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*イナズマイレブンGO ギャラクシー ビッグバン/スーパーノヴァ 【いなずまいれぶんごー ぎゃらくしー びっぐばん/すーぱーのう゛ぁ】 |ジャンル|サッカーRPG|&amazon(B00FKSUFY8)|&amazon(B00FKSUG2E)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~|~| |発売・開発元|レベルファイブ|~|~| |発売日|2013年12月5日|~|~| |定価|各5,500円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|今度は本物の宇宙人と戦う&br本作の代名詞と言える新要素『ソウル』が登場&br自由度の高さ、ボリューム、ファンサービスはさらに倍増&br素人レベルの新キャラと大勢のリストラには問題が|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[イナズマイレブンシリーズリンク>イナズマイレブンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **作品概要 『イナズマイレブンシリーズ』の第6作目。~ 松風天馬率いる新生イナズマジャパンが世界を相手に、フットボールフロンティアインターナショナル・ヴィジョン2に挑む。~ はずだったのだが、アジア予選の決着から物語は思わぬ方向へと進んでいく。~ 天馬・剣城・神童を除く全キャラをメインキャラから外すなど大胆な方向展開が行われたが、外されたキャラクターたちには物語中盤で救済措置が用意されている。 **ストーリー 本作は物語の前半と後半で大きく趣が異なり、上記のとおり世界大会に挑戦する前半と、''宇宙船に乗って地球を飛び出し、宇宙のサッカー大会に挑む後半''に分かれている。 前半は初代『イナズマイレブン』シリーズ最後の舞台となった世界大会に今度は天馬たちが挑むという展開なのだが、アジア予選決着の瞬間、突如空からUFOに乗った宇宙人が現れる。~ そこで実はこれまで戦っていた世界大会は''実は全銀河での、種の生存権を賭けて行われるサッカー宇宙大会の銀河辺境予選''だったことが明らかになる。~ これまで戦ってきた選手も全て宇宙人であり、見た目こそ人間に擬態していたものの、その中に地球人は一人もいない。~ 後半は宇宙大会『グランドセレスタギャラクシー』に挑戦し、サッカーで地球を、そして銀河全体を守るというこれまで以上に超次元なストーリーが展開されていく。 **前作からの変更点等 -''ソウル'' --化身・化身アームドと登場してきたGOシリーズの新たな要素。人間の中に眠る獣の力を解放することで、身体能力を飛躍的に向上させることができる。 --ゲーム的に言うと「ステータスアップ」「必殺技の消費ポイント軽減」「ソウル発動時専用の必殺技」を利用できるようになる。またソウルに限ったことではないが、アクションバトル時のデモムービーが専用のものに切り替わる。疾走感あふれるアクション演出は一見の価値あり。 --ソウル発動時専用の必殺技『ソウルストライク』は発動時、ランダムで特殊効果が発動する。必殺技の威力アップや味方のステータス回復などがあり、上手く発動できれば試合をより有利に展開できるようになる -''オーラ'' --ソウルに加えて前作までの化身・化身アームドを一括してまとめたもの。オーラは一度に3人までが発動することができる。いずれもオーラを発動していないプレイヤーに対しては破格の威力を発揮するが、オーラ同士のぶつかり合いとなるとそこに相性やプレイヤーの戦略が大きく絡んでくる。 --なおミキシマックスはクリア後に解放されるが、試合中に発動させる能力ではなくなった。見た目の変化やステータスアップ、必殺技の継承は行われるが、ステータスの補正などの割合が控えめになり、バトル全体でのバランスをとっている。 -''必殺技の究極進化システム'' --ストーリークリア後に入手できる究極進化の書を使うことで、どんな必殺技でも最強ランクに強化できるようになっている。 これにより自分の好きな必殺技が使いやすくなり、威力による必殺技間の格差もほぼ無くなっている。 -''ブラックルーム'' --これまでの作品ではキャラクターのステータスを上げるための特訓場所が各地に点在していたが、今回はブラックルームという場所に集約された。 --3つのスロットでの特訓と4つのミニゲームとある一定の熱血ポイント(お金)を支払えば自動で育成ができるオート特訓、育成したステータスのリセットが一つの場所でできるようになった。 -''カウンターシュート'' --これまでも放たれたシュートを止めるためのブロック技はあったが、カウンターシュートはそれを更に発展させたもので、相手シュートを撃ち返してそのままこちらのシュートにしてしまう。 --相手シュートの威力を取り込んで撃たれるためとても強力なシュートになるのだが、自陣ゴール付近から相手ゴールに到達するまでには大きく威力が減衰してしまう。シュートチェインなどの戦略なしには活かせない、プレイングテクニックが求められるものとなった。 -''レジェンドゲート'' --歴代シリーズのクライマックスを飾った試合を再現できる特別な試合。円堂世代も含め、懐かしの名勝負を最新の映像環境で楽しむことが出来る。 --フットボールフロンティア決勝の世宇子中戦や、エイリア学園最高ランクのジェネシス戦から、前作GO2のザ・ラグーン戦まで取り揃えてある。当時のプレイを懐かしむもよし、アニメから入ったファンがその再現に燃えるもよし。 --ただしこの試合によってアイテムや秘伝書が貰えるわけではなく、完全にファンサービスとしての仕様。 -''撮影機能'' --本作から、必殺技のデモムービーを撮影できるようになった。L+Rボタン同時押しで撮影でき、撮った写真は3DSのメモリーカードに保存される。 //PCに移すと当然平面の画像になるが、3DSで見る分には立体視もそのまま。(3D写真にはならないのでCO) --公式サイトにて、Twitterやブログでの共有を勧める文言がある。自分の理想のイレブンを画像込みで紹介できるようになった。 ---- **評価点 -シリーズ総決算の圧倒的物量 --シリーズを重ねるごとにキャラ・必殺技が増えていく本シリーズであるが、これまでに搭載されたシステムもカットなしの全乗せで本作が出たため、あらゆるスケールがアップしている。 -超次元の極みに達したストーリー展開 --前述の通り、本作では『[[イナズマイレブン2>イナズマイレブン2 脅威の侵略者 ファイア/ブリザード]]』とは異なり本当に本物の宇宙人とサッカーが出来る。彼らは人間のような見た目の種もいれば、一目見て異星人とわかる個性的ないでたちの者も多い。 --惑星ごとに宇宙人たちにも強い個性が与えられており、サッカープレイヤーとしての誇りに生きる者や、種の発展において対立を抱える惑星、その星独自の死生観を持つ惑星など、降り立つ星ごとに地球上では見られないストーリーが展開される。 ---特に惑星ラトニークでの出来事は、大人にも子供にも鮮烈な印象を残すこと間違いなし。 --もちろんおなじみの熱いサッカーストーリーもしっかり展開されており、サッカーを通して仲間とわかりあったり、違う星に生まれた者同士が手を取り合ったり、とこれまでのシリーズの良い点をしっかり踏襲した物語が展開される。 ---抱えていた悩みをサッカーによって払拭し、新たな必殺技に目覚める展開などは初代イナズマイレブンシリーズを彷彿とさせる。 --ストーリーのスケール自体は大きくなっているものの、その中心軸には友情や成長、理解など日常にあふれるものが据えられており、本来のメインターゲットである若年層にも伝わるであろうものとなっている。 -魅力的な新キャラクター --既存キャラの大幅なリストラには不満の声もあるが、代わりに加わった新キャラの評価自体は高い。 --ほぼ全員が何らかの苦い過去を抱えており、それが初心者にも拘わらずチームに入った理由になっている。地球編では彼らが過去を払拭してサッカーへ情熱を向ける過程が丁寧に描かれるので、過去作と比べて感情移入しづらいということは無い。 -アースイレブン追加メンバー --テレビCMなどでも大きくアピールしていたが、宇宙での試合が始まる前に地球代表イレブンに追加メンバーを投入することができる。バージョンによってキャラクターは異なるが、いずれも過去作で活躍した人気・実力ともに高い選手ばかり。 --本シリーズの難点のひとつとして、強力なプレイヤーほど入手が難しいというものがあったが、この追加メンバーではそういった問題はひとつもない。メンバー候補の中から無条件で11人を加入させることができる。前作で手に入れるのを諦めたキャラクターがいる人は、ぜひメンバーに加えてあげよう。 --ここで大幅にリストラされた雷門イレブンや時空最強イレブンのメンバーを加入させることができる。全員が救済されたわけではないが、もちろん追加メンバーにいないキャラクターも、別途仲間にすることはできる。 ---選ばれなかったメンバーも、クリア後には仲間にすることができるようになる。が、困難なスカウト条件は健在。選手の強さは多少の波こそあれ安定しているので、ここで好きなキャラクターを仲間にしておくといいだろう。 -すさまじい必殺技の量 --必殺技は前作の約220点から大きく増え、300を越えた。もはや全て見るだけでも一苦労である。技の数が多いということは、それだけ試合での選択肢が多いということになる。また、派手な必殺技モーションが売りの一つであるイナズマイレブンシリーズでは、それだけ作品としての個性を強く発揮した形と言えるだろう。 --ドラゴンクラッシュやスピニングカットの円堂世代の技もいくつか復活した。また本作のバージョン名と同じ名前である「ビッグバン」「スーパーノヴァ」も復活。 -宇宙人をはじめとしたプレイアブルキャラクターの増加 --ついに地球人以外の種でもサッカーをするようになった本作では、そのキャラクターの種類も一気に広がりを見せた。 --参加選手の親、幼年時代、死者、犬、ゴリラ、恐竜などもはやとどまるところを知らない。一部を除き、3Dモデルが作られているキャラは全てチームに入れられると思ってもいい。 -ゴールボイスの変更可能 --前作まではどんなチーム構成にしても天馬のボイスだったが、本作ではゴールボイスの存在するキャラをキャプテンにする(チーム編成で先頭に置く)とそのキャラが「ゴール!」と叫んでくれるようになった。 ---キャラゲー要素の大きい作品としては地味ながら嬉しいところ。 -サッカーバトルの進化 --ソウルが加わったことで、サッカーでの選択肢が大幅に広がった。 ---ソウルは発動しているだけならノーコストで運用することができ、必殺技の消費ポイント軽減や使用するほどに成長する仕様など、継続戦闘能力に優れた能力。一方の化身は消費が激しい分、ソウルよりも強烈な威力を叩き出すことができる。 ---ソウルは化身相手には相性で大きく有利になる仕様となっており、ただ威力が高ければいいというものではなくなっている。もちろん鍛え上げた選手であれば、相性差を覆して化身でソウルに打ち勝つこともできる。 ---ステータス差で不利な代わりに、化身には発動中チーム全体のステータスなどを強化するスキルが備わっており、化身を発動しているプレイヤーはソウルとかち合わないようなプレイを心がけるなどして、試合展開をコントロールできる。ここらはプレイヤーの技量次第か。 --選手自身の強化、属性の相性、大量の必殺技、スキル、必殺タクティクス、化身、化身アームド、ミキシマックス、ソウルの全てを駆使してチームを編成し、勝利へ導く。選択肢は無限大と言える。 //イナリンク //選手たちが持っている端末で書き込めるBBSのようなもの。ストーリーに直接絡む要素はあまり無いが、アニメでも見られない天馬たちの日常パートがこちらで描かれている。 //真名部(一年生)に勉強を教わる鉄角(二年生)・九坂(三年生)や、行く先々で宇宙の名産料理を食べ漁る信助、ギャラクシーノーツ号の七不思議など豊富なネタがコメディチックに描かれる。ストーリーの進展に合わせて会話が進んでいくため、これもゲームを進める原動力のひとつとなる。 //イナリンクはGO2からあるのでCO、もっと言えば日常パートはGO1のイナッターからあります **賛否両論点 -中途半端なレジェンドゲート --名試合の再現を謳っているが試合前後に一言会話がある程度であとはただの試合、その試合にちなんだアイテムが手に入るというわけでもないため、特にやる意味がない。さらに、必殺技の数が増加したとはいえ過去の技は代表的なものくらいしかないため、円堂世代の試合の中途半端さは否めない。 --下記のようにスカウトが面倒なため入手が難しい選手を使える、写真が撮れるという面であってよかったというプレイヤーもいる。 -全選手をどのポジションでも運用出来る --今作は全必殺技・スキルに秘伝書がちゃんと存在し、能力の伸び代が歴代作品に比べかなり多めに設定されている。加えて、チェインシューターなどのバランスブレイカー的スキルももちろん全員が習得可能なので、前作までにあった「この技を覚えるからこの選手を使おう」といった構築のセオリーが崩壊している。 もちろん化身の超技を3つ搭載できる白竜&剣城らなどの例外はある。 --さらに、対人戦においては、中盤の選手陣は「ナイスパス」「クイックパス」のハイブリッド搭載による、圧倒的な連続スルーパス(ナイスパス×2の効果により、相手のパスコースに割り込んでもトラップできない)でボールを前線に運ぶ戦術が基本となっているので、中盤の採用選手は足さえ速ければ本当に誰でもいいといっても過言ではない。 **問題点 -シナリオの説明不足な点 --これももはやシリーズ恒例であるが、話の本筋からちょっとでも逸れた要素は即スルーされ、話題に復帰することはほとんどない。 ---例えば物語前半を彩る世界大会だが、実質はグランドセレスタギャラクシーの予選であるにもかかわらず、全世界が実際に行われている大会として認知している。実際にプレイヤーにのみその内情が明かされたあとも、マップを歩くと世界大会本戦を楽しみにしている市民が大勢いる。もちろん彼らが真実を知ることは無いのだが、この大会は結局どう運営され、どういう落とし所を迎えたのか。 ---また、『[[イナズマイレブン3>イナズマイレブン3 世界への挑戦!! スパーク/ボンバー/ジ・オーガ]]』で死んだとされた影山零治の復活も本作の大きなイベントの一つであるが、その甥である影山輝はストーリーに一切関わらない。一応一言だけ、その内心を推し量れるメッセージがあるが、自分から話しかけようとしないと見逃してしまうレベル。 -これまでのメンバーの大幅なリストラ --追加メンバーとしてチームに加えることはできるが、これまでGO1、GO2で共にサッカーをしてきた仲間たちの大半がリストラされ、サッカーをやる気のない素人集団がチームに加わることになる。新たな戦いの場に挑むにあたって、これまでの仲間が外されるということに座りの悪さを感じる人は多いだろう。 --徐々にサッカーに本気になってくる、というのはもはやイナズマイレブンシリーズ王道のストーリー展開ではあるが、好きなキャラクターが脇に追いやられて嬉しい人はいないだろう。代表になれなかった代わりに何か活躍するポイントがある、ということもなく、完全に地球で待機状態である。 ---キャラクターをリセットしたことで、新規だったりしばらく離れていた人が出戻りやすくなったという利点は有るが、販売本数やテレビアニメの視聴率には特に反映される事も無かった。 -追加メンバーはいるだけ参戦 --合計48人もいれば無理もないことではあるのだが、追加メンバーは全員いるだけの参戦であり、ストーリーには一切絡まず、セリフもなし。試合に出れば点を取ったときに一言メッセージはあるが、それは他の全キャラクターとも同じ仕様である。 --因縁のライバルやかつての仲間が一堂に会してのアースイレブン結成のため、せめて加入時に一言くらいは欲しかったところ。 -スカウトの困難さ --GOシリーズでは新たに選手を仲間にするときにキャラクターのプロフィールといくつかの条件を書いたカードを手に入れ、その条件を満たさねばならないが、大量にあるチームのどれかがランダムでドロップするアイテムが必要、だったりと非常に手間のかかる物が多い。理想のイレブンを達成するまでに熱意が折れてしまう人も少なくないだろう。 --特に「スーパーノヴァ」バージョンにおける白竜&千宮路大和の入手難易度は極めて高い。キズナグッズと呼ばれる低確率ドロップアイテムを計100個コンプリートする必要があるため、彼らをスカウトする頃には9割9分以上のキャラクターの入手条件を満たしていると言っても過言では無い。 ---2人とも「ビッグバン」バージョンではアースイレブンの候補選手であり、労力0で連れて行ける。こんなところで余計なバージョン格差がついてしまっている。 --ドロップするアイテムがどこで手に入るかは明示されており、GO、GO2に比べると入手のしやすさは格段にあがったためアイテムで苦労することはあまりなくなったが、今作から追加されたミニゲームのノルマ達成が非常に面倒である。(後述) -ブラックルームのミニゲーム --ブラックルームでできる特訓ミニゲームはどれも操作は簡単なのだが上述のスカウトに必要なスコアアタックが非常にシビア。金銀銅の三段階の目標が設定されている。スカウトに必要なのは銀までではあるが、それを達成するのが難しく嘆くプレイヤーは多い。 -キズナコインガチャの仕様 --ガチャ星人というキャラに金のキズナコイン((前作までの友情ポイントに当たるアイテム。青・赤・白・紫・金の5種類あり金は最もレア))を1枚与えることで、スキルの秘伝書やキズナックスカードを入手するシステム。 --スキルに有用なものは少なく、主にここでしか入手できないキャラをスカウトするために利用することになるのだが… ---1枚ずつしか投入できない為テンポが悪い上、なんと''排出順がロムごとに完全固定されておりリセットしても変わらない''という鬼仕様。 ---ガチャ限定キャラの総数は50人以上にも及ぶため、運が悪いとコインを100枚以上消費しても目当てのキャラが出ないという事態も起こり得る。 ---そもそも排出されるのはキャラそのものではなく、あくまでキズナックスカードであるため、ガチャで引き当てて尚且つスカウト条件も満たす必要がある。 --尤も、ここで入手できるキャラは動物や恐竜、''巨大台風''といったイロモノキャラや、普通にスカウトできるキャラの形態違い(ミキシマックスした姿など)が大半を占める為、余程そのキャラが好きという訳でもなければ無理に挑む必要はない。 //-オーラの圧倒的強さ //--GOシリーズ1作目の化身からではあるが、これらオーラを発動できる選手と発動できない選手では性能が桁違い。特にストーリーでは相手選手の大半がオーラ持ちのため、オーラを持たないキャラクターでは太刀打ちできない。 //--オーラはもちろん使えば使うほど消耗するので全く手も足も出ないわけではないが、試合中のイベントや試合効率を考えると苦行と言わざるを得ない。 //---救済措置として、クリア後ではあるがコストを払えばどの選手もオーラに覚醒することができるようになる。そもそもゲームをクリアするには本来のアースイレブンだけでも充分なので、それ以上の趣味プレイはクリア後ということだろう。 //記述されていることが本作だけの問題とは言えないのでCO -無属性の必殺技が不遇 --本作では、コマンドバトルにおいてこちらの使用する必殺技の属性が相手の選手の属性に対して不利だとトータルテクニックに0.9倍のマイナス補正がかかるのに対して、技の属性が技を使用する選手の属性が同じだと1.2倍の属性一致補正が乗るため、たとえ相手に属性不利を取られても属性一致補正なら1.2×0.9=1.08倍の補正値になることから、属性一致補正が乗ることがない無属性の技を習得させる意義が皆無。 -一部スキルの強さ --クリア後に入手できる化身のちょうわざというスキルがあるが何を考えたのか補正が前作の1.25倍から2倍に超強化されている。おまけに重複可能。レベル99、該当ステMAXの状態で2つ付ければトータルパワー6000以上。ベストマッチの組み合わせ次第では3つ付けられ、その場合トータルパワーは10000を余裕で越すことになる。 ---これを付けられるとソウルはトータルパワーではどう足掻いても化身に勝てなくなる。化身に有利になる補正もここまで来ると無意味。(ただ、その分消費が激しくなるというデメリットがあるので、絶対に勝てないというわけではない。) ---また、このスキルを3つ付けられるのは四人のみ(ベストマッチのオーラの関係上同時に試合に出せるのは二人まで)のため、対戦で勝ちを目指す場合結果的に自由度が下がってしまう。 --更にチェインシューターはシュートチェインした時ノーリスクで威力2倍、重複も可能とかなり強力になっている。対となるであろうスキルのシュートブロッカーが1.2倍、重複不可まで抑えられているというのに… これらのスキルはストーリー上ではお目にかかることがほぼないのが救いか。 -ゴールボイスの仕様 --一部のキャラには点を取られたときだけゴールボイスを発したりセリフが異なるキャラがいるものの、そのキャラをキャプテンにしても反映されないことがある。ゴールボイスのセリフやボイスが異なるキャラに選択システムを採用してほしかった所である。 -通信対戦中の無視できないラグ --今作は今まで以上に要素が増えたせいかこれまでより対戦中のラグが酷くなっている。 2P側が入力しても反映されるのにラグが生じるため1P側がかなり有利になってしまっている。 ---- **総評 シリーズ合計6作目だけあって、圧倒的なボリュームとスケールで楽しめるシリーズの集大成的なタイトルとして完成している。~ ストーリーのテンポも良く、レベルファイブのRPGによくあるお使いイベントもほとんどなくなっておりRPGとして快適。ユーザ・インターフェースも改善されていてキャラクターのチェック、技の調整、装備の変更などがスムーズに操作できる。~ しかし今作もシナリオの説明不足が続き、再び疑問の箇所が残ってしまう。お馴染みのキャラクターのリストラや新メンバーなどは抵抗心する部分も見られる。~ 中盤からは歴代の人気キャラを交えて更に自由度の高いプレイが可能となっており、シリーズ歴代のファンも新規のファンもどちらも楽しめる仕上がりとなっている。~ ---- **初回特典 -雷門中卒業アルバム --読んで字のごとく、初代シリーズから前作までを、イラストやコラムを交えつつ振り返るファンブック的なアイテム。日野社長のインタビューの他、ゲーム内でキャラクターが使えるようになるQRコードなども収録されている。 --同梱のDVDではゲームの歴代OPや設定画の他、主要キャストからのコメントなどが収録されている。 --キャストコメントの''このキャラを演じられてよかった''、''今までありがとう''的なコメントも。表題の「卒業」アルバムという名の通り、イナズマイレブンシリーズの展開は本作で一旦終了となり、2016年の日野氏のTwitterで仄めかされ同年6月24日のニコニコ生放送で発表するまで長期の休眠となった。 **その後の展開 -2016年、シリーズ最新作『イナズマイレブン アレスの天秤』が発表された。複数の主人公や一新されたデザイン(等身)も公開。PV映像より、試合システムは本編と外伝作品「ストライカーズ」を合わせたようなものになることが判明。時系列は『1』から1年後の世界で、過去作とは違う歴史を迎えた((正史『2』におけるエイリア学園の襲撃が無かった世界観))パラレルワールドという設定。2018年夏に発売予定だったが…開発陣とのトラブルやTGSの意見で度重なる延期が続き、暗雲が立ち込めるようになる。 --結局、発売の目処が立たないままTVアニメ「アレスの天秤」とその続編「オリオンの刻印」の放送が始まった。しかしこの二作品は過去作品に比べると盛り上がりに欠け、とくに「オリオンの刻印」からは、シリーズの魅力だった熱い展開からかけ離れたシーンが多数((詳しい情報は割愛するが、コンセプトが「陰謀」や「不正行為との戦い」であり、人狼ゲームをモチーフに取り込んだストーリーは一定の評価を得たものの、従来からのファンはキャラクターの扱いや期待を裏切るような内容である意見が多いことに変わりはない。))。ファンからの失望は大きく、本来ならば3部作になるところを打ち切られる結果に終わってしまう。 ---他の事例としてはキャラクターコンテストも含まれる。大賞に選ばれたキャラクターのヘイトではなくアニメ登場された事である。内容は各自調べて欲しいが恩を仇で返すような扱いにされた。その原因で感じ取ったかは不明だが大賞に選ばれた各絵師のTwitterやPixivにはそのツイートやイラストは削除している。 -その間もゲーム開発の難航は続いていたようで、完成が不可能と判断したのか日野社長は「新しい外注先と仕切り直し」を公表したことにより『アレスの天秤』の開発を中止。そして路線変更のシリーズ最新作『イナズマイレブン 英雄たちのグレートロード』が2021年に発売予定となった。 ---が、それでも製作の難航が続いていたようで2023年内に変更。そして路線変更を重ね続けて『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』へ再びタイトル名が変わり、製作の目途が立った。 --皮肉にも一連の不振は、GOシリーズに批判的だった一部のファンが本作やGOシリーズを再評価するきっかけになった。
