シェンムー 一章 横須賀

【しぇんむー いっしょう よこすか】

ジャンル FREE
対応機種 ドリームキャスト
メディア GD-ROM 4枚
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
発売日 1999年12月29日
定価 4,500円
プレイ人数 1人
定価 6,800円(税別)
レーティング セガ審査:全年齢推奨
周辺機器 モデム、ビジュアルメモリ、VGA対応
判定 賛否両論
ポイント 総製作費70億円
ジャンル「FREE」の名に恥じない作り込みの凄さ
それがゲームの面白さに繋がるかはプレイヤー次第
シェンムーシリーズ
一章 (US) / II / I&II / III

概要

バーチャファイター』の生みの親として知られる鈴木裕氏が製作したドリームキャストソフト。
元々『バーチャファイターRPG アキラの章』という結城晶の物語としてセガサターン専用タイトルとして開発されていたが、ドリームキャストのハード移行に伴いタイトルが『シェンムー』に改められ主人公もオリジナルキャラに変更された。

ジャンルは「FREE」と称している。「Full Reactive Eyes Entertainment (完全な 反応する 目に見える 娯楽)」の略で、既存のRPGを覆す作り込みの濃さを表している*1
全11章予定であり、今作はそのプロローグである一章を3倍近くにボリュームを膨らませて1つの作品にしている。

ディスクは4枚組だが、本編はディスク3まで。ディスク4は本編のムービーやBGMを閲覧出来るおまけ要素や、当時としては画期的なインターネットを用いた様々なコンテンツが遊べる「シェンムーパスポート」を収録している。


ストーリー

1986年11月29日、横須賀に住む高校3年生の芭月涼は、
自宅である柔術道場「芭月武館」に帰ると父である芭月巌が中華服を着た謎の男に襲われている現場に出くわす。

謎の男は巌が所持する鏡をよこせと言い、巌は頑なに拒むも圧倒的な強さの前に敗れ、
更に帰ってきた涼を人質に取られて泣く泣く在り処を教える。

謎の男は部下に鏡の在り処を探させ、巌に「趙孫名を覚えているな…孟村で、お前が殺した男の名だ」と言い巌にトドメの一撃を放つ。

その直後に鏡を見つけ出した部下が現れ、部下の口から謎の男の名前は「藍帝」だと判明し、藍帝は鏡を奪い道場から立ち去る。

藍帝にやられた巌は最後の力を振り絞り涼に「愛すべき友を持て」と言い残し絶命する。

父を目の前で殺された涼は藍帝への仇討ち、そして父が殺された真相を探る為に藍帝を探すことに決めたのだった。


特徴

作り込まれた横須賀の街

  • 物語の舞台は1986~87年の横須賀。主にドブ板の商店街が舞台となる。商店街の店はほぼ全て入ることが可能。
  • ポリゴンそのものは時代相応といった具合だが、テクスチャ(ポリゴンに貼られた絵)が非常にリアル。木や金属類、石垣等の背景はまるで本物のような質感。人は顔から服のシワから手の甲の血管に至るまで徹底的にまで細かく描き込まれており、それがゲーム全体、ありとあらゆる細部にまで及ぶのだから見事という他無い。
  • 登場人物は200人を越え、モブキャラでも同じ顔や同じ服の人物はおらず、キャラ一人一人に名前と細かい設定*2があり、フルボイスで会話パターンもかなり豊富。またモブを含めてキャラ一人一人に生活ルーチンが組み込まれており、まるで本当に生きているように1日の生活を行う。
  • 天候がリアルタイムで変化する。この作品の為に気象庁から当時の横須賀の気象データを入手して当時の天候を再現する徹底ぶり。また雨が降れば住人は傘をさすし、雪が降れば道端に積もる。明日の天気は177で確認することが可能。
  • 季節に応じてドブ板の商店街も模様替えし、流れる音楽も変わるこだわりぶり。クリスマス付近にはサンタ(に模した宣伝マン)が登場し、正月三が日には一部女性キャラが晴れ着になる。
  • 自宅の作り込みも凄まじく、目覚まし時計や壁掛け時計は全て動いており、日めくりカレンダーも毎日変わる。タンスや引出し一つ一つを調べることも可能で、その中にも一つ一つにリアルなテクスチャが貼り付けられ、リアリティを出している。また家の電気を付けたりツボの中を覗きこんだり掛け軸の裏を調べるなども可能。

膨大な寄り道要素

  • 基本的に1日の始まりは住み込みのお手伝いさんである稲さんから500円のおこづかいを貰ってから街に出る。そのおこづかいを何に使うかは基本的に自由。
    • 駄菓子屋でお菓子を購入してくじ引き、コンビニで日用品を購入(こちらも品によってはくじ引き可能)、ガチャガチャで景品を入手、ゲームセンターでゲーム、スロットマシンで遊ぶといったことが可能。
    • 自販機でジュースを買う事も出来る。その場で飲んでしまうので持ち歩く事は出来ず、飲んでもとくに意味も無いが、オマケ特典や店のクジと交換出来る当たり缶が出る事がある。
      • ちなみにジュースはコカ・コーラ社とのタイアップで、昔懐かしいデザインの缶が見れる。当たり缶はオリジナルデザイン。

バトル・QTE

  • イベントによりバトルを行うことになる。バトルシステムは『バーチャファイター』の流れを組んだもの*3。手技・足技・投げ技と多彩な技を使用可能だが難易度は抑えられており、初心者は連打でも爽快に戦え、熟練者は多彩な技を使用して華麗に戦える。
    • 体力は自動回復制で時間と共に徐々に回復するが、回復アイテムは存在しないので、瞬時に回復する事は出来ない。一戦毎に体力は全回復する。
    • 技は骨董屋で購入したり自宅で拾える技書を見たり、イベントで住民から伝授して貰えることで増える。
  • イベントによりQTE(Quick Timer Event)が発生する。指定されたボタンを素早く押して危険を回避したり攻撃を当てることができる。ボタン入力に失敗すると危険を回避できなかったり反撃されるが、基本的にある程度失敗しても物語は進むようになっている。
    • 余談だがQTEのシステム自体は『Dragon's Lair』などのLDゲーム時代から存在したが、そのシステムにQTEという名称を名付けたのは今作であり、そういった意味では今作がQTEの元祖と呼べる。

