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*シェンムー 一章 横須賀 【しぇんむー いっしょう よこすか】 |ジャンル|FREE|#amazon(B000062YCN)| |対応機種|ドリームキャスト|~| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |発売日|1999年12月29日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |ポイント|総製作費70億円&br;ジャンル「FREE」の名に恥じない作り込みの凄さ&br;それがゲームの面白さに繋がるか否かはプレイヤー次第|~| ---- #contents ---- **概要 『[[バーチャファイター]]』の生みの親として知られる鈴木裕氏が製作したドリームキャストソフト。~ 元々『バーチャファイターRPG』という結城晶の物語としてセガサターン専用タイトルとして開発されたが、ドリームキャストのハード移行に伴いタイトルが『シェンムー』に改められ主人公もオリジナルキャラに変更された。 ジャンルは「FREE」と称している。「Full Reactive Eyes Entertainment」(完全な 反応する 目に見える 娯楽)の略で、既存のRPGを覆す作り込みの濃さを表している((PVやCMでも「RPGが変わる」というキャッチコピーが使われた))。~ 全11章予定であり、今作はそのプロローグである一章を3倍近くボリュームを膨らませて1つの作品にしている。~ ---- **ストーリー >1986年11月29日、横須賀に住む高校3年生の芭月涼は、~ 自宅である柔術道場「芭月武館」に帰ると父である芭月巌が中華服を着た謎の男に襲われている現場に出くわす。 >謎の男は巌が所持する鏡をよこせと言い、巌は頑なに拒むも圧倒的な強さの前に敗れ、~ 更に帰ってきた涼を人質に取られて泣く泣く在り処を教える。 >謎の男は部下に鏡の在り処を探させ、巌に「趙孫名を覚えているな…孟村で、お前が殺した男の名だ」と言い巌にトドメの一撃を放つ。 >その直後に鏡を見つけ出した部下が現れ、部下の口から謎の男の名前は「藍帝」だと判明し、藍帝は鏡を持ち道場から立ち去る。 >藍帝にやられた巌は最後の力を振り絞り涼に「愛すべき友を持て」と言い残し絶命する。 >父を目の前で殺された涼は藍帝への仇討ち、そして父が殺された真相を探る為に藍帝を探すことに決めたのだった。 ---- **特徴 ''作り込まれた横須賀の街'' -物語の舞台は1986~87年の横須賀。主にドブ板の商店街が舞台となる。商店街の店はほぼ全て入ることが可能。 -登場人物は200人を越え、キャラ一人一人に名前と細かい設定((職業、年齢、生年月日まで設定されている。))があり、フルボイスで会話パターンもかなり豊富。またモブを含めてキャラ一人一人に生活ルーチンが組み込まれており、まるで本当に生きているように1日の生活を行う。 -天候がリアルタイムで変化する。この作品の為に気象庁から当時の横須賀の気象データを入手して当時の天候を再現する徹底ぶり。 -自宅の作り込みも凄まじく、タンスや引出し一つ一つを調べることが可能で、その中も一つ一つにテクスチャが貼り付けられリアリティを出している。また家の電気を付けたりツボの中を覗きこんだり掛け軸の裏を調べるなども可能。 ''膨大な寄り道要素'' -基本的に1日の始まりは住み込みのお手伝いさんである稲さんから500円のおこづかいを貰ってから街に出る。そのおこづかいで何に使うかは基本的に自由。 --駄菓子屋でお菓子を購入してくじ引き、コンビニで日用品を購入(こちらも品によってはくじ引き可能)、ガチャガチャで景品を入手、ゲームセンターでゲーム、スロットマシンで遊ぶといったことが可能。 ''バトル・QTE'' -イベントによりバトルを行うことになる。バトルシステムは『バーチャファイター』の流れを組んだもの。手技・足技・投げ技と多彩な技を使用可能だが難易度は抑えられており、初心者は連打でも爽快に戦え、熟練者は多彩な技を使用して華麗に戦える。 --体力は自動回復制で時間と共に徐々に回復するが、回復アイテムは存在しないので、瞬時に回復する事は出来ない。一戦毎に体力は全回復する。 --技は骨董屋にある技書の購入や住民から伝授で増える。 -イベントによりQTE(Quick Timer Event)が発生する。指定されたボタンを素早く押して危険を回避したり攻撃を当てることができる。ボタン入力に失敗すると危険を回避できなかったり反撃されるが、基本的にある程度失敗しても挽回は可能となっている。 --余談だがQTEのシステム自体は『ドラゴンズレア』などのLDゲーム時代から存在したが、そのシステムにQTEという名称を名付けたのは今作であり、そういった意味では今作がQTEの元祖と呼べる。 ---- **評価点 ''メモ帳'' -涼は手がかりを見つけるとメモ帳にメモを行う。その為、次に何を行えば良いかも分かりやすく、前回のプレイから長く日を開けてしまった場合も迷うことは少ない。メモ帳は手がかりを見つける度に独特の効果音が流れて書き込まれる。 --しかし手がかりを迷うことなく得た場合などには本来起こり得たフラグを飛ばして次の展開に進む場合もある。そうした場合はメモ帳もその起こらなかったフラグ部分が空白となる。最低限の情報のみで攻略した場合は文章が飛び飛びでスカスカのメモ帳となるのである。 ---その為、メモ帳を綺麗に埋めることが1つのやり込みとなっている。ゲームのシステム上完全に埋めることは不可能だが、限りなく完全に近いレベルで埋めることは可能。だがメモ帳を埋める為には短時間の間に様々なフラグを回収したり本来救済処置である有料の占いを何度も通うなどが強いられ、容易な作業ではない。 ''フォークリフトアルバイト'' -物語の後半から港でフォークリフトのアルバイトを行うことになる。給料は歩合制であり、荷物を倉庫から決められた倉庫へ運ぶというもの。ノルマを達成すると翌日からの給料がアップする。 --このフォークリフト操作がかなり凝った作り((だが本来のフォークリフト操作ではタブーである荷物を上げたまま運転する))であり評価が高い。また仕事の前にフォークリフトレースを行い、順位ごとに景品がもらえる。 ---ただしアルバイトが始まると朝から夕方まで働くことになる為、街を自由に探索する時間がかなり減ってしまう。更に街に戻る頃には夜になる為、駄菓子屋や福さんとの組み手はできなくなる。 ---またアルバイトを休むといったことは不可能で、イベントが進むまでは無休で働くことになる。イベントが進むと最終的にアルバイトを辞めることになるが、それから程なく本編クリアとなる為、またのんびり街を探索するという時間は無い。 **賛否両論点 ''「無駄」に作り込まれた街'' -前述の通り街や人がかなり作り込まれているが、その作り込みを楽しめるか否かは人を選ぶ。 --登場人物一人一人が生きているようで「没入感が半端ではない」という意見もあれば、「作り込みがゲームの面白さに繋がっていない」という意見もある。 --奇しくも本作とほぼ同時期に、住人の一人一人がタイムスケジュールで行動を管理された3Dゲームとして『[[ゼルダの伝説 ムジュラの仮面]]』が発売されたが、あちらが住人の行動と謎解きがゲームデザインとして密接に関係していたのに対し、本作はある住人を尾行してイベントをクリアしたりそれでアイテムが貰えるといったことはない。