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''この項目では2017年3月6日までに稼働していた8∞を中心に扱います。''&br() ''『頭文字D ARCADE STAGE Zero』以降の作品につきましては[[こちらの記事で記述してください>頭文字D ARCADE STAGE Zero]]。'' ---- *頭文字D ARCADE STAGE 【いにしゃるでぃー あーけーどすてーじ】 |ジャンル|レースゲーム|&image(initiald8.jpg,height=300)| |対応機種|アーケード&br;(Ver.1~3):NAOMI2&br;(4~5):LINDBERGH&br;(6AA~8∞):RINGEDGE|~| |発売元(Ver.1~3)&br;発売・開発元(4~)|セガ|~| |開発元(Ver.1~3)|セガ・ロッソ((Ver.3製作中にヒットメーカー(旧AM3研)に吸収合併されたが、名義上はセガ・ロッソのまま。))|~| |稼動開始日|Ver.1:2002年7月6日&br;Ver.2:2002年12月10日&br;Ver.3:2004年1月27日&br;4:2007年2月21日&br;4改:2007年7月21日&br;5:2009年2月25日&br;6AA:2011年3月3日&br;7AAX:2012年11月28日&br;8∞:2014年7月17日|~| |オンラインサービス終了日(8∞)|2017年4月27日|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|''大人気アーケードゲーム''&br;ファン垂涎モノの原作再現仕様&br;癖が強いゲームとしての仕様&br;筐体破壊ゲー&br;初心者お断り気味なゲームバランス&br;''課金要素過多''&br;''新作の度に進行状況リセット''&br;''キャラゲーとしては良作だがレースゲーとしては微妙''&br;|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[セガラリー>セガラリーチャンピオンシップ]]』や『[[STCC>セガツーリングカーチャンピオンシップ]]』を手掛けたセガ・ロッソ(旧セガAM5研)が、カーバトル漫画の金字塔であるしげの秀一の『頭文字D』を題材に開発したレースゲーム。~ 記録媒体として磁気カード((『Ver.』シリーズのゲーム中では「頭文字Dカード」と呼称。磁気カードとしては同社「Club Kart」や、ナムコの「湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE」(『3DX+』まで)等と同じ規格である。))を採用、『頭文字D』のキャラとバトルを行い、愛車をチューニングする要素が盛り込まれている。~ 『Ver.1』~『Ver.3』は、「Ver.」と書かれている通り、製品自体は新作としてリリースされているものの、シリーズ的にはバージョンアップ扱いである。~ しかしゲーム自体はUIが一新されていたり、登場車種やコースといった多大な新要素等で、事実上の新作となっていた。~ 開発元がセガへ吸収された後の2007年の『4』からはシリーズ的にも完全新作扱いになり、タイトルからVer.が外れ、基板や筺体も新型に変更。~ 新型筐体には上下左右の方向キーがメニュー画面操作用に追加され、記憶媒体も頭文字D免許証(ICカード)に変更された。~ 全作で順番待ちが出る程の人気を誇り、競合作の『[[湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE]]』(以下『湾岸マキシ』)とはアーケードのレースゲーム界を二分した。~ しかし単純にゲームとして見れば、根本的に癖が強い・問題のある仕様等のせいで、どの層にも満足出来るものとは言えない代物になってしまっている。~ ---- **モード説明 ''公道最速伝説'' -1人の走り屋として原作『頭文字D』に登場するキャラクター達とバトルする、いわゆるストーリーモードである。~ 長らく『5』までは、コース毎に決められたキャラから順不同に選択・バトルし、制覇して行くモードであった。 --2回目のバトルでは雪コンディションのコースを除いて天気は必ず雨になる。但し「中村賢太」と「坂本」とバトルする際は1回目でも必ず雨になる。 ---この二人は原作でも雨天の中でバトルをしていた為、原作再現である。 -『6』以降はバトル順が固定され、原作完結の約半年前に稼動した『7』では原作最終戦までのステージが追加された。 -原作完結後に稼働した『8』では、「Team Side」の副題通り原作登場の走り屋チームを転戦しながら関東最速を目指すと言う、『湾岸マキシ』に近い形式へ変更。 --指定された「ドラテク特訓カリキュラム」の条件を達成すると、達成状況に応じて「二流→一流→超一流」と評価が上がる。 ---とりあえず勝利すれば「二流」、指定された条件を一通りクリアーすれば「一流」、より厳しい条件をクリアーすれば「超一流」となる。 --全て「一流」以上でクリアすると、隠しシナリオの「Rival Side」が選べるようになる。~ 「Rival Side」では登場人物に成りきって、殆どの場合は本来と逆の結末を目指してプレイするシチュエーションとなっている。 ''タイムアタック'' -各コース、コンディションを自由に選択し、タイムを競うモード。 --『6』以降では「BRONZE、SILVER、GOLD、PLATINUM、SPECIALIST」のタイムが指定されている。とりあえず完走すれば「BRONZE」が取得出来る。 --『8』ではランク毎のタイム基準がかなり厳しくなり、超上級者並の腕前&そのコースの最速車種でないと最高ランクが取れないコースが発生した。 ---コース毎に総合的な性能が最高になる車種が存在しており、それを番長車、通称『番車』と言う。詳しくは後述。 ''全国対戦'' -『4』で追加。同時に全国対戦待ちしているプレイヤーを検索してマッチングし、対戦するモード。『5』以降はアジア地域のプレイヤーとも世界規模で対戦可能だった。 --マッチングの基準には、基本的にランク制が採用(『6』のみレベル制)されており、E3→E2→E1→D3…と続き、∞((『7』では「X」。『5』までは「SS」が最高ランクだった。))まである。 --「全国対戦」の戦績によって「走り屋クラス」もしくは「走り屋レベル」の昇格に必要なポイントが貯まり、満杯まで貯まれば次戦が「昇格戦」となる。~ 逆に敗北すると、高ランクではポイントが減少((『8』の場合はC1クラスまでは負けてもポイントが少し獲得出来、B3のみ負けてもポイントが減らず、B2~B1では2連敗以上するとポイントが減少する方式であった。))し、空になると「降格戦」となっていた。 ---作品によっては最高ランク到達で、如何に勝利しているかを表す「プライド」が追加され、勝利で上がり、敗北で大きく下がる方式だった。 -マイキャラパーツに必要な専用ポイントは基本ここで獲得する。 ''店内対戦'' -店内同士の2人で対戦するモード。''『Ver.1』のみはプレイしても何も報酬は貰えなかった''正真正銘のお飾り同然のモードだった。 --一部を除いて全国対戦と変わらず、かと言って『7』『8』では「プロジェクトDミッション」に関わる要素を獲得する時以外は特にやる必要の無いモードである。 --一応初めての対戦相手だった場合、「ニューライバルボーナス」としてマイキャラパーツに必要な専用ポイントが大きく貯まるボーナスはある。 ''タッグバトル'' -『6』で追加。同じゲーセンでプレイする人と2人でタッグを組んで「下り」と「上り」で役割を分担し、対戦する2vs2のバトル。~ 『6』では「全国タッグ対戦」「店内タッグ対戦」の2種類のみだったが、『7』で対CPUの「関東最速プロジェクト」が追加された。 --「関東最速プロジェクト」は「公道最速伝説」の2vs2バージョンである。 --「全国タッグ対戦」は、他のゲーセンでプレイしているタッグと対戦する全国対戦。 --「店内タッグ対戦」は、同じゲーセンでプレイしているタッグと対戦する店内対戦。このモードをプレイする場合は計4台の筐体が必要。 -2種類の対戦の時のみ味方同士のブーストの振分が出来、対戦状況でブーストの効き目を配分すると言う計画を立てる事が出来る。 -ルールはコース上にあるゴールドとシルバーのAマークの「エースパネル」を取るとスコアが加算され、最終的にそのスコアが多い方が勝ちとなると言った物。 --ゴールドは2pt、シルバーは1pt。勿論取りこぼす事もあるのでその点は注意。その場合はポイントは獲得出来ない。 ---ゴール地点の「エースパネル」はスコアが2倍になる。 ''走り屋イベント'' -『5』で追加。期間限定で多様なイベントが開催され、その期間内でのランキングを競うモード。 --出場レギュレーションはその都度変わり、コースとルート指定の他、車種を指定される事も。~ 何れのイベントも、イベント終了時に成績が「入賞ボーダー」か「ランクインボーダー」を超えていれば報酬が獲得出来た。 ---更に「ランクインボーダー」を上回ればランクインとなる。此方でしか獲得出来ないパーツもある。~ そしてトップ10に入れば、筐体のデモ画面に表示されるようになる。 -イベントは「タイムアタック」「対戦」「ドリフトコンテスト(ドリコン)」の3種類がある。 --「タイムアタック」は指定されたコースとルートでタイムを競う。 ---極一部のイベントでは一発勝負だったり、左右反転したミラーコースが登場したりもした。 --「対戦」は指定されたコースで対戦を行い、勝敗結果等に応じて変動する「勝敗スコア」と、~ チェックポイントを先行して通過した際に増える「セクションスコア」を合計したスコアを稼ぐ。 --「ドリコン」は特定コーナーでドリフトした時に獲得出来る「レーススコア」を稼ぐ。 -規模は「全国大会」「地方大会」のどちらかとなる。 --「全国大会」は日本全国とアジア全体で競う。「地方大会」それぞれの地域別で競う。 ''文太に挑戦!!'' -『Ver.2』と『Ver.3』に存在した上級者向けモード。選択したコースの下りルートで伝説の走り屋「藤原文太」と勝負する。ポイントが必要なのでカードを使わないとプレイ自体が出来ない。 --内容は最初にポイントを賭け、文太と勝負する事に特化したモードだが、これがとても速く、「公道最速伝説」の高難易度よりも難しい。 --必要ポイントは、Ver.2では文太レベル毎に賭けるポイントが変わっており、Lv.1~10までは1,000pts、Lv.11~20は2,000pts、Lv.21~30までは3,000ptsである。Ver.3は一律4,000pts。 ---勝てば他モードより多くのポイントが貰えるが、敗北するとポイントは全没収となる。 --選択コースはVer.2では上級以上のみだったが、Ver.3では全コースで選択可能。Lv1~30(Ver.3は15まで)まであり、レベルの区切りはVer.2では10の倍数、Ver.3では5の倍数となっている。 ---レベルの区切り毎に文太の搭乗車種が「AE86トレノ」→「AE86トレノレースエンジン換装」→「文太仕様インプレッサ」へ強化されていく。 --最終的にはCOLOR(red){''車種とコースの組合せ次第ではクリア不可能になる''}程の難易度になる為、文字通り無理ゲーにもなりうる可能性もあると言う真の上級者向けモードだった。 ---コンティニューは出来ず、強制的にカードは排出される。 --『7』では仕様を大幅に変えて復活し、『8』では公道最速伝説クリア後のインフィニティランクで様々のコースの上下線で登場する。~ 『8』では『7』よりも文太のゴールタイムが若干緩くなって弱体化しているが、他ライバルよりも明らかに速いのは相変わらず。 ---一応、原作で明確に「プロジェクトDの3人より速い」とされている数少ない人物なので、''原作再現と言う意味では''間違ってはいない。 ---- **評価点 ''原作を忠実に再現した演出'' -レースBGMは、『頭文字D』ではアニメで使われ、過去には『STCC』でも用いられたエイベックス社のスーパーユーロビート(SEB)を採用。~ エイベックス社の権利物故に過去作のBGMが使いにくく、毎作入れ替わると言う問題はあるが、何れの作品でも厳選チョイス・編集がなされている。 --『Ver.3』と『5』以降では、SEBのアルバムからセガ独自の選曲も行われるようになったが、これもまた各コース及びキャラの雰囲気と見事にマッチしており好評。 ---『7』のみ過去作の『Ver.2』と『Ver.3』のユーロビートが再録、同作と同じコースのデフォルトBGMに採用され、ファンには非常に高く評価された。 --『Ver.2』以降の作品ではオープニングBGMにアニメ同様「m.o.v.e」の「Gamble Rumble」を採用、『4』以降はオープニング・エンディング共に新曲を採用している。 --メニューやデモシーンといったセガオリジナルBGMも総じて雰囲気にマッチしており、高評価。全作で使用されているゴールBGMは特に印象的だろう。 -原作の有名シーンの台詞等がゲーム中に上手く組み込まれている等、原作ファンをニヤリとさせる要素。 --一部キャラは搭乗車種でバトル前デモやバトル中の台詞も変わる等、芸が細かい所も。特に「東京から来た二人」の台詞は殆どがオリジナルで、その多さは必見レベル。 --『4』以降の各種デモは「リアルタイム水彩シェーディング」を用いた3Dキャラが登場し、下記のボイスも相まって''まさにアニメ版の世界に入り込んだ雰囲気を味わえる。'' ---『4』ではその場で腕を動かす、アップでのみ激しく動く程度だったキャラのモーションも、続編ではより自然な動きに進化。『6』以降は車内シーンも追加された。 -アニメの声優陣を全員起用と言うこだわり仕様。 --発売当時にアニメ未登場だったキャラは[[オーディションを行い声優を選考>https://twitter.com/initialD_AS/status/611816241095794688]]、後にアニメに登場した際に当ゲームの声優陣が採用された程。