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Z編 -真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍 -天元突破グレンラガン -劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇 -★ふしぎの海のナディア -本作では、ガンダムシリーズの準新作であり、宇宙世紀と密接なかかわりを持つ『ガンダム Gのレコンギスタ』、これとほぼ同時期に放映されたサンライズの『バディ・コンプレックス』シリーズ、『[[スーパーロボット大戦V]]』の『宇宙戦艦ヤマト2199』に引き続き、戦艦を主体とした『ふしぎの海のナディア』が新たに参戦。そして、1980年代後半のロボットアニメの中でも特に人気を集めており、多くのファンから参戦を待ち望まれていた『魔神英雄伝ワタル』がついにお披露目となった。 --また、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』は、クレジットされるのは初めてだが、この作品に登場する「Hi-νガンダム」や「ナイチンゲール」は過去作にも登場しているため、新規参戦という扱いにはなっていない。 #endregion ---- **評価点 ***システム -合体攻撃の仕様変更 --シリーズでは、複数のユニットが協力して行う「合体攻撃」と呼ばれる要素があるが、従来の作品では、協力するユニットの全てがマップに出撃している必要があり、特に4~5機で行う場合は窮屈を強いられていた。 --本作ではこの要素を改善し、起点となるユニットが出撃していれば、その合体攻撃を使えるようになった。俗に言う「召喚攻撃」のようなもの。 ---ただし参加ユニットが少なくなるにつれて威力は激減し、1機だけの場合は普通の攻撃より威力が低くなってしまう場合も多い。 ---一方で、合体攻撃のアニメーション鑑賞が容易になった事、通常の攻撃とは違う合体攻撃ならではの個性(「消費ENこそ多めだが射程に優れている」「元々多くの機体を必要とするためにEN消費が少ない」など)で運用の幅が広がった事などを考慮すると、優れた救済策と言える。 --なお、この仕様変更については事前に告知が無かったため、ユーザーだけでなく一部のスタッフや関係者からも「バグではないか」と疑われたことがあるらしい。 -新難易度「エキスパート」の追加 --歯ごたえのあるプレイを楽しみたいというユーザーに応える形で、新たな難易度である「エキスパート」が追加された。これは「最初から難易度がハード固定」「敵の改造段階が難易度ハードよりさらに3段階増加している」というもの。 ---とりわけボスユニットは一度の改造におけるステータスの上昇値が高いため、精神コマンドなしでは手も足も出なくなるほど。防御力の高いボス相手であればスーパーロボットクラスの必殺技ですら無改造なら最低ダメージの場合もあるという異様なレベルになる。 --『OGシリーズ』などに実装されていた「EXハードモード」と違い1周目からプレイ可能。概ね「クリアすればスペシャルモードが解禁される」という恩恵があったEXハードとは違い、「全てのSRポイント獲得条件が一度も敗北せずにシナリオクリアする」というものとなった。 ---そのため、どんな条件が設定されているか知らずにプラチナトロフィー獲得まで行く可能性もある。 --この要素は、最近リリースされた『V』や『[[スーパーロボット大戦BX]]』などが低い難易度だったということもあり、結果的にいいスパイスとして機能した。 -オープニングアニメーション・デモムービーの復活 --『V』はPS系統のスパロボでは珍しくオープニングアニメーションが存在しなかったためにユーザーからの不満を買っていたが、本作はオープニングアニメーションが復活した。 ---本作のオープニングムービーは、異世界モノらしいファンタジックな内容になっている。また、シリーズオリジナルキャラの「ギリアム・イェーガー」役などを演じた田中秀幸氏によるナレーションが挿入されており、一度クリアするとその意味がわかるようになっている。 --また、『[[α>スーパーロボット大戦α]]』等で見受けられたものの、最近のシリーズ作品ではまったく見られていなかったデモムービーも、久しぶりに本作で見られるようになった。 ---主に『ワタル』や『勇者特急マイトガイン』関連が該当。『マイトガイン』は前回参戦した『V』に合体ムービーが存在しなかったため、本作で見られたことを喜ぶ声も多い。 -シナリオデモの演出の強化 --前作『V』と同様に、シナリオデモではバストアップの演出がなされている。 ---さらに本作では、特殊な一枚絵((具体例を挙げると、龍神丸の覚醒シーンや、「ナディア」のクライマックスでネオ皇帝が支配に抗おうとするシーンなど。))が頻繁に挿入されており、演出の強化に一役買っている。 -ユニークな強化パーツ --本作においてもさまざまな強化パーツが存在し、味方ユニットの強化に一役買っているが、ただ単純に機体の性能を上げるのではなく、スパロボにおけるシステムを上手く活かしたものが存在する。 ---ひとつは、最強武器の攻撃力を5500に固定する「エクストラアームズ」。主人公機などの強力な機体は、改造次第で5500を越える攻撃力を簡単に叩きだせるため使う意味はないが、修理や補給が本分のユニットなどの攻撃力の補強に大いに役立つ。こういった機体は、武器の燃費がいい事も追い風となっている。 ---もうひとつは、こちら側の命中率が70%以上なら確実に命中し、敵の命中率が30%以下なら確実に回避できる「因果律操作装置」。かつて存在したスキルである「ハーフカット」をより強力にしたもので、特に「集中」を修得するパイロットの搭乗する機体に取り付ける事で、高い効果を発揮する。 --なお、これらのパーツは強力な効果を持つゆえに希少品で、特に因果律操作装置はシークレットマップで一つ入手できるのみとなっている。 -戦闘アニメーション --スパロボのアイデンティティとすら言われる、戦闘によるアニメーションは本作でも好評。特に、「龍王丸」と「G-セルフ」に関してはほぼ満場一致で絶賛されている。 -BGM --今作の新規BGMは「サラマンダー・ファクトリー」のアレンジではなくなっているため、他の作品のBGMでは聴けないような独特なアレンジになっている。 ---「BLAZING」「UNISONIA」のようなエレキギターなアレンジや、「ダンバインとぶ」「Gの閃光」などのようなジャズ感のあるアレンジが流れるが、いずれも原曲の雰囲気を崩さないアレンジとなっており好評。 ---選曲も良く、COMPACTシリーズ以来の「聖戦士たち」の前半部分と後半部分も採用されている。 --一方で、初回限定生産版では、「君を見つめて」や、「Neo Atlantis」などの人気曲が、原曲のまま収録されており、実際にゲーム中で聴く事ができる。 --カスタムサウンドトラックも健在で、『V』と同様、戦闘曲のみならず、マップやシナリオデモにおけるBGMをプレイヤーの手で自由にカスタマイズすることが可能。 --また、収録曲に限られるが、開始位置を「最初から」と「途中から」から選択できるようになった。途中からの再生開始位置は曲によってまちまちだが、いきなりサビから始まったり長いイントロがカットされてボーカル部分から始まるなど、盛り上がる部分から再生する事が可能になった。 --オリジナルの楽曲は、本作でも好評。特に女主人公のBGMである「旅立ちの季節」「振り向かないと決めた日」の評価が高い。 -「ドグマ」 --主人公機は、ファクトリーで「Magicカスタマイズ」を行なうことで、「ドグマ」と呼ばれる6種類の特殊能力を使えるようになるという独自システムが搭載されている。 ---もっとも、『[[第3次Z天獄篇>第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇/天獄篇/連獄篇]]』のソーラリアンほど強力ではなく、早期に覚えられるものは範囲内の一体のSP25回復や範囲内全機のEN50等、困ったときにあると便利、程度ではある。 ---ただしポイント条件の厳しい後半になると、「周囲2マスの敵全員の性能ダウンとEN-100」「4マス以内の味方機一体を同じ範囲内で好きに動かす」「3マス以内の1機に「魂」「気迫」「ダイレクトアタック」「スマッシュヒット(効果は1戦闘のみ)」をかける」等、強力な物も使えるようになる。 ---なお、これらのドグマは、1マップに1度しか使用できない。 //主人公機の目だって強力な独自要素はこっちへ移動 //後半3つは十分強いと思う -前作と比べバグが大幅に減った(2018年9月現在) --『V』の「資金マイナスバグ」や「スキルバグ」のようなプレイヤーが不利になるバグが見られず、安心してプレイができるようになった。 -エーストークの改善 --『V』では、エーストークを行う時期によって矛盾が発生することがある問題があったが、本作ではそういったキャラには複数のパターンを用意したことで解決している。 ***シナリオ ''新規参戦関連'' -前述した4つ(バディ・コンプレックスシリーズを1つの作品と考えた場合)の新規参戦作品は、いずれも本作のストーリーの中核を担っている。 -中でも『魔神英雄伝ワタル』は、本作の中心と言っても過言ではない。本作の当初の目的自体が「ドアクダー打倒」という内容でほぼ一貫しており、プレイヤー部隊は、救世主である「戦部ワタル」と、その仲間達という体裁になっている。~ いわゆる「異世界召喚」ジャンルの先駆けということもあり、ファンタジー要素が豊富な本作において、重要な役割を果たしている。 --ワタルと、彼の搭乗機であり相棒でもある「龍神丸」は、最初こそ力不足な面も見受けられるが、成長するにつれてその実力を発揮できるようになり、終盤では最強ユニットの一角として機能するようになる。 --敵対者も、「ドアクダー」やその息子である「虎王」、腹心の「ドン・ゴロ」、「ザン兄弟」のほか、全ての界層ボスが登場する。さらにアル・ワース各地に創界山の各界層を原作再現したエリアがある形に改変されているため、界層ボスはその全員が、『ワタル』以外の作品の登場人物と密接に関わる機会があり、秀逸なクロスオーバーの一つとして機能している。それ以外にも、下記にいくつか見受けられるように世界観に関わるレベルのクロスオーバーが非常に多く、参戦作品の中でも随一とされている。 #region(界層ボスと他版権キャラの関連について) -第一界層のボスである「クルージング・トム」は、『聖戦士ダンバイン』のドレイク軍の残党や、『天元突破グレンラガン』の獣人などの取り込みに積極的で、その中で、「ヴィラル」や「トッド・ギネス」を自軍に引き入れる事に成功している。