【しぇんむー いっしょう よこすか】
ジャンル | FREE | ![]() |
対応機種 | ドリームキャスト | |
メディア | GD-ROM 4枚 | |
発売・開発元 | セガ・エンタープライゼス | |
発売日 | 1999年12月29日 | |
定価 | 4,500円 | |
プレイ人数 | 1人 | |
定価 | 6,800円(税別) | |
レーティング | セガ審査:全年齢推奨 | |
周辺機器 | モデム、ビジュアルメモリ、VGA対応 | |
判定 | 賛否両論 | |
ポイント |
総製作費70億円 ジャンル「FREE」の名に恥じない作り込みの凄さ それがゲームの面白さに繋がるかはプレイヤー次第 |
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シェンムーシリーズ
一章 (US) / II / I&II / III |
『バーチャファイター』の生みの親として知られる鈴木裕氏が製作したドリームキャストソフト。
元々『バーチャファイターRPG アキラの章』という結城晶の物語として当初はセガサターン専用タイトルとして開発されていたが、ドリームキャストのハード移行に伴いタイトルが『シェンムー』に改められ主人公もオリジナルキャラに変更された。
ジャンルは「FREE」と称している。「Full Reactive Eyes Entertainment (完全な 反応する 目に見える 娯楽)」の略で、既存のRPGを覆す作り込みの濃さを表している(*1)。
全11章予定であり、今作はそのプロローグである一章を3倍近くにボリュームを膨らませて1つの作品にしている。
ディスクは4枚組だが、本編はディスク3まで。ディスク4は本編のムービーやBGMを閲覧出来るおまけ要素や、当時としては画期的なインターネットを用いた様々なコンテンツが遊べる「シェンムーパスポート」を収録している。
1986年11月29日、横須賀に住む高校3年生の芭月涼は、
自宅である柔術道場「芭月武館」に帰ると父である芭月巌が中華服を着た謎の男に襲われている現場に出くわす。謎の男は巌が所持する鏡をよこせと言い、巌は頑なに拒むも圧倒的な強さの前に敗れ、
更に帰ってきた涼を人質に取られて泣く泣く在り処を教える。謎の男は部下に鏡の在り処を探させ、巌に「趙孫名を覚えているな…孟村で、お前が殺した男の名だ」と言い巌にトドメの一撃を放つ。
その直後に鏡を見つけ出した部下が現れ、部下の口から謎の男の名前は「藍帝」だと判明し、藍帝は鏡を奪い道場から立ち去る。
藍帝にやられた巌は最後の力を振り絞り涼に「愛すべき友を持て」と言い残し絶命する。
父を目の前で殺された涼は藍帝への仇討ち、そして父が殺された真相を探る為に藍帝を探すことに決めたのだった。
作り込まれた横須賀の街
膨大な寄り道要素
バトル・QTE
メモ帳
フォークリフトアルバイト
「無駄」に作り込まれた街
寄り道要素
バトル・QTE
ゲームの流れ
シナリオ関連
クリアまでの時間制限
シェンムーパスポート
自由度の低さ
テンポの悪さ
操作性やゲーム性
ボイスの問題
持ち歩けない地図
中盤の潜入ミッション
終盤のバイク操作
ドリームキャストを代表する総製作費70億円の超大作ゲーム。既存のゲームの制約にメスを入れ、圧倒的な作り込みを実現した。
しかし、自由度の低さや物語の薄さ、テンポの悪さなど純粋なゲームとしてみた場合の問題点が散見されるため、「外堀の部分の作りこみに注力しすぎでは?」と思えてしまうのも事実。そして「その作り込みもゲームの面白さの内と感じられるか否か」も、プレイヤーの感性によって大きく左右されてしまう。
結果として、リアリティにこだわり尽くした唯一無二の名作という意見と、ただただ無駄に金と手間だけがかかった駄作という意見の真っ二つに分かれる。
莫大な製作費をかけた割には商業的にも成功したとは言えず、ドリームキャストの生産中止もあって構想にあった続編も当初の予定通りには発売されなかった。
あまりのハードルの高さ故に発売からすぐに売り払った人間も多かったため中古屋に安値で陳列されることになったが、ハマった人間も少なくはなく、今なお根強いファンが多く存在する。その点、ゲームとしては純粋に褒められる出来とは決して言えないが、少なからぬ数の人を惹きつけるだけの魅力が確かに存在していたと言える。
本作の商業的な失敗と経験は後にゲームとして遊び易い形に洗練の上昇華され、同社の『龍が如く』に活かされることになる。
また、自由度は低くとも現実に近い世界を3Dのオープンワールドで表現したゲームの先駆け的存在であるのは確かであり、かの『Grand Theft Auto III』を始め、数多くのオープンワールドゲームに多大な影響を与えた事も間違いない。そういう意味でも、意義のある作品だったと言えるだろう。
