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*バトルロボット魂 【ばとるろぼっとだましい】 |ジャンル|ロボットバトルアクション |#amazon(B00ADZFZT8)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |メディア|UMD 1枚orダウンロードソフト|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|アートディンク|~| |発売日|2013年2月14日|~| |定価|UMD版、ダウンロード版共に6,280円(税込) |~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |備考|データインストール:223MB以上|~| |判定|なし|~| |ポイント|作品のキャラではなく、「ROBOT魂」としての参戦&br()個性豊かな参戦作品・ロボ&br()イデオンをプレイヤー操作できる貴重な作品&br()はっきりしない機体選定基準&br()中盤が鬼門・それ以降はぬるくなっていくバランス&br()演出には疑問点|~| |>|>|CENTER:''[[バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 バンダイから発売されている可動フィギュアのブランド「ROBOT魂」を題材としたアクションゲーム。パッケージ裏面にも記載されている通り『ガンダムバトルシリーズ』の外伝的作品となっている。&br()バトルシリーズ初の多数の作品が参戦するクロスオーバーものであり、近年のロボットアニメを中心に多数の作品が参戦している。 フィギュアのROBOT魂のSIDE表記((フィギュアがどの作品の機体かを示すカテゴリー表記。例えばガンダムシリーズであればモビルスーツなので[SIDE MS]、ダンバインであればオーラバトラーなので[SIDE AB]となる。))に倣い、[SIDE PSP]というサブタイトルが付けられている。 ---- **ROBOT魂とは? 2008年から始動した、それまでバンダイから展開されていた「MOBILE SUIT IN ACTION」を筆頭とするフィギュアブランド「IN ACTIONシリーズ」の実質的な後継ブランド。性格的にはMIAと言うよりはその派生シリーズであった「IN ACTION OFFSHOOT」に近く、ガンダムシリーズの機体を中心としつつも『コードギアスシリーズ』『重戦機エルガイム』『聖戦士ダンバイン』などの様々な作品の機体を立体化している。&br()精緻なディテールや良好なプロポーションと可動領域を両立させていることに定評があり、質のばらつきは多少あるものの総じてコレクターからの評価が高いシリーズである。 ---- **参戦作品 //システムの項で作品依存の機体名や固有名詞が多用されているため、参戦作品の方を上に配置します。 #region(参戦作品) -コードギアス 反逆のルルーシュ -コードギアス 反逆のルルーシュR2 -コードギアス 亡国のアキト -交響詩篇エウレカセブン -劇場版 交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい -重戦機エルガイム -STAR DRIVER 輝きのタクト -[[聖戦士ダンバイン>聖戦士ダンバイン ~聖戦士伝説~]] -ゼーガペイン -蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH -HEROMAN -フルメタル・パニック! TheSecondRaid -フルメタル・パニック? ふもっふ -[[マクロスF>マクロスシリーズ]] -輪廻のラグランジェ 以下、超合金魂/スーパーロボット超合金/DX超合金よりゲスト参戦 -伝説巨神イデオン -戦闘メカ ザブングル -[[アーマード・コアV]] -マクロスF(DX超合金版) その他、本作オリジナルの機体として魂ネイションのロゴマークをかたどったオリジナルメカ「ガングレートネイションズ」が参戦している。 #endregion **システム 基本操作はこれまでのバトルシリーズを踏襲している。 -''魂ムーブ'' --あらゆる攻撃モーションをキャンセルして移動できるシステム。方向キーを同じ方向に素早く二度入力することで行う「ステップ」と×ボタンを使った「ブーストダッシュ」で攻撃動作をキャンセルし、緊急回避やさらなる追撃が可能。 --身も蓋もない言い方をすれば[[エクストリームアクション>機動戦士ガンダム EXTREME VS.]]。 -''機体チェンジ/魂チェンジ'' --本作では一つのミッションに最大10機まで機体を持ち込むことが可能であり、戦闘中に機体をチェンジすることができる。このチェンジの際、機体の体力の最大値と現在の体力の差に応じて''「魂ゲージ」''が蓄積されていく。 --チェンジの順番は出撃前に決定することができ、順番通りにチェンジが行われ、10機を一巡すると最初に戻る。 --魂ゲージが100%以上の時に''「魂チェンジ」''が発動可能となり、発動することで魂ゲージを全て消費し、機体チェンジと同時に交代して登場した機体がスペシャルアタックを発動する。魂チェンジで行われるSPアタックは通常時のものと攻撃内容に変化はないものの、攻撃系SPアタックの威力が魂ゲージの蓄積量(最大300%)に応じて加算される。 -''カスタマイズ要素'' --本作でも機体のカスタマイズ要素は健在であり、戦闘で入手したチューンポイント(TP)を割り振って機体性能をチューニングすることができる。 --他に機体に応じて''「装備する武装」「SPアタックの種類」「オプションパーツの有無」「ポーズ」「パワーアップパーツ」''の5つをカスタムすることが可能。 --今作で特徴的なのは武装系のカスタムであり、デフォルトで装備可能な武器を3つまで選んで□・△・○ボタンに割り振ることができる他、その機体にデフォルトで装備されている武装以外にも、同じ作品内であれば、互換性のある一部の武装を装備させることができる。 ---例としてヴィンセントにはランスロットのVARISを装備させることが可能であり、コダールにはM9の対物狙撃銃やサベージの対戦車ダガーを装備させることが可能。 ---作品の枠を無視して、すべての機体に装備できる「TMSシリーズ」の武器も存在する。 --また武装枠には武器以外にも変形コマンドを登録することが可能であり、バルキリーの変形やビルバインのウイングキャリバー変形はこれで行う。変形可能な機体であっても、デフォルトで変形することはできない。 --SPアタックは機体固有のものが存在する他、特定の武器・オプションパーツを装備することでしか使用できないSPアタックも存在する。 ---例としては固有SPアタックを持たないカルバリーテンプルにバスターランチャーを装備させることで、バスターランチャーのSPアタックを使用可能にすることができる。 ---SPアタックを装備しない場合、戦闘中にSPアタックを発動すると一定時間無敵になる。 --オプションパーツはその機体特有のオプション装備の脱着を設定することができ、VF-25系列のスーパーパックやアーバレストのラムダ・ドライバ起動エフェクトなどがそれにあたる。 --「ポーズ」では文字通り機体にポーズを付けることが可能で、ポーズによって様々な追加効果が得られる。実質的には第4のパワーアップパーツと考えて差し支えない。 --ポーズの種類は多岐にわたり、「立膝」「武器構え」「飛翔」などのスタンダードなものから''「orz」「匍匐」「野球の『セーフ』」''など笑えるものまで様々。 --パワーアップパーツは文字通りの強化パーツであり、装備することで機体性能を強化することが可能。3つまで装備することができる。 -''ディスプレイモード'' --カスタマイズした機体を、戦闘ステージなど用意されたフィールドに置いてディスプレイするモード。ディスプレイした機体はスクリーンショットを撮って保存することが出来る。 --機体にはカスタマイズで装備した武器やアクションポーズ・オプションパーツが反映される。そのため現実のフィギュアのように関節をいじってポーズを決めるのではなく、用意されたポーズを選んで配置していくことになる。 --配置できる機体は1~3体で、機体の位置の移動や視点移動、また隠しアイテムによってROBOT魂の機体を超合金スケールに変更(その逆も)などが可能。これにより、''「ハイパーダンバイン」「巨大サベージ」「小型イデオン」''と原作ではありえないシチュエーションを再現できる。 -''ゲームの進行'' --ゲームは6つに区切られたフィールド''「ネスト」''を攻略することで進行していく。ネスト内は六角形のマス(ミッション)の組み合わせで構成されており、マスごとに指定されたミッションをクリアすることで一つ一つのマスを進み、最深部にあるボスの登場するミッションをクリアすることでネストクリアとなる。 --ミッションは基本的に出現する敵を全滅させればよいのだが、ミッションによっては「○回機体をチェンジする」「コンボを○hit以上繋ぐ」など特定の条件をこなすことで資金やTPが追加される場合もある。 --また特殊なルールが課されているミッションも存在し、「ブーストゲージ無限」「弾数無限」などプラスに働くルールや「ブースト消費2倍」「射撃or格闘禁止」などのマイナスに働くルールがある。 --一つのネストに4つの難易度があり、攻略する毎にアンロックされていく。上位ネストではミッションに出現する機体や特殊ルールがランダムに配置される。 ---- **評価点 -''ラインナップ豊かな参戦作品・機体'' --近年のロボット作品をメインに選ばれた顔ぶれは豪華の一言。特にスタードライバーとHEROMANはアクションゲームへは初登場であり、今のところタウバーンとヒーローマン、イデオンをアクションゲームの自機として操れるのは本作のみである。 --またゼーガペインも『XOR』『NOT』以来のアクションゲームへの登場であり、フルメタ・ギアスも『[[ACE:R>Another Century's Episode:R]]』以来のアクションゲー参戦である。 --本作の発売時にはまだ商品化していなかった『亡国のアキト』の主人公機・アレクサンダがゲスト参戦するというサプライズも用意されている。格闘モーションは本機体独自のものになっており、原作で見せたアクロバティックな動きをイメージした躍動感あふれるものになっている。 --イデオンとザブングルの参戦は多くのファンを驚かせた。ザブングルは主役機であるザブングル・ウォーカーギャリアだけでなくアイアンギアーまで参戦しており、その巨体からくるパワーを遺憾なく発揮して敵を蹴散らすパワープレイが楽しめる。 --またこういった作品への客演が少ないACの参戦も大きなサプライズとなった。イデオンと共にOPデモにまで登場しており、他のロボがリフボードや変形で空を舞い銀河ビームやスターソードをぶん回す中で、全身に搭載した銃火器を使った泥臭い戦いを見せてくれる。 --主人公機やライバル機だけでなく、普段アクションゲームで日の当たらない暁やサベージ、ピクシー小隊専用クァドラン・レアなどの量産機が使用できるのも本作ならでは。恐らく、''「タウバーンをハンマーで殴り倒すサベージ」「アイアンギアーに燦然と立ち向かっていく暁」''などという光景は本作でしか見られないだろう。 --クリア後はカスタマイズの上限値が撤廃され、どの機体でもTPさえあれば全パラメータをカンストするまで上昇させられる。そのため原作で型落ちした機体や量産機でも主人公機やライバル機などに比肩する能力となり、文字通り''どんな機体でも最後まで戦える''。やろうと思えば''ボン太くんやサベージ、月下でイデオンや主人公機を撃破する''ことも可能であり、愛着のある機体を最後まで使い続けることが可能。 -''魂ムーブによる自由度の高いアクション'' --魂ムーブの存在により、アクションの自由度は高い。「射撃で怯んだ敵に近づいて格闘コンボ」「ブーストゲージの続く限り格闘連撃」など、ブーストの続く限りアグレッシブな攻めを続けることが可能。 --「ブースト無限」「スピード2倍」ルールの時の爽快感は筆舌に尽くし難い。スピード2倍ルール時はなんとステップ一回でステージの半分近い距離を移動することができ、めまぐるしいスピード感あふれる戦いが楽しめる。~ お前ら[[クイックブースト>アーマード・コア4]]でもついてんのか!? -''カスタムサウンドトラック'' --本作はカスタムサウンドトラックを搭載しており、好きな曲をロボ毎に個別に設定できる。 --またデフォルトのBGMも、ラグランジェなら『4 441』、ファフナーなら『ナイトへーレ開門』などツボを抑えたラインナップになっている。 ---ただし、カスタムサウンドトラックには問題がある。これに関しては後述。 ---- **賛否両論点 ***あくまでROBOT魂です -本作に登場する機体は全て作品中の機体ではなく、''「ROBOT魂のフィギュアを模したデータ」''という設定である。つまりパイロットはプレイヤーそのものであり、原作のパイロットが乗っているわけではないのでこの手のクロスオーバーゲーのお約束である''キャラクター同士の掛け合いやクロスオーバーは存在しない''。 -そのためゲームは基本的に音楽と後述するAIのボイスのみで進んでいく。攻撃や必殺技で放たれるキャラの台詞がないため、かなり味気ない。 --しかし、この「作品中の機体ではなく、フィギュアという設定」のおかげで多くのロボットが設定やスケールの違いを無視してクロスオーバーできたという側面もあるので、一概に問題点とは言い難い。 ***参戦作品について -本作の参戦作品はROBOT魂で商品化された中から選ばれているのだが、ROBOT魂でもラインナップの中核を占めている[SIDE MS]、つまりガンダムシリーズの機体は一切参戦していない。この思い切ったガンダム系のオミットは賛否両論を呼んだ。 -しかし「ガンダムが出てしまったら今までのガンダムバトルと変わらない、ガンダム系をカットしたのは英断」という意見もあるので一概に批判されているわけではない。 -また[SIDE EVA](ヱヴァンゲリヲン新劇場版)、[SIDE MASHIN](魔神英雄伝ワタル)、[SIDE YOROI](ガン×ソード)、[SIDE FUJIKO](藤子不二雄作品全般)((正確にはザンダクロスなどの藤子作品系ROBOT魂にはSIDE名は存在しない。このサイド名はROBOT魂Wikiに倣い便宜上付けたものである。ROBOartsでは「藤子・F・不二雄キャラクター」という分類名になっている。))も参戦枠に入っていない。権利を取るのに膨大な資金が必要なことが予想され、かつ戦闘向けの作品とはいえない藤子作品の未参戦はともかく、それ以外の三作を参戦枠から外した理由は不明。&br()どの作品も戦闘向けで、アクション映えするはずなのだが…。 --ワタルに関しては「魔神は頭身が低すぎて他の参戦作品と比べると浮いてしまうから」「手足が短いSD体型ではポーズが決まらないから」「原作者の広井王子が許可しなかった((一種の噂・都市伝説として「広井王子は手がけた作品が『スパロボ』などのクロスオーバー系の作品に参戦することには否定的で、公式でその旨の発言をしたことがある」というものがある。『スパロボNEO』関連のイベント時にも寺田Pが「(ワタル参戦に関して)そのことを分かっていないわけではない」という発言をしており、「ワタルのスパロボ参戦には何らかの障害があるのでは?」と推測するファンも多く、信憑性の高い噂として広まっている。ただし広井王子の発言に関しては明確なソースが存在しないので噂の域は出ておらず、過去にはワタルは『ハロボッツ』『サンライズ英雄譚』などのクロスオーバーゲームに参戦しており、『PROJECT X ZONE』や『スパロボX-Ω』にも広井王子原作のゲーム『サクラ大戦』が参戦してからは噂の信憑性は揺らいでいる。))」「元々ワタルのトイ商品を展開していたタカラとROBOT魂龍神丸をめぐってモメたため慎重になった((版権はアニメ製作会社であるサンライズが所有していたが、当時アニメはスポンサーであるトイメーカーも企画段階から加わり作品を作る傾向にあった為、その作品アイテムを他社が発売する時は元スポンサーに一言断るという「慣例」があったのだが、ROBOT魂龍神丸をバンダイが発売する際にタカラに断りを入れなかった為、権利関係についてトラブルになり、一時期タカラ系サンライズ作品(勇者シリーズやボトムズなど)の版権を他社やイベントの一日版権含めすべて凍結させるという事態になった。この騒動は二年近く続いた後、サンライズにライツ事業部が設立され旧タカラ系版権を含め一括管理するという形で騒動が終結した。))」など様々な仮説が立てられているが、やはり憶測の域を出ない。 -既存のフルメタシリーズと同じ[SIDE AS]でくくられている『フルメタル・パニック!アナザー』も未参戦となっている。こちらも「版権が取れなかった」など様々な推測がなされているが、参戦できなかった理由は不明。 --- **問題点 ***参戦機体について -基本的にはGGネイションズを除いてROBOT魂で発売された・発売される予定のラインナップから選出されているのだが、商品化された全ての参戦作品の機体が登場しているわけではない。 --問題はその欠けている機体の中に名無しの端役や番外編の機体だけでなく、''ギアスやフルメタ等の主人公機やライバル機が含まれていること''。何故か作品の象徴的な機体やファン人気の高い機体が欠けているのだ。 --ギアスは、ランスロットや紅蓮はいるのだが肝心の主人公であるルルーシュのKMF・ガウェインと蜃気楼がいない。ルルーシュに恨みでもあるのか…? --また先述したとおり機体はROBOT魂で商品化された機体から選出されているので、「OFFSHOOT」ブランドでしか商品化されていないランスロット・コンクエスターやサザーランド、グラスゴーなどのブリタニア系量産機は不在である。 --さらに言えばナイト・オブ・ラウンズの専用KMFやランスロット・クラブ、ヴィンセント制式仕様やGヴァルキュリエ隊仕様も抜けている。ヴィンセント二種に関してはカラバリであるためオミットされたとも考えられるが、その割に紅蓮聖天八極式とランスロット・アルビオンにはエナジークリアVer.((魂ウェブ商店にて限定販売された、聖天八極式とアルビオンの別カラーバージョン。透き通ったクリア素材で作られている。))がきちんと存在しており、選定基準は今一つはっきりとしない。 --フルメタもひどく、なんと''後期主役機のレーバテインや前期ライバル機の初期型コダールがいない''。サベージ・クロスボウ((原作小説8巻『燃えるワン・マン・フォース』にて登場した、宗介仕様のサベージ。アーバレストと同じ白と紺色のカラーリングが施されている。))を追加する余裕があったならば入れられたのでは…? ---レーバテインと初期型コダールに関しては、あくまで原作小説やアニメ第1期の版権が含まれていない都合上仕方ないと言えるが…(クロスボウはアニメ未登場にも関わらず、何故かTSR名義で参戦している)。 --その割に、初期型と形状が同じでカラーリングが変わっただけのコダールmは参戦している。つまり、カラーバリエーションの機体がオリジナルを差し置いて参戦していることになる。ヴェノム参戦との兼ね合い((コダールmは『TSR』にてヴェノムの取り巻きとして登場している。))なのだろうが…。 --エウレカセブンは参戦機体がニルヴァーシュ、軍用Verニルヴァーシュ、ジ・エンドの3機のみしか参戦しておらず、しかもジ・エンドの出典が「ポケットが虹でいっぱい」からになっている。これはROBOT魂のジ・エンドに「ポケットが虹でいっぱい」でしか出て来ない幼生ジ・エンドが付いてくるからと思われる。 --スピアヘッドとデビルフィッシュを使用することはできない。スピアヘッドはともかくデビルフィッシュは人気キャラクターであるホランドの乗機であり、その鋭角的なスタイルから人気も高い。こちらも蜃気楼やレーバテイン同様、未参戦であることに不満の声が大きい。 --ファフナーはエルフ・ザイン・ジーベンの3機のみが参戦しており、限定販売とはいえ商品化しているドライ・フュンフ・ゼクス・アハトが未参戦。 --ACVは看板機体であるUCR-10/aのみ参戦しており、原作で絶大な存在感を誇っていた「主任」の愛機ハングドマンは参戦していない。 --ゼーガペインはラスボスのアンチゼーガ・マインディエは参戦しているが、コアトリクエは出ていない。 --VF-25(メサイアバルキリー)がアルト機・ミシェル機しかいないのは[SIDE VF]で発売されているバルキリー系の機体がその2機しかいないため仕方がないのだが、なぜか隠しキャラのDX超合金版マクロスFシリーズからもその2機しか参戦していない。DX超合金にはVF-25のバリエーション機がほとんど存在する上に、YF-27(ルシファー)やVF-171EX(ナイトメアプラスEX)も存在している。 -多くの作品の登場機体が削られている一方で[SIDE AB](ダンバイン系列)からは本作発売の時点ではサンプルのみが発表されていたビランビー・ズワァースが参戦しており、やはり参戦機体の選定基準には疑問を感じざるを得ない。 --この手のゲームで必ず突き当たる容量との戦いもあるので仕方ない部分もあるが、本作のメディアインストールの容量は''223MB''。昨今のPSPのゲームでは平均~それ以下の数字であり、「頑張ればもっと詰め込めたのでは」と勘ぐるプレイヤーも多い。 --参戦機体の割合も偏っており、ROBOT魂を取り扱った作品なので仕方ない部分もあるが機体ラインナップの多い[SIDE KMF](ギアスシリーズ)、[SIDE AS](フルメタシリーズ)が参戦機体の多くを占めている。 ***ストーリー・キャラクター -ストーリーは一応存在するのだが、取ってつけたような代物で決して心揺さぶられるようなものではない。 --各ネストにはそれぞれネストを保有する敵プレイヤーが存在し、勝負を挑んでくるプレイヤーに対して反応を見せてくれるのだが、一定のミッションをクリアした時やネストクリア時に流れる台詞はどの難易度でも変わらないので「本当に相手も人間なのか」と疑いたくなる。 --敵プレイヤーには台詞でキャラ付けがされているのだが、「某戦争映画の鬼軍曹のようにプレイヤーをビシバシしごこうとする鬼教官」「語尾に『にゃー』をつけるアニヲタ」「理論や数字にこだわる知性派」などどうにもテンプレ感が否めない。 #region(以下、ストーリーに関する軽度のネタバレ) --ラスボスは、黒幕が''「最強の戦闘データ」''として用意したイデオン。ラスボスとしては妥当な選出と言えるが、このせいで本作唯一のオリジナル機体であるガングレートネイションズの立場が丸つぶれになっている。 --ちなみにGGネイションズは表シナリオクリア後に使用可能になるのだが、クリア特典というハードルの高い解禁条件の割に大して強くない。 #endregion ***うるさいAI -本作では存在しない各作品のキャラクターの台詞に代わり、プレイヤーを補佐するAIが攻撃・被弾など、ゲーム中のアクションに応じて喋ってくれるのだが…。 --はっきり言って妙にテンションが高くてうるさい。しかもAIというキャラ設定からか電子音声風味に甲高く加工されており、耳に障ると言う人も。この声が何かする度に''「大ダメージ!」「ちょっとダメージ受けすぎ…?」「スペシャルアタックっ!」「魂のロボット、登場です!!」''などと大声で喋る。 --だが、AIの台詞をカットしようとしてボイスの音量をゼロにすると何故か一部のサウンドエフェクトまで消えてしまう。ボイスの音量と連動しているSEは主にリザルト画面関連に集中しているため、大きく演出を阻害することはないが、疑問の残る仕様ではある。 --このAIの声優を担当しているのはなんとあの藤田咲。初音ミクの中の人である。 ***カスタマイズ関連 -このゲームはカスタマイズによる強化が前提のせいか、初期状態ではロボの能力値は低めに設定されている。そのため''初期状態ではブーストがすぐ息切れする・足が遅い・ブーストの回復速度が遅い・防御力が低い''など特に足回りの面が非常に窮屈で、スピード感が感じられない。すぐブーストが切れてしまうので、ステージが広く感じるだろう。 --スピード感のある戦闘で評価を受けてきたガンダムバトルシリーズだが、開始初期は「本当にバトルシリーズか?」と疑ってしまう。ゲーム本来のスピード感や魂ムーブによる自由度のある動きを味わうには、序盤~中盤のネストを攻略してカスタマイズの上限値を上げ、TPを稼いで優先的に足回り関連のカスタムにつぎ込んで行かなければならない。 -武器が3つしか装備できないのが窮屈、という声も多い。武器は射撃・格闘を含めてSPアタックを除けば先述の通り3つしか装備できず、その機体がデフォルトで持っている武器をすべて使うことはできない。 --[SIDE HM](エルガイム系)やザブングル系など、主にもともと搭載武器が多い機体がその弊害を受けている。&br()一例を挙げると[SIDE HM]のバッシュは本来太刀セイバー、エネルギーボンバー、パワーランチャー、バスターランチャーなど多くの武装を扱える設定の機体なのだが、戦闘で使えるのはその中からわずか三つだけである。 --またこちらも先述したが、変形やリフボードも武器欄を一つ専有してしまうので、バルキリー系や[SIDE LFO](エウレカ系)、ザブングル系は変形を活かそうと思ったらただでさえ少ない武器欄を潰さなければいけなくなる。 -武器のカスタマイズもやや不親切で、武器の特徴がカスタム画面ではわかりにくいものになっている。一応「ビーム・誘導などの武器の属性」「威力・弾速・精度・チャージ(リロード)時間」は表示されるのだが、弾丸の発射間隔が表示されないのでいまいち連射系の武器なのか、単発系の武器なのかわかりづらい。 --実弾といってもマシンガンのような連射系の武器だったり、スナイパーライフルのような単発射撃だったり、三点バーストを搭載した武器だったりとそれこそ種類は色々ある。簡易的な武器の特徴を記載しても良かったのではないだろうか。 --変形することで使用可能な武器が切り替わる機体に関しても武器に説明がなく、出撃してみるまで使用可能か不可能かはわからない。 --一応各種原作のファンであれば原作の描写を元に推察することは可能であろうが…マークザインのガルム44あたりはかなり混乱してしまうだろう((ガルム44は本来実弾を連射するアサルトライフルのような武器なのだが、マークザインが同化して使用した際にはグレネードのように爆発する弾丸を放つ本来の性能からは考えられない規格外の武器になっていた。本作でもガルム44がマークザインのデフォルト武器として使用可能なのだが、同化前の描写に合わせた連射武器になっており、同化エフェクトパーツを装備しても変化しない。))。 ***ゲームバランスに関して -序盤は敵の数も少なく、ボスを除けば殆どの雑魚敵が一、二撃で倒せるのだが、各ネストの難易度が☆2になったあたりから急激に難易度が上がり始める。 --☆2になったあたりから敵が急激に数の暴力を駆使し始め、更に敵のスペックが上昇し、厄介な敵も増え始める。プレイヤーは一つのミッションに多数の機体を連れてはいけるが基本的に多対一であり、マルチロックという便利な武器も存在しないため一機一機を相手にしていくほかない。 --その上、序盤はネスト攻略に連れていける機体が少ないので機体の喪失が大きな痛手になる。 --某掲示板では、この難易度の上昇を''「今まで幼児用の浅いプールで泳ぎを練習していたのに、いきなり水深の深い競技用のプールに放り出されるような感覚」''と表現した。 -特に厄介なのは、マクロス系・ギアス系などのミサイル持ちの敵、そしてビランビー。 --ミサイルは原作通り敵を追尾して攻撃する便利な武装なのだが、その命中率が非常に高くやっかい。更にギアス系のミサイルは当たるとスタンを誘発するという特殊効果を持ち、長い間動きを止められ、そこに別の敵からの追撃も受けてしまう。 --このミサイルを持っているのがよりによって''序盤から雑魚敵として登場する量産機の暁''。なのでプレイヤーは序盤からミサイルの恐怖と相対することになる。 --ビランビーは主武器のオーラランチャーが非常に厄介であり、オーラランチャーは''「連続で発射される」「当たるとダウンする」「着弾時に爆風が発生し、爆風に当たってもダウンする」''という特徴を持っている。つまり''当たる度にダウンを奪われ、避けるのが遅ければ爆風に巻き込まれてダウンさせられる、しかも3連射されるため被弾しやすい''という非常に厄介な特徴を持っているのだ。 --ビランビー自体もそこそこの性能を持っており、格闘も「三段切り最後の切り上げで長時間相手を受け身不能のダウンにする」という厄介な特性を持っている。当然ダウン中にビランビーや違う敵からの追撃を受けてしまい、格闘が一発当たっただけでかなりのダメージを受けてしまう。 --しかもこのゲームは起き上がりの無敵時間が短く、無敵時間に頼ったゴリ押しも難しい。 --唯一の救いはダメージが非常に低いことではあるが、何度もダウンさせられるウザさからくる精神的ダメージの大きさはこのゲームでも1、2を争うだろう。 --彼等の強さを知ってか知らずか、これらの機体は雑魚敵ゆえ一つのステージに二体以上出現する場合が多い。なのでハメに近い状況は比較的簡単に起こってしまう。 --更にこの数と性能の暴力に''「ガード・攻撃モーション中は一切ブーストゲージは回復しない」「序盤はカスタム用のTPが手に入りにくい」''という逆風も加わるのが辛い所。 --特にブーストゲージ関連はきつく、ただでさえ序盤は窮屈なブーストゲージが更に窮屈になる。敵に囲まれた時ブーストで逃げようと思っても、そんな時に限ってブースト残量が少なく、敵の攻撃をガードで凌がなければならず、ブーストが回復しないので逃げられない…という悪循環に陥りやすい。反撃してもゲージは回復せず、さらに攻撃すれば無防備になるので、さらに敵の反撃を受けてしまう。 --しかし、決して「理不尽」なほどに難易度が上昇するわけではない。ある簡単にTPを溜める手段((コロシアムモードのトーナメントをクリアすることで、簡単に3000TPが手に入る。3000というのは序盤では破格の数字。))