評価点

メモ帳

  • 涼は手がかりを見つけると逐一メモ帳にメモを行う。その為、次に何を行えば良いか分かりやすく、前回のプレイから長く日を開けてしまった場合も迷うことは少ない。メモ帳は手がかりを見つける度に独特の効果音が流れて画面上に表示されるため、分かりやすい。また、朝に起きたときにも自動で最後のメモを開いてくれる。
    • しかし手がかりを迷うことなく得た場合などには本来起こり得たフラグを飛ばして次の展開に進む場合もある。そうした場合はメモ帳もその起こらなかったフラグ部分が空白となる。最低限の情報のみで攻略した場合は文章が飛び飛びでスカスカのメモ帳となるのである。
      • その為、メモ帳を綺麗に埋めることが1つのやり込みとなっている。ゲームのシステム上完全に埋めることは不可能だが、限りなく完全に近いレベルで埋めることは可能。だがメモ帳を埋める為には短時間の間に様々なフラグを回収したり、本来救済処置である有料の占いを何度も通うなどが強いられ、容易な作業ではない。

フォークリフトアルバイト

  • 物語の後半から港でフォークリフトのアルバイトを行うことになる。給料は歩合制であり、荷物を倉庫から決められた倉庫へ運ぶというもの。ノルマを達成すると翌日からの給料がアップする。
    • このフォークリフト操作がかなり凝った作り*4であり評価が高い。また仕事の前にフォークリフトレースを行い、順位ごとに景品がもらえる。

賛否両論点

「無駄」に作り込まれた街

  • 前述の通り街や人がかなり作り込まれているが、その作り込みを楽しめるか否かは人を選ぶ。
    • 登場人物一人一人が生きているようで「没入感が半端ではない」という意見もあれば、「作り込みがゲームの面白さに繋がっていない」という意見もある。また当時のシェンムーパスポートで見れたキャラクター設定では、モブキャラ一人一人にまで細かい設定がされているが、ゲーム本編には一切生かされていない。こちらも「なんて細かい」と楽しめるか、「完全に無駄」と捉えるか、人それぞれ分かれるだろう
    • 奇しくも本作とほぼ同時期に、住人の一人一人がタイムスケジュールで行動を管理された3Dゲームとして『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』が発売されたが、あちらが住人の行動と謎解きがゲームデザインとして密接に関係していたのに対し、本作はある住人を尾行してイベントをクリアしたりそれでアイテムが貰えるといったことはない。本当にただ単に「無駄」に作り込まれているだけである。
      • 後述する数々の要素を含め、「それゲームとして作る必要あったのか?」という「無駄」と思える部分を自発的に楽しめるかどうかが、本作の評価の分かれ目となる。
    • また登場人物は生活ルーチンを守ることが最優先となる為、キャラが歩いている時に話しかけると「今急いでいるんで」「他の人に聞いてくれる?」などそっけない対応しかしてくれない。たとえ親しい人物であろうとも、けっして相手にはしてくれない。
      • 商店街の人々の大半は主人公と顔馴染みという設定の為、ストーリー進行に必要となる情報を積極的に与えてくれる。逆にそれ以外の一般通行人は大抵このような反応になり、情報を貰える事は殆ど無い*5。それでも全員に話しかける事が可能で個々がフルボイスで一応の反応を示すという点は、後年の3Dゲームと比較してもかなり珍しい。
      • 主人公自身も基本的に現時点でのメインシナリオに関する事しか聞かず*6、それに対する相手の受け答えで会話を進めるパターンが殆どなので、向こうから話題を振って来たり、そのキャラや世界観を掘り下げるような雑談をするケースはかなり少ない。ある意味リアルではあるが、それで人に話し掛け回って楽しいかは別である。
    • 主人公の自宅についても、タンスを開けたりツボを覗いたり掛け軸を外したところで基本は何も無い。タンスには衣類が入っているだけだし、ツボもほぼ空っぽ。奥義書など有益な物が手に入る事はあるが、奥義書数個の他は店売りのマッチやロウソク、写真等しか無く、ゲーム的な意味での探索の意義は薄い。
      • 自販機でジュースを買ってもその場で飲んでしまうし、コンビニで食料品などを買っても使う事はできない。コンビニに売っているアイテムで使えるのは猫の餌と電池ぐらいで、後は完全にコレクションアイテムでしかない。
      • 本作は『龍が如く』と違って消費アイテムや装備品の概念が無いため、こう言った要素をゲーム的な有利性や面白さに直結させ辛いという事情もある。これらも楽しめるか否かがプレイヤーの感性に左右され、雰囲気で楽しめる人もいれば、無駄な事をやっているだけだと思う人もいる。

寄り道要素

  • 前述の通り寄り道要素が多々あるが、こちらも人を選ぶ。
    • ガチャガチャ・くじ引きは完全な運である。しかも相当当たりにくいアイテムも存在し、アイテムコンプを行う場合は膨大な時間が必要となる。またくじ引きや自販機はいちいち棚に移動し商品購入からを一回一回行う必要があり、ガチャガチャはボタンとキー操作を必要とするため、ボタン連打等でまとめて行うことが出来ないためテンポが悪い。しかも一回一回「やってみるか」「これは…」「続けてみるか」など涼がいちいち呟くため、さらにテンポの悪化を招いている。勿論フルボイス。
      • くじ引きはそれなりにやっていれば4等は容易に揃うし、3等や2等も運が良ければ比較的当てられるといった具合。しかし1等と特等はほぼ出ないレベル(確率は1等が100分の1。特等はなんと400分の1。もはや当てさせる気すら無い。)。資金難と時間と手の掛かる仕様も相まって、くじ引きコンプリートだけでも廃人プレイの域である。
      • だがくじ引きは基本的にコレクションアイテムでしかないフィギュアが大半なため、興味が無ければべつにやらなくてもいい要素ではある。しかし実用的な物もあり、コンビニのクジ引きの1等のラジカセは手に入れたカセットテープの音楽を自由に聴くために必要で*7、3等のゲームミュージックは当てなければ聴くことが出来ない。
    • ゲームセンターのゲームはダーツ・QTEゲームに加え、『スペースハリアー』と『ハングオン』を遊ぶことができる。当時のゲームセンターの雰囲気を含めて再現性はバッチリだが、各種特典アイテムを入手するにはワンコインクリアが必須条件。アイテムコンプを目指す場合は全てのミニゲームでワンコインクリア(コンティニューは不可能)を強いられる。
      • この中でダーツのみ運が必要であるが、コツを掴めば比較的容易に達成出来る。しかしQTEゲーム2種はゲームレベルがハードに変化してからかなり先にまで到達しないと達成出来ず、高い反射神経がないと無理。実在ゲーム2種は言わずもがな、プロ級の腕が必要。
      • 『ハングオン』は「ライドオンタイプ」と「シットダウンタイプ」*8の2種類のバージョンがあるが、筐体は「ライドオン」なのに中身はなぜか「シットダウンタイプ」の移植。2018年発売のPS4版は「ライドオンタイプ」の移植である。
      • またコンビニでのくじ引きにより『スペースハリアー』と『ハングオン』のゲームソフトを入手可能で、それを自宅で遊ぶことも可能。だがその自宅にあるゲーム機は何故かセガサターン。当たり前だが、本来1986年にはセガサターンはおろかメガドライブすら無い*9。1986年にはSEGA初のゲーム機SG-1000からSG-1000II、セガ・マークIIIまで出ている。ゲーム機の性能に矛盾は生じるが、これらのゲーム機にした方が世界観的にもファンサービス的にも良かったのでは?
    • スロットは1コイン5円で1ベット・5ベット・10ベット・20ベットまで存在する。暇つぶしとして遊ぶには楽しめるが、アイテム獲得には最大で5万枚まで貯める必要があり、さらに各種スロットでスリーセブンを揃える必要があったりと、アイテムコンプを目指す場合はかなりの時間が必要となる。
  • 総合的に言えば暇つぶしとして遊ぶなら楽しめるが、アイテムコンプを目指すとなると恐ろしい程の苦行、廃人プレイと化す。