【ゆーえす しぇんむー】
ジャンル | FREE | ![]() |
対応機種 | ドリームキャスト | |
メディア | GD-ROM 4枚 | |
発売・開発元 | セガ | |
発売日 | 2001年7月5日 | |
定価 | 3,000円(税別) | |
レーティング | セガ審査:全年齢推奨 | |
判定 | 賛否両論 |
*1 PVやCMでも「RPGが変わる」というキャッチコピーが使われた。
*2 職業、年齢、身長、体重、生年月日、趣味趣向や日常生活等の人物設定、さらに人によっては細かく生い立ちまでもが設定されている。本編内では確認出来ないが、シェンムーパスポート内のキャラ設定の項目で詳細を見ることが出来た。
*3 因みに本作と『II』は『バーチャファイター』のエンジンを活用して作られている。
*4 だが、本来のフォークリフト操作ではタブーである荷物を上げたまま運転する。また、実際にフォークリフトを運転するには免許が必要。
*5 事実、攻略本のNPC一覧では「情報は貰えない」と書かれているキャラが相当数いる。
*6 特に聞く事が無ければ日常会話や「何か買うかい?」等と誘いを掛けてくれるが、涼が消極的に「いえ、やっぱりいいです」と会話を切ってしまう。
*7 自室のミニラジカセを入手したり、トムのキッチンカーに置かれてるラジカセで聴くことも可能。しかしミニラジカセは電池が定期的に必要で、トムの方はドブ板か港まで行く必要があり不自由。
*8 座ってプレイする簡易型の筐体で、コースがより難しめに調整されている。続編である『スーパーハングオン』も同様に筐体によりコースのレイアウトが異なる。
*9 セガサターンは1994年11月22日発売で、当時はPS及びMDの拡張周辺機器である32Xより先に発売された。ちなみにメガドライブは1988年10月29日発売。
*10 但し、本編で共に戦った相棒が居ない為、難易度は上がっている。
*11 セガ繋がりでは、冲方氏は後にあの『セガガガ』のシナリオも手掛ける事になる。
*12 奇しくもライバルハードであるプレイステーションの発売日が本編開始初日であるが、狙ったのか否かは不明。
*13 夢の中に玲莎花が現れ「桜が散る時、龍が道を閉ざしてしまう、急いで」と伝える。桜が散る時=4月以降にタイムリミットが来る事を暗に告げている内容である。
*14 藍帝が鏡を探しに再度道場に現れるが、涼が返り討ちにあいバッドエンド。
*15 バイトそのものは5時に終わるのだが、情報収集と称して夜8時まで港から離れようとしない。
*16 涼のモーションアクターも兼任している。
*17 松風氏自身、スーパー戦隊シリーズ21作目である「電磁戦隊メガレンジャー」のメガブルー(並樹瞬)役が役者としてのデビュー作で、同役でのアフレコ経験もあることから声の演技そのものに問題があるわけではない。あくまで「別分野で求められる演技にまだ慣れていない」ということである。
*18 安氏本人も『I&II』発売時に「10代で声優初挑戦ということでとてもガチガチに緊張して収録した」「きっといまなら、もうちょっと上手にできるはず」と語っている。
*19 その前の章で実質的なラスボスを倒しており、以降はバトルも無い為、実際は長いエンディングのようなもの。
*20 両者共に旧記録保持者は「Bloodstained:Retual of the Night」だった。
*21 企画・監修は鈴木氏の会社であるYS-NETが担当し、開発は本作のメインプログラマーであった平井武史氏が社長を務めるネイロが担当。また、ワールドワイドパブリッシャーとしてドイツのDeep Silverが務めることとなった。
*22 国内はPS4版のみだが、海外ではPS4のほかXboxOne、Windows(Steam)版が2018年の8月に発売されている。尚、2020年9月現在、Windows版については一部の外部サイトで日本からでも有効化できる正規のSteamキーを販売しているサイトがあり、「日本ではWindows版をプレイすることそのものが不可能」というわけではない。また、自己責任になるが日本語化も可能。
*23 『ジェット セット ラジオ』を製作したスマイルビットは2003年に名越稔洋氏が社長を務めていたアミューズメントヴィジョンに開発業務が移行し、その後に『龍が如く』が作られた。
*24 WiiとPC版ではこのDLCはリリースされなかったが、案の定PC版は「フォークリフト涼」のMODが作られている。
*25 米国カートゥーンネットワークの深夜枠名。ブーンドックスといった明らかに子供を対象としていないカートゥーンや日本の深夜アニメ・少年アニメが枠内にて放送されている。