの悪さから、攻略本で「全滅プレイ*12の繰り返し」「修理・補給によるLvカンスト*13」といった時間のかかるプレイが推奨されるという異常事態になった*14。アムロやカミーユといった一線級のニュータイプをレベル99まで上げてしまえばまったく被弾の恐れがなくなり、余裕でクリアが可能。
    • 「普通にクリアする場合は主力を絞れば何とかなる」という報告もあるが、作品単位で不遇な作品が存在する点は、キャラゲーとして問題と言える。
  • SS版とPS版、『F』と『完結編』で若干性能が修正された機体やパイロットがいるのだが、ことごとくプレイヤー不利になっている。
    • 『エルガイム』のダバや『ガンダムZZ』のルーなどは、2回行動解禁レベルがSS版『F』とそれ以外を比較すると後者が多少高くなってしまっている。
      • そのうえ、『エルガイム』の敵パイロットは2回行解禁動が遅れておらず、ポセイダル軍のパイロットの大半(ハッシャ、アスフィー以外の全員)がダバより早いという状態に陥っている。条件付きで味方入りするギャブレーもその例に漏れず、ダバは主人公の面目丸つぶれとなってしまっている。
  • 武器の地形適応(以下、武器適応)が戦闘に与える影響が少々複雑。
    • 本作では基本的に格闘武器は「相手のいる地形」を、射撃武器は「自分のいる地形」を参照してダメージ計算が行われる*15
      • ただし地形適応が「-」の場合は相手への攻撃不可判定が優先され、たとえ射撃武器であっても相手がその地形にいる場合、その武器で攻撃できなくなる。*16
    • マジンガーZのロケットパンチなど、分類自体は格闘武器だが、射撃武器と同様自分のいる地形を参照する「格射武器」も存在する。ただし隠し設定となっており、通常の格闘武器との区別がつかない。
    • わかりにくいと判断されたのか、次回作以降では格闘武器も射撃武器も相手側のいる地形を参照するようになっている。
  • 反撃行動の選択時、シールド防御は「防御」を選択すると、分身は「反撃」以外を選択すると絶対に発動しなくなる。一方で切り払いは防御・回避のどちらを選択しても発動する。
    • 『完結編』に限り、これらの防御系の技能は「反撃」を選択しなければ(「反撃不能」も含む)発動しない仕様になっている。前述した切り払い対象武器も、相手が反撃不能となる位置から攻撃すれば切り払われない。
    • これら防御技能の発動可否の違いが仕様か不具合かは不明だが、仮に仕様だったとしてもその意図が分からない。
  • 過去作と違い、敵ユニットが積極的にMAP兵器を使用するようになっている。本作では範囲内に2機以上自機がいると確実に撃ってくるため、適当に進軍していると部隊壊滅の憂き目に遭う。
    • 2回行動可能な敵が多くなる『完結編』終盤では「1度目の行動で位置を合わせ、2度目の行動でMAP兵器」という行動も増えるため、対処が難しい。
  • 前述のとおり一部の敵ユニットが落とす強化パーツが低確率で強力なものになる場合があるが、こうした敵は改造したスーパー系の最強武器を結集しなければならないほど強力であることが多く、目当ての強化パーツを入手するのは非常に骨が折れる。
  • 前後編シナリオで連続で出したパイロットの初期気力が低下する仕様は「前編と後編で満遍なくユニットを使ってほしい」という意図だと思われるが、前編・後編共に全力を出さないと厳しいマップが多く、二軍のユニット・パイロットまで出す余裕はあまりない。
    • このため「前編で出撃した主力パイロットの気力を補給や戦艦の搭載などで100以下に下げ、前編と同じ戦力で後編に臨む」という、非常に時間のかかる作業が推奨された。
    • この仕様はあまりにも評判が悪かったのか、採用されたのは本作のみである。

シナリオ面

  • 『第4次/S』でリアル系ルートが優遇された反動なのか、本作では逆にリアル系ルートが不遇となっている。
    • 版権作品側でいくつか例を挙げると「コン・バトラーVの武装追加が『完結編』終盤と大幅に遅れる*17」「テキサスマックが入手できない*18」「ルー・ルカの加入が『F』中盤の終わり頃にずれ込む*19」「Gディフェンサーが『F』終盤まで登場しない*20」「シャイニングガンダムの使用可能期間が短い*21」などがある。
    • ゲームオリジナル側についても、「主人公の初期機体であるゲシュペンストが空を飛べず、最強武器がビームコート持ちのヘビーメタルに通りにくい」「後継機のゲシュペンストMk-IIの追加が遅い*22」「主人公・副主人公ともに命中/回避に補正を掛ける精神コマンドの集中や必中を覚えない*23」といった難点がある。
      • ただしリアル系副主人公は「激励」「再動」といった強力な精神コマンドを覚える。スーパー系の副主人公は「信頼」以外戦闘寄りの構成なので、「サポートが強い」という点においてはリアル系が有利と言える。
  • 『第4次/S』と同様、『F』のシナリオ内で「主人公に恋人はいるか」という質問を投げられるが、この時「いない」と答えると副主人公が『完結編』の最後まで一切登場しない。『完結編』を引継ぎなしで最初から始めた際に「恋人はいない」を選択しても同様。
    • 『第4次/S』では副主人公の登場タイミングや展開が変わるくらいで、本作も同様と考えた『第4次/S』プレイ済みの人に対するトラップとなってしまっている。
  • こちらも『第4次/S』と同様、死亡描写も無く退場する敵キャラや、『第3次』までは登場していながら本作では一切登場しないキャラ*24が複数存在している。

