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METEOR 【どらごんぼーるぜっと すぱーきんぐ めてお】 |ジャンル|3D対戦アクション|CENTER:&amazon(B000RP999G)&amazon(B000WOE3CA)| |対応機種|プレイステーション2&br()Wii|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|スパイク|~| |発売日|2007年10月4日|~| |定価|7,140円(税込)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|なし|~| //無断で判定変更を行わないでください |ポイント|スパキンシリーズ完成版&br()ドラゴンボールZ準拠の声優が揃うのは本作が最後&br()Wii版はシリーズ初のオンライン対戦実装&br()防御テクニック増加でさらに戦いは複雑化&br()対戦バランスはあまり良くない|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンボールゲームリンク>ドラゴンボールシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『Sparking!』シリーズの第三弾。『Sparking!』シリーズの集大成とも言える出来で、システムの追加や全体的なボリュームアップ、キャラの追加や仕様変更がなされた。~ PS2版とWii版の発売は今回同時に行われたものの、それぞれモードに差が存在し、マルチプラットフォームでありながらやや違った内容が楽しめた。~ 『Sparking!』シリーズとしては本作が一応の最終作となる。 **追加要素 ''DBゲーム史上最多の参戦キャラクター数'' -ただでさえ多量だった登場キャラクター数が、無印時代のキャラを中心に更に増加し、全部で161キャラというとんでもない人数になった。 --中でも多かったのが初期(無印)ドラゴンボールからの参戦。「チチ(少女期)」や「孫悟飯(未来)」といった王道(?)的な者から「ハッチャン」や「アックマン」といった、今やマイナー寸前の「通」なキャラまで登場。本作で一番追加されている作品群である。~ 極め付きは原作でもゲスト出演していた関係で、''アラレちゃんが参戦する''。声優も最初のアニメ版で担当していた小山茉美女史。必殺技演出でガッちゃんズまで登場するこだわりっぷり。~ キャラゲーとしての側面上、システム的には使いづらいキャラクターが多い((連載初期のキャラと言う事もあり、舞空術や気弾の様な飛び道具に使用制限があったり癖がある場合がほとんど。アラレちゃんに至っては根本的な戦い方そのものが異なっている))が、戦闘前後の掛け合いも含め、ファンにとっては感涙ものなチョイス。 --Zからもフリーザ編で活躍した「ネイル」や、ファンから根強い人気を誇る「未来悟飯」、中にはベジータの実父であるベジータ王((ちなみにベジータ王は担当キャストが多数いるが、銀河万丈が声優として当てられた。))といったマニアックなキャラも参戦した。 --また、前々作、前作から先行して分割されていた悟飯やベジータに続き、悟空やピッコロも原作時期ごとのキャラとして分割された。~ 特に悟空はベジータ同様、時期によって使用できる技はもちろん、トランスフォームDの変身先の分岐・性能の違いまである。この為、悟空は実に16種類((「少年期」「Z初期」「中期」「SS1(中期)」「後期」「SS1(後期)」「SS2」「SS3(後期)」「ベジット」「Sベジット」「Sゴジータ」「GT」「SS1(GT)」「SS3(GT)」「SS4」「SS4ゴジータ」))もの形態を抱える事になった。これにより、当時アニメ化されていた悟空の形態は全て集結した。 ---さらにキャラではないが、今回はコスチュームがさらに多数追加された。悟空は三分割されたこともあって特に多い。 ---普通の胴着はもちろん、青いアンダーのないバージョンやヤードラット星人の服、さらに胴着無しの上半身裸ver、果ては戦闘でボロボロになった胴着verと、スタッフの凄まじい力の入れようと原作への惜しみない愛が窺える。 -なお、このキャラクター数は、後の『[[RAGING BLAST>ドラゴンボール RAGING BLAST]]』で一度リセットされ激減したため、本作のキャラクター数は異常なものになっている。 #region(キャラクター一覧) 変身するキャラクターの変身形態は一段下げて表記する。合体戦士は別枠。 -孫悟空(前期) -孫悟空(中期) --孫悟空(中期) スーパーサイヤ人 -孫悟空(後期) --孫悟空(後期) スーパーサイヤ人 --孫悟空(後期) スーパーサイヤ人2 --孫悟空(後期) スーパーサイヤ人3 -孫悟空(GT) --孫悟空(GT) スーパーサイヤ人 --孫悟空(GT) スーパーサイヤ人3 --孫悟空(GT) スーパーサイヤ人4 -孫悟空(少年期) --大猿(下級戦士) -ベジータ(スカウター) --大猿ベジータ -ベジータ(前期) --ベジータ(前期) スーパーサイヤ人 --超ベジータ -ベジータ(後期) --ベジータ(後期) スーパーサイヤ人 --ベジータ(後期) スーパーサイヤ人2 -ベジータ(後期) 魔人 -ベジータ(後期) スーパーサイヤ人4 -ベジット --スーパーベジット -スーパーゴジータ -ゴジータ スーパーサイヤ人4 -孫悟飯(幼年期) -孫悟飯(少年期) --孫悟飯(少年期) スーパーサイヤ人 --孫悟飯(少年期) スーパーサイヤ人2 -孫悟飯(青年期) --孫悟飯(青年期) スーパーサイヤ人 --孫悟飯(青年期) スーパーサイヤ人2 --グレートサイヤマン ※孫悟飯(青年期)からスーパーサイヤ人とは別ルートで変身できる((このため、グレートサイヤマンからスーパーサイヤ人に変身、もしくはその逆を行いたい場合は一度変身解除する必要がある。)) -アルティメット悟飯 -孫悟飯(未来) --孫悟飯(未来) スーパーサイヤ人 -孫悟天 --孫悟天 スーパーサイヤ人 -トランクス(剣) --トランクス(剣) スーパーサイヤ人 -トランクス(格闘) --トランクス(格闘) スーパーサイヤ人 --超トランクス -トランクス(幼年期) --トランクス(幼年期) スーパーサイヤ人 -ゴテンクス --ゴテンクス スーパーサイヤ人 --ゴテンクス スーパーサイヤ人3 -クリリン -ヤムチャ -天津飯 -餃子 -ピッコロ(前期) -ピッコロ(後期) -ヤジロベー -ミスター・サタン -ビーデル --グレートサイヤマン2号 -パン -ウーブ --スーパーウーブ -亀仙人 --亀仙人MAXパワー -ラディッツ --大猿ラディッツ -ナッパ --大猿ナッパ -ベジータ王 --大猿ベジータ王 -栽培マン -ネイル -フリーザ第一形態 --フリーザ第二形態 --フリーザ第三形態 --フリーザ最終形態 --フリーザフルパワー -メカフリーザ -コルド大王 -ザーボン --ザーボン(変身後) -ドドリア -ギニュー -ジース -バータ -リクーム -グルド -キュイ -アプール -フリーザ軍兵士 -セル第一形態 --セル第二形態 --セル完全体 --セルパーフェクト -人造人間16号 -人造人間17号 -人造人間18号 -人造人間19号 -ドクターゲロ -セルジュニア -界王神 --キビト神 -魔人ブウ(善) -魔人ブウ(純粋悪) -魔人ブウ(悪) --魔人ブウ(悪) ゴテンクス吸収 --魔人ブウ(悪) 悟飯吸収 -魔人ブウ(純粋) -魔導師バビディ -魔王ダーブラ -スポポビッチ -ベジータベビー --スーパーベビー1 --スーパーベビー2 --大猿ベビー -スーパー17号 -四星龍 -一星龍 --超一星龍 -孫悟飯じいちゃん -チチ(少女期) -ナム -ハッチャン -ピッコロ大魔王 -タンバリン -桃白白 -サイボーグ桃白白 -ブルー将軍 -ピラフマシン --ピラフマシン 合体 -アックマン -バーダック --大猿バーダック -セリパ --大猿セリパ -パイクーハン -タピオン -ガーリックJr. --スーパーガーリックJr. -Dr.ウィロー -ターレス --大猿ターレス -スラッグ --スラッグ 巨大化 -クウラ --クウラ最終形態 -サウザー -メタルクウラ -人造人間13号 --人造人間13号 合体 -ブロリー --ブロリー スーパーサイヤ人 --ブロリー 伝説のスーパーサイヤ人 -ボージャック --ボージャックフルパワー -ザンギャ -ジャネンバ --スーパージャネンバ -ヒルデガーン -アラレ #endregion ''更なる戦闘アクションの追加'' -相手の打撃があたる瞬間、コマンドを入力することで気力を消費し相手の後ろに瞬間移動し反撃する「Zカウンター」。 --コマンドが簡単だが特定の技にしか行えないZカウンター1(通称:ピシュン)とコマンドが難しいが大半の打撃を取れるZカウンター2(通称:ドゴン)が存在する。((どちらも成功時の効果音から。