に気づき、更に「ピンチになったらすぐに交代し、ピンチを魂ゲージに変えていく(やられてしまうと、魂ゲージはびた一文溜まらない)」「地形を利用して、囲まれないように1vs1の状況を作っていく」「SPアタックを惜しまずに使う」「こちらもミサイル・ビランビーで対抗する」などのこのゲーム特有のセオリーや序盤を乗り切るコツを見つければ、この中盤の苦境を乗り切ることは十分に可能である。 -そしてこの苦境を乗り切り、機体が充実し、カスタマイズ数値の上限がアップしてTPにも余裕が出てくるとこれまでの難しさとは一転して''ヌルゲー化が進んでいく''。一応難易度が上がることで敵もまた強化され、数の暴力も相変わらず行使してくるのだが、こちらもカスタマイズの上限が上がっているのでパラメータが敵とは比べ物にならないレベルに上昇しており、受けるダメージは小さく、与えるダメージは大きくなっている。威力の高い武器を持った機体であれば、一部の雑魚は一撃必殺可能なので実にサクサク進んでいくのだ。 --一応耐久力が高くルーチンも賢く設定された雑魚も難易度の上昇に連れて頻出するようになっていくのだが、攻撃力が低いのでやはり脅威にはならない。 #region(ラスボスに関する軽度ネタバレ注意) --ただし、ラスボスのイデオンだけは別格。鈍重な代わりに耐久力が異常に高く、SPアタックでも耐久力が全然減らない上、攻撃力も圧倒的でイデオンソードやイデオンガンを喰らおうものなら体力が1/3は減る。 --その上原作でも披露したミサイル全方位発射も武装として使えるので、イデオンガン・ソードを避けることができてもミサイルでジリジリと削られていく。 --問題はさらにそこへ、耐久力の高い取り巻きが随時出現するということ。射撃手段の少ないアーバレストはまだしも、アルティールがかなりウザい。 #endregion -クリア後は敵の強さがますます上昇する最上級難易度・「EX」が解禁され真の戦いが始まる…かと思いきや、こちらもカスタマイズ上限が撤廃されて全ステータスが天元突破するので、カスタマイズに必要なTPさえ集まっていればそれ以前の難易度と殆ど変わらなかったりする。 --ただし、これまで登場しなかったケーニッヒモンスターやUCR-10/a、アイアンギアーなどボスクラスの敵も普通に通常ミッションで登場するので難易度は多少上がる。敵の耐久力も圧倒的に増加するのでこれまでの戦いと違い、火力がないとかなりネスト攻略が長引く。 --またEXで機体を失うとその機体は以降ネストでは使用不能となり、再度ショップで買い戻さなければならない(各種カスタムやカスタムサントラは引き継がれる)。使用不能となるシステムは難易度上昇の一環として面白いシステムではあるのだが、ショップで買い戻す工程は必要だったのだろうか。 -中盤以降サクサク進むようになるのはいいのだが、この難易度の低下が思わぬ弊害を生んでいる。難易度が下がってサクサク進むようになることで、ネスト攻略の際に高ランクが取りにくくなっていくのだ。 --ネスト攻略時のランクは「クリアタイム」「攻略したミッション数」「敵機の撃破数」「自機の損害の少なさ」、そして「魂チェンジの回数」で決まる。最後に挙げた「魂チェンジの回数」が問題であり、サクサク進むことでダメージを受けなくなると自然とチェンジ無しでもクリアできるようになっていき、魂チェンジを使わなくなる。つまり、''せっかくの売りである魂チェンジが空気になっていく''のだ。 --このため、中盤以降はS以上のランクを取ろうと思ったら「わざとダメージを受けて魂ゲージを溜める」というマゾプレイを要求される。しかしこちらの防御力を上げていると敵のルーチンのお馬鹿さも相まってそれにも時間がかかる。そして時間がかかるとランクに支障が出る…と、後半S以上のランクを取るのは結構面倒である。 -機体バランスに関しては、基本的に格闘メインの機体が不利なバランスとなっている。 --格闘を一定以上の空中で当てるとコンボが繋がらない仕様と早めに格闘をガードすることで発生するパリィのおかげで格闘機体はかなり辛い。 --このゲームでは格闘に対してタイミングを合わせてガードするとパリィが発生し、格闘を仕掛けた相手を長時間硬直させることができる。中盤以降になるとCPUが格闘に対してかなりの頻度でパリィを返してくるため、迂闊に格闘を振るとパリィ→反撃で大ダメージという最悪の状況になりやすい。 --CPUの「動かないものに反応しない」という特性により''「パリィしてこちらが硬直している眼の前を何もせずにウロウロ」''というマヌケな行動を取ることも多いが、それを良い事に起き上がりからもう一度仕掛けたらまたパリィ…というループに陥ることも。 --この超反応によるパリィに加えて''空中で格闘を当てるとコンボが繋がらない謎の仕様''も格闘不遇に拍車をかけている。 ---空中で格闘の初段を当てると相手が過剰なヒットバックで吹っ飛んでしまい、多くの場合二段目がスカってしまう。そのため三段目を出す頃にはガードやステップが可能な状態となっており、コンボがつながらないのである。 --これで格闘のダメージが高いならまだ救いがあるのだが、ゲームが進んでいくほど格闘のダメージを射撃のダメージが上回っていく。魂ムーブでブーストゲージをほぼ全て使ったコンボを叩きこんでようやく射撃機体の高威力な射撃をギリギリ抜ける、ということもザラにある。&br()クリア後に至っては敵をものの数秒でスクラップにできる超火力を持つケーニッヒ・モンスターやUCR-10/a、ランスロット・アルビオンなど強力な射撃機体が使用可能になるので、ますます格闘メインの機体は立つ瀬がない。 --また先述した数の暴力も格闘に対して向かい風となっており、悠長にコンボを叩き込んでいると確実に横槍が入って邪魔される。 --要するに、超反応パリィに怯えながら相手の隙を見て格闘を仕掛け、ブーストを使ってコンボを叩きこむよりも射撃系の機体の強力な一撃を叩き込んだほうがローリスクで、ブーストも使わず安上がりなのである。 ---ただし「射撃禁止」ルールの存在もあるので、格闘が完全に死んでいるわけではない、1vs1の状況であれば、ブーストゲージの続く限り敵をハメることも出来る。ブースト無限ルールならば殆どの機体で''永久コンボが可能''であり、無防備な敵をボコボコ殴り続けるのは結構爽快感がある。 ***演出について -クロスオーバー系の問題の常となる演出だが、いささか物足りない面がある。言い出したらきりがないことではあるが…。 --演出や効果音ではガンダムバトルシリーズからかなりの面が流用されており、各原作独自の効果音を期待していると少々萎える。特に照射系ビームは大半がガンダムバトルシリーズのハイメガキャノンの効果音を流用している。 ---…のだが、何故か[SIDE AB]・[SIDE HL](ゼーガペイン系列)の機体だけはブースト時の効果音、斬撃音、ホロニックローダー特有の射撃時に銃口から発生する光波紋などしっかりと再現されている。''その愛を他にも分けてやってくれ''。 --LFOは何故かデフォルトでリフボードに乗っておらず、原作無視の地上戦をしなければいけない((一応原作でも地上戦をしたことはあったが、メインはボードを駆使しての空中戦である。))。ボードに乗るには先述の通り武器枠を一つ消費しなければならず、ボード抜きでのブーストダッシュ時には''謎の力で空中に浮遊する''。脚部とボードが一体化したジ・エンドならばまだしも、劇中でボードを標準装備していたニルヴァーシュはかなり不自然。 --これはフルメタのASも同様であり、ブーストダッシュすると地上ダッシュが存在するサベージを除いて謎の力で空中浮遊する。ACE:Rを見習え。 ---一応擁護すれば、ラムダ・ドライバを積んでいるアーバレストやコダールならば設定的にできなくはない((ラムダ・ドライバは平たく言えば「搭乗者のイメージを現実に投影する装置」であり、事実劇中ではアーバレストは道路標識を破壊することなくジャンプの踏み台にし、レナードのベリアル(本作には未登場)が空中浮遊という離れ業を見せている。))。 --タウバーンは使える武装が作中初期の必殺技であったタウ銀河ビームとパイルビットに偏っており、「豪快銀河十文字斬り」「パイル・クラッシャー」は使用不可能。SPアタックも炸裂タウ銀河ビームである。 ---また劇中では二振りのスターソードを使った華麗な剣技が特徴だったのだが、イメージに反して格闘はソードによる2段斬りのみ。 --ファフナーは背中のスタビライザーが微動だにしないほか、ドラゴントゥース・レールガン使用時のSPアタックが極太ビーム照射。''そういう武器じゃねーからこれ!'' --UCR-10/aは機体と同時発売された、ACVの象徴とも言える武装・オーバードウエポン「グラインドブレード」が使えない。 --コードギアス系はフロートユニット(飛翔滑走翼)を装備したR2以降の飛行可能な機体は地面に足をつけていてもランドスピナーが降りず、浮遊したまま移動する。またミサイルが命中するとスタンするのは先述したとおりだが、恐らくスタッフはミサイルをゲフィオンネットと混同している((ゲフィオンネットは紅蓮可翔式初登場時に披露された武装で、敵の周囲に停滞して相手の動きを封じるための武装。ミサイルとは別物。))。 --と言った具合に再現度の低い作品が非常に多い。その一方でアイアンギアーのオプションパーツに''ほっかむりが用意されている''というちぐはぐさ((「ロボットがほっかむり?」と思うかもしれないが、れっきとした劇中再現。超合金魂にもオプションとして付属している。))。他にすべきことがあるのでは。 --この他にも、格闘モーションの流用が多い。作品をまたいで様々な機体でモーションが流用されている。 --わかりやすいのがナイフを持つ機体の格闘モーション。「二段斬り→ナイフを三段突き」というモーションをVF-25二種、マオとクルツのM9などで使いまわしている。 --オーラバトラー系も「二段斬り→斬り上げ」というモーションを殆ど使いまわしている。ヒーローマンやマークジーベンなど、徒手空拳が武器に含まれている機体も「左右からのパンチ→殴り飛ばし」というモーションの使い回しが多い。 ***その他 -コロシアムのバトルモード「300機抜き」と、クリア後に解禁される「EXTRA」が苦行。 --「300機抜き」は文字通り300機の機体を撃破していくモードなのだが、一度に出現する機体は二体までであり、かなりじれったい。敵もそんなに強くないので、自機の強化の度合いによってはただの雑魚の処理にしかならない。 --「雑魚の合間に強い中ボスが登場」などのサプライズ要素も存在せず、本当に「淡々と雑魚を撃ち殺していくだけの作業」である。 --「EXTRA」はプレイヤーが持っている機体から一機を選び、ネストの攻略毎に手に入る機体を手に入れながらネスト最深部を目指す、というもの。 --その際使用する機体のカスタマイズは全て初期化され、道中で手に入るTPを駆使してやりくりしなければならない。カスタムサウンドトラックやパワーアップパーツ、ポーズなども全て初期化されてしまう。 --こちらは300機抜きとは逆の意味で苦行であり、こちらが超絶弱体化しているのに対して相変わらず敵は数の暴力で攻め立ててくるため、難易度はとても高くなっている。一応タウバーンのパイルを障害物に隠れながら使うことで安定して攻略はできるのだが、この方法だとはっきり言ってこちらも作業に近くなってしまう。 ***ボリュームに関して -はっきり言ってしまえば薄め。やりこみ要素も最後に解禁されるEXTRAのみで、機体もクリア後の「EX」の突破で集まってしまうため、機体コンプリートする楽しみもあまり無い。 --ただ、クソゲーというレベルで薄いわけではない。 ***カスタムサウンドトラック -各機体ごとにカスタムサウンドトラックを設定できるのは前述した通りだが、ボス戦では強制的にボス戦の曲に切り替わってしまい、ボス戦も自分の用意した曲で楽しむことができない。 ---- **総評  ''「とりあえずガンダムバトルのエンジンで作ってみました」''感が否めない出来であり、物足りない演出面や調整不足の中盤の難易度、射撃機体が有利なシステム、薄いストーリーなど全体的に今一歩足りないという印象が強い作品。~  しかし様々なロボットが一堂に会するアクションゲームという存在はそれだけで貴重であり、特に本作はタウバーン、AC、ヒーローマン、イデオンなどこれまでのクロスオーバーゲームにもほとんど出演しなかった意外な顔ぶれが揃っているという他にない個性を有している。~  各作品のファンであれば、過度な期待を抱かずに手にとってみるのも悪くない。何と言っても''イデオンやアイアンギアーを自らの手で操り、並み居る敵を蹴散らせる作品は本作ぐらいのものである''。 ---- **余談 -売上は初週で約4,000本というあまりぱっとしない数字であった。そのせいか、まともな攻略Wikiがなく多くのプレイヤーが手探りでの攻略を余儀なくされた。 -PVではマークジーベンがマークザインと協力して放つドラゴントゥース、いわゆる「ツインドッグ」の映像が確認できたのだが、何故か実際の製品ではオミットされている。
#contents() ---- *バトルロボット魂 【ばとるろぼっとだましい】 |ジャンル|ロボットバトルアクション |#amazon(B00ADZFZT8)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |メディア|UMD 1枚orダウンロードソフト|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|アートディンク|~| |発売日|2013年2月14日|~| |定価|UMD版、ダウンロード版共に6,280円(税込) |~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |備考|データインストール:223MB以上|~| |判定|なし|~| |ポイント|作品のキャラではなく、「ROBOT魂」としての参戦&br()個性豊かな参戦作品・ロボ&br()イデオンをプレイヤー操作できる貴重な作品&br()はっきりしない機体選定基準&br()中盤が鬼門・それ以降はぬるくなっていくバランス&br()演出には疑問点|~| |>|>|CENTER:''[[バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ]]''| **概要 バンダイから発売されている可動フィギュアのブランド「ROBOT魂」を題材としたアクションゲーム。パッケージ裏面にも記載されている通り『ガンダムバトルシリーズ』の外伝的作品となっている。&br()バトルシリーズ初の多数の作品が参戦するクロスオーバーものであり、近年のロボットアニメを中心に多数の作品が参戦している。 フィギュアのROBOT魂のSIDE表記((フィギュアがどの作品の機体かを示すカテゴリー表記。例えばガンダムシリーズであればモビルスーツなので[SIDE MS]、ダンバインであればオーラバトラーなので[SIDE AB]となる。))に倣い、[SIDE PSP]というサブタイトルが付けられている。 ---- **ROBOT魂とは? 2008年から始動した、それまでバンダイから展開されていた「MOBILE SUIT IN ACTION」を筆頭とするフィギュアブランド「IN ACTIONシリーズ」の実質的な後継ブランド。性格的にはMIAと言うよりはその派生シリーズであった「IN ACTION OFFSHOOT」に近く、ガンダムシリーズの機体を中心としつつも『コードギアスシリーズ』『重戦機エルガイム』『聖戦士ダンバイン』などの様々な作品の機体を立体化している。&br()精緻なディテールや良好なプロポーションと可動領域を両立させていることに定評があり、質のばらつきは多少あるものの総じてコレクターからの評価が高いシリーズである。 ---- **参戦作品 //システムの項で作品依存の機体名や固有名詞が多用されているため、参戦作品の方を上に配置します。 #region(参戦作品) -コードギアス 反逆のルルーシュ -コードギアス 反逆のルルーシュR2 -コードギアス 亡国のアキト -交響詩篇エウレカセブン -劇場版 交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい -重戦機エルガイム -STAR DRIVER 輝きのタクト -[[聖戦士ダンバイン>聖戦士ダンバイン ~聖戦士伝説~]] -ゼーガペイン -蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH -HEROMAN -フルメタル・パニック! TheSecondRaid -フルメタル・パニック? ふもっふ -[[マクロスF>マクロスシリーズ]] -輪廻のラグランジェ --以下、超合金魂/スーパーロボット超合金/DX超合金よりゲスト参戦 -伝説巨神イデオン -戦闘メカ ザブングル -[[アーマード・コアV]] -マクロスF(DX超合金版) その他、本作オリジナルの機体として魂ネイションのロゴマークをかたどったオリジナルメカ「ガングレートネイションズ」が参戦している。 #endregion **システム 基本操作はこれまでのバトルシリーズを踏襲している。 -''魂ムーブ'' --あらゆる攻撃モーションをキャンセルして移動できるシステム。方向キーを同じ方向に素早く二度入力することで行う「ステップ」と×ボタンを使った「ブーストダッシュ」で攻撃動作をキャンセルし、緊急回避やさらなる追撃が可能。 --身も蓋もない言い方をすれば[[エクストリームアクション>機動戦士ガンダム EXTREME VS.]]。 -''機体チェンジ/魂チェンジ'' --本作では一つのミッションに最大10機まで機体を持ち込むことが可能であり、戦闘中に機体をチェンジ(交代)できる。このチェンジの際、機体の体力の最大値と現在の体力の差に応じて''「魂ゲージ」''が蓄積されていく。 --チェンジの順番は出撃前に決定することができ、順番通りにチェンジが行われ、10機を一巡すると最初に戻る。 --魂ゲージが100%以上の時に''「魂チェンジ」''が発動可能となり、発動することで魂ゲージを全て消費し、機体チェンジと同時に交代して登場した機体がスペシャルアタックを発動する。魂チェンジで行われるSPアタックは通常時のものと攻撃内容に変化はないものの、攻撃系SPアタックの威力が魂ゲージの蓄積量(最大300%)に応じて加算される。 -''カスタマイズ要素'' --本作でも機体のカスタマイズ要素は健在であり、戦闘で入手したチューンポイント(TP)を割り振って機体性能をチューニングすることができる。 --他に機体に応じて''「装備する武装」「SPアタックの種類」「オプションパーツの有無」「ポーズ」「パワーアップパーツ」''の5つをカスタムすることが可能。 --今作で特徴的なのは武装系のカスタムであり、デフォルトで装備可能な武器を3つまで選んで□・△・○ボタンに割り振ることができる他、その機体にデフォルトで装備されている武装以外にも、同じ作品内であれば、互換性のある一部の武装を装備させられる。 ---例としてヴィンセントにはランスロットのVARISを装備させることが可能であり、コダールにはM9の対物狙撃銃やサベージの対戦車ダガーを装備させることが可能。 ---作品の枠を無視して、すべての機体に装備できる「TMSシリーズ」の武器も存在する。 --また武装枠には武器以外にも変形コマンドを登録することが可能であり、バルキリーの変形やビルバインのウイングキャリバー変形はこれで行う。変形可能な機体であっても、デフォルトで変形することはできない。 --SPアタックは機体固有のものが存在する他、特定の武器・オプションパーツを装備することでしか使用できないSPアタックも存在する。 ---例としては固有SPアタックを持たないカルバリーテンプルにバスターランチャーを装備させると、バスターランチャーのSPアタックを使用可能になる。 ---SPアタックを装備しない場合、戦闘中にSPアタックを発動すると一定時間無敵になる。 --オプションパーツはその機体特有のオプション装備の脱着を設定することができ、VF-25系列のスーパーパックやアーバレストのラムダ・ドライバ起動エフェクトなどがそれにあたる。 --「ポーズ」では文字通り機体にポーズを付けることが可能で、ポーズによって様々な追加効果が得られる。