バトル・QTE

  • 前述の通りバトルは『バーチャファイター』的だが、そのバトルは本編中で数える程度しか行えない少なさとなっている。
    • またエンカウントバトルといったものもなく、本編イベント以外だとせいぜい公園で技の練習や道場で父の門下生である福さんと組み手ができる程度である。
    • 技の練習中も時間が進む。少し時間が経つ度に「ここまでにしておこう」などと言って続けるか否かの選択が出る。連続で続けることは出来るのだが、普通にスタートを押すことで任意でいつでも辞められるため、なぜこのような仕様があるのか意図がわからない。間隔もわりと短く、いちいち「続ける」を選択するのも億劫である。
    • なお本編終盤に70人組み手という大勢の敵と戦えるバトルが存在し、こちらは好評。本編クリア後はオマケモードとしていつでも楽しめる*10
  • QTEは多少失敗しても大丈夫とはいえ、近年のゲームと比較すると入力の受付時間が若干厳しめとなっている。失敗すれば基本的にQTEの始まるムービーの始めからやり直すことになり、ゲームオーバーは無い。また入力するボタンやキー、タイミングは完全に決まっており、内容に合わせた入力になってもいるため、何度かやり直していれば覚えるだろう。なので詰まって進まないということが無いのが救い。

ゲームの流れ

  • ゲームの序盤から中盤までの大まかな流れは「手がかりを元に街の人に聞き込み→有力な手がかりを聞く→イベント発生→新たな手がかりを元に街の人に聞き込み」の繰り返しがメインとなっている。この中にたまにQTEがあり、稀にバトルがあるといった程度。
    • 要は「フラグ立てアドベンチャーゲーム」なのである。生活ルーチンが組まれた人々に聞き込みを行い反応を見るだけでも楽しいと感じる人もいれば、ただ単調な展開で面白くない、これのどこが新ジャンル「FREE」なのかと感じる人もいる。
      • また手がかりを持つ人物の居場所がかなり分かりにくかったり、規定の時間に指定された場所に行く必要があったりもする。規定の時間を過ぎた場合は翌日の同時刻まで待つ必要がある。時間スキップといったシステムは存在しない為、待ちぼうけか暇つぶしに寄り道することになる。その点に関してもリアルと捉えるかテンポが悪いと捉えるかで賛否が分かれる。
    • そして終盤にあたるディスク3に進むと内容は一変し、無休で強制的にバイトを強いられることになる。こうなると明るい時間帯の街には行くことは出来なくなり、ますます「FREE」では無くなる。
      • ちなみにバイト前には何故かフォークを使ったレースを必ずやらされる。バイトは作業量が資金入手に繋がるためやる意味があるが、レースはまったく意味が無い。いちおう順位に応じたフォークのフィギュアが手に入るが、それだけである。イベントが進行するまでは毎日やらされるため、レースにも商品のフィギュアにも興味が無い人にとっては苦痛であろう。

シナリオ関連

  • 原案は鈴木氏だが本編のシナリオには多数のライターが関わっており、中には現在小説家・脚本家として知られる冲方丁氏も携わっている*11。個性的なキャラが織りなすドラマが展開される。ただし元々11章ある物語のプロローグにあたる話を約3倍のボリュームに膨らませたということもあってか物語の内容自体は薄い。
    • 話の内容としては、殺された父の仇討ちの為に、仇である謎の中国人「藍帝」を探して街を歩き回り、最終的に藍帝が既に香港に行ったことを知り涼も香港へ旅立つところで終わる。起承転結の起で終わっていて、回収されていない伏線も多々ある。
      • メインシナリオの内容も、時折大掛かりなイベントはあるが、基本は涼が地元で聞き込みして手掛かり探しする流れが主なので、盛り上がり的な起伏はあまりない。
    • だが本来プロローグで終わるはずの横須賀編を1本のソフトにしたからこそ横須賀の住民一人一人を作り込めたとも言える。
    • また物語全体のメインヒロインとして描かれている玲莎花もOPとEDの語りと途中の涼の夢の中で登場するのみであり、一章では涼のクラスメイトの原崎望がヒロインという形となっている。

クリアまでの時間制限

  • 物語開始は父の死から4日後の12月3日*12だが、3月31日の夜に夢でタイムリミットの警告ムービーが流れ、4月14日までにクリア出来なかった場合は強制ゲームオーバーとなる*13
    • 急いで攻略すれば12月中にクリア可能、ゆっくり遊んでも2月ぐらいにはクリアできるので特に焦る必要は無い。だがこの制限時間付きなのを賛ととるか否をとるかは分かれる。『龍が如くシリーズ』でいうプレミアムアドベンチャーモードのような本編を気にせず自由に街を遊べるモードは無い。
      • 焦る必要は無いと答えたが、一部詰まるとかなりの日にちのロスになる箇所が存在する。それについては後述。
    • 余談だが、次回作『シェンムーII』は1月半ばから始まる。それまでに日本を発つのが正史のようだ。船旅の期間は不明だが、仮に1月の始め辺りに発つとすると、それなりにサクサクと進めたプレイになる。