演出や反撃のタイミングも1が瞬間移動で避け反撃、2はブロッキングで弾いてから瞬間移動し反撃と異なる。))~ ZカウンターをZカウンターで反撃する事も可能。どちらかの気力が尽きるか、コマンドを入力失敗するまで続く。簡単と言いつつ、Zカウンター1も十分シビアでそれこそ修業が必要。しかし、複数回続ける力が身に付けば正に原作のZ戦士達のあの戦いができる。 -当身のコマンド入力直後に打撃を受けると、打撃の乱打をかわす演出の後、カウンターで蹴り上げる演出になり敵の気力を減らせる「ソニックスウェイ」。 --後隙と相手の吹き飛ばし属性の関係で、一部上級者間ではやや不利が出るものの、打撃による反撃リスクが増大。一方の当身も「投げ」には対応できない為、投げと打撃の駆け引きがやや重要になった。 -気力を消費しながらオーラを纏ってダッシュするドラゴンダッシュ中、もう一度同じコマンドを打つことで、気力をさらに消費し相手の背後へ高速移動する「Zバーストダッシュ」。 --この状態で描く軌道は、緩いカーブを描くアニメなどでお馴染みのもの。地味ながらカメラアングルもその他の追撃とは異なり、スピード感を一際強調した演出になっている。 -スパーキングモード((必殺技以外で気力が一定時間使い放題になり、キャラクターが大幅に強化される状態。「元気玉」に代表される、キャラ毎に用意された最後の必殺技もこの時限定で使える))中にコンボ攻撃の最後に追加入力を行う事で、気力を消費せずに特別なブラスト2(必殺技)で追撃する「ブラストコンボ」。 --威力は低下しているがスパーキングモードが終了しないため何度も発動可能。勿論瞬間移動で回避される可能性もある。 --これらの追加により操作が複雑化したほか、これらを使いこなしてくるCPU戦の難易度もやや上がった。使いこなせるようになればあまり問題は無いが。 ''ドラゴンヒストリー中の戦闘中分岐の追加'' -ドラゴンヒストリー((原作や劇場版ストーリーを追体験できる、所謂ストーリーモード))モードでは戦闘中、特定条件を満たすと他のキャラに交替する事が可能になった。原作通り一緒に戦ったメンバーに交代してそのまま戦闘が続行したり、原作とは異なるIFルートへ突入する事もある。 --交代できるようになるまでは、相手にまるでダメージが通らなかったり、逆にこちらが受けるダメージが異常に高くなっていたりと、こちらが一方的な不利を背負う展開も少なくない。~ この為、「基本的には」逆転を期する原作通りの流れの方が攻略しやすくなっている。 ''プラットフォームによる独自要素'' -PS2版は『[[Sparking!>ドラゴンボールZ Sparking!]]』『[[Sparking! NEO>ドラゴンボールZ Sparking! NEO]]』のディスクを入れることでアルティメットバトルの各モードがMETEORで遊べるモード「ディスク・フュージョン・システム」がある。 -Wii版はシリーズ初のネットワーク対戦、ドラゴンネットバトルモードが存在する。 ---- **評価点 ''非常に再現度と自由度の高いバトルシステム'' -元々自由度の高い3Dアクションであったが、本作で3作目となり、完成度はかなりのものに。 --「吹き飛ばして背後に瞬間移動して追撃」「コンボから必殺技」「敵の気弾を弾く」「Zカウンター合戦による執拗な背後の取り合い」などのアクションが続くバトルは正しくドラゴンボール。~ 後年も様々な形でドラゴンボールのゲームが販売されているが、未だにアクションの「ドラゴンボールらしさ」において、本作は高い評価を受けている。 --前作NEOにも存在した必殺技の撃ち合いも存在。 例えば、「クウラの巨大エネルギー弾をかめはめ波で押し返す」といった原作さながらの再現も可能。 --瞬間移動回避やZカウンターなどの防御システムにより確定コンボと言うものがほとんど存在せず、攻守が目まぐるしく交代する。操作こそ非常に忙しいが、決して油断できないこのスピード感も評価が高い。~ 対人戦ではどうすれば反撃されにくい攻めになるか考えるのも重要。例えこちらが攻めていても相手に反撃の起点がある為、コンボのアドリブ性も高い。 --操作難易度や敷居の高さを生んでしまっているのも間違いはないが思い通りに動かせるようになった時は非常に快感。同社の『レイジングブラスト』も含め、後発のドラゴンボールの3Dアクションは自由度を少し抑えてとっつきやすくしている。 ''演出面の更なる強化'' -必殺技演出や名称、キャラの主に変身関連の調整やストーリーなど、全体的にしっかり差別化される形で変更された。 -これまで暫定的っぽい名前やほぼ使いまわしだった技の数々は、劇中の台詞を元にした名前が付けられ、演出も原作アニメに準拠するようなもの((悟空を例にすると、通常形態の悟空の超必殺技は全て元気玉だが、従来作のように上から放り投げるタイプで固定ではなく、前期なら初期かめはめ波に近いような、片手で放って相手を打ち上げていく演出。後期であれば魔人ブウ戦の「スーパーサイヤ人になってから元気玉を押し込む」演出になっている。))に変更された。 --バーダックの使い回し感バリバリだったラディッツは、「プレゼントしてやる!」「俺は一流の戦士だ!」「くたばれ!」など台詞技となり、演出も全て変更。これに伴い、バーダックの技もより固有技感がでるようになった。 -キャラの変身「トランスフォームD」についても再調整がなされた部分もあり、この辺りの齟齬やごまかしも無くなった。GT悟空追加によって、超サイヤ人4にちゃんと変身出来るようになった。((前作までは単独で超サイヤ人4の悟空だけがGTの悟空として存在した。)) -ある意味、本作でも目玉の様に扱われている無印ドラゴンボールキャラの再現度も流石の一言。 --元々桃白白やピラフなどネタ技の作りこみは凄かったが、本作での大量増加によりさらにそのこだわりが顕著に現れるようになった。~ 無印Sparking!の頃から参戦していた少年期の孫悟空の超必殺技も見直され、超かめはめ波からピッコロ大魔王にトドメを刺した一発限りの必殺技「つらぬけ!」に変更となった。 --ブルー将軍は、なんとジェット機に乗り込み、追ってきた敵に対してロケット噴射を浴びせるというネタ技を見せてくれる。相手を吹き飛ばした後はカプセルを回収するモーションがあるなど無駄に細かい。~ アックマンのアクマイト光線は演出自体はたいしたことないが、相手が悪人であるとダメージが増えるという原作を意識した再現が行われており、原作通り悟空には効かない((ただし、SSに変身すると微量のダメージを受けるようになる。))ほか、チチやアラレなどにも効かない。~ 一方、逆にピッコロ大魔王やヒルデガーン、魔人ブウ(純粋悪)などには、他の超必殺技を遥かに凌ぐ大ダメージを与える事ができるという、無駄に凝った仕様になっている。 -初期のキャラクターが大幅に追加された事で無印時代のストーリーも大幅に補完された。 --これによりドラゴンボールの主要ストーリーをほぼ全て遊べるようになった他、展開の一環としてフリーザやセルを操作するステージも用意されている。~ あくまで「Z」ベースの作品という事もあって、GTも今までは中途半端な再現だったが、本作は演出こそイマイチ再現できていないものの、ストーリーの台詞などはしっかり再現している。 --GT周りの演出が本作と比べても優遇されていた『インフィニットワールド』でも台詞は省かれていたので、この辺りのこだわりは賞賛に値することだろう。 -戦闘前・戦闘後会話の充実も更に充実。 --前二作のストックに加え、追加キャラクターの分もしっかり収録。更に膨大なパターンの掛け合いが楽しめる。 --孫悟飯(未来)VS孫悟天のような切ないやりとりのものや、「孫悟空VSチチ(少女期)((特にこの組み合わせの場合、悟空が「少年期」「Z」「GT」でそれぞれやり取りが異なるというこだわりぶり。))」「ギニュー特戦隊VSそのノリにドン引きするフリーザ」のようにネタっぽいやりとりも豊富。 --また、ドラゴンヒストリーモードでは戦闘中にも会話が行われるようになり、可能な限り自然な流れで原作の名シーン、名台詞を再現している。 ''その他の評価点'' -いわゆる「隠しキャラ」が非常に少なく、161人中、僅か20人程度で、内訳もGTや無印等の本作追加キャラがほとんど。劇中最強クラスのSS4ゴジータや、現状、DBシリーズ最後のボスである一星龍も含め、初期状態でも殆どのキャラで遊ぶことができる。 --過去作は「最初はZ戦士&強敵の通常形態のみ、あとはストーリーのクリアなどで解放」というのが通例だったが、好きなキャラを使えないストレスや大量のキャラを解放する手間を考えると、最初から多くのキャラで遊べるのは非常に楽である。~ 「キャラを解放する楽しみがなくなった」という声もある事にはあるが、それで本作そのものの楽しみを損なう訳でもない為、ここは素直に評価点と言える。 -キャラのカスタマイズに使うZアイテムの効果が見直され、特殊な効果を持ったものがより豊富になり、特色を出しやすくなった。 --「敵の攻撃でひるみにくくなる」といった非常に実用的な物から、「オーラの色を変える」「CPU操作時の思考パターンを変える」等、文字通り補助的な物も。 --ネット対戦でのバランス維持を意識したためか、Zアイテムは上位互換と呼べるものが消滅した。 ---強力な効果を持つものほぼ全てにマイナス効果が発動するか、装備枠を複数使うか、その両方かのデメリットがある。前作までのように何も考えずに強アイテムを詰め込めばよいわけではなく戦術性が増した。 ---パスワードにより他人が作ったカスタマイズも使用できるため、有志によって開かれたCPU同士のカスタマイズ大会も動画サイトに残っている。思考パターン変更アイテムも研究されていたようだ。 -なお、余談ではあるが、後年、攻略本等に載っていた入手不可のZアイテムを装備したパスワード戦士に端を発した解析により、CPUボス専用と思われる強Zアイテムが発見され、コアなファンの間で「対戦相手」として話題になった。 --有名どころとしては「鬼神」「気の完全コントロール」「限界突破」と名付けられたZアイテム。通常Zアイテムには用途に合わせてポタラのアイコンに色が付けられているが、このアイテム群だけは特別に赤色をしている。~ これらを装着したキャラは「気力の高速自動回復」や「体力全開」「硬直時以外の攻撃を全て回避する&ほぼ限界の格闘コンボを叩き出すルーチン」、挙句の果てに「相手のかめはめ波のダメージを1にする」等、文字通りチート級の能力が得られる。~ 現在でも、コアな攻略サイトにこれらを装備したキャラのパスワードが記載されている。最上級者でもリズムを掴めなければ瞬殺される程の強さは必見。 -Wii版はネット対戦が可能だった。修行で磨いた腕を家にいたまま存分に奮う事ができる。 --キャラゲーとしての側面もある以上、完璧な戦闘バランスが取れているとは言えないが、一部のネタキャラを除き、キャラ選で勝敗が即座に決定する程のキャラ差はないとされている。~ 環境さえあればクリア後も長く遊べる要素として、%%PS2版の独自機能がショボイのもあって%%大変に歓迎された。 --なお、2014年にwiiの通信サービスが全面的に終了した為、現在は、残念ながらプレイする事が出来なくなっている。 -本作ではプレイアブルキャラを解説する図鑑モードがある。解説役を務めるのはチチだが、''その内容は100%チチの主観に基づくものになっている''。 --しかもそれらは二代目チチ役である渡辺菜生子氏のフルボイス。味方はもちろん敵にいたるまで、チチらしさ満載の解説が聴ける。~ もっとも、チチ自身は戦いに出てない関係上、あまり深い知識がなかったり、面識のないキャラについては多くを語れない。必然的に中身の濃さに差は出るが、コレも原作再現の一環と言える。~ 何より、チチの解説とは別口でちゃんとキャラの解説文もあり、そちらはそのキャラの大筋の展開をバッチリ抑えているので、図鑑としてはこちらでも十分。 -恒例のIFストーリーも充実。「こういうこともありえたかも」という空気のあった前作とは違い、完全なお遊びシナリオだが、どれもネタの濃い内容ばかり。 --中でも、ドラゴンヒストリー最終面の大トリではアックマンがまさかの主人公に据えられ、フリーザ親子などの極悪な強敵相手に激戦を繰り広げるといったカオスなシナリオも。 -主題歌『Super Survivor』 --それまでのSparkingシリーズは、テレビ主題歌の使いまわしだったが、今回は本作のための完全な新曲。歌うのはレイジングブラストまでドラゴンボール関係に携わった影山ヒロノブ。 ---ドラゴンボールZらしいアップテンポの曲で非常に熱く、その後のゲーム作品で書き下ろされた中でも特に人気の高い楽曲となっている。対戦でも流せるので非常にテンション高くプレイできる。 ---- **問題点 ''CPUの大幅強化とアクションの複雑化による難易度の大幅上昇'' -前作のCPUが少々弱かった反動か、今作のCPUは動き、反応ともにかなりのもの。「ふつう」までは必殺技の応酬で事が済む場合も多いが、1つでも難易度を上げると激変。仮にもフレーム技である高速移動やZカウンターを連発するようになる。 --相手を吹き飛ばしてもすぐさま切り返され、半端な格闘コンボは途中で見切られて背後を取られ、必殺技で捕まえたかと思いきや、高速移動であっさり回避する等、プレイヤーにも非常に高いスキルを要求してくる。~ こちらも返せればそれを楽しむ事もできるが、そうは言っても格闘ゲームの為、実際の所は口でいう程簡単に習得できるものではない。真の意味で本作を楽しむには「修行」と呼べるだけの努力も必要。 -三作もブラッシュアップを重ね、より格闘ゲームとしての側面を強めるために更に煩雑化したシステムがあるにもかかわらず、チュートリアルにあたる『超修行モード』も基本的にはテキストとスクリーンショットを見るだけである。~ 一部は敵が同じ操作を繰り返す練習パートも用意されているが、問題は固定砲台と化した相手に対してではなく、戦いの中で1秒にも満たない猶予で正確な反射ができるかという事なので、結局は戦いながら慣れるしかない。 ''メインモードであるドラゴンヒストリーが初心者に優しくない'' -難易度変更は可能だが、本作では原作再現を目して積極的にキャラの性能に補正を入れてくる関係上、まともに格闘で殴り合うと最低難易度でも一見さんお断りレベル。~ よりにもよって同モード一番最初の話である『共通の大敵』(ラディッツ戦)は悟空が大苦戦の末に死亡する話、次の『孫悟空の静かな怒り』(ナッパ戦)に至っては悟空到着までZ戦士達が軽々と蹴散らされる話の為、普通に戦ってもかなりの強さを持つ((『共通の大敵』はイベントを進めるとイベントでピッコロが魔貫光殺砲を放ち勝利、『孫悟空の静かな怒り』はイベントを進めて悟空が到着すれば楽に戦えるので、基本的にはどちらもイベント発生まで耐える戦いになる。))。ここで心折られた初心者は少なくない。 --可能な限り原作の中身に沿って進行する関係上、強制的に「手詰まり」にさせられる事もあるが、そうした事もあって、サイヤ人編のベジータ戦((一度でも場面を進行させるとベジータがハイパーアーマー持ちの大猿化+体力回復+攻撃力上昇となり、一気に難易度が跳ね上がる。))の様に、場面の任意進行を無視して戦った方が楽なパターンも少なくない。 --難易度にムラがある。最初のサイヤ人編が全体的に難しいのは前述の通りだが、セル編でもセミファイナルの『最後の決戦』は非常に敵が強くラストの『未来に平和を…』が拍子抜けするほど難易度が急降下する。まあこれは原作の展開上仕方ないのだが。 --そもそも、強敵感を再現するために敵に本来存在しないハイパーアーマーを付与する面が多く、&bold(){全然対戦の練習にならない。}初心者が最初にやるだろうメインモードとしてこれはどうなのか。 ''ドラゴンヒストリーのボリューム不足'' -ストーリーモードであるドラゴンヒストリーだが、前々作のZバトルゲートや前作のドラゴンアドベンチャーと比較してもボリューム・内容が不足気味。 --例えば、フリーザ編は4個のシナリオがあるが、1個目のシナリオは悟空対リクーム(とジースとバータ)で、次のシナリオはフリーザ戦である。 --人造人間編も7個のシナリオがあるが、1個目のシナリオは人造人間19号戦で、次のシナリオはセルが完全体になる話である。 --IF編は4個のシナリオ中、3個が無印キャラがメインとなる話であり、やや偏っている。 -余談だが、キャラ数が増えた上に固有モーションも増えたため、ドラゴンヒストリーの分の容量が足りなかったのでは、とも言われている。 ''必殺技演出の格差'' -前作でも指摘されていたが、前作の使い回しキャラや、とってつけて作ったようなキャラは演出が微妙。特にGT関連は使い回しのような技が多い。 --元気玉に関しては前述の二つの再現度が異常な反面、中期の悟空とGTはいつも通り巨大気弾を投げつけるだけ。GTの悟空はシリーズ集大成としてそれなりの演出があった上、そもそも「超ウルトラ元気玉」という技もあるだけに勿体無い話である。((ただし、悟空(中期)は「オラに元気を分けてくれ!」を使うことによって元気玉の威力を増加させたり、悟空(GT)の元気玉は通常の演出が起きる技の中で唯一ガード不可能であったりと、どちらも何ら変わらない技という訳ではない。)) --GTは本作でSparkingシリーズでは初めて本格的にシナリオ再現された。宇宙から元気を集めるというところまで再現しておきながら、元気玉の技発射演出がお粗末なため、演出に反してショボさが異常に際立つ。~ その他、GTを除く追加キャラはその分演出が物凄いのだが、今回は無印キャラが主なため、如何せん、技の迫力自体はイマイチなものが多い。 -主人公であっても、活動時期の短い「悟空・中期」と「悟空GT」は中途形態は雑な技配分が多い。 --GTは今回の新規キャラなのにもかかわらず汎用技のオンパレード。変身直後の台詞も「さあ、やろうぜ!」でどちらも固定((一応超サイヤ人だけ「さあ、やろうぜ!第二ラウンドだ!」という台詞があるのだが、別音声を繋げているのか、半端に空くせいで対戦中は他の台詞で上書きされ、まず聞けない。))