~ アーケード作品でも『4』から全キャラクターが全てのシーンでボイス付で喋るようになり、臨場感がより増している。 --声優が全交代された新劇場版が出た後にリリースされた『8』でもボイスはTVアニメ仕様である。 -公道最速伝説でのライバルと戦う雰囲気は抜群。 --上記要素に加え、土坂の工事現場とオイルや、藤原拓海は溝落とし((ヘアピンコーナー手前の道路脇の側溝にタイヤを突っ込ませ、ヘアピンを強引に曲がる手法。現実ではタイヤの破損、最悪は車がバランスを崩して横転する可能性が有り、替えが効くラリーぐらいでしか使われない走法。))やブラインドアタック((夜間で相手の後ろを走行中にヘッドライトを消灯し、自分の位置を悟られにくくする手法。))を使用して来る等、あたかもキャラ本人と戦っている雰囲気を味わえる。 -キャラクターの車も原作再現仕様。 --''ナンバープレートの数字や地名等も全員再現''されており、外見も極々一部((ステッカー等の細かすぎる点を除くと、『Ver.2』以降の「中村賢太」のS14前期型シルビアはボディカラーがオリジナルのオレンジではなく純正色の赤、『Ver.3』までの「東京から来た二人」のS15シルビアはマフラーが純正のまま、『5』以降の「小早川」のランエボVII、『6』以降の「池田竜次」のZ33フェアレディZと「北条凛」のR32GT-R、『8』の「川井淳郎」のスカイラインは細部が純正のまま。))を除いてほぼ完全に再現されている。~ 3ドアトレノの「レース用エンジン」等、チューニングパーツも一部車種ではそれぞれの搭乗キャラに対応したものが装着されるのもミソ。 ---ステッカーのチームロゴ等も原作・アニメ第一作仕様((原作・新旧アニメの全てで異なる秋名スピードスターズは原作仕様の黄色ステッカー。))のものが採用されている。 --因みに一部実在パーツ((「藤原拓海」のトレノのカーボンボンネットやリアゲートは日本のj.blood、「二宮大輝」のシビック・「御木」のセリカのホイールはイタリアのスピードライン社製ホイールほぼそのものだが、何故か許諾を取っていない。))や純正で実在しないオリジナルパーツは、メーカー名が「頭文字D」となっている。 -原作にもあった技を自分も使用できる。 --定番の溝落としは秋名限定で可能で、妙義の歩道乗り上げ、いろは坂の「インベタのさらにイン」((ヘアピンコーナー内側のガードレールが途切れた路肩(というよりも極小の崖である)に車を突っ込み、そのまま下へ飛び降りる走法。現実では車の何処かがほぼ確実に壊れる危険行為である。))、もみじライン・筑波では溝跨ぎも出来る。 --走行中に前述のブラインドアタックも可能。『4』以降はスタートボタン3秒長押しでもう一度スタートボタンを押すと即座に点灯可能((『Ver.3』まではスタートボタン2秒長押しでそれぞれ切替する方式だった。))。 ''非常に自由度の高いカスタマイズ'' -多数の実在するメーカーのエアロと原作再現オリジナルパーツが収録されており、全キャラ毎の仕様をほぼ再現する事も可能。原作ファンは勿論、車好きにもたまらない仕様。 --ただしナンバープレートの登録地域はデータを作成した店舗のある都道府県の物の中から選ぶ形式で、ナンバーもランダム決定な為、残念ながら「完全なキャラ仕様」は不可能。 -エアロが部分ごとで融通が利く上、それぞれの箇所に多くて10箇所位用意されている。僅かだがエアロセットもあるが、これらもメーカーが実際に出した物を再現したものである。 -''純正色の変更にも20,000pt、オリジナルカラーで100,000pts以上と言う異常に法外な値段とは言え''ボディカラーも自由に変更可能。 --かつては有料会員専用であった上、純正色に戻す事が出来ず、やはり100,000ptsもした。 -更には根本的なメーターデザインや、果ては他ゲーでは実現出来(てい)ないカウント時の効果音を原作キャラのカウントボイスを付け加える事も出来た本格仕様。 --後述の制限さえ無ければ文句無しのカスタマイズ仕様だったのだが…。 -車種登録時にナンバープレートの地名を自由に選択する事が可能である。種類もそれなりにある。但し前述の通り、番号はランダムと言う問題はある。 ''目立った極端な車種差が無い'' -『湾岸マキシ』の厨車に相当する車が無い訳では無いが、極端なバランスブレイカーや弱過ぎて終わっている車種は目立って存在しない。~ 技術さえあれば、どの車でも対等に勝負出来ると言っても良いだろう。『8』では公式が定期的に性能差を埋めるアップデートを行い、公式発表していた位である。 --実は''コース毎に車種の性能が可変するシステムがある''ので、タイムアタックに関してはそれぞれのコースの番車に独占されている為(例外もあるが少ない)、別の意味で問題ではある。 ---大抵の番車はそのコースを本拠地とするキャラの車で、後述のハチゴー等原作でネタにされた車種は遅め等、ここも原作再現。やり込んでいなければ気づき難いものではあるが。 --強いて言えば「カプチーノ」「AE85(ハチゴーレビン)」「プリウス」の3車種が「弱い」とされているが、何れもそれなりに理由((カプチーノは原作ではいざ走り出すまでは出落ちのような扱いだった上、強かったのは「ドライバーがプロのラリードライバー」だった為。AE85は原作の時点で「ハチロクと比べると露骨に遅い」という扱いだった。プリウスは原作に登場しておらず、そもそも燃費重視のハイブリッドカーであり、セガ側の一発ネタの要素が強い。))がある。~ そして3車とも''ちゃんとチューニングと練習を積めば、困らない程度には速くなる程度の弱さに抑えられている''。 ---「カプチーノ」に関しては『5』までは寧ろ最強性能同然な車種で全国レベルで猛威を振るっていたが((但し『Ver.3』以前ではあまりにも小回りが利き過ぎるが故に逆に独特な挙動の癖の強さが目立つ性能となっており、扱うには相当の慣れを要していた。))、『6』で性能が大幅に弱体化され完全なネタ車に転落してしまった。 ''着実に改善されていったUI等'' -『Ver.1』はそれぞれの車種のハンドルの重さが再現されていたが、「重い」「疲れる」と言った声もあり、『Ver.2』から反力機構の効き具合を調整出来るようになった。 -『Ver.3』までは磁気カードに1台までしか保存出来なかったが、『4』から1枚のICカードに3台分のデータが保存できるようになった。~ ''2007年当時だったら''許せる仕様だったのだが、この仕様は2014年稼働の『8』までそのままだった為、結局は問題点になってしまっている(後述)。 --150回まで使用可能(コンティニューは無限)で、それ以降はオンライン筐体で更新が必要。ランク等の共通しても問題無い所はきっちり全車共通で、更に車の削除も出来る。 -『8』ではメニューの仕様が全体的に変更され、「頭文字Dファクトリー」に入れば無料で5分間の設定変更等が出来るようになった。 --ゲーム開始前のアトラクトで視点切替ボタンを押して「ファクトリーメニュー」を選択して頭文字D免許証を挿入するか、~ 通常通りゲームをスタートしても、スタートメニューのモード選択で「ファクトリーメニュー」を選択すれば入る事が可能。 --更に車を削除してもチューニング状況等が保持されるようになった上、再登録時は追加料金が不要になった等、無駄を無くす仕様がより増えた。 ---因みに『7』までは1つの設定しか出来ない不便な代物であり、『Ver.3』までは『湾岸マキシ』と同じスタイルであった。 --チューニングやマイキャラパーツのスロットに使える「Dコイン」や、頭文字D.NETの有料会員(以下有料会員)利用権30日分も筐体から購入可能になり、課金に対する煩わしさを減らした。 ---Dコインは12枚(100円=1枚/8.3円)・40枚(300円=1枚/7.5円)・75枚(500円=1枚/6.7円)の3種類。一度に多く買えばそれだけトータルコストが安くなる。 ---注意すべき所は購入してから有効期限は2ヶ月であり、使用しなかった場合は最初に有効期限が切れる分が無効になってしまう所である。~ 因みに自動更新されないものの(予め期間を延長させる事は可能)、筐体から利用権を購入した場合は300円で、公式サイト経由で入会するより安くなっていた。 --コンティニューチケットも採用されており、獲得すれば1クレ分無料で遊べ、同日にまたそれを1枚獲得する事も可能((後者のみ手に入る事もある。基本使えるのは翌日から。))。但し''1週間経過すると無効になる''ので注意。 --ただ、後述の仕様のせいで、結局は無用の長物になっているシステムもあるのだが…詳細は後述。 ---- **賛否両論点 ''CPU戦の壊れているゲームバランス'' -CPU戦において、急加速していきなり追い上げて来る鬼補正が掛かる箇所が必ず1箇所以上設けられているライバルが居る。 --更に後述の物理演算も相まって、抜かれてもう抜かせない事態になるのも往々にして起こる。初心者が挫折しかねない要素と言って良いだろう。~ ゴール直前で相手が勝っているとブーストを発動して遥か彼方に行ってしまったり、かたや余裕な時は幾らでも離す事が出来る等、非常に極端である。 --秋名の5連続ヘアピン前のセクションで急加速してくる藤原拓海や、幾らでも離せる位に遅い東京の二人やニセプロジェクトDなどが主に該当するが、~ これらに関しては原作再現の要素が絡むものもある為決して擁護不可能というわけではないのだが、『5』までは頭文字D免許証のデータ設定で敵車レベルが調整可能((敵車レベルはVer.3まで易しい、普通、難しいの3段階で、普通がデフォルト。以降は0~10の11段階で、デフォルトは0。又、公道最速伝説を1周する毎に選択選択出来る上限も変わる。))だった。~ せめて敵車レベルに応じてライバル補正が掛かるようにするような調整は出来なかったものか。 --『6』以降は敵車レベルは固定で調整は不可能となり、敵車も殆どが接待気味な走りに徹するようになってしまった。 ''全国対戦の根本的に壊れていたゲームバランス'' -全国対戦のマッチングは完全自動だが、これが危険な代物で、あくまで今全国対戦待ちしている同じor近くのランクの人でしか絞れておらず、''チューニング状況や勝率等が殆ど考慮されない''。 --早い話、''同じor近いクラスであれば全くチューニングされていなかろうがフルチューンであろうが勝率が20%や100%であろうが同じ土俵で戦わせられる''事である。 ---『4』以降の作品では、勝率に関しては考慮されるよう修正されたがそれでも不完全である。 -初期の作品では、後ろの車が速くなる「スローカーブースト」の仕様が余りにも鬼畜で、''距離が縮まってもブースト効果がすぐに薄まらなかった''。普通なら距離に応じて効き目が可変するものである。 --その為わざとスタート時に加速しなかったり、レース中にかなり逆走してその後ギリギリ張り付いてゴール直前であっさり抜かす、等と言ったレースゲームとしてあるまじき戦法をするユーザーが多発。~ 後者は原作の「シミュレーション3」((予め抜かすポイントを定め、それまでは敢えて抜かずに相手の行動をリサーチし、抜かすポイントに差し掛かったら一気に抜かすと言った戦法。))をある意味再現していると言えなくも無いが、このような歪な形で再現されるのはレースゲームとして流石にどうなのか。 --実際『4』の頃のセガの公式大会でスタッフが「ちゃんと走ってください」と言ったにも関わらず、プレイヤーは無視してタイムアップで決着を付けさせた((因みに対人戦でタイムアップになると、前を走っている方の勝ちになる。))事例もある。 ---店舗毎に開催されていた大会だが該当する店舗では開発者も居た。 --更にブーストが効いてもハンドリング性能はそのままなので、返って操作が難しくなるケースも。かと言ってオフで戦うと、チューニング差がある場合、完全に追いつけなくなる危険がある訳なので…。 ''癖があり独特な挙動'' -まず最初に『Ver.1』の時点でホバークラフトのように動く物理演算。 --壁も車との接触判定もドジョウのようにヌルヌルとしており、極めて独特。この挙動自体は『セガラリー2』とほぼ同じなのだが、本作ではブロックされたらお終いの可能性を孕んでいる。~ これら設定に関しては「峠と言うコーナーが急かつ多い所を走るゲームなのでそのようにした」「細かい事は言わないで「イニDごっこ」を楽しんでほしい」と開発者は語っている。 --但し初期3部作の挙動は、爽快感を重視し、難解な事をせずともカッコ良い走りがキメれると言う、「''誰でも速く走れる''」のコンセプトと合致していると言える物だったので、挙動自体は好評ではあった。 -上記の仕様に更に追い討ちを掛けるように『4』以降で余計な仕様が追加されてしまった。 --コーナーごとに見えない制限速度があり、それを越すと強制的にアウトに流れると言う苛立たせる仕様はその最たる例では無いだろうか。 --『4』では非常に難しいもののそれをキャンセルする裏技があったが、マイナーチェンジ版の『4改』ではそれが廃止。更に壁に少し接触しただけでより減速するようにもなった。 ---この為、『5』以降は後述のような致命的な欠点はあるものの、操作性という観点で見た場合最も挙動に癖が強いのは4シリーズだといえる。 ---前述のような見えない制限速度に加え、『4』でのアンダーステアをキャンセルする裏技の他、さらに4シリーズでは全作中最も加速が重い設定な上にパワーバンドも狭い為、~ 「新走法」と呼ばれる特殊な走法を駆使しないと最高速度が思うように伸びず、タイムアタックでの記録が頭打ちになってしまう。 -『5』で『4』での補正はある程度解消されたが、新たな問題が発生した。 --当時は不評が少なくなかったものの、従来より遥かにリアリティや重みをそれなりに感じる挙動となり、この挙動は現在に至るまでの基礎となった。 --ただ、コーナーリングすると高回転域でも目に見えて回転数が落ちて失速する要素が追加されてしまった。急カーブを曲がるとなったら大きく失速してしまう。~ 相対的に最高速度と見合っていないバランス。