シェンムーパスポート

  • DCはネットワークに繋げられることを大きな売りにしていたため、ネット環境推進のために用意された仕様だと思われる。
    • しかし自身のプレイ内容で競う「ネットワークランキング」や、特典アイテムを入手出来る「あつめてシェンムー」、スタッフから直接ヒントが貰える「望の伝言板」等はネットコンテンツとして妥当であるが、総プレイ時間や歩行距離といった累積されたやり込みデータを閲覧するだけの「自己診断」、キャラの説明や場所の解説が見れる「シェンムーワールド」、操作の詳しい説明が見れる「マニュアル」等は、わざわざネットに繋がなくても良いのでは?と思えるような内容ではある。
      • ちなみにDCのネットワークサービスは終了しており、後に発売された移植作の『シェンムーI&II』にも収録は叶わなかったため、ネット関係のコンテンツは今現在、全て閲覧不可能である。

問題点

自由度の低さ

  • 新ジャンル「FREE」を謳い後のオープンワールドゲームに影響を与えたと言われる本作だが、実は自由度は高くない。以下の点は続編である『シェンムーII』でも基本的に変わっていない。
    • 例えば、商店街の中の多くの店に入る事が出来るが、食事処では食事は一切出来ず、スカジャンで有名な横須賀を舞台にしているにもかかわらず服屋で服を買う事も出来ない。コンビニ等の一部の店舗を除くと、店員の話を聞いたりストーリー進行のヒントを入手する見た目だけを作り込んだ書き割りが殆どである。
    • 1日の探索も時間制限が設けられており、夜の11時30分を過ぎると強制的に家に帰るハメになる。夜を明かし日の出を眺めるといったことは出来ない。
    • 住人一人一人が生活ルーチンに従って行動しており、ちゃんと家から出たり夜に帰宅といった出入りも表現されているが、こちらがどの時間帯に彼らの家を訪れても何故か反応の無い家がほとんど。時間帯によっては外にも家にも住人がおらず、住宅街はまるでゴーストタウンのようである。ちなみに反応の無い家では、住人の帰宅直後に戸を叩いても居留守を使われる。
    • マップもそこまで広くなく、住人の家に入ることも出来ないため探索範囲もかなり限られている。ある意味リアルと言えばリアルだが、ドブ板と横須賀港を行き来する手段がバスしかなく、両方のバス停付近には何の工夫もなく見えない壁が用意される等、リアルさを追求した割には没入感を阻害するような場面もある。
      • 序盤等にイベント進行を無視して先を進めようとすると、「まだここでやることがある」と踵を返して戻り、先には進めないという仕様がある。バス停付近もそのような感じで良かったのではなかろうか?。不自然に見えない壁で囲まれているだけというのは、ただの手抜きに見えてしまう。
    • 寄り道要素は豊富に用意されているが、ストーリーは一部のイベントでアプローチの仕方が幾つか用意されているだけの単なる一本道であり、サブクエストといった類のものはほとんど無い。「RPGが変わる」などと大々的に宣伝されはしたが、根本となるゲーム構造は既存のもの大差がなく、『Skyrim』などに代表される後のオープンワールドRPGの域には達していないというのが実情である。
      • 事実、鈴木氏も今でいうオープンワールド作品のようなものを作ろうとしていた訳ではない事を語っている(後述)。

テンポの悪さ

  • マップはシームレスには繋がっておらず、エリア毎だけでなく店の出入りにすらロードを挟み、その時間も長い。またリアリティ重視な故にテンポの悪い部分が多い。
    • 例えばタンスの中を調べるにしても既存のゲームなら「○○はタンスを調べた。なんと○○は△△を見つけた」の短い文章で済まされるような部分が、「主観モードでタンスを見る→どの引き出しを開けるか選択→タンスを手で開ける→入っている物を手に取る→アイテム入手→引き出しを手で閉める→主観モード解除」といった順序を要求される。またその動作ひとつひとつも遅く、アイテムを手に取る際も何故か不自然に手が止まる。

操作性やゲーム性

  • 涼の操作は十字キーで行うが、キーにそのまま対応したフリー操作に思えて若干違い、フリー操作に一部ラジコン操作を加えたような感じでやや独特。慣れるまでは扱いにくい。操作性に難があるとの不満の声も少なくない。
  • 建物から小物類まであらゆるものが細かく作り込まれており、ズームで眺めて楽しむのも一興であるが、ズームした近くに人や反応のあるアイテム等があるとそれらに自動でロックオンしてしまい、解除も出来ないため、常に住人が立っている場所やアイテムのある付近等は自由に見れない。自由視点で背景を楽しみたい人には不自由であるし、せっかく細部までこだわっているのに見れない箇所があるのは残念である。
  • ゲーム内容はストーリーを追う他に、ガチャガチャ等のアイテム入手や、ゲーセンやスロット等のお金を使う寄り道要素が豊富に用意されている。しかしディスク1~2までは自由に行動出来る反面、お金の入手方が一日500円のお小遣いしか無いため資金が不自由。ディスク3になるとバイトで資金が潤沢になるが、今度は朝から夜遅くまで港に拘束されることになり*14、今度はお金と引き換えに行動が大きく制限されてしまう。そのため行動面と資金面が両立することは無く、自由度が大きく削がれている。とくに駄菓子屋と福さんとの組み手が利用出来なくなるのは問題だ ろう。なおイベントを進めるとバイトを辞めることになるが、そうなるとエンディングまでほぼそのまま直行するため、ふたたび自由に街を探索出来るようなことは無い。
    • ディスク1~2の時点でも、一日500円のお小遣いを数ヶ月も貯めればかなりの金額になる。しかし時間をスキップする手段が無いため、実時間でもかなりの時間を要する。
  • 階段に足を踏み入れると登りきる、または降りきるまで自動で歩いていく仕様なのだが、「階段は一人だけしか利用出来ない」という制約があり、モブキャラが階段を利用中、もしくは階段前で待機中のときは、見えない壁が出来て涼が利用することが出来ない。ドブ板の奥側の階段を利用しようとしてこれに遭遇した場合、しばらく待つか遠回りを余儀なくされるため、非常に苛立たしい。
  • ゲームをクリアしても、アイテムや資金を引き継いで新規プレイ等の特典は無い。終盤は自由行動すらほぼ無く、手に入れたアイテムを閲覧、使用することすら出来なくなるため、セーブのタイミングによってはアイテム収集が完全に無駄になることも。またクリアデータは『II』への引き継ぎに使うのみで、『Ⅰ』では完全な無意味なデータなのだが、それに対する警告文等は無い。
    • なお資金とガチャガチャのフィギュアとスロットメダルと一部アイテムのみ、『II』に引き継ぐことが出来る。

