「メタルギアライジング リベンジェンス」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

メタルギアライジング リベンジェンス - (2017/02/22 (水) 23:19:09) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*メタルギアライジング リベンジェンス 【めたるぎあらいじんぐりべんじぇんす】 |ジャンル|ライトニングボルトアクション|&amazon(B0095D6I86)| |対応機種|プレイステーション3&br;Xbox360、Windows(両者とも海外のみ)|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|小島プロダクション&br;プラチナゲームズ|~| |発売日|通常版/プレミアムパッケージ版:2013年2月21日&br;スペシャルエディション版:2013年12月5日|~| |定価|通常版:7,180円&br;プレミアムパッケージ版:10,265円&br;スペシャルエディション版:2,480円|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3個|~| |レーティング|CERO:D (17歳以上対象)|~| |備考|日本ゲーム大賞2012フューチャー部門受賞|~| |判定|なし|~| |ポイント|主役に返り咲いた雷電&br;シリーズファンには特に賛否両論の別路線作&br;アクションの爽快感は格別&br;薄れたステルス要素|~| |>|>|CENTER:''[[メタルギアシリーズ関連作品リンク>メタルギアシリーズ]]''| ----- #contents(fromhere) ----- **概要 [[メタルギアソリッド]](MGS)シリーズ外伝作にして、同シリーズのメインキャラである雷電が[[MGS2>メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティー]]以来の主役を務めたアクションゲーム。[[MGS4>メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット]]の数年後を描く、『シリーズの血を受け継ぐ"ソリッド"''ではない''、新たな"メタルギア"』。キャッチコピーは『メタルギアが、キレた。』&br() 当初は『メタルギアソリッド ライジング』としてMGS2とMGS4の間の空白期間を描くものとして開発されていた。しかし、開発が予定通り進まず、プロジェクト中止まで考えていたが、VGA 2011(Video Game Awards 2011)のワールドプレミアにて、プラチナゲームズとコラボし、新たな開発体制で再開発された。それにより、これまでの開発データを封印し、一から作り直した結果、本作の発売に至った。&br() なお、本作の開発のほとんどはプラチナゲームズが担当しており、小島プロダクションはシナリオ及び設定監修を担当している。また、メタルギアシリーズの生みの親だった小島秀夫監督も、本作ではシナリオに一切関与していない。 **あらすじ #region(長文につき収納) 世界の民間軍事会社(PMC)を巻き込んだ「ガンズ オブ ザ パトリオット」事件から3年余りが経過した。&br() 戦争がビジネスとなった時代は終焉を迎えるかに思われたが、アメリカのサイボーグ技術の流出が、戦場に新たな非対称性を持ち込んだ。 かつて少年兵としてリベリア内戦に参加、“ジャック・ザ・リッパー”の名で怖れられたという雷電は、&br() 現在はサイボーグとして民間軍事警備会社(PMSCs)“マヴェリック・セキュリティ・コンサルティング”に所属し、新興国での要人警護や国軍の訓練などを請け負うことで糊口を凌いでいた。&br() しかし内戦を脱し復興を遂げたはずの国で、雷電達は多数のサイボーグを擁する勢力に襲撃を受け、復興の立役者である首相は死亡。敵の用心棒サムは雷電の剣が「快楽を怖れている」と指摘、雷電はサムに敗れ左目と左腕を失うことになる。 調査の結果、敵勢力は“デスペラード・エンフォースメント”として米国に登記されたPMCであると判明。さらに彼らが、米ロの思惑が交錯するアブハジアにて首都を占拠したとの情報が入る。&br() ロシア出身のマヴェリック社代表ボリスは、ロシア連邦保安庁(FSB)からの根回しを受けて、首都奪還の業務を受注。新たなサイボーグとして再起動した雷電は、デスペラード社とサムへの雪辱戦(リベンジ)に赴く。&br() 世界各地で暗躍するデスペラード社と、その背後で蠢く影、そして不可解なサムの発言。&br() 戦いの中で明らかになるのは、自由な情報発信が保証されてもなお剥奪され続ける“真実”。&br() 吹き荒れる暴力の嵐の中、過去と対峙した雷電は、一つの決断を下す―。 (公式サイトより引用) #endregion **特徴及び評価点 (ボタン配置はPS3コントローラーに準拠するものとする) -''多彩なコンボと攻撃手段'' --□ボタンと△ボタンを組み合わせることで様々なコンボを繰り出すことが可能で、雷電のスタイリッシュかつ派手なアクションを体感できる。また、カスタマイズでスキルを購入することで強力な技を繰り出すことができる。 ---空中に打ち上げる、敵に急接近する等、コンボを繋げるのに有用なものが多い。 --章ごとに存在するボスを倒すと、ボスが使っていた武器を使うことができる。どれも癖は強めだが性能は高い。 -''斬撃モードによる自由な切断'' --燃料ゲージを消費することで周囲の時間をスローモーションにし、スティック操作で任意の方向から切断することができる。 --スティック操作以外にも、□ボタンで横斬り、△ボタンで縦斬りができる。 --敵のサイボーグ兵や無人機の他、木や車両やガラス、看板や建造物の柱まで切り刻むことが可能。 --敵またはオブジェクトをバラバラに斬りまくれるので、これまでのアクションゲームにない快感がある。 -''ニンジャランによる移動の快適さ'' --高速で移動できるダッシュ機能を発展させたもの。段差や障害物も自動で飛び越せるうえに、マシンガンのような小さな銃弾なら自動で弾くことも可能。 --ゲージも一切消費しないため、いつでも発動可能。 -''シノギによるスタイリッシュなガード'' --敵が攻撃してくる方向にタイミング良く左スティックを倒しながら□ボタンを押すことで、相手の攻撃を刀で弾く『シノギ』を発動することができる。 ---タイミングはシビアで難しいが、慣れればスタイリッシュに敵の攻撃を受け流すことができる。 --よりタイミング良くシノギをすると『ジャストシノギ』が発動し、シノギ後に発生する硬直を無くすことができる。 --どうしても上手くいかない人のために、難易度easyでは自動でシノギをしてくれる『イージーアシスト』がある。 -''ニンジャキルによるスタイリッシュな暗殺'' --敵に気付かれないように背後か上に立つと、相手を瞬殺するニンジャキルを発動できる。 --ボスキャラを除くサイボーグ兵は勿論、無人機やAI兵器にも使用可能。 --敵に見つからずに潜入するノーアラートプレイが可能なエリアが存在し、その際に使うことになるアクション。 -''爽快感溢れるアクション『斬奪』'' --斬撃モード中に敵の一定箇所に表示されるマーカーを斬ることによって、相手の燃料を奪い取る『斬奪』を発動することができる。 --演出もスタイリッシュでかっこよく、体力・燃料ゲージを全回復できるため、爽快感が非常に高い。 -''カスタマイズによる雷電の強化'' --敵を倒す等で得られるBPを消費することで、雷電のボディや武器等を購入・強化することができる。 --ボディと武器は特定の条件を満たす他、ダウンロードコンテンツによって増やすこともできる。 ---『MGS』に登場したサイボーグニンジャのボディ&刀や、ソリッド・スネークの声が聞こえる木刀など…。 -''ボーカルを取り入れたBGM'' --BGMは本作のアクション性に合ったスタイリッシュなものが多く、ボーカル曲も積極的に採用している。 --ボス戦では最初はノンボーカルのBGMだが、雷電が優勢になるとボーカルが流れ出すと言う演出があり、目まぐるしく変わる戦況と相俟って白熱のバトルとなっている。 --ボーカル曲ではないが、日本庭園のステージではなんと『[[がんばれゴエモン! からくり道中]]』のメインテーマのアレンジが流れると言う、古くからのコナミファンを驚かせる演出もある。 -''ネタに溢れた無線会話も豊富'' --MGS4以降、無線ネタが激減している本シリーズだが、本作は[[MGS3>メタルギアソリッド3 スネークイーター]]以前を彷彿させるようなバラエティに富んだ会話が用意されている。 --息子の事になると親バカ丸出しの嬉しそうな声色で語り出す雷電といった思わず笑ってしまうようなものから、世界情勢に踏み込んだ重く圧し掛かるようなシリアスな会話まで様々。 --シリーズ過去作のネタもある。中にはかの英雄ソリッド・スネークについて触れた会話も…。 -''各所に存在するファンサービス'' --セーブ後のコートニーとの雑談、VRミッション等、過去作をリスペクトした作りになっている。 --敵キャラに月光や仔月光、さらにメタルギアRAYが登場する。 ---過去作で苦労させられた敵をぶん投げたり切り刻めるのは痛快かつ爽快。 --また、MGS4に登場したあのキャラの成長した姿を拝むこともできる。 -''豪華なキャスティング'' --主要人物に雷電役の堀内賢雄氏の他、菅生隆之氏 、沢城みゆき氏、中村悠一氏、麦人氏など、豪華なメンバーが揃っている。 ---出番の多寡を問わず、いずれも個性と魅力のあるキャラクターに仕上がっており、笑いとシリアスが上手く両立した仲間達との掛け合いの質も高く、先述のBGMの項でも触れたボスとの一騎打ちも白熱したものになっている。 **賛否両論点 -''薄れたステルス要素'' --従来同様、敵に発見されることでアラートモードに入る点は同様で、一応、多くの場面では敵に見つからないように潜入することも可能。 ---しかし強制戦闘に引きずり込まれる場面も多く、スニーキングから強制的に引きずり出され歯がゆい思いする事も間々ある。 //本作では敵に見つからずに進むより、敵を倒しつつ正面突破した方が楽な局面が多い。 ---また、カスタマイズに必要なBPを得ようとすると、戦闘が発生する場面を探して敵に殴り込んだ方が稼ぎは良い。 --そもそも本作は「''ライトニングボルトアクション''」であり、「タクティカルエスピオナージ(戦略諜報)アクション」である従来のMGSや[[MG>メタルギア]]、[[MGA>メタルギアアシッド]]のような''ステルス作品ではない''。 ---要するにゲーム性の変化というか、シリーズタイトルというだけで内容の趣旨は別物であり、まるで不自然な事ではない。しかし曲がりなりにもメタルギアの名を冠している事もあり、従来シリーズのようなステルスゲームを求めていたファンも多く、そう言ったユーザーには不評である。 --総じて従来のステルスゲームか、派手で爽快なアクションゲーム、どちらを好むかで評価が分かれやすい。 ---とはいえ、シノギカウンターを完璧に使いこなせる程度に腕の立つプレイヤーを除き、本当にゴリ押しで突き進もうとすると、大勢の敵に包囲され、怒涛の猛攻を受けて袋叩きにされる。そのため、ステルスキルを狙っていくのがプレイヤーの大多数にとっての基本スタイルとなるだろう。 -''ストーリー中の賛否'' #region(ネタバレ注意) -''中盤以降の雷電の変貌ぶり'' --物語中盤、雷電はジャック・ザ・リッパーとしての本性を露にするのだが、その時の言動が中二病チックである。 --少年兵だった頃の自分を再現しているのかもしれないが、30代半ばの大人にしては発言が痛いと批判されている。本性を表した際の形相は、堀内氏の演技力も相俟って恐ろしいのだが。 --少年兵時代の件はMGS2,MGS4でデリケートに取り上げられただけに、このような扱い方に難を示すプレイヤーも多い。 --しかし、弱者を守ろうとする考え自体は変わっていない。&br()更に、MGS2終盤にて「自分は殺戮で快楽を覚えている。これがVRの所為なのか、少年兵時代の経験の所為なのか、判断できない」とソリッド・スネークに対して告白するシーンがある。MGS4はソリッドの最終章であったこともあり、残念ながら雷電がこの本性に対してどう折り合いをつけたかは言及されなかった。&br()それ故に、「雷電の人生において触れるべき要素にしっかり触れた」等と評価する声もある。 ---また、物語序盤は活人剣を言い訳にして、"後ろ暗い自慰行為として殺戮を続けて自分や敵から精神的に逃げていた男"だったのが、自分の殺戮衝動に折り合いをつけて、更に雷電が妻子や恩師ソリッド達のお陰で培ったミーム(文化的遺伝子)のお陰で、"悪党のみを覚悟をもって斬る、本当の一殺多生の活人剣を体現した男"へと昇華するストーリーである。と評価する向きもある。 -その他、サニーがウルフにお手をした後に雷電も同じように手を差し出すが、お手をしてくれずリッパーモードを発動しかける。 --『MGSシリーズ恒例のネタ要素』と笑い飛ばす者もいれば、『冷静沈着な雷電がこの程度でキレるのはおかしい』と批判する者もいる。~   //ストーリーが尻すぼみ //中盤までは起伏に富んで充分楽しめるが、終盤に近づくにつれ勢いがなくなってくる。 //むしろ終盤のほうが勢いがあると思う、楽しめるかどうかも主観なのでCO -''宿敵サムエルについて'' --本作では、サムエルへの雪辱戦も雷電の大きな目的でもある。作中でも不可解な言動や謎の多い設定故に、旧作に登場したヴァンプを彷彿させるものとなっている。 --決戦は西部劇のような荒野の決闘であり、サムエル自体の強さも十分であり、ボス戦としては良い出来である。 ---しかし、宿命のライバル対決、という要素を期待すると、最後は呆気なく倒され肩透かしだとする意見もある。 --サムエルの過去についてはDLC第二弾「JETSTREAM」にて明かされることとなる。 ---本編で若干匂わせているが、彼もまた、吹っ切れた後の雷電が実践している「(悪党を)殺すことを愉しむ、一殺多生の活人剣」を人生の命題にしていたが、潰せど尽きず無限に後継が出て来る悪党達に対して徒労感を覚えて人生に倦んで、好き放題暴れるだけの人生に魅力を感じ出していた。&br()そこで心機一転の為に、アメリカの中でも巨悪である、ラスボスと癒着するPMCに戦いを挑んだが、ラスボスに返り討ちに遭ったことで自慢の剣も一殺多生の活人剣の生き方も否定され、完全に悪の道へ堕落、という経緯のキャラクターである。つまり、本作の中盤以降の雷電に意図的に被せた・いわばこの作品の先の世界を含めた雷電のIFにあたる役目を負ったキャラである。&br()作品としての位置づけは雷電と上院議員、そしてサムエルで対比として面白くもなるため、「もう少し本編の方で掘り下げてくれればより良かった」という意見は多い。~   -''あまりにインパクトの強いラスボス'' --本作のラスボスを務めるスティーブン・アームストロング上院議員のキャラクター性が余りに濃すぎる。 ---「西部開拓時代の古き良きアメリカを取り戻す」…つまり世紀末覇者も呆れる弱肉強食の世界を生み出すというぶっ飛んだ政治的主張、素手で雷電を一方的に殴り倒す驚きの戦闘力、アメフトのごとく雷電が蹴飛ばされ、どこからともなく歓声が沸き起こるといったコミカルな演出も挟まりながら展開されるストーリーラストの喧嘩問答は正に怒涛の展開。あまりに滅茶苦茶な主張と戦闘力のために、ゲーム中の雷電にも「アンタ、本当に政治家かよ…」と突っ込まれる始末。 ---特に「ナノマシンを入れた政治家が歴戦の勇士であり強化改造を施された雷電を圧倒する」という描写には疑問視するプレイヤーもいた。アームストロング自身海軍出身であり、戦闘訓練を受けていないわけではないのだが…。 -あまりにぶっ飛んだ展開に難色を示すプレイヤーも見られる一方で、「これこそMGSの続編らしい」と称賛する声もあり、まさに賛否両論。良くも悪くも本作のシナリオは彼一人のインパクトに引っ張られてしまっている節もある。 ---しかし、一点シリアスな最終決戦へと移行する実際の上院議員戦では、実に熱いBGMの中で最終決戦に相応しい死闘が展開される。 --短い登場時間と、上記の強烈過ぎるネタ要素の影響で色眼鏡で見られがちなボスである点は否めない。一方で、考察的な観点からの評価は好評でもある。 ---表現こそ簡素になっているものの、この上院議員の主張する「シンプルな戦争で全てが回る、戦士が生き易い世界の実現」「愛国者達が構築した現代の社会基盤・倫理観を破壊し尽くして一度リセットする行為」は、ビッグボスを含めスネークの名を継いだ歴代ボス達が目指した理想郷である。&br()そのため、雷電と上院議員の最終決戦は、愛国者達の支配から逃れようと必死だったソリダス・スネークのミーム上の息子達としての闘争であり、メタルギアシリーズの流れを汲む決戦と言える。 ---「殺戮嗜好を持つ雷電の負の欲望も含め全肯定してくれる」。しかし、真人間であり家庭人でもある雷電は、「上院議員に言いようのない共感と嫌悪感を同時に抱くからこそ、上院議員が望む通り弱肉強食で捻じ伏せる」。この雷電自身の葛藤の具現でもあるこの構図に対しても評価するプレイヤーは少なからず居り、このキャラクター及び戦いの賛否をより強めている。~   -上記以外の賛否両論の要素としては、ラスボスと決着後の雷電の消息が、プレイヤーの想像に委ねられる形で締めくくられる点である。 --様々な憶測が飛び交っているが、家族をほったらかして好き勝手に生きることを決めたと捉えられてもおかしくない展開であるため、否定的な意見が多い。 ---ただし、無線にてではあるが、妻子を安全地帯に逃がしたことや、相変わらず愛妻の尻に敷かれて家族の面倒はしっかり見るつもりである点は最終ステージでも言及されているので、「後述の無線で解説している部分が多い」という問題点には絡むが、杞憂と言える。 #endregion -''説明不足な部分がある'' --無線が豊富なのは良いのだが、本編で伝えるべきストーリーの細かい説明も無線に委ねている事がある。 #region(ネタバレ注意) -例えば第二のミッション開始時には雷電はメキシコに移動し、前ミッションで倒したウルフが相棒になっているのだが、これらの理由は本編ムービーでは一切語られず、前ミッション中の任意の無線で説明されている。無線を細かく聞いていないと置いてきぼりを喰らう。 -尤も、これは歴代MGSシリーズでも同じことが言えるため、この作品に限った要素ではない。 --あくまでより細かく掘り下げた補足であるため、無線を聞かないと作品の内容が分からない、ということは無い。&br()ただし、殺人鬼として他人を拒絶する雷電と、それを叱咤して雷電に関わり続けると宣言したコートニーに涙ぐむ。世界やそれを守る為に戦ったソリッド達の遺志を継ぐ決意をサニーに語る雷電。等、聞くとがらりと印象が変わる無線も多数ある。