もっとも、双方とも後に愛想を尽かされて出奔されており、ヴィラルやトッドが自軍入りした際には、彼の人望のなさが言及されている。 -第二界層のボス「デス・ゴッド」は、『コードギアス 反逆のルルーシュR2』のキャラクターとの絡みが濃厚。中でも「ルルーシュ・ランペルージ」の事は、元の世界における所業から「魔王」と呼んで恐れており、自分と同じく悪の側にいると信じて疑わないまま、味方に引き入れようと躍起になっていた。しかし、いわゆる偽悪者であるルルーシュと思考が一致するはずもなく、あえなく敵対する羽目に陥っている。それどころか、結果的にとはいえ、ルルーシュ復活の功労者にすらなっている。また死神つながりで『新機動戦記ガンダムW』のデュオ・マックスウェルをライバル視する場面があり、お互いに特殊戦闘セリフがある。 -第三界層のボス「ソイヤ・ソイヤ」は、直情的な思考が『真マジンガー 衝撃!Z篇』の「兜甲児」と似通っており、互いにライバル視する一幕がある。 -第四界層のボス「ドクトル・コスモ」は、姑息な手段を用いて、ワタルと『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』の主人公である「アンジュ」を陥れようとする。しかし、目論見が見事に失敗し、自分の失敗を認めようとしないコスモに対し、アンジュが呆れ返るというシーンがある。 -第五界層のボス「アック・スモッグル」は、『機動戦士ガンダムΖΖ』の「マシュマー・セロ」を操り、用心棒として自軍に加えているというシーンがあり、後に正気に戻ったマシュマーから、怒りを向けられている。ただし、進行ルートの関係上、マシュマーがスモッグルと再会する事はないため、彼との因縁は「忍部幻龍斎」が言及するにとどまっている。 -第六界層のボス「ビビデ・ババ・デブー」は、かつて敗れたトッドを拾っており、後に敵対する事になりながらも感謝の意を向けられている。また、魔法使いということもあり、味方側の魔法使いである「イオリ・アイオライト」、「アマリ・アクアマリン」とも因縁が生じている。 #endregion -いわゆる「タイム・リープ」を描いている『バディ・コンプレックス』は、『Gのレコンギスタ』や『新機動戦記ガンダムW』、および『クロスアンジュ』とのクロスオーバーが目立つ。 --互いに明るい性格であるうえ、一人の女性のために戦うという共通点を持つ「渡瀬青葉」と「ベルリ・ゼナム」は、早々に打ち解けており、親友と言っても過言ではないポジションに落ち着いている。 --どこかOZと共通した雰囲気があるためかゾギリア軍と『新機動戦記ガンダムW』のキャラクターは関わることが多い。 --自分の思い通りの世界を作ろうとしている「エンブリヲ」にとって、時間軸に干渉できるカップリング・システムは極めて都合が悪く、これを阻止するために元の世界に干渉を行っており、この事を敵・味方問わず強く憎まれている。 --原作において恋愛感情のもつれから嫉妬を爆発させて破滅への道を走る事になったライバルキャラ「ビゾン・ジェラフィル」が救済されている。ゼロシステムによってある程度の未来が予測できる「ヒイロ・ユイ」の行動により、結果的に破滅の道に進まないようになっており、条件を満たす事でビゾン自身が青葉や「ヒナ・リャザン」と和解するという展開を見る事ができる。さらに、未来の自身である「エフゲニー・ケダール」と戦闘でき、シリーズ初となる、過去と未来の自分自身の戦いを再現することが可能となっている。 -『ふしぎの海のナディア』は、本作の世界観の関係上、潜水艦である「ノーチラス号」は登場しないが、その代わりに本来終盤に登場する「N-ノーチラス号」の参戦が大幅に前倒しされている。その性能も『V』の「宇宙戦艦ヤマト」には及ばないものの、戦艦ユニットの中では最強レベルの一角となっている。 --主人公である「ナディア」は原作ではやや極端な性格をしており、必ずしも好かれる人物としては描かれていなかった。本作では序盤こそ協調性に欠ける言動が見られたものの、自軍の仲間達との交流によってその改善が早められており、その魅力を早いうちから見られるようになっている((過去作でいうとTV版『機動戦士Ζガンダム』のカミーユが近いか。))。なお、ナディアとジャンは主役格ながら原作通り非戦闘員だが、中断メッセージ用にボイスが収録されているのも嬉しいところ。 ''既存作品関連'' -最凶のマジンガーとして知られる「マジンガーZERO」が引き続き参戦し、なおかつ本作では、原作『真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍』同様、この機体が強力な敵として登場している。その実力は、「マジンガー」の世界においても最強クラスとされる「暗黒大将軍」や「闇の帝王」すら凌駕しており、さらに「自分以外のマジンガーの存在を許さない」という行動理念によって、そのパイロットである甲児や「剣鉄也」を執拗に追い詰めようとする。 --これに対し、二人も「マジンガーZ」、および「グレートマジンガー」を上回る性能を誇る二つの魔神皇帝「マジンカイザー」「マジンエンペラーG」を使い、ZEROに対抗。魔神皇帝同士の合体攻撃である「魔神双皇撃」も追加され、多くのマジンガーファンを喜ばせた。 --事前告知の通り、本作のマジンカイザーはOVA版準拠ではなく、『[[α外伝>スーパーロボット大戦α外伝]]』以来のスパロボオリジナル設定での参戦となる((『第2次α』『第3次α』のマジンカイザーはOVA版の発売が近かったこともあってOVA版準拠のデザインに変更されている。))。『真マジンガー』版の甲児がカイザーに乗るのは本作が初の試みとなる。 ---さらにBGMも「マジンカイザー」((タイトルがよく似ているため誤解されやすいが、OVA版の「マジンカイザーのテーマ」ではなく、『αシリーズ』などで採用された方である。))が採用されており、限定版では水木一郎氏の熱唱をバックに戦闘出来る為、ファンを歓喜させた。 --本作初のオリジナルBGMである「覇王、大地に立つ」は汎用BGMであるがマジンガーZEROが登場する時にほぼ必ず流れ、まさに絶体絶命の状況を表すような雰囲気を出している。 ---本作のifルートは、マジンガーに深くかかわるものとなっている。これは、因果律を操作する役割を持つマジンガーZEROの存在が大きく、ifルートを達成した時のみ、マジンガーZEROを使用可能になるというサービスがつく。 -『コードギアス』関連においては、前述したデス・ゴッドの介入のほかにも、舞台の関係上、死者さえ復活しているという状況で、ルルーシュにまつわる非常に意外なキャラが復活&暗躍しており、それに対してDVE付きオリジナル展開でもって締める、というなかなか燃えるイベントとなっている。 --『クロスアンジュ』とのクロスオーバーも魅力の一つ。根は善人ながらも、目的のためなら手段を選ばないという共通点を持つアンジュとルルーシュの対比が度々なされており、アルゼナルのメンバーからは「男アンジュ」と呼ばれる事もある。また、『バディ・コンプレックス』の「隼鷹・ディオ・ウェインバーグ」ともども、「足が不自由な妹がいる」という共通点を持ち、これにおいてもクロスオーバーのひとつとして機能している。 -『聖戦士ダンバイン』は、立ち位置としては『[[スーパーロボット大戦UX]]』に近く、原作終了後となっている。主人公の「ショウ・ザマ」やヒロインである「マーベル・フローズン」、ライバルである「トッド・ギネス」らが原作同様一度死を迎えたはずという展開になっており、前述したルルーシュの件も併せて、本作の舞台であるアル・ワースの謎に迫っていくことになる。 --ショウ達の参戦時期は非常に早く、『ワタル』などとのクロスオーバーも充実している。 --単独で召喚されたため、オーラ・シップにこそ乗らないものの、「シーラ・ラパーナ」や「ショット・ウェポン」なども登場。特にショットは、アル・ワースの成り立ちにおいてもほぼ独断で解明しているなど、本作でも非凡な才能を見せてくれる。 --主役機である「ビルバイン」には本作で初めて「ハイパーオーラ斬り」を凌駕する必殺技「オーラシュート」が追加。ショウ搭乗時限定という制約はあるが、屈指の威力を誇る上にアニメーションの出来栄えも非常に秀逸で、その存在感は決して他作品に劣っていない。 -『New Story of Aura Battler DUNBINE』は主人公「シオン・ザバ」は今回も参戦せず((作品自体は今まで7作に参戦しているが、シオンが登場したのはわずか一作のみ。次回作でようやく声付きでの参戦が叶った。))、「サーバイン」と「シルキー・マウ」のみの参戦だが、その分演出等には力が入っている。 --シオンが登場する『[[スーパーロボット大戦COMPACT3]]』以外では本作で初めて「サーバイン」を無条件で入手できるようになった。 ---性能面でも、攻撃力においては前述したように新たな武器を獲得したビルバインには及ばない代わりに、シールドが新たに搭載されているため防御に優れているほか、強化パーツのスロットもひとつ多い。今までは純粋なビルバインの強化版とされていたが、本作においては、攻撃力で劣る代わりに使い勝手の面で優れるという形で、うまい具合に差別化が図られている。 --フェラリオである「シルキー・マウ」が機体固定のサブパイロットとして、スパロボ初となるCV付きで参戦。 ---ショウを搭乗させることで、彼とチャム、シルキーの3人乗りも可能になっている。台詞やカットインは共通で使えるように作られており、他のキャラを乗せた場合でも喋ったりカットインに出てきてくれる。 -『勇者特急マイトガイン』は、1年前の前作『V』に引き続いての参戦となるが、ところどころに新たな試みが実現されている。 --デモムービーが復活した関係で、「マイトガイン」および「グレートマイトガイン」の合体シーンが追加された。さらに、原作でも一話のみ披露された合体攻撃「ジョイントドラゴンファイヤー」が新たに追加され、これを知るファンを唸らせた。 ---ジョイントドラゴンファイヤーは原作だと5機で行われるが、本作ではこれに「ブラックマイトガイン」も加わった夢の六体連結で繰り出される。前述した通り、本作の合体攻撃は全員が出撃していなくても実行できるので、数が増えた事で窮屈になったということもない。 -『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』は原作再現は多少控えめとなった((元々クロスアンジュはかなり「性的にも」過激な描写が存在する上、前作である『V』で一通りの原作再現をしていた。