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#contents ---- *YAIBA NINJA GAIDEN Z 【やいばにんじゃがいでんぜっと】 |ジャンル|スラッシュアクション|CENTER:&amazon(B00DBRW3S6)&amazon(B00DBRWFES)| |対応機種|プレイステーション3&br;Xbox 360&br;Windows(Steam)|~| |発売元|コーエーテクモゲームス|~| |開発元|Team NINJA&br;comcept&br;Spark Unlimited|~| |発売日|【Win】2014年3月22日&br;【PS3/360】2014年3月27日|~| |定価|【Win】7,232円(税込)&br;【PS3/360】7,800円|~| |レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|とにかく下品でおバカな世界観&br;高難度と問題点は本家譲り&br;本家のシリーズとの繋がりは薄め&br;''事実上のシリーズ最終作''|~| |>|>|CENTER:''[[忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ]]''| ---- ~ #center(){{ &big(){''死から蘇ったサイボーグニンジャがゾンビを殲滅!''} }} ~ ---- **概要 ''「ニンジャ」×「ゾンビ」''というコンセプトの元、主人公カミカゼ・ヤイバを操作してゾンビアウトブレイクの真っ只中を暴れ回るスラッシュアクション。~ 『NINJA GAIDEN』シリーズと共通する世界観を、徹底して外道なアンチヒーローからの視点で追った「''NINJA GAIDEN 外伝''」とでも言った位置付けだろうか。~ 昨今の『ニンジャスレイヤー』等のブームにも伴い、単体のゲームとしての素材、世界観、キャラクター像などのコンセプトは決して悪くは無かったのだが…。 ---- **ストーリー >忍者一門、神風一族に生まれたカミカゼ・ヤイバ。~ 彼は非常に短気な性格で、ある日の修行中、同門の修行仲間にして実の妹でもあるユキにからかわれただけで逆上し、あろうことか彼女を斬り伏せて致命傷を負わせてしまう。~ 我に返ったヤイバは一族に伝わる秘伝の巻物を用いてユキを死の淵から蘇らせようとするが、2人の父親達は「死は定めだ、名誉を汚してはならない」と言い、ヤイバが巻物を取りに行っている間にユキの首を切断して完全に亡き者としてしまった。~ またもや逆上したヤイバはその場に居合わせた父親達全員をユキを切り伏せたのと同じく殺害し、巻物を用いて蘇らせた後「自決してもらおうか、名誉を汚されたんだからな」と言い放つ。~ 外道と罵られつつも「とっくに踏み外している」と切り捨て里を後にしたヤイバは、それ以来多くの組織を始末屋として渡り歩いていく。 > >ヘマをした同業の忍者を白昼堂々と公の場で無残に殺す彼の業の深さに、彼は何時しか「ニンジャキラー」の異名を持つに至っていた。~ ヤイバが愛用する刀「虚心((スペシャルゾンビパック付属のアメコミで語られる事だが、「虚心」という名称はヤイバが成り行きで助けたハヤブサ一族の女性が彼女の兄弟の忍者を他でもないヤイバに殺されていた事を知った際、彼と刀に対する「蔑称」として吐き捨てた言葉である。本来は「テンペストブレード」なる名称だった。))」は古きに渡る時代からの名刀であり、ハヤブサ一族はそんな業物が「悪用」されていることを知り、リュウ・ハヤブサはヤイバの行方を追っていた。 > >時が経ち、同業者のリークにてハヤブサに居場所を突き止められたヤイバ。~ 相見える凄腕忍者2人。暫しの激しい斬り合いの後、勝敗はハヤブサに軍配が上がる。~ 「虚心」を折られ己の運命を察したヤイバは、「ファァック」の言葉を最後に右肩から袈裟斬りに真っ二つにされ、高笑いの中で絶命する__ > >しかし、とある目的のためにハヤブサを始末しようとする者が、「利害関係の一致」という名目でサイボーグ技術を施し、彼を蘇らせたのだった。 >目覚めた場所はゾンビアウトブレイク真っ只中の東欧の地、ウクライナ。だが、そんな事は彼にとって些細なことですらなかった。~ 最早ヤイバの生き甲斐はただひとつ、ハヤブサと再び対峙し、彼を殺す__~ それだけであり、手駒として使われることを余儀なくされた自らの置かれた境遇にもまるで興味はなかった。~ 「虚心」__改め、刀身の折れた刀「ハートレスブレード」と並外れた体術、サイボーグ技術、そして不屈の精神力を武器に、~ ヤイバはゾンビの群れを「斬り」開いていく。 ---- **ゲームシステム ***全体構成 -主人公となるサイボーグ忍者、カミカゼ・ヤイバを操作してゾンビがひしめく街を様々な技で攻略していく、戦闘メインのアクションが主体。 --全7ステージ。1ステージにつき数チャプター~10数チャプターの戦闘シーン及びギミック解除シーンが存在。 ---敵を殲滅するか、全てのギミックを解除することで次チャプターへのフラグが立つ。ステージ毎の最終チャプターにはボスとの戦闘が待ち受ける。 ---チャプター間の移動シーンの中には、足場から飛び移る際に攻撃ボタンを押す事を繰り返す連続QTE「トラバース」も多少含まれる。 ---この時のみヤイバは驚異の跳躍力を発揮するのだが、戦闘システムにおいてはジャンプが組み込まれておらず、巨大な敵に画面端に追い詰められても隙間から脱出出来ずに袋小路に陥る事もしばしば…。 ---一度クリアしたステージはタイトル画面のメニュー内の項目から何度でも挑戦可能。クリアが難しいステージに挑む前に、慣れたステージでレベルアップして強化を施してから挑むということもできる。 -難易度は初期状態では「イージー」「ノーマル」「ハード」の3種類。 --「ハード」をクリアするとさらに上の「ナイトメア」が、「ナイトメア」をクリアすると鬼畜仕様の「ヘル」も解禁される。 --難易度自体はそこそこ数があるものの、実際の所、変更箇所は敵の攻撃力の増加(或いは操作キャラの体力の減少)が大多数を占める。 --ヘルの場合、体力を最大限強化しても大半の攻撃が即死となるため、回復が全くと言っていい程意味を成さない凶悪仕様。 -各難易度のゲームクリア特典として、コスチュームが追加される。 --通常コスチュームの「ヤイバ」に、「歌舞伎」「JK(水色のぱっつんヘア&セーラー服&ミニスカ)」「レイジ(上半身裸、フードも無し」から選択可能。静止画デモには反映されないのが残念な所。 -ヤイバは一定数の敵を倒す事でレベルアップする。 --最大レベルは25だが、スムーズに進めていっても最大レベルに達するのは最終戦手前となるのでレベルカンスト後のプレイは周回前提、或いは同ステージを繰り返す作業プレイが必要。 --レベルアップと言っても体力の最大値や攻撃力・防御力・移動速度といったパラメータには何ら影響を及ぼさず、「アップグレードツリー」の項目をアンロックするポイントが1つ貰えるのみとなる。 -「アップグレードツリー」は、レベルアップで入手したポイントを消費して様々なシステム強化を施すことが出来る。ゲーム中のポーズメニュー及びステージクリア時のリザルト画面からいつでも強化可能。 --基本コンボの増強、中ボス系ゾンビから入手したゾンビ武器の攻撃方法&耐久力の増加、カウンターの追加効果の時間の延長、無敵モードの発動時間延長など長所を上乗せするものが多く、アンロック出来る項目の多くは培った戦術から大きく逸脱しない範囲で増強出来る。 --つまりゲーム的にはあくまで初期段階の内で基礎から応用まで戦術のいろはを学ぶ事を主眼としており((やろうと思えばあえてポイントを残したままの縛りプレイでのクリアも可能。))、育成要素はあくまでアクションの幅を広げることが大半なのである。 -ステージ道中にはピースアイテム&ストーリーファイルが随所に設置されている。 --ピースアイテムはライフピース(体力)、各エレメントへの耐性ピース3種類(炎、電気、毒液)が存在。ライフピースは4つ集めてはじめて体力の最大値が増える形となり、最大4段階の補強が出来る。耐性ピースは1つで10%、最大で40%の耐性効果を得られる。 --ストーリーファイルは第三者視点での読み物。傍聴チームのメモ、ゾンビアウトブレイクの原因となる薬を作った科学者の書き置きなど、より深い視点でストーリーラインを追うのに一役買っている。 ---口の悪い砕けた文章で語られる別視点での出来事は、大半が悲惨な結末ながらもある意味で緊張感をほぐすスパイスにもなる。 -ステージの全チャプター終了後、デモを挟んでリザルト画面となり、ステージ評価が表示される。 --ステージ内のピースアイテム&ストーリーファイルの収集率に加え、全チャプターのランク、クリアまでの所要時間&コンティニュー回数のランク、それらを統合した総合ランクが存在。 ---クリアランクはそれぞれ、割れ銭<銅<銀<金<プラチナの5種類。 **アクション ()内表記は技のコマンド。PS3/360の順で表記。 ''攻撃(□,△,○/X,Y,B)'' -スラッシュ(□/X) --攻撃動作が俊敏で隙が少なく近接戦に強い。リーチの短さは他の技との組み合わせでカバーしたい。 -パンチ(△/Y) --動作が重く隙が大きい分一発のダメージが高い。移動を伴う派生コンボが多く、中距離から攻撃しつつ敵の懐に潜り込むのに向いている。集団を相手にした場合の近距離では使い難く、単体向けの攻撃。 --一部の派生コンボは敵のガードを崩す効果を持ち、強引にダメージを上乗せしていくことも可能。 --炎エレメントの雑魚、ファイアスティッフをエグゼキュートするにはパンチでのフィニッシュが必須。他の攻撃ではその場で自爆してしまう。 -フレイル(○/B) --リーチの長い範囲攻撃。あらゆる局面で万能に使える分、単体威力は基本攻撃中最低となる。一部の敵はこの攻撃に対するアーマー効果を持つ。 --電気エレメントの敵が纏う電磁シールドを打ち消す効果を持つ唯一の基本攻撃。 ''ダッシュ(×/A)'' -正面に向かって一定距離を高速移動する。 --終わり際に割と大きな硬直時間があり、この時は完全に無防備となるために非常に危険。 --あえてガードに徹した方が結果的に被害が少なかったということもままある。 ---移動距離や角度にも微調整が効かないため、実はかなりクセのある性能。 ---炎エレメントの攻撃を受けて炎上した際にダッシュを数回行うことで、火を消す事が出来る。 ''ブロック(R1/RB)'' -ハートレスブレードで敵の攻撃を防御し、ダメージを無効化出来るガード行動。 --ガード状態持続中はたとえ背後からの攻撃であろうと完全に無効化出来るので、乱戦でも落ち着いてガードすればそうそうダメージを喰らい続けるということはない。 --安定はするが、もちろん万能ではなくガード不能の攻撃もいくつか存在する。 ''カウンター(特定の攻撃が当たる直前にR1/RB)'' -カウンターが発動すると、発動させた敵の攻撃によって幾つかの効果が現れる。 --打撃系の攻撃は、さばき返し攻撃でよろめかせたりダウンを奪うことが出来る。飛び道具系の攻撃は、キャッチした後にそのまま反動を付けて放った敵へ向けて投げ返す。 ---飛び道具へのカウンターに関しては、実際には当たる直前ではなく数刻前段階のタイミングとなるため、安定してカウンターを成立させるには若干慣れが必要。 ---その分、安定すると画面の表示よりも敵が飛び道具を放つ際の「音」でタイミングが分かる様にもなる。 ---カウンター成立時は長い無敵時間が添付されるため、攻防一体の強力な攻略手段となりうる。RDUの6連同時ミサイル等、場所によっては回避が不可能な攻撃に対しても唯一の反撃法となる。 --発動時に発揮される後述のオーバークロック効果が非常に有用となるため、カウンターを狙って発動出来る様になると攻略が格段に楽になる。飛び道具へのカウンターは是非ともモノにしたい。 ''グラブ(R2/RT)'' -雑魚タイプの属性を持たないゾンビ(スティッフ、グラント)に限り、直接掴んで引きずることでフレイルの代わりの打撃武器として使うことが出来る。同ボタン入力でそのまま投げつけて飛び道具にすることも可能。 --フレイル同様に電磁シールドを打ち消すことが可能。ボタン連打で最大6連続での殴打を繰り出せ、削減値が尽きればそのゾンビは全身バラバラに砕け散って完全消費される。 --ゾンビによる殴打はフレイルより圧倒的に高い攻撃力で、エグゼキュート時のライフピースのドロップを気にしないのであればガンガン使っていける。 --また、同ボタンでの投げつけは中ボス級ゾンビを一撃でダウン状態に出来るので、そのまま接近して余裕を持ってコンボを叩き込む事が出来る優れモノ。 --グラントは初期状態では掴めず、アップグレードツリーから項目をアンロックする必要がある。それまでに最低でも4ポイントを消費して別の項目もアンロックしなければならないのがネックだが、殴打による耐久削減値が通常ゾンビより少なく、最大殴打数が10回までに増強されている。 --グラブ継続中はサイボーグアームがゾンビ引きずりによって常に塞がっているため、サイボーグアームでの直接攻撃となるパンチとフレイルに加え、''両手を使う必要があるカウンターとビップトルクコントローラー((アップグレードツリーから必ず最初に解禁することになる「ソードオープナー」に付属して使用可能になる攻撃。「ダッシュ~Sをホールド~リリース」で発動する、長距離を一瞬で低空跳躍して放つ振り下ろし斬り。技後の硬直も短く、遠距離から移動の手間を省いた接近&攻撃手段として強力な性能を誇る。))までもが発動不可能となる''のにはくれぐれも注意。 -また、チャプターの中には進行フラグを立てるための仕掛けの解除に、特定のポイントに配置された属性持ちゾンビ「デクノボウ」を掴む場面もある。この時のみ属性持ちゾンビを引きずって同様の打撃武器に出来る。 --フラグ管理のため、配置された属性持ちゾンビが消失した場合は自動的に補充される。 ''サイバービジョン(L1/LB)'' -サイボーグとして網膜に備え付けられた暗視機能を用いて、フィールド上に隠された何らかのフラグを識別するための視界を展開する。 --一部の敵から喰らった毒液で画面が染まった際に、視界を見分けやすくするための効果も兼用。どちらかというとほぼこのリカバリー効果のためのシステム。 ---あくまで見分けやすくする程度なので、瞬時に視界を回復するには至らない。無くてもそこまで差が出る機能ではないので、ほぼ空気化している。 ''エグゼキュート(L2/LT)'' -一連の「通常コンボ」で敵の体力を一定段階まで減らし、敵の頭上に「COLOR(red){''!''}」マークが出現した際に発動出来る処刑技。専用の演出で敵ゾンビを粉砕する。 --確実に敵を倒せる事に加え、エグゼキュートで倒した敵からは必ず体力回復キューブが出現するので、積極的に狙うことで攻略の手助けにもなる。 ---エグゼキュート以外での体力回復方法は設けられていないので、このシステムで敵を倒さない限り体力の調整はできない。 ---また、通常コンボ以外の武器ではそもそもエグゼキュート条件を満たせないので発動条件も絞られてしまうのが痛い所。 --中ボス系ゾンビはボタン連打イベントが導入される。雑魚系ゾンビと比べてテンポは遅くなるものの、ドロップする体力回復キューブの量は多い。また、ゾンビ武器を入手するにはエグゼキュートが必須となる。 --このエグゼキュート、一連のコンボの最終段のフィニッシュ技で「エグゼキュート不可能な状態で入力」した場合、フィニッシュ技の動作を「途中でキャンセルしてエグゼキュート失敗動作」に移行する。 --この強制キャンセルを利用した隙消しが耐久力の高い単体の中ボス系ゾンビに対して非常に有効で、アーマー効果付属の範囲技での敵の反撃を回避する猶予が得られたり、慣れれば「(通常コンボ~フィニッシュ>キャンセルエグゼキュート失敗)×N」のパターンで攻撃の手を緩めずに一方的に畳み掛けて一気に倒すことも可能になる。 ''ブラッドラスト(L3+R3同時押し込み/LS+RS同時押し込み) '' -ステージ2の特定のチャプターにおいて解禁されるパワーアップモード。敵を倒す毎に画面左上に表示される「COLOR(red){''風''}」ゲージが一定量蓄積され、メーターが最大値まで溜まると発動可能になる。 --発動中はリアルタイムでゲージが消費され、全て尽きるまで攻撃力、攻撃速度、移動速度が過剰に増強される事に加えて敵の全ての攻撃に対して無敵状態となる。モード終了後はゲージは空となる。 ---基本的にゲージを全て消費するシステムだが、発動中にチャプターをクリアしてリザルトスコアが出ると強制的にモードが終了するため、ゲージ消費量をそれまで消費した量までに抑えることも可能。 --攻撃力の増強はゾンビ武器にも適用されるので、元々高い攻撃力を誇るヌンチャクルや弱点エレメントでの攻撃を当てると、耐久力の高い中ボスクラスの敵も2~3発程度で倒す事ができる。まさしく切り札と言えよう。 --アップグレードツリーの項目「ブラッドサースト」を解禁して補強すると発動時間の延長が可能。最大で2倍まで補強出来るので、終盤の戦闘で使う際は大きく影響が出ることになる。 --上記の強制終了の仕様もあり、2フェイズ以上の殲滅パートで構成されたチャプターでは、最終フェイズにおいて発動しつつもゲージをほとんど消費せずに最短でクリアすることも難しくない。 ***テクニック ''コンボ'' -スラッシュ、パンチ、フレイルの其々の通常攻撃は、特定のルートでの攻撃ボタンの追加入力で、様々な派生コンボを繰り出すことができる。 --パンチとフレイルに関しては初期状態ではコンボに派生出来ず、アップグレードツリーから其々「サイボーグアームマスター」「フレイルマスター」をアンロックする必要がある。 --画面右上の敵を倒した際に加算されるスコアの下に、派生ルートが入力と同期して表示されていく。 --フィニッシュまで入力し、敵にヒットしていた場合に限り、コンボ全体のトータルダメージも表示される。 ---厳密に言えばフィニッシュ攻撃が発動すればヒットしなかった場合でもトータルダメージが表示されるが、あくまでトータルダメージとしてフィニッシュ攻撃のダメージは0としてそれまでの中継コンボのトータルダメージのみに計算される。 --途中まで同じルートから分岐するコンボの中継としてのダメージを計算する際は、意図的にフィニッシュ攻撃を当てない様にする必要がある。 --ブラッドラストでの上乗せされた攻撃力の影響もそのまま表示され、ほぼ「4倍」の攻撃力となる事が分かる。 --また、敵から放たれたものをカウンターで反射したエレメント効果付属の飛び道具にもトータルダメージが表示される。 ---これらの情報を踏まえ、一連の動きの隙、フィニッシュ技の性能、トータルダメージなどを考慮して繰り出すコンボ技を選ぶのが攻略の鍵となる。 ---このゲームではボス以外の敵の体力ゲージが存在せず、このトータルダメージ表示から逆算して割り出すこととなる。 --だが、フィニッシュ技を出さずに途中で止めることも大事であり、その逆のフィニッシュ技のみを当てるためにアウトレンジで隙の少ないコンボルートを空振りすることも同様に重要な動きとなる。 --一連のコンボのフィニッシュ技がエグゼキュート発動条件(一部例外あり)。スティッフ系の雑魚ゾンビを出来る限りコンボで倒していくことで、体力回復手段がそれだけ増える事になる。 ''オーバークロック'' -アップグレードツリーで「オーバークロック」を解禁して取得。カウンター成立時に自動発動する、時間の流れが一定時間遅くなるモード。 --発動中はヤイバ自身の動きも同様に低速化するが、周囲の動きに対する咄嗟の判断力、次の行動への猶予時間が伸びる点は非常に大きい。 --カウンター成立が発動条件なので、必然的にカウンターされた側の敵に対して接近しやすくなるという恩恵が得られる事も見逃せないメリット。 --アップグレードツリーでもう一段回補強可能。補強すると効果時間を延長出来る。 --ブラッドラスト同様こちらも最大2段階まで補強可能で、ゲージ蓄積割合に基づいて発動時間が最大で2倍にまで変動するブラッドラストと異なりこちらは常時永続で効果時間が伸びるのが嬉しいところ。 ''連続エグゼキュート'' -アップグレードツリーで「連続エグゼキュート」を解禁して取得。通常コンボで同時にエグゼキュート可能となった雑魚系ゾンビを、最大10体まで連続でエグゼキュートできる。 --エグゼキュート時のスロー演出中に同ボタンの追加入力で、次のエグゼキュートが発動。タイミングを誤るとその時点で後続に続かなくなり、残りのエグゼキュート可能な敵はそのまま倒れる。 ---当然ながら体力回復キューブはそれまでエグゼキュートした敵の分しか出現しないので、可能な限り連続で成立させる事が体力維持の常套手段となる。 ---その分テンポを犠牲にしてしまうことにもなるが必要経費と言ったところ。 --エグゼキュート演出は完全に無敵となるため、タイミングを合わせることで敵の攻撃の回避にも役立つ。 ''ハーベスト(ゾンビ武器入手)'' -中ボス系ゾンビをエグゼキュートすることで、身体の一部をもぎ取ってそのまま武器として扱う事が可能となる。 --グラブ同様にフレイルの代用という形で使用することとなり、フレイルを用いた通常派生コンボは使用出来なくなる。各ゾンビ武器の性能差は大きいものの、どれも有用な性能を発揮する。 ---後述のエレメント効果を意図的に使うとなるとゾンビ武器が必要不可欠。「パンチドランク」から入手出来るナムチャク、「サイドスプリッター」から入手出来るヌンチャクル、「ロボット防衛ユニット(RDU)」から入手出来るポケットロケット(ゾンビ武器ではなく真っ当な兵器)、「テリブルツー」から入手出来るショルダーブレードにはエレメント効果が無いが、どの武器にも幅広い活用法がある。 --一定回数の使用でゾンビ武器は消滅する。残り使用回数は数値ではなく、画面右下に円形のメーターとして武器耐久値の減少という形で表示される。 ''エレメント効果'' -ピースアイテムの説明にある通り、敵ゾンビには炎、電気、毒の3種類から1つのエレメントを持ったものが半数を占める割合で存在する。 --中ボス系ゾンビの過半数からエレメント効果付属のゾンビ武器が入手出来るほか、敵からの飛び道具をカウンターする事でも結果的にエレメント攻撃を使うことが可能。 ---どのエレメント効果もスティッフ系の雑魚ゾンビにはほぼ一撃必殺の威力を誇るので、エグゼキュートを除外した戦略において存在価値は高い。 --この属性を用いて、エレメント持ちゾンビに対してゾンビ武器の別エレメント効果の2つを複合、或いは特定条件下でエレメント攻撃全てを組み合わせる事で其々異なる複合エレメント効果が発動する。 ---炎+電気は喰らった敵が火柱を登らせる程激しく燃え盛り、周囲に絶え間なく落雷を降らせる広範囲ランダム攻撃の「電磁ストーム」が発動。 ---炎+毒は対象に高速で持続的な燃焼ダメージを与え続ける「インフェルノ」で、対象がランダムで走り回る行動パターンに変化し、その際に触れた他の敵に対しても炎エレメント効果を感染させる効果がある。 ---電気+毒は化学反応で対象を全身結晶漬けにする「クリスタル化」で、発動した敵は完全に行動不能状態で硬直しっぱなしになり、パンチ((あくまで「動作としてのパンチ」が条件。ステイングファックダウン(S>P>P>P)、ライド・ザ・スネーク(S>S>P>P>P)、スクラブ・オービタル(S>F>F>P>P)などの「パンチ動作ではないP入力でのフィニッシュ攻撃」ではクリスタル化した敵に攻撃が通らない。))を1~2回当てれば粉々に粉砕して瞬殺出来る。 ---全てのエレメントが複合発動すると「疫病の雲」が出現し、画面の大部分をスモークと落雷で埋め尽くして広範囲に一斉に飛び道具が見舞われる。 ---さらに地面の広範囲に緑色のサークルが出現し、操作キャラであるヤイバも含めたサークル内部の対象に無差別に持続ダメージを与えることとなる。 ---持続時間が非常に長い上に効果が一長一短なので運用が難しく、狙って発動することそれ自体が難しいが、その光景はド派手で呆然とする事ウケ合い。 --つまる所、別のエレメントを複合すれば何かしら有用(一部は除く)な効果が発動するということであり、後半ステージはほぼエレメント持ちゾンビのみとなるので、使える複合効果は積極的に使っていくのが望ましい。 ''リカバリー'' -エレメント効果は敵だけでなく、ヤイバ自身にもしっかりと発動する。 --炎エレメントを断続して喰らえば持続燃焼するし、毒液で視界が染まっている時に電気エレメント攻撃を喰らえばしっかりと結晶化する。さすがに結晶化中に敵の攻撃で無条件即死することはない((一定回数の攻撃を食らった段階で即死はする。))が。 --リカバリーはこれらを解除する方法で、エレメントによって解除の仕方は異なる。持続燃焼はダッシュ数回で消化され、毒液はサイバービジョンで効果軽減、結晶化はボタン連打で復帰となる。 ---それ以外のエレメントの電界発生状態及び電磁ストームは解除方法が存在しないため、持続状態が終わるまで待つしかない。後者は理不尽に体力が減らされるために非常に厄介。自らに対する発動条件が殆ど成立しないのが救いか。 ---- **評価点 ''エロ・グロ・ナンセンスを地で行く世界観'' -レーティングがCOLOR(red){''CERO:Z''}(18歳以上のみ対象)故に自重の欠片も無く、そういった「コンセプト」という意味では王道と呼べる。 -吹き出物だらけの娼婦ゾンビ「ブリスターシスター」や双頭のジャイアントベイビーゾンビ「テリブルツー」等々、生理的嫌悪感満載な敵も目立つ。主人公ヤイバの外道な性格も合わせ、二重の意味で汚い。 --無論これらは狙ってそういう作風にしてあるわけで、プレイヤーにとって下劣で汚く頭の悪さを覚えさせることこそが開発側にとっての正解と言える。 -敵がゾンビである事を考慮しても、ゴア表現満載でやりたい放題。首が飛んだり、上半身と下半身が別々に襲ってきたり、爆発四散するのが通常進行。 --その割にグラフィックは切断面のリアルさや内臓の生々しさが除外されたアメコミ風タッチなので、上記の説明との矛盾があるかもしれないが''意外とすぐ慣れる。'' --表現そのものは過激ではあるのだが、「エグい系」のリアルなグロさは皆無と言ってよく、この手の表現技法としては相当マイルドな方。 --「こんなことされたらそりゃ間違いなく死ぬけどね」程度のものである。%%「ハッピーツリーフレンズ」級には至らないと言えば伝わるだろうか?%% --ゾンビ武器も、「腕ヌンチャク(ナムチャク)」だの「電撃を発する背骨(スパイナルザップ)」だの「火の着いた頭蓋骨を放つ巨大生首(リガーモーター)」だの「胃酸を噴射する内臓(ハグパイプ)」だの「巨大な肩甲骨そのもの(ショルダーブレード)」だの、悪趣味なものが満載。まともな武器は「犬を模した巨大メカに装備されたロケットランチャー(ポケットロケット)」くらい((そもそも「ゾンビ武器」ではないので当然と言えば当然だが。))。 -comceptのCEOである稲船敬二氏が関わっているためか、氏がカプコン在籍時代に手掛けた同じゾンビゲームとして有名な『DEAD RISING』シリーズに通じる舞台設定も見受けられる。 --舞台設定とは裏腹に、本作のバカゲー的なノリが災い(?)し、こちらはゾンビゲーとしてのシリアスさには程遠い砕けたノリである。 --主人公サイドの登場人物全員が本家シリーズ(ハヤブサ視点)から見るとダークサイドのポジションであるため、会話のやりとりも正義感や事態の収束に向けての内容は皆無。 --ゾンビアウトブレイクとヤイバを利用することを隠そうともしないラテン系の雇い主であるデル・ゴンゾ&ビッチ系エンジニアの美女であるミス・マンデーとの会話における主人公サイドの単純明快かつ裏の無い外道ぶりは、最早清々しささえ感じる程。 ''操作キャラクターの視点'' -主人公ヤイバの行動原理は、ただひたすらにリュウ・ハヤブサへのリベンジのみであり、自らの境遇や自分を利用しようとする同業者の思惑などは微塵も気にかけていない。 --その執拗なまでのハヤブサに対する執着ぶりは、ある意味ヤンデレとも取れる程である。 --実際、ハヤブサに殺されたこと自体は素直に認めているどころか、ゲーム中で何度死んでコンティニューしようが、その度に軽口((「死ぬのは慣れてる」等々。))を叩いて蘇ってくるしぶとさを持つ。 --そんな緩い死生観の持ち主なので、冒頭でのハヤブサとの1度目の決着では悪態と高笑いを思い切り吐き捨てて逝ったり、ストーリーの最大の見所では自らのことを顧みずに同業者の策略を斥け、「これでようやく眠れる」と迷うこと無く自ら死を選ぶ描写さえも。 ---「死ぬのは慣れてる」発言はシリーズの例に漏れず難易度の高いこのタイトル、ひいては高難易度の死にゲーアクションに対するある種のメタ発言とも言える。 ---だが、ハヤブサに対する愚直かつ直向きな執着心から来る「勝つまでやめない」を地で行く諦めの悪さは、ダークサイドからの視点という意味でも王道とはまた違った魅力がある。 ---とにかくヤイバというキャラ自体が、殺してもケロリと復活するしぶとさをウリに=死にゲーをネタにした主人公なのである。 ''敵を撃破する爽快感'' -操作キャラクターは忍ぶことはおろか忍術を一切使うことのないニンジャキラー、敵は好き勝手に暴れるゾンビという要素でひたすらに敵を倒すことが目的となるゲーム性は、単調な様でいて奥深い戦闘システムに基づいた中毒性の高いもの。 -3種類の始動技から派生するコンボルートの把握が戦闘の熟練度へとそのまま結び付き、フィニッシュ技でなくとも途中で経由する技の性能・リーチ・速度など、覚えておけば役立つ知識は多い。 --属性持ちゾンビに対するそれぞれの対処方も様々で、「自分ではなく相手を見る」ことが極めて重要。この部分は格闘ゲームの上達に必要な要素と同様とも言える。 --実際、3D格闘ゲームでは一般的な派生コンボや、回避・防御・カウンターからの反撃といった部分で共通する点が見受けられる。 --カウンターからオーバークロック効果で敵に接近し、高火力のコンボやゾンビ武器で畳み掛けるといった一連の流れがスムーズに出来る様になれば、サクサクとチャプターが進むのでテンポは格段に上がる。 -特定のコンボが引き起こす謎現象が齎した利点もある。 --アップグレードツリーから「サイボーグアームマスター」を解禁した状態で「カミカゼ・ドロップ(S>P>P>F)」のフィニッシュ直後にS>Sを入力すると、「チャンプ・サンプ(P>P>F>S>S)」の後半のS>Sの動作が続けて発動する。 ---カミカゼ・ドロップの2段目のPがチャンプ・サンプの初段と内部同期を引き起こし、カミカゼ・ドロップのフィニッシュのF入力がチャンプ・サンプの3段目として扱われているものと思われる。 ---チャンプ・サンプ自体はゾンビ武器ショルダーブレードのホールド攻撃と同様のショックウェーブを放つ強力なコンボで、意図せず発動しても実害はないどころか実戦的なテクとして活用出来る。 --同じ現象として、「リピートオフェンダー(P>S>S>F>F>F)」の5段目をS>Sに替えるとチャンプ・サンプの4段目以降の動作に置き換えることができる。 ---こちらはゲーム内メニューから確認できるコンボルートに記載されていないが、動作として違和感はないために単にコンボルートの載せ忘れの可能性もある。 ---全体動作が俊敏でフィニッシュがショックウェーブなので、コンボとしては上記同様すこぶる有用。 -通常コンボからのエグゼキュート、連続エグゼキュートで次々と雑魚ゾンビを派手に葬りさる流れは、否が応でも「殺しの高揚感」を味わわせてくれる危険なシロモノ。 -ゾンビ武器の多くはエレメント効果や高い攻撃力を備えており、通常技による派生コンボが苦手でも何も考えずに連打するだけで大半の敵を倒せるため、スティッフ系の雑魚ゾンビとの乱戦はストレス解消にはもってこい。難が無いわけではないが。 ''エレメントを用いた戦略'' -各種エレメント効果を利用する事で、敵の同士打ちを狙ったり、次のチャプターにゾンビ武器を持っていくことで難易度を緩和した状態で戦闘に突入出来たりと、有利にも不利にも働く要素が戦闘の展開を左右するものとしていいスパイスになっている。 --ただ闇雲に使うだけでなく、必要に応じて適切に利用すれば相乗効果で有効活用出来るというもの。 ---例えば、雑魚ゾンビが大量にいるポイントではエレメント効果付属のゾンビ武器を使った方が圧倒的に早いが、その次の中ボス系ゾンビが控えているフェイズで有効活用するために温存しておく、ブラッドラストが発動可能になるまで温存して発動中に使用することで火力を上乗せして一網打尽にする…といった風に使い所を自分なりに見極めることで戦闘での難易度が左右される。 ---その他、敵の攻撃でのいわゆる「フレンドリーファイア」による同士討ちも可能。ゾンブライドの電流レーザーやブリスターシスターの吐瀉物レーザーなどは発射方向を誘導しやすく、敵同士の複合エレメント効果の誘発を狙える。 --「クリスタル化」は発動させた敵を長時間破壊可能な物言わぬオブジェにするため、丸腰では厄介な電気&毒系ゾンビを相手にする時はこれらのエレメント効果が非常に役立つ。 ---- **賛否両論点 ''グラフィック'' -アメコミ風の原色が濃く浮き出たタッチで、本家シリーズとは一線を画する。 --本家シリーズに拘らなければ、「''外国人が勘違いどころか開き直って自由にアレンジしたNINJAゲーム''」という作風として上手く合致している。 ---無論、そういった需要を良しととるかどうかで好みがはっきりと分かれる作風ではあるが。 --ゲームとしての空気も徹底的にアメコミを意識しており、ステージ間デモも直接のリアルタイムレンダリングムービー以外ではコミック風に幾つかのムービーシーンの静止状態をセリフ事に表示し、その静止状態でカメラを回して視点を変えていく演出として構成されている。 ''技名'' -主人公ヤイバが使う一連のコンボ技は、全てがスタイリッシュな横文字の技名となっている。 --曲がりなりにも忍者なのだが、漢字を使った技名は一切無い。とは言えシステム名称の多くが横文字であるこのゲームの作風としては違和感は無いが。 --例を挙げると、「デス・スパイラル」「ドウーメラン」「ライド・ザ・スネーク」「カミカゼ・ドロップ」等。これらはまだシンプルで動きと合致したもので分かりやすい方。 ---さらに挙げると「ワーリングスカーミッシュ」「タリーワッカースマッカー((この「タリーワッカー(Tallywacker)」とは英語で男性器を意味するスラングである。いかにも本作らしいネーミングではあるが…。))」「エクセッシブ・ガッシュ・ペイン」「ディド・アイ・スタッター?」etc…いよいよもって動きが想像出来ないものばかりである。 ''一部の敵の動き'' -ストーリーファイルの説明によると、このゲームのゾンビはゾンビ化する薬の本来の影響により筋力が異常発達しているとのことで、ゾンビもののイメージとしてテンプレである「愚鈍で反応の鈍い」敵は皆無。 --…と言うか、リアルタイムレンダリングムービーでやたらとコミカルにボケをかますゾンビが大半で、「''お前らゾンビになってからの方が人生楽しんでないか''」と思わずツッコミを入れたくなるシーンが満載%%(そして、それに対して無言で淡々と対処するスルースキルの高い主人公ヤイバのボケ殺しぶり)。%% ---この辺りはゲームとしての仕様を抜きにして見た場合、ゾンビのセオリーとして好みが分かれるだろう。 -特徴のない通常のスティッフからしてかなり積極的に動いてこちらに攻撃を仕掛けてくる。 --グラントはジャンプしてハンマーパンチを出してくるし、フレイルに対するアーマー効果を持ち合わせる。 --ブリスターシスターや上半身のみのトルソーは、相当離れた位置からでも驚異のジャンプ力で間合いを詰めてくる。 -自爆ゾンビのグレネディアに関しては、なんとヤイバの移動速度を上回る速さで特攻を仕掛けてくる。 --ダッシュで振り切ることは可能だが、ダッシュの性能自体が万能ではないために壁際でグレネードのピンを抜かれた際は非常に手強い存在となる。 --稲舟氏は過去に『[[DEAD RISING>DEAD RISINGシリーズ]]』シリーズのインタビューにおいて「ゾンビが走るのは絶対にダメ」と公言していたのだが…別会社のタイトル故に押し通せなかったのか、単に気が変わったのかは不明。 -無属性ゾンビの中には、唐突に「お尻ペンペン」や「生首状態の頭部を片手で持ち上げてブラブラする動作」などで挑発してくるものもいる。 --このゲームは難しく考えないバカゲーだという暗喩だろうか。おかげでアウトブレイクに巻き込まれたという設定ながら倒すのに微塵も罪悪感を感じないが…。 ''ゾンビ武器で敵を倒した際の仕様'' -エグゼキュートの項目で示した通り、ゾンビ武器で敵を倒した時はエグゼキュート出来ないために体力回復キューブが出現しない((ショルダーブレードのみ例外でエグゼキュート可能。))。体力回復キューブは、あくまで「通常派生コンボで発動したエグゼキュート時のボーナス」なのである。 --この仕様のおかげで、リカバリーを意識して戦闘を進めるとなると必然的にゾンビ武器を封印する必要が出てくるため、有用となる攻略要素が長い目で見るとかなり使いどころを選ぶものとなってしまう。 --ゾンビ武器である程度体力を削り、トドメに通常のコンボからエグゼキュートという戦い方も可能だが、ゾンビ武器自体がかなり高性能で高い火力を持つために微調整が難しく、結局割り切ってゾンビ武器で殲滅するという結果になりがち。 --体力の回復と状況打破を天秤にかけてどちらを取るかという戦略かと思われるが、このゲームの体力回復キューブは自動取得なので…(後述の問題点に明記)。 ---チャプターが終了した段階で体力が全快するため、チャプター終局においては体力面に余裕があればそこまでこだわらなくても大丈夫ではある。 ---ただ、その場合は中ボス級ゾンビからのゾンビ武器を入手するかしないかという別の問題を考慮する必要が出てくる。 ---- **問題点 ''ロードが長い'' -ステージデータを一括で読み込んでいるのか、ステージ開始やコンティニュー時に平均して20秒にのぼる長いロード時間を伴う。 --本家シリーズ同様にこのタイトルも元々難易度が高く、慣れない内は終盤のチャプターは何度もコンティニューすることになる。その度にこの長いロードを味わう事になるので、非常にテンポが悪い。 --ただし、1つのステージにおけるフィールドの全体構成は非常に広大で、トラバースでテンポ良くシームレスに次のチャプターへと移動するのを考えれば、このやり方にせざるを得なかったであろうことは予想できる。 --ステージ内でも数チャプター毎に次のマップデータを読み込むロード時間があり、この場合のロード時間はステージ開始時やコンティニュー時と比べたら格段に短いので、決して読み込み時間に関するプログラム上の質が低スペックということではない。 ''カメラワーク、カメラ設定諸々の悪さ'' -カメラ設定「ワイド」で顕著。フィールド広範囲を移すために引いた状態のカメラとなるのだが、大型の敵が密集していたり攻撃のエフェクトが過剰に表示されるおかげで操作キャラクターが完全に隠されて現在位置が把握不可能となることもままある。 --毒液を喰らった時以外は飛び道具エフェクトに透過処理が施されていないため、狭いフィールドで電磁ストームの火柱やスモークで画面が覆い尽くされると、ほぼ確実に操作キャラクターを見失ってしまう。 --「クローズアップ」はかなりカメラがズームした状態となるので、敵の攻撃をさらに把握しにくくなるという弊害もある。つまり、引き過ぎか寄り過ぎの二択。ワイドでもまだマシな方なのである。 ''敵の攻撃が理不尽'' -ワイド設定でも、画面外からの見えない速度の飛び道具、画面外からの高速突進、電磁シールド状態で真正面にワープして突撃は当たり前。 --ゾンビからの飛び道具は漏れなくエレメント効果が付いてくるため断続ダメージを喰らう事も多い。 --電磁シールド状態の敵はフレイル以外の通常攻撃を当てると弾かれて電界状態となり、一定時間パンチとフレイルが使用不能となるため非常に厄介。しかも、この手の電気属性に限って集団で出てくる始末。 ''グラブの全体動作が遅い'' -フレイルを長く伸ばして敵ゾンビを掴み、手元に引き寄せる一連の動作に''1.5秒程''掛かる。 --スピーディーな展開と瞬時の判断力にウェイトを占めている戦闘面において、この所要時間が如何に長く致命的であるかは想像に難くないだろう。 ''コンボ攻撃の性能の偏り'' -派生~フィニッシュまでの隙やトータルダメージを考慮していくと、必然的に高性能なコンボへと使用頻度は傾いてしまう。 --特に「コフィンノッカー」の万能ぶりは特筆もの。3段でフィニッシュまで出せる速さ、リーチの長さ、ダメージの高さ、それに加えて上述のエグゼキュート失敗モーションでのキャンセルによる瞬間的な硬直解除の恩恵も一際受けており、兎に角アウトレンジからの高火力の一発を絶え間なく出せる点が大きい。 ---失敗モーションでなくともエグゼキュート出来る状態ならそちらに移行するので、キャンセルは常に入力しても全く問題が無い。 ---ステージ2のボスであるRDUもこの「エグキャンノック」だけでノーダメージ撃破可能な程には壊れテクと言える。全ステージから見た観点でも、序盤から終盤に至るまで大体この攻撃で何とかなるレベル。 --敵の攻撃も激しいおかげで、使えないコンボはとことん無用の産物。多彩なコンボを使い分けるという狙いからは大分遠のいてしまっている。 --全体的にスラッシュ+フレイルの組み合わせの派生コンボがクセがなく使いやすい反面、パンチ主体の派生コンボは1発の隙が大きい割にフィニッシュまでのトータルダメージに難があるものが多い。 ''ボタンホールド攻撃の入力優先順位に伴う派生攻撃不成立でのコンボリセット'' -アップグレードツリーの項目で「ロケットパンチ」及び「イーブルサークル」を解禁して使用可能になるパンチとフレイルのホールド攻撃は、ホールド開始 → ホールド成立までにボタンを離すと通常のパンチ/フレイルの「初段」が出るという仕様がある。 --この仕様のため、ホールド状態「開始段階」までボタンを押し続け、「非成立段階」で離すタイミングでコンボを入力していくと、意図せずにコンボが途切れて初段のパンチ/フレイルが漏れることとなってしまう。 --コンマ数秒単位のボタンホールドで意図せずに起きてしまうために戦闘の流れが崩されやすく、エグゼキュート演出での無敵回避やその後の回復を見込んだ上でのコンボの最中に意図しないホールド非成立によるコンボリセットが起きてしまうと場合によっては致命的なダメージを受けることにも繋がりかねない。 --しかし、「ホールド非成立段階」の導入そのものは逆に通常のパンチ/フレイルの初段を出そうとしてホールド攻撃が暴発することを防ぐ目的から必要な措置であるのも事実なのが辛い所。 --ゲーム本編ではアップグレードツリーの項目故にロケットパンチとイーブルサークルを解禁しないことでこの問題は完全に防ぐことができる。 --両者共に単体で強力な攻撃であるためにコンボの把握が未成熟な段階のプレイヤーにとっては戦略が減ることになってしまうが、熟練プレイヤーにとっては「あえて解禁しない」ではなく「解禁すると厄介」な問題であるためそうした措置を取る選択も生まれることになっている。 ---それ故、アップグレードツリーの項目が全解禁された仕様のおまけゲーム「忍者外伝Z」では常にこの問題を背負いつつプレイする事を余儀なくされてしまった。 ''打撃攻撃に対するカウンターの仕様'' -打撃攻撃へのカウンターのタイミングがほんの一瞬しか設定されておらず、飛び道具へのカウンターと比べて異常な程に成立させ難い。 --打撃攻撃の場合、カウンターを取れたとしてもその後のメリットが薄い((飛び道具カウンターの場合はエレメント効果をそのまま反射できるが、打撃攻撃にはそもそもエレメント効果が搭載されていない。))ため、最初から距離を置いて近付かない様に立ち回れば全く問題とならないというのも拍車をかける。 ''武器を手放す際の仕様'' -武器を手放そうとしてボタンを入力した際、無属性のスティッフ系ゾンビがフィールド上の掴める範囲にいた場合はグラブが優先的に強制発動してしまう。 --フレイルを使いたいので素手の状態になろうとしても、勝手に発動してしまうので非常に不便。また、グラブ状態から直接武器を拾うことも出来ない((投げ捨てる動作を経由して一度素手になる必要があるため。))。 -武器持ち状態から別の武器を拾うことは可能だが、その際手放した武器が異様に遠い位置に設置されることがある。ひどい時には6~7キャラ分規模の距離にもなる。 --さらに、手放した際にフィールドの壁に阻まれたり奈落に落下していったりと''再度拾うことが不可能な位置に設置されてしまう事まである。'' ''体力回復キューブの保管が出来ない'' -エグゼキュートで出現した体力回復キューブは、触れるどころか接近しただけで自動入手となるので、体力の調整を図ろうとすればフィールド上の移動範囲が狭まってしまうという影響を及ぼす。 --全体的に敵の攻撃力の高さと理不尽なカメラ要素のせいでダメージを負う機会が多いため、この仕様は辛い。何らかのボタンによる任意取得であれば、難易度は大分軽減されたはずである。 ''ライフが僅かになった際のモノクロ画面への移行'' -光源処理が均一化されるおかげで、炎系、毒系の飛び道具の認識が非常に難しくなる。 --ただでさえライフが残り僅かで危機的状況であるにもかかわらず、視界がさらに悪いものとなるのである。 ''敵の少なさ'' -全体から見ても有機体の敵のほぼ全てを占めるゾンビ系は13種類、うち一般的な無属性雑魚ゾンビは4種類。無機物の敵もボスとして2機存在するが、使い回されまくるor出番が殆ど無い、のどちらか。 --ステージ6の後半は属性持ち中ボス系ゾンビを大量に使い回した安易な配置のチャプターが目立つ((特に「踏みつけ注意!」のチャプターで顕著。))。歯応えはあるものの水増し感は否めない。 ''ステージ4最終チャプター前の移動シーン'' -一言で言えば運ゲー。パイプから吹き出る回転式の火炎放射地帯をトラバースで進んでいくのだが、炎と炎の間隔が非常に狭いくせに何度も何度も同じことの繰り返しの上、当たれば直前のポイントからのリトライとなる。 --中盤にもパイプから吹き出る熱蒸気を回避しながら進むトラバース移動地帯があるが、最終チャプター前の移動よりは大分マシである。それでも慣れない内は結構なリトライが必要だが…。 ''トータルでのボリューム不足'' -戦闘が主体のこのゲームで全7ステージというのは、スムーズに進める様になればそれだけ全体を通じてのプレイ時間が少なくなるという点も踏まえて短いと言わざるを得ない。 --全ステージの内、ステージ1は全編チュートリアル、ステージ3はチャプター数が5つのみでボス不在、ステージ5と7はボス戦のみといった具合。慣れたプレイヤーが楽しめるのはせいぜいステージ2、4、6ぐらいのもの。 --敵の少なさも災いし、ステージ4に突入した辺りからはほぼ全てのチャプターで今まで出演した敵で構成されたマイナーチェンジ版のチャプターという有様となる。裏を返せばそこまでに培った戦術だけで以後も通じるということでもあるが。 --クリア後に解禁されるおまけゲームの『忍者外伝Z』も含めてもそれなり程度のボリュームであることに変わりはない。 --「最初から終点が見えているストーリー展開」という点においては、暇が出来た時に気軽にサクッとプレイ出来る作品であると置き換えることも出来るが…。 ''様々なバグ'' -ゲームを進める上で、決して影響が小さくない不具合が結構な数見受けられる。以下はその一例。探せばまだ出てくる。 --フィールド上の壁をすり抜けて本来進行不能となる箇所に移動する((大半は進行箇所に戻れなくなるのでリセットするしかない。))。 --ハグパイプがボタンを押さずとも自動噴出&残弾制限無しで撃ち放題になる。 --エグゼキュート時やカウンター時のグラフィックが合致していない。通称エア処刑&なんちゃってカウンター。 --敵が全く攻撃の届かない場所に出現してしまい倒せずに進行不可になる。 --ミス時のスロー演出中のパンチドランクが不自然な挙動をする((超高速で振り向きを繰り返したり、微動だにしないままスィーッと流れるように移動したり。))。 ''紅葉について'' -今回も龍の巫女である紅葉がハヤブサのパートナーとして出現するのだが、声が皆口裕子氏ではなく柿沼紫乃氏が担当している((本作の音声収録時期が皆口氏の海外留学による一時休業期間に重なったことによるものと思われる。柿沼氏は他にアニメ『ドラゴンボール改 魔人ブウ編』のビーデル役などでも皆口氏の代役を担当していた。))。 --しかし似てない、演技が微妙といった否よりの意見が多く、今回の紅葉は本物ではなくドッペルゲンガーと揶揄されてしまった。 ''シナリオ'' #region(''エンディングを含む核心部分まで含めたネタバレ注意'') -ハヤブサとの死闘の結末は結局双方決着を付けることなく、ヤイバ側は雇い主のデル・ゴンゾの謀略を私怨込み((むしろハヤブサとの決戦以後はそれが主な行動理由。))で打ち砕きに行くこととなる。 -ゾンビアウトブレイクは収拾に向かうどころか、ミス・マンデーの提案で「疫病を沈静化させる手段は(サイボーグ技術で)ヤイバの頭に記録してあるから、''数ヶ月出し惜しみすれば大きな価値が出る''」として放置されたまま。外道にも程がある。 -肝心のハヤブサはと言うと、ヤイバとの死闘後にヤイバが復活するまでの3週間、特に成果を上げるわけでもなく、事態は一向に引き伸ばされたままである。''お前何してた。'' #endregion ---- **総評 作品としてのコンセプトは悪くないが、如何せんゲーム内での様々な仕様が尽く悪い方向に複合して働いていることが積み重なって、痒い所に手が届かないゲームという認識が強いものとなっている。~ そうでなくとも、『NINJA GAIDEN』の名を連ねていながら、本家シリーズとは全くと言っていいほど関わりのない世界観が本作の評価を著しく貶めてしまったことは否定しようのない事実だろう。~ 戦闘システムも慣れを要するものが多く、敷居が高い割には全体のボリュームが少なめで、そこに本家シリーズ譲りの高い難易度が足を引っ張り、光る要素を様々に兼ね備えていながらアラだらけの完成度の低い一本となってしまった。~ しかし、戦闘システムそのものは慣れれば爽快で不思議な中毒性があるのは間違いなく、まさしく上達が楽しさに直結する正統派な戦闘アクションであるのも事実。~ ゾンビ×忍者+サイボーグという好きな人にはたまらないコンセプト、アウトブレイク真っ最中であるにもかかわらずおバカな世界観や戦闘の演出、外道ながらも諦めを知ることのないヤイバのキャラクター自体は好きという声もそれなりにある。~ そのため、改善すべき点をきちんとブラッシュアップすれば少なくとも佳作にはなれた作品であろう。 ---- **余談 -前述の通り本作でヤイバをサイボーグ化したのはセクシーなエンジニアの美女であるミス・マンデーなのだが、発表時のトレーラーでサイボーグとなったヤイバの横に描かれていたのは''メガネをかけた長身の男性''だった。 --また、初期の公式サイトではストーリー紹介にてヤイバが自分をサイボーグ化した人物を「''ジジイ''」と読んでいたため、開発の途中で設定が変更されたものと思われる。 -ヤイバは忍術の類は一切使えない。「俺ほどになると忍法なんて必要ない」とは彼の弁だが、果たして真相は…。 -前述したいくつかのコンボのフィニッシュムーブとして採用されているショックウェーブ攻撃は、動作こそ共通しているが攻撃の分類による特色はしっかりと分けられている。 --「ステイングファックダウン」はフィニッシュ入力がP、「チャンプ・サンプ」(及び「リピートオフェンダー」の5段目のS>S変換コンボ)はフィニッシュ入力がSとあって、前者はファイアスティッフをエグゼキュート可能だが、後者は不可能という違いがある。 -ステージの各チャプター名称は、往年のエンターテイメント作品のタイトルや用語をもじったパロディ満載なものが多い。 --「半身這い出ーす!((人気プロ野球球団「阪神タイガース」の当て字。))」「突撃隣のBOMBドカーン!」「バラバラの身!」「その忍者、凶暴につき」「モンスターハウスだ!」「あの羽根を壊すのはあなた」「下水の国からはるばると」「イエローホルマリン」「なんだかとても寒いんだ」「足元コントロールダンディ」「神殿ナイトフィーバー!」etc… --他にも実績の名称には「ニンジャ・タードル」「エレメンタルグラフィティ」「コインいっこいれる」「All your base((東亜プランから発売された横スクロールアクションシューティング『ゼロウィング』における、1992年にアーケードから移植されたヨーロッパ圏向けMD版OPデモを発祥とするネットミーム「All your base are belong to us」が元ネタ。典型的な文法間違いの例として知られる。))」などなど、文字情報のみとは言えどかなり露骨である。 -ゲーム内メニューのデータベースから読めるリュウ・ハヤブサの経歴の中には、「ノストラダムス教団の信者をたった1人で何百人も殺害」というものが含まれている。 --ノストラダムス関連の設定が盛り込まれているのはシリーズ第1作としてリリースされた、かの%%怪作%%[[AC版『忍者龍剣伝』>忍者龍剣伝 (AC)]]である。 --敵が教団や信者という設定までは作られていないために必ずしもそうであるとは言い切れないが、間接的にAC版『忍者龍剣伝』の自機忍者=リュウ・ハヤブサであることがほぼ確定に近い形で言及された((お蔵入りとなったAC版『忍者龍剣伝2』では初代の自機忍者はリュウ・ハヤブサであることが確定していた。))。 -スペシャルゾンビパックには、本タイトルのサウンドトラックや壁紙が同梱されたゾンビ型USBメモリ(上半身と下半身が分断する仕様)、コスチュームのダウンロードシリアル、カレンダー、ストーリー開始以前のヤイバの「忍者としての修行時代からの軌跡」を描いたアメコミ等が付属されている。 -コスチュームに関しては、スペシャルゾンビパック以外にも初回封入特典として「ソルジャー」の他、タイアップとして今作に関わった稲船氏がプロデュースしたアクションゲーム『[[Mighty No.9]]』の主人公・ベックのコスチューム((コスチュームというより着ぐるみに近い姿だが。))、大槻ケンヂ氏の小説から映画化によりビジュアルが描き下ろされた『ヌイグルマーZ』とコラボしたコスチュームが存在した((シリアルコードの期限が過ぎたため、現在はダウンロード不可。))。 --また、『[[DOA5U>DEAD OR ALIVE 5#id_bbdf9210]]』においても、ハヤブサ&紅葉に本作のコラボコスチュームが存在する。 -アメコミに関しては公式サイトでも一部を読む事が出来る(尻切れとんぼ感はあるが…)。 -本来であれば本作でも攻略本が発売される予定であったが、公式サイトによると諸般の事情で発売未定となっている。 --このために紙媒体での攻略情報は皆無、ネット周りでの情報も非常に少なく、ゲーム内容も認知度が低い。 -本作の開発は名目上Team NINJA、comcept、Spark Unlimitedによる3社共同開発となっているが、Team NINJAとcomceptはいわゆる監修や補助的な部分で関わっており、開発のメインはSpark Unlimited側によるもの。 --アメリカのデベロッパーであるSpark Unlimitedは、過去に『Call of Duty: Finest Hour((初代『Call of Duty』を家庭用機向けに移植した作品。))』や『ロスト プラネット 3((こちらもシリーズファンからは酷評された作品である。))((何の因果か、『ロスト プラネット』シリーズはcomceptのCEOである稲船敬二氏がカプコン在籍時代に手掛けた作品である。そして、『NINJA GAIDEN』も『ロスト プラネット』もSpark Unlimitedが開発した作品を最後にシリーズが途絶えている。))』等の開発を手掛けていた。奇しくも同社は本作発売の翌年に全スタッフをレイオフした後、同年の5月にスタジオを閉鎖している。 -2019年1月2日にコーエーテクモゲームスが、アメリカで本作のタイトルである『YAIBA NINJA GAIDEN Z』の商標出願を行っていたことが明らかとなった。 --しかし、このニュースから2年後の2021年1月に''『NINJA GAIDEN』シリーズに新作の計画が無い''ことが明らかとなったので、この商標出願が何だったのかは謎である。 ---同時に、''本作が事実上『NINJA GAIDEN』シリーズの最終作であることが確定してしまった。'' --2021年にはシリーズのリメイク版3作品をまとめて移植した『NINJA GAIDEN: マスターコレクション』が発売されたが、本作は特に触れられることもなかった((もっとも、これに関しては需要云々以外にも「ゲームの舞台であるウクライナで人為的要因によるゾンビアウトブレイク発生、事態の対処のためにロシア軍が街全体に軍を送り込んで爆撃している」という設定が、2022年以降における現実の情勢と照らし合わせてあまりにも笑えないことになっているのも大きな要因として考えられる。))。 //リブート版発表の件は海外メディアの誤報だったので削除。 ---- *NINJA GAIDEN Z / 忍者外伝Z 【にんじゃがいでんぜっと】 **概要(忍者外伝Z) 本編クリア後に解禁されるおまけゲーム。~ 斜め見下ろし型のベルトスクロールアクション風にアレンジされた、昔懐かしのゲーム性。~ BGMも往年のものを採用しており、単純なゲーム性ながら本編に勝るとも劣らない内容となっている。~ しかし、本編をクリアする腕前が前提で調整されているのを考慮しても、その難易度の凶悪ぶりは枚挙に暇がないものであった。 ---- **ストーリー(忍者外伝Z) サイボーグ忍者ヤイバの手元から名酒「邪鬼王」が消えた。ヤイバは邪鬼王を取り戻すため、よっぱらい(ゾンビ)の群れを突き進んでいく。 ---- **ゲームシステム(忍者外伝Z) -残機&ライフ性のシンプルなアクション。 --基本システムは本編に準えているため、アレンジされた部分&独自要素のみ記載。 --ちなみに、このアレンジされた仕様は取扱説明書では一部のシステムに説明がないため、初見では若干戸惑う事だろう。 ''エグゼキュート/サイバービジョンが使えない'' -特に前者は最大の変更点。この仕様によりライフピースのドロップがなくなったため、体力回復手段が最低限のものしか存在しなくなり、リカバリーが非常に効き難くなった。 --エグゼキュート失敗動作でのフィニッシュ技の動作キャンセルも不可能となったため、しっかりと的確にコンボを使い分けなければ無用かつ致命的なダメージを追う危険性が高まった。 --特に、本編で異常な程の使い勝手を誇るコフィンノッカーの万能ぶりが抑えられたのは相当大きい。 --ライフ回復を気にする必要が無くなったため、中ボス系の敵がゾンビ武器を落とす事もなくなったことも含め、相対的にグラブの使用価値が本編とは比較にならない程に増している。下手にコンボを狙うよりグラブ殴打連打の方が大分安定する。 -後者に関しては、こちらのおまけゲームの方では破壊したオブジェの先の隠しルートといったギミックは無いためにそちらの用途としては全く問題無いが、大勢のバイルスティッフ/ブリスターシスターの四方八方からの毒液で頻繁に視界が染まるため、視界回復の意図での使用出来なくなった事は結構な痛手と言える((ステージ3のボス戦前やステージ4の金のゾンビ出現ポイント前のフェイズで顕著。))。 ''ブラッドラストが専用アイテムを消費する'' -特定の箇所に設置されたレイジアイテム「COLOR(red){''風''}」を入手し、1つ消費する事で発動するものへと切り替わった。何度も敵を倒して少しずつ風ゲージを蓄積させていくという行動が必要なくなったので、使い勝手は大幅に増している。 --画面表記では3つまでしかストック数が表記されないが、内部ではしっかり3つ以上ストックされているので安心((「×N」表記にすれば良かったのではということではあるのだが。))。 ''ステージ間でゾンビ武器を引き継ぐ'' -ステージボスを倒した際にゾンビ武器の耐久値が残っていた場合、その武器を所持した状態で次ステージが開始する。 --特にボス戦直前でゾンビ武器が入手可能なステージ3からステージ4に移行する際に高い恩恵を得られる。 ''ステージの特定の箇所に「金のゾンビ」が出現'' -スティッフより耐久力が高い黄金のゾンビで、攻撃手段は持たずに高速でフィールド内を駆け回るだけの存在。 --一定時間が経過すると、倒さずとも突如出現したポータルに吸い込まれて消えてしまう。 --倒すと大量の得点アイテムとゾンビ武器をドロップする。このおまけゲームではこの方法でしかゾンビ武器を入手出来ないので、是が非でも倒したい所。 --移動速度が速く、頻繁に角度を変えて逃げ続けるために単純に倒すだけでも意外と苦労する。確実に倒すならばグラブ殴打推奨。 --ドロップするゾンビ武器は2~5つ。種類はランダムで、倒すのに時間を掛ける程ドロップ数が減るために即効撃破を狙いたい。 --このゲームでは本編に比べて攻撃力が底上げされているため、耐久力の高いナムチャクや一撃の威力がケタ違いに高いショルダーブレードの需要が高い。 --前者は属性持ちスティッフとの乱戦に、後者は中ボス乱戦にと、これらがダブればかなり「アタリ」である。 --ある程度の運が絡むが、攻撃を当てて倒れていない間に体力回復キューブをドロップすることもある。 --体力回復手段が非常に限られた仕様のこのおまけゲームではこの恩恵が非常に大きなものとなるため、リカバリーポイントとしての望みも大いに見込めるものとなる((ゾンビ武器同様、あくまでも運ゲーではあるが。))。 ''残機アップアイテムが追加'' -有限コンティニューであるためか、特定の箇所に残機アップアイテムが設けられた。 --ステージを進めていくと割合容易く入手出来るが、難易度的にはこれでもかなりシビアな数である。 **その他(忍者外伝Z) -プレイヤー、敵共に攻撃力が底上げされた。本編ではあまりダメージを稼げなかったコンボも、このおまけゲームでは十分に使い物になるレベル。 --ブラッドラストを発動してゾンビ武器攻撃を連打しようものなら、ラスボス含む全てのボスを瞬殺可能というインフレ具合。 --と言うか、仕様を把握してレイジアイテムとゾンビ武器を最後まで持っていけば''ラスボスが一番楽''という…。 --その代わりに敵からのダメージも本編の難易度ナイトメアを軽く上回る規模。 --最序盤のグレネディアの自爆を食らうと、直撃で体力最大値から即死、爆発範囲ギリギリからでも最大値からミリ残し状態(あと一撃で死ぬ)まで一気に持っていかれる。 ---上記の通り体力回復手段が限られたおかげで、一度窮地に陥ると何もできないままミスとなることがほとんど。最初から最後まで殺しに来ていると言っても過言ではない。 -体力回復アイテムは道中に少量設置されている他、特定のオブジェを壊すと入手出来る。 --だが、肝心の回復量が最大値の1/3程度しかなく、敵の攻撃は全般、あっさりと半分以上持っていくので気休め程度のもの。 ---- **評価点(忍者外伝Z) ''ゲーム性がシンプルになった'' -攻撃力の底上げによって、少しのコンボでもスティッフ系の雑魚敵はサクサクと倒せるようになった。 --グラブの需要も増したため、中ボス系の敵に対してもいささかダメージを通しやすくなっている。 --難しいコンボを意識せずとも多少は融通が利くという事である。もちろん、ルートが複雑だが高性能な派生コンボも立ち回りが上手ければ出番は多い。 ''カメラアングルが快適になった'' -一定方向からの角度に統一された為、本編よりはかなりフィールドを把握しやすくなっている。 --敵の配置は難有りではあるが、認識のしやすさは比較すべくもなくこちらが上。 --ただし完全俯瞰視点エリアは別で、本編のカメラ設定「ワイド」以上に引いた視点になる上に、操作キャラがどの方向を向いているかが非常に把握し難い。 ''BGMチョイス'' -『NINJA GAIDEN』の源流である『忍者龍剣伝』([[AC版>忍者龍剣伝 (AC)]]及び[[FC版初代>忍者龍剣伝]])のBGMを採用しており、知っているプレイヤーには懐かしいチョイス。 --FC版から採用された多くの原曲は、SEが増えたリミックス版と呼ぶべきものとなっている。原曲と聞き比べてみると実はかなりグレードアップしていることが分かる。 ---ステージ3の冒頭から中盤までのBGMには、シリーズでも特に有名な名曲「鮮烈のリュウ」が採用されている。 --デモシーンや完全俯瞰視点エリア、エンディング等に至っては、なんと''AC版忍者龍剣伝のBGMが採用される''という、%%謎%%破格の待遇が成されている。 ---しかも、夫々のシーンにやたらマッチしており違和感が全く無い。%%おかげでAC版がより一層怪しい怪作に見えてしまうという弊害も生まれた。%% ''ストーリーがいい意味でしょうもない'' -酒のために超難度のステージを進んでいくヤイバの行動原理はとてもバカバカしく、清々しい。その酒の名前に『忍者龍剣伝』の悪役の名前を持って来る時点で古参ファンは爆笑ものである。 --ステージ3終了後のデモでは龍剣伝の有名なセリフのパロディで「''お れ の 邪 鬼 王 !''」と宣う。最早脱力級のギャグである。 ---- **問題点(忍者外伝Z) ''極悪な難度'' -「体力回復手段が極めて少なく、回復できたとしても回復量自体が非常に少ない」「敵の攻撃力が異常で即死も多い」「道中の破壊可能なオブジェは8割方ダメージギミックとなる罠」「金のゾンビが難易度に雲泥の差を齎す程の運ゲー」…といった極端なバランスを踏まえた上で、“コンシューマ機特有のオプションの存在”など知ったことかと言わんばかりの「有限コンティニュー仕様」もあり、全く容赦する素振りを見せない難度曲線である。 --もし本作のアーケード版が出ていたとすれば、如何様に罵詈雑言が浴びせられることかは想像に難くない((Win版の実績ではこのおまけゲームは「アーケードモード」名義であるが。))。 --おまけに一部のオブジェから入手出来る体力回復アイテム&残機アップアイテムが、結構な頻度で出現しない事がある。単なる不具合か、その地点に到達するまでの時間経過or成績的な管理フラグでもあるのかは不明。 --金のゾンビがドロップするゾンビ武器の結果によって、進行難易度に相当な差が出るのが辛い。弾数が少ない上に命中頻度も極めて悪いリガーモーターは無いよりマシ程度でほぼハズレ武器。そんなものが''ドロップした4つのうちの3つを占める結果になった''なんてことも…。 --残機アップアイテムを全て入手したとしても、これらの仕様のおかげで何とかギリギリクリア出来るかという、地力を上げること(特にカウンターの精度)を否応にも要求されるレベルの難しさである。おまけゲーム…? ''ステージクリア時のリザルト画面での仕様'' -各ステージボスを倒すと画面が黒くフェードアウトした状態でスコア換算に入る。 --この状態では画面こそ真っ暗ではあるものの自機のヤイバは通常通り移動や攻撃が可能で、そればかりか何かしらの要因で攻撃を食らうと普通にダメージが入ってしまう。 --あろうことか、スコア換算時の黒画面で外的要因により体力が尽きると''そのままミスとなりコンティニュー画面に移行することとなる。'' --要因としては、トルソーやレッグの攻撃、ピンを抜いた状態で倒したグレネディアの手榴弾の爆発、燃焼効果による持続的な体力減少、複合エレメント効果の電磁ストームが齎す落雷など。 ---この内、ボスの取り巻きのスティッフ系雑魚ゾンビを倒した際に関しては、トルソー/レッグとなり半身で生存したままとなっているものがボス戦時のみ内部データで「スティッフは倒した」として処理され、トルソー/レッグには全滅でのクリアフラグ自体が定められていないものと思われる。 ---特に大量のグラントが出現するステージ3のボス戦はトルソー/レッグが残りやすいので、体力が少ない状態でクリアした場合はスコア換算中も絶えず移動やダッシュを繰り返しておくのが無難。 ''ステージ1中盤のボーナスラウンド'' -30秒のタイマーが設けられ、次々と湧いて出る雑魚ゾンビを殲滅させて次のエリアに向かう完全俯瞰視点での戦闘パートなのだが、どれだけ急いだとしても''絶対に30秒では間に合わない。'' --地面から敵ゾンビが出現するタイミングそのものがゆっくりとして遅い事に加え、一定数倒さないと第二波、第三波も出現しない(したらしたで、これがまた遅い)。 --一度倒してもトルソー化して完全には倒れない敵ゾンビも多く、それらがまた移動距離の長い跳躍で飛び回るために走り回らなければならず、その結果第二波第三波のフラグがさらに遅れる…という悪循環。 -これらのことから、ボーナスラウンドと言っておきながら何がボーナスなのかまるで分からないことになっている。 --ボーナス自体はあると思われるが、発売から現在に至るまで、全プラットフォームを通じてこのエリアを30秒以内に突破した動画は無い。 --制限時間を超えたとしてもペナルティは無い。あったとしても困るのだが、この事がよりいっそう「ボーナスって何だっけ」感を後押しする形となっている。 ''ステージ1中盤の金のゾンビ出現チャプター終了後のレベルデザイン'' -このチャプターの終了後は階段状の足場をトラバースで登って次のチャプターへと進むのだが、この足場の赤ラインをトラバースジャンプで通り越すと後戻りできない仕様がある。 --そのため、直前のチャプターで金のゾンビがドロップした複数のゾンビ武器を1つしか持っていけないという事となる。 --上記の通り、金のゾンビ自体の運ゲーに加えて、その金のゾンビが初お目見えとなるシーンの直後にこの仕打ちである。 --有用な武器が何一つ活用されないまま1つを除き全て無駄となってしまう事に対し、開発者は誰も意義を唱えなかったのだろうか…? ''ステージ2の特定のエリアにおける敵の永続クリスタル化の誘発と対処法'' -ステージ2の後半、溶鉱炉エリアに続く直前の戦闘(ファイアスティッフ2体&エレクトリックスティッフ多数のフェイズ)では画面右の鉄橋を覆い尽くす勢いで毒液が絶えず噴出するダメージゾーンが設けられ先に進めなくなっている。 --だが、このダメージゾーンはエレメント効果の毒であるため、エレクトリックスティッフが接触すると複合エレメント効果によるクリスタル化が発動する。 --クリスタル化したエレクトリックスティッフはダメージゾーンで硬直し続け、時間経過でクリスタル化から復帰した直後に毒ゾーンに触れて再度クリスタル化することになり、永久的にクリスタル化が終わらなくなる。 --前述の注釈に示した通りクリスタル化した敵に通るのは「パンチ動作を行うP入力」であり、遠距離からショックウェーブを放つP攻撃のステイングファックダウンであろうとクリスタル化したゾンビには攻撃が無効となる。 --故にダメージゾーンの右奥にワープされてクリスタル化した場合、パンチ攻撃を通すにはダメージゾーンに侵入=''最低一度の被弾を余儀なくされる''((実際には侵入時に被弾~被弾後の無敵中にパンチで撃破~戻る際に無敵が切れて被弾…と2回被弾する結果になりやすい。))。 --レイジアイテムのストックがあればブラッドラストを発動して無敵状態で強引に突破することは可能だが、''ストック/残機共に0、なおかつ体力が1/3以下でこの状態に陥ると''COLOR(red){''ゲームオーバーが確定する。''} ---ここで問題となるのはクリスタル化の永続ではなく「エレクトリックスティッフがランダムで常時ダメージゾーンにワープすること」であり、これがダメージゾーンとなる毒液の噴出が一定周期で止まるものであれば問題にならなかっただろう。 ''様々なバグ'' -特に多く、それでいて致命的なものが、進行フラグを満たしているにもかかわらず内部パラメータの不具合でフラグ非成立となり進行不能になるというもの。 --ステージ1のボーナスラウンド直後の墓地、ステージ3の前半最後のフェイズは結構な確率で発生する。 --こうなるとリセットするしかなくなるため、セーブ機能未搭載ということもあり発生してしまえば相当に萎えることだろう。 -逆に、敵との戦闘中にいきなり進行フラグが成立して先に進行可能になるという意図しない状況での短縮もそこそこの頻度で発生する。 --こちらもステージ1のボーナスラウンド直後の墓地、他にはステージ4の完全俯瞰視点エリア((「ヤイバTVへようこそ!」の連続戦闘シーン。))で起こりやすい。 ---こちらの場合は発生すると逆にありがたいバグと言えないこともないが… ---- **総評(忍者外伝Z) しょうもないストーリーとは裏腹に難易度は極悪そのもの。~ 本編の最大難易度をクリア出来る実力があってもなお厳しいというゲームバランスは、ある意味で『NINJA GAIDEN』シリーズを象徴するものと取れない事もない。まさにマゾゲーマーご用達。~ 本編とは全くの別ゲーとして懐かしのゲーム性で構成された全容は、ストイックとも時代錯誤とも言える。~ エグゼキュートの削除は非常に厳しいものがあるが、代価として火力に物を言わせた押しが通せることで戦闘時のテンポの上昇にも繋がっているのも確かで、いっそう回避と防御、正確なコンボの使い分けの精度が問われるスリルが付きまとう。~ おまけゲームとしては結構なボリュームがあり、BGMも懐かしの名曲がチョイスされ意欲をそそらせてくれる。~ 死に覚えゲーとしてシビアな歯応えを望むオールドゲーマー向けの内容が好きならば、それなりに楽しめる一本だろう。