その他

  • 『新』に引き続き、『ガンダムW』の扱いが酷い。
    • まず、『F』では主人公のヒイロを含めて、五機のガンダムパイロットが終始敵として立ち塞がり、『F』の間は一切味方にならない。
    • 『完結編』では仲間に加えることが可能だが、ガンダムパイロット5人全員を自軍に揃えるには、ルート選択を含む多くの条件を満たす必要がある。特に、DCルートを選択すると主人公であるヒイロすら加入・復帰せず*25、当然ながらファンから不評を買った。五飛だけは必ず仲間になるが、最終話直前で加入と異常に遅い。
      • 仲間にしたところで「デュオ以外は回避・反応の数値が低い」「全員2回行動解禁が遅い」「ヒイロの集中以外は命中補助系精神コマンドを覚えない(回避補助のひらめきは全員覚える)」といった具合で、終盤のインフレにほとんど対応できない。
      • パラメータの低さについては『F』序盤から敵対する都合上、攻撃をある程度当てやすくするための調整と考えられ、代わりに切り払いやシールド防御の最大レベルが高い。この調整自体は悪くないが、『完結編』に対応した調整がなされなかったのが仇となっている。
    • 唯一の優遇例として、『完結編』で特定の条件を満たすと入手できるウイングゼロカスタムは攻撃力・運動性・移動力のすべてが自軍リアル系トップクラスで、能力的に不遇と言えるパイロットたちでも十分終盤戦に通用するようになる。もっとも、使用可能期間はラスト3話と短いが。
  • 設定ミスについて
    • 『Zガンダム』のアッシマーのユニット性能に、スタッフの勘違いと思しき設定がされている。本来の装備に含まれないビームサーベルを使用し、大気圏内専用機のはずなのに宇宙でも出撃するマップがある(宇宙適応もA)*26
    • 『ゴーショーグン』の敵・ブンドルは原作での登場時にクラシック曲を流しており、その再現として彼との戦闘ではクラシック曲が戦闘BGMとして使用される。しかし本作で流れる「ワルキューレの騎行」は原作でブンドルが嫌っている曲であり、選曲としては不適切である。
      • この選曲について、のちに寺田貴信氏がX(旧Twitter)で当時ディレクターだった阪田氏に聞いた内容を語っている。「ブンドルにとってスパロボFでの戦闘は好まざるものだから、あえて彼は自分が嫌いな『ワルキューレの騎行』を流している」とのこと。これで納得がいくかどうかは人によるだろう。
    • ゼイドラムなど一部の敵には、剣などの斬撃武器が武装にないにもかかわらず「剣装備」が設定されており、パイロットが切り払い技能を持っていれば通常通り発動する。
  • 不具合について
    • 規模の大小を問わず、バグは多め。『F』の修正版や『完結編』、PS版では修正されているものもあるが、逆にそれらで追加されてしまったバグも存在する。個別のバグについては『F』『完結編』それぞれの記述を参照。
    • 武器に設定されているクリティカル率の補正値は「-20/-10/±0/+10/+20」の5段階だが、実際の補正値が表示上のものより1段階低いもので扱われる。
      • 表示上は最低の「-20」は1周回って「+20」で扱われる。この影響で、表示上の補正値が「-20」になっていることが多いバルカン・機銃系の武器が異様にクリティカルヒットしやすくなっている。
    • 防御技能の切り払いとシールド防御がLv9の時の発生確率にバグがあり、切り払いは100%発動し、シールド防御はLv1の時と同じ発生率になってしまっている*27
    • SS版のみ、精神コマンド「夢」*28を使用する際、特定の手順を踏むとSP消費なしで様々な精神コマンドを使用できてしまう。ただし使っても実際には効果が発揮されないものもある。
  • 評価点にあるようにSS版のBGMはクオリティが全体的に高いのだが、バックで流れているドラム(ファンの通称:セガドラム)について「バンバン喧しい」との意見もある。
    • 指折りの人気BGMである「はるけき彼方で」は相変わらず人気があるが、セガドラムの多さに加えて曲調とテンポが激しくなったことで「『第4次』にあった哀愁がなくなっている」と難色を示すプレイヤーもいる。
    • 修正版『F』や『完結編』では「熱風!疾風!サイバスター」など一部BGMの打ち直しが行われた。

『F』

戦闘面

  • 序盤から全体的に難易度が高め。
    • リアル系は2話でオージェ(HP9000でビーム軽減のビームコート持ち)、3・4話でウイングガンダムといった強敵と、戦力不足の中で戦うことになる。これらは放っておくと撤退するのだが、強力な強化パーツを落とすので悩ましい。
      • 本作ではビームコートの仕様が『第4次/S』の「ビーム兵器を1200まで無効化」から「ビーム兵器を1000軽減」に変更されており、ビーム兵器が多いMSは代わりに実弾武器などを使わないと戦いづらい。
  • 『F』のシナリオの半数以上はポセイダル軍との戦いとなっているのだが、シナリオが進むと上記のオージェのように高性能・強力な武装・ビームコートの三拍子が揃った(一部は加えてMAP兵器持ち)A級ヘビーメタルが大量に出現するようになる。こちらには運動性の低いスーパー系とビーム兵器メインの弱小MSが多いので、相手にするのに骨が折れる。
  • 『第4次/S』では終盤にしか出なかったオリジナル敵組織の超強力な機体「ライグ=ゲイオス」と戦うマップがいくつか存在する。序盤用に能力が弱められているわけでもなく、HP42000/装甲3000/最大攻撃力2500と明らかにおかしい性能で、「このゲームに慣れてきた」と判断したプレイヤーの多くを返り討ちにした。
    • 殆どのマップでは条件次第で戦闘を回避可能だが、南米ルートの第18話「ジェットスクランダー危機一髪!!」では撤退条件がHP51%以下になっているため、真正面から戦わなければいけない。おまけになぜか機体・武器共に5段階改造済みのため、これまでの育成・改造状況によってはこのマップで詰むことも。
  • 中盤の分岐で南米ルートを選んだ際の第14話「ゴラオン救出」と第17話「敵包囲網を突破せよ」は難易度が苛烈。いずれも敵ユニットの改造段階が3以上(一部ユニットはこちらがまだ実行できない6段階以上)と不公平なことになっており、「当てにくい・当てても大して効かない・反撃で大ダメージ」と嫌な三拍子になっている。
    • 「ゴラオン救出」はほぼ全ての敵が森の地形効果を得ているため余計に戦いづらく、「敵包囲網~」のほうは前述のライグ=ゲイオスまで出現する。
    • どちらのマップも一応ストーリー上の会話で難関であることが示唆されており、救済措置も用意されている*29。しかし高難易度であることを伝えられるのはルートを選択した後と間が悪すぎる。
  • 『第4次/S』でも存在した輸送機のミデアを救出・護衛するマップがある。ミデアが生き残った数が多いほど自軍への恩恵も大きいのだが、本作のミデアは移動後に攻撃できる範囲に敵がいると、脱出そっちのけで敵に攻撃を仕掛けてしまう。
    • 輸送機ゆえの低火力・低耐久ゆえに撃墜される危険が激増しており、完全に余計な行動となっているため、不評を買った。
  • 以上のように難点は多いが、『F』の時点では高難易度とはいえまだ理不尽というほどではなく、ライグ=ゲイオスなど場違いな強敵もやり方次第ではきちんと倒せるなど、高難度ながらバランスは取れていると言えなくもない。

その他

  • SS初期版は、前後編構成であるにもかかわらず、パッケージに前編であることを明記していない。説明書には一応書いてあるものの、配慮が行き届いていない。
    • 『F』のパッケージイラストにいるイデオンやガンバスターは『F』のシナリオでは登場せず、『F』クリア後に挿入される『完結編』の予告とオプションでのカラオケモードのデモにしか出番はない。まさにパッケージ詐欺である。
    • 後述のバグ修正版およびPS版はパッケージ裏に前編であることが明記されている。
  • 不具合について
    • SS版『F』ではメモリ内のすべてのゲームのセーブデータを巻き込んでデータが消えるというスパロボ史上最大の凶悪なバグがある。一部小売店ではこのバグのために販売を停止した場所まで出た。
      • 戦闘アニメやデモ中にフリーズすることもある。相談センターに電話すると修正版へ交換したうえでハンカチ同封のサービスが行われた(ただし、それでも改善されない場合もある)。
      • 基本的に交換対応であったこともあり、市場でのバグ修正版の出回りは少ない。中古では高確率で未修正版であることが多く、パッケージ等が修正版でもソフト本体は未修正版というケースも多々あるため注意。
        + バグ修正版の見分け方解説動画
    • 後半で加入する副主人公は、特定の状況でスーパー系の時のステータスとリアル系の時のステータスが入れ替わる。こちらは『完結編』でデータ引継ぎを行う際に正しいステータスに修正される。