この影響でこの現象を回避させる為に''ペダルを反復運動的に乱暴に扱う「パタパタ走法」が誕生してしまった。'' ---このゲームはペダルがスポーツカーのように固めなので強い力で踏まないと上手く成功しない。もっともそうで無くとも強くやってしまう人はやってしまう。 --幾ら筐体が頑丈とは言え筐体を破損する可能性が高い上、プレイヤーが怪我をする可能性もある危険極まりない走法なので、本来ならば許されざる行為である。 --アクセルオフやブレーキを踏むと物凄い勢いでオーバーステアになる時期もあった。『6』以降は抑え気味に調整されてはいる。 -『5』よりハンドルを切った角度・溝跨ぎ((特定のコースのみに存在する溝を一定速度以上で跨ぐ行為。失敗すればカーブの方向の車輪が溝に落ち、大幅に失速する。秋名の溝を使った溝落としとは別。これらはちゃんと原作にも存在する。))の成否・壁への接触によってタイヤが磨耗していく、通称「タイヤ温存システム」が追加された。 --タイヤが激しく磨耗してしまうと、バトル後半で露骨に加速力が鈍ってしまう。この要素は「駆け引きを楽しめる」「爽快感を落とす」と賛否両論。 --計算的に走りたいリアル志向なユーザーからは評価されているが、単純にレースゲームを楽しみたい爽快感を重視するユーザーからは否定的な意見が強い。~ 原作でもタイヤの使い方で賭けるシーンが複数あるので、原作再現としては殆ど正しいのだが…。これも『5』でのタイヤ磨耗が極端だったからこそだろう。 ---『6』以降は下記のドリフトによるタイヤ温存要素の導入と、磨耗時の性能低下率が若干抑えられた事で、一応の解決を見た。 -更に『6』で「ドリフト」要素が追加され、以降は続編毎に「パタパタ走法」の重要性が加速してしまった。 --特定コーナーでブレーキを踏んだ直後にアクセルを踏むと、メーター横の「DRIFT」の文字が光り、コーナリング中の減速とタイヤの磨耗を若干抑えられる。 --ドリフトには通常の青く光る「青ドリ」と、ハイスピードでドリフトするとオレンジに光る「黄ドリ」があり、後者は上記効果も大きくなる。 ---現実でのドリフト行為はタイヤを非常に磨耗させるものであり、''このような形で「パタパタ走法」を公式化した点は批判された。''~ ''ゲーセンのオペレーターからも批判が多い([[一例>https://twitter.com/ENPARA_EIWA/status/527281323950362625]])走法ではあるのだが、このゲームではこうでもしないと速く走る事が出来なくなってしまっている''ので結局は…。 ---COLOR(red){''『8』では公式にてこの走法を堂々と肯定的に紹介していた。''}約30年の歳月を経てもなお『[[アウトラン]]』のギアガチャからまるで反省していないようだ。 -やはりと言うべきか露骨なMT優遇というセガゲーらしい((昔からMTの方が「最高速が目に見えて高い」「シフトドリフトを使うことで無駄な減速を抑えたコーナリングが可能」「全体的に性能が高く、ATが完全に下位互換になってしまっている」ゲームを良く出していた。))所も。 --但しこのゲームはATでもシフトダウンだけ可能になっている(一定時間後自動シフトアップする)が、下げようと思った時には一気に2速分シフトダウンする事はザラ…と、使いにくい。~ 更にこのゲームは『5』まではレブ打ちを駆使しないとろくに走れない所もあり、緩いカーブが続く所ならレブ打ちさせて失速を防ぐ走りをしないといけないので一層MTの方が有利だった。 ''その他'' -強制終了はスタートと視点切替同時押しだが、''実行した瞬間強制終了で猶予時間無し''。 --即座にやり直せるメリットがある一方、誤って押してしまい、うっかり強制終了と言った事故も起こりうる等一長一短。長押しリタイアと切り替えが出来る設定があれば便利だったのだが。 -一長一短な『8』の「頭文字Dファクトリー」。 --ターミナルを使用せずともこれをする事が出来るので、オペレーター側にとってはターミナルを購入する必要が無くなる等、メリットは大きい。~ 反面プレイヤー側からしてみれば一々移動する手間が省けるのは良いが、筐体が占拠されている時に設定がしたくても出来ない状況が発生する可能性が出ると言ったデメリットもある。 ---- **問題点 ''車種・コースの問題'' -''収録車種のラインナップがかなり偏っている。'' --原作のバトルシーンに登場している車種以外は殆ど収録されておらず、追加車種はライバルが乗っている車ばかりで、無関係の車が収録される事は少ない。~ 数少ない無関係車も殆ど((純正車だけでもMR-S、プリウス、2種の86(試作車の「FT-86」・前期型)、S14後期型、R34スカイラインGT-R、2種のR35型GT-R(前期型の通常グレード・中期型の「NISMO」)、S2000、2代目ロードスター、RX-8、ランエボVII・IX・X、GC8インプレッサ4ドア、2種の2代目インプレッサ(前期型・後期型)、BRZの計18台。))が原作登場車と関連する車種である。この内、数台はゲームの後に原作にも登場((登場順にR34とS2000、ランエボVIIと2代目ロードスター、MR-Sの5台。アニメのみ86も脇役で登場している。))したが、それを抜きにしてもCOLOR(red){ある意味原作尊重のし過ぎ}である。 --『6』以降の隠し車種の使用条件は走行距離かプレイ回数で解禁される形式だった為、使いたいだけでも相当な労力と金が必要。しかも''カード未使用時は如何なる方法でも選択不可能''。~ ただ作品によっては筐体に特殊コマンド((『6』の場合、オンラインアップデートの直後に方法が発表されていた。))を入力することにより、オフライン店舗でも解禁可能になっているだけでもまだマシではある。 -「1プレイ=3分」というアーケードゲームのお約束を守りすぎなコースデザイン。 --殆どのコースで道幅拡張やコーナー角の変更といったデフォルメが加えられており、それらの変更は「走りやすい」と好評だが、~ 上記のお約束のせいか、原作の重要シーンで登場した一部の峠は3分以内に走りきれるように極端にデフォルメされていたり、未登場の峠もある。 --八方ヶ原・土坂・筑波・定峰・七曲りは原作の区間だけでは短すぎる為、原作に無い部分も収録((特に、土坂は原作に於けるスタート・ゴール地点のトンネルをそのまま通り過ぎて県境を跨ぐ。筑波と定峰ではコース途中で交差点を曲がって、別の林道を走る構成になっている。))してコース長を延長、逆にもみじライン・椿ライン・箱根は後半部分のみ収録している。 ---中でも定峰と椿ラインは極端ともいえる一部道幅の拡張((定峰の直線部や両コースでのヘアピンコーナー外の舗装路肩は初見でも何となく違和感を感じるほど拡幅されている。))・コーナー角変更がなされており、外見のリアルさを重視するプレイヤーやファンからは不評だった。 --碓氷は『Ver』シリーズ・『6』以降共に、実際と殆ど似ていない架空の2周周回コースとなっており、ファンからは悉く不評。 ---しかも『6』で復活した碓氷もコース形状こそ全変更されたものの、これまた実際と似ていなかった為、一本道仕様や下記の「真」版を期待していたファンからは顰蹙を買った。~ PS2版『Special Stage』の実際の碓氷峠を再現した「真・碓氷」は、原作そのままだと完走に8分も掛かると言う事で半分に短縮((7,429m。原作登場区間は14.8kmで、しかもコーナーが更に密集している箇所がある。))された上で収録された位。~ それでも走行時間はシリーズ中最長の4分超え。因みに最長コースは『8』で追加された「箱根」の10,764mだが、平均速度がかなり高いので走行時間は普通である。 ---当時の競合作だった『[[バトルギア4]]』では、普通にプレイすると5分以上は掛かるコース((モンテカルロのチュリニ峠を舞台とした「超弩級」の場合。コース長も7,403mと「真・碓氷」と同じ位である。))を収録している為、''本作の場合は「回転率(利益)最優先」と受け取られても仕方ない''だろう。 --『Ver.3』までの架空の周回コースの「妙義」と『4』の新コースである「秋名湖」は、対戦時の勝負どころがヘアピン1つだけで不評だった。 ---妙義は『4』から道幅が妙に広い等の架空コースとして一本道仕様が収録され(同時に難易度も中級に昇格)、『5』からコーナーがより鋭利になってアレンジされた。~ それでも難易度調整等の理由を差し引いても『Special Stage』に本物を忠実に再現した「真・妙義」があるので、そちらを収録して欲しかったという意見が多かった。 ---『8』からは明らかに「妙義」より難しい「赤城」「秋名」も中級に格下げ(元々は上級)されたので尚更である。 ---秋名湖は『5』でレイアウトが実際の榛名湖に近くなり、勝負どころのヘアピンが3箇所に増え、対戦時の白熱性もある程度改善された。~ …のだが、『6』でこのコースでの車の最高速と周回数が3周から2周へ減少し、今度は走行時間が他コースより若干短いという弱点が出来てしまった。 --原作に登場していた塩那、正丸、間瀬、ヤビツは登場しなかった。 ---この内塩那と正丸は『Special Stage』で登場し、正丸は『Ver.3』でアーケードに進出したが、『4』以降は未登場に終わった。 ---コースは[[ゲームに向いているか等を鑑みて選考>https://twitter.com/initialD_AS/status/611819890224136192]]しており、それを考慮すると収録が難しそうな間瀬((バトル区間の全長が他コースより大分短い上、コース構成も直線が多く、ヘアピンコーナーがまばらで、尚且つ道幅も若干狭い。))は勿論、~ 『Special Stage』で登場していた塩那と正丸、特徴に富んだヤビツ((激しい高低差に狭い道幅、コース構成もツイスティな序盤・直線主体の中盤・急なヘアピンを皮切りに中低速コーナー主体へと移る終盤…と特徴が多い。))を、デフォルメをしてでも収録してほしいと公式に要望するファンは多かった。 -『4』になって基板の大変更によるグラフィックの再制作に手間取ったらしく、車種とコースの大幅なリストラが発生してしまった。 --一応、続編毎に車やコースの復活・追加が行われ、『8』でほぼ全てが復活したのだが、やはりペースが少々遅かったと言わざるを得ない。 ---『8』でも復活できなかった車種とコースもあり、車はS14後期型シルビアK'sとGC8インプレッサ4ドアの2台が該当する。~ インプレッサはVer時代では隠し車だった2ドア版が『4』以降は代替車種として継続登場しているが、S14後期は事実上無い((同じS14型シルビアとして、前期型のノンターボ車「Q's」が継続登場しているが、外見や性能が大きく異なっている。))。~ コースは「正丸」のみ未復活。恐らく他のどのコースよりも道幅がリアルサイズで狭く、難しいからだろう((公式・非公式問わず、大会でも意図的にハブられている事があった位であった。))。 --グラフィックの出来自体はパワフルなPCベースに相応しくHDクオリティに作り直されており、基板が変わる毎にきちんと美麗になっていったのは評価点ではある。 ---但しVer.3までのNAOMI2基板によるグラフィックは、車のブレーキディスク等のディティールが再現されていたが、パッと見は平凡な出来であった((『Ver.2』稼働の2002年下半期には、NAOMI2よりもパワフルなXbox互換の新型基板「Chihiro」使用の第一弾である『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッドIII』が既に稼働していた。))。 -一方、『湾岸マキシ』では原作やアニメ版にも未登場の国内外新旧のスポーツカー・スーパーカーや高速道路を精力的に追加し、常に高い人気を得ている事から、~ 本シリーズでも、原作で端役として登場していた国産スポーツカー((初代CR-Xや、中期型GTO、アルシオーネSVX等。因みに作中のライバル車である初代ロードスターやスープラも、初出はアニメ版の端役である。))や、ドラマCDに登場した峠等、完全新規要素の追加を望むファンが多かった。 --そして『8』の後継作として2017年に登場した『Zero』では、『4』の教訓やプレイヤーの要望はあまり生かされず、車種&コースのリストラが行われる事となってしまった。 ''カズタマイズの苦'' -『Ver.3』までは獲得ポイントこそ勝てば約10,000ptsと多いが、チューニングはリザルト後に1回しか出来なかった。その為ポイントとは別途に途方も無いクレジットが必要だった。 --この当時のチューニングの仕様は、「最初にチューニングメニューを選び、累計ポイント毎に設定されたエアロやチューニングを順番に装着していく」と言う自由が利き難いものであった。 -『4』からは獲得ポイントこそ変わらないものの、チューニングに必要なポイントがやや減少し、有料会員なら割と早い段階でフルチューンするのも不可能では無くなり、若干改善。 --ただ、『6』から獲得ポイントが勝っても約600pts位と大幅に減少する大改悪に巻き込まれた。 ---チューニングパーツはそれに合わせて値下げされたのだが、それも微妙過ぎる値段で、''フルチューンに80クレジット以上は掛かる''ようになり、「チューンを最優先しろ」と言われる程。 ---ドレスアップパーツの値段は有料会員にもならなければ(それでも辛いが)一部を除いて据置きなので、ドレスアップが異常なまでにやり辛くなってしまう二次被害が発生してしまった。 --『8』からチューニングはDコインでも出来るようになったが、時間の節約にはなるものの、要求Dコインが異常に多い。 ---結局は全国対戦モードで3連勝して約1,600ptを稼ぎ、チューンした方がギリギリ安上がりになると言う有様だった。 --しかも『4』から隠し仕様として、パワーチューニング(エンジン・駆動系及び吸排気系)を先に施すと、加速が相当もたつくようになる罠も採用されてしまった。この仕様は現行でも健在である。 ---一応対策としては、足回り系やボディチューンを先に施してから他の系統のチューニングを施していけば良いと思われるが、チューニングの順番がどれほど加速等のマシン性能に影響するのかは不明。