&br()こうした内容を本編でやった方が良い感は否めない。 --また、内容の造詣や多分野に渡る解説や雑学は傾聴に値する内容である。 #endregion **不評点 -''シナリオが短く、ボリューム不足'' --アクション性に突出している分シナリオがかなり短く、アクションゲームが苦手でもなければ初見10時間もあればクリアできる。その上、慣れれば1周約3時間でクリアできる。 --『ムービーゲー』と揶揄されたこれまでのシリーズ作品よりムービーは程々で、バトル展開もスピーディーなため、このような形になったのも致し方ないという考えもある。 //無線に頼ってる感がある点は別項で触れたのでここでは割愛 --一応、プレイ内容によって得られる称号、収集アイテムや隠しアイテムなど、周回プレイのために用意されたお遊び要素も数多く存在するが、基本的には本編を周回するだけなので飽きは発生しやすい。 -''バトル中のカメラワークが悪い'' --動きが激しい敵ほど、視点も動き回って酔いやすくなる。海外レビュー等でも「劣悪なカメラワークさえ改善されれば素晴らしいゲームになる」等と特に厳しく指摘される問題点である。 --カメラ視点を動かしても元の位置にゆっくり戻ろうとするため、敵を捕捉しづらい。 ---これに関しては敵をロックオンすればある程度マシになるが、それでも完全に解決されない。そもそもロックオンに関する説明がゲーム上で存在せず、説明書を読まなければ気付きにくい。 --また、本作の特徴であるシノギアクションの操作方法は「敵が攻撃してきた方向に左スティックを入力する+□ボタン」なのだが、激しいカメラのおかげで敵がどの方向に居るのか分からなくなり、レバー入力が失敗する事もしばしばある。 ---特に高難度のミッションでは一度のシノギミスが致命傷となる事も珍しくないため、カメラワークの難点で最も困る点である。 -''収集要素の兵士のID(左腕)入手が難しい'' --特定の兵士の左腕を切り取ることで兵士のIDを入手することができるのだが、腕の光っている部分を的確に切断しなければ手に入らないため、難易度が高い。 --この操作が必須な場面は一度だけ(しかも失敗しても進める)だが、これをすべて入手することが条件の特典もある。 -''ラスボスが異常に強い'' --ストーリー、特にラスボスについては賛否両論点にて述べた通りだが、こいつはゲーム上においてもこれまでのボスと比べても圧倒的に強い。 --体力は他のボスの2倍あり、範囲の広い攻撃や素早いダッシュで接近する上、回復技も使用する(こちらは隙をついて中断させることはできる)。巨漢で頑丈という設定故にどの技も威力が高い。 --特に問題とされているのは、こちらに向けて投げてくる瓦礫を切断するシーンである。この瓦礫はマーカーで示された方向に切断しなければならないうえ''失敗すると即死する''。 ---ここまでに斬る場所は指定されても、斬る方向までは指定されなかったため、スティック操作が苦手な人はここで死にまくる。所謂初見殺しに近い。~ 斬撃モードに入らずに敵の足元にダッシュで潜り込めば安全に無力化出来るが、気づくのもラスボス戦に慣れてきたころだろう。 --一応、このボスに対しては救済策的な嵌め技はあるのだが、スタイリッシュアクションが肝であるこの作品で、それに頼って切り抜けることに難色を示すプレイヤーが多い。~ 腕の立つプレイヤーはスタイリッシュにノーダメ―ジでクリアしつつド派手な死闘を展開出来るため、そうした層からはやり応えがあると言う高い評価もある。 **総評 刀で様々な敵を自由に切り刻むというアクションゲームとしてはこれまでにない爽快感に溢れていおり、プラチナゲームズお得意のスピード感溢れるバトルシステムは存分に発揮されている。~ ソリッド・スネークが去った後の新時代における雷電の活躍を描くという点でも、MGS4のムービーで見せていた雷電のスタイリッシュなアクションを自分で操作出来るという点でもシリーズとしての役割は果たせているだろう。~ しかし、''ステルスゲームとして''長年多くのプレイヤーを魅了していたメタルギアの看板は重く、ゲーム性や作風の変化に耐えられないファンも多かったのも悲しい現実である。それを別としても終盤の展開は今もなお賛否が分かれている。~ MGSシリーズの一作として見るか、MGRと言う新たなアクションゲームとして見るかで評価が分かれる作品と言えよう。 **余談 -本作発売から10ヶ月後に全DLCを含んだパッケージ、スペシャルエディション版が発売された。 --2,480円(税込)と破格の値段だが、ディスクにデータが内蔵されているのではなく、通常版にプロダクトコードが同封されているだけである。 -続編を匂わせる展開があったが、小島プロダクション(現・コジマプロダクション)はコナミを離れて別会社として独立した事と、メタルギアの版権はコナミが所有しているため、続編は厳しいのではないかと言われている。 -MGS4同様、日本版ではサイボーグの人工血液は『[[ポリスノーツ]]』以来の設定通り白い液体だが、海外版では普通の血液同様赤い。 -『[[ZONE OF THE ENDERS HD EDITION]]』のPS3版には本作の体験版のダウンロードコードが付属している。同年12月からはPlayStation Storeにおいて体験版が配信されている。 --奇しくも雷電のデビュー作であるMGS2の体験版も『[[ZONE OF THE ENDERS]]』に付属されていた。スタッフも意識していたのかもしれない。 -本作のCMにはOLと学生の2つのパターンが存在する。OL版はネチっこい上司に、学生版はヘリコプターの騒音にそれぞれブチギレるというもの。 --発売日がちょうど受験シーズンということもあり、学生((ちなみに学生役を演じたのは加藤諒氏。このCMでも独特の濃ゆさを遺憾なく発揮している。))版のCMには『がんばれ受験生。』とテロップが出る。 -メタルギアソリッド3 サブシスタンスには雷電がMGSシリーズの主役の座を狙う「METAL GEAR RAIDEN(メタルギアライデン」というジョークムービーが存在する。 --内容としては『3』の内容に介入し、過去を変えようとするストーリーで、オチではローズマリーから「未来で頑張りなさい」と言われてしまう。雷電は既に『4』の主人公は決まっていると答えるが、『5があるんじゃない?』と締められる。実際の『5』では返り咲きとはいかなかったが、約8年経って全く別の形で願望が叶ったと言える。