ので、全年齢対象の家庭用機では再現しにくい部分が多いし、同じことをやってもしょうがないという事実もある。))が、代わりに上述の通り各参戦作品とのクロスオーバーが多い。 --上記の他にも、アウラの民が『ワタル』の神部七龍神の恩恵を受けたというクロスオーバーがあり、その影響から、サラマンディーネが龍神丸に対して執心しているという描写が見受けられた。 ''ガンダム関連'' -前述した通り、新規参戦作品のひとつである『Gのレコンギスタ』は、本作にも多く参戦している「宇宙世紀」の遠い未来である「リギルド・センチュリー」が舞台とされている。本作においてもこの設定はもちろん活かされており、リギルド・センチュリーの存在自体が、「シャア・アズナブル」が敵対する理由の一つとして取りざたされている。 --主人公であるベルリは、前述した青葉との友人関係のみならず、その明るく前向きな姿勢で自軍を引っ張る原動力として機能しているほか、原作でも多々見られた聡明な面を幾度も覗かせており、宇宙世紀の中心人物として広く知られている「アムロ・レイ」やシャアからも、未来に希望を見出すほどの高い評価を受けている。 --原作においても黒幕として暗躍し続けた「クンパ・ルシータ」は、「アル・ワース」に召喚され、過去や異世界の存在を目の当たりにした事で自らの野望を果たすために動き、自軍、敵軍共に大いにかき乱している。その中で、自らが管理していた「ヘルメスの薔薇」((端的に言えば、かつて存在したモビルスーツの設計図の集合体のようなもの。))を流出させる事で、原作では博物館に飾られている程度だった宇宙世紀のモビルスーツが多数作られ、「キャピタル・アーミィ」、「ドレット軍」、「ジット団」など、クンパが陰で操っていた部隊に多数配備されている。 ---ヘルメスの薔薇の影響で、宇宙世紀とリギルド・センチュリーのクロスオーバーと言える描写も数多い((ライバルキャラである「マスク」が、ヘルメスの薔薇から再現した「ジェガン」を誇り、事情を知らない『ガンダムΖΖ』のキャラである「ジュドー・アーシタ」が、それを非難するというものや、味方パイロットである「クリム・ニック」が、ヘルメスの薔薇から組み上げられた「ヤクト・ドーガ」に乗ったはいいものの、ニュータイプ専用武装である「ファンネル」が使えずに機能不全を疑うなど。))。 ---さらに「Hi-νガンダム」「ナイチンゲール」「ラフレシア」「クロスボーン・ガンダムX1フルクロス」など、元の世界から持ち込まれたものではなく、ヘルメスの薔薇から作り上げられたという設定の機体も多い。~ このうち、フルクロスは『V』から引き続き使用可能で、Hi-νガンダムやナイチンゲールは、実に10年以上ぶりに味方機体として使えるようになった((ナイチンゲールは条件付だが、達成は難しくない。))。元の機体よりスペックが上がっており、さらにMAP兵器まで備えているなど、至れり尽くせり。 前作『V』と同様、本作でもα・アジールが入手可能だが、本作はヘルメスの薔薇で開発された影響で、ニュータイプでなくても「ファンネル」が使用できる。このため、ニュータイプが不足している『Gレコ』のパイロットの大きな助けとなっている((なお、本作ではクェスではなく、ジット団のクンが搭乗しているというクロスオーバーがなされている。)) --また、ベルリが教官である「デレンセン・サマター」を殺害してしまった事を、デレンセンの同僚である「ケルベス・ヨー」に告白したり、「マニィ・アンバサダ」がキャピタル・アーミィに加入する時期が早められている関係で、友人である「ノレド・ナグ」と躊躇いつつも敵対するなど、原作でなされていなかった描写も存在する。 --原作では敵対したまま死亡してしまうパイロットの多くを自軍に加えられる点も大きな魅力の一つ。シリーズには幾度か参戦しているものの、その立場上、味方になる事はなかった「グレミー・トト」をはじめ、「バララ・ペオール」((彼女に関しては原作だと生死不明という扱い。))「キア・ムベッキ」「ロックパイ・ゲティ」などを、条件付きではあるが加入させられるようになっている。 ---また、生き残るものの、原作では最後まで敵対関係だった「マスク」やマニィも、機体ごと味方に加入させることが可能となった。 --敵対したまま終わってしまうものの、『F91』の「カロッゾ・ロナ」が久々に登場し、ガンダムシリーズの敵における総大将として立ちふさがる。宿敵である「シーブック・アノー」や娘である「セシリー・フェアチャイルド」はもちろん、「トビア・アロナクス」と対戦した際にも、「クロスボーン・バンガード」に対するそれぞれの想いを目の当たりにできる。また、クロスオーバー方面では、シャアやクンパ、そして仮面を被ったもの同士となるマスクとの対比が見どころとなっている。 ---また前作『V』ではキンケドゥと戦闘できなかったクロスアンジュに登場する対人兵器「ピレスロイド」を、原作の「バグ」の代わりに使用するというクロスオーバーもあり、シーブック、セシリーともしっかり戦闘可能となっている。 -毎度毎度敵になるため参戦が遅いと言われていたEW版「張五飛」は、最初こそ『バディ・コンプレックス』の敵組織ゾギリアに属する形で敵対するものの、序盤にヒイロに次ぐ速さで加入するという珍しい展開となっている。 -『Endless Waltz』原作におけるテーマである「戦争、平和、革命」が本作において重要な意味を担っている。 ''バンプレストオリジナル関連'' -本作の主人公は、「菫青石(きんせいせき)の術士」の二つ名を持つ男性である「イオリ・アイオライト」と、「蘭柱石(らんちゅうせき)の術士」の異名を持つ女性「アマリ・アクアマリン」から選択する事になり、選択された方はオウムの姿をしたホープスと共に旅に出るという設定。 --主人公は、アル・ワースで広く信仰されている魔従教団の出身で、「ドグマ」と呼ばれる魔法を使う事ができる。アル・ワースの住人であるため、必然的に地理や歴史などには詳しく、召喚されたキャラクター達にその都度解説をする、いわゆる案内役を務めている。 ---本作同様にバンプレストオリジナルの異世界を描いた『EX』は終始主人公視点で物語が展開されており、舞台となる異世界に関する解説が必ずしも十分とは言えなかったため、召喚されたキャラクターや、プレイヤー自身が混乱する事態も見られた。本作ではその点における反省がなされており、イオリ・アマリ・ホープスの解説によってアル・ワースの特徴が分かりやすくなるように構成されている。 ---案内を務めるという立場上、最近ではいつもの事とはなったものの、本作においてもクロスオーバーには積極的で、プレイヤー部隊「エクスクロス」の実質的な総大将であるワタルをはじめ、さまざまなキャラクターとの絡みを楽しむ事ができる。 -バンプレストオリジナルの中でももっとも有名な機体とされる「サイバスター」と、そのパイロットである「マサキ・アンドー」が、ゲストキャラとして参戦している。 --彼が版権スパロボに参戦した経験は少なくなく、ゲストキャラとしては『[[OE>スーパーロボット大戦Operation Extend]]』にも出演している。ただし、『OE』においては有料DLCであるため、シナリオデモには全くと言っていいほど絡んでいなかった。 --前作のゲストキャラはメインシナリオや戦闘前会話があまりなく影が薄いような印象だったが、本作ではシナリオデモにおいて多く顔を見せるほか、戦闘前会話なども充実している。さらにサイバスターの性能も機体・武器共に空の適応が「S」であるなど非常に高く、本作のゲームシステムとの相性も非常に良いため、初回特典版を購入している場合は序盤から活躍させる事ができる。戦闘アニメーションもOGシリーズとは一味違う秀逸な出来。最近のOGシリーズなどでは今一つ実力を発揮しきれていなかった事もあり、久々に強力なサイバスターの雄姿を拝むことができる。 ''DLC関連'' -シリーズお馴染みのDLCシナリオは本作においても健在。本編で描かれなかったストーリーの数々を楽しむ事ができる。 --中でも好評なシナリオは、「プリティ・サリアンの冒険」と「アムロ・レイの夢」の二つ。いずれも原作ファンはもちろん、スパロボならではのクロスオーバーを楽しみたい人にはお勧めのシナリオとなっている。 ---「プリティ・サリアンの冒険」は、コスプレ趣味のある「サリア」が、「聖戦士」のショウと、「皇子」のルルーシュ、そして、「魔法使い」のイオリあるいはアマリを従えるというコンセプトのシナリオで、本編では見られなかったサリアのコミカルな一面や、それに振り回される一行の様子を楽しむ事ができる。 ---「アムロ・レイの夢」は、「夢」とあるが悪夢の方ではなく前向きな内容。優れたパイロットでありながらメカニックにも精通するアムロと、リギルド・センチュリーにおける名メカニックのハッパが様々な敵モビルスーツの解説を行ったり、ジュドーら若年のパイロット達に対し機体性能の観点から戦い方を指導する。 ---- **賛否両論点 -『ベルトーチカ チルドレン』出典機体の戦闘アニメーションについて --「Hi-νガンダム」の最強武器である「オールレンジ・アタック」が、「攻撃していたはずがHi-νガンダムが動かなくなり、白鳥が飛んで復帰」という戦闘シーンには向かない演出になっている。 ---原作再現ではあり、演出自体は凝っているのだが、原作を知らない人にとっては理解しづらいアニメーションになってしまい、原作を知っている人からも賛否が分かれている。格闘武器である「ビーム・サーベル」や準最強武器である「ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」などでは見事な描写がなされており、無論それらは評価すべき点であるが、皮肉にもそれが余計に悪目立ちする要因にもなってしまった。 //--それ以外の問題点として、''ビームサーベルの色が違う''という極めて初歩的なミスをやらかしている。本来Hi-νガンダムのサーベルの色は青であるが、本作ではRX-78-2やガンダムMk=II等と同じピンクになってしまっている。収録モデルの公式版は勿論、Ver.Ka版やMETAL ROBOT魂版もサーベルは全て青なので、これに関しては完全に擁護できない。 //α外伝、第2次α、D、第3次α、Gジェネレーションウォーズ、ワールド、オーバーワールド、ジェネシスの全てでピンク色だったので、本作だけの問題ではないかと。 ---一方で「ナイチンゲール」は、スマートかつ格好良い演出になっており好評。サザビーの「オールレンジ・アタック」の演出が散々な評価だった前作から改善されていない為、見事に汚名返上となった。 -異世界が舞台である事 --本作は異世界が舞台になっておりそれを活かしたクロスオーバーが魅力となっているが、一方でそれが原因で、原作シナリオの再現度が弱くなっているという側面がある。