~ ポイントの少ないパーツから買った方がポイントの効率が良くなる上に速くする事ができると言われるが、それでもどのようにして強いマシンを育てるかにはプレイヤー自身の試行錯誤が問われることも。 -『4』『4改』ではチューニングショップ自体が3プレイに1回しか現れないと上、3種類のチューニングショップが周期的に出現する不便極まりない仕様だった。 --因みに『6』からチューニングとそれ以外のパーツショップ3種は別枠となった。 -ATとMTの変更にいちいち用品系ショップで購入して交換する必要がある。しかも10,000ptsと結構高い。 --因みに''Ver.3までは一度決めるとカード更新(約50回分)まで変更出来ない''為、「最初はAT、慣れたらMTに変える」と言った事が難しかった。 --流石に『6』からは500ptsに値下げされた…が、普通にオプションから変更出来るようにすれば良いだけの話である。((因みに競合作の『湾岸マキシ』では普通にオプション画面でいつでも変更が可能である。)) -『4』以降のマイキャラパーツは種類が多彩なのだが、スロットで引いて当てるしか無い。 --''押した後徐々に停止する仕様のせいで完全な目押しは不可能''と特に目当ての物を獲得しようと頑張るだけでもストレスになる。 -有料会員でも''ステッカーとトランスミッションとボディカラーはストック出来ない上、パーツストッカーに関してはそれぞれ45個までしかストック出来ない''。 --因みに''無料会員だと付け替えたor装着しなかった際、前に装着していたor装着しなかったパーツは破棄される''。 ---『8』になってから獲得パーツの増加もあり、この仕様が余計に目立つ事となった。 ''露骨な課金過多仕様'' -『4』から頭文字D.NETが登場し、そこでステータスを見たり自由に獲得パーツのカスタマイズが出来るようになったのだが…。 --''無料サービスは冗談抜きで自分のデータと全国ランキング閲覧位しか出来なかった''。何の為のネットサービスだろうか。 ---では有料会員の方はと言えば…パーツの割引や獲得ポイントの増加等はわかるとして、各種パーツのストックや付替え、バトルコメント、他ドライバーの情報閲覧、全国対戦履歴等、~ 多くの競合他社では無料サービスである物が大量にある。その有料会員ですら今時出来ておかしく無い事が出来ない物もある等不完全な所が散見される。 ---前述のカスタマイズもその一つである。つまり有料サービスに見合っていない内容と言う事である。 ---これならば同社の『[[初音ミク Project DIVA Arcade]]』の「DIVA.NET」やタイトーの『バトルギア4』の「BG4ガレージ」のように基本無料サービスとし、~ 月額課金により特定の拡張機能が使用できるようになればまだ評価は違っていたのでは。 --極めつけはCOLOR(red){''頭文字D免許証の再発行からの引継ぎですら有料会員専用''}。カードを紛失した際は要注意。 ---因みに''再発行の為のカードの発行自体は会員登録しなくても出来てしまう''。勿論カード代込。新しくカードを作る際は要注意。 -『8』からDコインでしか出来ない要素が登場したが…これまた無料で済む要素にも必要だったり余りに高額と言う事もあり全体的にぼったくり仕様。上記のチューニングに関しては言わずもがな。 --Dコインを使って露骨に自分が有利になれる公式チートじみた機能もある。最大3つ相手にコースを選択出来なくさせる機能(バリケード)や昇格戦や降格戦に再挑戦等。 --『バトルギア』では無料である「タイムアタックで前回の走りをゴーストとして登場させる機能」ですら、Dコインが3枚も必要だった。~ 新要素である専用マイキャラパーツを獲得するマイスロットが称号ですら5枚必要で、パーツが12枚、フレームは36枚とソシャゲのガチャを意識したかのような仕様((こうしたソシャゲのガチャを意識したかのような有料特典の仕様は、ある意味ソシャゲをメインに開発するようになった近年のセガの企業情勢を体現する一面だと言えるのかもしれない。))。 ---バリケードに関してはそれ自体が批判されている等、Dコインで出来る事がゲームとして肯定的な要素ばかりでは無いのも更に批判を強くしていた。 --2016年7月には稼働2周年としてDコインの割引((昇降格戦再挑戦が8枚、ゴーストが1枚、マイキャラ称号が5枚、キャラスロットが8枚、マイフレームが24枚に値下げ。))が行われたのだが、プレイヤーからは時既に遅しと大して好評を得なかった。 ''カードそのもの&記録等に関する問題点'' -''『Ver.3』から『4』への引き継ぎが不可能''。コナミのKONAMI IDのようなシステムが無かったからか((因みにあちらはエントリーカード(磁気)→e-amuesment(IC)の引継ぎにKONAMI IDを使用して実現出来た。))。 --ただ仮に出来たとしても、今度は前述の収録車種絡みの問題も発生してしまう所もあるから複雑な所ではある。 -未だに1つのカードにつき3台までしか保存出来ず、''新規車種登録には追加料金が必要(標準設定100円)''。 --『8』から車を削除してもチューニング状況は保存され、また登録し直す時は追加料金が掛からなくなった…が、もっと保存台数を増やす事は出来なかったのだろうか。 -そしてこのゲームで最大の問題点と言える仕様は、''新作の引継ぎで殆どのデータが消える''点である。 --どう言う意味かと言えば、COLOR(red){''ガレージに保存されている車そのものとそれに設定されたトランスミッション(と一部の限定特典)以外のデータは全てリセットされる''}と言う意味である。~ 決して安くない投資をして育てたデータはここで一気に水の泡になってしまい、ほぼ全ての努力が無駄になってしまうのだ。 ---引継ぎ特典はあるが、ここでしか手に入らないのもあるとは言え相当軽いものであり、リセットされてまで貰えても嬉しく思えるかは微妙な所だろう。 ---公平性を期す意味でやっている可能性もあるだろうが、このようなやり方ではやり込んだ分多大な損害になってしまうし、何より''シリーズ物として流石に如何なものか''。~ ここだけはどう贔屓目に見ても流石に擁護不可能と言わざるを得ないレベルである。 --唯一の例外は『4改』→『5』への引き継ぎ時のみであり、愛車のチューニング状況の他走り屋クラスもそのまま引き継げた。また『6』→『7』への引継ぎに関しても少し例外で、不完全ながらある程度引継げた。 ---ガレージに保存されている3台のSPEC3までのチューニング状況、装着中のパーツ、公道最速伝説の進行状況のみ引継がれる。走り屋レベル、マイレージはドライバーズポイントに変換されて引継がれた。 --ちなみに新作の引き継ぎによるデータ消滅の問題は、Ver.1→Ver.2の時点で存在している。データ消滅のリスクの比較的少ない『4改』と『5』、並びに『6』と『7』に関しては基本システムが共通している一方、~ データが消失する『5』→『6』及び『7』→『8』の場合、これらの作品間ではゲームシステムが異なることから、恐らくゲームシステム面の違いによるゲームデータの互換性も関係しているとも考えられる。~ だとしても引継ぎの際に、何かしらの新システムに対応するようなポイントの変換位は出来る筈ではあるが。 ''基板、筐体自体から起因する問題'' -特に槍玉に挙がったのは『4』と『4改』の使用基板「LINDBERGH」のグラフィックボードの欠陥(と掃除不足による廃熱不足)によるグラフィックバグだろう。~ グラフィックボードの欠陥の為、『4』と全く同じ基板を使用していた『Let's Go JUNGLE!』でも発生していたが、このゲームに関しては特に顕著であった。 --コース上に謎のポリゴンの帯のようなものが登場し、酷い場合グラフィックそのものが変色し、[[こうなる(動画注意)>https://www.youtube.com/watch?v=D4Qt9T9wBjg]]事も。2008年6月に基板交換され解消された。 -『4』で変更された新筐体にも不評な点があった。 --モニターやスピーカーが『Ver』シリーズのブラウン管・シート搭載型から、より高品質なスピーカー付HDモニターになった。~ しかしスピーカーに関しては「『Ver.3』までより音質が悪く聴こえる」と言った声もあり、更にモニターも特に夜のコースが見辛くなった。 ---続編毎に徐々に改善したものの、結果として『4』では他のシリーズに比べてブラインドアタックが非常に難しくなってしまった。~ また、『4』におけるモニターの問題に関しては特に赤城夜コースにて顕著に表れており、車の目の前以外がほぼ真っ暗な状態なのである。~ その為コースレイアウトを覚えにくい初心者ほどコースの先が分からず壁に接触してしまうこともしばしばあったのだ。 --ボタン類は『Ver.3』まではプラスチック製だったが『4』から硬いラバー製に変更。従来以上に経年劣化により過剰反応を起こしたり、~ あるいは反応しなくなる、埋まってしまって入力しっぱなしになると言った問題が浮上。他社でも似た問題が往々にして発生していたのだが…。 --カードリーダーの性能限界もあるせいか、読み込み&書き込みが非常に遅くなった。 ---2007年当時として見ても明らかに問題な遅さであり、具体的には''読み込みで10秒~20秒、書き込みに30秒~1分、特に新規作成や引継ぎ時は約3分も掛かる。''~ 2010年11月にAime(及びバナパスポート)が登場した以後も、『4』の筐体を使用し続けた為、同筐体を使用した最後作『8』でもこの問題は改善されなかった。 --プレイヤーからはAimeに移行するべきとの声が上がっていたが、公式がそれに対応したのは筐体を再び一新した2017年稼働の『Zero』となった。 --何れも、使い所を誤ってしまってプレイヤーには逆に悪化したように見られてしまった感じか。 ''その他'' -『Ver.2』から「文太に挑戦!!」モードが実装されたが『4』で一旦消滅した。尤も『7』で「公道最速伝説」の1つとして形を変えて復活はした。 ---- **総評 原作ファンが大喜びする要素、全国対戦や協力プレイ等、今時のゲーマーや原作ファンが興味を示すような要素を盛り込んでいる所こそ大ヒットを飛ばした最大の要素だろう。~ 細かいエアロパーツ、そして実在するチューニングメーカーも協力している等、車好きも喜ぶであろう要素もあり、こう言う所では本格的である。~ その一方でクセがあり扱い辛く、筐体を破壊しかねない走法を推奨している挙動、ゲームバランスが不安定、課金要素過多等、~ 純粋なゲームとして見たら目に余る部分がそれなりにあり、普通にレースゲームとして楽しみたい人にはお勧め出来るとは言い難い。~ 他の原作付きゲーム以上にある意味ファン向けのゲームと言っても良く、良作になるのにまだ程遠い所もあり、改善の余地はまだまだあるだろう。~ つまりキャラゲーとしては良作、レースゲームとしては中の下辺りの凡作と言う事である。~ ''大人気で長続きしている物だから必ずしも出来が良い方向に安定しているとは限らないと言う事を身を持って知る事が出来るゲームとも言える。''~ しかしそれでも全国対戦や協力プレイはアーケードゲーム屈指の人気を誇っており、ハマる人にはハマるゲームといえるだろう。~ 対戦プレイや協力プレイが好き、腕に自信がある、難しいゲームが好きならCOLOR(red){''新作の度にデータが消えるも同然になる事を覚悟した上で''}やってみるのも良いだろう。 ---- **余談 -所謂廃人が大量に居る為か、[[その事に関してプロデューサーが直々に注意を促していた>https://twitter.com/arachu0902/status/617712234832113664]]。~ それ以前に廃人レベルにやらなくても十分に楽しめ、モチベーションが維持出来るゲームを作るべきで、それが廃人に対する免罪符にならないと受け取られても仕方ないであろう。 -本シリーズは初期の作品を中心に過去に何度か据置型及び携帯ゲーム機に移植されている。 --『Ver.2』がベースのPS2版『Special Stage』と、『Ver.3』ベースのPSP版『[[STREET STAGE>頭文字D STREET STAGE]]』、『4』&『4改』ベースのPS3版『[[EXTREME STAGE』の三作が存在する。 ---しかし現在に至るまで、4&4改ベースのPS3版を最後に家庭用ゲーム機への移植は行われていない。この為、競合作品の『湾岸マキシ』と共に「後発のシリーズからコンシューマ機への移植を一切行わない一方、露骨かつ悪質(水増し)な課金&貢ぎ要素が無駄に増加し、かつそれらの中にはコンシューマ移植を継続した上で収録されていれば概ね歓迎されるであろう物も含まれている」という傾向が見受けられるようになり、その面でも問題となっている。 ---だがその一方で公式ツイッターでのFAQにおけるプロデューサーの質問回答によると、久々の家庭用新作の発売予定についての質問に対して「ユーザーからの要望がより膨らみ次第検討もあり得るだろう」ともコメントしており、''決して家庭用移植版最新作の開発・発売への意欲が無くなったわけではない''模様。この他にも、「過去作(家庭用アーケードともに)をプレイステーションストアでPS3/PS4向けに配信すること」を希望する声も見られたり等、現在でも本シリーズの家庭用展開の再開を熱望する声が根強いことがうかがえる。仮に家庭用最新作を開発するにしても、やはりというべきか家庭用向け作品の開発費の巨額化に伴う採算面の壁をどう乗り越えていくかが課題となるが…。今後の展開や動向に乞うご期待、といった所か。 ---上記の通り現在最新作の家庭用移植が行われていない影響か、現地点でのコンシューマ版最終作にあたるPS3版のネットワークサービスは現在も継続中である。~ しかし発売から既に約7年が経過していることや、移植元の4&4改がシリーズの中でも不評点が多かった事等もありオンラインによる全国対戦の利用者は徐々に減少しつつある。