本当にただ単に「無駄」に作り込まれているだけである。 ---後述する数々の要素を含め、「それゲームとして作る必要あったのか?」という「無駄」と思える部分を自発的に楽しめるかどうかが、本作の評価の分かれ目となる。 --また登場人物は生活ルーチンを守ることが最優先となる為、キャラが歩いている時に話しかけると「今急いでいるんで」「他の人に聞いてくれる?」などそっけない対応しかしてくれない。 ---商店街の人々の大半は主人公と顔馴染みという設定の為、ストーリー進行に必要となる情報を積極的に与えてくれる。逆にそれ以外の一般通行人は大抵このような反応になり、情報を貰える事は殆ど無い。それでも全員に話しかける事が可能で個々がフルボイスで一応の反応を示すという点は、後年の3Dゲームと比較してもかなり珍しい。 ''寄り道要素'' -前述の通り寄り道要素が多々あるが、こちらも人を選ぶ。 --ガチャガチャ・くじ引きは完全な運である。しかも相当当たりにくいアイテムも存在し、アイテムコンプを行う場合は膨大な時間が必要となる。またガチャガチャもくじ引きも一回一回行い(しかも「やってみるか」「これは…」「続けてみか」など涼がいちいち呟く)、まとめて行うことが出来ないためテンポが悪い。 --ゲームセンターのゲームはダーツ・QTEゲームに加え、『[[スペースハリアー]]』と『ハングオン』を遊ぶことができる。当時のゲームセンターの雰囲気を含めて再現性はバッチリだがワンコインクリアによりアイテムが入手可能な為、アイテムコンプを行う場合はワンコインクリアを強いられる。 ---またコンビニでのくじ引きにより『スペースハリアー』と『ハングオン』のゲームソフトを入手可能で、それを自宅で遊ぶことも可能。だがその自宅にあるゲーム機はなんとセガサターン。当たり前だが本来1986年にセガサターンは無い。 --スロットは1コイン5円で1ベット・5ベット・10ベット・20ベットまで存在する。暇つぶしとして遊ぶには楽しめるが、コイン5万枚でアイテムが獲得できるため、アイテムコンプを目指す場合はかなりの時間が必要となる。 -総合的に言えば暇つぶしとして遊ぶなら楽しめるが、アイテムコンプを目指すと苦行となる。 ''バトル・QTE'' -前述の通りバトルは『バーチャファイター』的だが、そのバトルは本編中で数える程度しか行えない少なさとなっている。 --またエンカウントバトルといったものもなく、本編イベント以外だとせいぜい公園で技の練習や道場で父の門下生である福さんと組み手ができる程度である。 --技の練習中も時間が進む。少し時間が経つ度に「ここまでにしておこう」などと言って続けるか否かの選択が出る。普通にやっていれば時間は有り余るし、連続で続けることは出来るのだが、他のゲームのように好きなだけ練習できる仕様に比べると、どうも窮屈な印象に。いちいち「続ける」を選択するのも億劫である。 --しかし本編終盤に70人組み手という大勢の敵と戦えるバトルが存在し、好評。また本編クリア後はオマケモードとして70人組み手がいつでも楽しめる((但し、本編で共に戦った相棒が居ない為、難易度は上がっている。))。 -QTEは多少の失敗は挽回可能とはいえ近年のゲームと比較すると入力の受付時間が若干厳しめとなっている。失敗すれば基本的にQTEの始まるムービーの始めからやり直すことになる。 ''ゲームの流れ'' -ゲームの大まかな流れは「手がかりを元に街の人に聞き込み→有力な手がかりを聞く→イベント発生→新たな手がかりを元に街の人に聞き込み」となっている。 --要は「フラグ立てアドベンチャーゲーム」なのである。生活ルーチンが組まれた人々に聞き込みを行い反応を見るだけでも楽しいと感じる人もいれば、ただ単調な展開で面白くない、これのどこが新ジャンル「FREE」なのかと感じる人もいる。 ---また手がかりを持つ人物の居場所がかなり分かりにくかったり、規定の時間に指定された場所に行く必要があったりもする。規定の時間を過ぎた場合は翌日の同時刻まで待つ必要がある。時間スキップといったシステムは存在しない為、待ちぼうけか暇つぶしに寄り道することになる為、その点に関してもリアルと捉えるかテンポが悪いと捉えるかで賛否が分かれる。 ''シナリオ関連'' -原案は鈴木氏だが本編のシナリオには多数のライターが関わっており、中には現在小説家・脚本家として知られる冲方丁も携わっている((セガ繋がりでは、冲方氏は後にあの『セガガガ』のシナリオも手掛ける事になる。))。個性的なキャラが織りなすドラマが展開される。ただし元々11章ある物語のプロローグにあたる話を約3倍のボリュームに膨らませたということもあってか物語の内容自体は薄い。 --話の内容としては、殺された父の仇討ちの為に、仇である謎の中国人「藍帝」を探して街を歩き回り、最終的に藍帝が既に香港に行ったことを知り涼も香港へ旅立つところで終わる。起承転結の起で終わっていて、回収されていない伏線も多々ある。 ---メインシナリオの内容も、時折大掛かりなイベントはあるが、基本は涼が地元で聞き込みする流れなので、起伏はあまりない。 --だが本来プロローグで終わるはずの横須賀編を1本のソフトにしたからこそ横須賀の住民一人一人を作り込めたとも言える。 --また物語全体のメインヒロインとして描かれている玲莎花もOPとEDの語りと途中の涼の夢の中で登場するのみであり、一章では涼のクラスメイトの原崎望がヒロインという形となっている。 ''クリアまでの時間制限'' -物語開始は父の死から4日後の12月3日((奇しくもライバルハードであるプレイステーションの発売日が本編開始初日であるが、狙ったのか否かは不明))だが、3月31日の夜に夢でタイムリミットの警告ムービーが流れ、4月14日までにクリア出来なかった場合は強制ゲームオーバーとなる((藍帝が再度道場に現れるが涼が返り討ちにあいバッドエンド))。 --急いで攻略すれば12月中にクリア可能、ゆっくり遊んでも2月ぐらいにはクリアできるので特に焦る必要は無い。だがこの制限時間付きなのを賛ととるか否をとるかは分かれる。『[[龍が如くシリーズ]]』でいうプレミアムアドベンチャーモードのような本編を気にせず自由に街を遊べるモードは無い。 ---焦る必要は無いと答えたが、一部詰まるとかなりの日にちのロスになる箇所が存在する。それについては後述。 --余談だが、次回作『シェンムーII』は1月半ばから始まる。それまでに日本を発つのが正史のようだ。 ---- **問題点 ''自由度の低さ'' -新ジャンル「FREE」を謳い後のオープンワールドゲームに影響を与えたと言われる本作だが、実は自由度は高くない。 --例えば、商店街のほぼ全ての店に入る事が出来るが''食事処では食事は一切出来ず''、スカジャンで有名な横須賀を舞台にしているにも関わらず''服屋で服を買う事も出来ない''。コンビニ等の一部の店舗を除くと、店員の話を聞いたりストーリー進行のヒントを入手する見た目だけを作り込んだ''書き割りが殆ど''である。 --1日の探索も時間制限が設けられており、夜の11時30分を過ぎると強制的に家に帰るハメになる。夜を明かし日の出を眺めるといったことは出来ない。 --マップもそこまで広くない。住人一人一人が生活ルーチンに従って行動しているが、こちらがどの時間帯に彼らの家を訪れても中に入る事は全く出来ない為、探索範囲もかなり限られている。