*メタルギアライジング リベンジェンス 【めたるぎあらいじんぐりべんじぇんす】 |ジャンル|ライトニングボルトアクション|&amazon(B0095D6I86)| |対応機種|プレイステーション3&br;Xbox360、Windows(両者とも海外のみ)|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|小島プロダクション&br;プラチナゲームズ|~| |発売日|通常版/プレミアムパッケージ版:2013年2月21日&br;スペシャルエディション版:2013年12月5日|~| |定価|通常版:7,180円&br;プレミアムパッケージ版:10,265円&br;スペシャルエディション版:2,480円|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3個|~| |レーティング|CERO:D (17歳以上対象)|~| |備考|日本ゲーム大賞2012フューチャー部門受賞|~| |判定|なし|~| |ポイント|主役に返り咲いた雷電&br;シリーズファンには特に賛否両論の別路線作&br;アクションの爽快感は格別&br;薄れたステルス要素|~| |>|>|CENTER:''[[メタルギアシリーズ関連作品リンク>メタルギアシリーズ]]''| ----- #contents(fromhere) ----- **概要 [[メタルギアソリッド]](MGS)シリーズ外伝作にして、同シリーズのメインキャラである雷電が[[MGS2>メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティー]]以来の主役を務めたアクションゲーム。[[MGS4>メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット]]の数年後を描く、『シリーズの血を受け継ぐ"ソリッド"''ではない''、新たな"メタルギア"』。キャッチコピーは『メタルギアが、キレた。』&br() 当初は『メタルギアソリッド ライジング』としてMGS2とMGS4の間の空白期間を描くものとして開発されていた。しかし、開発が予定通り進まず、プロジェクト中止まで考えていたが、VGA 2011(Video Game Awards 2011)のワールドプレミアにて、プラチナゲームズとコラボし、新たな開発体制で再開発された。それにより、これまでの開発データを封印し、一から作り直した結果、本作の発売に至った。&br() なお、本作の開発のほとんどはプラチナゲームズが担当しており、小島プロダクションはシナリオ及び設定監修を担当している。また、メタルギアシリーズの生みの親だった小島秀夫監督も、本作ではシナリオに一切関与していない。 **あらすじ #region(長文につき収納) 世界の民間軍事会社(PMC)を巻き込んだ「ガンズ オブ ザ パトリオット」事件から3年余りが経過した。&br() 戦争がビジネスとなった時代は終焉を迎えるかに思われたが、アメリカのサイボーグ技術の流出が、戦場に新たな非対称性を持ち込んだ。 かつて少年兵としてリベリア内戦に参加、“ジャック・ザ・リッパー”の名で怖れられたという雷電は、&br() 現在はサイボーグとして民間軍事警備会社(PMSCs)“マヴェリック・セキュリティ・コンサルティング”に所属し、新興国での要人警護や国軍の訓練などを請け負うことで糊口を凌いでいた。&br() しかし内戦を脱し復興を遂げたはずの国で、雷電達は多数のサイボーグを擁する勢力に襲撃を受け、復興の立役者である首相は死亡。敵の用心棒サムは雷電の剣が「快楽を怖れている」と指摘、雷電はサムに敗れ左目と左腕を失うことになる。 調査の結果、敵勢力は“デスペラード・エンフォースメント”として米国に登記されたPMCであると判明。さらに彼らが、米ロの思惑が交錯するアブハジアにて首都を占拠したとの情報が入る。&br() ロシア出身のマヴェリック社代表ボリスは、ロシア連邦保安庁(FSB)からの根回しを受けて、首都奪還の業務を受注。新たなサイボーグとして再起動した雷電は、デスペラード社とサムへの雪辱戦(リベンジ)に赴く。&br() 世界各地で暗躍するデスペラード社と、その背後で蠢く影、そして不可解なサムの発言。&br() 戦いの中で明らかになるのは、自由な情報発信が保証されてもなお剥奪され続ける“真実”。&br() 吹き荒れる暴力の嵐の中、過去と対峙した雷電は、一つの決断を下す―。 (公式サイトより引用) #endregion **特徴及び評価点 (ボタン配置はPS3コントローラーに準拠するものとする) -''多彩なコンボと攻撃手段'' --□ボタンと△ボタンを組み合わせることで様々なコンボを繰り出すことが可能で、雷電のスタイリッシュかつ派手なアクションを体感できる。また、カスタマイズでスキルを購入することで強力な技を繰り出すことができる。 ---空中に打ち上げる、敵に急接近する等、コンボを繋げるのに有用なものが多い。 --章ごとに存在するボスを倒すと、ボスが使っていた武器を使うことができる。どれも癖は強めだが性能は高い。 -''斬撃モードによる自由な切断'' --燃料ゲージを消費することで周囲の時間をスローモーションにし、スティック操作で任意の方向から切断することができる。 --スティック操作以外にも、□ボタンで横斬り、△ボタンで縦斬りができる。 --敵のサイボーグ兵や無人機の他、木や車両やガラス、看板や建造物の柱まで切り刻むことが可能。 --敵またはオブジェクトをバラバラに斬りまくれるので、これまでのアクションゲームにない快感がある。 -''ニンジャランによる移動の快適さ'' --高速で移動できるダッシュ機能を発展させたもの。段差や障害物も自動で飛び越せるうえに、マシンガンのような小さな銃弾なら自動で弾くことも可能。 --ゲージも一切消費しないため、いつでも発動可能。 -''シノギによるスタイリッシュなガード'' --敵が攻撃してくる方向にタイミング良く左スティックを倒しながら□ボタンを押すことで、相手の攻撃を刀で弾く『シノギ』を発動することができる。 ---タイミングはシビアで難しいが、慣れればスタイリッシュに敵の攻撃を受け流すことができる。 --よりタイミング良くシノギをすると『ジャストシノギ』が発動し、シノギ後に発生する硬直を無くすことができる。 --どうしても上手くいかない人のために、難易度easyでは自動でシノギをしてくれる『イージーアシスト』がある。 -''ニンジャキルによるスタイリッシュな暗殺'' --敵に気付かれないように背後か上に立つと、相手を瞬殺するニンジャキルを発動できる。 --ボスキャラを除くサイボーグ兵は勿論、無人機やAI兵器にも使用可能。 --敵に見つからずに潜入するノーアラートプレイが可能なエリアが存在し、その際に使うことになるアクション。 -''爽快感溢れるアクション『斬奪』'' --斬撃モード中に敵の一定箇所に表示されるマーカーを斬ることによって、相手の燃料を奪い取る『斬奪』を発動することができる。 --演出もスタイリッシュでかっこよく、体力・燃料ゲージを全回復できるため、爽快感が非常に高い。 -''カスタマイズによる雷電の強化'' --敵を倒す等で得られるBPを消費することで、雷電のボディや武器等を購入・強化することができる。 --ボディと武器は特定の条件を満たす他、ダウンロードコンテンツによって増やすこともできる。 ---『MGS』に登場したサイボーグニンジャのボディ&刀や、ソリッド・スネークの声が聞こえる木刀など…。 -''ボーカルを取り入れたBGM'' --BGMは本作のアクション性に合ったスタイリッシュなものが多く、ボーカル曲も積極的に採用している。 --ボス戦では最初はノンボーカルのBGMだが、雷電が優勢になるとボーカルが流れ出すと言う演出があり、目まぐるしく変わる戦況と相俟って白熱のバトルとなっている。 --ボーカル曲ではないが、日本庭園のステージではなんと『[[がんばれゴエモン! からくり道中]]』のメインテーマのアレンジが流れると言う、古くからのコナミファンを驚かせる演出もある。 -''ネタに溢れた無線会話も豊富'' --MGS4以降、無線ネタが激減している本シリーズだが、本作は[[MGS3>メタルギアソリッド3 スネークイーター]]以前を彷彿させるようなバラエティに富んだ会話が用意されている。 --息子の事になると親バカ丸出しの嬉しそうな声色で語り出す雷電といった思わず笑ってしまうようなものから、世界情勢に踏み込んだ重く圧し掛かるようなシリアスな会話まで様々。 --シリーズ過去作のネタもある。中にはかの英雄ソリッド・スネークについて触れた会話も…。 -''各所に存在するファンサービス'' --セーブ後のコートニーとの雑談、VRミッション等、過去作をリスペクトした作りになっている。 --敵キャラに月光や仔月光、さらにメタルギアRAYが登場する。 ---過去作で苦労させられた敵をぶん投げたり切り刻めるのは痛快かつ爽快。 --また、MGS4に登場したあのキャラの成長した姿を拝むこともできる。 -''豪華なキャスティング'' --主要人物に雷電役の堀内賢雄氏の他、菅生隆之氏 、沢城みゆき氏、中村悠一氏、麦人氏など、豪華なメンバーが揃っている。 ---出番の多寡を問わず、いずれも個性と魅力のあるキャラクターに仕上がっており、笑いとシリアスが上手く両立した仲間達との掛け合いの質も高く、先述のBGMの項でも触れたボスとの一騎打ちも白熱したものになっている。 **賛否両論点 -''薄れたステルス要素'' --従来同様、敵に発見されることでアラートモードに入る点は同様で、一応、多くの場面では敵に見つからないように潜入することも可能。 ---しかし強制戦闘に引きずり込まれる場面も多く、スニーキングから強制的に引きずり出され歯がゆい思いする事も間々ある。 //本作では敵に見つからずに進むより、敵を倒しつつ正面突破した方が楽な局面が多い。 ---また、カスタマイズに必要なBPを得ようとすると、戦闘が発生する場面を探して敵に殴り込んだ方が稼ぎは良い。 --そもそも本作は「''ライトニングボルトアクション''」であり、「タクティカルエスピオナージ(戦略諜報)アクション」である従来のMGSや[[MG>メタルギア]]、[[MGA>メタルギアアシッド]]のような''ステルス作品ではない''。 ---要するにゲーム性の変化というか、シリーズタイトルというだけで内容の趣旨は別物であり、まるで不自然な事ではない。しかし曲がりなりにもメタルギアの名を冠している事もあり、従来シリーズのようなステルスゲームを求めていたファンも多く、そう言ったユーザーには不評である。 --総じて従来のステルスゲームか、派手で爽快なアクションゲーム、どちらを好むかで評価が分かれやすい。 ---とはいえ、シノギカウンターを完璧に使いこなせる程度に腕の立つプレイヤーを除き、本当にゴリ押しで突き進もうとすると、大勢の敵に包囲され、怒涛の猛攻を受けて袋叩きにされる。そのため、ステルスキルを狙っていくのがプレイヤーの大多数にとっての基本スタイルとなるだろう。 -''ストーリー中の賛否'' #region(ネタバレ注意) -''中盤以降の雷電の変貌ぶり'' --物語中盤、雷電はジャック・ザ・リッパーとしての本性を露にするのだが、その時の言動が中二病チックである。 --少年兵だった頃の自分を再現しているのかもしれないが、30代半ばの大人にしては発言が痛いと批判されている。本性を表した際の形相は、堀内氏の演技力も相俟って恐ろしいのだが。 --少年兵時代の件はMGS2,MGS4でデリケートに取り上げられただけに、このような扱い方に難を示すプレイヤーも多い。 --しかし、弱者を守ろうとする考え自体は変わっていない。&br()更に、MGS2終盤にて「自分は殺戮で快楽を覚えている。これがVRの所為なのか、少年兵時代の経験の所為なのか、判断できない」とソリッド・スネークに対して告白するシーンがある。MGS4はソリッドの最終章であったこともあり、残念ながら雷電がこの本性に対してどう折り合いをつけたかは言及されなかった。&br()それ故に、「雷電の人生において触れるべき要素にしっかり触れた」等と評価する声もある。 ---また、物語序盤は活人剣を言い訳にして、"後ろ暗い自慰行為として殺戮を続けて自分や敵から精神的に逃げていた男"だったのが、自分の殺戮衝動に折り合いをつけて、更に雷電が妻子や恩師ソリッド達のお陰で培ったミーム(文化的遺伝子)のお陰で、"悪党のみを覚悟をもって斬る、本当の一殺多生の活人剣を体現した男"へと昇華するストーリーである。と評価する向きもある。 -その他、サニーがウルフにお手をした後に雷電も同じように手を差し出すが、お手をしてくれずリッパーモードを発動しかける。 --『MGSシリーズ恒例のネタ要素』と笑い飛ばす者もいれば、『冷静沈着な雷電がこの程度でキレるのはおかしい』と批判する者もいる。~   //ストーリーが尻すぼみ //中盤までは起伏に富んで充分楽しめるが、終盤に近づくにつれ勢いがなくなってくる。 //むしろ終盤のほうが勢いがあると思う、楽しめるかどうかも主観なのでCO -''宿敵サムエルについて'' --本作では、サムエルへの雪辱戦も雷電の大きな目的でもある。作中でも不可解な言動や謎の多い設定故に、旧作に登場したヴァンプを彷彿させるものとなっている。 --決戦は西部劇のような荒野の決闘であり、サムエル自体の強さも十分であり、ボス戦としては良い出来である。 ---しかし、宿命のライバル対決、という要素を期待すると、最後は呆気なく倒され肩透かしだとする意見もある。 --サムエルの過去についてはDLC第二弾「JETSTREAM」にて明かされることとなる。 ---本編で若干匂わせているが、彼もまた、吹っ切れた後の雷電が実践している「(悪党を)殺すことを愉しむ、一殺多生の活人剣」を人生の命題にしていたが、潰せど尽きず無限に後継が出て来る悪党達に対して徒労感を覚えて人生に倦んで、好き放題暴れるだけの人生に魅力を感じ出していた。&br()そこで心機一転の為に、アメリカの中でも巨悪である、ラスボスと癒着するPMCに戦いを挑んだが、ラスボスに返り討ちに遭ったことで自慢の剣も一殺多生の活人剣の生き方も否定され、完全に悪の道へ堕落、という経緯のキャラクターである。つまり、本作の中盤以降の雷電に意図的に被せた・いわばこの作品の先の世界を含めた雷電のIFにあたる役目を負ったキャラである。&br()作品としての位置づけは雷電と上院議員、そしてサムエルで対比として面白くもなるため、「もう少し本編の方で掘り下げてくれればより良かった」という意見は多い。~   -''あまりにインパクトの強いラスボス'' --本作のラスボスを務めるスティーブン・アームストロング上院議員のキャラクター性が余りに濃すぎる。 ---「西部開拓時代の古き良きアメリカを取り戻す」…つまり世紀末覇者も呆れる弱肉強食の世界を生み出すというぶっ飛んだ政治的主張、素手で雷電を一方的に殴り倒す驚きの戦闘力、アメフトのごとく雷電が蹴飛ばされ、どこからともなく歓声が沸き起こるといったコミカルな演出も挟まりながら展開されるストーリーラストの喧嘩問答は正に怒涛の展開。あまりに滅茶苦茶な主張と戦闘力のために、ゲーム中の雷電にも「アンタ、本当に政治家かよ…」と突っ込まれる始末。 //---特に「ナノマシンを入れた政治家が歴戦の勇士であり強化改造を施された雷電を圧倒する」という描写には疑問視するプレイヤーもいた。アームストロング自身海軍出身であり、戦闘訓練を受けていないわけではないのだが…。 //↑何が疑問なのか良く分からないな。設定的な裏付けがあるなら特に問題も無いのでは。 -あまりにぶっ飛んだ展開に難色を示すプレイヤーも見られる一方で、「これこそMGSの続編らしい」と称賛する声もあり、まさに賛否両論。良くも悪くも本作のシナリオは彼一人のインパクトに引っ張られてしまっている節もある。 ---しかし、一点シリアスな最終決戦へと移行する実際の上院議員戦では、実に熱いBGMの中で最終決戦に相応しい死闘が展開される。 --短い登場時間と、上記の強烈過ぎるネタ要素の影響で色眼鏡で見られがちなボスである点は否めない。一方で、考察的な観点からの評価は好評でもある。 ---表現こそ簡素になっているものの、この上院議員の主張する「シンプルな戦争で全てが回る、戦士が生き易い世界の実現」「愛国者達が構築した現代の社会基盤・倫理観を破壊し尽くして一度リセットする行為」は、ビッグボスを含めスネークの名を継いだ歴代ボス達が目指した理想郷である。&br()そのため、雷電と上院議員の最終決戦は、愛国者達の支配から逃れようと必死だったソリダス・スネークのミーム上の息子達としての闘争であり、メタルギアシリーズの流れを汲む決戦と言える。 ---「殺戮嗜好を持つ雷電の負の欲望も含め全肯定してくれる」。しかし、真人間であり家庭人でもある雷電は、「上院議員に言いようのない共感と嫌悪感を同時に抱くからこそ、上院議員が望む通り弱肉強食で捻じ伏せる」。この雷電自身の葛藤の具現でもあるこの構図に対しても評価するプレイヤーは少なからず居り、このキャラクター及び戦いの賛否をより強めている。~   -上記以外の賛否両論の要素としては、ラスボスと決着後の雷電の消息が、プレイヤーの想像に委ねられる形で締めくくられる点である。 --様々な憶測が飛び交っているが、家族をほったらかして好き勝手に生きることを決めたと捉えられてもおかしくない展開であるため、否定的な意見が多い。 ---ただし、無線にてではあるが、妻子を安全地帯に逃がしたことや、相変わらず愛妻の尻に敷かれて家族の面倒はしっかり見るつもりである点は最終ステージでも言及されているので、「後述の無線で解説している部分が多い」という問題点には絡むが、杞憂と言える。 #endregion -''説明不足な部分がある'' --無線が豊富なのは良いのだが、本編で伝えるべきストーリーの細かい説明も無線に委ねている事がある。 #region(ネタバレ注意) -例えば第二のミッション開始時には雷電はメキシコに移動し、前ミッションで倒したウルフが相棒になっているのだが、これらの理由は本編ムービーでは一切語られず、前ミッション中の任意の無線で説明されている。無線を細かく聞いていないと置いてきぼりを喰らう。 -尤も、これは歴代MGSシリーズでも同じことが言えるため、この作品に限った要素ではない。 --あくまでより細かく掘り下げた補足であるため、無線を聞かないと作品の内容が分からない、ということは無い。&br()ただし、殺人鬼として他人を拒絶する雷電と、それを叱咤して雷電に関わり続けると宣言したコートニーに涙ぐむ。世界やそれを守る為に戦ったソリッド達の遺志を継ぐ決意をサニーに語る雷電。等、聞くとがらりと印象が変わる無線も多数ある。&br()こうした内容を本編でやった方が良い感は否めない。 --また、内容の造詣や多分野に渡る解説や雑学は傾聴に値する内容である。 #endregion **不評点 -''シナリオが短く、ボリューム不足'' --アクション性に突出している分シナリオがかなり短く、アクションゲームが苦手でもなければ初見10時間もあればクリアできる。その上、慣れれば1周約3時間でクリアできる。 --『ムービーゲー』と揶揄されたこれまでのシリーズ作品よりムービーは程々で、バトル展開もスピーディーなため、このような形になったのも致し方ないという考えもある。 //無線に頼ってる感がある点は別項で触れたのでここでは割愛 --一応、プレイ内容によって得られる称号、収集アイテムや隠しアイテムなど、周回プレイのために用意されたお遊び要素も数多く存在するが、基本的には本編を周回するだけなので飽きは発生しやすい。 -''バトル中のカメラワークが悪い'' --動きが激しい敵ほど、視点も動き回って酔いやすくなる。海外レビュー等でも「劣悪なカメラワークさえ改善されれば素晴らしいゲームになる」等と特に厳しく指摘される問題点である。 --カメラ視点を動かしても元の位置にゆっくり戻ろうとするため、敵を捕捉しづらい。 ---これに関しては敵をロックオンすればある程度マシになるが、それでも完全に解決されない。そもそもロックオンに関する説明がゲーム上で存在せず、説明書を読まなければ気付きにくい。 --また、本作の特徴であるシノギアクションの操作方法は「敵が攻撃してきた方向に左スティックを入力する+□ボタン」なのだが、激しいカメラのおかげで敵がどの方向に居るのか分からなくなり、レバー入力が失敗する事もしばしばある。 ---特に高難度のミッションでは一度のシノギミスが致命傷となる事も珍しくないため、カメラワークの難点で最も困る点である。 -''収集要素の兵士のID(左腕)入手が難しい'' --特定の兵士の左腕を切り取ることで兵士のIDを入手することができるのだが、腕の光っている部分を的確に切断しなければ手に入らないため、難易度が高い。 --この操作が必須な場面は一度だけ(しかも失敗しても進める)だが、これをすべて入手することが条件の特典もある。 -''ラスボスが異常に強い'' --ストーリー、特にラスボスについては賛否両論点にて述べた通りだが、こいつはゲーム上においてもこれまでのボスと比べても圧倒的に強い。 --体力は他のボスの2倍あり、範囲の広い攻撃や素早いダッシュで接近する上、回復技も使用する(こちらは隙をついて中断させることはできる)。巨漢で頑丈という設定故にどの技も威力が高い。 --特に問題とされているのは、こちらに向けて投げてくる瓦礫を切断するシーンである。この瓦礫はマーカーで示された方向に切断しなければならないうえ''失敗すると即死する''。 ---ここまでに斬る場所は指定されても、斬る方向までは指定されなかったため、スティック操作が苦手な人はここで死にまくる。所謂初見殺しに近い。~ 斬撃モードに入らずに敵の足元にダッシュで潜り込めば安全に無力化出来るが、気づくのもラスボス戦に慣れてきたころだろう。 --一応、このボスに対しては救済策的な嵌め技はあるのだが、スタイリッシュアクションが肝であるこの作品で、それに頼って切り抜けることに難色を示すプレイヤーが多い。~ 腕の立つプレイヤーはスタイリッシュにノーダメ―ジでクリアしつつド派手な死闘を展開出来るため、そうした層からはやり応えがあると言う高い評価もある。 **総評 刀で様々な敵を自由に切り刻むというアクションゲームとしてはこれまでにない爽快感に溢れていおり、プラチナゲームズお得意のスピード感溢れるバトルシステムは存分に発揮されている。~ ソリッド・スネークが去った後の新時代における雷電の活躍を描くという点でも、MGS4のムービーで見せていた雷電のスタイリッシュなアクションを自分で操作出来るという点でもシリーズとしての役割は果たせているだろう。~ しかし、''ステルスゲームとして''長年多くのプレイヤーを魅了していたメタルギアの看板は重く、ゲーム性や作風の変化に耐えられないファンも多かったのも悲しい現実である。それを別としても終盤の展開は今もなお賛否が分かれている。~ MGSシリーズの一作として見るか、MGRと言う新たなアクションゲームとして見るかで評価が分かれる作品と言えよう。 **余談 -本作発売から10ヶ月後に全DLCを含んだパッケージ、スペシャルエディション版が発売された。 --2,480円(税込)と破格の値段だが、ディスクにデータが内蔵されているのではなく、通常版にプロダクトコードが同封されているだけである。 -続編を匂わせる展開があったが、小島プロダクション(現・コジマプロダクション)はコナミを離れて別会社として独立した事と、メタルギアの版権はコナミが所有しているため、続編は厳しいのではないかと言われている。 -MGS4同様、日本版ではサイボーグの人工血液は『[[ポリスノーツ]]』以来の設定通り白い液体だが、海外版では普通の血液同様赤い。 -『[[ZONE OF THE ENDERS HD EDITION]]』のPS3版には本作の体験版のダウンロードコードが付属している。同年12月からはPlayStation Storeにおいて体験版が配信されている。 --奇しくも雷電のデビュー作であるMGS2の体験版も『[[ZONE OF THE ENDERS]]』に付属されていた。スタッフも意識していたのかもしれない。 -本作のCMにはOLと学生の2つのパターンが存在する。OL版はネチっこい上司に、学生版はヘリコプターの騒音にそれぞれブチギレるというもの。 --発売日がちょうど受験シーズンということもあり、学生((ちなみに学生役を演じたのは加藤諒氏。このCMでも独特の濃ゆさを遺憾なく発揮している。))版のCMには『がんばれ受験生。』とテロップが出る。 -メタルギアソリッド3 サブシスタンスには雷電がMGSシリーズの主役の座を狙う「METAL GEAR RAIDEN(メタルギアライデン」というジョークムービーが存在する。 --内容としては『3』の内容に介入し、過去を変えようとするストーリーで、オチではローズマリーから「未来で頑張りなさい」と言われてしまう。雷電は既に『4』の主人公は決まっていると答えるが、『5があるんじゃない?』と締められる。実際の『5』では返り咲きとはいかなかったが、約8年経って全く別の形で願望が叶ったと言える。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: