【やいばにんじゃがいでんぜっと】
ジャンル | スラッシュアクション | ![]() ![]() |
対応機種 |
プレイステーション3 Xbox 360 Windows(Steam) |
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発売元 | コーエーテクモゲームス | |
開発元 |
Team NINJA comcept Spark Unlimited |
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発売日 |
【Win】2014年3月22日 【PS3/360】2014年3月27日 |
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定価 |
【Win】7,232円(税込) 【PS3/360】7,800円 |
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レーティング | CERO:Z(18才以上のみ対象) | |
判定 | シリーズファンから不評 | |
ゲームバランスが不安定 | ||
ポイント |
とにかく下品でおバカな世界観 高難度と問題点は本家譲り 本家のシリーズとの繋がりは薄め |
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忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ |
死から蘇ったサイボーグニンジャがゾンビを殲滅!
「ニンジャ」×「ゾンビ」というコンセプトの元、主人公カミカゼ・ヤイバを操作してゾンビアウトブレイクの真っ只中を暴れ回るスラッシュアクション。
『NINJA GAIDEN』シリーズと共通する世界観を、徹底して外道なアンチヒーローからの視点で追った「NINJA GAIDEN 外伝」とでも言った位置付けだろうか。
昨今の『ニンジャスレイヤー』等のブームにも伴い、単体のゲームとしての素材、世界観、キャラクター像などのコンセプトは決して悪くは無かったのだが…。
忍者一門、神風一族に生まれたカミカゼ・ヤイバ。
彼は非常に短気な性格で、ある日の修行中、同門の修行仲間にして実の妹でもあるユキにからかわれただけで逆上し、あろうことか彼女を斬り伏せて致命傷を負わせてしまう。
我に返ったヤイバは一族に伝わる秘伝の巻物を用いてユキを死の淵から蘇らせようとするが、2人の父親達は「死は定めだ、名誉を汚してはならない」と言い、ヤイバが巻物を取りに行っている間にユキの首を切断して完全に亡き者としてしまった。
またもや逆上したヤイバはその場に居合わせた父親達全員をユキを切り伏せたのと同じく殺害し、巻物を用いて蘇らせた後「自決してもらおうか、名誉を汚されたんだからな」と言い放つ。
外道と罵られつつも「とっくに踏み外している」と切り捨て里を後にしたヤイバは、それ以来多くの組織を始末屋として渡り歩いていく。ヘマをした同業の忍者を白昼堂々と公の場で無残に殺す彼の業の深さに、彼は何時しか「ニンジャキラー」の異名を持つに至っていた。
ヤイバが愛用する刀「虚心(*1)」は古きに渡る時代からの名刀であり、ハヤブサ一族はそんな業物が「悪用」されていることを知り、リュウ・ハヤブサはヤイバの行方を追っていた。時が経ち、同業者のリークにてハヤブサに居場所を突き止められたヤイバ。
相見える凄腕忍者2人。暫しの激しい斬り合いの後、勝敗はハヤブサに軍配が上がる。
「虚心」を折られ己の運命を察したヤイバは、「ファァック」の言葉を最後に右肩から袈裟斬りに真っ二つにされ、高笑いの中で絶命する__しかし、とある目的のためにハヤブサを始末しようとする者が、「利害関係の一致」という名目でサイボーグ技術を施し、彼を蘇らせたのだった。
目覚めた場所はゾンビアウトブレイク真っ只中の東欧の地、ウクライナ。だが、そんなことは彼にとって些細なことですらなかった。
最早ヤイバの生き甲斐はただひとつ、ハヤブサと再び対峙し、彼を殺す__
それだけであり、手駒として使われることを余儀なくされた自らの置かれた境遇にもまるで興味はなかった。
「虚心」__改め、刀身の折れた刀「ハートレスブレード」と並外れた体術、サイボーグ技術、そして不屈の精神力を武器に、
ヤイバはゾンビの群れを「斬り」開いていく。
()内表記は技のコマンド。PS3/360の順で表記。
攻撃(□,△,○/X,Y,B)
ダッシュ(×/A)
ブロック(R1/RB)
カウンター(特定の攻撃が当たる直前にR1/RB)
グラブ(R2/RT)
サイバービジョン(L1/LB)
エグゼキュート(L2/LT)
ブラッドラスト(L3+R3同時押し込み/LS+RS同時押し込み)
コンボ
オーバークロック
連続エグゼキュート
ハーベスト(ゾンビ武器入手)
エレメント効果
リカバリー
エロ・グロ・ナンセンスを地で行く世界観
操作キャラクターの視点
敵を撃破する爽快感
エレメントを用いた戦略