''この項目では2017年3月6日までに稼働していた8∞を中心に扱います。''&br() ''『頭文字D ARCADE STAGE Zero』以降の作品につきましては[[こちらの記事で記述してください>頭文字D ARCADE STAGE Zero]]。'' ---- *頭文字D ARCADE STAGE 【いにしゃるでぃー あーけーどすてーじ】 |ジャンル|レースゲーム|&image(initiald8.jpg,height=300)| |対応機種|アーケード&br;(Ver.1~3):NAOMI2&br;(4~5):LINDBERGH&br;(6AA~8∞):RINGEDGE|~| |発売元(Ver.1~3)&br;発売・開発元(4~)|セガ|~| |開発元(Ver.1~3)|セガ・ロッソ((Ver.3製作中にヒットメーカー(旧AM3研)に吸収合併されたが、名義上はセガ・ロッソのまま。))|~| |稼動開始日|Ver.1:2002年7月6日&br;Ver.2:2002年12月10日&br;Ver.3:2004年1月27日&br;4:2007年2月21日&br;4改:2007年7月21日&br;5:2009年2月25日&br;6AA:2011年3月3日&br;7AAX:2012年11月28日&br;8∞:2014年7月17日|~| |オンラインサービス終了日(8∞)|2017年4月27日|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|''大人気アーケードゲーム''&br;ファン垂涎モノの原作再現仕様&br;癖が強いゲームとしての仕様&br;筐体破壊ゲー&br;初心者お断り気味なゲームバランス&br;''課金要素過多''&br;''新作の度に進行状況リセット''&br;''キャラゲーとしては良作だがレースゲーとしては微妙''&br;|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[セガラリー>セガラリーチャンピオンシップ]]』や『[[STCC>セガツーリングカーチャンピオンシップ]]』を手掛けたセガ・ロッソ(旧セガAM5研)が、カーバトル漫画の金字塔であるしげの秀一の『頭文字D』を題材に開発したレースゲーム。~ 記録媒体として磁気カード((『Ver.』シリーズのゲーム中では「頭文字Dカード」と呼称。磁気カードとしては同社「Club Kart」や、ナムコの「湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE」(『3DX+』まで)等と同じ規格である。))を採用、『頭文字D』のキャラとバトルを行い、愛車をチューニングする要素が盛り込まれている。~ 『Ver.1』~『Ver.3』は、「Ver.」と書かれている通り、製品自体は新作としてリリースされているものの、シリーズ的にはバージョンアップ扱いである。~ しかしゲーム自体はUIが一新されていたり、登場車種やコースといった多大な新要素等で、事実上の新作となっていた。~ 開発元がセガへ吸収された後の2007年の『4』からはシリーズ的にも完全新作扱いになり、タイトルからVer.が外れ、基板や筺体も新型に変更。~ 新型筐体には上下左右の方向キーがメニュー画面操作用に追加され、記憶媒体も頭文字D免許証(ICカード)に変更された。~ 全作で順番待ちが出る程の人気を誇り、競合作の『[[湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE]]』(以下『湾岸マキシ』)とはアーケードのレースゲーム界を二分した。~ しかし単純にゲームとして見れば、根本的に癖が強い・問題のある仕様等のせいで、どの層にも満足出来るものとは言えない代物になってしまっている。~ ---- **モード説明 ''公道最速伝説'' -1人の走り屋として原作『頭文字D』に登場するキャラクター達とバトルする、いわゆるストーリーモードである。~ 長らく『5』までは、コース毎に決められたキャラから順不同に選択・バトルし、制覇して行くモードであった。 --2回目のバトルでは雪コンディションのコースを除いて天気は必ず雨になる。但し「中村賢太」と「坂本」とバトルする際は1回目でも必ず雨になる。 ---この二人は原作でも雨天の中でバトルをしていた為、原作再現である。 -『6』以降はバトル順が固定され、原作完結の約半年前に稼動した『7』では原作最終戦までのステージが追加された。 -原作完結後に稼働した『8』では、「Team Side」の副題通り原作登場の走り屋チームを転戦しながら関東最速を目指すと言う、『湾岸マキシ』に近い形式へ変更。 --指定された「ドラテク特訓カリキュラム」の条件を達成すると、達成状況に応じて「二流→一流→超一流」と評価が上がる。 ---とりあえず勝利すれば「二流」、指定された条件を一通りクリアーすれば「一流」、より厳しい条件をクリアーすれば「超一流」となる。 --全て「一流」以上でクリアすると、隠しシナリオの「Rival Side」が選べるようになる。~ 「Rival Side」では登場人物に成りきって、殆どの場合は本来と逆の結末を目指してプレイするシチュエーションとなっている。 ''タイムアタック'' -各コース、コンディションを自由に選択し、タイムを競うモード。 --『6』以降では「BRONZE、SILVER、GOLD、PLATINUM、SPECIALIST」のタイムが指定されている。とりあえず完走すれば「BRONZE」が取得出来る。 --『8』ではランク毎のタイム基準がかなり厳しくなり、超上級者並の腕前&そのコースの最速車種でないと最高ランクが取れないコースが発生した。 ---コース毎に総合的な性能が最高になる車種が存在しており、それを番長車、通称『番車』と言う。詳しくは後述。 ''全国対戦'' -『4』で追加。同時に全国対戦待ちしているプレイヤーを検索してマッチングし、対戦するモード。『5』以降はアジア地域のプレイヤーとも世界規模で対戦可能だった。 --マッチングの基準には、基本的にランク制が採用(『6』のみレベル制)されており、E3→E2→E1→D3…と続き、∞((『7』では「X」。『5』までは「SS」が最高ランクだった。))まである。 --「全国対戦」の戦績によって「走り屋クラス」もしくは「走り屋レベル」の昇格に必要なポイントが貯まり、満杯まで貯まれば次戦が「昇格戦」となる。~ 逆に敗北すると、高ランクではポイントが減少((『8』の場合はC1クラスまでは負けてもポイントが少し獲得出来、B3のみ負けてもポイントが減らず、B2~B1では2連敗以上するとポイントが減少する方式であった。))し、空になると「降格戦」となっていた。 ---作品によっては最高ランク到達で、如何に勝利しているかを表す「プライド」が追加され、勝利で上がり、敗北で大きく下がる方式だった。 -マイキャラパーツに必要な専用ポイントは基本ここで獲得する。 ''店内対戦'' -店内同士の2人で対戦するモード。''『Ver.1』のみはプレイしても何も報酬は貰えなかった''正真正銘のお飾り同然のモードだった。 --一部を除いて全国対戦と変わらず、かと言って『7』『8』では「プロジェクトDミッション」に関わる要素を獲得する時以外は特にやる必要の無いモードである。 --一応初めての対戦相手だった場合、「ニューライバルボーナス」としてマイキャラパーツに必要な専用ポイントが大きく貯まるボーナスはある。 ''タッグバトル'' -『6』で追加。同じゲーセンでプレイする人と2人でタッグを組んで「下り」と「上り」で役割を分担し、対戦する2vs2のバトル。~ 『6』では「全国タッグ対戦」「店内タッグ対戦」の2種類のみだったが、『7』で対CPUの「関東最速プロジェクト」が追加された。 --「関東最速プロジェクト」は「公道最速伝説」の2vs2バージョンである。 --「全国タッグ対戦」は、他のゲーセンでプレイしているタッグと対戦する全国対戦。 --「店内タッグ対戦」は、同じゲーセンでプレイしているタッグと対戦する店内対戦。このモードをプレイする場合は計4台の筐体が必要。 -2種類の対戦の時のみ味方同士のブーストの振分が出来、対戦状況でブーストの効き目を配分すると言う計画を立てる事が出来る。 -ルールはコース上にあるゴールドとシルバーのAマークの「エースパネル」を取るとスコアが加算され、最終的にそのスコアが多い方が勝ちとなると言った物。 --ゴールドは2pt、シルバーは1pt。勿論取りこぼす事もあるのでその点は注意。その場合はポイントは獲得出来ない。 ---ゴール地点の「エースパネル」はスコアが2倍になる。 ''走り屋イベント'' -『5』で追加。期間限定で多様なイベントが開催され、その期間内でのランキングを競うモード。 --出場レギュレーションはその都度変わり、コースとルート指定の他、車種を指定される事も。~ 何れのイベントも、イベント終了時に成績が「入賞ボーダー」か「ランクインボーダー」を超えていれば報酬が獲得出来た。 ---更に「ランクインボーダー」を上回ればランクインとなる。此方でしか獲得出来ないパーツもある。~ そしてトップ10に入れば、筐体のデモ画面に表示されるようになる。 -イベントは「タイムアタック」「対戦」「ドリフトコンテスト(ドリコン)」の3種類がある。 --「タイムアタック」は指定されたコースとルートでタイムを競う。 ---極一部のイベントでは一発勝負だったり、左右反転したミラーコースが登場したりもした。 --「対戦」は指定されたコースで対戦を行い、勝敗結果等に応じて変動する「勝敗スコア」と、~ チェックポイントを先行して通過した際に増える「セクションスコア」を合計したスコアを稼ぐ。 --「ドリコン」は特定コーナーでドリフトした時に獲得出来る「レーススコア」を稼ぐ。 -規模は「全国大会」「地方大会」のどちらかとなる。 --「全国大会」は日本全国とアジア全体で競う。「地方大会」それぞれの地域別で競う。 ''文太に挑戦!!'' -『Ver.2』と『Ver.3』に存在した上級者向けモード。選択したコースの下りルートで伝説の走り屋「藤原文太」と勝負する。ポイントが必要なのでカードを使わないとプレイ自体が出来ない。 --内容は最初にポイントを賭け、文太と勝負する事に特化したモードだが、これがとても速く、「公道最速伝説」の高難易度よりも難しい。 --必要ポイントは、Ver.2では文太レベル毎に賭けるポイントが変わっており、Lv.1~10までは1,000pts、Lv.11~20は2,000pts、Lv.21~30までは3,000ptsである。Ver.3は一律4,000pts。 ---勝てば他モードより多くのポイントが貰えるが、敗北するとポイントは全没収となる。 --選択コースはVer.2では上級以上のみだったが、Ver.3では全コースで選択可能。Lv1~30(Ver.3は15まで)まであり、レベルの区切りはVer.2では10の倍数、Ver.3では5の倍数となっている。 ---レベルの区切り毎に文太の搭乗車種が「AE86トレノ」→「AE86トレノレースエンジン換装」→「文太仕様インプレッサ」へ強化されていく。 --最終的にはCOLOR(red){''車種とコースの組合せ次第ではクリア不可能になる''}程の難易度になる為、文字通り無理ゲーにもなりうる可能性もあると言う真の上級者向けモードだった。 ---コンティニューは出来ず、強制的にカードは排出される。 --『7』では仕様を大幅に変えて復活し、『8』では公道最速伝説クリア後のインフィニティランクで様々のコースの上下線で登場する。~ 『8』では『7』よりも文太のゴールタイムが若干緩くなって弱体化しているが、他ライバルよりも明らかに速いのは相変わらず。 ---一応、原作で明確に「プロジェクトDの3人より速い」とされている数少ない人物なので、''原作再現と言う意味では''間違ってはいない。 ---- **評価点 ''原作を忠実に再現した演出'' -レースBGMは、『頭文字D』ではアニメで使われ、過去には『STCC』でも用いられたエイベックス社のスーパーユーロビート(SEB)を採用。~ エイベックス社の権利物故に過去作のBGMが使いにくく、毎作入れ替わると言う問題はあるが、何れの作品でも厳選チョイス・編集がなされている。 --『Ver.3』と『5』以降では、SEBのアルバムからセガ独自の選曲も行われるようになったが、これもまた各コース及びキャラの雰囲気と見事にマッチしており好評。 ---『7』のみ過去作の『Ver.2』と『Ver.3』のユーロビートが再録、同作と同じコースのデフォルトBGMに採用され、ファンには非常に高く評価された。 --『Ver.2』以降の作品ではオープニングBGMにアニメ同様「m.o.v.e」の「Gamble Rumble」を採用、『4』以降はオープニング・エンディング共に新曲を採用している。 --メニューやデモシーンといったセガオリジナルBGMも総じて雰囲気にマッチしており、高評価。全作で使用されているゴールBGMは特に印象的だろう。 -原作の有名シーンの台詞等がゲーム中に上手く組み込まれている等、原作ファンをニヤリとさせる要素。 --一部キャラは搭乗車種でバトル前デモやバトル中の台詞も変わる等、芸が細かい所も。特に「東京から来た二人」の台詞は殆どがオリジナルで、その多さは必見レベル。 --『4』以降の各種デモは「リアルタイム水彩シェーディング」を用いた3Dキャラが登場し、下記のボイスも相まって''まさにアニメ版の世界に入り込んだ雰囲気を味わえる。'' ---『4』ではその場で腕を動かす、アップでのみ激しく動く程度だったキャラのモーションも、続編ではより自然な動きに進化。『6』以降は車内シーンも追加された。 -アニメの声優陣を全員起用と言うこだわり仕様。 --発売当時にアニメ未登場だったキャラは[[オーディションを行い声優を選考>https://twitter.com/initialD_AS/status/611816241095794688]]、後にアニメに登場した際に当ゲームの声優陣が採用された程。~ アーケード作品でも『4』から全キャラクターが全てのシーンでボイス付で喋るようになり、臨場感がより増している。 --声優が全交代された新劇場版が出た後にリリースされた『8』でもボイスはTVアニメ仕様である。 -公道最速伝説でのライバルと戦う雰囲気は抜群。 --上記要素に加え、土坂の工事現場とオイルや、藤原拓海は溝落とし((ヘアピンコーナー手前の道路脇の側溝にタイヤを突っ込ませ、ヘアピンを強引に曲がる手法。現実ではタイヤの破損、最悪は車がバランスを崩して横転する可能性が有り、替えが効くラリーぐらいでしか使われない走法。))やブラインドアタック((夜間で相手の後ろを走行中にヘッドライトを消灯し、自分の位置を悟られにくくする手法。))を使用して来る等、あたかもキャラ本人と戦っている雰囲気を味わえる。 -キャラクターの車も原作再現仕様。 --''ナンバープレートの数字や地名等も全員再現''されており、外見も極々一部((ステッカー等の細かすぎる点を除くと、『Ver.2』以降の「中村賢太」のS14前期型シルビアはボディカラーがオリジナルのオレンジではなく純正色の赤、『Ver.3』までの「東京から来た二人」のS15シルビアはマフラーが純正のまま、『5』以降の「小早川」のランエボVII、『6』以降の「池田竜次」のZ33フェアレディZと「北条凛」のR32GT-R、『8』の「川井淳郎」のスカイラインは細部が純正のまま。))を除いてほぼ完全に再現されている。~ 3ドアトレノの「レース用エンジン」等、チューニングパーツも一部車種ではそれぞれの搭乗キャラに対応したものが装着されるのもミソ。 ---ステッカーのチームロゴ等も原作・アニメ第一作仕様((原作・新旧アニメの全てで異なる秋名スピードスターズは原作仕様の黄色ステッカー。))のものが採用されている。 --因みに一部実在パーツ((「藤原拓海」のトレノのカーボンボンネットやリアゲートは日本のj.blood、「二宮大輝」のシビック・「御木」のセリカのホイールはイタリアのスピードライン社製ホイールほぼそのものだが、何故か許諾を取っていない。))や純正で実在しないオリジナルパーツは、メーカー名が「頭文字D」となっている。 -原作にもあった技を自分も使用できる。 --定番の溝落としは秋名限定で可能で、妙義の歩道乗り上げ、いろは坂の「インベタのさらにイン」((ヘアピンコーナー内側のガードレールが途切れた路肩(というよりも極小の崖である)に車を突っ込み、そのまま下へ飛び降りる走法。現実では車の何処かがほぼ確実に壊れる危険行為である。))、もみじライン・筑波では溝跨ぎも出来る。 --走行中に前述のブラインドアタックも可能。『4』以降はスタートボタン3秒長押しでもう一度スタートボタンを押すと即座に点灯可能((『Ver.3』まではスタートボタン2秒長押しでそれぞれ切替する方式だった。))。 ''非常に自由度の高いカスタマイズ'' -多数の実在するメーカーのエアロと原作再現オリジナルパーツが収録されており、全キャラ毎の仕様をほぼ再現する事も可能。原作ファンは勿論、車好きにもたまらない仕様。 --ただしナンバープレートの登録地域はデータを作成した店舗のある都道府県の物の中から選ぶ形式で、ナンバーもランダム決定な為、残念ながら「完全なキャラ仕様」は不可能。 -エアロが部分ごとで融通が利く上、それぞれの箇所に多くて10箇所位用意されている。僅かだがエアロセットもあるが、これらもメーカーが実際に出した物を再現したものである。 -''純正色の変更にも20,000pt、オリジナルカラーで100,000pts以上と言う異常に法外な値段とは言え''ボディカラーも自由に変更可能。 --かつては有料会員専用であった上、純正色に戻す事が出来ず、やはり100,000ptsもした。 -更には根本的なメーターデザインや、果ては他ゲーでは実現出来(てい)ないカウント時の効果音を原作キャラのカウントボイスを付け加える事も出来た本格仕様。 --後述の制限さえ無ければ文句無しのカスタマイズ仕様だったのだが…。 -車種登録時にナンバープレートの地名を自由に選択する事が可能である。種類もそれなりにある。但し前述の通り、番号はランダムと言う問題はある。 ''目立った極端な車種差が無い'' -『湾岸マキシ』の厨車に相当する車が無い訳では無いが、極端なバランスブレイカーや弱過ぎて終わっている車種は目立って存在しない。~ 技術さえあれば、どの車でも対等に勝負出来ると言っても良いだろう。『8』では公式が定期的に性能差を埋めるアップデートを行い、公式発表していた位である。 --実は''コース毎に車種の性能が可変するシステムがある''ので、タイムアタックに関してはそれぞれのコースの番車に独占されている為(例外もあるが少ない)、別の意味で問題ではある。 ---大抵の番車はそのコースを本拠地とするキャラの車で、後述のハチゴー等原作でネタにされた車種は遅め等、ここも原作再現。やり込んでいなければ気づき難いものではあるが。 --強いて言えば「AE85(ハチゴーレビン)」「プリウス」「インテグラ」「カプチーノ」の4車種が「弱い」とされたが、その殆どにれっきとした理由((AE85は原作の時点で「ハチロクと比べると露骨に遅い」という扱いだった。プリウスは原作に登場しておらず、そもそも燃費重視のハイブリッドカーであり、セガ側の一発ネタの要素が強い。カプチーノはあくまで「軽自動車の中では最速の車」であり、原作ではいざ走り出すまでは出落ちのような扱いだった上、強かったのは「ドライバーがプロのラリードライバー」だった為。))がある。~ そして4車とも''ちゃんとチューニングと練習を積めば、困らない程度には速くなる程度の弱さに抑えられている''。 ---インテグラとカプチーノは、それぞれ『Ver.2』『5』までは寧ろ最強車種として全国で猛威を振るっていたが((但しカプチーノは『Ver.3』以前はあまりにも小回りが利き過ぎるが故に逆に独特な挙動の癖の強さが目立つ性能となっており、扱うには相当の慣れを要していた。))、続編で性能が大幅に弱体化され完全なネタ車に転落している。 ''着実に改善されていったUI等'' -『Ver.1』はそれぞれの車種のハンドルの重さが再現されていたが、「重い」「疲れる」と言った声もあり、『Ver.2』から反力機構の効き具合を調整出来るようになった。 -『Ver.3』までは磁気カードに1台までしか保存出来なかったが、『4』から1枚のICカードに3台分のデータが保存できるようになった。~ ''2007年当時だったら''許せる仕様だったのだが、この仕様は2014年稼働の『8』までそのままだった為、結局は問題点になってしまっている(後述)。 --150回まで使用可能(コンティニューは無限)で、それ以降はオンライン筐体で更新が必要。ランク等の共通しても問題無い所はきっちり全車共通で、更に車の削除も出来る。 -『8』ではメニューの仕様が全体的に変更され、「頭文字Dファクトリー」に入れば無料で5分間の設定変更等が出来るようになった。 --ゲーム開始前のアトラクトで視点切替ボタンを押して「ファクトリーメニュー」を選択して頭文字D免許証を挿入するか、~ 通常通りゲームをスタートしても、スタートメニューのモード選択で「ファクトリーメニュー」を選択すれば入る事が可能。 --更に車を削除してもチューニング状況等が保持されるようになった上、再登録時は追加料金が不要になった等、無駄を無くす仕様がより増えた。 ---因みに『7』までは1つの設定しか出来ない不便な代物であり、『Ver.3』までは『湾岸マキシ』と同じスタイルであった。 --チューニングやマイキャラパーツのスロットに使える「Dコイン」や、頭文字D.NETの有料会員(以下有料会員)利用権30日分も筐体から購入可能になり、課金に対する煩わしさを減らした。 ---Dコインは12枚(100円=1枚/8.3円)・40枚(300円=1枚/7.5円)・75枚(500円=1枚/6.7円)の3種類。一度に多く買えばそれだけトータルコストが安くなる。 ---注意すべき所は購入してから有効期限は2ヶ月であり、使用しなかった場合は最初に有効期限が切れる分が無効になってしまう所である。~ 因みに自動更新されないものの(予め期間を延長させる事は可能)、筐体から利用権を購入した場合は300円で、公式サイト経由で入会するより安くなっていた。 --コンティニューチケットも採用されており、獲得すれば1クレ分無料で遊べ、同日にまたそれを1枚獲得する事も可能((後者のみ手に入る事もある。基本使えるのは翌日から。))。但し''1週間経過すると無効になる''ので注意。 --ただ、後述の仕様のせいで、結局は無用の長物になっているシステムもあるのだが…詳細は後述。 ---- **賛否両論点 ''CPU戦の壊れているゲームバランス'' -CPU戦において、急加速していきなり追い上げて来る鬼補正が掛かる箇所が必ず1箇所以上設けられているライバルが居る。 --更に後述の物理演算も相まって、抜かれてもう抜かせない事態になるのも往々にして起こる。初心者が挫折しかねない要素と言って良いだろう。~ ゴール直前で相手が勝っているとブーストを発動して遥か彼方に行ってしまったり、かたや余裕な時は幾らでも離す事が出来る等、非常に極端である。 --秋名の5連続ヘアピン前のセクションで急加速してくる藤原拓海や、幾らでも離せる位に遅い東京の二人やニセプロジェクトDなどが主に該当するが、~ これらに関しては原作再現の要素が絡むものもある為決して擁護不可能というわけではないのだが、『5』までは頭文字D免許証のデータ設定で敵車レベルが調整可能((敵車レベルはVer.3まで易しい、普通、難しいの3段階で、普通がデフォルト。以降は0~10の11段階で、デフォルトは0。又、公道最速伝説を1周する毎に選択選択出来る上限も変わる。))だった。~ せめて敵車レベルに応じてライバル補正が掛かるようにするような調整は出来なかったものか。 --『6』以降は敵車レベルは固定で調整は不可能となり、敵車も殆どが接待気味な走りに徹するようになってしまった。 ''全国対戦の根本的に壊れていたゲームバランス'' -全国対戦のマッチングは完全自動だが、これが危険な代物で、あくまで今全国対戦待ちしている同じor近くのランクの人でしか絞れておらず、''チューニング状況や勝率等が殆ど考慮されない''。 --早い話、''同じor近いクラスであれば全くチューニングされていなかろうがフルチューンであろうが勝率が20%や100%であろうが同じ土俵で戦わせられる''事である。 ---『4』以降の作品では、勝率に関しては考慮されるよう修正されたがそれでも不完全である。 -初期の作品では、後ろの車が速くなる「スローカーブースト」の仕様が余りにも鬼畜で、''距離が縮まってもブースト効果がすぐに薄まらなかった''。普通なら距離に応じて効き目が可変するものである。 --その為わざとスタート時に加速しなかったり、レース中にかなり逆走してその後ギリギリ張り付いてゴール直前であっさり抜かす、等と言ったレースゲームとしてあるまじき戦法をするユーザーが多発。~ 後者は原作の「シミュレーション3」((予め抜かすポイントを定め、それまでは敢えて抜かずに相手の行動をリサーチし、抜かすポイントに差し掛かったら一気に抜かすと言った戦法。))をある意味再現していると言えなくも無いが、このような歪な形で再現されるのはレースゲームとして流石にどうなのか。 --実際『4』の頃のセガの公式大会でスタッフが「ちゃんと走ってください」と言ったにも関わらず、プレイヤーは無視してタイムアップで決着を付けさせた((因みに対人戦でタイムアップになると、前を走っている方の勝ちになる。))事例もある。 ---店舗毎に開催されていた大会だが該当する店舗では開発者も居た。 --更にブーストが効いてもハンドリング性能はそのままなので、返って操作が難しくなるケースも。かと言ってオフで戦うと、チューニング差がある場合、完全に追いつけなくなる危険がある訳なので…。 ''癖があり独特な挙動'' -まず最初に『Ver.1』の時点でホバークラフトのように動く物理演算。 --壁も車との接触判定もドジョウのようにヌルヌルとしており、極めて独特。この挙動自体は『セガラリー2』とほぼ同じなのだが、本作ではブロックされたらお終いの可能性を孕んでいる。~ これら設定に関しては「峠と言うコーナーが急かつ多い所を走るゲームなのでそのようにした」「細かい事は言わないで「イニDごっこ」を楽しんでほしい」と開発者は語っている。 --但し初期3部作の挙動は、爽快感を重視し、難解な事をせずともカッコ良い走りがキメれると言う、「''誰でも速く走れる''」のコンセプトと合致していると言える物だったので、挙動自体は好評ではあった。 -上記の仕様に更に追い討ちを掛けるように『4』以降で余計な仕様が追加されてしまった。 --コーナーごとに見えない制限速度があり、それを越すと強制的にアウトに流れると言う苛立たせる仕様はその最たる例では無いだろうか。 --『4』では非常に難しいもののそれをキャンセルする裏技があったが、マイナーチェンジ版の『4改』ではそれが廃止。更に壁に少し接触しただけでより減速するようにもなった。 ---この為、『5』以降は後述のような致命的な欠点はあるものの、操作性という観点で見た場合最も挙動に癖が強いのは4シリーズだといえる。 ---前述のような見えない制限速度に加え、『4』でのアンダーステアをキャンセルする裏技の他、さらに4シリーズでは全作中最も加速が重い設定な上にパワーバンドも狭い為、~ 「新走法」と呼ばれる特殊な走法を駆使しないと最高速度が思うように伸びず、タイムアタックでの記録が頭打ちになってしまう。 -『5』で『4』での補正はある程度解消されたが、新たな問題が発生した。 --当時は不評が少なくなかったものの、従来より遥かにリアリティや重みをそれなりに感じる挙動となり、この挙動は現在に至るまでの基礎となった。 --ただ、コーナーリングすると高回転域でも目に見えて回転数が落ちて失速する要素が追加されてしまった。急カーブを曲がるとなったら大きく失速してしまう。~ 相対的に最高速度と見合っていないバランス。