と、露骨に息切れ感が見える。~ ただし、悟空の数少ないオリジナル技である「龍拳は」GT本編のモーションが十分に再現されている。この辺りは、原作でも取り立てて特筆すべき新技や独自技が見られなかったのが主な原因ともいえるが、反発を覚えたGTファンもチラホラと。 --なにより、抜けがあるとはいえGTの再現度は当時出ていたDBゲームの中では頭一つ抜けているのも間違いない。単独でゲーム化されたことも無い為、使えるだけでも嬉しいというファンも少なくはない。 ''少々中途半端な人選'' -一気にキャラの増えた本作をもってしても、まだ収録から漏れていた有名人はそれなりにいる。今や降板や鬼籍に入ってしまった方々もいる中、Z準拠の声優が揃うのは本作が最後となってしまっただけになおのこと惜しい。 --アニメ無印の範囲では最終章のマジュニア編(第23回天下一武道会)が冷遇されている。悟空・ピッコロのこの時期が存在しない他、少女期はあるのに大人バージョンのチチ((少年期に毛が生えた程度の頃とはいえ、悟空相手に亀仙人も真剣な眼差しを向ける程の組手ができている他、メインキャラとの絡みも多く、貴重な戦える女性キャラクターとしての需要はあった。))も存在しない。この頃の要素といえばキャラとしてサイボーグ桃白白がいる他、なぜかフリーザ編準拠の悟空(中期)にマジュニアに繰り出した必殺技が一つあるくらい。 --クウラ機甲戦隊がサウザーのみだったり、邪悪龍は結局一星龍と四星龍のみだったり、劇場版の人造人間が13号のみだったり、銀河戦士がボージャックとザンギャのみだったり、GTでもトランクスや通常形態のベジータ((あくまで通常形態であり、GTのベジータは超サイヤ人4状態限定で用意されている。))はいなかったりする。~ クウラ機甲戦隊と劇場版人造人間は、後の『RAGING BLAST 2』で参戦を果たしたが、Z準拠のキャストでの再演は果たせなかった。~ GTトランクスも一応パンとの対戦前掛け合いで未来トランクスがその役割を肩代わりしているが、性格はあくまで未来トランクスのままなため違和感がある。GTトランクスがピックアップされるのは、『[[ドラゴンボールヒーローズ]]』まで待つこととなる。 --これらの点から、後期になればなるほどキャラクターの優遇度が下がっていく傾向にあるという指摘も(同じく冷遇されているマジュニア編除く)。実際、少年編はマイナーキャラまでカバーしているだけに、さもありなんという所だろう。~ -ただし、返す返すの言及にはなるが、161体という参戦数は、対戦格闘型のゲームとしては平成が終わって以降の作品でさえ超えられていない程の数であり、この問題点を差し引いても十分にお釣りがくるだけのポイントではある。~ 実際、上記に挙げられているキャラも、GTトランクス以外は現在でもマイナー気味。 ''その他の問題点'' -音声関係のバグ・ミスが多い。 --ピッコロ(前期)、孫悟空(GT・超サイヤ人)、孫悟空(GT・超サイヤ人3)の3キャラは、一部の戦闘ボイス(相手から攻撃を受けている時の声など。)が何故か欠けており、他のキャラに比べてやたら無口な印象を受ける。 --ドラゴンワールドツアーモードにて、試合開始時・終了時のレフェリーの声が、セルゲームと天下一大武道会とで逆になっていたり、~ ステレオの処理がおかしく、BGMがスピーカーの右と左で全く同じ音が流れてたり、必殺技の爆発音が常に右側から聞こえるという根本的な設定ミスも。 -セルの演技が変。 --完全体はいつも通りなのだが、第一形態と第二形態の声音がアニメ本編とかけ離れた演技となった。特に第一形態は明らかに「外した」話し方をしている為、「ほろ酔いで収録したのか?」と言われるほどネタにされた。 --これについては後年イベントにて、演じている若本規夫氏本人より「セル初登場の収録時点では形態変化がある事を知らされておらず、当初の演技で通すしかなかった。やれるものなら最初から演じ分けたかった」と言及している。~ 一応、以降は本作に近い形で演技を一本化しようとしている様だが、こうした事情を知らないファンからはたびたび不評点として挙げられている((例として本作の後継作である『RAGING BLAST』では第一形態の演技が落ち着いたものに戻ったが、『ゼノバース2』での第一形態の演技は再び本作に近いものになっている。完全体の演技に関してはアニメ放送当時からほぼ変わっていない。))。 -キャラゲーとしては優秀なものの、対戦ツールとしてのバランスが悪い。 --キャラ毎にコストが設定されたチームバトルのDP((デストロイドパワーの略、ある程度キャラクターの設定上の強さに応じて1~10の数字が割り振られている。))バトルの存在などから意図的にキャラの性能に差をつけている面もあるが、対戦ゲームとして見るとそのバランス具合がやはりネック。 --特にWii版はネットで幅広くwi-fi対戦が出来るようになる関係上、相手と示し合わせて同レベルのキャラを使うという訳にはいかない。~ 研究が進む中で、ごく一部の例外を除いてダイヤグラムで絶望的な差が付く事はないとは言われているものの、初心者~中級者程度が使うくらいでは勝敗に強く影響する性能差があるキャラも多い。初心者同士ならある程度DPが近いキャラでの対戦を推奨。 --唯一DPが最大の10の「超サイヤ人4ゴジータ」、次点でDP9ながら高い基礎性能と巨大キャラ以外で唯一の無条件ハイパーアーマーを持つ「ブロリー(伝説の超サイヤ人)」はやりすぎなレベルで露骨に強い。~ 他にも気力ゲージ2でブラスト2が連発出来る、「超サイヤ人2悟飯(少年期)」「セル(パーフェクト)」「ベジータ(後期)の各形態」辺りのキャラも、ブラスト技乱射戦法により初心者同士の対戦で猛威を振るう。 --中には唯一のDP1ミスター・サタンやDP2~3のキャラの様に、どう考えても意図的な弱キャラはいるが、それが原作の設定や立ち位置的にも妥当なので自然に受け入れられている。 -ドラゴンワールドツアーのシステム。 --ドラゴンワールドツアーとは天下一武道会などの作中で開かれた大会を体験できるトーナメントであるが、従来に比べてシステムに難が多い。 --大会の種類はリングアウトのルールのある天下一武道会、マップがランダムの天下一大武道会、セルゲーム会場で行われるダメージ蓄積型のセルゲーム、制限なしのあの世一武道会、キャラ選択がランダムのヤムチャゲームの5種類だが、これら大会は設定されたゲーム内時間に行かないとお目当ての大会に出場出来ない。 ---ゲーム内時間はメインメニューから各モードに移動すれば1時間経つのだが、いちいち目当ての大会に出るためにそれの繰り返しで面倒くさい。更に難易度も3種類あるのだが難易度も新しい大会が開催された時点でランダムで決まり、お目当ての難易度ではない場合はまたゲーム内時間を進める必要がある。プレイヤーのやる事は「メインメニュー⇔ドラゴンワールドツアー」を行ったり来たりするだけで明らかに不要な要素。 --大会に優勝しないと登場しないキャラクターもいて、そのキャラを出すのも一苦労。特にコルド大王はセルゲームの最高難度に優勝する必要があり、ただでさえ強いCPUの敵と戦う必要があるのにセルゲームのルールとして1勝ごとの体力の回復は20%だけなので5回戦まで勝ち進むのは結構なゲームスキルを必要とする。 --前作までは各大会のアナウンサーが戦う前に選手名として各キャラの名前を呼んでいたが、それが無くなった。おそらく天下一武道会アナウンサー役の鈴置洋孝氏が既に逝去している為に新キャラの名前を言う音源が無かったのが原因かと思われるが、そこは代役を立てるなり、無印にて担当していた内海賢二氏を起用するなり方法があったであろう。(ちなみに、ドラゴンヒストリーモードの悟空VSナム戦では、なぜか内海氏ではなく大友龍三郎氏がアナウンサー役を務めている。) ---- **総評 『Sparking!』の集大成であり、キャラゲーとしてみればこれほど作りこまれた作品はなかなかないだろう。~ アニメ版の映像をそのまま動かしているかのようなアクション再現の数々は二度の続編リリースもあってかなり極まっておりクオリティは高く、ドラゴンボールゲームの最高傑作として挙げられることも多い。~ しかし、Wii版でネット対戦が実装され、単純に友達とガヤガヤ遊ぶだけのゲームではなく、対戦ツールとしての見方が出てきたことで、バランスに対する見方がより強くなった。~ そして、対戦ツールとして見るとバランスも何もあったものではなく、その点ではやや評価を落としている。 なお、『ドラゴンボールZ』準拠の声優のみでキャストを揃えたのは本作が最後。これ以降は『ドラゴンボール改』以降のキャスト変更を主軸としたゲームとなっていく。~ ライブラリ出演していた天津飯役の故・鈴置洋孝氏、本作発売の数ヶ月後に急逝したジース役の田中和実氏などもおり、特に田中氏に至っては本作が遺作の一つとなっている。~ そういう意味でも本作はその後の3Dドラゴンボールゲームのターニングポイントになったといえよう。
