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桃太郎伝説 (PS) - (2017/01/05 (木) 23:43:29) の1つ前との変更点

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*桃太郎伝説 【ももたろうでんせつ】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000069U4L)| |対応機種|プレイステーション&br;Windows 95/98/Me|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|【PS】ハドソン&br;【Win】メディアカイト|~| |開発元【PS】|メイクソフトウェア|~| |発売日|【PS】1998年12月23日&br;【Win】2001年4月18日|~| |定価|【PS】6,090円&br;【Win】3,780円(各税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|【PS】1ブロック使用(最大15ファイル保存可)|~| |判定|なし|~| |ポイント|[[初代>桃太郎伝説]]・II・[[新>新桃太郎伝説]]のいいとこ取り&br;色あせないゲーム性&br;''色あせないエンカウント率''|~| |>|>|CENTER:''[[桃太郎シリーズリンク>桃太郎シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「桃太郎シリーズと言えば[[桃鉄>桃太郎電鉄]]」という時代、5年の年月を経て久々に発売された本家桃太郎伝説。~ 大筋は『[[初代>桃太郎伝説]]』の「桃太郎が昔話の村を救いながら5つの財宝を集め、えんま大王をこらしめに鬼ヶ島へ向かう」ものだが、~ ゲーム性は金太郎たちいつもの3人の仲間と共にパーティバトルを行う『II』のものを採用し、~ 「絶好調システム」や希望の都の豊富なミニゲームなど、『[[新>新桃太郎伝説]]』の要素も収録。~ いわばシリーズの集大成のような作品である。 ただし、メインメンバーは桃太郎+いつもの3人で固定で、入れ替え可能なのはサポートキャラのみ。~ じごく王、伐折羅王やカルラといったキャラクターは登場せず、今作だけで話が完結するように作られている。 2001年にWindows向けに移植された。 **新システム -カードアルバム --キャラクターや鬼(モンスター)のカードを収集して集めるやりこみ要素。 --「鬼カード」は同名の鬼を10匹こらしめると入手できる。ボスは倒せば無条件で入手。 --それ以外は専用の施設「カード道場」でトレードやじゃんけん、村人との会話、隠されているものを発見するなどで手に入る。意外な条件で入手できるケースも。 --ゲーム攻略には一切関係ないが、収集すると強力な武具が貰える場合もある。 ---鬼カードにはHPなどのパラメーターが記載されているので、攻略の助けになる側面もある。 -鬼の逃走 --エンカウントした鬼よりも桃太郎たちの段数が一定以上高い場合、戦闘開始直後に「うわあ桃太郎さんだ!これは、かないっこない!」と叫んで逃げてしまう事がある。 --心(経験値)や両(お金)や鬼カードはしっかり貰えるので損害は無い。%%ギャグ鬼で遊びにくくなるが。%% -それ以外のシステムは『新』の絶好調システムなどが取り入れられているが、ほぼ『II』と同様。大筋のストーリー以外は『II』のリメイク作品と見て良い。 **変更点 -桃太郎が産まれた所から始まるため、当然ながら作中の相手とは全て初対面。それに合わせて配役もやや変更されている。 --例えば氷の塔では夜叉姫を仲間に加え、共に醜女(しこめ)に挑むという『II』や『新』とは逆のパターンに。 --風神は『II』や『新』と同じように仲間を吹き飛ばしてウサカメの村で決戦するが、雷神は『初代』と同じように黄泉の塔で戦うなど、若干出番で割りを食ったキャラクターもいる。 -キャラの表示がマップによって変わるようになった。 --フィールドやダンジョンでは従来に近いチビキャラで、村や一部のダンジョンでは比較的大き目のキャラで描かれる。 -金太郎は『新』と同じく体力を消費してすもう技を使用可能。 --他の3人は『II』と同様。 --桃太郎以外も仙人から術を習得したり、段数を上げると強化版の術が使えるようになる点も『II』と同じ。 -『新』のメイン敵は登場しないものの、両鉄や竜燈鬼といったボスは所々に登場。カルラの手下だった右魂鬼と左魂鬼は鬼ヶ島の中ボスとして単体で出現する。 -ボンビーの村やとこなつの村といった新しい村のエピソードも追加。 --一方で前述のじごく王やカルラ、でか太郎などは出て来ない。 --ちゃがま村や月世界など一部の村やダンジョンも未登場。 -『新』のボスや要素は多少登場するものの、カルラがいない事もあって『新』ほど残虐行為は行っておらず、『初代』や『II』のような和やかな王道ストーリー&ギャグが展開される。 -おともはキジ・イヌ・サルの3匹以外に1匹だけ連れて行ける。 --『II』では一時加入のみだったウンチや地蔵などから自由に選択可能。 -希望の都では『新』と同じようにミニゲームを楽しめる。 --ミニゲームは出来が良く、『[[桃太郎電鉄V]]』や『ボンバーマンランド』にもガワを替えて流用された。 --『桃鉄』で数年に一回行われる、「サイコロを振って一直線に進む」いつものミニゲームもある。 -おなじみギャグ敵ももちろん登場。ギターを持ったイケメン「ビジュアル系の鬼」((しかも倒すとファンのアンコールに応えて必ず一度復活すると言う傍迷惑な演出付き。))、携帯電話を持つ「ケータイの鬼」、何でもかんでも[[ゲットしよう>ポケットモンスターシリーズ]]とする「ゲットの鬼」といった時代に合わせた新規の鬼も。 --その代わりに「ラッキィおにだ」や「オニしまなぎさ」などは出なくなった。 ---「タカさんチェック」は一応登場するものの、戦闘中のネタ台詞が無くなってしまった。 ---実在の人物をもじった表現が引っ掛かるのか、ましらとの対戦時のセリフも「さぱぐちやすこみたいじゃと」(II)→「ヌカミソが腐るじゃと」(PS)といった風に改訂されている。まだゲーム上での表現に対して今ほどうるさくなかった時代とはいえ…。 -あしゅらのデザインが大幅に変わっている。 --従来は美男子風の外見だったが、今回は実際の阿修羅像に近い容姿となっている。名前表記も漢字で「阿修羅」である。 ---顔は1つだが、腕は6本ある。服装もモデルに準拠した為、肌の露出度が減った。薔薇は健在だが((従来のように口に咥えるのではなく、6本の腕で一本ずつ持っている。))。 --不評だったのか、後の『桃鉄』シリーズではいつもの風貌に戻った。 -女湯は4つに増量。ハードに合わせてグラフィックも強化された。 --絵柄も一定ではなく、可愛い系やセクシー系など複数のタイプの女湯が堪能できる。 --希望の都はともかく他の女湯は例によってヒントが極めて少ない。温泉について発言しているNPCがいたら近くをくまなく探索してみよう。とだけ言っておこう。 #region(ただし・・・。) ---一つだけ''おばさんと老婆のハズレ湯''が存在する。 ---しかも条件は『II』と同じで、希望の都の女湯に外周から入るというもの。''既プレイヤーに対する恐ろしいブービートラップ''。 #endregion **評価点 -三作品のいいとこ取りだけあって上手く融合されており、話の展開も王道そのもの。 -土居氏の絵が動きまくる戦闘グラフィックは見事。『桃太郎電鉄7』の色使いで懐かしい鬼が動き回る。 --この手のものにしては珍しく動きも速くテンポを削ぐ事も無い。 --後に2011年に配信された『桃太郎伝説モバイル』に今作のグラフィックは流用された。 -BGMも良好 --過去作のアレンジ、新規曲共にハードの性能向上に伴って高いクオリティを放っている。和楽器をふんだんに取り入れた旅情感溢れる和風曲は勿論、激しいロック調のボス曲など、シリーズのイメージを保ちつつジャンルに捕われないBGMの数々が魅力。 --希望の都ではサウンドテストが出来る施設も用意されている。 --花さかの村のBGMは特に評価が高い。美しい花吹雪が舞う景色や無料で回復できる牛がいることも相まって、この村を最終的な本拠地としてやり込みに精を出したプレイヤーも多いようだ。 -攻略には関係無い小ネタも非常に豊富。 --各地の村に用意されたちょっとしたお遊び要素、いつもに増して大ボリュームの希望の都、隠されたキャラカードの探索などのサブ要素が豊富に用意されており、村を回るだけでも楽しめる。 -PSのゲームにしては珍しくロード時間が2・3秒ほどと比較的短く、エンカウント後にすぐコマンド入力ができるので、一回の戦闘自体はスムーズに進む。ただし別の理由でストレスが生じる。 **問題点・賛否両論点 -''エンカウント率まで『II』や『新』と同レベル''。非常に高い。 --フィールドでもダッシュ可能となった事でより顕著となった。フィールドBGMが少し流れた所で即エンカウントする。 --ちなみに、鬼を呼び出して即座に戦闘に入ることが可能な道具や術もあるのだが、高いエンカウント故に鬼を狩りたい時は「ダッシュでその場を走り回った方が早い」とされ、正直使いどころがない。 -ゲーム性もレベルを上げてお金を貯め、次の村を目指すという極シンプルなもので完成されている。 --…のだが、上記の高エンカウント率も相まって時間がかかる要素であり、昔ながらのRPGに慣れていないユーザーも多かった。 -ザコ鬼のカードは同じ鬼を倒し続けると入手できるという単調なもので、作業感が強い。 --特におなじみのギャグ敵は1匹でしか出ないものも多く、長い時間を費やす事となる。 --やたらと出現率が低かったり、出現地域が狭かったりする鬼も多い。 ---中でも「餓鬼」は出現ポイントが決められていて、そのポイントに止まって敵を呼ばないとまず会えない。1度の戦闘で4匹まで出てくるのが救い。 ---尚、「阿修羅隊」は期間限定のダンジョンである五重塔にしか出現しないが、カードは後で町人からも貰えると言う救済措置がある。 --不満が多いためか次に発売した『[[桃太郎伝説1→2]]』では若干変更された。 -豊富なやり込み要素が魅力なのだが、微妙に行き届いていない部分が多い。 --希望の都の遊技場や五重塔で遊べるミニゲームは完成度が高く楽しめるのだが、もらえる景品が全体的にしょぼいためモチベーションが維持しづらい。 --倒した鬼やゲーム中で歩いた歩数が一定数に達するごとに景品がもらえるという場所もあるのだが、肝心のもらえる回数が少ない。一応、景品自体はどれも貴重なものばかりではあるが、''歩数に至っては3万歩歩いたときの1回しか景品が出ない''というのはさすがに少なすぎではないだろうか。 **総評 古き良きRPGを体現したような作品であり、まさにシリーズ集大成。~ ただし目新しい所も無く、高めのエンカウント率が評判を落とす原因となり、それほど新規層は開拓できなかったようだ。~ ゲームの完成度自体は悪いものではないため、エンカウント率の高さ・じっくり稼ぎながら進む昔ながらのRPGという点を許容できるかどうかが評価の分かれ目となる。