『完結編』

戦闘面

  • もともと高難易度だった『F』より戦闘面のバランスが悪化している。
    • 防御力の強化がユニット改造(味方の場合はそれに加えて強化パーツ)のみに限られ、また気力補正などの影響が強いことから、敵味方ともにダメージのインフレも進むようになる。精神コマンドを駆使すればHP数万の大ボス級も一撃で吹き飛ぶほど。
      • 結果として、戦闘における命中面の比重が更に大きくなり、命中率を補正できる精神コマンドや技能が無いパイロットで戦い抜くのは相当厳しい。
  • 敵ユニットの性能が全体的にインフレを起こすようになり、外見と名前は『F』と同じユニットでも異常に能力が上がっている。名有りパイロット搭乗機はもちろん、雑魚ですら脅威になりうる。
    • 『完結編』中盤まではポセイダル軍に代わって『Zガンダム』のティターンズと主に戦うことになるが、たとえば弱めの量産型MSであるガブスレイでさえHP6000/運動性135と、『F』トップクラスの自軍MSだったZガンダム(HP3800/運動性100)より高性能。それなのに撃墜資金は1500前後と低め(下記のヘビーメタルは3000~5000程度が多い)。一方でバランス調整なのかは不明だが、ティターンズ兵を倒した時の経験値は作中最高の255に設定されている。
    • ポセイダル軍も『完結編』の中盤(『F』全体で言えば終盤)に再び戦うことになるが、こちらもHP14000/装甲2700/運動性160/シールド・ビームコート・MAP兵器持ちのA級ヘビーメタル・アシュラテンプルなどが一般兵機として出てくるようになる。
    • 一部の戦艦もやたらと強力。ウィル・ウィプスやドロスは、4000近くの装甲を誇るうえ、運動性も130近くとνガンダム並みに高い。そのため「お前のような戦艦がいるか」と揶揄されている。
    • 例外は『イデオン』のバッフ・クランの機体。ほかの敵部隊のメカと違い、全体的に運動性や装甲が現実的なバランスになっており、剣や盾を持たないため切り払いやシールド防御に悩まされることがない。戦艦も同様で、名有りパイロット用の強化版などもなく、程よい強さとなっている。
    • 大ボス級の敵やラスボスは限界反応と運動性が恐ろしく高く、主役級のニュータイプ+運動性をフル改造した高性能MSですら攻撃を当てるのが困難(下手をすると命中率が20%を切ることも)。
  • 『F』の頃から自軍に配備されているユニットには(後継機のあるゲッターロボやシャイニングガンダムなどを除いて)ほとんど強化措置が行われない。Zガンダムやビルバイン*30、エヴァンゲリオン初号機といった『F』当時の高性能機も、『完結編』終盤までの運用は厳しめ。
    • 「序盤からいるユニットが終盤に使いづらくなる」という風潮は当時のスパロボでは当たり前ではあったが、前作に当たる『新』ではこれが改善されていた。だが、本作では上記の敵の過剰なインフレもあって以前よりさらに極端なものとなっている。
  • 本作の通常プレイでのクリア時のパイロットレベルは60台であるとされる。スーパー系パイロットは2回行動可能になるレベルが60代後半以降に設定されていることがほとんどで(リアル系は早くてLv30台、遅くてもLv50台が多い)、本作では「Lv60以降の必要経験値が増加する」*31という仕様もあるため、スーパー系の2回行動解禁が非常に厳しくなっている。
  • ユニットの出撃に過剰な制限が課された結果、難易度が高いシナリオが複数ある。
    • 終盤の「灯火は炎となりて」は実質ZZガンダム一機でザク改などの弱小MSたちを数ターンフォローする必要があり*32、終盤DCルートの「理想と現実」では初期出撃で選べるユニットの中に一軍半以下のものが多いうえに5機しか出せず、本隊の到着も遅い。
    • 後半地上ルートの「決戦、第2新東京市」は暗黒大将軍率いる軍勢をEVA3機のみで迎え撃つのだが、何故か敵の運動性がフル改造されており、EVAの改造状況やパイロットのレベルによっては運動性が低めの雑魚を殴ってレベルアップする必要がある。EVA初号機をわざと撃墜させて暴走させるという手もあるが、修理費40000が痛い。
  • 機体性能の1つである「限界反応」*33に調整ミスがある。能力が高くなる『完結編』で顕著になり、この問題も過去作から引き継いでしまった。
    • 真・ゲッター1*34やキュベレイMk-II*35など一部のユニットは運動性の高さに反して限界反応が低く設定されており、パイロットの成長やユニットの改造状況によっては簡単に命中/回避と運動性の合計が限界反応を超えてしまう。
    • なお『エルガイム』のアトールV*36など、敵側にも当てはまるユニットが存在する。
  • 『F』から『完結編』中盤まではユニットと武器の改造が5段階までに制限されており、これは『第4次/S』の7段階より低い*37。終盤に差し掛かるころで10段階改造が解禁される*38が、さすがにタイミングが遅すぎる。
    • なお6段階以降は必要金額が跳ね上がるため、多くの機体を改造しようとすると資金不足になりがち。改造による能力上昇値も高くなるため、今まで以上に必要な点を見極めた改造を強いられる。
    • 基本的に二軍のユニットや使いどころのない武器を改造する余裕はないが、前述の通りその二軍ユニットを出さなければいけないシナリオもあり、資金繰りには最後まで悩まされることになる。
  • 当時のインタビューでは「(宇宙世紀の)ガンダム系の機体の強さは年代順です」と答えられている。
    • 『F』全般や『完結編』の味方に関してはおおむねその通りだが、『完結編』の敵に関しては「『逆襲のシャア』のジェガン*39や『F91』のベルガ・ギロスが『Z』のガザCやギャプランより遥かに弱い」など統一されていない。これに関しては前述の性能インフレなどが影響している。
    • 年代のみを参照したせいか、『Z』世代のMSに匹敵する性能を持つ『0083』のMSが弱く設定されており、攻略本などでツッコまれた。
    • また「MSの強さを年代順にすること自体が非常に雑な調整」という指摘もある。スパロボ世界は原作シリーズとは全く異なる世界観なので、開発タイミングや技術の発展が原作と同じとは限らないのである*40
  • 『完結編』中盤のルート分岐以降、プロペラントタンクやリペアキットといった消費パーツも含め、なぜか敵がほとんど強化パーツを落とさなくなる(終盤のシナリオ「敗者への凱歌」のキュベレイがサイコフレームを落とすのみ)。「適宜手に入るから」と消費パーツを多用するプレイスタイルのプレイヤーにとってはかなり辛い。