グラフィック
技名
一部の敵の動き
ゾンビ武器で敵を倒した際の仕様
ロードが長い
カメラワーク、カメラ設定諸々の悪さ
敵の攻撃が理不尽
グラブの全体動作が遅い
コンボ攻撃の性能の偏り
ボタンホールド攻撃の入力優先順位に伴う派生コンボ強制リセット
打撃攻撃に対するカウンターの仕様
武器を手放す際の仕様
体力回復キューブの保管が出来ない
ライフが僅かになった際のモノクロ画面への移行
敵の少なさ
ステージ4最終チャプター前の移動シーン
トータルでのボリューム不足
様々なバグ
紅葉について
シナリオ
+ | エンディングを含む核心部分まで含めたネタバレ注意 |
作品としてのコンセプトは悪くないが、如何せんゲーム内での様々な仕様が尽く悪い方向に複合して働いていることが積み重なって、痒い所に手が届かないゲームという認識が強いものとなっている。
そうでなくとも、『NINJA GAIDEN』の名を連ねていながら、本家シリーズとは全くと言っていいほど関わりのない世界観が本作の評価を著しく貶めてしまったことは否定しようのない事実だろう。
戦闘システムも慣れを要するものが多く、敷居が高い割には全体のボリュームが少なめで、そこに本家シリーズ譲りの高い難易度が足を引っ張り、光る要素を様々に兼ね備えていながらアラだらけの完成度の低い一本となってしまった。
しかし、戦闘システムそのものは慣れれば爽快で不思議な中毒性があるのは間違いなく、まさしく上達が楽しさに直結する正統派な戦闘アクションであるのも事実。
サイボーグ忍者×ゾンビという好きな人にはたまらないコンセプトに加え、アウトブレイク真っ最中であるにもかかわらずおバカな世界観や戦闘の演出、外道ながらも諦めを知ることのないヤイバのキャラクター自体は好きという声もそれなりにあり、『NINJA GAIDEN』シリーズとして拘らずに『YAIBA』という1タイトルとしてプレイするか否かで本作への印象は大きく変わるものとなる。
世界観はともかく、長所短所は明確なので改善すべき点をきちんとブラッシュアップすれば少なくとも佳作にはなれた作品であろう。
【にんじゃがいでんぜっと】
本編と異なり、斜め見下ろし固定視点+本編のシステムがいくつか再構築されたベルトスクロールアクション風のボーナスコンテンツ。
本編クリア後に解禁される。
サイボーグ忍者ヤイバの手元から名酒「邪鬼王」が消えた。ヤイバは邪鬼王を取り戻すため、よっぱらい(ゾンビ)の群れを突き進んでいく。
残機&ライフ性のシンプルなアクション。基本システムは本編に準えているため、アレンジされた部分&独自要素のみ記載。
このアレンジされた仕様は取扱説明書では一部のシステムに説明がないため、初見では若干戸惑うことだろう。
エグゼキュート/サイバービジョンが使えない
ブラッドラストが専用アイテムを消費する
ステージ間でゾンビ武器を引き継ぐ
ステージの特定の箇所に「金のゾンビ」が出現
残機アップアイテムが追加
ゲーム性がシンプルになった
カメラアングルが快適になった
BGMチョイス
ストーリーがいい意味でしょうもない
極悪な難度
ステージクリア時のリザルト画面での仕様
ステージ1中盤のボーナスラウンド
ステージ1中盤の金のゾンビ出現チャプター終了後のレベルデザイン
ステージ2の特定のエリアでランダム誘発される被弾確定状況
様々なバグ
しょうもないストーリーとは裏腹に難易度は極悪そのもの。
本編の最大難易度をクリア出来る実力があってもなお厳しいというゲームバランスは、ある意味で『NINJA GAIDEN』シリーズを象徴するものと取れないこともない。まさにマゾゲーマーご用達。
本編とは全くの別ゲーとして懐かしのゲーム性で構成された全容は、ストイックと言えばそうであるし、時代錯誤と言われてもそうであると言える。
エグゼキュートの削除は非常に厳しいものがあるが、代価として火力に物を言わせた押しが通せることで戦闘時のテンポの上昇にも繋がっているのも確かで、いっそう回避と防御、正確なコンボの使い分けの精度が問われるスリルが付きまとう。
おまけゲームとしては結構なボリュームがあり、BGMも懐かしの名曲がチョイスされ意欲をそそらせてくれる。
死に覚えゲーとしてシビアな歯応えを望むオールドゲーマー向けの内容が好きならば、それなりに楽しめる一本だろう。
*1 スペシャルゾンビパック付属のアメコミで語られることだが、「虚心」という名称はヤイバが成り行きで助けたハヤブサ一族の女性が彼女の兄弟の忍者を他でもないヤイバに殺されていたことを知った際、彼と刀に対する「蔑称」として吐き捨てた言葉である。本来は「テンペストブレード」なる名称だった。
*2 やろうと思えばあえてポイントを残したままの縛りプレイでのクリアも可能。
*3 削減値が6となるのは絶え間なく連発した場合のみ。殴打を4連打までに止めて一度静止し、再度入力した場合は削減値が1減らされて合計5回で消費される。