ある意味リアルと言えばリアルだが、ドブ板と横須賀港を行き来する手段がバスしかなく、両方のバス停に何の工夫もなく''見えない壁が用意される''等、リアルさを追求した割には没入感を阻害するような場面もある。 --寄り道要素は豊富に用意されているが、ストーリーは一部のイベントでアプローチの仕方が幾つか用意されているだけの単なる一本道であり、サブクエストといった類のものはない。「RPGが変わる」などと大々的に宣伝されはしたが、根本となるゲーム構造は既存のもの大差がなく、『[[Skyrim>The Elder Scrolls V: Skyrim]]』などに代表される後のオープンワールドRPGの域には達していないというのが実情である。 ---事実、鈴木氏も今でいうオープンワールド作品のようなものを作ろうとしていた訳ではない事を語っている(後述)。 --これらの要素は続編である『シェンムーII』でも基本的に変わっていない。 ''テンポの悪さ'' -マップはシームレスには繋がっておらず、エリア毎だけでなく店の出入りにすらロードを挟み、その時間も長い。またリアリティ重視な故にテンポの悪い部分が多い。 --例えばタンスの中を調べるにしても既存のゲームなら「○○はタンスを調べた。なんと○○は△△を見つけた」の短い文章で済まされるような部分が、「主観モードでタンスを見る→どの引き出しを開けるか選択→タンスを手で開ける→入っている物を手に取る→アイテム入手→引き出しを手で閉める→主観モード解除」といった順序を要求される。 ''持ち歩けない地図'' -主にドブ板は店が多い為、どの場所にどの店があるのか把握し辛くなっている。 --地図もあるにはあるが、街に数箇所貼り付けられているのみで持ち歩くことは出来ない。更にその地図も全てに店の名前が記載されているわけではないため迷いやすい。 ---続編の『シェンムーII』ではお金を払うことで地図を購入し、常時ミニマップを表示できるように改善された。 ''中盤の潜入ミッション'' -物語中盤にとある倉庫へと忍び込むことになるが、その難易度が高め。 --夜中に警備員の巡回を掻い潜り目的の倉庫に行くステルスゲームとなる。警備員に見つかり捕まると倉庫から追い出され、翌日また出直すことになる。その翌日はなんといきなり夜の倉庫潜入から始まる為、街を歩くことが出来ない。このステルスゲームを攻略するまで延々と街にも行けずイタズラに日にちだけが過ぎることになってしまう。 ---だが何日も失敗することでホームレスのおじいさんから地図を貰ったり警備員の巡回ルートを教えて貰ったりと救済処置は存在する。また、本編で唯一のテンポよく日数を浪費できる箇所である為、わざと見つかり日数を稼ぐことで時間切れのバッドエンドのムービーを見る早道にもなる。 ''終盤のバイク操作'' -終盤のイベントで友人から借りたバイクに乗って急いで目的地に向かうミニゲームがあるが、その難易度が高め。 --障害物となる車両や敵の妨害は無く、ただ時間以内にゴールに辿り着けというものだが、その制限時間がかなりシビアなのである。おまけにゴールまでの距離も分からないので、何度もリトライをしていると神経が磨り減る。 --失敗するとバイクを友人から借りるシーンから始まる上にムービーをスキップすることも出来ないためテンポも悪い。 --一応、何度も失敗していると難易度が緩和される救済措置はある。 ----- **総評 ドリームキャストを代表する総製作費70億円の超大作ゲーム。既存のゲームの制約にメスを入れ、圧倒的な作り込みを実現した。~ しかし、自由度の低さや物語の薄さ、テンポの悪さなど純粋なゲームとしてみた場合の問題点が散見されるため、「外堀の部分の作りこみに注力しすぎでは?」と思えてしまうのも事実。そして「その作り込みもゲームの面白さの内と感じられるか否か」も、プレイヤーの感性によって大きく左右されてしまう。~ 結果として、リアリティにこだわり尽くした唯一無二の名作という意見と、ただただ無駄に金と手間だけがかかった駄作という意見の真っ二つに分かれる。~ 莫大な製作費をかけた割には商業的にも成功したとは言えず、ドリームキャストの生産中止もあって構想にあった続編も当初の予定通りには発売されなかった。 あまりのハードルの高さ故に発売からすぐに売り払った人間も多かったため中古屋に安値で陳列されることになったが、ハマった人間も少なくはなく、今なお根強いファンが多く存在する。その点、ゲームとしては純粋に褒められる出来とは決して言えないが、少なからぬ数の人を惹きつけるだけの魅力が確かに存在していたと言える。 本作の商業的な失敗と経験は後にゲームとして遊び易い形に洗練の上昇華され、同社の『[[龍が如く>龍が如くシリーズ]]』に活かされることになる。~ また、自由度は低くとも現実に近い世界を3Dのオープンワールドで表現したゲームの先駆け的存在であるのは確かであり、かの『[[Grand Theft Auto III]]』を始め、数多くのオープンワールドゲームに多大な影響を与えた事も間違いない。そういう意味でも、意義のある作品だったと言えるだろう。 ---- **余談 -総製作費はお蔵入りとなった『バーチャファイターRPG』を含めて70億円であり、「最も製作費が使用されたテレビゲーム」としてギネス記録に記載された。続編の『II』まで合わせると約90億円に及ぶと言う((開発費の大半はゲームエンジンの開発、オープンワールド構築のノウハウを一から作る為に生じたもので、それらが既に出来上がっている『II』では大幅に開発費が減少している。))。 --後に『[[Grand Theft Auto IV]]』にギネス記録を更新されるものの、この製作費の高さは数多のゲームタイトルの中でトップクラスである。 -前述の通り本作は全11章のうちのプロローグであり、クリアしてもストーリーは導入部が終わったに過ぎない。 --その後2001年9月6日、今作の続編である『シェンムーII』が発売された。 ---だが『II』も11章中の三~六章と言われており、物語は途中で終了する。 ---メインヒロインの莎花については『II』の最後の章((その前の章で実質的なラスボスを倒しており、以降はバトルも無い為、実際は長いエンディングのようなもの。))でやっと涼と対面するという重役出勤ぶりである。~ その為、『II』でも本作の原崎のように別のキャラが実質的なヒロインを務め、莎花はシリーズのメインヒロインでありながら活躍や涼との本格的な交流は『シェンムーIII』(後述)まで''20年近く''お預けとなった。 --ちなみに二章は香港に向かう船の中のエピソードらしいが『II』ではカットされており、『II』冒頭に二章の登場人物らしき親子が登場するのと、「ドリマガ」で1シーンが漫画として掲載されただけである。 ---カットはされたが実際に開発は行われていたらしく、一章とは対照的に閉鎖的な舞台として作り込んでいたと言う。涼役の松風雅也氏曰く「ドアを開けるのも怖いくらい、緊張感のある内容」だったとか。 ---この二章については『III』にて何らかの形で体験できる事が発表されている。 --『III』を以ても物語は完結しないことは早いうちから公表されていたが、2019年のインタビューで鈴木氏は『III』でも「全体の''40%ぐらい''」までしか進まない旨を語っている。 ---『II』で六章まで進んだはずだったのだが、当初の全11章という予定は変更されたのだろうか? ---一方、その後のインタビューでは、『III』はゲーム体験を面白くする為に原案を組み替えて再構成しており、「物語の○%を消化した」とは一概には言えないと語られている。いずれにせよ涼の「長き物語」はまだまだ終わらない…。 -前述の通り、莫大な開発費を投じた本シリーズだが、『一章』(I)こそ120万本もの売り上げを達成しているが、『II』では47万本程度と大きく売り上げを落とし、多大な赤字を出してしまった。 --『II』は基本こそ変わらないものの、システムの改善やストーリーのボリュームアップ、ゲーム性の向上、遊び要素の拡充と様々な点がパワーアップしており、ストーリーも本筋に入った事で大きく進行するなど、『I』から大幅な進化を遂げた作品である。 --それでも売り上げを落とした主な要因は、既にDCが末期のハードだった事、『I』ほど大掛かりな宣伝を行わなかった事、何より『I』で明らかになった本シリーズの人を選ぶゲーム性、『I』での物語の動かなさでユーザーに警戒されてしまった事などが挙げられる。 -その後も続編が期待されたが、『II』までの商業的な失敗から実現には至らず、2004年には『シェンムーオンライン』が発表された。 --鈴木氏は「この作品を以てシェンムーの物語は完結させる手段も考慮している」と言った旨を語っていたが、結局企画は立ち消えとなった。 --その後2010年にPC向けソーシャルゲーム『シェンムー街』が発表され、同年12月2日にサービスが開始されるも一年後の2011年12月26日にサービスが終了した。 -こう言った経緯から続編は絶望的と思われていたが、2015年6月16日のE3にて『シェンムーIII』の製作の為にキックスターターを用いたクラウドファンディングの開始を発表、開始から僅か8時間半で目標最低額である200万ドルを達成し『シェンムーIII』の開発が正式に決定した。なお、鈴木裕氏がセガからライセンス使用許諾を得たという形を取っており、『III』の開発にはセガは関わっていない。((企画・監修は鈴木氏の会社であるYS-NETが担当し、開発は本作のメインプログラマーであった平井武史氏が社長を務めるネイロが担当。また、ワールドワイドパブリッシャーとしてドイツのDeep Silverが務めることとなった)) --当初2017年下半期の発売を予定していたが、3度の延期を経て2019年発売予定と発表された。正式な告知から実際に発売されるまで、前2作を上回る期間の長さとなる。 --ストーリーは勿論『II』から直接続いており、『II』のエンディングの翌日から始まるとされる。%%長い一晩だった。%% -2018年4月14日、セガが『シェンムーI&II』を発表。『シェンムー 一章 横須賀』と『シェンムーII』のリマスター版がPS4で2018年11月22日に発売された。((国内はPS4版のみだが、海外ではPS4のほかXboxOne、Windows(Steam)版が2018年の8月に発売されている)) --PS4版ではDC版の問題点であったロード時間が大幅に短縮されており、UIが使いやすく改良されており、いつでもどこでもセーブが可能(ただし一部のイベント中を除く)となり快適にプレイできる。ミニゲームとして収録されていたセガのアーケードゲームもそのまま収録されている。なので今プレイするならPS4版をおすすめする。 -主人公の芭月涼は後に『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』に出演している。 -同社の『龍が如く』は『シェンムー』と似通った部分が多い為、本作のノウハウを用いて製作されたと言われる事はあるが(確かに活かされている部分はあるが)、技術的には『[[ジェットセットラジオ]]』の直系の作品である。[[『シェンムー』の開発に関わった>https://twitter.com/drunkenAndo/status/610627507918737408]]フライトユニット代表の安堂ひろゆき氏も[[認めている。>https://twitter.com/drunkenAndo/status/903099103994716160]]((『ジェットセットセットラジオ』を製作したスマイルビットは2003年に名越稔洋氏が社長を務めていたアミューズメントヴィジョンに開発業務が移行し、その後に『龍が如く』が作られた。)) -オープンワールドの元祖と言われる本作だが後年の鈴木氏によると、今で言うオープンワールドゲームのようなものを作ろうとしていた訳ではなく、「どんなゲームも目的があって、手段が限られていたが、手段をたくさん用意して自由に選びながら進んで目標に向かっていくというのがやりたかった」との事であり、『シェンムー』とオープンワールドは違うと語っている。 --鈴木氏はシミュレーションゲームばかり作っていた為、本作についても「シミュレーター」というイメージが強かったとの事。確かにゲーム的にはオープンワールドRPGと言うよりは作中世界のシミュレーションと言った方がしっくり来るかもしれない。 -NHKは本作の開発現場を密着取材し、その様子を「ネットワーク・ジャングルIII 未来が見えた!デジタル新世紀」という1本の番組としてゲーム発売前に放映している。 --現場の生々しいやり取りも克明に記録されており、本作が如何に巨大なプロジェクトだったのかを知る事が出来る他、後から振り返ると何故商業的に失敗したのかその理由の一端を垣間見る事も出来る。 -発売から20年ほど経った2018年頃、あるサブイベントで''ヒロインの原崎と一緒に戦える裏技''が発見された。 --不良に絡まれた原崎を助けるイベントで、条件を満たしつつ特定コマンドを素早く入力すると不良との戦闘に原崎が参戦するというもの。しかも''一人で不良を倒してしまうほど強い''。%%助ける必要無かったんじゃ%% ---原崎は本来であれば武術の心得など無い普通の少女なのだが、この裏技では''作中で涼が取得する大技を平然と使いこなす''。その光景に加え、イベント時の「女だからって、見くびらないで!」「原崎、無茶すんな」という台詞も微妙にマッチしていてシュールな笑いを誘う。 --この裏技は現場のスタッフがイタズラで仕込んだもの(謂わば、イースターエッグ)と思われ、なんと''鈴木氏も2019年まで知らなかった''との事である。 --他にも、あるQTEで''涼が[[真昇竜拳>ストリートファイターシリーズ]]を放つ''裏技も解析によって発見されている。 ---- *US Shenmue 【ゆーえす しぇんむー】 |ジャンル|FREE|#amazon(B000069TBC)| |対応機種|ドリームキャスト|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|2001年7月5日|~| |定価|3,000円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| **概要 -『シェンムー 一章 横須賀』の英語音声版。海外で発売されたシェンムーの逆輸入版である。 -音声が英語になっており、字幕やメモ帳は日本語と英語に切り替え可能。ゲームの内容自体は『シェンムー』と変わらない。 --ただしゲームセンターのQTEゲームなど日本語音声の箇所もある。 -通常の『シェンムー』とのセーブ互換があるため、途中から日本語音声版、また途中から英語音声版という遊び方も可能。 -本数が少なく、現在はプレミア価格となっている。