*桃太郎伝説 【ももたろうでんせつ】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000069U4L)| |対応機種|プレイステーション&br;Windows 95/98/Me|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|【PS】ハドソン&br;【Win】メディアカイト|~| |開発元【PS】|メイクソフトウェア|~| |発売日|【PS】1998年12月23日&br;【Win】2001年4月18日|~| |定価|【PS】6,090円&br;【Win】3,780円(各税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|【PS】1ブロック使用(最大15ファイル保存可)|~| |判定|なし|~| |ポイント|[[初代>桃太郎伝説]]・II・[[新>新桃太郎伝説]]のいいとこ取り&br;色あせないゲーム性&br;''色あせないエンカウント率''|~| |>|>|CENTER:''[[桃太郎シリーズリンク>桃太郎シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「桃太郎シリーズと言えば[[桃鉄>桃太郎電鉄]]」という時代、5年の年月を経て久々に発売された本家桃太郎伝説。~ 大筋は『[[初代>桃太郎伝説]]』の「桃太郎が昔話の村を救いながら5つの財宝を集め、えんま大王をこらしめに鬼ヶ島へ向かう」ものだが、~ ゲーム性は金太郎たちいつもの3人の仲間と共にパーティバトルを行う『II』のものを採用し、~ 「絶好調システム」や希望の都の豊富なミニゲームなど、『[[新>新桃太郎伝説]]』の要素も収録。~ いわばシリーズの集大成のような作品である。 ただし、メインメンバーは桃太郎+いつもの3人で固定で、入れ替え可能なのはサポートキャラのみ。~ じごく王、伐折羅王やカルラといったキャラクターは登場せず、今作だけで話が完結するように作られている。 2001年にWindows向けに移植された。 **新システム -カードアルバム --キャラクターや鬼(モンスター)のカードを収集して集めるやりこみ要素。 --「鬼カード」は同名の鬼を10匹こらしめると入手できる。ボスは倒せば無条件で入手。 --それ以外は専用の施設「カード道場」でトレードやじゃんけん、村人との会話、隠されているものを発見するなどで手に入る。意外な条件で入手できるケースも。 --ゲーム攻略には一切関係ないが、収集すると強力な武具が貰える場合もある。 ---鬼カードにはHPなどのパラメーターが記載されているので、攻略の助けになる側面もある。 -鬼の逃走 --エンカウントした鬼よりも桃太郎たちの段数が一定以上高い場合、戦闘開始直後に「うわあ桃太郎さんだ!これは、かないっこない!」と叫んで逃げてしまう事がある。 --心(経験値)や両(お金)や鬼カードはしっかり貰えるので損害は無い。%%ギャグ鬼で遊びにくくなるが。%% -それ以外のシステムは『新』の絶好調システムなどが取り入れられているが、ほぼ『II』と同様。大筋のストーリー以外は『II』のリメイク作品と見て良い。 **変更点 -桃太郎が産まれた所から始まるため、当然ながら作中の相手とは全て初対面。それに合わせて配役もやや変更されている。 --例えば氷の塔では夜叉姫を仲間に加え、共に醜女(しこめ)に挑むという『II』や『新』とは逆のパターンに。 --風神は『II』や『新』と同じように仲間を吹き飛ばしてウサカメの村で決戦するが、雷神は『初代』と同じように黄泉の塔で戦うなど、若干出番で割りを食ったキャラクターもいる。 -キャラの表示がマップによって変わるようになった。 --フィールドやダンジョンでは従来に近いチビキャラで、村や一部のダンジョンでは比較的大き目のキャラで描かれる。イベントによっては飛び跳ねて喜んだり泣き喚いたりとコミカルなアクションを見せる事も。 -金太郎は『新』と同じく体力を消費してすもう技を使用可能。 --他の3人は『II』と同様。 --桃太郎以外も仙人から術を習得したり、段数を上げると強化版の術が使えるようになる点も『II』と同じ。 -『新』のメイン敵は登場しないものの、両鉄や竜燈鬼といったボスは所々に登場。カルラの手下だった右魂鬼と左魂鬼は鬼ヶ島の中ボス((終盤の一ボスながらそれぞれ専用の戦闘曲持ちと言う破格の待遇である。))として単体で出現する。 -ボンビーの村やとこなつの村といった新しい村のエピソードも追加。 --一方で前述のじごく王やカルラ、でか太郎などは出て来ない。 --ちゃがま村や月世界など一部の村やダンジョンも未登場。 -『新』のボスや要素は多少登場するものの、カルラがいない事もあって『新』ほど残虐行為は行っておらず、『初代』や『II』のような和やかな王道ストーリー&ギャグが展開される。 -おともはキジ・イヌ・サルの3匹以外に1匹だけ連れて行ける。 --『II』では一時加入のみだったウンチや地蔵などから自由に選択可能。 -専用の術を会得する事でダッシュが可能になった。 --走れるようになるはやあしの術は序盤ですぐに会得可能。いだてんの術を会得すると更に移動速度が上昇する。 -希望の都では『新』と同じようにミニゲームを楽しめる。 --ミニゲームは出来が良く、『[[桃太郎電鉄V]]』や『ボンバーマンランド』にもガワを替えて流用された。 --『桃鉄』で数年に一回行われる、「サイコロを振って一直線に進む」いつものミニゲームもある。 -おなじみギャグ敵ももちろん登場。ギターを持ったイケメン「ビジュアル系の鬼」((一ザコにも関わらず専用BGM持ちで、しかも倒すとファンのアンコールに応えて必ず一度復活すると言う傍迷惑な演出付き。))、携帯電話を持つ「ケータイの鬼」、何でもかんでも[[ゲットしよう>ポケットモンスターシリーズ]]とする「ゲットの鬼」といった時代に合わせた新規の鬼も。 --その代わりに実在の人物をもじった表現が引っ掛かるのか、「ラッキィおにだ」や「オニしまなぎさ」などは出なくなった。 ---「タカさんチェック」は一応登場するものの、戦闘中のネタ台詞が無くなってしまった。 ---ましらとの対戦時のセリフも「さぱぐちやすこみたいじゃと」(II)→「ヌカミソが腐るじゃと」(PS)といった風に改訂されている。まだゲーム上での表現に対して今ほどうるさくなかった時代とはいえ…。 -あしゅらのデザインが大幅に変わっている。 --従来は美男子風の外見だったが、今回は実際の阿修羅像に近い容姿となっている。名前表記も漢字で「阿修羅」である。 ---顔は1つだが、腕は6本ある。服装もモデルに準拠した為、肌の露出度が減った。薔薇は健在だが((従来のように口に咥えるのではなく、6本の腕で一本ずつ持っている。))。 --不評だったのか、後の『桃鉄』シリーズではいつもの風貌に戻った。 -女湯は4つに増量。ハードに合わせてグラフィックも強化された。 --絵柄も一定ではなく、可愛い系やセクシー系など複数のタイプの女湯が堪能できる。 --希望の都はともかく他の女湯は例によってヒントが極めて少ない。温泉について発言しているNPCと竹薮には注意を払おう。とだけ言っておこう。 #region(ただし・・・。) ---一つだけ''おばさんと老婆のハズレ湯''が存在する。 ---しかも条件は『II』と同じで、希望の都の女湯に外周から入るというもの。''既プレイヤーに対する恐ろしいブービートラップ''。 #endregion **評価点 -三作品のいいとこ取りだけあって上手く融合されており、話の展開も王道そのもの。 -土居氏の絵が動きまくる戦闘グラフィックは見事。『桃太郎電鉄7』の色使いで懐かしい鬼が動き回る。 --この手のものにしては珍しく動きも速くテンポを削ぐ事も無い。 --後に2011年に配信された『桃太郎伝説モバイル』に今作のグラフィックは流用された。 -BGMも良好 --過去作のアレンジ、新規曲共にハードの性能向上に伴って高いクオリティを放っている。和楽器をふんだんに取り入れた旅情感溢れる和風曲は勿論、激しいロック調のボス曲など、シリーズのイメージを保ちつつジャンルに捕われないBGMの数々が魅力。 --希望の都ではサウンドテストが出来る施設も用意されている。 --花さかの村のBGMは特に評価が高い。美しい花吹雪が舞う景色や無料で回復できる牛がいることも相まって、この村を最終的な本拠地としてやり込みに精を出したプレイヤーも多いようだ。 -攻略には関係無い小ネタも非常に豊富。 --各地の村に用意されたちょっとしたお遊び要素、いつもに増して大ボリュームの希望の都、隠されたキャラカードの探索などのサブ要素が豊富に用意されており、村を回るだけでも楽しめる。 -PSのゲームにしては珍しくロード時間が2・3秒ほどと比較的短く、エンカウント後にすぐコマンド入力ができるので、一回の戦闘自体はスムーズに進む。ただし別の理由でストレスが生じる。 **問題点・賛否両論点 -''エンカウント率まで『II』や『新』と同レベル''。非常に高い。 --フィールドでもダッシュ可能となった事でより顕著となった。フィールドBGMが少し流れた所で即エンカウントする。 --ちなみに、鬼を呼び出して即座に戦闘に入ることが可能な道具や術もあるのだが、高いエンカウント故に鬼を狩りたい時は「ダッシュでその場を走り回った方が早い」とされ、正直使いどころがない。 --従来通り隠れ蓑やおによけの術と言ったエンカウント率を下げる手段もあるが、今回は桃太郎達より弱い鬼にしか効かない。 ---おによけの術やオートバトルの術は例によって仙人から「一応授けるが使わない方がいい」「ちゃんと戦った方が面白い」と言った事を言われるが、そう言う台詞はエンカウント率を考慮してから言って欲しいものである。 -ゲーム性もレベルを上げてお金を貯め、次の村を目指すという極シンプルなもので完成されている。 --…のだが、上記の高エンカウント率も相まって時間がかかる要素であり、昔ながらのRPGに慣れていないユーザーも多かった。 -ザコ鬼のカードは同じ鬼を倒し続けると入手できるという単調なもので、作業感が強い。 --特におなじみのギャグ敵は1匹でしか出ないものも多く、長い時間を費やす事となる。 --やたらと出現率が低かったり、出現地域が狭かったりする鬼も多い。 ---中でも「餓鬼」は出現ポイントが決められていて、そのポイントに止まって敵を呼ばないとまず会えない。1度の戦闘で4匹まで出てくるのが救い。 ---尚、「阿修羅隊」は旧作に倣って期間限定のダンジョンである五重塔にしか出現しないが、カードは後で町人からも貰えると言う救済措置がある。 --不満が多いためか次に発売した『[[桃太郎伝説1→2]]』では若干変更された。 -豊富なやり込み要素が魅力なのだが、微妙に行き届いていない部分が多い。 --希望の都の遊技場や五重塔で遊べるミニゲームは完成度が高く楽しめるのだが、もらえる景品が全体的にしょぼいためモチベーションが維持しづらい。 --倒した鬼やゲーム中で歩いた歩数が一定数に達するごとに景品がもらえるという場所もあるのだが、肝心のもらえる回数が少ない。一応、景品自体はどれも貴重なものばかりではあるが、''歩数に至っては3万歩歩いたときの1回しか景品が出ない''というのはさすがに少なすぎではないだろうか。 -基本的に旧作のエピソードを上手く融合しているのだが、簡略化されたイベントもいくつか。 --スリの銀次は登場こそするが、旧作で活躍したキャラの割にはかなり存在感が薄くなっている。 ---『初代』同様に宝を奪って行くのだが、希望の都を解放すると何の脈絡も無く改心して宝を返してくれる。『初代』のように放屁を浴びせて懲らしめるイベントは無く、『II』以降のように仲間になる事も無い。 --仲間が風神に飛ばされる際、発見した仲間は話し掛けて再加入させるだけになった。夜叉姫の毒を治療したり埋まった金太郎を助けるイベントなどは無い。 **総評 古き良きRPGを体現したような作品であり、まさにシリーズ集大成。~ ただし目新しい所も無く、高めのエンカウント率が評判を落とす原因となり、それほど新規層は開拓できなかったようだ。~ ゲームの完成度自体は悪いものではないため、エンカウント率の高さ・じっくり稼ぎながら進む昔ながらのRPGという点を許容できるかどうかが評価の分かれ目となる。

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