実質的には第4のパワーアップパーツと考えて差し支えない。 --ポーズの種類は多岐にわたり、「膝射」「武器構え」「飛翔」などのスタンダードなものから''「orz」「匍匐」「野球の『セーフ』」''など笑えるものまで様々。 --パワーアップパーツは文字通りの強化パーツであり、装備することで機体性能を強化することが可能。3つまで装備することができる。 -''ディスプレイモード'' --カスタマイズした機体を、戦闘ステージなど用意されたフィールドに置いてディスプレイするモード。ディスプレイした機体はスクリーンショットを撮って保存することが出来る。 --機体にはカスタマイズで装備した武器やアクションポーズ・オプションパーツが反映される。そのため現実のフィギュアのように関節をいじってポーズを決めるのではなく、用意されたポーズを選んで配置していくことになる。 --配置できる機体は1~3体で、機体の位置の移動や視点移動、また隠しアイテムによってROBOT魂の機体を超合金スケールに変更(その逆も)などが可能。これにより、''「ハイパーダンバイン」「巨大サベージ」「小型イデオン」''と原作ではありえないシチュエーションを再現できる。 -''ゲームの進行'' --ゲームは6つに区切られたフィールド''「ネスト」''を攻略することで進行していく。ネスト内は六角形のマス(ミッション)の組み合わせで構成されており、マスごとに指定されたミッションをクリアすることで一つ一つのマスを進み、最深部にあるボスの登場するミッションをクリアすることでネストクリアとなる。 --ミッションは基本的に出現する敵を全滅させればよいのだが、ミッションによっては「○回機体をチェンジする」「コンボを○hit以上繋ぐ」など特定の条件をこなすことで資金やTPが追加される場合もある。 --また特殊なルールが課されているミッションも存在し、「ブーストゲージ無限」「弾数無限」などプラスに働くルールや「ブースト消費2倍」「射撃or格闘禁止」などのマイナスに働くルールがある。 --一つのネストに4つの難易度があり、攻略する毎にアンロックされていく。上位ネストではミッションに出現する機体や特殊ルールがランダムに配置される。 ---- **評価点 -''ラインナップ豊かな参戦作品・機体'' --近年のロボット作品をメインに選ばれた顔ぶれは豪華の一言。特にスタードライバーとHEROMANはアクションゲームへは初登場であり、今のところタウバーンとヒーローマン、イデオンをアクションゲームの自機として操れるのは本作のみである。 --またゼーガペインも『XOR』『NOT』以来のアクションゲームへの登場であり、フルメタ・ギアスも『[[ACE:R>Another Century's Episode:R]]』以来のアクションゲー参戦である。 --本作の発売時にはまだ商品化していなかった『亡国のアキト』の主人公機・アレクサンダがゲスト参戦するというサプライズも用意されている。格闘モーションは本機体独自のものになっており、原作で見せたアクロバティックな動きをイメージした躍動感あふれるものになっている。 --イデオンとザブングルの参戦は多くのファンを驚かせた。ザブングルは主役機であるザブングル・ウォーカーギャリアだけでなくアイアンギアーまで参戦しており、その巨体からくるパワーを遺憾なく発揮して敵を蹴散らすパワープレイが楽しめる。 --またこういった作品への客演が少ないACの参戦も大きなサプライズとなった。イデオンと共にOPデモにまで登場しており、他のロボがリフボードや変形で空を舞いルガーランスやスターソードをぶん回す中で、全身に搭載した銃火器を使った泥臭い戦いを見せてくれる。 --主人公機やライバル機だけでなく、普段アクションゲームで日の当たらない暁やサベージ、ピクシー小隊専用クァドラン・レアなどの量産機が使用できるのも本作ならでは。恐らく、''「タウバーンをハンマーで殴り倒すサベージ」「アイアンギアーに燦然と立ち向かっていく暁」''などという光景は本作でしか見られないだろう。 --クリア後はカスタマイズの上限値が撤廃され、どの機体でもTPさえあれば全パラメータをカンストするまで上昇させられる。そのため原作で型落ちした機体や量産機でも主人公機やライバル機などに比肩する能力となり、文字通り''どんな機体でも最後まで戦える''。やろうと思えば''ボン太くんやサベージ、月下でイデオンや主人公機を撃破する''ことも可能であり、愛着のある機体を最後まで使い続けることが可能。 -''魂ムーブによる自由度の高いアクション'' --魂ムーブの存在により、アクションの自由度は高い。「射撃で怯んだ敵に近づいて格闘コンボ」「ブーストゲージの続く限り格闘コンボ」など、ブーストゲージがある限りアグレッシブな攻めを続けることが可能。 --「ブースト無限」「スピード2倍」ルールの時の爽快感は筆舌に尽くし難い。スピード2倍ルール時はなんとステップ一回でステージの半分近い距離を移動することができ、めまぐるしいスピード感あふれる戦いが楽しめる。~ お前ら[[クイックブースト>アーマード・コア4]]でもついてんのか!? -''カスタムサウンドトラック'' --本作はカスタムサウンドトラックを搭載しており、好きな曲をロボ毎に個別に設定できる。 --またデフォルトのBGMも、ラグランジェなら『4 441』、ファフナーなら『ナイトへーレ開門』などツボを抑えたラインナップになっている。 ---ただし、カスタムサウンドトラックには問題がある。これに関しては後述。 ---- **賛否両論点 ***あくまでROBOT魂です -本作に登場する機体は全て作品中の機体ではなく、''「ROBOT魂のフィギュアを模したデータ」''という設定である。つまりパイロットはプレイヤーそのものであり、原作のパイロットが乗っているわけではないのでこの手のクロスオーバーゲーのお約束である''キャラクター同士の掛け合いやクロスオーバーは存在しない''。 -そのためゲームは基本的に音楽と後述するAIのボイスのみで進んでいく。攻撃や必殺技で放たれるキャラの台詞がないため、かなり味気ない。 --しかし、この「作品中の機体ではなく、フィギュアという設定」のおかげで多くのロボットが設定やスケールの違いを無視してクロスオーバーできたという側面もあるので、一概に問題点とは言い難い。 ***参戦作品について -本作の参戦作品はROBOT魂で商品化された中から選ばれているのだが、ROBOT魂でもラインナップの中核を占めている[SIDE MS]、つまりガンダムシリーズの機体は一切参戦していない。この思い切ったガンダム系のオミットは賛否両論を呼んだ。 -しかし「ガンダムが出てしまったら今までのガンダムバトルと変わらない、ガンダム系をカットしたのは英断」という意見もあるので一概に批判されているわけではない。 -また[SIDE EVA](ヱヴァンゲリヲン新劇場版)、[SIDE MASHIN](魔神英雄伝ワタル)、[SIDE YOROI](ガン×ソード)、藤子不二雄作品全般((ザンダクロスなどの藤子作品系ROBOT魂にはSIDE名は存在しない。ROBOartsでは「藤子・F・不二雄キャラクター」という分類名になっている。))も参戦枠に入っていない。権利を取るのに膨大な資金が必要なことが予想され、かつ戦闘向けの作品とはいえない藤子作品の未参戦はともかく、それ以外の三作を参戦枠から外した理由は不明。&br()どの作品も戦闘向けで、アクション映えするはずなのだが…。 --ワタルに関しては「魔神は頭身が低すぎて他の参戦作品と比べると浮いてしまうから」「手足が短いSD体型ではポーズが決まらないから」「原作者の広井王子が許可しなかった((一種の噂・都市伝説として「広井王子は手がけた作品が『スパロボ』などのクロスオーバー系の作品に参戦することには否定的」というものがある。『スパロボNEO』関連のイベント時にも寺田Pが「(ワタル参戦に関して)そのことを分かっていないわけではない」という発言をしており、「ワタルのスパロボ参戦には何らかの障害があるのでは?」と推測するファンも多かった。しかし、スマートフォンゲーム『スーパーロボット大戦X-Ω(スパクロ)』に広井王子原作のゲーム『サクラ大戦』が参戦し、『スパロボX』に『ワタル』が参戦したことで後に噂は否定されることになった。))」「元々ワタルのトイ商品を展開していたタカラとROBOT魂龍神丸をめぐってモメたため慎重になった((版権はアニメ製作会社であるサンライズが所有していたが、当時アニメはスポンサーであるトイメーカーも企画段階から加わり作品を作る傾向にあった為、その作品アイテムを他社が発売する時は元スポンサーに一言断るという「慣例」があったのだが、ROBOT魂龍神丸をバンダイが発売する際にタカラに断りを入れなかった為、権利関係についてトラブルになり、一時期タカラ系サンライズ作品([[勇者シリーズ]]やボトムズなど)の版権を他社やイベントの一日版権含めすべて凍結させるという事態になった。この騒動は2年近く続いた後、サンライズにライツ事業部が設立され旧タカラ系版権を含め一括管理するという形で騒動が終結した。))」など様々な仮説が立てられているが、やはり憶測の域を出ない。 -既存のフルメタシリーズと同じ[SIDE AS]でくくられている『フルメタル・パニック!アナザー』も未参戦となっている。こちらも「版権が取れなかった」など様々な推測がなされているが、参戦できなかった理由は不明。 --- **問題点 ***参戦機体について -基本的にはGGネイションズを除いてROBOT魂で発売された・発売される予定のラインナップから選出されているのだが、商品化された全ての参戦作品の機体が登場しているわけではない。 --問題はその欠けている機体の中に名無しの端役や番外編の機体だけでなく、''ギアスやフルメタ等の主人公機やライバル機が含まれていること''。何故か作品の象徴的な機体やファン人気の高い機体が欠けているのだ。 --ギアスは、ランスロットや紅蓮はいるのだが肝心の主人公であるルルーシュのKMF・ガウェインと蜃気楼がいない。 --さらにはナイト・オブ・ラウンズの専用KMFやランスロット・クラブ、ヴィンセント制式仕様やGヴァルキュリエ隊仕様も抜けている。