これは、アル・ワースに舞台が設定されている『ワタル』以外の新規参戦作品においても例外ではない。 ---例えば、『Gレコ』原作は「宇宙に依存した地球勢力」と「地球に帰還したい宇宙勢力」といった環境ありきのストーリーであり、『バディコン』原作も「世界を二分した大戦」という体でシナリオができていたのだが、本作では異世界に召喚されたという関係で、双方とも「エクスクロスと助け合う事で元の世界に帰還したい勢力」と「神聖ミスルギ皇国(実質的にはエンブリヲ)、および魔従教団の力を借りて元の世界に帰還したい勢力」といった形に勢力図が変更されている((前者は、アメリア軍、レイハントン勢力、自由条約連合。後者は、キャピタル・アーミィ、ドレット軍、ジット団、大ゾギリア共和国、ネオ・アトランティスが該当する。もっとも、クンパやエフゲニー、ガーゴイルなど、大ボス格にはそれぞれ独自に別の目的が存在している。))。『ナディア』も、機動兵器が登場しない部分は大幅カットされている((これは必ずしも、異世界が舞台である事だけが原因とは言えない。))。 ---そのため、『Gレコ』や『バディコン』の敵勢力はあくまで異世界で間借りしているというスタンスが強く、原作と比べると動きが小さくなっている部分がある。原作通り『Gレコ』のジット団が地球帰還のための密約を交わしても「今は異世界のため、元の世界に帰還してからの話」となるような場面もあり、今ひとつ締まらない。 ---もっとも、異世界を舞台にした『EX』・遥か未来の世界を舞台にした『α外伝』などの過去作と比較すれば、再現の度合いは高く、他作品とのクロスオーバー自体もしっかりとなされている。また、オリジナル偏重というわけでも、『ワタル』と他の三作品の扱いに極端な差が生じているというわけでもなく、原作とは違う形になりつつも、各作品のキャラクターの見せ場は非常に多い。ビゾンなど、原作では死亡してしまうキャラクターが生き残ったりするなど、いい方向にアレンジされた面も決して少なくない。 ---- **問題点 -デモムービーが復活したものの、ライブラリには登録されない。 --前述した『α』などでは、ライブラリから選択していつでも鑑賞する事ができていた。 -前作のグラフィック問題が改善されていない。 --PSVita版は解像度の問題なのか、戦闘アニメの一部カットインやアニメーションが粗く描写されている。 -新規参戦作品やオリジナルのユニット数、および武装の数が少ない。アニメーションのクオリティを重視しつつ、1年という短期間で開発した事が原因と思われ、いわゆる「量より質」を重視した弊害であるといえる。 --「G-セルフ」のいくつかの形態はアイコンのみの登場。「クリシュナ」や「オーガ」も隊長機である「アルシエル」の召喚攻撃による登場にとどまっているなど、いささか寂しいことになっている。 --主人公クラスのユニットの武装はいつも通り充実しているが、主役クラス以外のユニットは設定上豊富な武器を持っている場合でも武装が2種類しかない場合が多い。アニメーション内では他の武装とセットで使っている場合も多く、その武装自体が必ずしも見られないわけではないのだが、やはり武装欄が寂しくなってしまう為、「個別の武装として搭載してほしかった」という声は多い。 ---加えて、主役クラス以外のユニットは武装が2種類しかない割にトドメ演出が無い場合が多く、戦闘アニメがアッサリ終わってしまう。点と相まってかなり地味な印象になってしまっている。納期の関係もあるだろうが、トドメ演出があるだけでも作り込まれている印象になっただけに惜しいところである。 ---また、武装が少ない影響で弾数などの継戦力に不安が出るユニットもあるが、最強武器でも比較的消費が抑えられていたり、カスタムボーナスで改善されたりするため、戦力面で困ることはあまりない。無論主人公機よりは劣るが、それはいつもの事と言える。 --敵のボスユニットもいつにも増して武装欄が寂しい傾向にあり、『バディ・コンプレックス』のラスボス機である「カルキノス」は武装が「突撃」一つしかない。また、『ナディア』のラスボス機「レッドノア」が、代名詞的な武器「バベルの光」を特に理由もないのに使用できない事にも、原作ファンから非難の声が上がった。いずれもアニメーション自体は優れているだけに、つくづく惜しいといえる。 -オリジナル主人公関係 --主人公の名前について ---今作も主人公の名前を自由に設定できるが、「記憶喪失だった主人公の記憶が戻り、プレイヤーの付けた名前は偽名である事が判明。本当の名前(固定)を思い出す」という展開がある。 ---結局“今はアル・ワースでつけられた名前を名乗り続ける”という展開になるものの、第3次αのクォヴレーのように完全に元の人格や名前と決別するわけでなく、いずれ本名に戻るという前提の偽名扱いのため、感情移入目当てにプレイヤー本人の名前をつけたり、熟考してこだわりの名前を付けたプレイヤーにとっては残念なサプライズになってしまった。 //クォヴレーの例もあるし、残念なサプライズとまでは言えないのでCO。 //クォヴレーの場合はアインとしての人格や記憶を取り戻すというわけでもないのですし、あくまでも今は設定名を名乗る(本名を捨てるわけではなく、偽名的な扱いとなる)と明言している今作とはあまり比較にならないのでは? ※そもそも当該部分を書いた人がクォヴレーを件を同様にマイナス点として捉えている可能性もありますが。 --アマリ編におけるイオリの扱い ---イオリ編においてアマリはシナリオ上重要なポジションなのだが、アマリ編のイオリはそのポジションの大部分をホープスに奪い取られてしまっている。 ---アマリ編でホープスがイオリの事を「オド袋((簡単に言うと燃料扱い))」と評する場面があるが、実際彼は主人公機のパワーアップ要員以上の見せ場は逆のルートに比べてかなり少ない。 --オリジナル主人公機である「ゼルガード」は、シナリオ進行により徐々にパワーアップしていく仕様であり、最後のパワーアップでは「最強技の追加+パラメーター強化+最初に選ばなかった方の主人公がサブパイロットとして追加され二人乗りになる」という形をとっている。 ---スパロボ主人公定番の後継機への乗り換えや選択制の性能強化((「格闘特化型or射撃特化型」「装甲を強化したスーパー型or運動性を強化したリアル型」など。))が無いことを惜しむ声も聞かれた。とはいえ性能は十分で、事実[[スーパーロボット大戦T]]に参戦した際には他の主人公機に劣らない実力を発揮する。 -前述のムービー演出が復活した反面、新規DVEは前作『V』の半分ほどに減った。 //-『魔神英雄伝ワタル』のコミカルなシナリオ展開がやや浮き気味。 //--本作で一番シナリオの中心に置かれ、もっとも優遇されていることもあり、ギャグテイストが強い『魔神英雄伝ワタル』が浮いているという声がある。 //問題点しか書いてないが。賛否に置くならコミカルなシナリオ展開だから良かった事も書いてくれ。 //そもそも、別に浮いてるってこともないだろ。マイトガインとかクロスアンジュとかもコミカルなところはあるし、クロスオーバーの中で浮いてるとは思えなかったが。 ---- **総評 異世界が舞台という風変わりな設定を持つ異色作だが、ストーリーやアニメーションなどの出来栄えは秀逸で、クロスオーバーも依然高いレベルを維持している。~ 『ワタル』のファンはもちろん、昨今のシリーズ作品を楽しめた人にもお勧めの一作。~ また、『EX』や、『魔装機神』、および『無限のフロンティア』などの『OGサーガ』、『NEO』など、ファンタジー要素の濃い作品を好むユーザーにも、手に取って損はない内容となっている。 ---- **余談 -本作のコマーシャルには、角界で人気を博した元高見盛関である振分親方がイメージキャラクターとして抜擢された。 --『V』のコマーシャルを担当した博多大吉氏同様、振分親方もスパロボシリーズのファンであり、ファンならではの反応を見せ、ユーザーを驚かせた。 -『[[スーパーロボット大戦T]]』の発売後、『[[V>スーパーロボット大戦V]]』と共にNintendo Switchと正統派シリーズ初となる''PC(Steam)''での発売が発表された。 --PS4/Vita版で配信されたボーナスシナリオを全て無料で遊ぶことができる。 --Steam版は標準設定のままでもパッドで操作できるようになったが、やはりコントローラーサポートを切らないとパッドリセットが作動しないバグがある。 -2021年1月21日に、PS4版のダウンロード版限定で通常版の廉価版(Welcome Price!!)が配信開始された。同時に廉価版と全ボーナスシナリオがセットになった『デラックスエディション』も配信されている。 ----
「[[修正依頼]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。依頼内容は実際のゲームバランスに関する記述の追加です。 //↑追記しました。 ---- *スーパーロボット大戦X 【すーぱーろぼっとたいせんえっくす】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B0781YW27Q)&amazon(B0781ZSR8B)|&amazon(B078733Z4R)&amazon(B0781VY65G)|&amazon(B07YSNM6X7)| |対応機種|プレイステーション4&br;プレイステーション・ヴィータ&br;Nintendo Switch&br;Windows 7/10 (Steam) |~|~|~| |発売元|バンダイナムコエンターテインメント|~|~|~| |開発元|B.B.スタジオ|~|~|~| |発売日|【PS4/Vita】2018年3月29日&br;【Switch/PC】2020年1月10日|~|~|~| |定価|通常版 / 初回限定生産版(各税別)&br;【PS4】8,600円 / 12,600円&br;【PSV】7,600円 / 11,600円&br;【Switch】7,600円 / 11,600円((ダウンロード版のみ。))&br;【PC】オープン価格|~|~|~| |廉価版|2021年1月21日(PS4のDL版のみ)&br;【Welcome Price!!】4,780円&br;【デラックスエディション】7,600円(各税別)|~|~|~| |レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~| |ポイント|異世界ならではの魅力的なクロスオーバー&IF要素&br()サイバスター大活躍&br()上級者向けの難易度「エキスパートモード」が追加|~|~|~| |>|>|>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 人気キャラクターゲームである『スーパーロボット大戦』シリーズの一作品。