この影響でこの現象を回避させる為に''ペダルを反復運動的に乱暴に扱う「パタパタ走法」が誕生してしまった。'' ---このゲームはペダルがスポーツカーのように固めなので強い力で踏まないと上手く成功しない。もっともそうで無くとも強くやってしまう人はやってしまう。 --幾ら筐体が頑丈とは言え筐体を破損する可能性が高い上、プレイヤーが怪我をする可能性もある危険極まりない走法なので、本来ならば許されざる行為である。 --アクセルオフやブレーキを踏むと物凄い勢いでオーバーステアになる時期もあった。『6』以降は抑え気味に調整されてはいる。 -『5』よりハンドルを切った角度・溝跨ぎ((特定のコースのみに存在する溝を一定速度以上で跨ぐ行為。失敗すればカーブの方向の車輪が溝に落ち、大幅に失速する。秋名の溝を使った溝落としとは別。これらはちゃんと原作にも存在する。))の成否・壁への接触によってタイヤが磨耗していく、通称「タイヤ温存システム」が追加された。 --タイヤが激しく磨耗してしまうと、バトル後半で露骨に加速力が鈍ってしまう。この要素は「駆け引きを楽しめる」「爽快感を落とす」と賛否両論。 --計算的に走りたいリアル志向なユーザーからは評価されているが、単純にレースゲームを楽しみたい爽快感を重視するユーザーからは否定的な意見が強い。~ 原作でもタイヤの使い方で賭けるシーンが複数あるので、原作再現としては殆ど正しいのだが…。これも『5』でのタイヤ磨耗が極端だったからこそだろう。 ---『6』以降は下記のドリフトによるタイヤ温存要素の導入と、磨耗時の性能低下率が若干抑えられた事で、一応の解決を見た。 -更に『6』で「ドリフト」要素が追加され、以降は続編毎に「パタパタ走法」の重要性が加速してしまった。 --特定コーナーでブレーキを踏んだ直後にアクセルを踏むと、メーター横の「DRIFT」の文字が光り、コーナリング中の減速とタイヤの磨耗を若干抑えられる。 --ドリフトには通常の青く光る「青ドリ」と、ハイスピードでドリフトするとオレンジに光る「黄ドリ」があり、後者は上記効果も大きくなる。 ---現実でのドリフト行為はタイヤを非常に磨耗させるものであり、''このような形で「パタパタ走法」を公式化した点は批判された。''~ ''ゲーセンのオペレーターからも批判が多い([[一例>https://twitter.com/ENPARA_EIWA/status/527281323950362625]])走法ではあるのだが、このゲームではこうでもしないと速く走る事が出来なくなってしまっている''ので結局は…。 ---COLOR(red){''『8』では公式にてこの走法を堂々と肯定的に紹介していた。''}約30年の歳月を経てもなお『[[アウトラン]]』のギアガチャからまるで反省していないようだ。 -やはりと言うべきか露骨なMT優遇というセガゲーらしい((昔からMTの方が「最高速が目に見えて高い」「シフトドリフトを使うことで無駄な減速を抑えたコーナリングが可能」「全体的に性能が高く、ATが完全に下位互換になってしまっている」ゲームを良く出していた。))所も。 --但しこのゲームはATでもシフトダウンだけ可能になっている(一定時間後自動シフトアップする)が、下げようと思った時には一気に2速分シフトダウンする事はザラ…と、使いにくい。~ 更にこのゲームは『5』まではレブ打ちを駆使しないとろくに走れない所もあり、緩いカーブが続く所ならレブ打ちさせて失速を防ぐ走りをしないといけないので一層MTの方が有利だった。 ''その他'' -強制終了はスタートと視点切替同時押しだが、''実行した瞬間強制終了で猶予時間無し''。 --即座にやり直せるメリットがある一方、誤って押してしまい、うっかり強制終了と言った事故も起こりうる等一長一短。長押しリタイアと切り替えが出来る設定があれば便利だったのだが。 -一長一短な『8』の「頭文字Dファクトリー」。 --ターミナルを使用せずともこれをする事が出来るので、オペレーター側にとってはターミナルを購入する必要が無くなる等、メリットは大きい。~ 反面プレイヤー側からしてみれば一々移動する手間が省けるのは良いが、筐体が占拠されている時に設定がしたくても出来ない状況が発生する可能性が出ると言ったデメリットもある。 ---- **問題点 ''車種・コースの問題'' -''収録車種のラインナップがかなり偏っている。'' --原作のバトルシーンに登場している車種以外は殆ど収録されておらず、追加車種はライバルが乗っている車ばかりで、無関係の車が収録される事は少ない。~ 数少ない無関係車も殆ど((純正車だけでもMR-S、プリウス、2種の86(試作車の「FT-86」・前期型)、S14後期型、R34スカイラインGT-R、2種のR35型GT-R(前期型の通常車・中期型「NISMO」)、S2000、2代目ロードスター、RX-8、ランエボVII・IX・X、GC8インプレッサ4ドア、2種の2代目インプレッサ(前期型・後期型)、BRZの計18台。))が原作登場車と関連する車種である。この内、数台はゲームの後に原作にも登場((登場順にR34とS2000、ランエボVIIと2代目ロードスター、MR-Sの5台。アニメのみ86も脇役で登場している。))したが、それを抜きにしてもCOLOR(red){ある意味原作尊重のし過ぎ}である。 --『6』以降の隠し車種の使用条件は走行距離かプレイ回数で解禁される形式だった為、使いたいだけでも相当な労力と金が必要。しかも''カード未使用時は如何なる方法でも選択不可能''。~ ただ作品によっては筐体に特殊コマンド((『6』の場合、オンラインアップデートの直後に方法が発表されていた。))を入力することにより、オフライン店舗でも解禁可能になっているだけでもまだマシではある。 -「1プレイ=3分」というアーケードゲームのお約束を守りすぎなコースデザイン。 --殆どのコースで道幅拡張やコーナー角の変更といったデフォルメが加えられており、それらの変更は「走りやすい」と好評だが、~ 上記のお約束のせいか、原作の重要シーンで登場した一部の峠は3分以内に走りきれるように極端にデフォルメされていたり、未登場の峠もある。 --八方ヶ原・土坂・筑波・定峰・七曲りは原作の区間だけでは短すぎる為、原作に無い部分も収録((特に、土坂は原作に於けるスタート・ゴール地点のトンネルをそのまま通り過ぎて県境を跨ぐ。筑波と定峰ではコース途中で交差点を曲がって、別の林道を走る構成になっている。))してコース長を延長、逆にもみじライン・椿ライン・箱根は後半部分のみ収録している。 ---中でも定峰と椿ラインは極端ともいえる一部道幅の拡張((定峰の直線部や両コースでのヘアピンコーナー外の舗装路肩は初見でも何となく違和感を感じるほど拡幅されている。))・コーナー角変更がなされており、外見のリアルさを重視するプレイヤーやファンからは不評だった。 --碓氷は『Ver』シリーズ・『6』以降共に、実際と殆ど似ていない架空の2周周回コースとなっており、ファンからは悉く不評。 ---しかも『6』で復活した碓氷もコース形状こそ全変更されたものの、これまた実際と似ていなかった為、一本道仕様や下記の「真」版を期待していたファンからは顰蹙を買った。~ PS2版『Special Stage』の実際の碓氷峠を再現した「真・碓氷」は、原作そのままだと完走に8分も掛かると言う事で半分に短縮((7,429m。原作登場区間は14.8kmで、しかもコーナーが更に密集している箇所がある。))された上で収録された位。~ それでも走行時間はシリーズ中最長の4分超え。因みに最長コースは『8』で追加された「箱根」の10,764mだが、平均速度がかなり高いので走行時間は普通である。 ---当時の競合作だった『[[バトルギア4]]』では、普通にプレイすると5分以上は掛かるコース((モンテカルロのチュリニ峠を舞台とした「超弩級」の場合。コース長も7,403mと「真・碓氷」と同じ位である。))を収録している為、''本作の場合は「回転率(利益)最優先」と受け取られても仕方ない''だろう。 --『Ver.3』までの架空の周回コースの「妙義」と『4』の新コースである「秋名湖」は、対戦時の勝負どころがヘアピン1つだけで不評だった。 ---妙義は『4』から道幅が妙に広い等の架空コースとして一本道仕様が収録され(同時に難易度も中級に昇格)、『5』からコーナーがより鋭利になってアレンジされた。~ それでも難易度調整等の理由を差し引いても『Special Stage』に本物を忠実に再現した「真・妙義」があるので、そちらを収録して欲しかったという意見が多かった。 ---『8』からは明らかに「妙義」より難しい「赤城」「秋名」も中級に格下げ(元々は上級)されたので尚更である。 ---秋名湖は『5』でレイアウトが実際の榛名湖に近くなり、勝負どころのヘアピンが3箇所に増え、対戦時の白熱性もある程度改善された。~ …のだが、『6』でこのコースでの車の最高速と周回数が3周から2周へ減少し、今度は走行時間が他コースより若干短いという弱点が出来てしまった。 --原作に登場していた塩那、正丸、間瀬、ヤビツは登場しなかった。 ---この内塩那と正丸は『Special Stage』で登場し、正丸は『Ver.3』でアーケードに進出したが、『4』以降は未登場に終わった。 ---コースは[[ゲームに向いているか等を鑑みて選考>https://twitter.com/initialD_AS/status/611819890224136192]]しており、それを考慮すると収録が難しそうな間瀬((バトル区間の全長が他コースより大分短い上、コース構成も直線が多く、ヘアピンコーナーがまばらで、尚且つ道幅も若干狭い。))は勿論、~ 『Special Stage』で登場していた塩那と正丸、特徴に富んだヤビツ((激しい高低差に狭い道幅、コース構成もツイスティな序盤・直線主体の中盤・急なヘアピンを皮切りに中低速コーナー主体へと移る終盤…と特徴が多い。))を、デフォルメをしてでも収録してほしいと公式に要望するファンは多かった。 -『4』になって基板の大変更によるグラフィックの再制作に手間取ったらしく、車種とコースの大幅なリストラが発生してしまった。 --一応、続編毎に車やコースの復活・追加が行われ、『8』でほぼ全てが復活したのだが、やはりペースが少々遅かったと言わざるを得ない。 ---『8』でも復活できなかった車種とコースもあり、車はS14後期型シルビアK'sとGC8インプレッサ4ドアの2台が該当する。~ インプレッサはVer時代では隠し車だった2ドア版が『4』以降は代替車種として継続登場しているが、S14後期は事実上無い((同じS14型シルビアとして、前期型のノンターボ車「Q's」が継続登場しているが、外見や性能が大きく異なっている。))。~ コースは「正丸」のみ未復活。恐らく他のどのコースよりも道幅がリアルサイズで狭く、難しいからだろう((公式・非公式問わず、大会でも意図的にハブられている事があった位であった。))。 --グラフィックの出来自体はパワフルなPCベースに相応しくHDクオリティに作り直されており、基板が変わる毎にきちんと美麗になっていったのは評価点ではある。 ---但しVer.3までのNAOMI2基板によるグラフィックは、車のブレーキディスク等のディティールが再現されていたが、パッと見は平凡な出来であった((『Ver.2』稼働の2002年下半期には、NAOMI2よりもパワフルなXbox互換の新型基板「Chihiro」使用の第一弾である『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッドIII』が既に稼働していた。))。 -一方、『湾岸マキシ』では原作やアニメ版にも未登場の国内外新旧のスポーツカー・スーパーカーや高速道路を精力的に追加し、常に高い人気を得ている事から、~ 本シリーズでも、原作で端役として登場していた国産スポーツカー((初代CR-Xや、中期型GTO、アルシオーネSVX等。因みに作中のライバル車である初代ロードスターやスープラも、初出はアニメ版の端役である。))や、ドラマCDに登場した峠等、完全新規要素の追加を望むファンが多かった。 --そして『8』の後継作として2017年に登場した『Zero』では、『4』の教訓やプレイヤーの要望はあまり生かされず、車種&コースのリストラが行われる事となってしまった。 ''カズタマイズの苦'' -『Ver.3』までは獲得ポイントこそ勝てば約10,000ptsと多いが、チューニングはリザルト後に1回しか出来なかった。その為ポイントとは別途に途方も無いクレジットが必要だった。 --この当時のチューニングの仕様は、「最初にチューニングメニューを選び、累計ポイント毎に設定されたエアロやチューニングを順番に装着していく」と言う自由が利き難いものであった。 -『4』からは獲得ポイントこそ変わらないものの、チューニングに必要なポイントがやや減少し、有料会員なら割と早い段階でフルチューンするのも不可能では無くなり、若干改善。 --ただ、『6』から獲得ポイントが勝っても約600pts位と大幅に減少する大改悪に巻き込まれた。 ---チューニングパーツはそれに合わせて値下げされたのだが、それも微妙過ぎる値段で、''フルチューンに80クレジット以上は掛かる''ようになり、「チューンを最優先しろ」と言われる程。 ---ドレスアップパーツの値段は有料会員にもならなければ(それでも辛いが)一部を除いて据置きなので、ドレスアップが異常なまでにやり辛くなってしまう二次被害が発生してしまった。 --『8』からチューニングはDコインでも出来るようになったが、時間の節約にはなるものの、要求Dコインが異常に多い。 ---結局は全国対戦モードで3連勝して約1,600ptを稼ぎ、チューンした方がギリギリ安上がりになると言う有様だった。 --しかも『4』から隠し仕様として、パワーチューニング(エンジン・駆動系及び吸排気系)を先に施すと、加速が相当もたつくようになる罠も採用されてしまった。この仕様は現行でも健在である。 ---一応対策としては、足回り系やボディチューンを先に施してから他の系統のチューニングを施していけば良いと思われるが、チューニングの順番がどれほど加速等のマシン性能に影響するのかは不明。~ ポイントの少ないパーツから買った方がポイントの効率が良くなる上に速くする事ができると言われるが、それでもどのようにして強いマシンを育てるかにはプレイヤー自身の試行錯誤が問われることも。 -『4』『4改』ではチューニングショップ自体が3プレイに1回しか現れないと上、3種類のチューニングショップが周期的に出現する不便極まりない仕様だった。 --因みに『6』からチューニングとそれ以外のパーツショップ3種は別枠となった。 -ATとMTの変更にいちいち用品系ショップで購入して交換する必要がある。しかも10,000ptsと結構高い。 --因みに''Ver.3までは一度決めるとカード更新(約50回分)まで変更出来ない''為、「最初はAT、慣れたらMTに変える」と言った事が難しかった。 --流石に『6』からは500ptsに値下げされた…が、普通にオプションから変更出来るようにすれば良いだけの話である。((因みに競合作の『湾岸マキシ』では普通にオプション画面でいつでも変更が可能である。)) -『4』以降のマイキャラパーツは種類が多彩なのだが、スロットで引いて当てるしか無い。 --''押した後徐々に停止する仕様のせいで完全な目押しは不可能''と特に目当ての物を獲得しようと頑張るだけでもストレスになる。 -有料会員でも''ステッカーとトランスミッションとボディカラーはストック出来ない上、パーツストッカーに関してはそれぞれ45個までしかストック出来ない''。 --因みに''無料会員だと付け替えたor装着しなかった際、前に装着していたor装着しなかったパーツは破棄される''。 ---『8』になってから獲得パーツの増加もあり、この仕様が余計に目立つ事となった。 ''露骨な課金過多仕様'' -『4』から頭文字D.NETが登場し、そこでステータスを見たり自由に獲得パーツのカスタマイズが出来るようになったのだが…。 --''無料サービスは冗談抜きで自分のデータと全国ランキング閲覧位しか出来なかった''。何の為のネットサービスだろうか。 ---では有料会員の方はと言えば…パーツの割引や獲得ポイントの増加等はわかるとして、各種パーツのストックや付替え、バトルコメント、他ドライバーの情報閲覧、全国対戦履歴等、~ 多くの競合他社では無料サービスである物が大量にある。その有料会員ですら今時出来ておかしく無い事が出来ない物もある等不完全な所が散見される。 ---前述のカスタマイズもその一つである。つまり有料サービスに見合っていない内容と言う事である。 ---これならば同社の『[[初音ミク Project DIVA Arcade]]』の「DIVA.NET」やタイトーの『バトルギア4』の「BG4ガレージ」のように基本無料サービスとし、~ 月額課金により特定の拡張機能が使用できるようになればまだ評価は違っていたのでは。 --極めつけはCOLOR(red){''頭文字D免許証の再発行からの引継ぎですら有料会員専用''}。カードを紛失した際は要注意。 ---因みに''再発行の為のカードの発行自体は会員登録しなくても出来てしまう''。勿論カード代込。新しくカードを作る際は要注意。 -『8』からDコインでしか出来ない要素が登場したが…これまた無料で済む要素にも必要だったり余りに高額と言う事もあり全体的にぼったくり仕様。上記のチューニングに関しては言わずもがな。 --Dコインを使って露骨に自分が有利になれる公式チートじみた機能もある。最大3つ相手にコースを選択出来なくさせる機能(バリケード)や昇格戦や降格戦に再挑戦等。 --『バトルギア』では無料である「タイムアタックで前回の走りをゴーストとして登場させる機能」ですら、Dコインが3枚も必要だった。~ 新要素である専用マイキャラパーツを獲得するマイスロットが称号ですら5枚必要で、パーツが12枚、フレームは36枚とソシャゲのガチャを意識したかのような仕様((こうしたソシャゲのガチャを意識したかのような有料特典の仕様は、ある意味ソシャゲをメインに開発するようになった近年のセガの企業情勢を体現する一面だと言えるのかもしれない。))。 ---バリケードに関してはそれ自体が批判されている等、Dコインで出来る事がゲームとして肯定的な要素ばかりでは無いのも更に批判を強くしていた。 --2016年7月には稼働2周年としてDコインの割引((昇降格戦再挑戦が8枚、ゴーストが1枚、マイキャラ称号が5枚、キャラスロットが8枚、マイフレームが24枚に値下げ。))が行われたのだが、プレイヤーからは時既に遅しと大して好評を得なかった。 ''カードそのもの&記録等に関する問題点'' -''『Ver.3』から『4』への引き継ぎが不可能''。コナミのKONAMI IDのようなシステムが無かったからか((因みにあちらはエントリーカード(磁気)→e-amuesment(IC)の引継ぎにKONAMI IDを使用して実現出来た。))。 --ただ仮に出来たとしても、今度は前述の収録車種絡みの問題も発生してしまう所もあるから複雑な所ではある。 -未だに1つのカードにつき3台までしか保存出来ず、''新規車種登録には追加料金が必要(標準設定100円)''。 --『8』から車を削除してもチューニング状況は保存され、また登録し直す時は追加料金が掛からなくなった…が、もっと保存台数を増やす事は出来なかったのだろうか。 -そしてこのゲームで最大の問題点と言える仕様は、''新作の引継ぎで殆どのデータが消える''点である。 --どう言う意味かと言えば、COLOR(red){''ガレージに保存されている車そのものとそれに設定されたトランスミッション(と一部の限定特典)以外のデータは全てリセットされる''}と言う意味である。~ 決して安くない投資をして育てたデータはここで一気に水の泡になってしまい、ほぼ全ての努力が無駄になってしまうのだ。 ---引継ぎ特典はあるが、ここでしか手に入らないのもあるとは言え相当軽いものであり、リセットされてまで貰えても嬉しく思えるかは微妙な所だろう。 ---公平性を期す意味でやっている可能性もあるだろうが、このようなやり方ではやり込んだ分多大な損害になってしまうし、何より''シリーズ物として流石に如何なものか''。~ ここだけはどう贔屓目に見ても流石に擁護不可能と言わざるを得ないレベルである。 --唯一の例外は『4改』→『5』への引き継ぎ時のみであり、愛車のチューニング状況の他走り屋クラスもそのまま引き継げた。また『6』→『7』への引継ぎに関しても少し例外で、不完全ながらある程度引継げた。 ---ガレージに保存されている3台のSPEC3までのチューニング状況、装着中のパーツ、公道最速伝説の進行状況のみ引継がれる。走り屋レベル、マイレージはドライバーズポイントに変換されて引継がれた。 --ちなみに新作の引き継ぎによるデータ消滅の問題は、Ver.1→Ver.2の時点で存在している。データ消滅のリスクの比較的少ない『4改』と『5』、並びに『6』と『7』に関しては基本システムが共通している一方、~ データが消失する『5』→『6』及び『7』→『8』の場合、これらの作品間ではゲームシステムが異なることから、恐らくゲームシステム面の違いによるゲームデータの互換性も関係しているとも考えられる。~ だとしても引継ぎの際に、何かしらの新システムに対応するようなポイントの変換位は出来る筈ではあるが。 ''基板、筐体自体から起因する問題'' -特に槍玉に挙がったのは『4』と『4改』の使用基板「LINDBERGH」のグラフィックボードの欠陥(と掃除不足による廃熱不足)によるグラフィックバグだろう。~ グラフィックボードの欠陥の為、『4』と全く同じ基板を使用していた『Let's Go JUNGLE!』でも発生していたが、このゲームに関しては特に顕著であった。 --コース上に謎のポリゴンの帯のようなものが登場し、酷い場合グラフィックそのものが変色し、[[こうなる(動画注意)>https://www.youtube.com/watch?v=D4Qt9T9wBjg]]事も。2008年6月に基板交換され解消された。 -『4』で変更された新筐体にも不評な点があった。 --モニターやスピーカーが『Ver』シリーズのブラウン管・シート搭載型から、より高品質なスピーカー付HDモニターになった。~ しかしスピーカーに関しては「『Ver.3』までより音質が悪く聴こえる」と言った声もあり、更にモニターも特に夜のコースが見辛くなった。 ---続編毎に徐々に改善したものの、結果として『4』では他のシリーズに比べてブラインドアタックが非常に難しくなってしまった。~ また、『4』におけるモニターの問題に関しては特に赤城夜コースにて顕著に表れており、車の目の前以外がほぼ真っ暗な状態なのである。~ その為コースレイアウトを覚えにくい初心者ほどコースの先が分からず壁に接触してしまうこともしばしばあったのだ。 --ボタン類は『Ver.3』まではプラスチック製だったが『4』から硬いラバー製に変更。従来以上に経年劣化により過剰反応を起こしたり、~ あるいは反応しなくなる、埋まってしまって入力しっぱなしになると言った問題が浮上。他社でも似た問題が往々にして発生していたのだが…。 --カードリーダーの性能限界もあるせいか、読み込み&書き込みが非常に遅くなった。 ---2007年当時として見ても明らかに問題な遅さであり、具体的には''読み込みで10秒~20秒、書き込みに30秒~1分、特に新規作成や引継ぎ時は約3分も掛かる。''~ 2010年11月にAime(及びバナパスポート)が登場した以後も、『4』の筐体を使用し続けた為、同筐体を使用した最後作『8』でもこの問題は改善されなかった。 --プレイヤーからはAimeに移行するべきとの声が上がっていたが、公式がそれに対応したのは筐体を再び一新した2017年稼働の『Zero』となった。 --何れも、使い所を誤ってしまってプレイヤーには逆に悪化したように見られてしまった感じか。 ''その他'' -『Ver.2』から「文太に挑戦!!」モードが実装されたが『4』で一旦消滅した。尤も『7』で「公道最速伝説」の1つとして形を変えて復活はした。 ---- **総評 原作ファンが大喜びする要素、全国対戦や協力プレイ等、今時のゲーマーや原作ファンが興味を示すような要素を盛り込んでいる所こそ大ヒットを飛ばした最大の要素だろう。~ 細かいエアロパーツ、そして実在するチューニングメーカーも協力している等、車好きも喜ぶであろう要素もあり、こう言う所では本格的である。~ その一方でクセがあり扱い辛く、筐体を破壊しかねない走法を推奨している挙動、ゲームバランスが不安定、課金要素過多等、~ 純粋なゲームとして見たら目に余る部分がそれなりにあり、普通にレースゲームとして楽しみたい人にはお勧め出来るとは言い難い。~ 他の原作付きゲーム以上にある意味ファン向けのゲームと言っても良く、良作になるのにまだ程遠い所もあり、改善の余地はまだまだあるだろう。~ つまりキャラゲーとしては良作、レースゲームとしては中の下辺りの凡作と言う事である。~ ''大人気で長続きしている物だから必ずしも出来が良い方向に安定しているとは限らないと言う事を身を持って知る事が出来るゲームとも言える。''~ しかしそれでも全国対戦や協力プレイはアーケードゲーム屈指の人気を誇っており、ハマる人にはハマるゲームといえるだろう。~ 対戦プレイや協力プレイが好き、腕に自信がある、難しいゲームが好きならCOLOR(red){''新作の度にデータが消えるも同然になる事を覚悟した上で''}やってみるのも良いだろう。 ---- **余談 -所謂廃人が大量に居る為か、[[その事に関してプロデューサーが直々に注意を促していた>https://twitter.com/arachu0902/status/617712234832113664]]。~ それ以前に廃人レベルにやらなくても十分に楽しめ、モチベーションが維持出来るゲームを作るべきで、それが廃人に対する免罪符にならないと受け取られても仕方ないであろう。 -本シリーズは初期の作品を中心に過去に何度か据置型及び携帯ゲーム機に移植されている。 --『Ver.2』がベースのPS2版『Special Stage』と、『Ver.3』ベースのPSP版『[[STREET STAGE>頭文字D STREET STAGE]]』、『4』&『4改』ベースのPS3版『[[EXTREME STAGE』の三作が存在する。 ---しかし現在に至るまで、4&4改ベースのPS3版を最後に家庭用ゲーム機への移植は行われていない。この為、競合作品の『湾岸マキシ』と共に「後発のシリーズからコンシューマ機への移植を一切行わない一方、露骨かつ悪質(水増し)な課金&貢ぎ要素が無駄に増加し、かつそれらの中にはコンシューマ移植を継続した上で収録されていれば概ね歓迎されるであろう物も含まれている」という傾向が見受けられるようになり、その面でも問題となっている。 ---だがその一方で公式ツイッターでのFAQにおけるプロデューサーの質問回答によると、久々の家庭用新作の発売予定についての質問に対して「ユーザーからの要望がより膨らみ次第検討もあり得るだろう」ともコメントしており、''決して家庭用移植版最新作の開発・発売への意欲が無くなったわけではない''模様。この他にも、「過去作(家庭用アーケードともに)をプレイステーションストアでPS3/PS4向けに配信すること」を希望する声も見られたり等、現在でも本シリーズの家庭用展開の再開を熱望する声が根強いことがうかがえる。仮に家庭用最新作を開発するにしても、やはりというべきか家庭用向け作品の開発費の巨額化に伴う採算面の壁をどう乗り越えていくかが課題となるが…。今後の展開や動向に乞うご期待、といった所か。 ---上記の通り現在最新作の家庭用移植が行われていない影響か、現地点でのコンシューマ版最終作にあたるPS3版のネットワークサービスは現在も継続中である。~ しかし発売から既に約7年が経過していることや、移植元の4&4改がシリーズの中でも不評点が多かった事等もありオンラインによる全国対戦の利用者は徐々に減少しつつある。

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