*シェンムー 一章 横須賀 【しぇんむー いっしょう よこすか】 |ジャンル|FREE|#amazon(B000062YCN)| |対応機種|ドリームキャスト|~| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |発売日|1999年12月29日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |ポイント|総製作費70億円&br;ジャンル「FREE」の名に恥じない作り込みの凄さ&br;それがゲームの面白さに繋がるか否かはプレイヤー次第|~| ---- #contents ---- **概要 『[[バーチャファイター]]』の生みの親として知られる鈴木裕氏が製作したドリームキャストソフト。~ 元々『バーチャファイターRPG』という結城晶の物語としてセガサターン専用タイトルとして開発されたが、ドリームキャストのハード移行に伴いタイトルが『シェンムー』に改められ主人公もオリジナルキャラに変更された。 ジャンルは「FREE」と称している。「Full Reactive Eyes Entertainment」(完全な 反応する 目に見える 娯楽)の略で、既存のRPGを覆す作り込みの濃さを表している((PVやCMでも「RPGが変わる」というキャッチコピーが使われた))。~ 全11章予定であり、今作はそのプロローグである一章を3倍近くボリュームを膨らませて1つの作品にしている。~ ---- **ストーリー >1986年11月29日、横須賀に住む高校3年生の芭月涼は、~ 自宅である柔術道場「芭月武館」に帰ると父である芭月巌が中華服を着た謎の男に襲われている現場に出くわす。 >謎の男は巌が所持する鏡をよこせと言い、巌は頑なに拒むも圧倒的な強さの前に敗れ、~ 更に帰ってきた涼を人質に取られて泣く泣く在り処を教える。 >謎の男は部下に鏡の在り処を探させ、巌に「趙孫名を覚えているな…孟村で、お前が殺した男の名だ」と言い巌にトドメの一撃を放つ。 >その直後に鏡を見つけ出した部下が現れ、部下の口から謎の男の名前は「藍帝」だと判明し、藍帝は鏡を持ち道場から立ち去る。 >藍帝にやられた巌は最後の力を振り絞り涼に「愛すべき友を持て」と言い残し絶命する。 >父を目の前で殺された涼は藍帝への仇討ち、そして父が殺された真相を探る為に藍帝を探すことに決めたのだった。 ---- **特徴 ''作り込まれた横須賀の街'' -物語の舞台は1986~87年の横須賀。主にドブ板の商店街が舞台となる。商店街の店はほぼ全て入ることが可能。 -登場人物は200人を越え、キャラ一人一人に名前と細かい設定((職業、年齢、生年月日まで設定されている。))があり、フルボイスで会話パターンもかなり豊富。またモブを含めてキャラ一人一人に生活ルーチンが組み込まれており、まるで本当に生きているように1日の生活を行う。 -天候がリアルタイムで変化する。この作品の為に気象庁から当時の横須賀の気象データを入手して当時の天候を再現する徹底ぶり。 -自宅の作り込みも凄まじく、タンスや引出し一つ一つを調べることが可能で、その中も一つ一つにテクスチャが貼り付けられリアリティを出している。また家の電気を付けたりツボの中を覗きこんだり掛け軸の裏を調べるなども可能。 ''膨大な寄り道要素'' -基本的に1日の始まりは住み込みのお手伝いさんである稲さんから500円のおこづかいを貰ってから街に出る。そのおこづかいで何に使うかは基本的に自由。 --駄菓子屋でお菓子を購入してくじ引き、コンビニで日用品を購入(こちらも品によってはくじ引き可能)、ガチャガチャで景品を入手、ゲームセンターでゲーム、スロットマシンで遊ぶといったことが可能。 ''バトル・QTE'' -イベントによりバトルを行うことになる。バトルシステムは『バーチャファイター』の流れを組んだもの。手技・足技・投げ技と多彩な技を使用可能だが難易度は抑えられており、初心者は連打でも爽快に戦え、熟練者は多彩な技を使用して華麗に戦える。 --体力は自動回復制で時間と共に徐々に回復するが、回復アイテムは存在しないので、瞬時に回復する事は出来ない。一戦毎に体力は全回復する。 --技は骨董屋にある技書の購入や住民から伝授で増える。 -イベントによりQTE(Quick Timer Event)が発生する。指定されたボタンを素早く押して危険を回避したり攻撃を当てることができる。ボタン入力に失敗すると危険を回避できなかったり反撃されるが、基本的にある程度失敗しても挽回は可能となっている。 --余談だがQTEのシステム自体は『ドラゴンズレア』などのLDゲーム時代から存在したが、そのシステムにQTEという名称を名付けたのは今作であり、そういった意味では今作がQTEの元祖と呼べる。 ---- **評価点 ''メモ帳'' -涼は手がかりを見つけるとメモ帳にメモを行う。その為、次に何を行えば良いかも分かりやすく、前回のプレイから長く日を開けてしまった場合も迷うことは少ない。メモ帳は手がかりを見つける度に独特の効果音が流れて書き込まれる。 --しかし手がかりを迷うことなく得た場合などには本来起こり得たフラグを飛ばして次の展開に進む場合もある。そうした場合はメモ帳もその起こらなかったフラグ部分が空白となる。最低限の情報のみで攻略した場合は文章が飛び飛びでスカスカのメモ帳となるのである。 ---その為、メモ帳を綺麗に埋めることが1つのやり込みとなっている。ゲームのシステム上完全に埋めることは不可能だが、限りなく完全に近いレベルで埋めることは可能。だがメモ帳を埋める為には短時間の間に様々なフラグを回収したり本来救済処置である有料の占いを何度も通うなどが強いられ、容易な作業ではない。 ''フォークリフトアルバイト'' -物語の後半から港でフォークリフトのアルバイトを行うことになる。給料は歩合制であり、荷物を倉庫から決められた倉庫へ運ぶというもの。ノルマを達成すると翌日からの給料がアップする。 --このフォークリフト操作がかなり凝った作り((だが本来のフォークリフト操作ではタブーである荷物を上げたまま運転する))であり評価が高い。また仕事の前にフォークリフトレースを行い、順位ごとに景品がもらえる。 ---ただしアルバイトが始まると朝から夕方まで働くことになる為、街を自由に探索する時間がかなり減ってしまう。更に街に戻る頃には夜になる為、駄菓子屋や福さんとの組み手はできなくなる。 ---またアルバイトを休むといったことは不可能で、イベントが進むまでは無休で働くことになる。イベントが進むと最終的にアルバイトを辞めることになるが、それから程なく本編クリアとなる為、またのんびり街を探索するという時間は無い。 **賛否両論点 ''「無駄」に作り込まれた街'' -前述の通り街や人がかなり作り込まれているが、その作り込みを楽しめるか否かは人を選ぶ。 --登場人物一人一人が生きているようで「没入感が半端ではない」という意見もあれば、「作り込みがゲームの面白さに繋がっていない」という意見もある。 --奇しくも本作とほぼ同時期に、住人の一人一人がタイムスケジュールで行動を管理された3Dゲームとして『[[ゼルダの伝説 ムジュラの仮面]]』が発売されたが、あちらが住人の行動と謎解きがゲームデザインとして密接に関係していたのに対し、本作はある住人を尾行してイベントをクリアしたりそれでアイテムが貰えるといったことはない。本当にただ単に「無駄」に作り込まれているだけである。 ---後述する数々の要素を含め、「それゲームとして作る必要あったのか?」という「無駄」と思える部分を自発的に楽しめるかどうかが、本作の評価の分かれ目となる。 --また登場人物は生活ルーチンを守ることが最優先となる為、キャラが歩いている時に話しかけると「今急いでいるんで」「他の人に聞いてくれる?」などそっけない対応しかしてくれない。 ---商店街の人々の大半は主人公と顔馴染みという設定の為、ストーリー進行に必要となる情報を積極的に与えてくれる。逆にそれ以外の一般通行人は大抵このような反応になり、情報を貰える事は殆ど無い。それでも全員に話しかける事が可能で個々がフルボイスで一応の反応を示すという点は、後年の3Dゲームと比較してもかなり珍しい。 ''寄り道要素'' -前述の通り寄り道要素が多々あるが、こちらも人を選ぶ。 --ガチャガチャ・くじ引きは完全な運である。しかも相当当たりにくいアイテムも存在し、アイテムコンプを行う場合は膨大な時間が必要となる。またガチャガチャもくじ引きも一回一回行い(しかも「やってみるか」「これは…」「続けてみか」など涼がいちいち呟く)、まとめて行うことが出来ないためテンポが悪い。 --ゲームセンターのゲームはダーツ・QTEゲームに加え、『[[スペースハリアー]]』と『ハングオン』を遊ぶことができる。当時のゲームセンターの雰囲気を含めて再現性はバッチリだがワンコインクリアによりアイテムが入手可能な為、アイテムコンプを行う場合はワンコインクリアを強いられる。 ---またコンビニでのくじ引きにより『スペースハリアー』と『ハングオン』のゲームソフトを入手可能で、それを自宅で遊ぶことも可能。だがその自宅にあるゲーム機はなんとセガサターン。当たり前だが本来1986年にセガサターンは無い。 --スロットは1コイン5円で1ベット・5ベット・10ベット・20ベットまで存在する。暇つぶしとして遊ぶには楽しめるが、コイン5万枚でアイテムが獲得できるため、アイテムコンプを目指す場合はかなりの時間が必要となる。 -総合的に言えば暇つぶしとして遊ぶなら楽しめるが、アイテムコンプを目指すと苦行となる。 ''バトル・QTE'' -前述の通りバトルは『バーチャファイター』的だが、そのバトルは本編中で数える程度しか行えない少なさとなっている。 --またエンカウントバトルといったものもなく、本編イベント以外だとせいぜい公園で技の練習や道場で父の門下生である福さんと組み手ができる程度である。 --技の練習中も時間が進む。少し時間が経つ度に「ここまでにしておこう」などと言って続けるか否かの選択が出る。普通にやっていれば時間は有り余るし、連続で続けることは出来るのだが、他のゲームのように好きなだけ練習できる仕様に比べると、どうも窮屈な印象に。いちいち「続ける」を選択するのも億劫である。 --しかし本編終盤に70人組み手という大勢の敵と戦えるバトルが存在し、好評。また本編クリア後はオマケモードとして70人組み手がいつでも楽しめる((但し、本編で共に戦った相棒が居ない為、難易度は上がっている。))。 -QTEは多少の失敗は挽回可能とはいえ近年のゲームと比較すると入力の受付時間が若干厳しめとなっている。失敗すれば基本的にQTEの始まるムービーの始めからやり直すことになる。 ''ゲームの流れ'' -ゲームの大まかな流れは「手がかりを元に街の人に聞き込み→有力な手がかりを聞く→イベント発生→新たな手がかりを元に街の人に聞き込み」となっている。 --要は「フラグ立てアドベンチャーゲーム」なのである。生活ルーチンが組まれた人々に聞き込みを行い反応を見るだけでも楽しいと感じる人もいれば、ただ単調な展開で面白くない、これのどこが新ジャンル「FREE」なのかと感じる人もいる。 ---また手がかりを持つ人物の居場所がかなり分かりにくかったり、規定の時間に指定された場所に行く必要があったりもする。規定の時間を過ぎた場合は翌日の同時刻まで待つ必要がある。時間スキップといったシステムは存在しない為、待ちぼうけか暇つぶしに寄り道することになる為、その点に関してもリアルと捉えるかテンポが悪いと捉えるかで賛否が分かれる。 ''シナリオ関連'' -原案は鈴木氏だが本編のシナリオには多数のライターが関わっており、中には現在小説家・脚本家として知られる冲方丁氏も携わっている((セガ繋がりでは、冲方氏は後にあの『セガガガ』のシナリオも手掛ける事になる。))。個性的なキャラが織りなすドラマが展開される。ただし元々11章ある物語のプロローグにあたる話を約3倍のボリュームに膨らませたということもあってか物語の内容自体は薄い。 --話の内容としては、殺された父の仇討ちの為に、仇である謎の中国人「藍帝」を探して街を歩き回り、最終的に藍帝が既に香港に行ったことを知り涼も香港へ旅立つところで終わる。起承転結の起で終わっていて、回収されていない伏線も多々ある。 ---メインシナリオの内容も、時折大掛かりなイベントはあるが、基本は涼が地元で聞き込みする流れなので、起伏はあまりない。 --だが本来プロローグで終わるはずの横須賀編を1本のソフトにしたからこそ横須賀の住民一人一人を作り込めたとも言える。 --また物語全体のメインヒロインとして描かれている玲莎花もOPとEDの語りと途中の涼の夢の中で登場するのみであり、一章では涼のクラスメイトの原崎望がヒロインという形となっている。 ''クリアまでの時間制限'' -物語開始は父の死から4日後の12月3日((奇しくもライバルハードであるプレイステーションの発売日が本編開始初日であるが、狙ったのか否かは不明))だが、3月31日の夜に夢でタイムリミットの警告ムービーが流れ、4月14日までにクリア出来なかった場合は強制ゲームオーバーとなる((藍帝が再度道場に現れるが涼が返り討ちにあいバッドエンド))。 --急いで攻略すれば12月中にクリア可能、ゆっくり遊んでも2月ぐらいにはクリアできるので特に焦る必要は無い。だがこの制限時間付きなのを賛ととるか否をとるかは分かれる。『[[龍が如くシリーズ]]』でいうプレミアムアドベンチャーモードのような本編を気にせず自由に街を遊べるモードは無い。 ---焦る必要は無いと答えたが、一部詰まるとかなりの日にちのロスになる箇所が存在する。それについては後述。 --余談だが、次回作『シェンムーII』は1月半ばから始まる。それまでに日本を発つのが正史のようだ。 ---- **問題点 ''自由度の低さ'' -新ジャンル「FREE」を謳い後のオープンワールドゲームに影響を与えたと言われる本作だが、実は自由度は高くない。 --例えば、商店街のほぼ全ての店に入る事が出来るが''食事処では食事は一切出来ず''、スカジャンで有名な横須賀を舞台にしているにも関わらず''服屋で服を買う事も出来ない''。コンビニ等の一部の店舗を除くと、店員の話を聞いたりストーリー進行のヒントを入手する見た目だけを作り込んだ''書き割りが殆ど''である。 --1日の探索も時間制限が設けられており、夜の11時30分を過ぎると強制的に家に帰るハメになる。夜を明かし日の出を眺めるといったことは出来ない。 --マップもそこまで広くない。住人一人一人が生活ルーチンに従って行動しているが、こちらがどの時間帯に彼らの家を訪れても中に入る事は全く出来ない為、探索範囲もかなり限られている。ある意味リアルと言えばリアルだが、ドブ板と横須賀港を行き来する手段がバスしかなく、両方のバス停に何の工夫もなく''見えない壁が用意される''等、リアルさを追求した割には没入感を阻害するような場面もある。 --寄り道要素は豊富に用意されているが、ストーリーは一部のイベントでアプローチの仕方が幾つか用意されているだけの単なる一本道であり、サブクエストといった類のものはない。「RPGが変わる」などと大々的に宣伝されはしたが、根本となるゲーム構造は既存のもの大差がなく、『[[Skyrim>The Elder Scrolls V: Skyrim]]』などに代表される後のオープンワールドRPGの域には達していないというのが実情である。 ---事実、鈴木氏も今でいうオープンワールド作品のようなものを作ろうとしていた訳ではない事を語っている(後述)。 --これらの要素は続編である『シェンムーII』でも基本的に変わっていない。 ''テンポの悪さ'' -マップはシームレスには繋がっておらず、エリア毎だけでなく店の出入りにすらロードを挟み、その時間も長い。またリアリティ重視な故にテンポの悪い部分が多い。 --例えばタンスの中を調べるにしても既存のゲームなら「○○はタンスを調べた。なんと○○は△△を見つけた」の短い文章で済まされるような部分が、「主観モードでタンスを見る→どの引き出しを開けるか選択→タンスを手で開ける→入っている物を手に取る→アイテム入手→引き出しを手で閉める→主観モード解除」といった順序を要求される。 ''持ち歩けない地図'' -主にドブ板は店が多い為、どの場所にどの店があるのか把握し辛くなっている。 --地図もあるにはあるが、街に数箇所貼り付けられているのみで持ち歩くことは出来ない。更にその地図も全てに店の名前が記載されているわけではないため迷いやすい。 ---続編の『シェンムーII』ではお金を払うことで地図を購入し、常時ミニマップを表示できるように改善された。 ''中盤の潜入ミッション'' -物語中盤にとある倉庫へと忍び込むことになるが、その難易度が高め。 --夜中に警備員の巡回を掻い潜り目的の倉庫に行くステルスゲームとなる。警備員に見つかり捕まると倉庫から追い出され、翌日また出直すことになる。その翌日はなんといきなり夜の倉庫潜入から始まる為、街を歩くことが出来ない。このステルスゲームを攻略するまで延々と街にも行けずイタズラに日にちだけが過ぎることになってしまう。 ---だが何日も失敗することでホームレスのおじいさんから地図を貰ったり警備員の巡回ルートを教えて貰ったりと救済処置は存在する。また、本編で唯一のテンポよく日数を浪費できる箇所である為、わざと見つかり日数を稼ぐことで時間切れのバッドエンドのムービーを見る早道にもなる。 ''終盤のバイク操作'' -終盤のイベントで友人から借りたバイクに乗って急いで目的地に向かうミニゲームがあるが、その難易度が高め。 --障害物となる車両や敵の妨害は無く、ただ時間以内にゴールに辿り着けというものだが、その制限時間がかなりシビアなのである。おまけにゴールまでの距離も分からないので、何度もリトライをしていると神経が磨り減る。 --失敗するとバイクを友人から借りるシーンから始まる上にムービーをスキップすることも出来ないためテンポも悪い。 --一応、何度も失敗していると難易度が緩和される救済措置はある。 ----- **総評 ドリームキャストを代表する総製作費70億円の超大作ゲーム。既存のゲームの制約にメスを入れ、圧倒的な作り込みを実現した。~ しかし、自由度の低さや物語の薄さ、テンポの悪さなど純粋なゲームとしてみた場合の問題点が散見されるため、「外堀の部分の作りこみに注力しすぎでは?」と思えてしまうのも事実。そして「その作り込みもゲームの面白さの内と感じられるか否か」も、プレイヤーの感性によって大きく左右されてしまう。~ 結果として、リアリティにこだわり尽くした唯一無二の名作という意見と、ただただ無駄に金と手間だけがかかった駄作という意見の真っ二つに分かれる。~ 莫大な製作費をかけた割には商業的にも成功したとは言えず、ドリームキャストの生産中止もあって構想にあった続編も当初の予定通りには発売されなかった。 あまりのハードルの高さ故に発売からすぐに売り払った人間も多かったため中古屋に安値で陳列されることになったが、ハマった人間も少なくはなく、今なお根強いファンが多く存在する。その点、ゲームとしては純粋に褒められる出来とは決して言えないが、少なからぬ数の人を惹きつけるだけの魅力が確かに存在していたと言える。 本作の商業的な失敗と経験は後にゲームとして遊び易い形に洗練の上昇華され、同社の『[[龍が如く>龍が如くシリーズ]]』に活かされることになる。~ また、自由度は低くとも現実に近い世界を3Dのオープンワールドで表現したゲームの先駆け的存在であるのは確かであり、かの『[[Grand Theft Auto III]]』を始め、数多くのオープンワールドゲームに多大な影響を与えた事も間違いない。そういう意味でも、意義のある作品だったと言えるだろう。 ---- **余談 -総製作費はお蔵入りとなった『バーチャファイターRPG』を含めて70億円であり、「最も製作費が使用されたテレビゲーム」としてギネス記録に記載された。続編の『II』まで合わせると約90億円に及ぶと言う((開発費の大半はゲームエンジンの開発、オープンワールド構築のノウハウを一から作る為に生じたもので、それらが既に出来上がっている『II』では大幅に開発費が減少している。))。 --後に『[[Grand Theft Auto IV]]』にギネス記録を更新されるものの、この製作費の高さは数多のゲームタイトルの中でトップクラスである。 -前述の通り本作は全11章のうちのプロローグであり、クリアしてもストーリーは導入部が終わったに過ぎない。 --その後2001年9月6日、今作の続編である『シェンムーII』が発売された。 ---だが『II』も11章中の三~六章と言われており、物語は途中で終了する。 ---メインヒロインの莎花については『II』の最後の章((その前の章で実質的なラスボスを倒しており、以降はバトルも無い為、実際は長いエンディングのようなもの。))でやっと涼と対面するという重役出勤ぶりである。~ その為、『II』でも本作の原崎のように別のキャラが実質的なヒロインを務め、莎花はシリーズのメインヒロインでありながら活躍や涼との本格的な交流は『シェンムーIII』(後述)まで''20年近く''お預けとなった。 --ちなみに二章は香港に向かう船の中のエピソードらしいが『II』ではカットされており、『II』冒頭に二章の登場人物らしき親子が登場するのと、「ドリマガ」で1シーンが漫画として掲載されただけである。 ---カットはされたが実際に開発は行われていたらしく、一章とは対照的に閉鎖的な舞台として作り込んでいたと言う。涼役の松風雅也氏曰く「ドアを開けるのも怖いくらい、緊張感のある内容」だったとか。 ---この二章については『III』にて何らかの形で体験できる事が発表されている。 --『III』を以ても物語は完結しないことは早いうちから公表されていたが、2019年のインタビューで鈴木氏は『III』でも「全体の''40%ぐらい''」までしか進まない旨を語っている。 ---『II』で六章まで進んだはずだったのだが、当初の全11章という予定は変更されたのだろうか? ---一方、その後のインタビューでは、『III』はゲーム体験を面白くする為に原案を組み替えて再構成しており、「物語の○%を消化した」とは一概には言えないと語られている。