~ 本作ならではの大きな特徴として、メインとなる舞台が、地球ではなく本作オリジナルの異世界「アル・ワース」で展開され、登場キャラクター達が元の世界から召喚されるというものがある。~ 『[[スーパーロボット大戦EX]]』という前例こそあるが、こういった展開は珍しく、アル・ワースという世界そのものや、プレイヤーユニットがどういった形で召喚され、そして戦っていくのかに対して、注目が集まった。 #region(参戦作品一覧) ★マークは新規参戦作品。 -無敵鋼人ダイターン3 -聖戦士ダンバイン -聖戦士ダンバイン New Story of Aura Battler Dunbine -機動戦士Ζガンダム -機動戦士ガンダムΖΖ -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン -機動戦士ガンダムF91 -機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人 -新機動戦記ガンダムW Endless Waltz -★ガンダム Gのレコンギスタ -★魔神英雄伝ワタル -勇者特急マイトガイン -コードギアス 反逆のルルーシュR2 -★バディ・コンプレックス -★バディ・コンプレックス 完結編 -あの空に還る未来で- -クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 -マジンカイザー(オリジナル版) -真マジンガー 衝撃! Z編 -真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍 -天元突破グレンラガン -劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇 -★ふしぎの海のナディア -本作では、ガンダムシリーズの準新作であり、宇宙世紀と密接なかかわりを持つ『ガンダム Gのレコンギスタ』、これとほぼ同時期に放映されたサンライズの『バディ・コンプレックス』シリーズ、『[[スーパーロボット大戦V]]』の『宇宙戦艦ヤマト2199』に引き続き、戦艦を主体とした『ふしぎの海のナディア』が新たに参戦。そして、1980年代後半のロボットアニメの中でも特に人気を集めており、多くのファンから参戦を待ち望まれていた『魔神英雄伝ワタル』がついにお披露目となった。 --また、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』は、クレジットされるのは初めてだが、この作品に登場する「Hi-νガンダム」や「ナイチンゲール」は過去作にも登場しているため、新規参戦という扱いにはなっていない。 #endregion ---- **評価点 ***システム -ゲームバランスについて --システムや敵配置などは、前作「V」と同様で、小隊、タッグシステムなどは存在しない。ビギナーモード、スタンダードモード共に、主役ユニットやボスユニットは強力にされている。 --最近リリースされた『V』や『[[スーパーロボット大戦BX]]』などは、味方が強く敵が弱いと言われており、高い難易度を求めるプレイヤーがいた。これに対する答えとして、本作では新たな難易度である「エキスパート」が追加された。これは「最初から難易度がハード固定」「敵の改造段階が難易度ハードよりさらに3段階増加している」というもの。 ---とりわけボスユニットは一度の改造におけるステータスの上昇値が高いため、精神コマンドなしでは手も足も出なくなるほど。防御力の高いボス相手であればスーパーロボットクラスの必殺技ですら無改造なら最低ダメージの場合もあるという異様なレベルになる。 --『OGシリーズ』などに実装されていた「EXハードモード」と違い1周目からプレイ可能。概ね「クリアすればスペシャルモードが解禁される」という恩恵があったEXハードとは違い、「全てのSRポイント獲得条件が一度も敗北せずにシナリオクリアする」というものとなった。 ---そのため、どんな条件が設定されているか知らずにプラチナトロフィー獲得まで行く可能性もある。 -合体攻撃の仕様変更 --シリーズでは、複数のユニットが協力して行う「合体攻撃」と呼ばれる要素があるが、従来の作品では、協力するユニットの全てがマップに出撃している必要があり、特に4~5機で行う場合は窮屈を強いられていた。 --本作ではこの要素を改善し、起点となるユニットが出撃していれば、その合体攻撃を使えるようになった。俗に言う「召喚攻撃」のようなもの。 ---ただし参加ユニットが少なくなるにつれて威力は激減し、1機だけの場合は普通の攻撃より威力が低くなってしまう場合も多い。 ---一方で、合体攻撃のアニメーション鑑賞が容易になった事、通常の攻撃とは違う合体攻撃ならではの個性(「消費ENこそ多めだが射程に優れている」「元々多くの機体を必要とするためにEN消費が少ない」など)で運用の幅が広がった事などを考慮すると、優れた救済策と言える。 --なお、この仕様変更については事前に告知が無かったため、ユーザーだけでなく一部のスタッフや関係者からも「バグではないか」と疑われたことがあるらしい。 -オープニングアニメーション・デモムービーの復活 --『V』はPS系統のスパロボでは珍しくオープニングアニメーションが存在しなかったためにユーザーからの不満を買っていたが、本作はオープニングアニメーションが復活した。 ---本作のオープニングムービーは、異世界モノらしいファンタジックな内容になっている。また、シリーズオリジナルキャラの「ギリアム・イェーガー」役などを演じた田中秀幸氏によるナレーションが挿入されており、一度クリアするとその意味がわかるようになっている。 --また、『[[α>スーパーロボット大戦α]]』等で見受けられたものの、最近のシリーズ作品ではまったく見られていなかったデモムービーも、久しぶりに本作で見られるようになった。 ---主に『ワタル』や『勇者特急マイトガイン』関連が該当。『マイトガイン』は前回参戦した『V』に合体ムービーが存在しなかったため、本作で見られたことを喜ぶ声も多い。 -シナリオデモの演出の強化 --前作『V』と同様に、シナリオデモではバストアップの演出がなされている。 ---さらに本作では、特殊な一枚絵((具体例を挙げると、龍神丸の覚醒シーンや、「ナディア」のクライマックスでネオ皇帝が支配に抗おうとするシーンなど。))が頻繁に挿入されており、演出の強化に一役買っている。 -ユニークな強化パーツ --本作においてもさまざまな強化パーツが存在し、味方ユニットの強化に一役買っているが、ただ単純に機体の性能を上げるのではなく、スパロボにおけるシステムを上手く活かしたものが存在する。 ---ひとつは、最強武器の攻撃力を5500に固定する「エクストラアームズ」。主人公機などの強力な機体は、改造次第で5500を越える攻撃力を簡単に叩きだせるため使う意味はないが、修理や補給が本分のユニットなどの攻撃力の補強に大いに役立つ。こういった機体は、武器の燃費がいい事も追い風となっている。 ---もうひとつは、こちら側の命中率が70%以上なら確実に命中し、敵の命中率が30%以下なら確実に回避できる「因果律操作装置」。かつて存在したスキルである「ハーフカット」をより強力にしたもので、特に「集中」を修得するパイロットの搭乗する機体に取り付ける事で、高い効果を発揮する。 --なお、これらのパーツは強力な効果を持つゆえに希少品で、特に因果律操作装置はシークレットマップで一つ入手できるのみとなっている。 -戦闘アニメーション --スパロボのアイデンティティとすら言われる、戦闘によるアニメーションは本作でも好評。特に、「龍王丸」と「G-セルフ」に関してはほぼ満場一致で絶賛されている。 -BGM --今作の新規BGMは「サラマンダー・ファクトリー」のアレンジではなくなっているため、他の作品のBGMでは聴けないような独特なアレンジになっている。 ---「BLAZING」「UNISONIA」のようなエレキギターなアレンジや、「ダンバインとぶ」「Gの閃光」などのようなジャズ感のあるアレンジが流れるが、いずれも原曲の雰囲気を崩さないアレンジとなっており好評。 ---選曲も良く、COMPACTシリーズ以来の「聖戦士たち」の前半部分と後半部分も採用されている。 --一方で、初回限定生産版では、「君を見つめて」や、「Neo Atlantis」などの人気曲が、原曲のまま収録されており、実際にゲーム中で聴く事ができる。 --カスタムサウンドトラックも健在で、『V』と同様、戦闘曲のみならず、マップやシナリオデモにおけるBGMをプレイヤーの手で自由にカスタマイズすることが可能。 --また、収録曲に限られるが、開始位置を「最初から」と「途中から」から選択できるようになった。途中からの再生開始位置は曲によってまちまちだが、いきなりサビから始まったり長いイントロがカットされてボーカル部分から始まるなど、盛り上がる部分から再生する事が可能になった。 --オリジナルの楽曲は、本作でも好評。特に女主人公のBGMである「旅立ちの季節」「振り向かないと決めた日」の評価が高い。 -「ドグマ」 --主人公機は、ファクトリーで「Magicカスタマイズ」を行なうことで、「ドグマ」と呼ばれる6種類の特殊能力を使えるようになるという独自システムが搭載されている。 ---もっとも、『[[第3次Z天獄篇>第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇/天獄篇/連獄篇]]』のソーラリアンほど強力ではなく、早期に覚えられるものは範囲内の一体のSP25回復や範囲内全機のEN50等、困ったときにあると便利、程度ではある。 ---ただしポイント条件の厳しい後半になると、「周囲2マスの敵全員の性能ダウンとEN-100」「4マス以内の味方機一体を同じ範囲内で好きに動かす」「3マス以内の1機に「魂」「気迫」「ダイレクトアタック」「スマッシュヒット(効果は1戦闘のみ)」をかける」等、強力な物も使えるようになる。 ---なお、これらのドグマは、1マップに1度しか使用できない。 //主人公機の目だって強力な独自要素はこっちへ移動 //後半3つは十分強いと思う -前作と比べバグが大幅に減った(2018年9月現在) --『V』の「資金マイナスバグ」や「スキルバグ」のようなプレイヤーが不利になるバグが見られず、安心してプレイができるようになった。 -エーストークの改善 --『V』では、エーストークを行う時期によって矛盾が発生することがある問題があったが、本作ではそういったキャラには複数のパターンを用意したことで解決している。 ***シナリオ ''新規参戦関連'' -前述した4つ(バディ・コンプレックスシリーズを1つの作品と考えた場合)の新規参戦作品は、いずれも本作のストーリーの中核を担っている。 -中でも『魔神英雄伝ワタル』は、本作の中心と言っても過言ではない。本作の当初の目的自体が「ドアクダー打倒」という内容でほぼ一貫しており、プレイヤー部隊は、救世主である「戦部ワタル」と、その仲間達という体裁になっている。~ いわゆる「異世界召喚」ジャンルの先駆けということもあり、ファンタジー要素が豊富な本作において、重要な役割を果たしている。 --ワタルと、彼の搭乗機であり相棒でもある「龍神丸」は、最初こそ力不足な面も見受けられるが、成長するにつれてその実力を発揮できるようになり、終盤では最強ユニットの一角として機能するようになる。 --敵対者も、「ドアクダー」やその息子である「虎王」、腹心の「ドン・ゴロ」、「ザン兄弟」のほか、全ての界層ボスが登場する。さらにアル・ワース各地に創界山の各界層を原作再現したエリアがある形に改変されているため、界層ボスはその全員が、『ワタル』以外の作品の登場人物と密接に関わる機会があり、秀逸なクロスオーバーの一つとして機能している。それ以外にも、下記にいくつか見受けられるように世界観に関わるレベルのクロスオーバーが非常に多く、参戦作品の中でも随一とされている。 #region(界層ボスと他版権キャラの関連について) -第一界層のボスである「クルージング・トム」は、『聖戦士ダンバイン』のドレイク軍の残党や、『天元突破グレンラガン』の獣人などの取り込みに積極的で、その中で、「ヴィラル」や「トッド・ギネス」を自軍に引き入れる事に成功している。もっとも、双方とも後に愛想を尽かされて出奔されており、ヴィラルやトッドが自軍入りした際には、彼の人望のなさが言及されている。 -第二界層のボス「デス・ゴッド」は、『コードギアス 反逆のルルーシュR2』のキャラクターとの絡みが濃厚。中でも「ルルーシュ・ランペルージ」の事は、元の世界における所業から「魔王」と呼んで恐れており、自分と同じく悪の側にいると信じて疑わないまま、味方に引き入れようと躍起になっていた。しかし、いわゆる偽悪者であるルルーシュと思考が一致するはずもなく、あえなく敵対する羽目に陥っている。それどころか、結果的にとはいえ、ルルーシュ復活の功労者にすらなっている。また死神つながりで『新機動戦記ガンダムW』のデュオ・マックスウェルをライバル視する場面があり、お互いに特殊戦闘セリフがある。 -第三界層のボス「ソイヤ・ソイヤ」は、直情的な思考が『真マジンガー 衝撃!Z篇』の「兜甲児」と似通っており、互いにライバル視する一幕がある。 -第四界層のボス「ドクトル・コスモ」は、姑息な手段を用いて、ワタルと『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』の主人公である「アンジュ」を陥れようとする。しかし、目論見が見事に失敗し、自分の失敗を認めようとしないコスモに対し、アンジュが呆れ返るというシーンがある。 -第五界層のボス「アック・スモッグル」は、『機動戦士ガンダムΖΖ』の「マシュマー・セロ」を操り、用心棒として自軍に加えているというシーンがあり、後に正気に戻ったマシュマーから、怒りを向けられている。ただし、進行ルートの関係上、マシュマーがスモッグルと再会する事はないため、彼との因縁は「忍部幻龍斎」が言及するにとどまっている。 -第六界層のボス「ビビデ・ババ・デブー」は、かつて敗れたトッドを拾っており、後に敵対する事になりながらも感謝の意を向けられている。また、魔法使いということもあり、味方側の魔法使いである「イオリ・アイオライト」、「アマリ・アクアマリン」とも因縁が生じている。 #endregion -いわゆる「タイム・リープ」を描いている『バディ・コンプレックス』は、『Gのレコンギスタ』や『新機動戦記ガンダムW』、および『クロスアンジュ』とのクロスオーバーが目立つ。 --互いに明るい性格であるうえ、一人の女性のために戦うという共通点を持つ「渡瀬青葉」と「ベルリ・ゼナム」は、早々に打ち解けており、親友と言っても過言ではないポジションに落ち着いている。 --どこかOZと共通した雰囲気があるためかゾギリア軍と『新機動戦記ガンダムW』のキャラクターは関わることが多い。 --自分の思い通りの世界を作ろうとしている「エンブリヲ」にとって、時間軸に干渉できるカップリング・システムは極めて都合が悪く、これを阻止するために元の世界に干渉を行っており、この事を敵・味方問わず強く憎まれている。 --原作において恋愛感情のもつれから嫉妬を爆発させて破滅への道を走る事になったライバルキャラ「ビゾン・ジェラフィル」が救済されている。ゼロシステムによってある程度の未来が予測できる「ヒイロ・ユイ」の行動により、結果的に破滅の道に進まないようになっており、条件を満たす事でビゾン自身が青葉や「ヒナ・リャザン」と和解するという展開を見る事ができる。さらに、未来の自身である「エフゲニー・ケダール」と戦闘でき、シリーズ初となる、過去と未来の自分自身の戦いを再現することが可能となっている。 -『ふしぎの海のナディア』は、本作の世界観の関係上、潜水艦である「ノーチラス号」は登場しないが、その代わりに本来終盤に登場する「N-ノーチラス号」の参戦が大幅に前倒しされている。その性能も『V』の「宇宙戦艦ヤマト」には及ばないものの、戦艦ユニットの中では最強レベルの一角となっている。 --主人公である「ナディア」は原作ではやや極端な性格をしており、必ずしも好かれる人物としては描かれていなかった。本作では序盤こそ協調性に欠ける言動が見られたものの、自軍の仲間達との交流によってその改善が早められており、その魅力を早いうちから見られるようになっている((過去作でいうとTV版『機動戦士Ζガンダム』のカミーユが近いか。))。なお、ナディアとジャンは主役格ながら原作通り非戦闘員だが、中断メッセージ用にボイスが収録されているのも嬉しいところ。 ''既存作品関連'' -最凶のマジンガーとして知られる「マジンガーZERO」が引き続き参戦し、なおかつ本作では、原作『真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍』同様、この機体が強力な敵として登場している。その実力は、「マジンガー」の世界においても最強クラスとされる「暗黒大将軍」や「闇の帝王」すら凌駕しており、さらに「自分以外のマジンガーの存在を許さない」という行動理念によって、そのパイロットである甲児や「剣鉄也」を執拗に追い詰めようとする。 --これに対し、二人も「マジンガーZ」、および「グレートマジンガー」を上回る性能を誇る二つの魔神皇帝「マジンカイザー」「マジンエンペラーG」を使い、ZEROに対抗。魔神皇帝同士の合体攻撃である「魔神双皇撃」も追加され、多くのマジンガーファンを喜ばせた。 --事前告知の通り、本作のマジンカイザーはOVA版準拠ではなく、『[[α外伝>スーパーロボット大戦α外伝]]』以来のスパロボオリジナル設定での参戦となる((『第2次α』『第3次α』のマジンカイザーはOVA版の発売が近かったこともあってOVA版準拠のデザインに変更されている。))。『真マジンガー』版の甲児がカイザーに乗るのは本作が初の試みとなる。 ---さらにBGMも「マジンカイザー」((タイトルがよく似ているため誤解されやすいが、OVA版の「マジンカイザーのテーマ」ではなく、『αシリーズ』などで採用された方である。))が採用されており、限定版では水木一郎氏の熱唱をバックに戦闘出来る為、ファンを歓喜させた。 --本作初のオリジナルBGMである「覇王、大地に立つ」は汎用BGMであるがマジンガーZEROが登場する時にほぼ必ず流れ、まさに絶体絶命の状況を表すような雰囲気を出している。 ---本作のifルートは、マジンガーに深くかかわるものとなっている。これは、因果律を操作する役割を持つマジンガーZEROの存在が大きく、ifルートを達成した時のみ、マジンガーZEROを使用可能になるというサービスがつく。 -『コードギアス』関連においては、前述したデス・ゴッドの介入のほかにも、舞台の関係上、死者さえ復活しているという状況で、ルルーシュにまつわる非常に意外なキャラが復活&暗躍しており、それに対してDVE付きオリジナル展開でもって締める、というなかなか燃えるイベントとなっている。 --『クロスアンジュ』とのクロスオーバーも魅力の一つ。根は善人ながらも、目的のためなら手段を選ばないという共通点を持つアンジュとルルーシュの対比が度々なされており、アルゼナルのメンバーからは「男アンジュ」と呼ばれる事もある。また、『バディ・コンプレックス』の「隼鷹・ディオ・ウェインバーグ」ともども、「足が不自由な妹がいる」という共通点を持ち、これにおいてもクロスオーバーのひとつとして機能している。 -『聖戦士ダンバイン』は、立ち位置としては『[[スーパーロボット大戦UX]]』に近く、原作終了後となっている。主人公の「ショウ・ザマ」やヒロインである「マーベル・フローズン」、ライバルである「トッド・ギネス」らが原作同様一度死を迎えたはずという展開になっており、前述したルルーシュの件も併せて、本作の舞台であるアル・ワースの謎に迫っていくことになる。 --ショウ達の参戦時期は非常に早く、『ワタル』などとのクロスオーバーも充実している。 --単独で召喚されたため、オーラ・シップにこそ乗らないものの、「シーラ・ラパーナ」や「ショット・ウェポン」なども登場。特にショットは、アル・ワースの成り立ちにおいてもほぼ独断で解明しているなど、本作でも非凡な才能を見せてくれる。 --主役機である「ビルバイン」には本作で初めて「ハイパーオーラ斬り」を凌駕する必殺技「オーラシュート」が追加。ショウ搭乗時限定という制約はあるが、屈指の威力を誇る上にアニメーションの出来栄えも非常に秀逸で、その存在感は決して他作品に劣っていない。 -『New Story of Aura Battler DUNBINE』は主人公「シオン・ザバ」は今回も参戦せず((作品自体は今まで7作に参戦しているが、シオンが登場したのはわずか一作のみ。次回作でようやく声付きでの参戦が叶った。))、「サーバイン」と「シルキー・マウ」のみの参戦だが、その分演出等には力が入っている。 --シオンが登場する『[[スーパーロボット大戦COMPACT3]]』以外では本作で初めて「サーバイン」を無条件で入手できるようになった。 ---性能面でも、攻撃力においては前述したように新たな武器を獲得したビルバインには及ばない代わりに、シールドが新たに搭載されているため防御に優れているほか、強化パーツのスロットもひとつ多い。今までは純粋なビルバインの強化版とされていたが、本作においては、攻撃力で劣る代わりに使い勝手の面で優れるという形で、うまい具合に差別化が図られている。 --フェラリオである「シルキー・マウ」が機体固定のサブパイロットとして、スパロボ初となるCV付きで参戦。 ---ショウを搭乗させることで、彼とチャム、シルキーの3人乗りも可能になっている。台詞やカットインは共通で使えるように作られており、他のキャラを乗せた場合でも喋ったりカットインに出てきてくれる。 -『勇者特急マイトガイン』は、1年前の前作『V』に引き続いての参戦となるが、ところどころに新たな試みが実現されている。 --デモムービーが復活した関係で、「マイトガイン」および「グレートマイトガイン」の合体シーンが追加された。さらに、原作でも一話のみ披露された合体攻撃「ジョイントドラゴンファイヤー」が新たに追加され、これを知るファンを唸らせた。 ---ジョイントドラゴンファイヤーは原作だと5機で行われるが、本作ではこれに「ブラックマイトガイン」も加わった夢の六体連結で繰り出される。前述した通り、本作の合体攻撃は全員が出撃していなくても実行できるので、数が増えた事で窮屈になったということもない。 -『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』は原作再現は多少控えめとなった((元々クロスアンジュはかなり「性的にも」過激な描写が存在する上、前作である『V』で一通りの原作再現をしていた。ので、全年齢対象の家庭用機では再現しにくい部分が多いし、同じことをやってもしょうがないという事実もある。))が、代わりに上述の通り各参戦作品とのクロスオーバーが多い。 --上記の他にも、アウラの民が『ワタル』の神部七龍神の恩恵を受けたというクロスオーバーがあり、その影響から、サラマンディーネが龍神丸に対して執心しているという描写が見受けられた。 ''ガンダム関連'' -前述した通り、新規参戦作品のひとつである『Gのレコンギスタ』は、本作にも多く参戦している「宇宙世紀」の遠い未来である「リギルド・センチュリー」が舞台とされている。本作においてもこの設定はもちろん活かされており、リギルド・センチュリーの存在自体が、「シャア・アズナブル」が敵対する理由の一つとして取りざたされている。 --主人公であるベルリは、前述した青葉との友人関係のみならず、その明るく前向きな姿勢で自軍を引っ張る原動力として機能しているほか、原作でも多々見られた聡明な面を幾度も覗かせており、宇宙世紀の中心人物として広く知られている「アムロ・レイ」やシャアからも、未来に希望を見出すほどの高い評価を受けている。 --原作においても黒幕として暗躍し続けた「クンパ・ルシータ」は、「アル・ワース」に召喚され、過去や異世界の存在を目の当たりにした事で自らの野望を果たすために動き、自軍、敵軍共に大いにかき乱している。その中で、自らが管理していた「ヘルメスの薔薇」((端的に言えば、かつて存在したモビルスーツの設計図の集合体のようなもの。))を流出させる事で、原作では博物館に飾られている程度だった宇宙世紀のモビルスーツが多数作られ、「キャピタル・アーミィ」、「ドレット軍」、「ジット団」など、クンパが陰で操っていた部隊に多数配備されている。 ---ヘルメスの薔薇の影響で、宇宙世紀とリギルド・センチュリーのクロスオーバーと言える描写も数多い((ライバルキャラである「マスク」が、ヘルメスの薔薇から再現した「ジェガン」を誇り、事情を知らない『ガンダムΖΖ』のキャラである「ジュドー・アーシタ」が、それを非難するというものや、味方パイロットである「クリム・ニック」が、ヘルメスの薔薇から組み上げられた「ヤクト・ドーガ」に乗ったはいいものの、ニュータイプ専用武装である「ファンネル」が使えずに機能不全を疑うなど。))。 ---さらに「Hi-νガンダム」「ナイチンゲール」「ラフレシア」「クロスボーン・ガンダムX1フルクロス」など、元の世界から持ち込まれたものではなく、ヘルメスの薔薇から作り上げられたという設定の機体も多い。~ このうち、フルクロスは『V』から引き続き使用可能で、Hi-νガンダムやナイチンゲールは、実に10年以上ぶりに味方機体として使えるようになった((ナイチンゲールは条件付だが、達成は難しくない。))。元の機体よりスペックが上がっており、さらにMAP兵器まで備えているなど、至れり尽くせり。 前作『V』と同様、本作でもα・アジールが入手可能だが、本作はヘルメスの薔薇で開発された影響で、ニュータイプでなくても「ファンネル」が使用できる。このため、ニュータイプが不足している『Gレコ』のパイロットの大きな助けとなっている((なお、本作ではクェスではなく、ジット団のクンが搭乗しているというクロスオーバーがなされている。)) --また、ベルリが教官である「デレンセン・サマター」を殺害してしまった事を、デレンセンの同僚である「ケルベス・ヨー」に告白したり、「マニィ・アンバサダ」がキャピタル・アーミィに加入する時期が早められている関係で、友人である「ノレド・ナグ」と躊躇いつつも敵対するなど、原作でなされていなかった描写も存在する。 --原作では敵対したまま死亡してしまうパイロットの多くを自軍に加えられる点も大きな魅力の一つ。シリーズには幾度か参戦しているものの、その立場上、味方になる事はなかった「グレミー・トト」をはじめ、「バララ・ペオール」((彼女に関しては原作だと生死不明という扱い。))「キア・ムベッキ」「ロックパイ・ゲティ」などを、条件付きではあるが加入させられるようになっている。 ---また、生き残るものの、原作では最後まで敵対関係だった「マスク」やマニィも、機体ごと味方に加入させることが可能となった。 --敵対したまま終わってしまうものの、『F91』の「カロッゾ・ロナ」が久々に登場し、ガンダムシリーズの敵における総大将として立ちふさがる。宿敵である「シーブック・アノー」や娘である「セシリー・フェアチャイルド」はもちろん、「トビア・アロナクス」と対戦した際にも、「クロスボーン・バンガード」に対するそれぞれの想いを目の当たりにできる。また、クロスオーバー方面では、シャアやクンパ、そして仮面を被ったもの同士となるマスクとの対比が見どころとなっている。 ---また前作『V』ではキンケドゥと戦闘できなかったクロスアンジュに登場する対人兵器「ピレスロイド」を、原作の「バグ」の代わりに使用するというクロスオーバーもあり、シーブック、セシリーともしっかり戦闘可能となっている。 -毎度毎度敵になるため参戦が遅いと言われていたEW版「張五飛」は、最初こそ『バディ・コンプレックス』の敵組織ゾギリアに属する形で敵対するものの、序盤にヒイロに次ぐ速さで加入するという珍しい展開となっている。 -『Endless Waltz』原作におけるテーマである「戦争、平和、革命」が本作において重要な意味を担っている。 ''バンプレストオリジナル関連'' -本作の主人公は、「菫青石(きんせいせき)の術士」の二つ名を持つ男性である「イオリ・アイオライト」と、「蘭柱石(らんちゅうせき)の術士」の異名を持つ女性「アマリ・アクアマリン」から選択する事になり、選択された方はオウムの姿をしたホープスと共に旅に出るという設定。 --主人公は、アル・ワースで広く信仰されている魔従教団の出身で、「ドグマ」と呼ばれる魔法を使う事ができる。アル・ワースの住人であるため、必然的に地理や歴史などには詳しく、召喚されたキャラクター達にその都度解説をする、いわゆる案内役を務めている。 ---本作同様にバンプレストオリジナルの異世界を描いた『EX』は終始主人公視点で物語が展開されており、舞台となる異世界に関する解説が必ずしも十分とは言えなかったため、召喚されたキャラクターや、プレイヤー自身が混乱する事態も見られた。本作ではその点における反省がなされており、イオリ・アマリ・ホープスの解説によってアル・ワースの特徴が分かりやすくなるように構成されている。 ---案内を務めるという立場上、最近ではいつもの事とはなったものの、本作においてもクロスオーバーには積極的で、プレイヤー部隊「エクスクロス」の実質的な総大将であるワタルをはじめ、さまざまなキャラクターとの絡みを楽しむ事ができる。 -バンプレストオリジナルの中でももっとも有名な機体とされる「サイバスター」と、そのパイロットである「マサキ・アンドー」が、ゲストキャラとして参戦している。 --彼が版権スパロボに参戦した経験は少なくなく、ゲストキャラとしては『[[OE>スーパーロボット大戦Operation Extend]]』にも出演している。ただし、『OE』においては有料DLCであるため、シナリオデモには全くと言っていいほど絡んでいなかった。 --前作のゲストキャラはメインシナリオや戦闘前会話があまりなく影が薄いような印象だったが、本作ではシナリオデモにおいて多く顔を見せるほか、戦闘前会話なども充実している。さらにサイバスターの性能も機体・武器共に空の適応が「S」であるなど非常に高く、本作のゲームシステムとの相性も非常に良いため、初回特典版を購入している場合は序盤から活躍させる事ができる。戦闘アニメーションもOGシリーズとは一味違う秀逸な出来。最近のOGシリーズなどでは今一つ実力を発揮しきれていなかった事もあり、久々に強力なサイバスターの雄姿を拝むことができる。 ''DLC関連'' -シリーズお馴染みのDLCシナリオは本作においても健在。本編で描かれなかったストーリーの数々を楽しむ事ができる。 --中でも好評なシナリオは、「プリティ・サリアンの冒険」と「アムロ・レイの夢」の二つ。いずれも原作ファンはもちろん、スパロボならではのクロスオーバーを楽しみたい人にはお勧めのシナリオとなっている。 ---「プリティ・サリアンの冒険」は、コスプレ趣味のある「サリア」が、「聖戦士」のショウと、「皇子」のルルーシュ、そして、「魔法使い」のイオリあるいはアマリを従えるというコンセプトのシナリオで、本編では見られなかったサリアのコミカルな一面や、それに振り回される一行の様子を楽しむ事ができる。 ---「アムロ・レイの夢」は、「夢」とあるが悪夢の方ではなく前向きな内容。優れたパイロットでありながらメカニックにも精通するアムロと、リギルド・センチュリーにおける名メカニックのハッパが様々な敵モビルスーツの解説を行ったり、ジュドーら若年のパイロット達に対し機体性能の観点から戦い方を指導する。 ---- **賛否両論点 -『ベルトーチカ チルドレン』出典機体の戦闘アニメーションについて --「Hi-νガンダム」の最強武器である「オールレンジ・アタック」が、「攻撃していたはずがHi-νガンダムが動かなくなり、白鳥が飛んで復帰」という戦闘シーンには向かない演出になっている。 ---原作再現ではあり、演出自体は凝っているのだが、原作を知らない人にとっては理解しづらいアニメーションになってしまい、原作を知っている人からも賛否が分かれている。格闘武器である「ビーム・サーベル」や準最強武器である「ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」などでは見事な描写がなされており、無論それらは評価すべき点であるが、皮肉にもそれが余計に悪目立ちする要因にもなってしまった。 //--それ以外の問題点として、''ビームサーベルの色が違う''という極めて初歩的なミスをやらかしている。本来Hi-νガンダムのサーベルの色は青であるが、本作ではRX-78-2やガンダムMk=II等と同じピンクになってしまっている。収録モデルの公式版は勿論、Ver.Ka版やMETAL ROBOT魂版もサーベルは全て青なので、これに関しては完全に擁護できない。 //α外伝、第2次α、D、第3次α、Gジェネレーションウォーズ、ワールド、オーバーワールド、ジェネシスの全てでピンク色だったので、本作だけの問題ではないかと。 ---一方で「ナイチンゲール」は、スマートかつ格好良い演出になっており好評。サザビーの「オールレンジ・アタック」の演出が散々な評価だった前作から改善されていない為、見事に汚名返上となった。 -異世界が舞台である事 --本作は異世界が舞台になっておりそれを活かしたクロスオーバーが魅力となっているが、一方でそれが原因で、原作シナリオの再現度が弱くなっているという側面がある。これは、アル・ワースに舞台が設定されている『ワタル』以外の新規参戦作品においても例外ではない。 ---例えば、『Gレコ』原作は「宇宙に依存した地球勢力」と「地球に帰還したい宇宙勢力」といった環境ありきのストーリーであり、『バディコン』原作も「世界を二分した大戦」という体でシナリオができていたのだが、本作では異世界に召喚されたという関係で、双方とも「エクスクロスと助け合う事で元の世界に帰還したい勢力」と「神聖ミスルギ皇国(実質的にはエンブリヲ)、および魔従教団の力を借りて元の世界に帰還したい勢力」といった形に勢力図が変更されている((前者は、アメリア軍、レイハントン勢力、自由条約連合。後者は、キャピタル・アーミィ、ドレット軍、ジット団、大ゾギリア共和国、ネオ・アトランティスが該当する。もっとも、クンパやエフゲニー、ガーゴイルなど、大ボス格にはそれぞれ独自に別の目的が存在している。))。『ナディア』も、機動兵器が登場しない部分は大幅カットされている((これは必ずしも、異世界が舞台である事だけが原因とは言えない。))。 ---そのため、『Gレコ』や『バディコン』の敵勢力はあくまで異世界で間借りしているというスタンスが強く、原作と比べると動きが小さくなっている部分がある。原作通り『Gレコ』のジット団が地球帰還のための密約を交わしても「今は異世界のため、元の世界に帰還してからの話」となるような場面もあり、今ひとつ締まらない。 ---もっとも、異世界を舞台にした『EX』・遥か未来の世界を舞台にした『α外伝』などの過去作と比較すれば、再現の度合いは高く、他作品とのクロスオーバー自体もしっかりとなされている。また、オリジナル偏重というわけでも、『ワタル』と他の三作品の扱いに極端な差が生じているというわけでもなく、原作とは違う形になりつつも、各作品のキャラクターの見せ場は非常に多い。ビゾンなど、原作では死亡してしまうキャラクターが生き残ったりするなど、いい方向にアレンジされた面も決して少なくない。 ---- **問題点 -デモムービーが復活したものの、ライブラリには登録されない。 --前述した『α』などでは、ライブラリから選択していつでも鑑賞する事ができていた。 -前作のグラフィック問題が改善されていない。 --PSVita版は解像度の問題なのか、戦闘アニメの一部カットインやアニメーションが粗く描写されている。 -新規参戦作品やオリジナルのユニット数、および武装の数が少ない。アニメーションのクオリティを重視しつつ、1年という短期間で開発した事が原因と思われ、いわゆる「量より質」を重視した弊害であるといえる。 --「G-セルフ」のいくつかの形態はアイコンのみの登場。「クリシュナ」や「オーガ」も隊長機である「アルシエル」の召喚攻撃による登場にとどまっているなど、いささか寂しいことになっている。 --主人公クラスのユニットの武装はいつも通り充実しているが、主役クラス以外のユニットは設定上豊富な武器を持っている場合でも武装が2種類しかない場合が多い。アニメーション内では他の武装とセットで使っている場合も多く、その武装自体が必ずしも見られないわけではないのだが、やはり武装欄が寂しくなってしまう為、「個別の武装として搭載してほしかった」という声は多い。 ---加えて、主役クラス以外のユニットは武装が2種類しかない割にトドメ演出が無い場合が多く、戦闘アニメがアッサリ終わってしまう。点と相まってかなり地味な印象になってしまっている。納期の関係もあるだろうが、トドメ演出があるだけでも作り込まれている印象になっただけに惜しいところである。 ---また、武装が少ない影響で弾数などの継戦力に不安が出るユニットもあるが、最強武器でも比較的消費が抑えられていたり、カスタムボーナスで改善されたりするため、戦力面で困ることはあまりない。無論主人公機よりは劣るが、それはいつもの事と言える。 --敵のボスユニットもいつにも増して武装欄が寂しい傾向にあり、『バディ・コンプレックス』のラスボス機である「カルキノス」は武装が「突撃」一つしかない。また、『ナディア』のラスボス機「レッドノア」が、代名詞的な武器「バベルの光」を特に理由もないのに使用できない事にも、原作ファンから非難の声が上がった。いずれもアニメーション自体は優れているだけに、つくづく惜しいといえる。 -オリジナル主人公関係 --主人公の名前について ---今作も主人公の名前を自由に設定できるが、「記憶喪失だった主人公の記憶が戻り、プレイヤーの付けた名前は偽名である事が判明。本当の名前(固定)を思い出す」という展開がある。 ---結局“今はアル・ワースでつけられた名前を名乗り続ける”という展開になるものの、第3次αのクォヴレーのように完全に元の人格や名前と決別するわけでなく、いずれ本名に戻るという前提の偽名扱いのため、感情移入目当てにプレイヤー本人の名前をつけたり、熟考してこだわりの名前を付けたプレイヤーにとっては残念なサプライズになってしまった。 //クォヴレーの例もあるし、残念なサプライズとまでは言えないのでCO。 //クォヴレーの場合はアインとしての人格や記憶を取り戻すというわけでもないのですし、あくまでも今は設定名を名乗る(本名を捨てるわけではなく、偽名的な扱いとなる)と明言している今作とはあまり比較にならないのでは? ※そもそも当該部分を書いた人がクォヴレーを件を同様にマイナス点として捉えている可能性もありますが。 --アマリ編におけるイオリの扱い ---イオリ編においてアマリはシナリオ上重要なポジションなのだが、アマリ編のイオリはそのポジションの大部分をホープスに奪い取られてしまっている。 ---アマリ編でホープスがイオリの事を「オド袋((簡単に言うと燃料扱い))」と評する場面があるが、実際彼は主人公機のパワーアップ要員以上の見せ場は逆のルートに比べてかなり少ない。 --オリジナル主人公機である「ゼルガード」は、シナリオ進行により徐々にパワーアップしていく仕様であり、最後のパワーアップでは「最強技の追加+パラメーター強化+最初に選ばなかった方の主人公がサブパイロットとして追加され二人乗りになる」という形をとっている。 ---スパロボ主人公定番の後継機への乗り換えや選択制の性能強化((「格闘特化型or射撃特化型」「装甲を強化したスーパー型or運動性を強化したリアル型」など。))が無いことを惜しむ声も聞かれた。とはいえ性能は十分で、事実[[スーパーロボット大戦T]]に参戦した際には他の主人公機に劣らない実力を発揮する。 -前述のムービー演出が復活した反面、新規DVEは前作『V』の半分ほどに減った。 //-『魔神英雄伝ワタル』のコミカルなシナリオ展開がやや浮き気味。 //--本作で一番シナリオの中心に置かれ、もっとも優遇されていることもあり、ギャグテイストが強い『魔神英雄伝ワタル』が浮いているという声がある。 //問題点しか書いてないが。賛否に置くならコミカルなシナリオ展開だから良かった事も書いてくれ。 //そもそも、別に浮いてるってこともないだろ。マイトガインとかクロスアンジュとかもコミカルなところはあるし、クロスオーバーの中で浮いてるとは思えなかったが。 ---- **総評 異世界が舞台という風変わりな設定を持つ異色作だが、ストーリーやアニメーションなどの出来栄えは秀逸で、クロスオーバーも依然高いレベルを維持している。~ 『ワタル』のファンはもちろん、昨今のシリーズ作品を楽しめた人にもお勧めの一作。~ また、『EX』や、『魔装機神』、および『無限のフロンティア』などの『OGサーガ』、『NEO』など、ファンタジー要素の濃い作品を好むユーザーにも、手に取って損はない内容となっている。 ---- **余談 -本作のコマーシャルには、角界で人気を博した元高見盛関である振分親方がイメージキャラクターとして抜擢された。 --『V』のコマーシャルを担当した博多大吉氏同様、振分親方もスパロボシリーズのファンであり、ファンならではの反応を見せ、ユーザーを驚かせた。 -『[[スーパーロボット大戦T]]』の発売後、『[[V>スーパーロボット大戦V]]』と共にNintendo Switchと正統派シリーズ初となる''PC(Steam)''での発売が発表された。 --PS4/Vita版で配信されたボーナスシナリオを全て無料で遊ぶことができる。 --Steam版は標準設定のままでもパッドで操作できるようになったが、やはりコントローラーサポートを切らないとパッドリセットが作動しないバグがある。 -2021年1月21日に、PS4版のダウンロード版限定で通常版の廉価版(Welcome Price!!)が配信開始された。同時に廉価版と全ボーナスシナリオがセットになった『デラックスエディション』も配信されている。 ----

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