シナリオ面

  • 第2次』からシナリオを担当していた阪田雅彦氏は、健康問題を理由に本作途中から降板し、『完結編』の後半からはウィンキーソフトの堀川和良氏がシナリオを担当している。そのためか、本作は後半から徐々に不可解な展開も増えていく。
    • いくつか例を挙げると「『エヴァ』のアスカが『ガンダムW』のカトルになびく」「ソロシップクルーと甲児・万丈・忍を除くスーパー系パイロットがインターミッション中の会話にほとんど登場しない」「『イデオン』や『エヴァ』の原作再現イベントで、主人公のコスモやシンジがほぼ無言となる」など。
    • オリジナル主人公・副主人公も『完結編』後半は一切喋らず、正真正銘のいるだけ主人公となってしまっている。『第4次/S』で好評だった副主人公との告白イベントなども存在しない。
    • 最終話付近の展開にも少々疑問符がつく。
      + 最終話付近の内容について。ネタバレ注意
    • 最終分岐のポセイダルルートの最終話では通常だと「トレーズがラスボスのシャピロに特攻して突破口を開いた直後、自軍への恨みを抱えたジェリドが突然ジ・Oで出撃して敵対する」という展開なのだが、先にトレーズが撃墜されていると「ラスボスと少々ややこしい因縁を持つジェリドが、なぜか自軍そっちのけでラスボスに特攻する」という展開に変わる。前者は明らかに場違いだし、後者は激高型のジェリドにしては冷静すぎる。
    • 一方のDCルート最終話の1話前では、事前に特定の条件を満たしておくと「バスクがジャミトフの敵討ちとしてラスボスのシロッコに特攻(自爆)する」というイベントが発生する。本作のバスクは原作と違いジャミトフに忠誠を誓っているため行為自体の違和感は少ないが、「悪印象の強い敵の総大将の敵討ちによる、敵同士の潰しあい」という展開はイマイチ盛り上がらない。
    • シナリオというよりシステムの問題だが、上記2つの特攻イベントは味方ユニットを巻き込んで撃墜してしまうことがある(味方ユニットが爆発の範囲外に強制移動されることもない)という、はた迷惑なイベントになっている。
    • どちらのルートの最終話も、『Gガンダム』の最終決戦が無理やりねじ込まれた形になっている。ラスボスと自軍の会話が終わっていざ勝負…という時になってウルベがデビルガンダムを引き連れて乱入し、長々と喋り始める。こちらも空気が読めない存在になってしまっている。
  • 理不尽なユニット廃棄イベントが2つ存在する。SFCの『第4次』では容量不足を回避するためにユニット廃棄や離脱イベントが多かったが、本作で実施する意図は不明。
    • ピンチに陥ったキュベレイMk-II2機を救助するシナリオが存在するのだが、仮に両方撃墜されずにクリアしても、実際に使えるのはどちらか1機のみという不可解な展開になる。
      • 片方のみ撃墜された場合は撃墜されたほうが永久離脱するのみだが、両方撃墜された場合は「両方の修理費を払ったうえで片方を廃棄する」という理不尽を味わう羽目になる。
    • 中盤で「増え過ぎた機体を買い取ってもらう」という名目の強制廃棄イベントがあり、資金と引き換えに一部のMS・ヘビーメタル・オーラバトラーが自動で廃棄されるが、一部に不親切な仕様がある。
      • 「次のシナリオの開始時点で誰も載っていない機体」が廃棄対象で、インターミッション前の会話で廃棄対象外の機体と搭乗パイロットの組み合わせ(アムロ+νガンダム等)をメモするように言われる。しかしこの組み合わせでの自動的な乗り換えが発生するのは次のシナリオの開始時点。このせいで意図しない機体が廃棄処分される可能性がある*41
      • ネモやジェガンのような弱小MSは捨てられてもさほど困らないが、このイベントはビギナ・ギナやキュベレイMk-II等の一級MSまで廃棄対象に含まれるのが厄介。
      • 例外として旧ザクとザク改は、前者はビーチャ、後者は原作にはない「ザクマニア」の設定を付与されたバーニィの進言により誰も乗っていなくても廃棄されないが、メリットは特にない*42
      • また『ダンバイン』のトッドを事前に仲間にしていた場合、仲間にした際の乗機であるライネックに加えて、上記のメモ会話の直後にトッド専用ダンバインが手に入るが、これらも廃棄対象。「折角の隠し機体が入手早々に捨てられる可能性がある」という酷い事態になる。
  • 一部の味方の永久離脱
    • 『Gガンダム』のシュバルツとレイン、『ガンダムW』のゼクスとノインは仲間になった後途中で自軍を抜け、二度と戻ってくることはない。前述したとおり、ヒイロ・トロワ・カトルも『完結編』序盤で一度仲間にできるが中盤で強制離脱し、終盤のルート選択によっては復帰しない。
    • 彼らが稼いだ経験値やユニット・武器改造に使用した資金は一切還元されない。前情報なしで加入中に育成や改造をして損をしたプレイヤーもいる。
  • 中盤のシナリオ「解かれた封印」、終盤のシナリオ「招かれざる訪問者」「ダブル・フェイク」でわずかなターンで勝利条件を満たすと、ゲーム側から不正を疑われてしまう。
    • 終盤の2シナリオのほうは改造コードはおろかバグや裏技を(場合によってはイデオンも)使わなくても達成することが可能なのだが、スタッフはそこまで想定していなかったのだろう。
    • 「招かれざる訪問者」ではさらに総ターン数が非常に多いとプレイヤーを暇人扱いしてくる。根拠なき不正者扱いもそうだが、失礼極まりない。
    • 本作以降の一部作品では、倒すのが非常に難しい敵の撃墜などに成功すると、本作とは逆にプレイヤーを褒めたりボーナスが貰えるものが存在する。

その他

  • 本作の隠し要素は攻略情報がないとまず気付けないものが多いうえ、大半は性能か使用可能期間に難がある。
    • 通常のザクの3倍移動でき運動性と限界反応もνガンダムより高いが武装が貧弱なシャア専用ザク、色替えのみで性能の変わらない夜間迷彩ビルバイン*43、『F』からの総ターン数が条件*44と大がかりな割に能力が微妙な『初代ガンダム』のセイラなどは、オプションのロボット大図鑑・キャラクター辞典を埋めたいわけでもなければ入手価値に乏しい。
    • マスターガンダムやウイングゼロカスタムは非常に高性能だが、入手が最終話の3~4話手前と非常に遅い。特にマスターガンダムはこの期に及んで無改造であるため、資金に余裕がなければ使うことをためらいがち。
  • 『完結編』単独で最初から始めた場合、前編未経験者のために「予めパイロットのレベルがある程度上がっており、様々な強化パーツを入手済みで、すべてのユニットと武器が無改造で、豊富な資金で自由に改造して準備を整えられる」というデフォルトデータが用意されている*45のだが、この要素についても難点がある。
    • 全体の中盤に差し掛かったところなのでユニット数はそれなりに多く、事前情報がなければどれを改造していいか分からなくなる。改造する機体を間違えると余計に難易度が上がることになるため、開始時点で早速頭を悩ませることになる。
    • パイロットは主役級や修理・補給ユニット乗りのレベルが高め(Lv20後半~30台)の傾向にあるが、バーニィとコウは原作での主役級であるにもかかわらず、全4パターンのうちレベル1桁のパターンが3つもある。開発スタッフから直々に戦力外通告を受けたようなもので、ファンからすればこれほど屈辱的な仕打ちはないだろう*46
  • 設定ミスについて
    • 『完結編』序盤で条件を満たすと、エルガイムとヌーベルディザードのどちらかにMAP兵器「バスターランチャー」を追加できるが、後者に追加すると何故か敵として登場するヌーベルディザードにまでバスターランチャーが追加され、結果として難易度がさらに上がってしまう*47
    • 『ガンダムW』の五飛の乗り換え系統が誤って設定されており、仲間になった後に乗り換えでアルトロンガンダムから降ろすと、五飛がどの機体にも二度と乗れなくなってしまう。
    • 条件付きで仲間になる東方不敗とアレンビーは切り払い技能を習得しているが、乗機に「剣装備」の設定がないため切り払いを発動できない。

「ウィンキー補正」について

本作を含むウィンキーソフト制作のスパロボでは「命中・回避に関して敵側有利の補正がかかっているのではないか?*48」という不満・疑問がプレイヤーから噴出していた。
これは「ウィンキー補正」と名付けられ、一種の都市伝説としてプレイヤーの間で長年囁かれていたのだが、後年になってこの補正に相当する要素がゲーム内に実装されていることが明らかになった。
「見た目の命中率が当てにならない」というのは、SRPGとしては大問題である。

切り払い・シールド防御に関する事象については「両編共通」項の「その他」を参照。

  • 謎の命中判定
    • 命中率1~5%の攻撃、および命中率96~99%の攻撃は、普通に乱数を使った命中判定を行うが、命中率6~95%の攻撃は「通常の乱数判定+独自の命中判定」が設定されている。この独自の命中判定のせいで、表示されている命中率と実際の命中率が明らかに異なる。
    • 詳しい仕様は長くなるうえに複雑なため、各自で検索されたい。
  • 命中率100%すらあてにならない
    • 命中率100%の攻撃、つまり本来なら絶対に当たるはずの攻撃が回避される事がある(分身などの防御技能ではなく通常の回避モーションである)。
      • コン・バトラーVの超電磁ヨーヨー等「切り払いで防がれるが、切り払いモーションが設定されていない」武器が一部存在しており、この武器を切り払った場合は通常の回避モーションが発生する。
      • 一方で、ビルバインのオーラキャノンやF91のビームライフルなど、切り払い対象外の武器が命中率100%で回避されたという報告もある。こちらは発生報告が少ないため、現在も原因不明。
      • ちなみに、本作をベースに開発された『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』でも、これと全く同じ不具合が存在する。

評価点

  • インフレした火力は自軍も備えているため、要点を押さえてプレイするとサクサク敵を落とせて快適なプレイを楽しめる。
    • 2回行動も相まって攻めが非常に強いSLGである事を把握し、MAP兵器+長射程武器による先手必勝、高い回避能力を持つユニットを囮にして反撃で削る、強敵には「脱力」「挑発」を駆使する、早いうちに2回行動ができるパイロットや、ロボット、地形適応が両方ともAのユニット、「激励」「かく乱」等を習得するパイロットを育て、ほかはいっさい手を加えない…などを心がければ、スムーズに攻略できる。それでも、シールド防御、切り払いなどではそれなりにリセットを強いられるような運が絡む部分もある。
    • これらは、ピーキーながら慣れると楽しめる要素と言え、それゆえに今でもコアな愛好家が存在している。
      また、一見キャラゲーらしからぬシビアさと言われがちだが、本作より参戦した「イデオン」「トップをねらえ!」「エヴァンゲリオン」は、上記の戦術と非常に相性がよい。シナリオにもしっかり絡んでいることから、新規参戦を優遇するという役割はしっかりと果たしていると言える。
  • 前述したドラムの問題こそあれど、SSに使用されているパッチの高性能さとそれを見事に引き出した担当者の優れた手腕により、BGMのクオリティは非常に高い。
  • 一部の合体・発進ムービーは実際に放送されていたアニメをほぼそのまま使っている(BGMとボイスはゲーム内のものを使用)。「手抜きだ」という批判もあるものの、原作視聴済みのプレイヤーが思い出に浸る要素として機能している。
    • 本作発売時点でアニメが存在していなかった真・ゲッターロボとマジンカイザー、グルンガストのムービーはCGで制作されており、こちらも当時としてはかなりの出来栄えである。
  • 今作で採用された新システムには、後年のスパロボにも引き継がれた便利で画期的なものが多い。
    • 特に、強化パーツの入手が、煩わしい「マップの探索」から「敵を倒して入手」に変更された点は大きい。
    • 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』から修理及び補給により経験値が手に入るシステムを逆輸入し、また修理されたユニットとのレベル差により経験値に補正が入るようにされたため、サブユニットを育てやすくなった。
      • 不便だった『第4次』の修理装置/補給装置の弾数制が廃止され、再び無限となった事も育成のしやすさに一役買っている。
    • 戦闘終了後に「残り精神ポイントx2」分の経験値が入る。修理・補給ユニットの専属パイロットにとっては貴重な経験値ではあるが、このシステムのせいで精神コマンドを気持ちよく使い難い(使うと獲得経験値が下がってしまう)と言う事もあり、後の作品には採用されていない。
  • 隠しユニット、パイロットの数が多く、初参戦である『トップをねらえ!』からはシズラー黒*49が入手可能。
    • また、スパロボでは初めて師匠こと東方不敗がマスターガンダムと共に参入する。非常に強力なユニットとなっており、終盤では「石破ラブラブ天驚拳」の代わりに「石破究極天驚拳」が見られるなど、贅沢三昧となっている。
    • 『第4次/S』でフェードアウトしていたハマーンも、条件を満たすことでシリーズ初となる自軍加入を果たせるようになった。
      残念ながら鬼のような強さを誇ったキュベレイは入手できないが、彼女の能力値は敵仕様のままなので一級MSに乗せてやれば即戦力となる。
  • 発売前から鳴り物入りで宣伝された新システム「DVE」「一言モード」はいずれも評価が高く、後の作品でも多く導入されている。
    • 『イデオン』関連のイベント、東方不敗との決戦イベントはセリフの殆どがDVE。
      • 開発スタッフが『イデオン』に注いだ愛は凄まじく、コスモの「こんな甲斐のない生き方なんぞ俺は認めない!」、カーシャの「そうよ、みんな星になってしまえー!」など、本編では殆ど再現されていない『発動篇』のセリフまで収録されている。
    • またそれまであまり目立っていなかった『ダンバイン』のエレ&エイブやトッド・ギネスはDVEによって存在感を見せており、中でもトッドは『完結編』を含めかなり気合が入っている。
      • なおトッド役の逢坂秀実氏は当時既に引退していたため、ショウ役の中原茂氏や『エルガイム』のダバ役の平松広和氏の協力により半年掛かりで探し出したという逸話がある*50
    • 更にはオリキャラでも敵同士でDVEのやり取りを交わすキャラがいる。だからこそ主人公には何もないのが気になってしまうが…。
    • キャラ辞典の「一言モード」では、戦闘員と同じ声優である非戦闘員も喋ってくれる。例えば、セイラ・マス役で井上瑤氏が出ている三条レイカやフォルモッサ・シェリルなど。
      • ただ、サリィ・ポォは冬馬由美氏が『F91』のセシリー・フェアチャイルド役で出ているのに喋らない。
    • また子安武人氏、速水奨氏、松井菜桜子氏の3名は本当に一言しか喋ってくれない。
    • 『スーパーロボット大戦Fを一生楽しむ本(セガサターン版)』によると、このキャラによって喋るセリフの数に差がある原因は、「一言モードは開発途中で付け加えられたシステム」だからであるという。実装決定前に声を録音していた声優のセリフは少なく、実装後に録音した声優は逆に本編では使わないようなセリフまで録音したため多くなっている。
      • 特に『第4次S』や『新』で声のついていたキャラは新録されていないキャラも多く、そのためアムロや甲児などはメインキャラなのにDVEが存在しない。逆にハサウェイには『新』での音声ライブラリがあったため、戦闘員でもついで出演でもないのに一言モードで喋る。

総評

事前から発売後まで雑誌での取り扱いも大きく売れ行きはよかったものの、シビアなゲームバランスと謎の不具合の数々とユーザビリティの悪いシステムでも話題となる作品。
厳しい言い方をするなら当時の『ガンダムW』『エヴァ』などの人気の高まりにより起きたロボットアニメブームのおかげで「様々なロボットアニメが一堂に会する」と言うお祭りゲーの需要が高まったため急に売れたとも言える。

散々延期された挙句前後編に分割され、延期してなおゲームバランスに無視できない問題が多々あるのを見る限り、当時の開発現場が相当混乱していたであろうことが窺える。

一方、当時のスパロボシリーズは本作に限らずゲームシステムはあまり重視されておらず、良くも悪くも、「ゲーム性」よりも「お祭りゲー」であることに重きを置いていた節があった。こうした方針が転換されるのは、次回作となる『スーパーロボット大戦64』以降となる。

分割販売・バランスに問題・バグが多い等の問題を抱えている一方、ネットなどでは話題になることも多く、本作を愛好している人は決して少なくはない模様である。
現在でも手ごたえを求めて遊ぶ人がいたり、この超難易度のゲームで縛りプレイを行ったり、かなり詳しい攻略サイトが出てきたりする点からも窺える。もっとも今から遊ぶ場合はどうしても時間がかかったりする点や、自分のお気に入りのユニットだからと容易に活躍させられるとは限らないという点などを考慮し、『64』以降や『新』以前とは違った独自のプレイ感覚への慣れを要求されることを覚悟して臨むべきだろう。


移植版

SS版発売から約1年後にPSに移植された。主な相違点は以下の通り。

  • 「聖戦士バグ」や「暴走初号機操作バグ」等、一部の不具合が修正された。
    一方でPS版独自の不具合も発生している。幸いにもゲームプレイに大きな影響を与えないものばかりであるが。
  • SS版では『F』→『完結編』で仕様が変更された部分があったが、それらが『完結編』仕様で統一された。
  • PS音源の問題もあるが、アレンジの評価が全体的に芳しくなく、アレンジというよりはもはやリミックスである。
    主人公BGM「TIME TO COME」には大幅な変更が加えられており、「ダンバイン」、「グレートマジンガー」のBGMは音程のずれがある。
    一応擁護すると全ての戦闘BGMが悪いわけではなく、リューネの「フラッパーガール」や大ボスの「ARMAGEDDON」等PS版の方が好評な曲もある。
    • アレンジとはまた別の形だが、魔装機神組のBGMはSS版はLOE準拠のアレンジだったのに対し、こちらは『第4次/S』までの旧来のものに差し戻されている。
    • ちなみにBGMはSS版ではBGM担当が藤本大輔氏1人であったのに対し、PS版ではSS版を担当した藤本氏が退社していたため代わりに稲田義広氏、藤原達也氏、寒川真澄氏の3人がサウンド制作にあたっている。
  • 一部BGMの変更
    • 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の戦闘BGMが、「MAIN TITLE」から「νガンダム」に変更されている。
      「νガンダム」の評価が低いという訳ではなく、こちらも原作を代表する人気曲ではあるのだが、やはり変えられた事に対する不満は大きい。
    • ゲスト三将軍の戦闘BGM「VIOLENT BATTLE」は、曲名こそ同じだが、メロディーラインからして完全に別物のBGMに差し替えられている。
      これに関してはあくまで変えられた事に対する不満があるだけで、BGMの出来自体は意外にも「これはこれで悪くない」という評価を得ている。
      最も変えられたのは曲の最初の部分で、PS版では落ち着いたトーンと低音が主体となっている。これにより得体の知れない不気味さが出たとして、普段のどこか抜けた口調と敵対した時の強さのギャップが凄まじいゼブにはこのアレンジの方がいいとの声が上がる事となった。
  • 主に『F』において、敵がドロップする強化パーツの一部が改悪された。
    • リアル系第5話「ヒイロとリリーナ」で特殊条件を満たした場合、初期配置の敵機がより強力なものに変化するという隠し要素が存在する。
      SS版はこの内の1機から「ブースター」を入手できるが、PS版ではこれが何の変哲もない「リペアキット」に変更されている。
    • 同じく第18話「ジェットスクランダー危機一髪!!」で5ターン以内に全滅させた場合、敵増援の出現位置が変化する隠し要素が存在する。
      SS版はこの内の1機から貴重な「ミノフスキークラフト」を入手できたが、PS版では通常増援と同じ「チョバムアーマー」にされてしまった。
  • ハードの仕様の都合上仕方のない事ではあるが、セーブ・ロードが長くなった。
  • コロニー等の一部オブジェクトが変わっている。
  • SS版では主人公設定のときに誕生日を本体の時計と同じ日にすることでエヴァのキャラクターが祝福してくれる裏技があったが、PSには時計がないので当然削除されている。
  • シナリオ攻略中にクイックセーブすると、ゲームオーバー時にタイトルまで戻る。セーブさえしなければ一応全滅プレイは可能。
  • ゲームバランスの酷さは相変わらず。HP回復コマンド「信頼」をNPCに使えなくなった分余計に難しくなっている。
  • 『F』『完結編』それぞれに同梱されている応募シールを、『全スーパーロボット大戦 電視大百科』に付属の応募用紙に貼って送ることで、「超合金マジンガーZ(第1期の復刻版)」がもれなく貰えるキャンペーンが存在した。

余談

ゲーム内

  • 『F』前半で多く出てくる「DC兵士」などザコ兵士のセリフがやけにヘタレている。ヘタレ型一般兵の担当は菊池正美氏と島田敏氏であったが、菊池氏が普通に弱そうなのに対し島田氏のものはやたらに気合の入った弱さ(雄叫びがやけっぱちの悲鳴にしか聞こえない、頻繁に声が裏返る、といった具合)を見せ付けている。
    そんなヘタレボイスがα、GCなどに流用され続けた結果、いつの間にか島田氏が当てたザコ兵士は「島田兵」と呼ばれ一般兵の代名詞となった。この島田兵は寺田Pからも「キング・オブ・一般兵」の称号を授けられ、後の作品で島田氏が演じたキャラクターにも「○○島田兵」とネタにするプレイヤーも現れる事に。
    • 菊池氏と島田氏以外では、「エリート兵」以上のパイロットを演じる郷里大輔氏の演技もアドリブが入っているようでかなり趣がある。雄たけびや「うぅ…(ああぁ…)パワーが…違い過ぎる…」は聞いていて印象深い。
  • 『F』のカラオケモードにおける「カムヒア!ダイターン3」では、ダイターン3の武器の1つである「ダイターンジャベリン」が登場するが、ゲーム本編には登場しない。
    • これは初期ロットのみで、バグが修正された後期ロットでは「ダイターンザンバー」に修正されている。なお前述の『F』の「初期・後期ロット」の見分けポイントの一つとなっている。
  • 本作の女性主人公の声優は、林原めぐみ氏、宮村優子氏、緒方恵美氏と、本作初参戦のエヴァンゲリオンの主要人物が主に担当している。
    残る一人も、トップをねらえ!の主人公役である日髙のり子氏が担当。彼女の起用は声優陣の出演したアニメ制作会社がガイナックスであるという共通点からだろう。
    • ちなみに男性主人公の声優陣は難波圭一氏、堀内賢雄氏、石野竜三氏、関俊彦氏であるが、この4名には「非主人公でガンダムを操縦したパイロットを演じたことがある*51」という共通点がある。(難波氏の演じたカツもMk-IIを操縦している。)
  • 『逆襲のシャア』のキャラ、ネオ・グランゾンなどが没データとして残っている。
  • 通常のプレイでは聞けない音声データがいくつか存在している。
    • たとえば『Zガンダム』のブランにはアッシマー搭乗時の被撃墜セリフとして原作の断末魔である「アッシマーがっ!」が用意されているが、設定ミスにより彼専用の強化型アッシマー搭乗時に撃墜してもこのセリフをしゃべってくれない。