いずれにせよ涼の「長き物語」はまだまだ終わらない…。 -前述の通り、莫大な開発費を投じた本シリーズだが、『一章』(I)こそ120万本もの売り上げを達成しているが、『II』では47万本程度と大きく売り上げを落とし、多大な赤字を出してしまった。 --『II』は基本こそ変わらないものの、システムの改善やストーリーのボリュームアップ、ゲーム性の向上、遊び要素の拡充と様々な点がパワーアップしており、ストーリーも本筋に入った事で大きく進行するなど、『I』から大幅な進化を遂げた作品である。 --それでも売り上げを落とした主な要因は、既にDCが末期のハードだった事、『I』ほど大掛かりな宣伝を行わなかった事、何より『I』で明らかになった本シリーズの人を選ぶゲーム性、『I』での物語の動かなさでユーザーに警戒されてしまった事などが挙げられる。 -その後も続編が期待されたが、『II』までの商業的な失敗から実現には至らず、2004年には『シェンムーオンライン』が発表された。 --鈴木氏は「この作品を以てシェンムーの物語は完結させる手段も考慮している」と言った旨を語っていたが、結局企画は立ち消えとなった。 --その後2010年にPC向けソーシャルゲーム『シェンムー街』が発表され、同年12月2日にサービスが開始されるも一年後の2011年12月26日にサービスが終了した。 -こう言った経緯から続編は絶望的と思われていたが、2015年6月16日のE3にて『シェンムーIII』の製作の為にキックスターターを用いたクラウドファンディングの開始を発表、開始から僅か8時間半で目標最低額である200万ドルを達成し『シェンムーIII』の開発が正式に決定した。なお、鈴木裕氏がセガからライセンス使用許諾を得たという形を取っており、『III』の開発にはセガは関わっていない。((企画・監修は鈴木氏の会社であるYS-NETが担当し、開発は本作のメインプログラマーであった平井武史氏が社長を務めるネイロが担当。また、ワールドワイドパブリッシャーとしてドイツのDeep Silverが務めることとなった)) --当初2017年下半期の発売を予定していたが、3度の延期を経て2019年発売予定と発表された。正式な告知から実際に発売されるまで、前2作を上回る期間の長さとなる。 --ストーリーは勿論『II』から直接続いており、『II』のエンディングの翌日から始まるとされる。%%長い一晩だった。%% -2018年4月14日、セガが『シェンムーI&II』を発表。『シェンムー 一章 横須賀』と『シェンムーII』のリマスター版がPS4で2018年11月22日に発売された。((国内はPS4版のみだが、海外ではPS4のほかXboxOne、Windows(Steam)版が2018年の8月に発売されている)) --PS4版ではDC版の問題点であったロード時間が大幅に短縮されており、UIが使いやすく改良されており、いつでもどこでもセーブが可能(ただし一部のイベント中を除く)となり快適にプレイできる。ミニゲームとして収録されていたセガのアーケードゲームもそのまま収録されている。なので今プレイするならPS4版をおすすめする。 -主人公の芭月涼は後に『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』に出演している。 -同社の『龍が如く』は『シェンムー』と似通った部分が多い為、本作のノウハウを用いて製作されたと言われる事はあるが(確かに活かされている部分はあるが)、技術的には『[[ジェットセットラジオ]]』の直系の作品である。[[『シェンムー』の開発に関わった>https://twitter.com/drunkenAndo/status/610627507918737408]]フライトユニット代表の安堂ひろゆき氏も[[認めている。>https://twitter.com/drunkenAndo/status/903099103994716160]]((『ジェットセットセットラジオ』を製作したスマイルビットは2003年に名越稔洋氏が社長を務めていたアミューズメントヴィジョンに開発業務が移行し、その後に『龍が如く』が作られた。)) -オープンワールドの元祖と言われる本作だが後年の鈴木氏によると、今で言うオープンワールドゲームのようなものを作ろうとしていた訳ではなく、「どんなゲームも目的があって、手段が限られていたが、手段をたくさん用意して自由に選びながら進んで目標に向かっていくというのがやりたかった」との事であり、『シェンムー』とオープンワールドは違うと語っている。 --鈴木氏はシミュレーションゲームばかり作っていた為、本作についても「シミュレーター」というイメージが強かったとの事。確かにゲーム的にはオープンワールドRPGと言うよりは作中世界のシミュレーションと言った方がしっくり来るかもしれない。 -NHKは本作の開発現場を密着取材し、その様子を「ネットワーク・ジャングルIII 未来が見えた!デジタル新世紀」という1本の番組としてゲーム発売前に放映している。 --現場の生々しいやり取りも克明に記録されており、本作が如何に巨大なプロジェクトだったのかを知る事が出来る他、後から振り返ると何故商業的に失敗したのかその理由の一端を垣間見る事も出来る。 -発売から20年ほど経った2018年頃、あるサブイベントで''ヒロインの原崎と一緒に戦える裏技''が発見された。 --不良に絡まれた原崎を助けるイベントで、条件を満たしつつ特定コマンドを素早く入力すると不良との戦闘に原崎が参戦するというもの。しかも''一人で不良を倒してしまうほど強い''。%%助ける必要無かったんじゃ%% ---原崎は本来であれば武術の心得など無い普通の少女なのだが、この裏技では''作中で涼が取得する大技を平然と使いこなす''。その光景に加え、イベント時の「女だからって、見くびらないで!」「原崎、無茶すんな」という台詞も微妙にマッチしていてシュールな笑いを誘う。 --この裏技は現場のスタッフがイタズラで仕込んだもの(謂わば、イースターエッグ)と思われ、なんと''鈴木氏も2019年まで知らなかった''との事である。 --他にも、あるQTEで''涼が[[真昇竜拳>ストリートファイターシリーズ]]を放つ''裏技も解析によって発見されている。 ---- *US Shenmue 【ゆーえす しぇんむー】 |ジャンル|FREE|#amazon(B000069TBC)| |対応機種|ドリームキャスト|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|2001年7月5日|~| |定価|3,000円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| **概要 -『シェンムー 一章 横須賀』の英語音声版。海外で発売されたシェンムーの逆輸入版である。 -音声が英語になっており、字幕やメモ帳は日本語と英語に切り替え可能。ゲームの内容自体は『シェンムー』と変わらない。 --ただしゲームセンターのQTEゲームなど日本語音声の箇所もある。 -通常の『シェンムー』とのセーブ互換があるため、途中から日本語音声版、また途中から英語音声版という遊び方も可能。 -本数が少なく、現在はプレミア価格となっている。

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