ボイスの問題

  • 登場人物全員がフルボイスなのは良いのだが、本職の声優の他に俳優も参加しており、演技の質にばらつきがある。
    • 後年の作品でも度々似た例が見受けられるように、特に主人公とヒロインが顕著。
    • 涼を演じる松風雅也氏*15は現在でこそプロ声優だが、元は俳優出身であり、本作が声優初挑戦である。その為、まだ声の演技がこなれていない。しかし棒読みという訳ではないので、気にならない人は気にならないし、聞いているうちに慣れる範囲ではある。*16
    • 原崎はタレントの安めぐみ氏が演じているのだが、この手の例に漏れずかなり棒読み*17。しかも一章ヒロインなので出番も相応に多い。
    • 住人のモブキャラには声が同じキャラがいる。とくに若い女性はほぼ全て同じ声の同じ返答(しかも棒読み)。モブキャラに至るまで一人一人徹底的に作り込んでいるのに、中身が同じというのでは、やや作り込みが薄れてしまっている感がある。

持ち歩けない地図

  • 主にドブ板は店が多い為、どの場所にどの店があるのか把握し辛くなっている。
    • 地図もあるにはあるが、街に数箇所看板が貼り付けられているのみで持ち歩くことは出来ない。更にその地図も全てに店の名前が記載されているわけではないため、地図に記載されてない建物を探す場面で迷いやすい。
    • とくに「船員の集まるバーに行く」という場面では、目的のバーが普通に歩いているだけでは見付けにくい細い路地の先にあり、地図にも記載が無く、存在を語る住人もわずかなため、かなりわかりにくい。
      • 続編の『シェンムーII』ではお金を払うことで地図を購入し、常時ミニマップを表示できるように改善された。

中盤の潜入ミッション

  • 物語中盤にとある倉庫へと忍び込むことになるが、その難易度が高め。
    • 夜中に警備員の巡回を掻い潜り目的の倉庫に行くステルスゲームとなる。警備員に見つかり捕まると倉庫から追い出され、翌日また出直すことになる。その翌日はなんといきなり夜の倉庫潜入から始まり、街を歩くことが出来ない。このステルスゲームは一度始まると攻略するまで延々とやらされるため、街にも行けずイタズラに日にちだけが過ぎることになってしまう。
    • 見つかっても大きく引き離したうえで隠れることが出来ればやり過ごすことが可能だが、狭い範囲と細い通路で複数人の警備員が巡回しているため、逃げようにも次々と見つかったり挟まれたりして、まず難しい。
      • だが何日も失敗することでホームレスのおじいさんから地図を貰ったり、警備員の巡回ルートを教えて貰ったりと救済処置は存在する。また、本編で唯一のテンポよく日数を浪費できる箇所である為、わざと見つかり日数を稼ぐことで素早く目的の日付にしたり、時間切れのバッドエンドのムービーを見る早道にも使えたりする。

終盤のバイク操作

  • 終盤のイベントで友人から借りたバイクに乗って急いで目的地に向かうミニゲームがあるが、その難易度が高め。
    • 障害物となる車両や敵の妨害は無く、ただ時間以内にゴールに辿り着けというものだが、その制限時間がかなりシビアなのである。おまけにゴールまでの距離も分からないので、何度もリトライをしていると神経が磨り減る。
    • 失敗すると何故かバイクを友人から借りるシーンから始まる上に、ムービーをスキップすることも出来ないためテンポも悪い。
    • 一応、何度も失敗していると難易度が緩和される救済措置はある。
    • このイベントでは壁に接触すると大きく減速してしまうので、直線ではフルスロットルにし、カーブではアクセルを離して曲がると良いだろう。

総評

ドリームキャストを代表する総製作費70億円の超大作ゲーム。既存のゲームの制約にメスを入れ、圧倒的な作り込みを実現した。

しかし、自由度の低さや物語の薄さ、テンポの悪さなど純粋なゲームとしてみた場合の問題点が散見されるため、「外堀の部分の作りこみに注力しすぎでは?」と思えてしまうのも事実。そして「その作り込みもゲームの面白さの内と感じられるか否か」も、プレイヤーの感性によって大きく左右されてしまう。
結果として、リアリティにこだわり尽くした唯一無二の名作という意見と、ただただ無駄に金と手間だけがかかった駄作という意見の真っ二つに分かれる。
莫大な製作費をかけた割には商業的にも成功したとは言えず、ドリームキャストの生産中止もあって構想にあった続編も当初の予定通りには発売されなかった。

あまりのハードルの高さ故に発売からすぐに売り払った人間も多かったため中古屋に安値で陳列されることになったが、ハマった人間も少なくはなく、今なお根強いファンが多く存在する。その点、ゲームとしては純粋に褒められる出来とは決して言えないが、少なからぬ数の人を惹きつけるだけの魅力が確かに存在していたと言える。

本作の商業的な失敗と経験は後にゲームとして遊び易い形に洗練の上昇華され、同社の『龍が如く』に活かされることになる。
また、自由度は低くとも現実に近い世界を3Dのオープンワールドで表現したゲームの先駆け的存在であるのは確かであり、かの『Grand Theft Auto III』を始め、数多くのオープンワールドゲームに多大な影響を与えた事も間違いない。そういう意味でも、意義のある作品だったと言えるだろう。