ゲーム外

  • 発売予定日から三度も延期され、ようやく確定したかと思えば前後編構成になり『完結編』が発表されるなど、相当に難産な作品であった。
    • 2023年8月にTwitter(現X)で、本作のプロデューサーである寺田氏から当時の開発状況についてある程度の裏話がなされた。それによると、開発スタッフは版権スパロボと魔装機神シリーズの2ラインでのシリーズ継続を予定していたところに、上層部から新たにセガサターン用に『第4次スーパーロボット大戦』並みのボリュームで版権スパロボの制作を命じられ、予定していた2ラインを止めて本作の制作を開始したものの、制作スケジュールが壮絶なまでにタイトで、開発ノウハウがないセガサターンであったことも災いし、スタッフに離脱者が相次ぐなど満身創痍になっていたことがうかがえる内容であった。
      • セーブデータバグに関しても発売前から把握していて、セガの協力も得てバグが発生しないよう対策をとったつもりでいたが、それでも発売後に発生してしまったとのこと。バグの内容が内容なだけに、割られたディスクが送り付けられてきた事例を紹介し、プロデューサーを退いた今もなお、深い反省の意を示している様子。
      • 本作の分割発売もそういった事情からの苦肉の策であり、説明書やパッケージといった印刷物が完成した後の納期ギリギリの決定であったらしい。それでも分割によるシナリオ増や上記のバグ対策といった作業量の増加で開発スケジュールは好転しなかったらしい。
      • 前編である『F』クリア後に表示させる次回予告演出は、シナリオ後半に登場を予定していた「伝説巨神イデオン」と「トップをねらえ」を版元との契約上どこかで登場させる必要があったための演出であった。
  • 賛否両論ある作品でありながら今なお人気が高い本作であるが、発売日当日に店の前に早朝から行列が出来たり、『完結編』発売時にはその様子が報道番組で取り上げられたりするなど、当時から話題性があった。
  • 本作の後、スパロボシリーズの開発を担当していたウィンキーソフトはPS移植版や旧作リメイク版の『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』を手掛けた後に開発から離れ、バンプレストが子会社として自社スタジオのバンプレソフトを立ち上げて『α』の開発を行うようになり、外注作品もウィンキーソフト以外の会社が手掛けるようになるなど、ウィンキーソフトは2010年発売のDS版『魔装機神』までスパロボシリーズの開発に一切関わらなくなっていた。
    • これについて長らく経緯が語られず、本作の分割発売やバグの多さが理由でウィンキーソフトが開発から外されたという説もあった。しかし上記の寺田氏の裏話によると、本作完成後に上層部からスパロボシリーズの更なる開発が指示されたことで、これ以上は請け負うことができないとウィンキーソフトが離脱することになったとのこと。
      • その後、ウィンキーソフトの要望で『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD』を皮切りに魔装機神シリーズが16年ぶりに再開し3作品を発売し完結を迎えている。
      • その後ウィンキーソフトは2015年に多額の負債を処理できず破産申請し、敢え無く倒産の憂き目を見ている。幸いにもウィンキーソフトに所属していたスタッフは、その多くが2023年現在もスパロボの開発に携わっているとのこと。
  • 本作がセガサターンで発売された経緯について、本作発売当時の1997年は1月にセガとバンダイが合併しセガバンダイとなる計画を発表したものの、5月に取りやめとなり、その後本作が9月に発売されたこともあって、元々はセガバンダイにまつわる計画の1つだったという予想が当時からなされていたが、これは上記の寺田氏のX更新により否定されている。
    • 別のインタビューで『新世紀エヴァンゲリオン』の参戦は、当時ゲーム化の権利を持っていたセガのハードだから実現できたことが言及されており、当時大ヒットしていた『エヴァンゲリオン』が登場するスパロボ作品を発売したかったバンプレスト側の意向が働いたのかもしれない。
  • SS版『F』の予約特典はゼンマイ式の人形セット。予約数が多かったようで早期に締め切られ、その後は小冊子に切り替わっている。
    • 人形セットの内訳はνガンダム、マジンガーZ、真ゲッター1、コンバトラーV、ダンクーガ、エヴァ初号機の6体。このうちエヴァ初号機以外の5体は『スーパーロボットシューティング』限定版付属の人形セットからの流用品であった。
  • 講談社の児童誌『月刊コミックボンボン』にて本作の4コマ「パロディギャグ競作」とコミカライズ「リアルストーリー」が連載されていた。特に後者は開始時に表紙で「長編まんがスタート」と銘打たれ、新連載から2号連続で掲載順トップという力の入れようであった。
    • しかし、98年4月号の編集長交代の煽りを受けて2つとも連載が終了。後者に至ってはたったの4話だけしか連載されなかった。しかも3話以降はゲーム内容と無関係のオリジナルストーリーとなっており事実上は2話打ち切りである。最終話はオリジナルキャラの少年たち*52がメインでゲームの登場キャラは最終盤にしか登場せず、主人公のミーナに至っては未登場である。図らずも『完結編』における主人公の空気化を先取りする形となってしまった。
    • ちなみに4コマを連載していた漫画家・冬凪れく氏はこの時の連載分ギャグ漫画を同人誌として出版している。
  • 今は亡きケイブンシャから出された『完結編』の攻略本が、使えないユニット・キャラや存在感のない敵に対し容赦のない罵声を浴びせており、一部で有名である。
    • しかもSS版『F』・『完結編』とPS版『F』・『完結編』それぞれ4つに加えさらに狭く深い攻略をしている『一生楽しむ本』SS・PSと計6冊もあり同じキャラでも紹介の仕方が違っている。中には1ステージごとに、スタッフである阪田雅彦氏と寺田貴信氏のコメントが挿入されているというものも。
    • 体裁の関係か、なかなか今では見られない文面の砕け具合に時代を感じてみるのもいかがだろうか?
      • ウィンキー時代の他のケイブンシャスパロボ攻略本も結構独特なレビューがされているので古本屋などで探してみるのも面白いだろう。
    • ソフトバンクからも攻略本が出ており、こちらも負けず劣らずの辛辣かつ脱線した内容のコメントが多く、別の意味で読みごたえがある。
  • 本作で初の参戦を果たした「マジンカイザー」は、のちにダイナミックプロ制作のOVAとして逆輸入された。
  • 寺田Pは『スーパーロボット大戦F完結編 ディープファイル』収録のインタビューで、『勇者特急マイトガイン』や『絶対無敵ライジンオー』、『機動戦士Vガンダム』を入れる案もあったと発言している*53
    • なお3作品とも本作以降のスバロボで参戦を果たしている。
最終更新:2025年04月04日 22:41

*1 ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載。

*2 両者共F/完結編は同時発売。

*3 ウイングゼロカスタムとトールギスIIIが機体のみ参戦。ゲーム内での登場作品表記は『新機動戦記ガンダムW』。

*4 フルアーマー百式改と量産型νガンダム2種。ゲーム内での登場作品表記は前者が『機動戦士Zガンダム』、後者が『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。

*5 たとえばとある敵は倒すと90%でチョバムアーマーを、10%でより高性能なハイブリッドアーマーを落とす。

*6 UCガンダム系=ニュータイプ及び強化人間(命中率・回避率・ファンネル系武器の射程)、ダンバイン系=聖戦士(回避率・ハイパーオーラ斬りの攻撃力)、EVA系=シンクロ率(命中率・回避率・攻撃力)等。『第4次/S』では一部武器の使用条件でしかなかった。

*7 『第4次/S』までは粗はあれど決して弱いキャラではなかったが、本作では全体的に二軍レベルのパラメータにされ、精神コマンドの「集中」「必中」も覚えないため、活躍させるのは困難。