「[[判定不一致修正依頼]]」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 ---- *ドラゴンボールZ Sparking! METEOR 【どらごんぼーるぜっと すぱーきんぐ めてお】 |ジャンル|3D対戦アクション|CENTER:&amazon(B000RP999G)&amazon(B000WOE3CA)| |対応機種|プレイステーション2&br()Wii|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|スパイク|~| |発売日|2007年10月4日|~| |定価|7,140円(税込)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|なし|~| //無断で判定変更を行わないでください |ポイント|スパキンシリーズ完成版&br()ドラゴンボールZ準拠の声優が揃うのは本作が最後&br()Wii版はシリーズ初のオンライン対戦実装&br()防御テクニック増加でさらに戦いは複雑化&br()対戦バランスはあまり良くない|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンボールゲームリンク>ドラゴンボールシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『Sparking!』シリーズの第三弾。『Sparking!』シリーズの集大成とも言える出来で、システムの追加や全体的なボリュームアップ、キャラの追加や仕様変更がなされた。~ PS2版とWii版の発売は今回同時に行われたものの、それぞれモードに差が存在し、マルチプラットフォームでありながらやや違った内容が楽しめた。~ 『Sparking!』シリーズとしては本作が一応の最終作となる。 **追加要素 ''DBゲーム史上最多の参戦キャラクター数'' -ただでさえ多量だった登場キャラクター数が、無印時代のキャラを中心に更に増加し、全部で161キャラというとんでもない人数になった。 --中でも多かったのが初期(無印)ドラゴンボールからの参戦。「チチ(少女期)」や「孫悟飯(未来)」といった王道(?)的な者から「ハッチャン」や「アックマン」といった、今やマイナー寸前の「通」なキャラまで登場。本作で一番追加されている作品群である。~ 極め付きは原作でもゲスト出演していた関係で、''アラレちゃんが参戦する''。声優も最初のアニメ版で担当していた小山茉美女史。必殺技演出でガッちゃんズまで登場するこだわりっぷり。~ キャラゲーとしての側面上、システム的には使いづらいキャラクターが多い((連載初期のキャラと言う事もあり、舞空術や気弾の様な飛び道具に使用制限があったり癖がある場合がほとんど。アラレちゃんに至っては根本的な戦い方そのものが異なっている))が、戦闘前後の掛け合いも含め、ファンにとっては感涙ものなチョイス。 --Zからもフリーザ編で活躍した「ネイル」や、ファンから根強い人気を誇る「未来悟飯」、中にはベジータの実父であるベジータ王((ちなみにベジータ王は担当キャストが多数いるが、銀河万丈が声優として当てられた。))といったマニアックなキャラも参戦した。 --また、前々作、前作から先行して分割されていた悟飯やベジータに続き、悟空やピッコロも原作時期ごとのキャラとして分割された。~ 特に悟空はベジータ同様、時期によって使用できる技はもちろん、トランスフォームDの変身先の分岐・性能の違いまである。この為、悟空は実に16種類((「少年期」「Z初期」「中期」「SS1(中期)」「後期」「SS1(後期)」「SS2」「SS3(後期)」「ベジット」「Sベジット」「Sゴジータ」「GT」「SS1(GT)」「SS3(GT)」「SS4」「SS4ゴジータ」))もの形態を抱える事になった。これにより、当時アニメ化されていた悟空の形態は全て集結した。 ---さらにキャラではないが、今回はコスチュームがさらに多数追加された。悟空は三分割されたこともあって特に多い。 ---普通の胴着はもちろん、青いアンダーのないバージョンやヤードラット星人の服、さらに胴着無しの上半身裸ver、果ては戦闘でボロボロになった胴着verと、スタッフの凄まじい力の入れようと原作への惜しみない愛が窺える。 -なお、このキャラクター数は、後の『[[RAGING BLAST>ドラゴンボール RAGING BLAST]]』で一度リセットされ激減したため、本作のキャラクター数は異常なものになっている。 #region(キャラクター一覧) 変身するキャラクターの変身形態は一段下げて表記する。合体戦士は別枠。 -孫悟空(前期) -孫悟空(中期) --孫悟空(中期) スーパーサイヤ人 -孫悟空(後期) --孫悟空(後期) スーパーサイヤ人 --孫悟空(後期) スーパーサイヤ人2 --孫悟空(後期) スーパーサイヤ人3 -孫悟空(GT) --孫悟空(GT) スーパーサイヤ人 --孫悟空(GT) スーパーサイヤ人3 --孫悟空(GT) スーパーサイヤ人4 -孫悟空(少年期) --大猿(下級戦士) -ベジータ(スカウター) --大猿ベジータ -ベジータ(前期) --ベジータ(前期) スーパーサイヤ人 --超ベジータ -ベジータ(後期) --ベジータ(後期) スーパーサイヤ人 --ベジータ(後期) スーパーサイヤ人2 -ベジータ(後期) 魔人 -ベジータ(後期) スーパーサイヤ人4 -ベジット --スーパーベジット -スーパーゴジータ -ゴジータ スーパーサイヤ人4 -孫悟飯(幼年期) -孫悟飯(少年期) --孫悟飯(少年期) スーパーサイヤ人 --孫悟飯(少年期) スーパーサイヤ人2 -孫悟飯(青年期) --孫悟飯(青年期) スーパーサイヤ人 --孫悟飯(青年期) スーパーサイヤ人2 --グレートサイヤマン ※孫悟飯(青年期)からスーパーサイヤ人とは別ルートで変身できる((このため、グレートサイヤマンからスーパーサイヤ人に変身、もしくはその逆を行いたい場合は一度変身解除する必要がある。)) -アルティメット悟飯 -孫悟飯(未来) --孫悟飯(未来) スーパーサイヤ人 -孫悟天 --孫悟天 スーパーサイヤ人 -トランクス(剣) --トランクス(剣) スーパーサイヤ人 -トランクス(格闘) --トランクス(格闘) スーパーサイヤ人 --超トランクス -トランクス(幼年期) --トランクス(幼年期) スーパーサイヤ人 -ゴテンクス --ゴテンクス スーパーサイヤ人 --ゴテンクス スーパーサイヤ人3 -クリリン -ヤムチャ -天津飯 -餃子 -ピッコロ(前期) -ピッコロ(後期) -ヤジロベー -ミスター・サタン -ビーデル --グレートサイヤマン2号 -パン -ウーブ --スーパーウーブ -亀仙人 --亀仙人MAXパワー -ラディッツ --大猿ラディッツ -ナッパ --大猿ナッパ -ベジータ王 --大猿ベジータ王 -栽培マン -ネイル -フリーザ第一形態 --フリーザ第二形態 --フリーザ第三形態 --フリーザ最終形態 --フリーザフルパワー -メカフリーザ -コルド大王 -ザーボン --ザーボン(変身後) -ドドリア -ギニュー -ジース -バータ -リクーム -グルド -キュイ -アプール -フリーザ軍兵士 -セル第一形態 --セル第二形態 --セル完全体 --セルパーフェクト -人造人間16号 -人造人間17号 -人造人間18号 -人造人間19号 -ドクターゲロ -セルジュニア -界王神 --キビト神 -魔人ブウ(善) -魔人ブウ(純粋悪) -魔人ブウ(悪) --魔人ブウ(悪) ゴテンクス吸収 --魔人ブウ(悪) 悟飯吸収 -魔人ブウ(純粋) -魔導師バビディ -魔王ダーブラ -スポポビッチ -ベジータベビー --スーパーベビー1 --スーパーベビー2 --大猿ベビー -スーパー17号 -四星龍 -一星龍 --超一星龍 -孫悟飯じいちゃん -チチ(少女期) -ナム -ハッチャン -ピッコロ大魔王 -タンバリン -桃白白 -サイボーグ桃白白 -ブルー将軍 -ピラフマシン --ピラフマシン 合体 -アックマン -バーダック --大猿バーダック -セリパ --大猿セリパ -パイクーハン -タピオン -ガーリックJr. --スーパーガーリックJr. -Dr.ウィロー -ターレス --大猿ターレス -スラッグ --スラッグ 巨大化 -クウラ --クウラ最終形態 -サウザー -メタルクウラ -人造人間13号 --人造人間13号 合体 -ブロリー --ブロリー スーパーサイヤ人 --ブロリー 伝説のスーパーサイヤ人 -ボージャック --ボージャックフルパワー -ザンギャ -ジャネンバ --スーパージャネンバ -ヒルデガーン -アラレ #endregion ''更なる戦闘アクションの追加'' -相手の打撃があたる瞬間、コマンドを入力することで気力を消費し相手の後ろに瞬間移動し反撃する「Zカウンター」。 --コマンドが簡単だが特定の技にしか行えないZカウンター1(通称:ピシュン)とコマンドが難しいが大半の打撃を取れるZカウンター2(通称:ドゴン)が存在する。((どちらも成功時の効果音から。