*4 アップグレードツリーから必ず最初に解禁することになる「ソードオープナー」に付属して使用可能になる攻撃。「ダッシュ~Sをホールド~リリース」で発動する、長距離を一瞬で低空跳躍して放つ振り下ろし斬り。技後の硬直も短く、遠距離から移動の手間を省いた接近&攻撃手段として強力な性能を誇る。
*5 あくまで「動作としてのパンチ」が条件。ステイングファックダウン(S>P>P>P)、ライド・ザ・スネーク(S>S>P>P>P)、スクラブ・オービタル(S>F>F>P>P)などの「パンチ動作ではないP入力でのフィニッシュ攻撃」ではクリスタル化した敵に攻撃が通らない。
*6 一定回数の攻撃を食らった段階で即死はする。
*7 そもそも「ゾンビ武器」ではないので当然と言えば当然だが。
*8 ゲーム内でOPからステージ6開始の時点で4度目の命=3回の死を体験し、その度にサイボーグ技術で復活している。特に2度目の死から復活した際はストーリーデモにて「いい加減死ぬのに飽きていた。それとも生き返るのにウンザリしたのか自分でも分からなかった」と独白している。
*9 この「タリーワッカー(Tallywacker)」とは英語で男性器を意味するスラングである。いかにも本作らしいネーミングではあるが…。
*10 一応、発売前に公開されたTeam NINJAの林氏との対談動画内で、稲舟氏は「本作ではあえて自分の中のルールに縛られずにゾンビを描く」ことを示唆してはいた。
*11 ショルダーブレードのみ例外でエグゼキュート可能。
*12 敵の特定の打撃攻撃に対して白いリング状のエフェクトが付属し、このエフェクトの持続中のみ打撃カウンターが発動可能。
*13 飛び道具カウンターの場合はエレメント効果をそのまま反射できるが、打撃攻撃にはそもそもエレメント効果が搭載されていない。
*14 投げ捨てる動作を経由して一度素手になる必要があるため。
*15 特に「踏みつけ注意!」のチャプターで顕著。
*16 大半は進行箇所に戻れなくなるのでリセットするしかない。
*17 超高速で振り向きを繰り返したり、微動だにしないままスィーッと流れるように移動したり。
*18 本作の音声収録時期が皆口氏の海外留学による一時休業期間に重なったことによるものと思われる。柿沼氏は他にアニメ『ドラゴンボール改 魔人ブウ編』のビーデル役などでも皆口氏の代役を担当していた。
*19 むしろハヤブサとの決戦以後はそれが主な行動理由。
*20 ヤイバがハヤブサを追い詰めた際、後がないことを悟ったハヤブサから託されたが、当の本人は少しだけ読んで即座に谷底に投棄した。
*21 人気プロ野球球団「阪神タイガース」の当て字。
*22 東亜プランから発売された横スクロールアクションシューティング『ゼロウィング』における、1992年にアーケードから移植されたヨーロッパ圏向けMD版OPデモを発祥とするネットミーム「All your base are belong to us」が元ネタ。典型的な文法間違いの例として知られる。
*23 お蔵入りとなったAC版『忍者龍剣伝2』では初代の自機忍者はリュウ・ハヤブサであることが確定していた。
*24 コスチュームというより着ぐるみに近い姿だが。
*25 シリアルコードの期限が過ぎたため、現在はダウンロード不可。
*26 初代『Call of Duty』を家庭用機向けに移植した作品。
*27 こちらもシリーズファンからは酷評された作品である。
*28 何の因果か、『ロスト プラネット』シリーズはcomceptのCEOである稲船敬二氏がカプコン在籍時代に手掛けた作品である。そして、『NINJA GAIDEN』も『ロスト プラネット』もSpark Unlimitedが開発した作品を最後にシリーズが途絶えている。
*29 もっとも、これに関しては需要云々以外にも「ゲームの舞台であるウクライナで人為的要因によるゾンビアウトブレイク発生、事態の対処のためにロシア軍が街全体に軍を送り込んで爆撃している」という設定が、2022年以降における現実の情勢と照らし合わせてあまりにも笑えないことになっているのも大きな要因として考えられる。ストーリーデモにおいてヤイバ自身が「ロシア軍が同胞に銃を向けた様だ」とハッキリ語っており、場合によっては発売禁止処分が施される可能性もありえない話ではない。
*30 ステージ3のボス戦前やステージ4の金のゾンビ出現ポイント前のフェイズで顕著。
*31 「×N」表記にすれば良かったのではということではあるのだが。
*32 ゾンビ武器同様、あくまでも運ゲーではあるが。
*33 Win版の実績ではこのおまけゲームは「アーケードモード」名義であるが。
*34 ファイアスティッフ2体&エレクトリックスティッフ多数のフェイズ。
*35 前述のエレメント効果の注釈に示した通りクリスタル化した敵に通るのは「パンチ動作を行うP入力」であり、遠距離からショックウェーブを放つP攻撃のステイングファックダウンであろうとクリスタル化したゾンビには攻撃が無効となる。
*36 実際には侵入時に被弾~被弾後の無敵中にパンチで撃破~戻る際に無敵が切れて被弾…と2回被弾する結果になりやすい。
*37 「ヤイバTVへようこそ!」の連続戦闘シーン。