*8 防御系技能を無効化する精神コマンド「直撃」は、本作時点では存在しない。

*9 『第4次/S』まで参戦していた『グレンダイザー』は本作では不参戦。

*10 本作はダメージ計算式の中で地形適応が占める割合が大きく、数値がインフレした終盤戦において、A(1.2倍)とB(1.0倍)ではダメージなどに結構な差が出てきてしまう。なお本作の地形適応は命中・回避には影響しない。

*11 主題歌の歌詞に「宇宙スペースNo.1」と出てくるゴーショーグンは、パイロットである真吾の宇宙適応がBに設定されたせいで、一部のプレイヤーから「宇宙Bの宇宙スペースNo.1(笑)」などと皮肉られる羽目に。

*12 「ゲームオーバーになるとその面で得た資金・経験値を繰り越した上でやり直せる」というもの。スパロボ伝統の仕様であり、資金稼ぎの基本テクニックである。ただし本作では一度でも中断セーブから再開すると実行できない。

*13 「修理のできる機体を2つ用意し、MAP兵器を当ててHPを削り、お互いに修理をして経験値を稼ぐ」または「補給可能なユニット同士でお互いを補給し合う」というもの。ただし『F』ではパイロットレベルの上限が40に設定されている(『完結編』では従来通りLv99が上限)。

*14 どちらもターン数がかかってしまうが、総ターン数が終盤の分岐に影響した『第3次』『第4次/S』と違い、本作では総ターン数は隠しキャラであるセイラの加入にしか影響しない。

*15 たとえば射撃武器であるガンダムMk-IIの拡散バズーカの武器適応は「空A/陸A/海B/宇宙A」で「海にいる敵へのダメージが落ちる」のではなく「海の中で撃つとダメージが落ちる」。

*16 武器適応「空A/陸A/海-/宇宙A」のビームライフルは海の敵に対して撃つことができない。また自分が海の中に入って敵を撃つと強制的に10ダメージになってしまう。

*17 追加武装は便利ではあるが威力に乏しく、『F』ならともかく終盤に追加されても使い道がない。

*18 飛行可能・それなりのHPと移動力・切り払い/シールド防御可・主兵装が実弾・2人乗り・貴重な海A等の有利な要素が多く、加入していればインフレ前の『F』中盤までは十分戦力となれる。

*19 一軍というほどでもないがMSパイロットとして十分戦力になり、「幸運」「かく乱」といった便利な精神コマンドを習得してくれる。

*20 ガンダムMk-IIと合体してスーパーガンダムになれる。火力こそ低いが、飛行可能・二人乗り・長射程武器と2種類の実弾兵器・移動力6という特長を持つ。

*21 どちらのルートも第26話で正式加入するのだが、スーパー系のみ正式加入の前に一定期間スポット参戦してくれ、戦力として大いに役立ってくれる。

*22 通常は『完結編』での入手になるが、スーパー系のみ後述の選択肢で「恋人がいる」を選択すると『F』中盤で入手可能。

*23 スーパー系の場合はどちらも「必中」を覚える。なお本作では『第4次/S』と違い主人公と副主人公の精神コマンドは固定で、誕生日と星座を変えても精神コマンドの構成は変わらない。

*24 『Zガンダム』のサラ、『ガンダムZZ』のキャラ・スーン、『ダンバイン』のガラリアやベルなど。『グレンダイザー』『ライディーン』など作品ごといなくなったものについてはさすがに仕方ないが。

*25 そもそも、ヒイロを加入させるためには、5人全員が揃う条件を満たさなければならない。

*26 前者は原作でガンダムMk-IIのビームサーベルを奪ったシーンを勘違いしたものと思われる。後者は『ZZ』終盤でグレミー軍がアッシマーを宇宙で運用している描写が1カットのみあったが、これは作画ミスである。

*27 データ構造の話になるが、技能Lvに対応したコードがそれぞれLv8までしか用意されておらず、Lv9に対応した場所に全く別のコードが入っていることが原因。

*28 出撃しているほかのパイロットの精神コマンドを、SP消費2倍で使用できる。

*29 「ゴラオン救出」の場合は11ターン目から毎ターン撤退するかどうかの選択肢が出て、撤退を選択すれば敵がいくら残っていてもクリアとなる。「敵包囲網を突破せよ」は「敵が2機しか存在しない東側に逃げればクリア」と最初から指示されている。

*30 一応ビルバインは、『F』では1だった強化パーツスロットが2に増加している。

*31 今までの作品はLv80に達すると必要EXPが500から1000になっていた。

*32 『ガンダム0083』の主役機であるGP-03デンドロビウムも強制出撃だが、ザクほどではないにしろこちらも強くなく、おまけに前述のとおり弱調整されたコウが強制乗り換えなのでほぼ戦力外。

*33 いくら運動性を高めても、「パイロットの命中/回避+機体の運動性」が限界反応内に収まっていなければそれ以上の性能を発揮できない。ロボットアニメによくある「パイロットの成長に機体がついていけなくなる」展開の再現。

*34 無改造の場合、運動性110に対し限界反応は280。パイロットである竜馬のLv60時点での命中は246(356)、回避は254(364)と運動性との合計値が限界反応を超え、どちらも280で扱われてしまう。

*35 運動性105・限界反応330。MSパイロットは命中と回避が高いので、限界反応を超えやすい。

*36 『完結編』だと運動性165と高いが、限界反応はたったの330。名有りパイロット専用なのでいつも限界反応に引っ掛かり、ほかの名有りパイロットの乗機と比べてあまり強くない。

*37 『新』はユニット改造が7段階、武器改造が15段階。

*38 なおSS初期版『F』の説明書ではユニットの改造段階が10段階になっているゲーム画面が掲載されているが、修正版では5段階のものに差し替えられた。

*39 連邦軍のユニットとして敵対時に登場。

*40 この点は『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズや『コンパチヒーロー』シリーズにおいても同様。

*41 たとえばアムロをインターミッション中にガンダムに乗せ換えても、次のシナリオ開始時には自動的にνガンダムに乗せられ、ガンダムは無人→廃棄となる。

*42 ソフトバンクの攻略本でそれぞれ「どうすんだこんなの」「どーすんだ、これ」とこき下ろされるほど弱い。なお、のちのルート選択によってはどちらのザクも強制廃棄となる。

*43 バグで簡単な手順を踏むと通常のビルバインとの両立が可能。

*44 『完結編』から始めたデータは総ターン数がかなり多めになっているため、条件達成が困難となる。

*45 強化パーツや各キャラのレベルはそれぞれ4種の設定の中からランダムで決められる。

*46 バーニィはシナリオでも前述のザクマニア扱いをはじめとしてネタキャラ扱いで不遇。コウは前述の弱調整にもかかわらず、パイロットとしての資質に注目された会話イベントが何度かあるため、違和感が強い。

*47 敵側の武装追加に対する警告などは特に行われないため、パラメータ設定に関するミスだと思われる。

*48 「敵の10%は余裕で当たるがこちらの90%は軽く避けられる」「シールド防御・切り払いの発生確率が異常に高い」など。

*49 本作品ではシズラーブラックと表記

*50 逢坂氏がスパロボに参加したのは現状本作のみで、のちに『ダンバイン』が再参戦した『BX』では既存のトッドのセリフに他のキャラのセリフ(一部は新録)をうまく合わせて戦闘中の掛け合いを表現している。

*51 それぞれ順番にカツ・ジャミル・五飛・デュオ

*52 うち1名は作者のおーくらやすひろ氏が本作の前に執筆していた「ボンボン新人まんが大賞募集まんが」の主人公に酷似している

*53 ただし前者2作はほとんどが伏字になっておりわかりにくくされている。