演出や反撃のタイミングも1が瞬間移動で避け反撃、2はブロッキングで弾いてから瞬間移動し反撃と異なる。))~ ZカウンターをZカウンターで反撃する事も可能。どちらかの気力が尽きるか、コマンドを入力失敗するまで続く。簡単と言いつつ、Zカウンター1も十分シビアでそれこそ修業が必要。しかし、複数回続ける力が身に付けば正に原作のZ戦士達のあの戦いができる。 -当身のコマンド入力直後に打撃を受けると、打撃の乱打をかわす演出の後、カウンターで蹴り上げる演出になり敵の気力を減らせる「ソニックスウェイ」。 --後隙と相手の吹き飛ばし属性の関係で、一部上級者間ではやや不利が出るものの、打撃による反撃リスクが増大。一方の当身も「投げ」には対応できない為、投げと打撃の駆け引きがやや重要になった。 -気力を消費しながらオーラを纏ってダッシュするドラゴンダッシュ中、もう一度同じコマンドを打つことで、気力をさらに消費し相手の背後へ高速移動する「Zバーストダッシュ」。 --この状態で描く軌道は、緩いカーブを描くアニメなどでお馴染みのもの。地味ながらカメラアングルもその他の追撃とは異なり、スピード感を一際強調した演出になっている。 -スパーキングモード((必殺技以外で気力が一定時間使い放題になり、キャラクターが大幅に強化される状態。「元気玉」に代表される、キャラ毎に用意された最後の必殺技もこの時限定で使える))中にコンボ攻撃の最後に追加入力を行う事で、気力を消費せずに特別なブラスト2(必殺技)で追撃する「ブラストコンボ」。 --威力は低下しているがスパーキングモードが終了しないため何度も発動可能。勿論瞬間移動で回避される可能性もある。 --これらの追加により操作が複雑化したほか、これらを使いこなしてくるCPU戦の難易度もやや上がった。使いこなせるようになればあまり問題は無いが。 ''ドラゴンヒストリー中の戦闘中分岐の追加'' -ドラゴンヒストリー((原作や劇場版ストーリーを追体験できる、所謂ストーリーモード))モードでは戦闘中、特定条件を満たすと他のキャラに交替する事が可能になった。原作通り一緒に戦ったメンバーに交代してそのまま戦闘が続行したり、原作とは異なるIFルートへ突入する事もある。 --交代できるようになるまでは、相手にまるでダメージが通らなかったり、逆にこちらが受けるダメージが異常に高くなっていたりと、こちらが一方的な不利を背負う展開も少なくない。~ この為、「基本的には」逆転を期する原作通りの流れの方が攻略しやすくなっている。 ''プラットフォームによる独自要素'' -PS2版は『[[Sparking!>ドラゴンボールZ Sparking!]]』『[[Sparking! NEO>ドラゴンボールZ Sparking! NEO]]』のディスクを入れることでアルティメットバトルの各モードがMETEORで遊べるモード「ディスク・フュージョン・システム」がある。 -Wii版はシリーズ初のネットワーク対戦、ドラゴンネットバトルモードが存在する。 ---- **評価点 ''非常に再現度と自由度の高いバトルシステム'' -元々自由度の高い3Dアクションであったが、本作で3作目となり、完成度はかなりのものに。 --「吹き飛ばして背後に瞬間移動して追撃」「コンボから必殺技」「敵の気弾を弾く」「Zカウンター合戦による執拗な背後の取り合い」などのアクションが続くバトルは正しくドラゴンボール。~ 後年も様々な形でドラゴンボールのゲームが販売されているが、未だにアクションの「ドラゴンボールらしさ」において、本作は高い評価を受けている。 --前作NEOにも存在した必殺技の撃ち合いも存在。 例えば、「クウラの巨大エネルギー弾をかめはめ波で押し返す」といった原作さながらの再現も可能。 --瞬間移動回避やZカウンターなどの防御システムにより確定コンボと言うものがほとんど存在せず、攻守が目まぐるしく交代する。操作こそ非常に忙しいが、決して油断できないこのスピード感も評価が高い。~ 対人戦ではどうすれば反撃されにくい攻めになるか考えるのも重要。例えこちらが攻めていても相手に反撃の起点がある為、コンボのアドリブ性も高い。 --操作難易度や敷居の高さを生んでしまっているのも間違いはないが思い通りに動かせるようになった時は非常に快感。同社の『レイジングブラスト』も含め、後発のドラゴンボールの3Dアクションは自由度を少し抑えてとっつきやすくしている。 ''演出面の更なる強化'' -必殺技演出や名称、キャラの主に変身関連の調整やストーリーなど、全体的にしっかり差別化される形で変更された。 -これまで暫定的っぽい名前やほぼ使いまわしだった技の数々は、劇中の台詞を元にした名前が付けられ、演出も原作アニメに準拠するようなもの((悟空を例にすると、通常形態の悟空の超必殺技は全て元気玉だが、従来作のように上から放り投げるタイプで固定ではなく、前期なら初期かめはめ波に近いような、片手で放って相手を打ち上げていく演出。後期であれば魔人ブウ戦の「スーパーサイヤ人になってから元気玉を押し込む」演出になっている。))に変更された。 --バーダックの使い回し感バリバリだったラディッツは、「プレゼントしてやる!」「俺は一流の戦士だ!」「くたばれ!」など台詞技となり、演出も全て変更。これに伴い、バーダックの技もより固有技感がでるようになった。 -キャラの変身「トランスフォームD」についても再調整がなされた部分もあり、この辺りの齟齬やごまかしも無くなった。GT悟空追加によって、超サイヤ人4にちゃんと変身出来るようになった。((前作までは単独で超サイヤ人4の悟空だけがGTの悟空として存在した。)) -ある意味、本作でも目玉の様に扱われている無印ドラゴンボールキャラの再現度も流石の一言。 --元々桃白白やピラフなどネタ技の作りこみは凄かったが、本作での大量増加によりさらにそのこだわりが顕著に現れるようになった。~ 無印Sparking!の頃から参戦していた少年期の孫悟空の超必殺技も見直され、超かめはめ波からピッコロ大魔王にトドメを刺した一発限りの必殺技「つらぬけ!」に変更となった。 --ブルー将軍は、なんとジェット機に乗り込み、追ってきた敵に対してロケット噴射を浴びせるというネタ技を見せてくれる。相手を吹き飛ばした後はカプセルを回収するモーションがあるなど無駄に細かい。~ アックマンのアクマイト光線は演出自体はたいしたことないが、相手が悪人であるとダメージが増えるという原作を意識した再現が行われており、原作通り悟空には効かない((ただし、SSに変身すると微量のダメージを受けるようになる。))ほか、チチやアラレなどにも効かない。~ 一方、逆にピッコロ大魔王やヒルデガーン、魔人ブウ(純粋悪)などには、他の超必殺技を遥かに凌ぐ大ダメージを与える事ができるという、無駄に凝った仕様になっている。 -初期のキャラクターが大幅に追加された事で無印時代のストーリーも大幅に補完された。 --これによりドラゴンボールの主要ストーリーをほぼ全て遊べるようになった他、展開の一環としてフリーザやセルを操作するステージも用意されている。~ あくまで「Z」ベースの作品という事もあって、GTも今までは中途半端な再現だったが、本作は演出こそイマイチ再現できていないものの、ストーリーの台詞などはしっかり再現している。 --GT周りの演出が本作と比べても優遇されていた『インフィニットワールド』でも台詞は省かれていたので、この辺りのこだわりは賞賛に値することだろう。 -戦闘前・戦闘後会話の充実も更に充実。 --前二作のストックに加え、追加キャラクターの分もしっかり収録。更に膨大なパターンの掛け合いが楽しめる。 --孫悟飯(未来)VS孫悟天のような切ないやりとりのものや、「孫悟空VSチチ(少女期)((特にこの組み合わせの場合、悟空が「少年期」「Z」「GT」でそれぞれやり取りが異なるというこだわりぶり。))」「ギニュー特戦隊VSそのノリにドン引きするフリーザ」のようにネタっぽいやりとりも豊富。 --また、ドラゴンヒストリーモードでは戦闘中にも会話が行われるようになり、可能な限り自然な流れで原作の名シーン、名台詞を再現している。 ''その他の評価点'' -いわゆる「隠しキャラ」が非常に少なく、161人中、僅か20人程度で、内訳もGTや無印等の本作追加キャラがほとんど。劇中最強クラスのSS4ゴジータや、現状、DBシリーズ最後のボスである一星龍も含め、初期状態でも殆どのキャラで遊ぶことができる。 --過去作は「最初はZ戦士&強敵の通常形態のみ、あとはストーリーのクリアなどで解放」というのが通例だったが、好きなキャラを使えないストレスや大量のキャラを解放する手間を考えると、最初から多くのキャラで遊べるのは非常に楽である。~ 「キャラを解放する楽しみがなくなった」という声もある事にはあるが、それで本作そのものの楽しみを損なう訳でもない為、ここは素直に評価点と言える。 -キャラのカスタマイズに使うZアイテムの効果が見直され、特殊な効果を持ったものがより豊富になり、特色を出しやすくなった。 --「敵の攻撃でひるみにくくなる」といった非常に実用的な物から、「オーラの色を変える」「CPU操作時の思考パターンを変える」等、文字通り補助的な物も。 --ネット対戦でのバランス維持を意識したためか、Zアイテムは上位互換と呼べるものが消滅した。 ---強力な効果を持つものほぼ全てにマイナス効果が発動するか、装備枠を複数使うか、その両方かのデメリットがある。前作までのように何も考えずに強アイテムを詰め込めばよいわけではなく戦術性が増した。 ---パスワードにより他人が作ったカスタマイズも使用できるため、有志によって開かれたCPU同士のカスタマイズ大会も動画サイトに残っている。思考パターン変更アイテムも研究されていたようだ。 -なお、余談ではあるが、後年、攻略本等に載っていた入手不可のZアイテムを装備したパスワード戦士に端を発した解析により、CPUボス専用と思われる強Zアイテムが発見され、コアなファンの間で「対戦相手」として話題になった。 --有名どころとしては「鬼神」「気の完全コントロール」「限界突破」と名付けられたZアイテム。通常Zアイテムには用途に合わせてポタラのアイコンに色が付けられているが、このアイテム群だけは特別に赤色をしている。~ これらを装着したキャラは「気力の高速自動回復」や「体力全開」「硬直時以外の攻撃を全て回避する&ほぼ限界の格闘コンボを叩き出すルーチン」、挙句の果てに「相手のかめはめ波のダメージを1にする」等、文字通りチート級の能力が得られる。~ 現在でも、コアな攻略サイトにこれらを装備したキャラのパスワードが記載されている。最上級者でもリズムを掴めなければ瞬殺される程の強さは必見。 -Wii版はネット対戦が可能だった。修行で磨いた腕を家にいたまま存分に奮う事ができる。 --キャラゲーとしての側面もある以上、完璧な戦闘バランスが取れているとは言えないが、一部のネタキャラを除き、キャラ選で勝敗が即座に決定する程のキャラ差はないとされている。~ 環境さえあればクリア後も長く遊べる要素として、%%PS2版の独自機能がショボイのもあって%%大変に歓迎された。 --なお、2014年にwiiの通信サービスが全面的に終了した為、現在は、残念ながらプレイする事が出来なくなっている。 -本作ではプレイアブルキャラを解説する図鑑モードがある。解説役を務めるのはチチだが、''その内容は100%チチの主観に基づくものになっている''。 --しかもそれらは二代目チチ役である渡辺菜生子氏のフルボイス。味方はもちろん敵にいたるまで、チチらしさ満載の解説が聴ける。~ もっとも、チチ自身は戦いに出てない関係上、あまり深い知識がなかったり、面識のないキャラについては多くを語れない。必然的に中身の濃さに差は出るが、コレも原作再現の一環と言える。~ 何より、チチの解説とは別口でちゃんとキャラの解説文もあり、そちらはそのキャラの大筋の展開をバッチリ抑えているので、図鑑としてはこちらでも十分。 -恒例のIFストーリーも充実。「こういうこともありえたかも」という空気のあった前作とは違い、完全なお遊びシナリオだが、どれもネタの濃い内容ばかり。 --中でも、ドラゴンヒストリー最終面の大トリではアックマンがまさかの主人公に据えられ、フリーザ親子などの極悪な強敵相手に激戦を繰り広げるといったカオスなシナリオも。 -主題歌『Super Survivor』 --それまでのSparkingシリーズは、テレビ主題歌の使いまわしだったが、今回は本作のための完全な新曲。歌うのはレイジングブラストまでドラゴンボール関係に携わった影山ヒロノブ。 ---ドラゴンボールZらしいアップテンポの曲で非常に熱く、その後のゲーム作品で書き下ろされた中でも特に人気の高い楽曲となっている。対戦でも流せるので非常にテンション高くプレイできる。 ---- **問題点 ''CPUの大幅強化とアクションの複雑化による難易度の大幅上昇'' -前作のCPUが少々弱かった反動か、今作のCPUは動き、反応ともにかなりのもの。「ふつう」までは必殺技の応酬で事が済む場合も多いが、1つでも難易度を上げると激変。仮にもフレーム技である高速移動やZカウンターを連発するようになる。 --相手を吹き飛ばしてもすぐさま切り返され、半端な格闘コンボは途中で見切られて背後を取られ、必殺技で捕まえたかと思いきや、高速移動であっさり回避する等、プレイヤーにも非常に高いスキルを要求してくる。~ こちらも返せればそれを楽しむ事もできるが、そうは言っても格闘ゲームの為、実際の所は口でいう程簡単に習得できるものではない。真の意味で本作を楽しむには「修行」と呼べるだけの努力も必要。 -三作もブラッシュアップを重ね、より格闘ゲームとしての側面を強めるために更に煩雑化したシステムがあるにもかかわらず、チュートリアルにあたる『超修行モード』も基本的にはテキストとスクリーンショットを見るだけである。~ 一部は敵が同じ操作を繰り返す練習パートも用意されているが、問題は固定砲台と化した相手に対してではなく、戦いの中で1秒にも満たない猶予で正確な反射ができるかという事なので、結局は戦いながら慣れるしかない。 ''メインモードであるドラゴンヒストリーが初心者に優しくない'' -難易度変更は可能だが、本作では原作再現を目して積極的にキャラの性能に補正を入れてくる関係上、まともに格闘で殴り合うと最低難易度でも一見さんお断りレベル。~ よりにもよって同モード一番最初の話である『共通の大敵』(ラディッツ戦)は悟空が大苦戦の末に死亡する話、次の『孫悟空の静かな怒り』(ナッパ戦)に至っては悟空到着までZ戦士達が軽々と蹴散らされる話の為、普通に戦ってもかなりの強さを持つ((『共通の大敵』はイベントを進めるとイベントでピッコロが魔貫光殺砲を放ち勝利、『孫悟空の静かな怒り』はイベントを進めて悟空が到着すれば楽に戦えるので、基本的にはどちらもイベント発生まで耐える戦いになる。))。ここで心折られた初心者は少なくない。 --可能な限り原作の中身に沿って進行する関係上、強制的に「手詰まり」にさせられる事もあるが、そうした事もあって、サイヤ人編のベジータ戦((一度でも場面を進行させるとベジータがハイパーアーマー持ちの大猿化+体力回復+攻撃力上昇となり、一気に難易度が跳ね上がる。))の様に、場面の任意進行を無視して戦った方が楽なパターンも少なくない。 --難易度にムラがある。最初のサイヤ人編が全体的に難しいのは前述の通りだが、セル編でもセミファイナルの『最後の決戦』は非常に敵が強くラストの『未来に平和を…』が拍子抜けするほど難易度が急降下する。まあこれは原作の展開上仕方ないのだが。 --そもそも、強敵感を再現するために敵に本来存在しないハイパーアーマーを付与する面が多く、&bold(){全然対戦の練習にならない。}初心者が最初にやるだろうメインモードとしてこれはどうなのか。 ''ドラゴンヒストリーのボリューム不足'' -ストーリーモードであるドラゴンヒストリーだが、前々作のZバトルゲートや前作のドラゴンアドベンチャーと比較してもボリューム・内容が不足気味。 --例えば、フリーザ編は4個のシナリオがあるが、1個目のシナリオは悟空対リクーム(とジースとバータ)で、次のシナリオはフリーザ戦である。 --人造人間編も7個のシナリオがあるが、1個目のシナリオは人造人間19号戦で、次のシナリオはセルが完全体になる話である。 --IF編は4個のシナリオ中、3個が無印キャラがメインとなる話であり、やや偏っている。 -余談だが、キャラ数が増えた上に固有モーションも増えたため、ドラゴンヒストリーの分の容量が足りなかったのでは、とも言われている。 ''必殺技演出の格差'' -前作でも指摘されていたが、前作の使い回しキャラや、とってつけて作ったようなキャラは演出が微妙。特にGT関連は使い回しのような技が多い。 --元気玉に関しては前述の二つの再現度が異常な反面、中期の悟空とGTはいつも通り巨大気弾を投げつけるだけ。GTの悟空はシリーズ集大成としてそれなりの演出があった上、そもそも「超ウルトラ元気玉」という技もあるだけに勿体無い話である。((ただし、悟空(中期)は「オラに元気を分けてくれ!」を使うことによって元気玉の威力を増加させたり、悟空(GT)の元気玉は通常の演出が起きる技の中で唯一ガード不可能であったりと、どちらも何ら変わらない技という訳ではない。)) --GTは本作でSparkingシリーズでは初めて本格的にシナリオ再現された。宇宙から元気を集めるというところまで再現しておきながら、元気玉の技発射演出がお粗末なため、演出に反してショボさが異常に際立つ。~ その他、GTを除く追加キャラはその分演出が物凄いのだが、今回は無印キャラが主なため、如何せん、技の迫力自体はイマイチなものが多い。 -主人公であっても、活動時期の短い「悟空・中期」と「悟空GT」は中途形態は雑な技配分が多い。 --GTは今回の新規キャラなのにもかかわらず汎用技のオンパレード。変身直後の台詞も「さあ、やろうぜ!」でどちらも固定((一応超サイヤ人だけ「さあ、やろうぜ!第二ラウンドだ!」という台詞があるのだが、別音声を繋げているのか、半端に空くせいで対戦中は他の台詞で上書きされ、まず聞けない。))と、露骨に息切れ感が見える。