*イナズマイレブンGO ギャラクシー ビッグバン/スーパーノヴァ 【いなずまいれぶんごー ぎゃらくしー びっぐばん/すーぱーのう゛ぁ】 |ジャンル|サッカーRPG|&amazon(B00FKSUFY8)|&amazon(B00FKSUG2E)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~|~| |発売・開発元|レベルファイブ|~|~| |発売日|2013年12月5日|~|~| |定価|各5,500円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|今度は本物の宇宙人と戦う&br本作の代名詞と言える新要素『ソウル』が登場&br自由度の高さ、ボリューム、ファンサービスはさらに倍増&br素人レベルの新キャラと大勢のリストラには問題が|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[イナズマイレブンシリーズリンク>イナズマイレブンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **作品概要 『イナズマイレブンシリーズ』の第6作目。~ 松風天馬率いる新生イナズマジャパンが世界を相手に、フットボールフロンティアインターナショナル・ヴィジョン2に挑む。~ はずだったのだが、アジア予選の決着から物語は思わぬ方向へと進んでいく。~ 天馬・剣城・神童を除く全キャラをメインキャラから外すなど大胆な方向展開が行われたが、外されたキャラクターたちには物語中盤で救済措置が用意されている。 **ストーリー 本作は物語の前半と後半で大きく趣が異なり、上記のとおり世界大会に挑戦する前半と、''宇宙船に乗って地球を飛び出し、宇宙のサッカー大会に挑む後半''に分かれている。 前半は初代『イナズマイレブン』シリーズ最後の舞台となった世界大会に今度は天馬たちが挑むという展開なのだが、アジア予選決着の瞬間、突如空からUFOに乗った宇宙人が現れる。~ そこで実はこれまで戦っていた世界大会は''実は全銀河での、種の生存権を賭けて行われるサッカー宇宙大会の銀河辺境予選''だったことが明らかになる。~ これまで戦ってきた選手も全て宇宙人であり、見た目こそ人間に擬態していたものの、その中に地球人は一人もいない。~ 後半は宇宙大会『グランドセレスタギャラクシー』に挑戦し、サッカーで地球を、そして銀河全体を守るというこれまで以上に超次元なストーリーが展開されていく。 **前作からの変更点等 -''ソウル'' --化身・化身アームドと登場してきたGOシリーズの新たな要素。人間の中に眠る獣の力を解放することで、身体能力を飛躍的に向上させることができる。 --ゲーム的に言うと「ステータスアップ」「必殺技の消費ポイント軽減」「ソウル発動時専用の必殺技」を利用できるようになる。またソウルに限ったことではないが、アクションバトル時のデモムービーが専用のものに切り替わる。疾走感あふれるアクション演出は一見の価値あり。 --ソウル発動時専用の必殺技『ソウルストライク』は発動時、ランダムで特殊効果が発動する。必殺技の威力アップや味方のステータス回復などがあり、上手く発動できれば試合をより有利に展開できるようになる -''オーラ'' --ソウルに加えて前作までの化身・化身アームドを一括してまとめたもの。オーラは一度に3人までが発動することができる。いずれもオーラを発動していないプレイヤーに対しては破格の威力を発揮するが、オーラ同士のぶつかり合いとなるとそこに相性やプレイヤーの戦略が大きく絡んでくる。 --なおミキシマックスはクリア後に解放されるが、試合中に発動させる能力ではなくなった。見た目の変化やステータスアップ、必殺技の継承は行われるが、ステータスの補正などの割合が控えめになり、バトル全体でのバランスをとっている。 -''必殺技の究極進化システム'' --ストーリークリア後に入手できる究極進化の書を使うことで、どんな必殺技でも最強ランクに強化できるようになっている。 これにより自分の好きな必殺技が使いやすくなり、威力による必殺技間の格差もほぼ無くなっている。 -''ブラックルーム'' --これまでの作品ではキャラクターのステータスを上げるための特訓場所が各地に点在していたが、今回はブラックルームという場所に集約された。 --3つのスロットでの特訓と4つのミニゲームとある一定の熱血ポイント(お金)を支払えば自動で育成ができるオート特訓、育成したステータスのリセットが一つの場所でできるようになった。 -''カウンターシュート'' --これまでも放たれたシュートを止めるためのブロック技はあったが、カウンターシュートはそれを更に発展させたもので、相手シュートを撃ち返してそのままこちらのシュートにしてしまう。 --相手シュートの威力を取り込んで撃たれるためとても強力なシュートになるのだが、自陣ゴール付近から相手ゴールに到達するまでには大きく威力が減衰してしまう。シュートチェインなどの戦略なしには活かせない、プレイングテクニックが求められるものとなった。 -''レジェンドゲート'' --歴代シリーズのクライマックスを飾った試合を再現できる特別な試合。円堂世代も含め、懐かしの名勝負を最新の映像環境で楽しむことが出来る。 --フットボールフロンティア決勝の世宇子中戦や、エイリア学園最高ランクのジェネシス戦から、前作GO2のザ・ラグーン戦まで取り揃えてある。当時のプレイを懐かしむもよし、アニメから入ったファンがその再現に燃えるもよし。 --ただしこの試合によってアイテムや秘伝書が貰えるわけではなく、完全にファンサービスとしての仕様。 -''撮影機能'' --本作から、必殺技のデモムービーを撮影できるようになった。L+Rボタン同時押しで撮影でき、撮った写真は3DSのメモリーカードに保存される。 //PCに移すと当然平面の画像になるが、3DSで見る分には立体視もそのまま。(3D写真にはならないのでCO) --公式サイトにて、Twitterやブログでの共有を勧める文言がある。自分の理想のイレブンを画像込みで紹介できるようになった。 ---- **評価点 -シリーズ総決算の圧倒的物量 --シリーズを重ねるごとにキャラ・必殺技が増えていく本シリーズであるが、これまでに搭載されたシステムもカットなしの全乗せで本作が出たため、あらゆるスケールがアップしている。 -超次元の極みに達したストーリー展開 --前述の通り、本作では『[[イナズマイレブン2>イナズマイレブン2 脅威の侵略者 ファイア/ブリザード]]』とは異なり本当に本物の宇宙人とサッカーが出来る。彼らは人間のような見た目の種もいれば、一目見て異星人とわかる個性的ないでたちの者も多い。 --惑星ごとに宇宙人たちにも強い個性が与えられており、サッカープレイヤーとしての誇りに生きる者や、種の発展において対立を抱える惑星、その星独自の死生観を持つ惑星など、降り立つ星ごとに地球上では見られないストーリーが展開される。 ---特に惑星ラトニークでの出来事は、大人にも子供にも鮮烈な印象を残すこと間違いなし。 --もちろんおなじみの熱いサッカーストーリーもしっかり展開されており、サッカーを通して仲間とわかりあったり、違う星に生まれた者同士が手を取り合ったり、とこれまでのシリーズの良い点をしっかり踏襲した物語が展開される。 ---抱えていた悩みをサッカーによって払拭し、新たな必殺技に目覚める展開などは初代イナズマイレブンシリーズを彷彿とさせる。 --ストーリーのスケール自体は大きくなっているものの、その中心軸には友情や成長、理解など日常にあふれるものが据えられており、本来のメインターゲットである若年層にも伝わるであろうものとなっている。 -魅力的な新キャラクター --既存キャラの大幅なリストラには不満の声もあるが、代わりに加わった新キャラの評価自体は高い。 --ほぼ全員が何らかの苦い過去を抱えており、それが初心者にも拘わらずチームに入った理由になっている。地球編では彼らが過去を払拭してサッカーへ情熱を向ける過程が丁寧に描かれるので、過去作と比べて感情移入しづらいということは無い。 -アースイレブン追加メンバー --テレビCMなどでも大きくアピールしていたが、宇宙での試合が始まる前に地球代表イレブンに追加メンバーを投入することができる。バージョンによってキャラクターは異なるが、いずれも過去作で活躍した人気・実力ともに高い選手ばかり。 --本シリーズの難点のひとつとして、強力なプレイヤーほど入手が難しいというものがあったが、この追加メンバーではそういった問題はひとつもない。メンバー候補の中から無条件で11人を加入させることができる。前作で手に入れるのを諦めたキャラクターがいる人は、ぜひメンバーに加えてあげよう。 --ここで大幅にリストラされた雷門イレブンや時空最強イレブンのメンバーを加入させることができる。全員が救済されたわけではないが、もちろん追加メンバーにいないキャラクターも、別途仲間にすることはできる。 ---選ばれなかったメンバーも、クリア後には仲間にすることができるようになる。が、困難なスカウト条件は健在。選手の強さは多少の波こそあれ安定しているので、ここで好きなキャラクターを仲間にしておくといいだろう。 -すさまじい必殺技の量 --必殺技は前作の約220点から大きく増え、300を越えた。もはや全て見るだけでも一苦労である。技の数が多いということは、それだけ試合での選択肢が多いということになる。また、派手な必殺技モーションが売りの一つであるイナズマイレブンシリーズでは、それだけ作品としての個性を強く発揮した形と言えるだろう。 --ドラゴンクラッシュやスピニングカットの円堂世代の技もいくつか復活した。また本作のバージョン名と同じ名前である「ビッグバン」「スーパーノヴァ」も復活。 -宇宙人をはじめとしたプレイアブルキャラクターの増加 --ついに地球人以外の種でもサッカーをするようになった本作では、そのキャラクターの種類も一気に広がりを見せた。 --参加選手の親、幼年時代、死者、犬、ゴリラ、恐竜などもはやとどまるところを知らない。一部を除き、3Dモデルが作られているキャラは全てチームに入れられると思ってもいい。 -ゴールボイスの変更可能 --前作まではどんなチーム構成にしても天馬のボイスだったが、本作ではゴールボイスの存在するキャラをキャプテンにする(チーム編成で先頭に置く)とそのキャラが「ゴール!」と叫んでくれるようになった。 ---キャラゲー要素の大きい作品としては地味ながら嬉しいところ。 -サッカーバトルの進化 --ソウルが加わったことで、サッカーでの選択肢が大幅に広がった。 ---ソウルは発動しているだけならノーコストで運用することができ、必殺技の消費ポイント軽減や使用するほどに成長する仕様など、継続戦闘能力に優れた能力。一方の化身は消費が激しい分、ソウルよりも強烈な威力を叩き出すことができる。 ---ソウルは化身相手には相性で大きく有利になる仕様となっており、ただ威力が高ければいいというものではなくなっている。もちろん鍛え上げた選手であれば、相性差を覆して化身でソウルに打ち勝つこともできる。 ---ステータス差で不利な代わりに、化身には発動中チーム全体のステータスなどを強化するスキルが備わっており、化身を発動しているプレイヤーはソウルとかち合わないようなプレイを心がけるなどして、試合展開をコントロールできる。ここらはプレイヤーの技量次第か。 --選手自身の強化、属性の相性、大量の必殺技、スキル、必殺タクティクス、化身、化身アームド、ミキシマックス、ソウルの全てを駆使してチームを編成し、勝利へ導く。選択肢は無限大と言える。 //イナリンク //選手たちが持っている端末で書き込めるBBSのようなもの。ストーリーに直接絡む要素はあまり無いが、アニメでも見られない天馬たちの日常パートがこちらで描かれている。 //真名部(一年生)に勉強を教わる鉄角(二年生)・九坂(三年生)や、行く先々で宇宙の名産料理を食べ漁る信助、ギャラクシーノーツ号の七不思議など豊富なネタがコメディチックに描かれる。ストーリーの進展に合わせて会話が進んでいくため、これもゲームを進める原動力のひとつとなる。 //イナリンクはGO2からあるのでCO、もっと言えば日常パートはGO1のイナッターからあります **賛否両論点 -中途半端なレジェンドゲート --名試合の再現を謳っているが試合前後に一言会話がある程度であとはただの試合、その試合にちなんだアイテムが手に入るというわけでもないため、特にやる意味がない。さらに、必殺技の数が増加したとはいえ過去の技は代表的なものくらいしかないため、円堂世代の試合の中途半端さは否めない。 --下記のようにスカウトが面倒なため入手が難しい選手を使える、写真が撮れるという面であってよかったというプレイヤーもいる。 -全選手をどのポジションでも運用出来る --今作は全必殺技・スキルに秘伝書がちゃんと存在し、能力の伸び代が歴代作品に比べかなり多めに設定されている。加えて、チェインシューターなどのバランスブレイカー的スキルももちろん全員が習得可能なので、前作までにあった「この技を覚えるからこの選手を使おう」といった構築のセオリーが崩壊している。 化身の超技を3つ搭載できる白竜&剣城らなどの例外は一応存在している。 --さらに、対人戦においては、中盤の選手陣は「ナイスパス」「クイックパス」のハイブリッド搭載による、圧倒的な連続スルーパス(ナイスパス×2の効果により、相手のパスコースに割り込んでもトラップできない)でボールを前線に運ぶ戦術が基本となっているので、中盤の採用選手は足さえ速ければ本当に誰でもいいといっても過言ではない。 **問題点 -シナリオの説明不足な点 --これももはやシリーズ恒例であるが、話の本筋からちょっとでも逸れた要素は即スルーされ、話題に復帰することはほとんどない。 ---例えば物語前半を彩る世界大会だが、実質はグランドセレスタギャラクシーの予選であるにもかかわらず、全世界が実際に行われている大会として認知している。実際にプレイヤーにのみその内情が明かされたあとも、マップを歩くと世界大会本戦を楽しみにしている市民が大勢いる。もちろん彼らが真実を知ることは無いのだが、この大会は結局どう運営され、どういう落とし所を迎えたのか。 ---また、『[[イナズマイレブン3>イナズマイレブン3 世界への挑戦!! スパーク/ボンバー/ジ・オーガ]]』で死んだとされた影山零治の復活も本作の大きなイベントの一つであるが、その甥である影山輝はストーリーに一切関わらない。一応一言だけ、その内心を推し量れるメッセージがあるが、自分から話しかけようとしないと見逃してしまうレベル。 -これまでのメンバーの大幅なリストラ --追加メンバーとしてチームに加えることはできるが、これまでGO1、GO2で共にサッカーをしてきた仲間たちの大半がリストラされ、サッカーをやる気のない素人集団がチームに加わることになる。新たな戦いの場に挑むにあたって、これまでの仲間が外されるということに座りの悪さを感じる人は多いだろう。 --徐々にサッカーに本気になってくる、というのはもはやイナズマイレブンシリーズ王道のストーリー展開ではあるが、好きなキャラクターが脇に追いやられて嬉しい人はいないだろう。代表になれなかった代わりに何か活躍するポイントがある、ということもなく、完全に地球で待機状態である。 ---キャラクターをリセットしたことで、新規だったりしばらく離れていた人が出戻りやすくなったという利点は有るが、販売本数やテレビアニメの視聴率には特に反映される事も無かった。 -追加メンバーはいるだけ参戦 --合計48人もいれば無理もないことではあるのだが、追加メンバーは全員いるだけの参戦であり、ストーリーには一切絡まず、セリフもなし。試合に出れば点を取ったときに一言メッセージはあるが、それは他の全キャラクターとも同じ仕様である。 --因縁のライバルやかつての仲間が一堂に会してのアースイレブン結成のため、せめて加入時に一言くらいは欲しかったところ。 -スカウトの困難さ --GOシリーズでは新たに選手を仲間にするときにキャラクターのプロフィールといくつかの条件を書いたカードを手に入れ、その条件を満たさねばならないが、大量にあるチームのどれかがランダムでドロップするアイテムが必要、だったりと非常に手間のかかる物が多い。理想のイレブンを達成するまでに熱意が折れてしまう人も少なくないだろう。 --特に「スーパーノヴァ」バージョンにおける白竜&千宮路大和の入手難易度は極めて高い。キズナグッズと呼ばれる低確率ドロップアイテムを計100個コンプリートする必要があるため、彼らをスカウトする頃には9割9分以上のキャラクターの入手条件を満たしていると言っても過言では無い。 ---2人とも「ビッグバン」バージョンではアースイレブンの候補選手であり、労力0で連れて行ける。こんなところで余計なバージョン格差がついてしまっている。 --ドロップするアイテムがどこで手に入るかは明示されており、GO、GO2に比べると入手のしやすさは格段にあがったためアイテムで苦労することはあまりなくなったが、今作から追加されたミニゲームのノルマ達成が非常に面倒である。(後述) -ブラックルームのミニゲーム --ブラックルームでできる特訓ミニゲームはどれも操作は簡単なのだが上述のスカウトに必要なスコアアタックが非常にシビア。金銀銅の三段階の目標が設定されている。スカウトに必要なのは銀までではあるが、それを達成するのが難しく嘆くプレイヤーは多い。 -キズナコインガチャの仕様 --ガチャ星人というキャラに金のキズナコイン((前作までの友情ポイントに当たるアイテム。青・赤・白・紫・金の5種類あり金は最もレア))を1枚与えることで、スキルの秘伝書やキズナックスカードを入手するシステム。 --スキルに有用なものは少なく、主にここでしか入手できないキャラをスカウトするために利用することになるのだが… ---1枚ずつしか投入できない為テンポが悪い上、なんと''排出順がロムごとに完全固定されておりリセットしても変わらない''という鬼仕様。 ---ガチャ限定キャラの総数は50人以上にも及ぶため、運が悪いとコインを100枚以上消費しても目当てのキャラが出ないという事態も起こり得る。 ---そもそも排出されるのはキャラそのものではなく、あくまでキズナックスカードであるため、ガチャで引き当てて尚且つスカウト条件も満たす必要がある。 --尤も、ここで入手できるキャラは動物や恐竜、''巨大台風''といったイロモノキャラや、普通にスカウトできるキャラの形態違い(ミキシマックスした姿など)が大半を占める為、余程そのキャラが好きという訳でもなければ無理に挑む必要はない。 //-オーラの圧倒的強さ //--GOシリーズ1作目の化身からではあるが、これらオーラを発動できる選手と発動できない選手では性能が桁違い。特にストーリーでは相手選手の大半がオーラ持ちのため、オーラを持たないキャラクターでは太刀打ちできない。 //--オーラはもちろん使えば使うほど消耗するので全く手も足も出ないわけではないが、試合中のイベントや試合効率を考えると苦行と言わざるを得ない。 //---救済措置として、クリア後ではあるがコストを払えばどの選手もオーラに覚醒することができるようになる。