#contents ---- *YAIBA NINJA GAIDEN Z 【やいばにんじゃがいでんぜっと】 |ジャンル|スラッシュアクション|CENTER:&amazon(B00DBRW3S6)&amazon(B00DBRWFES)| |対応機種|プレイステーション3&br;Xbox 360&br;Windows(Steam)|~| |発売元|コーエーテクモゲームス|~| |開発元|Team NINJA&br;comcept&br;Spark Unlimited|~| |発売日|【Win】2014年3月22日&br;【PS3/360】2014年3月27日|~| |定価|【Win】7,232円(税込)&br;【PS3/360】7,800円|~| |レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|とにかく下品でおバカな世界観&br;高難度と問題点は本家譲り&br;本家のシリーズとの繋がりは薄め&br;''事実上のシリーズ最終作''|~| |>|>|CENTER:''[[忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ]]''| ---- ~ #center(){{ &big(){''死から蘇ったサイボーグニンジャがゾンビを殲滅!''} }} ~ ---- **概要 ''「ニンジャ」×「ゾンビ」''というコンセプトの元、主人公カミカゼ・ヤイバを操作してゾンビアウトブレイクの真っ只中を暴れ回るスラッシュアクション。~ 『NINJA GAIDEN』シリーズと共通する世界観を、徹底して外道なアンチヒーローからの視点で追った「''NINJA GAIDEN 外伝''」とでも言った位置付けだろうか。~ 昨今の『ニンジャスレイヤー』等のブームにも伴い、単体のゲームとしての素材、世界観、キャラクター像などのコンセプトは決して悪くは無かったのだが…。 ---- **ストーリー >忍者一門、神風一族に生まれたカミカゼ・ヤイバ。~ 彼は非常に短気な性格で、ある日の修行中、同門の修行仲間にして実の妹でもあるユキにからかわれただけで逆上し、あろうことか彼女を斬り伏せて致命傷を負わせてしまう。~ 我に返ったヤイバは一族に伝わる秘伝の巻物を用いてユキを死の淵から蘇らせようとするが、2人の父親達は「死は定めだ、名誉を汚してはならない」と言い、ヤイバが巻物を取りに行っている間にユキの首を切断して完全に亡き者としてしまった。~ またもや逆上したヤイバはその場に居合わせた父親達全員をユキを切り伏せたのと同じく殺害し、巻物を用いて蘇らせた後「自決してもらおうか、名誉を汚されたんだからな」と言い放つ。~ 外道と罵られつつも「とっくに踏み外している」と切り捨て里を後にしたヤイバは、それ以来多くの組織を始末屋として渡り歩いていく。 > >ヘマをした同業の忍者を白昼堂々と公の場で無残に殺す彼の業の深さに、彼は何時しか「ニンジャキラー」の異名を持つに至っていた。~ ヤイバが愛用する刀「虚心((スペシャルゾンビパック付属のアメコミで語られる事だが、「虚心」という名称はヤイバが成り行きで助けたハヤブサ一族の女性が彼女の兄弟の忍者を他でもないヤイバに殺されていた事を知った際、彼と刀に対する「蔑称」として吐き捨てた言葉である。本来は「テンペストブレード」なる名称だった。))」は古きに渡る時代からの名刀であり、ハヤブサ一族はそんな業物が「悪用」されていることを知り、リュウ・ハヤブサはヤイバの行方を追っていた。 > >時が経ち、同業者のリークにてハヤブサに居場所を突き止められたヤイバ。~ 相見える凄腕忍者2人。暫しの激しい斬り合いの後、勝敗はハヤブサに軍配が上がる。~ 「虚心」を折られ己の運命を察したヤイバは、「ファァック」の言葉を最後に右肩から袈裟斬りに真っ二つにされ、高笑いの中で絶命する__ > >しかし、とある目的のためにハヤブサを始末しようとする者が、「利害関係の一致」という名目でサイボーグ技術を施し、彼を蘇らせたのだった。 >目覚めた場所はゾンビアウトブレイク真っ只中の東欧の地、ウクライナ。だが、そんな事は彼にとって些細なことですらなかった。~ 最早ヤイバの生き甲斐はただひとつ、ハヤブサと再び対峙し、彼を殺す__~ それだけであり、手駒として使われることを余儀なくされた自らの置かれた境遇にもまるで興味はなかった。~ 「虚心」__改め、刀身の折れた刀「ハートレスブレード」と並外れた体術、サイボーグ技術、そして不屈の精神力を武器に、~ ヤイバはゾンビの群れを「斬り」開いていく。 ---- **ゲームシステム ***全体構成 -主人公となるサイボーグ忍者、カミカゼ・ヤイバを操作してゾンビがひしめく街を様々な技で攻略していく、戦闘メインのアクションが主体。 --全7ステージ。1ステージにつき数チャプター~10数チャプターの戦闘シーン及びギミック解除シーンが存在。 ---敵を殲滅するか、全てのギミックを解除することで次チャプターへのフラグが立つ。ステージ毎の最終チャプターにはボスとの戦闘が待ち受ける。 ---チャプター間の移動シーンの中には、足場から飛び移る際に攻撃ボタンを押す事を繰り返す連続QTE「トラバース」も多少含まれる。 ---この時のみヤイバは驚異の跳躍力を発揮するのだが、戦闘システムにおいてはジャンプが組み込まれておらず、巨大な敵に画面端に追い詰められても隙間から脱出出来ずに袋小路に陥る事もしばしば…。 ---一度クリアしたステージはタイトル画面のメニュー内の項目から何度でも挑戦可能。クリアが難しいステージに挑む前に、慣れたステージでレベルアップして強化を施してから挑むということもできる。 -難易度は初期状態では「イージー」「ノーマル」「ハード」の3種類。 --「ハード」をクリアするとさらに上の「ナイトメア」が、「ナイトメア」をクリアすると鬼畜仕様の「ヘル」も解禁される。 --難易度自体はそこそこ数があるものの、実際の所、変更箇所は敵の攻撃力の増加(或いは操作キャラの体力の減少)が大多数を占める。 --ヘルの場合、体力を最大限強化しても大半の攻撃が即死となるため、回復が全くと言っていい程意味を成さない凶悪仕様。 -各難易度のゲームクリア特典として、コスチュームが追加される。 --通常コスチュームの「ヤイバ」に、「歌舞伎」「JK(水色のぱっつんヘア&セーラー服&ミニスカ)」「レイジ(上半身裸、フードも無し」から選択可能。静止画デモには反映されないのが残念な所。 -ヤイバは一定数の敵を倒す事でレベルアップする。 --最大レベルは25だが、スムーズに進めていっても最大レベルに達するのは最終戦手前となるのでレベルカンスト後のプレイは周回前提、或いは同ステージを繰り返す作業プレイが必要。 --レベルアップと言っても体力の最大値や攻撃力・防御力・移動速度といったパラメータには何ら影響を及ぼさず、「アップグレードツリー」の項目をアンロックするポイントが1つ貰えるのみとなる。 -「アップグレードツリー」は、レベルアップで入手したポイントを消費して様々なシステム強化を施すことが出来る。ゲーム中のポーズメニュー及びステージクリア時のリザルト画面からいつでも強化可能。 --基本コンボの増強、中ボス系ゾンビから入手したゾンビ武器の攻撃方法&耐久力の増加、カウンターの追加効果の時間の延長、無敵モードの発動時間延長など長所を上乗せするものが多く、アンロック出来る項目の多くは培った戦術から大きく逸脱しない範囲で増強出来る。 --それ故、ゲーム的にはあくまで初期段階の内で基礎から応用まで戦術のいろはを学ぶ事を主眼としており((やろうと思えばあえてポイントを残したままの縛りプレイでのクリアも可能。))、強化要素はあくまでサブシステムのスペック増強とアクションの幅を広げることが大半となる。 -ステージ道中にはピースアイテム&ストーリーファイルが随所に設置されている。 --ピースアイテムはライフピース(体力)、各エレメントへの耐性ピース3種類(炎、電気、毒液)が存在。ライフピースは4つ集めてはじめて体力の最大値が増える形となり、最大4段階の補強が出来る。耐性ピースは1つで10%、最大で40%の耐性効果を得られる。 --ストーリーファイルは第三者視点での読み物。傍聴チームのメモ、ゾンビアウトブレイクの原因となる薬を作った科学者の書き置きなど、より深い視点でストーリーラインを追うのに一役買っている。 ---口の悪い砕けた文章で語られる別視点での出来事は、大半が悲惨な結末ながらもある意味で緊張感をほぐすスパイスにもなる。%%ゲーム内での残虐要素のほとんどがおバカ描写で上塗りされていることもあり、下ネタ中心のアダルト指定要素の大部分はこのストーリーファイルの文章に集約されている。%% -ステージの全チャプター終了後、デモを挟んでリザルト画面となり、ステージ評価が表示される。 --ステージ内のピースアイテム&ストーリーファイルの収集率に加え、全チャプターのランク、クリアまでの所要時間&コンティニュー回数のランク、それらを統合した総合ランクが存在。 ---クリアランクはそれぞれ、割れ銭<銅<銀<金<プラチナの5種類。 **アクション ()内表記は技のコマンド。PS3/360の順で表記。 ''攻撃(□,△,○/X,Y,B)'' -スラッシュ(□/X) --攻撃動作が俊敏で隙が少なく近接戦に強い。リーチの短さは他の技との組み合わせでカバーしたい。 -パンチ(△/Y) --動作が重く隙が大きい分一発のダメージが高い。移動を伴う派生コンボが多く、中距離から攻撃しつつ敵の懐に潜り込むのに向いている。集団を相手にした場合の近距離では使い難く、単体向けの攻撃。 --一部の派生コンボは敵のガードを崩す効果を持ち、強引にダメージを上乗せしていくことも可能。 --炎エレメントの雑魚、ファイアスティッフをエグゼキュートするにはパンチでのフィニッシュが必須。他の攻撃ではその場で自爆してしまう。 -フレイル(○/B) --リーチの長い範囲攻撃。あらゆる局面で万能に使える分、単体威力は基本攻撃中最低となる。一部の敵はこの攻撃に対するアーマー効果を持つ。 --電気エレメントの敵が纏う電磁シールドを打ち消す効果を持つ唯一の基本攻撃。 ''ダッシュ(×/A)'' -正面に向かって一定距離を高速移動する。 --終わり際に割と大きな硬直時間があり、この時は完全に無防備となるために非常に危険。 --あえてガードに徹した方が結果的に被害が少なかったということもままある。 ---移動距離や角度にも微調整が効かないため、実はかなりクセのある性能。 ---炎エレメントの攻撃を受けて炎上した際にダッシュを数回行うことで、火を消す事が出来る。 ''ブロック(R1/RB)'' -ハートレスブレードで敵の攻撃を防御し、ダメージを無効化出来るガード行動。 --ガード状態持続中はたとえ背後からの攻撃であろうと完全に無効化出来るので、乱戦でも落ち着いてガードすればそうそうダメージを喰らい続けるということはない。 --安定はするが、もちろん万能ではなくガード不能の攻撃もいくつか存在する。 ''カウンター(特定の攻撃が当たる直前にR1/RB)'' -カウンターが発動すると、発動させた敵の攻撃によって幾つかの効果が現れる。 --打撃系の攻撃は、さばき返し攻撃でよろめかせたりダウンを奪うことが出来る。飛び道具系の攻撃は、キャッチした後にそのまま反動を付けて放った敵へ向けて投げ返す。 ---飛び道具へのカウンターに関しては、実際には当たる直前ではなく数刻前段階のタイミングとなるため、安定してカウンターを成立させるには若干慣れが必要。 ---その分、安定すると画面の表示よりも敵が飛び道具を放つ際の「音」でタイミングが分かる様にもなる。 ---カウンター成立時は長い無敵時間が添付されるため、攻防一体の強力な攻略手段となりうる。RDUの6連同時ミサイル等、場所によっては回避が不可能な攻撃に対しても唯一の反撃法となる。 --発動時に発揮される後述のオーバークロック効果が非常に有用となるため、カウンターを狙って発動出来る様になると攻略が格段に楽になる。飛び道具へのカウンターは是非ともモノにしたい。 ''グラブ(R2/RT)'' -雑魚タイプの属性を持たないゾンビ(スティッフ、グラント)に限り、サイボーグアームを伸ばして掴むことで引きずり状態として単体に限り一時的に無力化できる。この状態ではフレイルの代わりに掴んだゾンビそのものを打撃武器として使うこととなる。 --パンチ/フレイルに割り振られたボタン連打により最大6連続での殴打『ミートスラッパー』を繰り出せる。殴打が敵にヒットする度に削減値が減少し、完全に尽きた段階でそのゾンビは全身バラバラに砕け散って完全消費される((削減値が6となるのは絶え間なく連発した場合のみ。殴打を4連打までに止めて一度静止し、再度入力した場合は削減値が1減らされて合計5回で消費される))。 --ゾンビによる殴打はフレイル同様に電気属性ゾンビが纏う電磁シールドを打ち消すことが可能な上に単発の攻撃力もフレイルより圧倒的に高く、エグゼキュート時のライフピースのドロップを気にしないのであればガンガン使っていける。 --また、グラブ状態持続中はグラブと同ボタンを入力することで引きずり状態のゾンビをそのまま投げつけて飛び道具にすることも可能。この投げつけ攻撃は中ボス級ゾンビを一撃でダウン状態に出来るので、そのまま接近して余裕を持ってコンボを叩き込む事が出来る。 --グラントは初期状態では掴めず、アップグレードツリーから項目をアンロックする必要がある。それまでに最低でも4ポイントを消費して別の項目もアンロックしなければならないのがネックだが、殴打による耐久削減値が通常ゾンビより少なく、最大殴打数が10回までに増強されている。 --グラブ継続中はサイボーグアームがゾンビ引きずりによって常に塞がっているため、サイボーグアームでの直接攻撃となるパンチとフレイルに加え、''両手を使う必要があるカウンターとビップトルクコントローラー((アップグレードツリーから必ず最初に解禁することになる「ソードオープナー」に付属して使用可能になる攻撃。「ダッシュ~Sをホールド~リリース」で発動する、長距離を一瞬で低空跳躍して放つ振り下ろし斬り。技後の硬直も短く、遠距離から移動の手間を省いた接近&攻撃手段として強力な性能を誇る。))までもが発動不可能となる''のにはくれぐれも注意。 -また、チャプターの中には進行フラグを立てるための仕掛けの解除に、特定のポイントに配置された属性持ちゾンビ「デクノボウ」を掴む場面もある。この時のみ属性持ちゾンビを引きずって同様の打撃武器に出来る。 --フラグ管理のため、配置された属性持ちゾンビが消失した場合は自動的に補充される。 ''サイバービジョン(L1/LB)'' -サイボーグとして網膜に備え付けられた暗視機能を用いて、フィールド上に隠された何らかのフラグを識別するための視界を展開する。 --一部の敵から喰らった毒液で画面が染まった際に、視界を見分けやすくするための効果も兼用。どちらかというとほぼこのリカバリー効果のためのシステム。 ---あくまで見分けやすくする程度なので、瞬時に視界を回復するには至らない。無くてもそこまで差が出る機能ではないので、ほぼ空気化している。 ''エグゼキュート(L2/LT)'' -一連の「通常コンボ」で敵の体力を一定段階まで減らし、敵の頭上に「COLOR(red){''!''}」マークが出現した際に発動出来る処刑技。専用の演出で敵ゾンビを粉砕する。 --確実に敵を倒せる事に加え、エグゼキュートで倒した敵からは必ず体力回復キューブが出現するので、積極的に狙うことで攻略の手助けにもなる。 ---エグゼキュート以外での体力回復方法は設けられていないので、このシステムで敵を倒さない限り体力の調整はできない。 --中ボス系ゾンビはボタン連打イベントが導入される。雑魚系ゾンビと比べてテンポは遅くなるものの、ドロップする体力回復キューブの量は多い。また、ゾンビ武器を入手するにはエグゼキュートが必須となる。 --通常コンボ以外の武器及びグラブ状態でのミートスラッパーはエグゼキュート発動条件に含まれない。 -一連のコンボの最終段のフィニッシュ技で「エグゼキュート不可能な状態で」エグゼキュートを入力した場合、フィニッシュ技の動作を「途中でキャンセルしてエグゼキュート失敗動作」に移行する。 --この強制キャンセルを利用した隙消しが耐久力の高い単体の中ボス系ゾンビに対して非常に有効で、アーマー効果付属の範囲技での敵の反撃を回避する猶予が得られたり、慣れれば「(通常コンボ~フィニッシュ>キャンセルエグゼキュート失敗)×N」のパターンで攻撃の手を緩めずに一方的に畳み掛けて一気に倒すことも可能になる。 ''ブラッドラスト(L3+R3同時押し込み/LS+RS同時押し込み) '' -ステージ2の特定のチャプターにおいて解禁されるパワーアップモード。敵を倒す毎に画面左上に表示される「COLOR(red){''風''}」ゲージが一定量蓄積され、メーターが最大値まで溜まると発動可能になる。 --発動中はリアルタイムでゲージが消費され、全て尽きるまで攻撃力、攻撃速度、移動速度が過剰に増強される事に加えて敵の全ての攻撃に対して無敵状態となる。モード終了後はゲージは空となる。 ---基本的にゲージを全て消費するシステムだが、発動中にチャプターをクリアしてリザルトスコアが出ると強制的にモードが終了するため、ゲージ消費量をそれまで消費した量までに抑えることも可能。 --攻撃力の増強はゾンビ武器にも適用されるので、元々高い攻撃力を誇るヌンチャクルや弱点エレメントでの攻撃を当てると、耐久力の高い中ボスクラスの敵も2~3発程度で倒す事ができる。まさしく切り札と言えよう。 --アップグレードツリーの項目「ブラッドサースト」を解禁して補強すると発動時間の延長が可能。最大で2倍まで補強出来るので、終盤の戦闘で使う際は大きく影響が出ることになる。 --上記の強制終了の仕様もあり、2フェイズ以上の殲滅パートで構成されたチャプターでは、最終フェイズにおいて発動しつつもゲージをほとんど消費せずに最短でクリアすることも難しくない。 ***テクニック ''コンボ'' -スラッシュ、パンチ、フレイルの其々の通常攻撃は、特定のルートでの攻撃ボタンの追加入力で、様々な派生コンボを繰り出すことができる。 --パンチとフレイルに関しては初期状態ではコンボに派生出来ず、アップグレードツリーから其々「サイボーグアームマスター」「フレイルマスター」をアンロックする必要がある。 --画面右上の敵を倒した際に加算されるスコアの下に、派生ルートが入力と同期して表示されていく。 --フィニッシュまで入力し、敵にヒットしていた場合に限り、コンボ全体のトータルダメージも表示される。 ---厳密に言えばフィニッシュ攻撃が発動すればヒットしなかった場合でもトータルダメージが表示されるが、あくまでトータルダメージとしてフィニッシュ攻撃のダメージは0としてそれまでの中継コンボのトータルダメージのみに計算される。 --途中まで同じルートから分岐するコンボの中継としてのダメージを計算する際は、意図的にフィニッシュ攻撃を当てない様にする必要がある。 --ブラッドラストでの上乗せされた攻撃力の影響もそのまま表示され、ほぼ「4倍」の攻撃力となる事が分かる。 --また、敵から放たれたものをカウンターで反射したエレメント効果付属の飛び道具にもトータルダメージが表示される。 -これらの情報を踏まえ、一連の動きの隙、フィニッシュ技の性能、トータルダメージなどを考慮して繰り出すコンボ技を選ぶのが攻略の鍵となる。 --このゲームではボス以外の敵の体力ゲージが存在せず、このトータルダメージ表示から逆算して割り出すこととなる。これらのダメージ計算の知識があるのとないのとでは、ゲームの進行に雲泥とも言える大きな差が出てくる。 --やみくもにボタン連打すれば何とかなる甘いゲーム性でないのは本家シリーズ同様で、中ボス級ゾンビはアーマーでの割り込みを頻繁に発動してくる。故にフィニッシュ技を出さずに途中で止めることも大事であり、逆にフィニッシュ技のみを当てるためにアウトレンジで隙の少ないコンボルートを空振りすることも同様に重要な動きとなる。 --一連のコンボのフィニッシュ技がエグゼキュート発動条件(一部例外あり)。スティッフ系の雑魚ゾンビを出来る限りコンボで倒していくことで、体力回復手段がそれだけ増える事になる。 ''オーバークロック'' -アップグレードツリーで「オーバークロック」を解禁して取得。カウンター成立時に自動発動する、時間の流れが一定時間遅くなるモード。 --発動中はヤイバ自身の動きも同様に低速化するが、周囲の動きに対する咄嗟の判断力、次の行動への猶予時間が伸びる点は非常に大きい。 --カウンター成立が発動条件なので、必然的にカウンターされた側の敵に対して接近しやすくなるという恩恵が得られる事も見逃せないメリット。 --アップグレードツリーでもう一段回補強可能。補強すると効果時間を延長出来る。 --ブラッドラスト同様こちらも最大2段階まで補強可能で、ゲージ蓄積割合に基づいて発動時間が最大で2倍にまで変動するブラッドラストと異なりこちらは常時永続で効果時間が伸びるのが嬉しいところ。 ''連続エグゼキュート'' -アップグレードツリーで「連続エグゼキュート」を解禁して取得。通常コンボで同時にエグゼキュート可能となった雑魚系ゾンビを、最大10体まで連続でエグゼキュートできる。 --エグゼキュート時のスロー演出中に同ボタンの追加入力で、次のエグゼキュートが発動。タイミングを誤るとその時点で後続に続かなくなり、残りのエグゼキュート可能な敵はそのまま倒れる。 ---当然ながら体力回復キューブはそれまでエグゼキュートした敵の分しか出現しないので、可能な限り連続で成立させる事が体力維持の常套手段となる。その分テンポを犠牲にしてしまうことにもなるが必要経費と言ったところ。 --エグゼキュート演出は完全に無敵となるため、タイミングを合わせることで敵の攻撃の回避にも役立つ。 ''ハーベスト(ゾンビ武器入手)'' -中ボス系ゾンビをエグゼキュートすることで、身体の一部をもぎ取ってそのまま武器として扱う事が可能となる。 --グラブ同様にフレイルの代用という形で使用することとなり、フレイルを用いた通常派生コンボは使用出来なくなる。各ゾンビ武器の性能差は大きいものの、どれも有用な性能を発揮する。 ---後述のエレメント効果を意図的に使うとなるとゾンビ武器が必要不可欠。「パンチドランク」から入手出来るナムチャク、「サイドスプリッター」から入手出来るヌンチャクル、「ロボット防衛ユニット(RDU)」から入手出来るポケットロケット(ゾンビ武器ではなく真っ当な兵器)、「テリブルツー」から入手出来るショルダーブレードにはエレメント効果が無いが、どの武器にも幅広い活用法がある。 --一定回数の使用でゾンビ武器は消滅する。残り使用回数は数値ではなく、画面右下に円形のメーターとして武器耐久値の減少という形で表示される。 ''エレメント効果'' -ピースアイテムの説明にある通り、敵ゾンビには炎、電気、毒の3種類から1つのエレメントを持ったものが半数を占める割合で存在する。 --中ボス系ゾンビの過半数からエレメント効果付属のゾンビ武器が入手出来るほか、敵からの飛び道具をカウンターする事でも結果的にエレメント攻撃を使うことが可能。 ---どのエレメント効果もスティッフ系の雑魚ゾンビにはほぼ一撃必殺の威力を誇るので、エグゼキュートを除外した戦略において存在価値は高い。 --この属性を用いて、エレメント持ちゾンビに対してゾンビ武器の別エレメント効果の2つを複合、或いは特定条件下でエレメント攻撃全てを組み合わせる事で其々異なる複合エレメント効果が発動する。 ---炎+電気は喰らった敵が火柱を登らせる程激しく燃え盛り、周囲に絶え間なく落雷を降らせる広範囲ランダム攻撃の「電磁ストーム」が発動。 ---炎+毒は対象に高速で持続的な燃焼ダメージを与え続ける「インフェルノ」で、対象がランダムで走り回る行動パターンに変化し、その際に触れた他の敵に対しても炎エレメント効果を感染させる効果がある。 ---電気+毒は化学反応で対象を全身結晶漬けにする「クリスタル化」で、発動した敵は完全に行動不能状態で硬直しっぱなしになり、パンチ((あくまで「動作としてのパンチ」が条件。ステイングファックダウン(S>P>P>P)、ライド・ザ・スネーク(S>S>P>P>P)、スクラブ・オービタル(S>F>F>P>P)などの「パンチ動作ではないP入力でのフィニッシュ攻撃」ではクリスタル化した敵に攻撃が通らない。))を1~2回当てれば粉々に粉砕して瞬殺出来る。 ---全てのエレメントが複合発動すると「疫病の雲」が出現し、画面の大部分をスモークと落雷で埋め尽くして広範囲に一斉に飛び道具が見舞われる。 ---さらに地面の広範囲に緑色のサークルが出現し、操作キャラであるヤイバも含めたサークル内部の対象に無差別に持続ダメージを与えることとなる。 ---持続時間が非常に長い上に効果が一長一短なので運用が難しく、狙って発動することそれ自体が難しいが、その光景はド派手で呆然とする事ウケ合い。 --つまる所、別のエレメントを複合すれば何かしら有用(一部は除く)な効果が発動するということ。後半ステージはほぼエレメント持ちゾンビのみとなるので、使える複合効果は積極的に使っていくのが望ましい。 ''リカバリー'' -エレメント効果は敵だけでなく、ヤイバ自身にもしっかりと発動する。 --炎エレメントを断続して喰らえば持続燃焼するし、毒液で視界が染まっている時に電気エレメント攻撃を喰らえばしっかりと結晶化する。さすがに結晶化中に敵の攻撃で無条件即死することはない((一定回数の攻撃を食らった段階で即死はする。))が。 --リカバリーはこれらを解除する方法で、エレメントによって解除の仕方は異なる。持続燃焼はダッシュ数回で消化され、毒液はサイバービジョンで効果軽減、結晶化はボタン連打で復帰となる。 ---それ以外のエレメントの電界発生状態及び電磁ストームは解除方法が存在しないため、持続状態が終わるまで待つしかない。後者は理不尽に体力が減らされるために非常に厄介。自らに対する発動条件が殆ど成立しないのが救いか。 ---- **評価点 ''エロ・グロ・ナンセンスを地で行く世界観'' -レーティングがCOLOR(red){''CERO:Z''}(18歳以上のみ対象)故に自重の欠片も無く、そういった「コンセプト」という意味では王道と呼べる。 -吹き出物だらけの娼婦ゾンビ「ブリスターシスター」や双頭のジャイアントベイビーゾンビ「テリブルツー」等々、生理的嫌悪感満載な敵も目立つ。主人公ヤイバの外道な性格も合わせ、二重の意味で汚い。 --無論これらは狙ってそういう作風にしてあるわけで、プレイヤーにとって下劣で汚く頭の悪さを覚えさせることこそが開発側にとっての正解と言える。 -敵がゾンビである事を考慮しても、ゴア表現満載でやりたい放題。首が飛んだり、上半身と下半身が別々に襲ってきたり、爆発四散するのが通常進行。 --その割にグラフィックは切断面のリアルさや内臓の生々しさが除外されたアメコミ風タッチなので、上記の説明との矛盾があるかもしれないが''意外とすぐ慣れる。'' --表現そのものは過激ではあるのだが、「エグい系」のリアルなグロさは皆無と言ってよく、この手の表現技法としては相当マイルドな方。「こんなことされたらそりゃ間違いなく死ぬけどね」程度のものである。%%「ハッピーツリーフレンズ」級には至らないと言えば伝わるだろうか?%% --ゾンビ武器も、「腕ヌンチャク(ナムチャク)」だの「電撃を発する背骨(スパイナルザップ)」だの「火の着いた頭蓋骨を放つ巨大生首(リガーモーター)」だの「胃酸を噴射する内臓(ハグパイプ)」だの「巨大な肩甲骨そのもの(ショルダーブレード)」だの、悪趣味なものが満載。まともな武器は「犬を模した巨大メカに装備されたロケットランチャー(ポケットロケット)」くらい((そもそも「ゾンビ武器」ではないので当然と言えば当然だが。))。 -comceptのCEOである稲船敬二氏が関わっているためか、氏がカプコン在籍時代に手掛けた同じゾンビゲームとして有名な『DEAD RISING』シリーズに通じる舞台設定も見受けられる。 --舞台設定とは裏腹に、本作のバカゲー的なノリが災い(?)し、こちらはゾンビゲーとしてのシリアスさには程遠い砕けたノリである。 --主人公サイドの登場人物全員が本家シリーズ(ハヤブサ視点)から見るとダークサイドのポジションであるため、会話のやりとりも正義感や事態の収束に向けての内容は皆無。 --ゾンビアウトブレイクとヤイバを利用することを隠そうともしないラテン系の雇い主であるデル・ゴンゾ&ビッチ系エンジニアの美女であるミス・マンデーとの会話における主人公サイドの単純明快かつ裏の無い外道ぶりは、最早清々しささえ感じる程。 ''操作キャラクターの視点'' -主人公ヤイバの行動原理は、ただひたすらにリュウ・ハヤブサへのリベンジのみであり、自らの境遇や自分を利用しようとする同業者の思惑などは微塵も気にかけていない。 --その執拗なまでのハヤブサに対する執着ぶりは、ある意味ヤンデレとも取れる程。実際、ハヤブサに殺されたこと自体は素直に認めているどころか、ゲーム中で何度死んでコンティニューしようが、その度に軽口(「死ぬのは慣れてる」等)を叩いて蘇ってくるしぶとさを持つ。 -そんな緩い死生観の持ち主なので、冒頭でのハヤブサとの1度目の決着では悪態と高笑いを思い切り吐き捨てて逝ったり、ストーリーの最大の見所では自らのことを顧みずに同業者の策略を斥け、「これでようやく眠れる」と迷うこと無く自ら死を選ぶ描写さえも。 --「死ぬのは慣れてる」発言はシリーズの例に漏れず難易度の高いこのタイトル、ひいては高難易度の死にゲーアクションに対するある種のメタ発言とも言えるが、ハヤブサに対する愚直かつ直向きな執着心から来る「勝つまでやめない」を地で行く諦めの悪さは、ダークサイドからの視点という意味でも王道とはまた違った魅力がある。 --とにかくヤイバというキャラは、殺してもケロリと復活するしぶとさ(という死にゲーをネタにしたメタ的視点)がウリなのだ。((ゲーム内でOPからステージ6開始の時点で4度目の命=3回の死を体験し、その度にサイボーグ技術で復活している。特に2度目の死から復活した際はストーリーデモにて「いい加減死ぬのに飽きていた。それとも生き返るのにウンザリしたのか自分でも分からなかった」と独白している。)) ''敵を撃破する爽快感'' -操作キャラクターは忍ぶことはおろか忍術を一切使うことのないニンジャキラー、敵は好き勝手に暴れるゾンビという要素でひたすらに敵を倒すことが目的となるゲーム性は、単調な様でいて奥深い戦闘システムに基づいた中毒性の高いもの。 -3種類の始動技から派生するコンボルートの把握が戦闘の熟練度へとそのまま結び付き、フィニッシュ技でなくとも途中で経由する技の性能・リーチ・速度など、覚えておけば役立つ知識は多い。 --属性持ちゾンビに対するそれぞれの対処方も様々で、「自分ではなく相手を見る」ことが極めて重要。この部分は格闘ゲームの上達に必要な要素と同様とも言える。 --実際、3D格闘ゲームでは一般的な派生コンボや、回避・防御・カウンターからの反撃といった部分で共通する点が見受けられる。 --カウンターからオーバークロック効果で敵に接近し、高火力のコンボやゾンビ武器で畳み掛けるといった一連の流れがスムーズに出来る様になれば、サクサクとチャプターが進むのでテンポは格段に上がる。 -特定のコンボが引き起こす謎現象が齎した利点もある。 --アップグレードツリーから「サイボーグアームマスター」を解禁した状態で「カミカゼ・ドロップ(S>P>P>F)」のフィニッシュ直後にS>Sを入力すると、「チャンプ・サンプ(P>P>F>S>S)」の後半のS>Sの動作が続けて発動する。 ---カミカゼ・ドロップの2段目のPがチャンプ・サンプの初段と内部同期を引き起こし、カミカゼ・ドロップのフィニッシュのF入力がチャンプ・サンプの3段目として扱われているものと思われる。 ---チャンプ・サンプ自体はゾンビ武器ショルダーブレードのホールド攻撃と同様のショックウェーブを放つ強力なコンボで、意図せず発動しても実害はないどころか実戦的なテクとして活用出来る。 --同じ現象として、「リピートオフェンダー(P>S>S>F>F>F)」の5段目をS>Sに替えるとチャンプ・サンプの4段目以降の動作に置き換えることができる。 ---こちらはゲーム内メニューから確認できるコンボルートに記載されていないが、動作として違和感はないために単にコンボルートの載せ忘れの可能性もある。 ---全体動作が俊敏でフィニッシュがショックウェーブなので、コンボとしては上記同様すこぶる有用。 -通常コンボからのエグゼキュート、連続エグゼキュートで次々と雑魚ゾンビを派手に葬りさる流れは、否が応でも「殺しの高揚感」を味わわせてくれる危険なシロモノ。 -ゾンビ武器の多くはエレメント効果や高い攻撃力を備えており、通常技による派生コンボが苦手でも何も考えずに連打するだけで大半の敵を倒せるため、スティッフ系の雑魚ゾンビとの乱戦はストレス解消にはもってこい。難が無いわけではないが。 ''エレメントを用いた戦略'' -各種エレメント効果を利用する事で、敵の同士打ちを狙ったり、次のチャプターにゾンビ武器を持っていくことで難易度を緩和した状態で戦闘に突入出来たりと、有利にも不利にも働く要素が戦闘の展開を左右するものとしていいスパイスになっている。 --ただ闇雲に使うだけでなく、必要に応じて適切に利用すれば相乗効果で有効活用出来るというもの。 ---例えば、雑魚ゾンビが大量にいるポイントではエレメント効果付属のゾンビ武器を使った方が圧倒的に早いが、その次の中ボス系ゾンビが控えているフェイズで有効活用するために温存しておく、ブラッドラストが発動可能になるまで温存して発動中に使用することで火力を上乗せして一網打尽にする…といった風に使い所を自分なりに見極めることで戦闘での難易度が左右される。 ---その他、敵の攻撃でのいわゆる「フレンドリーファイア」による同士討ちも可能。ゾンブライドの電流レーザーやブリスターシスターの吐瀉物レーザーなどは発射方向を誘導しやすく、敵同士の複合エレメント効果の誘発を狙える。 --「クリスタル化」は発動させた敵を長時間破壊可能な物言わぬオブジェにするため、丸腰では厄介な電気&毒系ゾンビを相手にする時はこれらのエレメント効果が非常に役立つ。 ---- **賛否両論点 ''グラフィック'' -アメコミ風の原色が濃く浮き出たタッチで、本家シリーズとは一線を画する。 --本家シリーズに拘らなければ、「''外国人が勘違いどころか開き直って自由にアレンジしたNINJAゲーム''」という作風として上手く合致している。無論、そういった需要を良しととるかどうかで好みがはっきりと分かれる作風ではあるが。 --ゲームとしての空気も徹底的にアメコミを意識しており、ステージ間デモも直接のリアルタイムレンダリングムービー以外ではコミック風に幾つかのムービーシーンの静止状態をセリフ事に表示し、その静止状態でカメラを回して視点を変えていく演出として構成されている。 ''技名'' -主人公ヤイバが使う一連のコンボ技は、全てがスタイリッシュな横文字の技名となっている。 --曲がりなりにも忍者なのだが、漢字を使った技名は一切無い。とは言えシステム名称の多くが横文字であるこのゲームの作風としては違和感は無いが。 --例を挙げると、「デス・スパイラル」「ドウーメラン」「ライド・ザ・スネーク」「カミカゼ・ドロップ」等。これらはまだシンプルで動きと合致したもので分かりやすい方。さらに挙げると「ワーリングスカーミッシュ」「タリーワッカースマッカー((この「タリーワッカー(Tallywacker)」とは英語で男性器を意味するスラングである。いかにも本作らしいネーミングではあるが…。))」「エクセッシブ・ガッシュ・ペイン」「ディド・アイ・スタッター?」etc…いよいよもって動きが想像出来ないものばかりである。 ''一部の敵の動き'' -ストーリーファイルの説明によると、このゲームのゾンビはゾンビ化する薬の本来の影響により筋力が異常発達しているとのことで、ゾンビもののイメージとしてテンプレである「愚鈍で反応の鈍い」敵は皆無。 --…と言うか、リアルタイムレンダリングムービーでやたらとコミカルにボケをかますゾンビが大半で、「''お前らゾンビになってからの方が人生楽しんでないか''」と思わずツッコミを入れたくなるシーンが満載%%(そして、それに対して無言で淡々と対処するスルースキルの高い主人公ヤイバのボケ殺しぶり)%%。この辺りはゲームとしての仕様を抜きにして見た場合、ゾンビのセオリーとして好みが分かれるだろう。 -特徴のない通常のスティッフからしてかなり積極的に動いてこちらに攻撃を仕掛けてくる。 --グラントはジャンプしてハンマーパンチを出してくるし、フレイルに対するアーマー効果を持ち合わせる。 --ブリスターシスターや上半身のみのトルソーは、相当離れた位置からでも驚異のジャンプ力で間合いを詰めてくる。 -自爆ゾンビのグレネディアに関しては、なんとヤイバの移動速度を上回る速さで特攻を仕掛けてくる。 --ダッシュで振り切ることは可能だが、ダッシュの性能自体が万能ではないために壁際でグレネードのピンを抜かれた際は非常に手強い存在となる。 --稲舟氏は過去に『[[DEAD RISING>DEAD RISINGシリーズ]]』シリーズのインタビューにおいて「ゾンビが走るのは絶対にダメ」と公言していたのだが…別会社のタイトル故に押し通せなかったのか、単に気が変わったのかは不明。 -無属性ゾンビの中には、唐突に「お尻ペンペン」や「生首状態の頭部を片手で持ち上げてブラブラする動作」などで挑発してくるものもいる。 --このゲームは難しく考えないバカゲーだという暗喩だろうか。おかげでアウトブレイクに巻き込まれたという設定ながら倒すのに微塵も罪悪感を感じないが… ''ゾンビ武器で敵を倒した際の仕様'' -エグゼキュートの項目で示した通り、ゾンビ武器で敵を倒した時はエグゼキュート出来ないために体力回復キューブが出現しない((ショルダーブレードのみ例外でエグゼキュート可能。))。体力回復キューブは、あくまで「通常派生コンボで発動したエグゼキュート時のボーナス」なのである。 --この仕様のおかげで、リカバリーを意識して戦闘を進めるとなると必然的にゾンビ武器を封印する必要が出てくるため、有用となる攻略要素が長い目で見るとかなり使いどころを選ぶものとなってしまう。 --ゾンビ武器である程度体力を削り、トドメに通常のコンボからエグゼキュートという戦い方も可能だが、ゾンビ武器自体がかなり高性能で高い火力を持つために微調整が難しく、結局割り切ってゾンビ武器で殲滅するという結果になりがち。 --体力の回復と状況打破を天秤にかけてどちらを取るかという戦略かと思われるが、このゲームの体力回復キューブは自動取得なので…(後述の問題点に明記)。 ---チャプターが終了した段階で体力が全快するため、チャプター終局においては体力面に余裕があればそこまでこだわらなくても大丈夫ではある。 ---ただ、その場合は中ボス級ゾンビからのゾンビ武器を入手するかしないかという別の問題を考慮する必要が出てくる。 ---- **問題点 ''ロードが長い'' -ステージデータを一括で読み込んでいるのか、ステージ開始やコンティニュー時に平均して20秒にのぼる長いロード時間を伴う。 --本家シリーズ同様にこのタイトルも元々難易度が高く、慣れない内は終盤のチャプターは何度もコンティニューすることになる。その度にこの長いロードを味わう事になるので、非常にテンポが悪い。 --ただし、1つのステージにおけるフィールドの全体構成は非常に広大で、トラバースでテンポ良くシームレスに次のチャプターへと移動するのを考えれば、このやり方にせざるを得なかったであろうことは予想できる。 --ステージ内でも数チャプター毎に次のマップデータを読み込むロード時間があり、この場合のロード時間はステージ開始時やコンティニュー時と比べたら格段に短いので、決して読み込み時間に関するプログラム上の質が低スペックということではない。 ''カメラワーク、カメラ設定諸々の悪さ'' -カメラ設定「ワイド」ではフィールド広範囲を移すために引いた状態のカメラとなるのだが、大型の敵が密集していたり攻撃のエフェクトが過剰に表示されるおかげで操作キャラクターが完全に隠されて現在位置が把握不可能となることもままある。 --毒液を喰らった時以外は飛び道具エフェクトに透過処理が施されていないため、狭いフィールドで電磁ストームの火柱やスモークで画面が覆い尽くされると、ほぼ確実に操作キャラクターを見失ってしまう。 -一方の「クローズアップ」はかなりカメラがズームした状態となるので、敵の攻撃をさらに把握しにくくなるという弊害もある。 -つまり、視野角に対して引き過ぎor寄り過ぎの二択。故に画面内の状況を把握する意味ではワイド設定の方がまだマシな方…と言うか実質一択と言える。 ''敵の攻撃が理不尽'' -ワイド設定でも、画面外からの見えない速度の飛び道具、画面外からの高速突進、電磁シールド状態で真正面にワープして突撃は当たり前。 --ゾンビからの飛び道具は漏れなくエレメント効果が付いてくるため断続ダメージを喰らう事も多い。 --電磁シールド状態の敵はフレイル以外の通常攻撃を当てると弾かれて電界状態となり、一定時間パンチとフレイルが使用不能となるため非常に厄介。しかも、この手の電気属性に限って集団で出てくる始末。 ''グラブの全体動作が遅い'' -フレイルを長く伸ばして敵ゾンビを掴み、手元に引き寄せる一連の動作に''1.5秒程''掛かる。 --スピーディーな展開と瞬時の判断力にウェイトを占めている戦闘面において、この所要時間が如何に長く致命的であるかは想像に難くないだろう。 ''コンボ攻撃の性能の偏り'' -派生~フィニッシュまでの隙やトータルダメージを考慮していくと、必然的に高性能なコンボへと使用頻度は傾いてしまう。 --特に「コフィンノッカー」の万能ぶりは特筆もの。3段でフィニッシュまで出せる速さ、リーチの長さ、ダメージの高さ、それに加えて上述のエグゼキュート失敗モーションでのキャンセルによる瞬間的な硬直解除の恩恵も一際受けており、兎に角アウトレンジからの高火力の一発を絶え間なく出せる点が大きい。 ---失敗モーションでなくともエグゼキュート出来る状態ならそちらに移行するので、キャンセルは常に入力しても全く問題が無い。 ---ステージ2のボスであるRDUもこの「エグキャンノック」だけでノーダメージ撃破可能な程には壊れテクと言える。全ステージから見た観点でも、序盤から終盤に至るまで大体この攻撃で何とかなるレベル。 --敵の攻撃も激しいおかげで、使えないコンボはとことん無用の産物。多彩なコンボを使い分けるという狙いからは大分遠のいてしまっている。 --全体的にスラッシュ+フレイルの組み合わせの派生コンボがクセがなく使いやすい反面、パンチ主体の派生コンボは1発の隙が大きい割にフィニッシュまでのトータルダメージに難があるものが多い。 ''ボタンホールド攻撃の入力優先順位に伴う派生攻撃不成立でのコンボリセット'' -アップグレードツリーの項目で「ロケットパンチ」及び「イーブルサークル」を解禁して使用可能になるパンチとフレイルのホールド攻撃は、ホールド開始 → ホールド成立までにボタンを離すと通常のパンチ/フレイルの「初段」が出るという仕様がある。 --この仕様のため、ホールド状態「開始段階」までボタンを押し続け、「非成立段階」で離すタイミングでコンボを入力していくと、意図せずにコンボが途切れて初段のパンチ/フレイルが漏れることとなってしまう。 --コンマ数秒単位のボタンホールドで意図せずに起きてしまうために戦闘の流れが崩されやすく、エグゼキュート演出での無敵回避やその後の回復を見込んだ上でのコンボの最中に意図しないホールド非成立によるコンボリセットが起きてしまうと場合によっては致命的なダメージを受けることにも繋がりかねない。 --「ホールド非成立段階」の導入そのものは逆に通常のパンチ/フレイルの初段を出そうとしてホールド攻撃が暴発することを防ぐ目的から必要な措置であるのも事実なのが辛い所。 -ゲーム本編においてはアップグレードツリーの項目故、ロケットパンチとイーブルサークルを解禁しないことでこの問題は完全に防ぐことができる。 --両者共に単体で強力な攻撃であるためにコンボの把握が未成熟な段階のプレイヤーにとっては戦略が減ることになってしまうが、熟練プレイヤーにとっては「あえて解禁しない」ではなく「解禁すると厄介」な問題であるためそうした措置を取る選択も生まれることになっている。 ---それ故、アップグレードツリーの項目が全解禁された仕様のおまけゲーム「忍者外伝Z」では常にこの問題を背負いつつプレイする事を余儀なくされてしまった。 ''打撃攻撃に対するカウンターの仕様'' -打撃攻撃へのカウンターのタイミングがほんの一瞬しか設定されておらず、飛び道具へのカウンターと比べて異常な程に成立させ難い。 --打撃攻撃の場合、カウンターを取れたとしてもその後のメリットが薄い((飛び道具カウンターの場合はエレメント効果をそのまま反射できるが、打撃攻撃にはそもそもエレメント効果が搭載されていない。))ため、最初から距離を置いて近付かない様に立ち回れば全く問題とならないというのも拍車をかける。 ''武器を手放す際の仕様'' -武器を手放そうとしてボタンを入力した際、無属性のスティッフ系ゾンビがフィールド上の掴める範囲にいた場合はグラブが優先的に強制発動してしまう。 --フレイルを使いたいので素手の状態になろうとしても、勝手に発動してしまうので非常に不便。また、グラブ状態から直接武器を拾うことも出来ない((投げ捨てる動作を経由して一度素手になる必要があるため。))。 -武器持ち状態から別の武器を拾うことは可能だが、その際手放した武器が異様に遠い位置に設置されることがある。ひどい時には6~7キャラ分規模の距離にもなる。 --さらに、手放した際にフィールドの壁に阻まれたり奈落に落下していったりと''再度拾うことが不可能な位置に設置されてしまう事まである。'' ''体力回復キューブの保管が出来ない'' -エグゼキュートで出現した体力回復キューブは、触れるどころか接近しただけで自動入手となるので、体力の調整を図ろうとすればフィールド上の移動範囲が狭まってしまうという影響を及ぼす。 --全体的に敵の攻撃力の高さと理不尽なカメラ要素のせいでダメージを負う機会が多いため、この仕様は辛い。何らかのボタンによる任意取得であれば、難易度は大分軽減されたはずである。 ''ライフが僅かになった際のモノクロ画面への移行'' -光源処理が均一化されるおかげで、炎系、毒系の飛び道具の認識が非常に難しくなる。 --ただでさえライフが残り僅かで危機的状況であるにもかかわらず、視界がさらに悪いものとなってしまう。 ''敵の少なさ'' -全体から見ても有機体の敵のほぼ全てを占めるゾンビ系は13種類、うち一般的な無属性雑魚ゾンビは4種類。無機物の敵もボスとして2機存在するが、使い回されまくるor出番が殆ど無い、のどちらか。 --ステージ6の後半は属性持ち中ボス系ゾンビを大量に使い回した安易な配置のチャプターが目立つ((特に「踏みつけ注意!」のチャプターで顕著。))。歯応えはあるものの水増し感は否めない。 ''ステージ4最終チャプター前の移動シーン'' -一言で言えば運ゲー。パイプから吹き出る回転式の火炎放射地帯をトラバースで進んでいくのだが、炎と炎の間隔が非常に狭いくせに何度も何度も同じことの繰り返しの上、当たれば直前のポイントからのリトライとなる。 --他のトラバース地帯と違ってほぼ全ての火炎に強制戻りリトライ仕様のミス判定があるため、合計で6~7回に及ぶ非常に短い一瞬のタイミングを掴めないといつまで経ってもこの移動シーンから先に進めなくなってしまう。 -中盤にもパイプから吹き出る熱蒸気を回避しながら進むトラバース移動地帯があるが、最終チャプター前の移動よりは幾分かマシ。それでも慣れない内は結構なリトライが必要だが… ''トータルでのボリューム不足'' -戦闘が主体のこのゲームで全7ステージというのは、スムーズに進める様になればそれだけ全体を通じてのプレイ時間が少なくなるという点も踏まえて短いと言わざるを得ない。 --全ステージの内、ステージ1は全編チュートリアル、ステージ3はチャプター数が5つのみでボス不在、ステージ5と7はボス戦のみといった具合。慣れたプレイヤーが楽しめるのはせいぜいステージ2、4、6ぐらいのもの。 --敵の少なさも災いし、ステージ4に突入した辺りからはほぼ全てのチャプターで今まで出演した敵で構成されたマイナーチェンジ版のチャプターという有様となる。裏を返せばそこまでに培った戦術だけで以後も通じるということでもあるが。 --クリア後に解禁されるおまけゲームの『忍者外伝Z』も含めてもそれなり程度のボリュームであることに変わりはない。 --「最初から終点が見えているストーリー展開」という点においては、暇が出来た時に気軽にサクッとプレイ出来る作品であると置き換えることも出来るが… ''様々なバグ'' -ゲームを進める上で、決して影響が小さくない不具合が結構な数見受けられる。以下はその一例。探せばまだ出てくる。 --フィールド上の壁をすり抜けて本来進行不能となる箇所に移動する((大半は進行箇所に戻れなくなるのでリセットするしかない。))。 --ハグパイプがボタンを押さずとも自動噴出&残弾制限無しで撃ち放題になる。 --エグゼキュート時やカウンター時のグラフィックが合致していない。通称エア処刑&なんちゃってカウンター。 --敵が全く攻撃の届かない場所に出現してしまい倒せずに進行不可になる。 --ミス時のスロー演出中のパンチドランクが不自然な挙動をする((超高速で振り向きを繰り返したり、微動だにしないままスィーッと流れるように移動したり。))。 ''紅葉について'' -今回も龍の巫女である紅葉がハヤブサのパートナーとして出現するのだが、声が皆口裕子氏ではなく柿沼紫乃氏が担当している((本作の音声収録時期が皆口氏の海外留学による一時休業期間に重なったことによるものと思われる。柿沼氏は他にアニメ『ドラゴンボール改 魔人ブウ編』のビーデル役などでも皆口氏の代役を担当していた。))。 --しかし似てない、演技が微妙といった否よりの意見が多く、今回の紅葉は本物ではなくドッペルゲンガーと揶揄されてしまった。 ''シナリオ'' #region(''エンディングを含む核心部分まで含めたネタバレ注意'') -ハヤブサとの死闘の結末は結局双方決着を付けることなく、ヤイバ側は雇い主のデル・ゴンゾの謀略を私怨込み((むしろハヤブサとの決戦以後はそれが主な行動理由。))で打ち砕きに行くこととなる。 -ゾンビアウトブレイクは収拾に向かうどころか、ミス・マンデーの提案で「疫病を沈静化させる手段を記したノート((ヤイバがハヤブサを追い詰めた際、後がないことを悟ったハヤブサから託されたが、当の本人は少しだけ読んで即座に谷底に投棄した。))の内容はサイボーグ技術でヤイバの頭に記録してあるから、''数ヶ月出し惜しみすれば大きな価値が出る''」として放置されたまま。外道にも程がある。%%と言うかミス・マンデーの方が一応は巻き込まれ型主人公であるヤイバよりもタチが悪い%% -肝心のハヤブサはと言うと、ヤイバとの死闘後にヤイバが復活するまでの3週間、特に成果を上げるわけでもなく、事態は一向に引き伸ばされたままである。''お前何してた。'' #endregion ---- **総評 作品としてのコンセプトは悪くないが、如何せんゲーム内での様々な仕様が尽く悪い方向に複合して働いていることが積み重なって、痒い所に手が届かないゲームという認識が強いものとなっている。~ そうでなくとも、『NINJA GAIDEN』の名を連ねていながら、本家シリーズとは全くと言っていいほど関わりのない世界観が本作の評価を著しく貶めてしまったことは否定しようのない事実だろう。~ 戦闘システムも慣れを要するものが多く、敷居が高い割には全体のボリュームが少なめで、そこに本家シリーズ譲りの高い難易度が足を引っ張り、光る要素を様々に兼ね備えていながらアラだらけの完成度の低い一本となってしまった。~ しかし、戦闘システムそのものは慣れれば爽快で不思議な中毒性があるのは間違いなく、まさしく上達が楽しさに直結する正統派な戦闘アクションであるのも事実。~ (サイボーグ)忍者×ゾンビという好きな人にはたまらないコンセプトに加え、アウトブレイク真っ最中であるにもかかわらずおバカな世界観や戦闘の演出、外道ながらも諦めを知ることのないヤイバのキャラクター自体は好きという声もそれなりにあり、『NINJA GAIDENシリーズ』として拘らずに『YAIBA』という1タイトルとしてプレイするか否かで本作への印象は大きく変わるものとなる。~ 世界観はともかく、長所短所は明確なので改善すべき点をきちんとブラッシュアップすれば少なくとも佳作にはなれた作品であろう。 ---- **余談 -前述の通り本作でヤイバをサイボーグ化したのはセクシーなエンジニアの美女であるミス・マンデーなのだが、発表時のトレーラーでサイボーグとなったヤイバの横に描かれていたのは''メガネをかけた長身の男性''だった。 --また、初期の公式サイトではストーリー紹介にてヤイバが自分をサイボーグ化した人物を「''ジジイ''」と読んでいたため、開発の途中で設定が変更されたものと思われる。 -ヤイバは忍術の類は一切使えない。「俺ほどになると忍法なんて必要ない」とは彼の弁だが、果たして真相は…。 -前述したいくつかのコンボのフィニッシュムーブとして採用されているショックウェーブ攻撃は、動作こそ共通しているが攻撃の分類による特色はしっかりと分けられている。 --「ステイングファックダウン」はフィニッシュ入力がP、「チャンプ・サンプ」(及び「リピートオフェンダー」の5段目のS>S変換コンボ)はフィニッシュ入力がSとあって、前者はファイアスティッフをエグゼキュート可能だが、後者は不可能という違いがある。 -ステージの各チャプター名称は、往年のエンターテイメント作品のタイトルや用語をもじったパロディ満載なものが多い。 --「半身這い出ーす!((人気プロ野球球団「阪神タイガース」の当て字。))」「突撃隣のBOMBドカーン!」「バラバラの身!」「その忍者、凶暴につき」「モンスターハウスだ!」「あの羽根を壊すのはあなた」「下水の国からはるばると」「イエローホルマリン」「なんだかとても寒いんだ」「足元コントロールダンディ」「神殿ナイトフィーバー!」etc… --他にも実績の名称には「ニンジャ・タードル」「エレメンタルグラフィティ」「コインいっこいれる」「All your base((東亜プランから発売された横スクロールアクションシューティング『ゼロウィング』における、1992年にアーケードから移植されたヨーロッパ圏向けMD版OPデモを発祥とするネットミーム「All your base are belong to us」が元ネタ。典型的な文法間違いの例として知られる。))」などなど、文字情報のみとは言えどかなり露骨である。 -ゲーム内メニューのデータベースから読めるリュウ・ハヤブサの経歴の中には、「ノストラダムス教団の信者をたった1人で何百人も殺害」というものが含まれている。 --ノストラダムス関連の設定が盛り込まれているのはシリーズ第1作としてリリースされた、かの%%怪作%%[[AC版『忍者龍剣伝』>忍者龍剣伝 (AC)]]である。 --敵が教団や信者という設定までは作られていないために必ずしもそうであるとは言い切れないが、間接的にAC版『忍者龍剣伝』の自機忍者=リュウ・ハヤブサであることがほぼ確定に近い形で言及された((お蔵入りとなったAC版『忍者龍剣伝2』では初代の自機忍者はリュウ・ハヤブサであることが確定していた。))。 -スペシャルゾンビパックには、本タイトルのサウンドトラックや壁紙が同梱されたゾンビ型USBメモリ(上半身と下半身が分断する仕様)、コスチュームのダウンロードシリアル、カレンダー、ストーリー開始以前のヤイバの「忍者としての修行時代からの軌跡」を描いたアメコミ等が付属されている。 -コスチュームに関しては、スペシャルゾンビパック以外にも初回封入特典として「ソルジャー」の他、タイアップとして今作に関わった稲船氏がプロデュースしたアクションゲーム『[[Mighty No.9]]』の主人公・ベックのコスチューム((コスチュームというより着ぐるみに近い姿だが。))、大槻ケンヂ氏の小説から映画化によりビジュアルが描き下ろされた『ヌイグルマーZ』とコラボしたコスチュームが存在した((シリアルコードの期限が過ぎたため、現在はダウンロード不可。))。 --また、『[[DOA5U>DEAD OR ALIVE 5#id_bbdf9210]]』においても、ハヤブサ&紅葉に本作のコラボコスチュームが存在する。 -アメコミに関しては公式サイトでも一部を読む事が出来る(尻切れとんぼ感はあるが…)。 -本来であれば本作でも攻略本が発売される予定であったが、公式サイトによると諸般の事情で発売未定となっている。 --このために紙媒体での攻略情報は皆無、ネット周りでの情報も非常に少なく、ゲーム内容も認知度が低い。 -本作の開発は名目上Team NINJA、comcept、Spark Unlimitedによる3社共同開発となっているが、Team NINJAとcomceptはいわゆる監修や補助的な部分で関わっており、開発のメインはSpark Unlimited側によるもの。 --アメリカのデベロッパーであるSpark Unlimitedは、過去に『Call of Duty: Finest Hour((初代『Call of Duty』を家庭用機向けに移植した作品。))』