~ ただし、悟空の数少ないオリジナル技である「龍拳は」GT本編のモーションが十分に再現されている。この辺りは、原作でも取り立てて特筆すべき新技や独自技が見られなかったのが主な原因ともいえるが、反発を覚えたGTファンもチラホラと。 --なにより、抜けがあるとはいえGTの再現度は当時出ていたDBゲームの中では頭一つ抜けているのも間違いない。単独でゲーム化されたことも無い為、使えるだけでも嬉しいというファンも少なくはない。 ''少々中途半端な人選'' -一気にキャラの増えた本作をもってしても、まだ収録から漏れていた有名人はそれなりにいる。今や降板や鬼籍に入ってしまった方々もいる中、Z準拠の声優が揃うのは本作が最後となってしまっただけになおのこと惜しい。 --アニメ無印の範囲では最終章のマジュニア編(第23回天下一武道会)が冷遇されている。悟空・ピッコロのこの時期が存在しない他、少女期はあるのに大人バージョンのチチ((少年期に毛が生えた程度の頃とはいえ、悟空相手に亀仙人も真剣な眼差しを向ける程の組手ができている他、メインキャラとの絡みも多く、貴重な戦える女性キャラクターとしての需要はあった。))も存在しない。この頃の要素といえばキャラとしてサイボーグ桃白白がいる他、なぜかフリーザ編準拠の悟空(中期)にマジュニアに繰り出した必殺技が一つあるくらい。 --クウラ機甲戦隊がサウザーのみだったり、邪悪龍は結局一星龍と四星龍のみだったり、劇場版の人造人間が13号のみだったり、銀河戦士がボージャックとザンギャのみだったり、GTでもトランクスや通常形態のベジータ((あくまで通常形態であり、GTのベジータは超サイヤ人4状態限定で用意されている。))はいなかったりする。~ クウラ機甲戦隊と劇場版人造人間は、後の『RAGING BLAST 2』で参戦を果たしたが、Z準拠のキャストでの再演は果たせなかった。~ GTトランクスも一応パンとの対戦前掛け合いで未来トランクスがその役割を肩代わりしているが、性格はあくまで未来トランクスのままなため違和感がある。GTトランクスがピックアップされるのは、『[[ドラゴンボールヒーローズ]]』まで待つこととなる。 --これらの点から、後期になればなるほどキャラクターの優遇度が下がっていく傾向にあるという指摘も(同じく冷遇されているマジュニア編除く)。実際、少年編はマイナーキャラまでカバーしているだけに、さもありなんという所だろう。~ -ただし、返す返すの言及にはなるが、161体という参戦数は、対戦格闘型のゲームとしては平成が終わって以降の作品でさえ超えられていない程の数であり、この問題点を差し引いても十分にお釣りがくるだけのポイントではある。~ 実際、上記に挙げられているキャラも、GTトランクス以外は現在でもマイナー気味。 ''その他の問題点'' -音声関係のバグ・ミスが多い。 --ピッコロ(前期)、孫悟空(GT・超サイヤ人)、孫悟空(GT・超サイヤ人3)の3キャラは、一部の戦闘ボイス(相手から攻撃を受けている時の声など。)が何故か欠けており、他のキャラに比べてやたら無口な印象を受ける。 --ドラゴンワールドツアーモードにて、試合開始時・終了時のレフェリーの声が、セルゲームと天下一大武道会とで逆になっていたり、~ ステレオの処理がおかしく、BGMがスピーカーの右と左で全く同じ音が流れてたり、必殺技の爆発音が常に右側から聞こえるという根本的な設定ミスも。 -セルの演技が変。 --完全体はいつも通りなのだが、第一形態と第二形態の声音がアニメ本編とかけ離れた演技となった。特に第一形態は明らかに「外した」話し方をしている為、「ほろ酔いで収録したのか?」と言われるほどネタにされた。 --これについては後年イベントにて、演じている若本規夫氏本人より「セル初登場の収録時点では形態変化がある事を知らされておらず、当初の演技で通すしかなかった。やれるものなら最初から演じ分けたかった」と言及している。~ 一応、以降は本作に近い形で演技を一本化しようとしている様だが、こうした事情を知らないファンからはたびたび不評点として挙げられている((例として本作の後継作である『RAGING BLAST』では第一形態の演技が落ち着いたものに戻ったが、『ゼノバース2』での第一形態の演技は再び本作に近いものになっている。完全体の演技に関してはアニメ放送当時からほぼ変わっていない。))。 -キャラゲーとしては優秀なものの、対戦ツールとしてのバランスが悪い。 --キャラ毎にコストが設定されたチームバトルのDP((デストロイドパワーの略、ある程度キャラクターの設定上の強さに応じて1~10の数字が割り振られている。))バトルの存在などから意図的にキャラの性能に差をつけている面もあるが、対戦ゲームとして見るとそのバランス具合がやはりネック。 --特にWii版はネットで幅広くwi-fi対戦が出来るようになる関係上、相手と示し合わせて同レベルのキャラを使うという訳にはいかない。~ 研究が進む中で、ごく一部の例外を除いてダイヤグラムで絶望的な差が付く事はないとは言われているものの、初心者~中級者程度が使うくらいでは勝敗に強く影響する性能差があるキャラも多い。初心者同士ならある程度DPが近いキャラでの対戦を推奨。 --唯一DPが最大の10の「超サイヤ人4ゴジータ」、次点でDP9ながら高い基礎性能と巨大キャラ以外で唯一の無条件ハイパーアーマーを持つ「ブロリー(伝説の超サイヤ人)」はやりすぎなレベルで露骨に強い。~ 他にも気力ゲージ2でブラスト2が連発出来る、「超サイヤ人2悟飯(少年期)」「セル(パーフェクト)」「ベジータ(後期)の各形態」辺りのキャラも、ブラスト技乱射戦法により初心者同士の対戦で猛威を振るう。 --中には唯一のDP1ミスター・サタンやDP2~3のキャラの様に、どう考えても意図的な弱キャラはいるが、それが原作の設定や立ち位置的にも妥当なので自然に受け入れられている。 -ドラゴンワールドツアーのシステム。 --ドラゴンワールドツアーとは天下一武道会などの作中で開かれた大会を体験できるトーナメントであるが、従来に比べてシステムに難が多い。 --大会の種類はリングアウトのルールのある天下一武道会、マップがランダムの天下一大武道会、セルゲーム会場で行われるダメージ蓄積型のセルゲーム、制限なしのあの世一武道会、キャラ選択がランダムのヤムチャゲームの5種類だが、これら大会は設定されたゲーム内時間に行かないとお目当ての大会に出場出来ない。 ---ゲーム内時間はメインメニューから各モードに移動すれば1時間経つのだが、いちいち目当ての大会に出るためにそれの繰り返しで面倒くさい。更に難易度も3種類あるのだが難易度も新しい大会が開催された時点でランダムで決まり、お目当ての難易度ではない場合はまたゲーム内時間を進める必要がある。プレイヤーのやる事は「メインメニュー⇔ドラゴンワールドツアー」を行ったり来たりするだけで明らかに不要な要素。 --大会に優勝しないと登場しないキャラクターもいて、そのキャラを出すのも一苦労。特にコルド大王はセルゲームの最高難度に優勝する必要があり、ただでさえ強いCPUの敵と戦う必要があるのにセルゲームのルールとして1勝ごとの体力の回復は20%だけなので5回戦まで勝ち進むのは結構なゲームスキルを必要とする。 --前作までは各大会のアナウンサーが戦う前に選手名として各キャラの名前を呼んでいたが、それが無くなった。おそらく天下一武道会アナウンサー役の鈴置洋孝氏が既に逝去している為に新キャラの名前を言う音源が無かったのが原因かと思われるが、そこは代役を立てるなり、無印にて担当していた内海賢二氏を起用するなり方法があったであろう。(ちなみに、ドラゴンヒストリーモードの悟空VSナム戦では、なぜか内海氏ではなく大友龍三郎氏がアナウンサー役を務めている。) ---- **総評 『Sparking!』の集大成であり、キャラゲーとしてみればこれほど作りこまれた作品はなかなかないだろう。~ アニメ版の映像をそのまま動かしているかのようなアクション再現の数々は二度の続編リリースもあってかなり極まっておりクオリティは高く、ドラゴンボールゲームの最高傑作として挙げられることも多い。~ しかし、Wii版でネット対戦が実装され、単純に友達とガヤガヤ遊ぶだけのゲームではなく、対戦ツールとしての見方が出てきたことで、バランスに対する見方がより強くなった。~ そして、対戦ツールとして見るとバランスも何もあったものではなく、その点ではやや評価を落としている。 ---- **余談 -『ドラゴンボールZ』準拠の声優のみでキャストを揃えた最後のゲーム --これ以降に発売されたゲームは『ドラゴンボール改』以降のキャスト変更を主軸としており、故人が担当していたキャラはライブラリではなく代役へと変わっている。ジースは田中和実氏が本作発売の数ヶ月後に急逝した事もあり、本作が遺作の一つとなっている。~ そういう意味でも本作はその後の3Dドラゴンボールゲームのターニングポイントになったと言える。

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