余談

  • 総製作費はお蔵入りとなった『バーチャファイターRPG』を含めて70億円であり、「最も製作費が使用されたテレビゲーム」としてギネス記録に記載された。続編の『II』まで合わせると約90億円に及ぶと言う。ちなみに開発費の大半はゲームエンジンの開発、オープンワールド構築のノウハウを一から作る為に生じたもので、それらが既に出来上がっている『II』では大幅に開発費が減少している。
    • 後に『Grand Theft Auto IV』の1億USD(100億円)にギネス記録を更新されるものの、この製作費の高さは数多のゲームタイトルの中でトップクラスである。
  • 前述の通り本作は全11章のうちのプロローグであり、クリアしてもストーリーは導入部が終わったに過ぎない。
    • その後2001年9月6日、今作の続編である『シェンムーII』が発売された。
      • だが『II』も11章中の三~六章と言われており、物語は途中で終了する。
      • メインヒロインの莎花については『II』の最後の章*18でやっと涼と対面するという重役出勤ぶりである。
        その為、『II』でも本作の原崎のように別のキャラが実質的なヒロインを務め、莎花はシリーズのメインヒロインでありながら活躍や涼との本格的な交流は『シェンムーIII』(後述)まで20年近くお預けとなった。
    • 二章は香港に向かう船の中のエピソードらしいが、『II』本編では丸ごとカットされ、香港に着いた三章から始まる。
    • この二章については『II』冒頭に船内で関わったであろう親子が登場し、船内で涼が女の子の世話をしたことのみ短い会話で語られるだけで、本作のみでは何があったか一切不明だった。そして後に「ドリマガ」で船内の1シーンが4ページの漫画として掲載されたが、終盤のみのダイジェスト形式。いちおう何があったか分かるものになってはいるが。
      • しかしカットはされたが実際に開発は行われていたらしく、一章とは対照的に閉鎖的な舞台として作り込んでいたと言う。涼役の松風雅也氏曰く「ドアを開けるのも怖いくらい、緊張感のある内容」だったとか。なお2022年制作のアニメ内でも映像化はされず、こちらは親子すらおらず触れられることすらなかった。
    • 『III』を以ても物語は完結しないことは早いうちから公表されていたが、2019年のインタビューで鈴木氏は『III』でも「全体の40%ぐらい」までしか進まない旨を語っている。
      • 『II』で六章まで進んだはずだったのだが、当初の全11章という予定は変更されたのだろうか?
      • 一方、その後のインタビューでは、『III』はゲーム体験を面白くする為に原案を組み替えて再構成しており、「物語の○%を消化した」とは一概には言えないと語られている。いずれにせよ涼の「長き物語」はまだまだ終わらない…。
  • 前述の通り、莫大な開発費を投じた本シリーズだが、『一章』(I)こそ120万本もの売り上げを達成しているが、『II』では47万本程度と大きく売り上げを落とし、多大な赤字を出してしまった。
    • 『II』は基本こそ変わらないものの、システムの改善やストーリーのボリュームアップ、ゲーム性の向上、遊び要素の拡充と様々な点がパワーアップしており、ストーリーも本筋に入った事で大きく進行するなど、『I』から大幅な進化を遂げた作品である。
    • それでも売り上げを落とした主な要因は、発売までに時間が掛かったのとその時点で既に生産終了したハードであったのと、『I』ほど大掛かりな宣伝を行わなかった事、何より『I』で明らかになった本シリーズの人を選ぶゲーム性、『I』での物語の動かなさでユーザーに警戒されてしまった事などが挙げられる。
  • その後も続編が期待されたが、『II』までの商業的な失敗から実現には至らず、2004年には『シェンムーオンライン』が発表された。が、結局企画は立ち消えとなった
    • 鈴木氏は「この作品を以てシェンムーの物語を完結させる手段も考慮している」と言った旨を語っていたが、それも実現する事は無く、ストーリーは未完のまま時が流れた。
    • その後2010年にPC向けソーシャルゲーム『シェンムー街』が発表され、同年12月2日にサービスが開始されるも一年後の2011年12月26日にサービスが終了した。
  • こう言った経緯から続編は絶望的と思われていたが、2015年6月16日のE3にて『シェンムーIII』の製作の為にキックスターターを用いたクラウドファンディングの開始を発表、開始から僅か8時間半で目標最低額である200万ドルを達成し『シェンムーIII』の開発が正式に決定した。
    キックスターターのゲームソフト部門では、100万ドル突破の最速記録と投資金額の最多記録を達成している*19
    なおこの100万ドル突破に要した1時間44分は ギネス・ワールド・レコーズ認定の最速記録 となっている。またKickstarterが基本海外向けだったことから、後日日本語向けに追加のクラウドファンディングが行われ、総出資額は約720万ドル(約8億)となっている。 なお、鈴木氏がセガからライセンス使用許諾を得たという形を取っており、『III』の開発にはセガは関わっていない*20
    • 当初2017年下半期の発売を予定していたが、3度の延期を経て2019年11月19日に発売された。正式な告知から実際に発売されるまで、前2作を上回る期間の長さとなる。
    • ストーリーは勿論『II』から直接続いており、『II』のエンディングの翌日から始まるとされる。長い一晩だった。
  • 2018年4月14日、セガが『シェンムーI&II』を発表。『シェンムー 一章 横須賀』と『シェンムーII』のリマスター版がPS4で2018年11月22日に発売された*21
    • PS4版ではDC版の問題点であったロード時間が大幅に短縮されており、UIが使いやすく改良されていたり、いつでもどこでもセーブが可能(一部のイベント中を除く)となり快適にプレイできる。ミニゲームとして収録されていたセガのアーケードゲームもそのまま収録されており、今プレイするならPS4版をおすすめする。
      • 但し、シェンムーパスポートは未収録。当時のネット関連のコンテンツは今からでは無理だとしても、シアターモードやサウンドテストも収録されていたので少々残念。
      • また、開発が海外メーカーのためベースは海外版となっている。そのためタイアップ商品は架空の名称に変更されており、海外版で会話出来ないように変更された人物もそのまま等、オリジナルとは違っている。
  • 主人公の芭月涼は後に『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』に出演している。
    • 同作には龍が如くシリーズの主要キャラの桐生一馬と真島吾朗が『龍が如く OF THE END』枠で出演しており、セガの大作アクションアドベンチャー同士で共演を果たす事となった。
    • また、ある意味では本シリーズの源流であるバーチャファイターシリーズから結城晶達も出演しており、こちらとも共演している。
  • セガのレースゲームである『SONIC & SEGA ALL-STARS RACING』(PS3/360/Wii/Win、日本未発売)のプレイアブルキャラとして涼が参戦している。通常は大型バイクに乗っているというものだが、PS3/360版のみリリースされたDLCでは「 フォークリフトに乗った涼 」がプレイアブルキャラとして追加されており、「 高速駆動かつドリフトまでこなせるフォークリフトを操る涼 」という非常にシュールな絵面を垣間見ることが出来る*23