や『ロスト プラネット 3((こちらもシリーズファンからは酷評された作品である。))((何の因果か、『ロスト プラネット』シリーズはcomceptのCEOである稲船敬二氏がカプコン在籍時代に手掛けた作品である。そして、『NINJA GAIDEN』も『ロスト プラネット』もSpark Unlimitedが開発した作品を最後にシリーズが途絶えている。))』等の開発を手掛けていた。奇しくも同社は本作発売の翌年に全スタッフをレイオフした後、同年の5月にスタジオを閉鎖している。 -2019年1月2日にコーエーテクモゲームスが、アメリカで本作のタイトルである『YAIBA NINJA GAIDEN Z』の商標出願を行っていたことが明らかとなった。 --しかし、このニュースから2年後の2021年1月に''『NINJA GAIDEN』シリーズに新作の計画が無い''ことが明らかとなったので、この商標出願が何だったのかは謎である。 ---同時に、''本作が事実上『NINJA GAIDEN』シリーズの最終作であることが確定してしまった。'' --2021年にはシリーズのリメイク版3作品をまとめて移植した『NINJA GAIDEN: マスターコレクション』が発売されたが、本作は特に触れられることもなかった((もっとも、これに関しては需要云々以外にも「ゲームの舞台であるウクライナで人為的要因によるゾンビアウトブレイク発生、事態の対処のためにロシア軍が街全体に軍を送り込んで爆撃している」という設定が、2022年以降における現実の情勢と照らし合わせてあまりにも笑えないことになっているのも大きな要因として考えられる。ストーリーデモにおいてヤイバ自身が「ロシア軍が同胞に銃を向けた様だ」とハッキリ語っており、場合によっては発売禁止処分が施される可能性も十分考えられる。))。 //リブート版発表の件は海外メディアの誤報だったので削除。 ---- *NINJA GAIDEN Z / 忍者外伝Z 【にんじゃがいでんぜっと】 **概要(忍者外伝Z) 本編クリア後に解禁されるおまけゲーム。~ 斜め見下ろし型のベルトスクロールアクション風にアレンジされた、昔懐かしのゲーム性。~ BGMも往年のものを採用しており、単純なゲーム性ながら本編に勝るとも劣らない内容となっている。~ しかし、本編をクリアする腕前が前提で調整されているのを考慮しても、その難易度の凶悪ぶりは枚挙に暇がないものであった。 ---- **ストーリー(忍者外伝Z) サイボーグ忍者ヤイバの手元から名酒「邪鬼王」が消えた。ヤイバは邪鬼王を取り戻すため、よっぱらい(ゾンビ)の群れを突き進んでいく。 ---- **ゲームシステム(忍者外伝Z) -残機&ライフ性のシンプルなアクション。 --基本システムは本編に準えているため、アレンジされた部分&独自要素のみ記載。 --ちなみに、このアレンジされた仕様は取扱説明書では一部のシステムに説明がないため、初見では若干戸惑う事だろう。 ''エグゼキュート/サイバービジョンが使えない'' -特に前者は最大の変更点。この仕様によりライフピースのドロップがなくなったため、体力回復手段が最低限のものしか存在しなくなり、リカバリーが非常に効き難くなった。 --エグゼキュート失敗動作でのフィニッシュ技の動作キャンセルも不可能となったため、しっかりと的確にコンボを使い分けなければ無用かつ致命的なダメージを追う危険性が高まった。 --特に、本編で異常な程の使い勝手を誇るコフィンノッカーの万能ぶりが抑えられたのは相当大きい。 --ライフ回復を気にする必要が無くなったため、中ボス系の敵がゾンビ武器を落とす事もなくなったことも含め、相対的にグラブの使用価値が本編とは比較にならない程に増している。下手にコンボを狙うよりグラブ殴打連打の方が大分安定する。 -後者に関しては、こちらのおまけゲームの方では破壊したオブジェの先の隠しルートといったギミックは無いためにそちらの用途としては全く問題無いが、大勢のバイルスティッフ/ブリスターシスターの四方八方からの毒液で頻繁に視界が染まるため、視界回復の意図での使用出来なくなった事は結構な痛手と言える((ステージ3のボス戦前やステージ4の金のゾンビ出現ポイント前のフェイズで顕著。))。 ''ブラッドラストが専用アイテムを消費する'' -特定の箇所に設置されたレイジアイテム「COLOR(red){''風''}」を入手し、1つ消費する事で発動するものへと切り替わった。何度も敵を倒して少しずつ風ゲージを蓄積させていくという行動が必要なくなったので、使い勝手は大幅に増している。 --画面表記では3つまでしかストック数が表記されないが、内部ではしっかり3つ以上ストックされているので安心((「×N」表記にすれば良かったのではということではあるのだが。))。 ''ステージ間でゾンビ武器を引き継ぐ'' -ステージボスを倒した際にゾンビ武器の耐久値が残っていた場合、その武器を所持した状態で次ステージが開始する。 --特にボス戦直前でゾンビ武器が入手可能なステージ3からステージ4に移行する際に高い恩恵を得られる。 ''ステージの特定の箇所に「金のゾンビ」が出現'' -スティッフより耐久力が高い黄金のゾンビで、攻撃手段は持たずに高速でフィールド内を駆け回るだけの存在。 --倒すと大量の得点アイテムとゾンビ武器をドロップする。このおまけゲームではこの方法でしかゾンビ武器を入手出来ないので、是が非でも倒したい所。 --移動速度が速く、頻繁に角度を変えて逃げ続けるために単純に倒すだけでも意外と苦労する。確実に倒すならばグラブ殴打推奨。 --一定時間が経過すると、倒さずとも突如出現したポータルに吸い込まれて消えてしまう。 -ドロップするゾンビ武器は2~5つ。種類はランダムで、倒すのに時間を掛ける程ドロップ数が減るために即効撃破を狙いたい。 --このゲームでは本編に比べて攻撃力が底上げされているため、耐久力の高いナムチャクや一撃の威力がケタ違いに高いショルダーブレードの需要が高い。前者は属性持ちスティッフとの乱戦に、後者は中ボス乱戦にと、これらがダブればかなり「アタリ」である。 -ある程度の運が絡むが、攻撃を当てて倒れていない間に体力回復キューブをドロップすることもある。 --体力回復手段が非常に限られた仕様のこのおまけゲームではこの恩恵が非常に大きなものとなるため、リカバリーポイントとしての望みも大いに見込めるものとなる((ゾンビ武器同様、あくまでも運ゲーではあるが。))。 ''残機アップアイテムが追加'' -有限コンティニューであるためか、特定の箇所に残機アップアイテムが設けられた。 --ステージを進めていくと割合容易く入手出来るが、難易度的にはこれでもかなりシビアな数である。 **その他(忍者外伝Z) -プレイヤー、敵共に攻撃力が底上げされた。本編ではあまりダメージを稼げなかったコンボも、このおまけゲームでは十分に使い物になるレベル。 --ブラッドラストを発動してゾンビ武器攻撃を連打しようものなら、ラスボス含む全てのボスを瞬殺可能というインフレ具合。 --と言うか、仕様を把握してレイジアイテムとゾンビ武器を最後まで持っていけば''ラスボスが一番楽''という…。 -前述の通り、自機だけでなく敵からのダメージも本編の難易度ナイトメアを軽く上回る規模。 --最序盤のグレネディアの自爆を食らうと、直撃で体力最大値から即死、爆発範囲ギリギリからでも最大値からミリ残し状態(あと一撃で死ぬ)まで一気に持っていかれる。 ---グレネディアはやたらめったらに大量出現するポイントが幾つかあり、単体の中ボスやステージボスの取り巻きとしても出てくるので、ゲーム全体から見ても一際脅威となる。 --上記の通り体力回復手段が限られたおかげで、一度窮地に陥ると何もできないままミスとなることがほとんど。最初から最後まで殺しに来ていると言っても過言ではない。 -体力回復アイテムは道中に少量設置されている他、特定のオブジェを壊すと入手出来る。 --だが、肝心の回復量が最大値の1/3程度しかなく、敵の攻撃は全般、あっさりと半分以上持っていくので気休め程度のもの。 ---- **評価点(忍者外伝Z) ''ゲーム性がシンプルになった'' -攻撃力の底上げによって、少しのコンボでもスティッフ系の雑魚敵はサクサクと倒せるようになった。 --グラブ殴打の需要も増したため、中ボス系の敵に対してもいささかダメージを通しやすくなっている。 --難しいコンボを意識せずとも多少は融通が利くということ。もちろん、ルートが複雑だが高性能な派生コンボも立ち回りが上手ければ出番は多い。 ''カメラアングルが快適になった'' -一定方向からの角度に統一された為、本編よりはかなりフィールドを把握しやすくなっている。 --敵の配置は難有りではあるが、認識のしやすさは比較すべくもなくこちらが上。 --ただし完全俯瞰視点エリアは別で、本編のカメラ設定「ワイド」以上に引いた視点になる上に、操作キャラがどの方向を向いているかが非常に把握し難い。 ''BGMチョイス'' -『NINJA GAIDEN』の源流である『忍者龍剣伝』([[AC版>忍者龍剣伝 (AC)]]及び[[FC版初代>忍者龍剣伝]])のBGMを採用しており、知っているプレイヤーには懐かしいチョイス。 --FC版から採用された多くの原曲は、SEが増えたリミックス版と呼ぶべきものとなっている。原曲と聞き比べてみると実はかなりグレードアップしていることが分かる。 ---ステージ3の冒頭から中盤までのBGMには、シリーズでも特に有名な名曲「鮮烈のリュウ」が採用されている。 --デモシーンや完全俯瞰視点エリア、エンディング等に至っては、なんと''AC版忍者龍剣伝のBGMが採用される''という、%%謎%%破格の待遇が成されている。 ---しかも、夫々のシーンにやたらマッチしており違和感が全く無い。%%おかげでAC版がより一層怪しい怪作に見えてしまうという弊害も生まれた。%% ''ストーリーがいい意味でしょうもない'' -酒のために超難度のステージを進んでいくヤイバの行動原理はとてもバカバカしく、清々しい。その酒の名前に『忍者龍剣伝』の悪役の名前を持って来る時点で古参ファンは爆笑ものである。 --ステージ3終了後のデモでは龍剣伝の有名なセリフのパロディで「''お れ の 邪 鬼 王 !''」と宣う。最早脱力級のギャグである。 ---- **問題点(忍者外伝Z) ''極悪な難度'' -「体力回復手段が極めて少なく、回復できたとしても回復量自体が非常に少ない」「敵の攻撃力が異常で即死も多い」「道中の破壊可能なオブジェは8割方ダメージギミックとなる罠」「金のゾンビが難易度に雲泥の差を齎す程の運ゲー」…といった極端なバランスを踏まえた上で、“コンシューマ機特有のオプションの存在”など知ったことかと言わんばかりの「有限コンティニュー仕様」もあり、全く容赦する素振りを見せない難度曲線である。 --もし本作のアーケード版が出ていたとすれば、如何様に罵詈雑言が浴びせられることかは想像に難くない((Win版の実績ではこのおまけゲームは「アーケードモード」名義であるが。))。 -一部のオブジェから入手出来る体力回復アイテム&残機アップアイテムが、結構な頻度で出現しない事がある。単なる不具合か、その地点に到達するまでの時間経過or成績的な管理フラグでもあるのかは不明だが、残機が増える程に後半の残機アップアイテムが出現する頻度が下がる傾向にあるため後者の可能性が高い。 -金のゾンビがドロップするゾンビ武器の結果によって、進行難易度に相当な差が出る。 --弾数が少ない上に命中頻度も極めて悪いリガーモーターは無いよりマシ程度でほぼハズレ武器。そんなものが''ドロップした4つのうちの3つを占める結果になった''なんてことも…。 -残機アップアイテムを全て入手したとしても、これらの仕様のおかげで何とかギリギリクリア出来るかという、地力を上げること(特にカウンターの精度)を否応にも要求されるレベルの難しさである。''本当にボーナスコンテンツですかコレ。'' ''ステージクリア時のリザルト画面での仕様'' -各ステージボスを倒すと画面が黒くフェードアウトした状態でスコア換算に入る。 --この状態では画面こそ真っ暗ではあるものの自機のヤイバは通常通り移動や攻撃が可能で、そればかりか何かしらの要因で攻撃を食らうと普通にダメージが入ってしまう。 --あろうことか、スコア換算時の黒画面で外的要因により体力が尽きると''そのままミスとなりコンティニュー画面に移行することとなる。'' --要因としては、トルソーやレッグの攻撃、ピンを抜いた状態で倒したグレネディアの手榴弾の爆発、燃焼効果による持続的な体力減少、複合エレメント効果の電磁ストームが齎す落雷など。 ---この内、ボスの取り巻きのスティッフ系雑魚ゾンビを倒した際に関しては、トルソー/レッグとなり半身で生存したままとなっているものがボス戦時のみ内部データで「スティッフは倒した」として処理され、トルソー/レッグには全滅でのクリアフラグ自体が定められていないものと思われる。 ---特に大量のグラントが出現するステージ3のボス戦はトルソー/レッグが残りやすいので、体力が少ない状態でクリアした場合はスコア換算中も絶えず移動やダッシュを繰り返しておくのが無難。 ''ステージ1中盤のボーナスラウンド'' -30秒のタイマーが設けられ、次々と湧いて出る雑魚ゾンビを殲滅させて次のエリアに向かう完全俯瞰視点での戦闘パートなのだが、どれだけ急いだとしても''絶対に30秒では間に合わない。'' --地面から敵ゾンビが出現するタイミングそのものがゆっくりとして遅い事に加え、一定数倒さないと第二波、第三波も出現しない(したらしたで、これがまた遅い)。 --一度倒してもトルソー化して完全には倒れない敵ゾンビも多く、それらがまた移動距離の長い跳躍で飛び回るために走り回らなければならず、その結果第二波第三波のフラグがさらに遅れる…という悪循環。 -これらのことから、ボーナスラウンドと言っておきながら何がボーナスなのかまるで分からないことになっている。 --ボーナス自体はあると思われるが、発売から現在に至るまで、全プラットフォームを通じてこのエリアを30秒以内に突破した動画は無い。 --制限時間を超えたとしてもペナルティは無い。あったとしても困るのだが、この事がよりいっそう「ボーナスって何だっけ」感を後押しする形となっている。 ''ステージ1中盤の金のゾンビ出現チャプター終了後のレベルデザイン'' -このチャプターの終了後は階段状の足場をトラバースで登って次のチャプターへと進むのだが、この足場の赤ラインをトラバースジャンプで通り越すと後戻りできない仕様がある。そのため、直前のチャプターで金のゾンビがドロップした複数のゾンビ武器を1つしか持っていけないという事となる。 --上記の通り、金のゾンビ自体の運ゲーに加えて、その金のゾンビが初お目見えとなるシーンの直後にこの仕打ちである。有用な武器が何一つ活用されないまま1つを除き全て無駄となってしまう事に対し、開発者は誰も意義を唱えなかったのだろうか…? ''ステージ2の特定のエリアにおける敵の永続クリスタル化の誘発と対処法'' -ステージ2の後半、溶鉱炉エリアに続く直前の戦闘(ファイアスティッフ2体&エレクトリックスティッフ多数のフェイズ)では画面右の鉄橋を覆い尽くす勢いで毒液が絶えず噴出するダメージゾーンが設けられ先に進めなくなっている。 --このダメージゾーンはエレメント効果の毒であるため、エレクトリックスティッフが接触すると複合エレメント効果によるクリスタル化が発動する。クリスタル化したエレクトリックスティッフはダメージゾーンで硬直し続け、時間経過でクリスタル化から復帰した直後に毒ゾーンに触れて再度クリスタル化することになり、永久的にクリスタル化が終わらなくなる。 --前述の注釈に示した通りクリスタル化した敵に通るのは「パンチ動作を行うP入力」であり、遠距離からショックウェーブを放つP攻撃のステイングファックダウンであろうとクリスタル化したゾンビには攻撃が無効となる。故にダメージゾーンの右奥にワープされてクリスタル化した場合、パンチ攻撃を通すにはダメージゾーンに侵入=''最低一度の被弾を余儀なくされる''((実際には侵入時に被弾~被弾後の無敵中にパンチで撃破~戻る際に無敵が切れて被弾…と2回被弾する結果になりやすい。))。 --レイジアイテムのストックがあればブラッドラストを発動して無敵状態で強引に突破することは可能だが、''ストック/残機共に0、なおかつ体力が1/3以下でこの状態に陥ると''COLOR(red){''ゲームオーバーが確定する。''} ---ここで問題となるのはクリスタル化の永続ではなく「エレクトリックスティッフがランダムで常時ダメージゾーンにワープすること」であり、これがダメージゾーンとなる毒液の噴出が一定周期で止まるものであれば問題にならなかっただろう。 ''様々なバグ'' -特に多く、それでいて致命的なものが、進行フラグを満たしているにもかかわらず内部パラメータの不具合でフラグ非成立となり進行不能になるというもの。 --ステージ1のボーナスラウンド直後の墓地、ステージ3の前半最後のフェイズは結構な確率で発生する。こうなるとリセットするしかなくなるため、セーブ機能未搭載ということもあり発生してしまえば相当に萎えることだろう。 -逆に、敵との戦闘中にいきなり進行フラグが成立して先に進行可能になるという意図しない状況での短縮もそこそこの頻度で発生する。 --こちらもステージ1のボーナスラウンド直後の墓地、他にはステージ4の完全俯瞰視点エリア((「ヤイバTVへようこそ!」の連続戦闘シーン。))で起こりやすい。こちらの場合は発生すると逆にありがたいバグと言えないこともないが… ---- **総評(忍者外伝Z) しょうもないストーリーとは裏腹に難易度は極悪そのもの。~ 本編の最大難易度をクリア出来る実力があってもなお厳しいというゲームバランスは、ある意味で『NINJA GAIDEN』シリーズを象徴するものと取れない事もない。まさにマゾゲーマーご用達。~ 本編とは全くの別ゲーとして懐かしのゲーム性で構成された全容は、ストイックと言えばそうであるし、時代錯誤と言われてもそうであると言える。~ エグゼキュートの削除は非常に厳しいものがあるが、代価として火力に物を言わせた押しが通せることで戦闘時のテンポの上昇にも繋がっているのも確かで、いっそう回避と防御、正確なコンボの使い分けの精度が問われるスリルが付きまとう。~ おまけゲームとしては結構なボリュームがあり、BGMも懐かしの名曲がチョイスされ意欲をそそらせてくれる。~ 死に覚えゲーとしてシビアな歯応えを望むオールドゲーマー向けの内容が好きならば、それなりに楽しめる一本だろう。 //段落分けが過剰なので一部差し戻し

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