そもそもゲームをクリアするには本来のアースイレブンだけでも充分なので、それ以上の趣味プレイはクリア後ということだろう。 //記述されていることが本作だけの問題とは言えないのでCO -無属性の必殺技が不遇 --本作では、コマンドバトルにおいてこちらの使用する必殺技の属性が相手の選手の属性に対して不利だとトータルテクニックに0.9倍のマイナス補正がかかるのに対して、技の属性が技を使用する選手の属性が同じだと1.2倍の属性一致補正が乗るため、たとえ相手に属性不利を取られても属性一致補正なら1.2×0.9=1.08倍の補正値になることから、属性一致補正が乗ることがない無属性の技を習得させる意義が皆無。 -一部スキルの強さ --クリア後に入手できる化身のちょうわざというスキルがあるが何を考えたのか補正が前作の1.25倍から2倍に超強化されている。おまけに重複可能。レベル99、該当ステMAXの状態で2つ付ければトータルパワー6000以上。ベストマッチの組み合わせ次第では3つ付けられ、その場合トータルパワーは10000を余裕で越すことになる。 ---これを付けられるとソウルはトータルパワーではどう足掻いても化身に勝てなくなる。化身に有利になる補正もここまで来ると無意味。(ただ、その分消費が激しくなるというデメリットがあるので、絶対に勝てないというわけではない。) ---また、このスキルを3つ付けられるのは四人のみ(ベストマッチのオーラの関係上同時に試合に出せるのは二人まで)のため、対戦で勝ちを目指す場合結果的に自由度が下がってしまう。 --更にチェインシューターはシュートチェインした時ノーリスクで威力2倍、重複も可能とかなり強力になっている。対となるであろうスキルのシュートブロッカーが1.2倍、重複不可まで抑えられているというのに… これらのスキルはストーリー上ではお目にかかることがほぼないのが救いか。 -ゴールボイスの仕様 --一部のキャラには点を取られたときだけゴールボイスを発したりセリフが異なるキャラがいるものの、そのキャラをキャプテンにしても反映されないことがある。ゴールボイスのセリフやボイスが異なるキャラに選択システムを採用してほしかった所である。 -通信対戦中の無視できないラグ --今作は今まで以上に要素が増えたせいかこれまでより対戦中のラグが酷くなっている。 2P側が入力しても反映されるのにラグが生じるため1P側がかなり有利になってしまっている。 ---- **総評 シリーズ合計6作目だけあって、圧倒的なボリュームとスケールで楽しめるシリーズの集大成的なタイトルとして完成している。~ ストーリーのテンポも良く、レベルファイブのRPGによくあるお使いイベントもほとんどなくなっておりRPGとして快適。ユーザ・インターフェースも改善されていてキャラクターのチェック、技の調整、装備の変更などがスムーズに操作できる。~ しかし今作もシナリオの説明不足が続き、再び疑問の箇所が残ってしまう。お馴染みのキャラクターのリストラや新メンバーなどは抵抗心する部分も見られる。~ 中盤からは歴代の人気キャラを交えて更に自由度の高いプレイが可能となっており、シリーズ歴代のファンも新規のファンもどちらも楽しめる仕上がりとなっている。~ ---- **初回特典 -雷門中卒業アルバム --読んで字のごとく、初代シリーズから前作までを、イラストやコラムを交えつつ振り返るファンブック的なアイテム。日野社長のインタビューの他、ゲーム内でキャラクターが使えるようになるQRコードなども収録されている。 --同梱のDVDではゲームの歴代OPや設定画の他、主要キャストからのコメントなどが収録されている。 --キャストコメントの''このキャラを演じられてよかった''、''今までありがとう''的なコメントも。表題の「卒業」アルバムという名の通り、イナズマイレブンシリーズの展開は本作で一旦終了となり、2016年の日野氏のTwitterで仄めかされ同年6月24日のニコニコ生放送で発表するまで長期の休眠となった。 **その後の展開 -2016年、シリーズ最新作『イナズマイレブン アレスの天秤』が発表された。複数の主人公や一新されたデザイン(等身)も公開。PV映像より、試合システムは本編と外伝作品「ストライカーズ」を合わせたようなものになることが判明。時系列は『1』から1年後の世界で、過去作とは違う歴史を迎えた((正史『2』におけるエイリア学園の襲撃が無かった世界観))パラレルワールドという設定。2018年夏に発売予定だったが…開発陣とのトラブルやTGSの意見で度重なる延期が続き、暗雲が立ち込めるようになる。 --結局、発売の目処が立たないままTVアニメ「アレスの天秤」とその続編「オリオンの刻印」の放送が始まった。しかしこの二作品は過去作品に比べると盛り上がりに欠け、とくに「オリオンの刻印」からは、シリーズの魅力だった熱い展開からかけ離れたシーンが多数((詳しい情報は割愛するが、コンセプトが「陰謀」や「不正行為との戦い」であり、人狼ゲームをモチーフに取り込んだストーリーは一定の評価を得たものの、従来からのファンはキャラクターの扱いや期待を裏切るような内容である意見が多いことに変わりはない。))。ファンからの失望は大きく、本来ならば3部作になるところを打ち切られる結果に終わってしまう。 ---他の事例としてはキャラクターコンテストも含まれる。大賞に選ばれたキャラクターのヘイトではなくアニメ登場された事である。内容は各自調べて欲しいが恩を仇で返すような扱いにされた。その原因で感じ取ったかは不明だが大賞に選ばれた各絵師のTwitterやPixivにはそのツイートやイラストは削除している。 -その間もゲーム開発の難航は続いていたようで、完成が不可能と判断したのか日野社長は「新しい外注先と仕切り直し」を公表したことにより『アレスの天秤』の開発を中止。そして路線変更のシリーズ最新作『イナズマイレブン 英雄たちのグレートロード』が2021年に発売予定となった。 ---が、それでも製作の難航が続いていたようで2023年内に変更。そして路線変更を重ね続けて『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』へ再びタイトル名が変わり、製作の目途が立った。 --皮肉にも一連の不振は、GOシリーズに批判的だった一部のファンが本作やGOシリーズを再評価するきっかけになった。

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