  • オープンワールドの元祖と言われる本作だが後年の鈴木氏によると、今で言うオープンワールドゲームのようなものを作ろうとしていた訳ではなく、「どんなゲームも目的があって、手段が限られていたが、手段をたくさん用意して自由に選びながら進んで目標に向かっていくというのがやりたかった」との事であり、『シェンムー』とオープンワールドは違うと語っている。
    • 鈴木氏はシミュレーションゲームばかり作っていた為、本作についても「シミュレーター」というイメージが強かったとの事。確かにゲーム的にはオープンワールドRPGと言うよりは作中世界のシミュレーションと言った方がしっくり来るかもしれない。
  • NHKは本作の開発現場を密着取材し、その様子を「ネットワーク・ジャングルIII 未来が見えた!デジタル新世紀」という1本の番組としてゲーム発売前に放映している。
    • 現場の生々しいやり取りも克明に記録されており、本作が如何に巨大なプロジェクトだったのかを知る事が出来る他、後から振り返ると何故商業的に失敗したのかその理由の一端を垣間見る事も出来る。
    • 『II』の最終盤のイベントの開発風景も描かれており、かなり先を見越して開発が進められていた事がうかがえる。
  • ただでさえ多いキャラクターだが、事前に公開された映像や体験版から削られたキャラも若干名いたりする。中には『I』で没になったと思いきや、『II』でまさかの登場したキャラも。
    • また、近年になって初公開された没キャラクターもいたりする。これは新作発表を受けて特別に公開したというわけではなく、当時のスタッフを召集する過程で、スタッフが個人的に保存していたデータから発掘されたそうである。
  • スカートを履いたモブ女性キャラクターは、スカート内まで作られているキャラとそうでないキャラに分かれている。どうやら通常プレイで中が見える可能性のあるキャラは、中まで作り込まれているようだ。これは『II』も同じである。
    • ちなみにアパートの二階に住む女子高生は、階段の裏から覗き込むことで中が見れることが一部で有名。しかし事前に階段裏で待機していると警戒して階段を利用しなくなる。本当に無駄に細かい……。
  • パッケージ裏には主要キャラと横須賀の街並みの一枚絵が並んでいる……と思いきや、何故か本編に一切関わらない八百屋の夫婦が入っている。しかもそれぞれ一枚ずつ。他に入れるべき重要キャラクターはいるのに、何故この二人を入れたのだろうか?。
  • 涼の友人の伊藤の家の前には門があり、常時開いているのだが、何故か見えない壁が存在し敷地内に入れない。ここ以外の全ての家の敷地に細かく入り込めるため、違和感がある。設定ミスで閉め忘れたのだろうか?。
  • 文字制限のためか、「スペースハリア」「シェンムコンテナ」といった名称のアイテムがある。
  • ガチャガチャのフィギュアは名前以外に説明が無く、登場した作品名等は一切わからない。キャラクター系はまだいいが、コンテナやトラック等、マニアックすぎて出典が分かりにくい物もある。この仕様は『II』もほぼ同じ。
  • 当時「ドリマガ」内で掲載されていたサムシング吉松氏の漫画「セガのゲームは世界いちぃぃぃ!」から「キャス子」「メガドラ兄さん」「ギア夫」「サタ朗」が、ガチャガチャのフィギュアとして登場している。
    • 出現率は相当低く設定されており、全て揃えるのは至難の業。なお権利関係の都合なのか、フィギュアではこれと湯川専務のみ『II』には引き継げない。
  • ガチャガチャフィギュアは上記の権利物以外『II』に引き継げ、また『II』内でも全て入手可能。しかし『II』ではゴールドデュラル以外は簡単に手に入るようになっており、本作の苦労が嘘のように大量に入手することも出来る。なおソニックのエッグマンのみ、『I』では普通だったのに『II』では何故かレアフィギュア化している。
  • 本作で手に入る謎のアイテム「白い葉」「歌訣の巻物」は、本作内では用途不明のまま終わり、『II』に引き継いでも一切触れられることなく終わる。
    • おそらく幻となった三作目で明らかになる予定だったと思われるが、約20年後に発売された『III』においても触れられていないようである。
  • 『II』に『バーチャファイターRPG アキラの章』と思われる、セガサターン版シェンムーの映像が収録されている。クリア後に閲覧可能。
    • 長くはないダイジェスト映像であるが、基本的な主要ストーリーはほぼそのままであると思われ、日本で父が殺されるシーンから香港、『II』のラストの莎花との出逢いまでが見れる。なお登場するキャラクターも主人公以外はほぼシェンムーと同じである。
    • 近年のインタビューにおいて、セガサターン版は格闘大会から始まる仕様だったと語られている。この格闘大会の模様は2022年製作のアニメで描かれた。
  • 発売から20年ほど経った2018年頃、あるサブイベントでヒロインの原崎と一緒に戦える裏技が発見された。
    • 不良に絡まれた原崎を助けるイベントで、条件を満たしつつ特定コマンドを素早く入力すると不良との戦闘に原崎が参戦するというもの。しかも一人で不良を倒してしまうほど強い助ける必要無かったんじゃ
      • 原崎は本来であれば武術の心得など無い普通の少女なのだが、この裏技では作中で涼が取得する大技を平然と使いこなす。その光景に加え、イベント時の「女だからって、見くびらないで!」「原崎、無茶すんな」という台詞も微妙にマッチしていてシュールな笑いを誘う。
    • この裏技は現場のスタッフがイタズラで仕込んだもの(謂わば、イースターエッグ)と思われ、なんと鈴木氏も2019年まで知らなかったとの事である。
    • 他にも、あるQTEで涼が真昇竜拳を放つ裏技も解析によって発見されている。
    • 上記の原崎参戦と同じでスタッフがイタズラで入れていたものだが、こちらは開発時にバレてしまいお蔵入りになったそうな。しかしデータそのものは残されており、隠しコマンドも受け付けてはいるが、実質不可能な入力時間に変えられており、チート等を用いらなければ出すことは出来ない。なお原崎参戦はかなり厳しいが通常プレイで出すことが可能らしい。
  • 本編の発売数ヶ月前より、DC本体や他DCソフトの購入特典として、体験版「What'sシェンムー~湯川元専務を探せ~」が配布された。
    • ドブ板の限られた場所しか移動が出来ないが、ゲームの雰囲気を充分に味わうことが出来る。また内容は体験版オリジナルで、ドブ板内に配置されたキャラクターも一部違っている。中には本編では没になったキャラクターも。
    • 湯川元専務は体験版だけではなく、本編にもレアフィギュアとして登場している他、条件を満たすことで隠しキャラとして出現する。
    • 湯川元専務は2021年6月20日に他界したことが2022年6月に判明した。
  • 2001年には本作の映像を使用して作られた『シェンムー・ザ・ムービー』が日本とアメリカで公開された。
    • ゲームのムービーをそのまま繋げただけという、こちらもある意味画期的な内容で、ファンの間でも賛否が分かれた。ちなみに『II』の特報映像が流れるのが目玉であった。
  • 2022年4月からTVアニメ『Shenmue the Animation』の放送が開始された。
    • 絵の古さが気になるものの、全体的な評価は良好でありすぐさまシーズン2が制作...されようとしていた矢先に本作に関わっているAdult Swim*24のプロデューサーであるJason DeMarco氏のツイートでシーズン2が白紙になってしまったことが明かされた。何とももったいない話である。

US Shenmue

【ゆーえす しぇんむー】

ジャンル FREE
対応機種 ドリームキャスト
メディア GD-ROM 4枚
発売・開発元 セガ
発売日 2001年7月5日
定価 3,000円(税別)
レーティング セガ審査:全年齢推奨
判定 賛否両論

概要(US)

  • 『シェンムー 一章 横須賀』の英語音声版。海外で発売されたシェンムーの逆輸入版である。
  • 音声が英語になっており、字幕やメモ帳は日本語と英語に切り替え可能。ゲームの内容自体は『シェンムー』と変わらない。
    • ただしゲームセンターのQTEゲームなど日本語音声の箇所もある。
  • 通常の『シェンムー』とのセーブデータに互換性があるため、途中から日本語音声版、また途中から英語音声版という遊び方も可能。
  • 本数が少なく、現在はプレミア価格となっている。
  • 通常版のタイアップ商品が架空のものに差し替えられている。

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最終更新:2023年12月03日 16:58

*1 PVやCMでも「RPGが変わる」というキャッチコピーが使われた。

*2 職業、年齢、身長、体重、生年月日、趣味趣向や日常生活等の人物設定、さらに人によっては細かく生い立ちまでもが設定されている。本編内では確認出来ないが、シェンムーパスポート内のキャラ設定の項目で詳細を見ることが出来た。

*3 因みに本作と『II』は『バーチャファイター』のエンジンを活用して作られている。

*4 だが、本来のフォークリフト操作ではタブーである荷物を上げたまま運転する。また、実際にフォークリフトを運転するには免許が必要。

*5 事実、攻略本のNPC一覧では「情報は貰えない」と書かれているキャラが相当数いる。

*6 特に聞く事が無ければ日常会話や「何か買うかい?」等と誘いを掛けてくれるが、涼が消極的に「いえ、やっぱりいいです」と会話を切ってしまう。

*7 自室のミニラジカセを入手したり、トムのキッチンカーに置かれてるラジカセで聴くことも可能。しかしミニラジカセは電池が定期的に必要で、トムの方はドブ板か港まで行く必要があり不自由。

*8 座ってプレイする簡易型の筐体で、コースがより難しめに調整されている。続編である『スーパーハングオン』も同様、筐体によりコースのレイアウトが異なる。

*9 セガサターンは1994年11月22日発売で、当時はPS、MDの拡張周辺機器である32Xより先に発売された。ちなみにメガドライブは1988年10月29日発売。

*10 但し、本編で共に戦った相棒が居ない為、難易度は上がっている。

*11 セガ繋がりでは、冲方氏は後にあの『セガガガ』のシナリオも手掛ける事になる。

*12 奇しくもライバルハードであるプレイステーションの発売日が本編開始初日であるが、狙ったのか否かは不明。

*13 藍帝が再度道場に現れるが、涼が返り討ちにあいバッドエンド。

*14 バイトそのものは5時に終わるのだが、情報収集と称して夜8時まで港から離れようとしない。

*15 涼のモーションアクターも兼任している。

*16 松風氏自身、スーパー戦隊シリーズ21作目である「電磁戦隊メガレンジャー」のメガブルー(並樹瞬)役が役者としてのデビュー作で、同役でのアフレコ経験もあることから声の演技そのものに問題があるわけではない。あくまで「別分野で求められる演技にまだ慣れていない」ということである。

*17 安氏本人も『I&II』発売時に「10代で声優初挑戦ということでとてもガチガチに緊張して収録した」「きっといまなら、もうちょっと上手にできるはず」と語っている。

*18 その前の章で実質的なラスボスを倒しており、以降はバトルも無い為、実際は長いエンディングのようなもの。

*19 両者共に旧記録保持者は「Bloodstained:Retual of the Night」だった。

*20 企画・監修は鈴木氏の会社であるYS-NETが担当し、開発は本作のメインプログラマーであった平井武史氏が社長を務めるネイロが担当。また、ワールドワイドパブリッシャーとしてドイツのDeep Silverが務めることとなった。

*21 国内はPS4版のみだが、海外ではPS4のほかXboxOne、Windows(Steam)版が2018年の8月に発売されている。尚、2020年9月現在、Windows版については一部の外部サイトで日本からでも有効化できる正規のSteamキーを販売しているサイトがあり、「日本ではWindows版をプレイすることそのものが不可能」というわけではない。また、自己責任になるが日本語化も可能。

*22 『ジェット セット ラジオ』を製作したスマイルビットは2003年に名越稔洋氏が社長を務めていたアミューズメントヴィジョンに開発業務が移行し、その後に『龍が如く』が作られた。

*23 WiiとPC版ではこのDLCはリリースされなかったが、案の定PC版は「フォークリフト涼」のMODが作られている。

*24 米国カートゥーンネットワークの深夜枠名。ブーンドックスといった明らかに子供を対象としていないカートゥーンや日本の深夜アニメ・少年アニメが枠内にて放送されている。