ヴィンセント二種に関してはカラーバリエーションであるためオミットされたとも考えられるが、その割に紅蓮聖天八極式とランスロット・アルビオンにはエナジークリアVer.((魂ウェブ商店にて限定販売された、聖天八極式とアルビオンの別カラーバージョン。透き通ったクリア素材で作られている。))がきちんと存在しており、選定基準は今一つはっきりとしない。 --また先述したとおり機体はROBOT魂で商品化された機体から選出されているので、「OFFSHOOT」ブランドでしか商品化されていないランスロット・コンクエスターやサザーランド、グラスゴーなどのブリタニア系量産機は不在である。 --フルメタもひどく、なんと''後期主役機のレーバテインや前期ライバル機の初期型コダールがいない''。サベージ・クロスボウ((原作小説8巻『燃えるワン・マン・フォース』にて登場した、宗介仕様のサベージ。アーバレストと同じ白と紺色のカラーリングが施されている。))を追加する余裕があったならば入れられたのでは…? ---レーバテインと初期型コダールに関しては、あくまで原作小説やアニメ第1期の版権が含まれていない都合上仕方ないと言えるが…(クロスボウはアニメ未登場にもかかわらず、何故かTSR名義で参戦している)。 --その割に、初期型と形状が同じでカラーリングが変わっただけのコダールmは参戦している。つまり、カラーバリエーションの機体がオリジナルを差し置いて参戦していることになる。ヴェノム参戦との兼ね合い((コダールmは『TSR』にてヴェノムの取り巻きとして登場している。))なのだろうが…。 --エウレカセブンは参戦機体がニルヴァーシュ、軍用Verニルヴァーシュ、ジ・エンドの3機のみと寂しいラインナップ。しかもジ・エンドの出典が『ポケットが虹でいっぱい』からになっている。これはROBOT魂のジ・エンドに『ポケットが虹でいっぱい』でしか出て来ない幼生ジ・エンドが付いてくるからと思われる。 --スピアヘッドとデビルフィッシュを使用することはできない。スピアヘッドはともかくデビルフィッシュは人気キャラクターであるホランドの乗機であり、その鋭角的なスタイルから人気も高い。こちらも蜃気楼やレーバテイン同様、未参戦であることに不満の声が大きい。 --ファフナーはエルフ・ザイン・ジーベンの3機のみが参戦しており、限定販売とはいえ商品化しているドライ・フュンフ・ゼクス・アハトが未参戦。 --ACVは看板機体であるUCR-10/aのみ参戦しており、原作で絶大な存在感を誇っていた「主任」の愛機ハングドマンは参戦していない。 --ゼーガペインはラスボスのアンチゼーガ・マインディエは参戦しているが、コアトリクエは出ていない。 --VF-25(メサイアバルキリー)がアルト機・ミシェル機しかいないのは[SIDE VF]で発売されているバルキリー系の機体がその2機しかいないため仕方がないのだが、なぜか隠しキャラのDX超合金版マクロスFシリーズからもその2機しか参戦していない。DX超合金にはVF-25のバリエーション機がほとんど存在する上に、YF-27(ルシファー)やVF-171EX(ナイトメアプラスEX)も存在している。 -多くの作品の登場機体が削られている一方で[SIDE AB](ダンバイン系列)からは本作発売の時点ではサンプルのみが発表されていたビランビー・ズワァースが参戦しており、やはり参戦機体の選定基準には疑問を感じざるを得ない。 --この手のゲームで必ず突き当たる容量との戦いもあるので仕方ない部分もあるが、本作のメディアインストールの容量は''223MB''。昨今のPSPのゲームでは平均~それ以下の数字であり、「頑張ればもっと詰め込めたのでは」と勘ぐるプレイヤーも多い。 --参戦機体の割合も偏っており、ROBOT魂を取り扱った作品なので仕方ない部分もあるが機体ラインナップの多い[SIDE KMF](ギアスシリーズ)、[SIDE AS](フルメタシリーズ)が参戦機体の多くを占めている。 ***ストーリー・キャラクター -ストーリーは一応存在するのだが、取ってつけたような代物で決して心揺さぶられるようなものではない。 --各ネストにはそれぞれネストを保有する敵プレイヤーが存在し、勝負を挑んでくるプレイヤーに対して反応を見せてくれるのだが、一定のミッションをクリアした時やネストクリア時に流れる台詞はどの難易度でも変わらないので「本当に相手も人間なのか」と疑いたくなる。 --敵プレイヤーには台詞でキャラ付けがされているのだが、「某戦争映画の鬼軍曹のようにプレイヤーをビシバシしごこうとする鬼教官」「語尾に『にゃー』をつけるアニヲタ」「理論や数字にこだわる知性派」などどうにもテンプレ感が否めない。 #region(以下、ストーリーに関する軽度のネタバレ) --ラスボスは、黒幕が''「最強の戦闘データ」''として用意したイデオン。ラスボスとしては妥当な選出と言えるが、このせいで本作唯一のオリジナル機体であるガングレートネイションズの立場が丸つぶれになっている。 --ちなみにGGネイションズは表シナリオクリア後に使用可能になるのだが、クリア特典というハードルの高い解禁条件の割に大して強くない。 #endregion ***うるさいAI -本作では存在しない各作品のキャラクターの台詞に代わり、プレイヤーを補佐するAI((声優は「初音ミク」などでおなじみの藤田咲氏。))が攻撃・被弾など、ゲーム中のアクションに応じて喋ってくれるのだが…。 --はっきり言って妙にテンションが高くてうるさい。しかもAIというキャラ設定からか電子音声風味に甲高く加工されており、耳に障ると言う人も。この声が何かする度に''「大ダメージ!」「ちょっとダメージ受けすぎ…?」「スペシャルアタックっ!」「魂のロボット、登場です!!」''などと大声で喋る。 --だが、AIの台詞をカットしようとしてボイスの音量をゼロにすると何故か一部のサウンドエフェクトまで消えてしまう。ボイスの音量と連動しているSEは主にリザルト画面関連に集中しているため、大きく演出を阻害することはないが、疑問の残る仕様ではある。 ***カスタマイズ関連 -このゲームはカスタマイズによる強化が前提のせいか、初期状態では各機体の能力値は低めに設定されている。そのため''初期状態ではブーストがすぐ息切れする・足が遅い・ブーストの回復速度が遅い・防御力が低い''など特に足回りの面が非常に窮屈で、スピード感が感じられない。すぐブーストが切れてしまうので、ステージが広く感じるだろう。 --スピード感のある戦闘で評価を受けてきたガンダムバトルシリーズだが、開始初期は「本当にバトルシリーズか?」と疑ってしまう。ゲーム本来のスピード感や魂ムーブによる自由度のある動きを味わうには、序盤~中盤のネストを攻略してカスタマイズの上限値を上げ、TPを稼いで優先的に足回り関連のカスタムにつぎ込んで行かなければならない。 -武器が3つしか装備できないのが窮屈、という声も多い。武器は射撃・格闘を含めてSPアタックを除けば先述の通り3つしか装備できず、その機体がデフォルトで持っている武器をすべて使うことはできない。 --[SIDE HM](エルガイム系)やザブングル系など、主にもともと搭載武器が多い機体がその弊害を受けている。&br()一例を挙げると[SIDE HM]のバッシュは本来太刀セイバー、エネルギーボンバー、パワーランチャー、バスターランチャーなど計8種の武装を扱える設定の機体なのだが、戦闘で使えるのはその中からわずか3つだけである。 --またこちらも先述したが、変形やリフボードも武器欄を1つ専有してしまうので、バルキリー系や[SIDE LFO](エウレカ系)、ザブングル系は変形を活かそうと思ったらただでさえ少ない武器欄を潰さなければいけなくなる。 -武器のカスタマイズもやや不親切で、武器の特徴がカスタム画面ではわかりにくいものになっている。一応「ビーム・誘導などの武器の属性」「威力・弾速・精度・チャージ(リロード)時間」は表示されるのだが、弾丸の発射間隔が表示されないのでいまいち連射系の武器なのか、単発系の武器なのかわかりづらい。 --実弾といってもマシンガンのような連射系の武器だったり、スナイパーライフルのような単発射撃だったり、三点バーストを搭載した武器だったりとそれこそ種類は色々ある。簡易的な武器の特徴を記載しても良かったのではないだろうか。 --変形することで使用可能な武器が切り替わる機体に関しても武器に説明がなく、出撃してみるまで使用可能か不可能かはわからない。 --一応各種原作のファンであれば原作の描写を元に推察することは可能だが、[SIDE FFN](ファフナー系)のガルム44など原作ファンも初見では性能を把握しにくい武器もチラホラある((ガルム44は本来実弾を連射するアサルトライフルのような武器なのだが、マークザインが同化して使用した際にはグレネードのように爆発する弾丸を放つ本来の性能からは考えられない規格外の武器になっていた。本作でもガルム44がマークザインのデフォルト武器として使用可能なのだが、同化前の描写に合わせた連射武器になっており、同化エフェクトパーツを装備しても変化しない。))。 ***ゲームバランスに関して -序盤は敵の数も少なく、ボスを除けば殆どの雑魚敵が一、二撃で倒せるのだが、各ネストの難易度が☆2になったあたりから急激に難易度が上がり始める。某掲示板の言葉を借りれば''「今まで幼児用の浅いプールで泳ぎを練習していたのに、いきなり水深の深い競技用のプールに放り出された」''とでも言うべき難易度の上昇幅で、多くのプレイヤーが敗北に追い込まれた。 --☆2になったあたりから敵が急激に数の暴力を駆使し始め、更に敵のスペックが上昇し、厄介な敵も増え始める。プレイヤーは1つのミッションに多数の機体を連れてはいけるが基本的に多対一であり、『[[A.C.E.シリーズ>Another Century's Episodeシリーズ]]』の「マルチロック武器」のように多数の敵を同時に攻撃できる武器も存在しないため一機一機を相手にしていくほかない。 --その上、序盤はネスト攻略に連れていける機体が少ないので機体の喪失が大きな痛手になる。 -特に厄介なのは、マクロス系・ギアス系などのミサイル持ちの敵、そしてビランビー。 --ミサイルは原作通り敵を追尾して攻撃する便利な武装なのだが、その命中率が非常に高くやっかい。更にギアス系のミサイルは当たるとスタンを誘発するという特殊効果を持ち、長い間動きを止められ、そこに別の敵からの追撃も受けてしまう。 --このミサイルを持っているのがよりによって''序盤から雑魚敵として登場する量産機の暁''。なのでプレイヤーは序盤からミサイルの恐怖と相対することになる。 --ビランビーは主武器のオーラランチャーが非常に厄介であり、オーラランチャーは''「連続で発射される」「当たるとダウンする」「着弾時に爆風が発生し、爆風に当たってもダウンする」''という特徴を持っている。つまり''当たる度にダウンを奪われ、避けるのが遅ければ爆風に巻き込まれてダウンさせられ、しかも3連射されるため被弾しやすい''という非常に厄介な特徴を持っているのだ。 --ビランビー自体もそこそこの性能を持っており、格闘も「三段切り最後の切り上げで長時間相手を受け身不能のダウンにする」という厄介な特性を持っている。当然ダウン中にビランビーや違う敵からの追撃を受けてしまい、格闘が一発当たっただけでかなりのダメージを受けてしまう。 --しかもこのゲームは起き上がりの無敵時間が短く、無敵時間に頼ったゴリ押しも難しい。 --唯一の救いはダメージが非常に低いことではあるが、何度もダウンさせられるウザさからくる精神的ダメージの大きさはこのゲームでも一二を争うだろう。 --彼等の強さを知ってか知らでか、これらの機体は雑魚敵ゆえ一つのステージに2体以上出現する場合が多い。なのでハメに近い状況は比較的簡単に起こってしまう。 --更にこの数と性能の暴力に''「ガード・攻撃モーション中は一切ブーストゲージは回復しない」「序盤はカスタム用のTPが手に入りにくい」''という逆風も加わるのが辛い所。 --特にブーストゲージ関連はきつく、ただでさえ序盤は窮屈なブーストゲージが更に窮屈になる。敵に囲まれた時ブーストで逃げようと思っても、そんな時に限ってブースト残量が少なく、敵の攻撃をガードで凌がなければならず、ブーストが回復しないので逃げられない…という悪循環に陥りやすい。反撃してもゲージは回復せず、さらに攻撃すれば無防備になるので、さらに敵の反撃を受けてしまう。 --しかし、決して「理不尽」なほどに難易度が上昇するわけではない。ある簡単にTPを溜める手段((コロシアムモードのトーナメントをクリアすることで、簡単に3000TPが手に入る。3000というのは序盤では破格の数字。))に気づき、更に「ピンチになったらすぐに交代し、ピンチを魂ゲージに変えていく(やられてしまうと、魂ゲージはびた一文溜まらない)」「地形を利用して、囲まれないように1vs1の状況を作っていく」「SPアタックを惜しまずに使う」「こちらもミサイル・ビランビーで対抗する」などのこのゲーム特有のセオリーや序盤を乗り切るコツを見つければ、この中盤の苦境を乗り切ることは十分に可能である。 -そしてこの苦境を乗り切り、機体が充実し、カスタマイズ数値の上限がアップしてTPにも余裕が出てくるとこれまでの難しさとは一転して''ヌルゲー化が進んでいく''。一応難易度が上がることで敵もまた強化され、数の暴力も相変わらず行使してくるのだが、こちらもカスタマイズの上限が上がっているのでパラメータが敵とは比べ物にならないレベルに上昇しており、受けるダメージは小さく、与えるダメージは大きくなっている。威力の高い武器を持った機体であれば一部の雑魚は一撃で倒せるほどに自機が成長するので、後半のネスト攻略は前半の苦境が嘘のようにサクサク進む。 --一応耐久力が高くルーチンも賢く設定された雑魚も難易度の上昇に連れて頻出するようになっていくのだが、攻撃力が低いのでやはり脅威にはならない。 #region(ラスボスに関する軽度ネタバレ注意) --ただし、ラスボスのイデオンだけは別格。鈍重な代わりに耐久力が異常に高く、SPアタックでも耐久力が全然減らない上、攻撃力も圧倒的でイデオンソードやイデオンガンを喰らおうものなら体力が1/3は減る。 --その上原作でも披露したミサイル全方位発射も武装として使えるので、イデオンガン・ソードを避けることができてもミサイルでジリジリと削られていく。 --問題はさらにそこへ、耐久力の高い取り巻きが随時出現するということ。射撃手段の少ないアーバレストはまだしも、アルティールがかなりウザい。 #endregion -クリア後は敵の強さがますます上昇する最上級難易度・「EX」が解禁され真の戦いが始まる…かと思いきや、こちらもカスタマイズ上限が撤廃されて全ステータスが天元突破するので、そこまで難易度は上昇しない。カスタマイズに必要なTPさえ集まっていれば、ここまでゲームを進められたプレイヤーなら難なく進行・突破できる。 --ただし、これまで登場しなかったケーニッヒモンスターやUCR-10/a、アイアンギアーなどボスクラスの敵も普通に通常ミッションで登場するので難易度は多少上がる。敵の耐久力も圧倒的に増加するのでこれまでの戦いと違い、火力がないとかなりネスト攻略が長引く。 --またEXで機体を失うとその機体は以降ネストでは使用不能となり、再度ショップで買い戻さなければならない(各種カスタムやカスタムサントラは引き継がれる)。使用不能となるシステムは難易度上昇の一環として面白いシステムではあるのだが、ショップで買い戻す工程は必要だったのだろうか。 -中盤以降サクサク進むようになるのはいいのだが、この難易度の低下が思わぬ弊害を生んでいる。難易度が下がってサクサク進むようになることで、ネスト攻略の際に高ランクが取りにくくなっていくのだ。 --ネスト攻略時のランクは「クリアタイム」「攻略したミッション数」「敵機の撃破数」「自機の損害の少なさ」、そして「魂チェンジの回数」で決まる。最後に挙げた「魂チェンジの回数」が問題であり、サクサク進むことでダメージを受けなくなると自然とチェンジ無しでもクリアできるようになっていき、魂チェンジを使わなくなる。つまり、''せっかくの売りである魂チェンジが空気になっていく''のだ。 --このため、中盤以降はS以上のランクを取ろうと思ったら「わざとダメージを受けて魂ゲージを溜める」というマゾプレイを要求される。しかしこちらの防御力を上げていると敵のルーチンのお馬鹿さも相まってそれにも時間がかかる。そして時間がかかるとランクに支障が出る…と、後半S以上のランクを取るのは結構面倒である。 -機体バランスに関しては、基本的に格闘メインの機体が不利なバランスとなっている。 --格闘を一定以上の空中で当てるとコンボが繋がらない仕様と早めに格闘をガードすることで発生するパリィのおかげで格闘機体はかなり辛い。 --このゲームでは格闘に対してタイミングを合わせてガードするとパリィが発生し、格闘を仕掛けた相手を長時間硬直させることができる。中盤以降になるとCPUが格闘に対してかなりの頻度でパリィを返してくるため、迂闊に格闘を振るとパリィ→反撃で大ダメージという最悪の状況になりやすい。 --CPUの「動かないものに反応しない」という特性により''「パリィしてこちらが硬直している眼の前を何もせずにウロウロ」というマヌケな行動を取る''ことも多いが、それを良い事に起き上がりからもう一度格闘を仕掛けたらまたパリィ…というループに陥ることも。 --この超反応によるパリィに加えて''空中で格闘を当てるとコンボが繋がらない謎の仕様''も格闘不遇に拍車をかけている。 ---空中で格闘の初段を当てると相手が過剰なヒットバックで吹っ飛んでしまい、多くの場合二段目がスカってしまう。そのため三段目を出す頃にはガードやステップが可能な状態となっており、コンボがつながらないのである。 --これで格闘のダメージが高いならまだ救いがあるのだが、ゲームが進んでいくほど格闘のダメージを射撃のダメージが上回っていく。魂ムーブでブーストゲージをほぼ全て使ったコンボを叩きこんでようやく射撃機体の高威力な射撃をギリギリ抜ける、ということもザラにある。&br()クリア後に至っては敵をものの数秒でスクラップにできる超火力を持つケーニッヒ・モンスターやUCR-10/a、ランスロット・アルビオンなど強力な射撃機体が使用可能になるので、ますます格闘メインの機体は立つ瀬がない。 --また先述した数の暴力も格闘に対して向かい風となっており、悠長にコンボを叩き込んでいると確実に横槍が入って邪魔される。 --要するに、超反応パリィに怯えながら相手の隙を見て格闘を仕掛け、ブーストを使ってコンボを叩きこむよりも射撃系の機体の強力な一撃を叩き込んだほうがローリスクで、ブーストも使わず安上がりなのである。 ---ただし「射撃禁止」ルールの存在もあるので、格闘が完全に死んでいるわけではない、1vs1の状況であれば、ブーストゲージの続く限り敵をハメることも出来る。ブースト無限ルールならば殆どの機体で''永久コンボが可能''であり、無防備な敵をボコボコ殴り続けるのは結構爽快感がある。 ***演出について -クロスオーバー系の問題の常となる演出だが、いささか物足りない面がある。言い出したらきりがないことではあるが…。 --演出や効果音ではガンダムバトルシリーズからかなりの面が流用されており、各原作独自の効果音を期待していると少々萎える。特に照射系ビームは大半がガンダムバトルシリーズのハイメガキャノンの効果音を流用している。 ---…のだが、何故か[SIDE AB]・[SIDE HL](ゼーガペイン系列)の機体だけはブースト時の効果音、斬撃音、ホロニックローダー特有の射撃時に銃口から発生する光波紋などしっかりと再現されている。''その愛を他にも分けてやってくれ''。 --LFOは何故かデフォルトでリフボードに乗っておらず、原作無視の地上戦をしなければいけない((一応原作でも地上戦をしたことはあったが、メインはボードを駆使しての空中戦である。))。ボードに乗るには先述の通り武器枠を1つ消費しなければならず、ボード抜きでのブーストダッシュ時には''謎の力で空中に浮遊する''。脚部とボードが一体化したジ・エンドならばまだしも、劇中でボードを標準装備していたニルヴァーシュはかなり不自然。 --これはフルメタのASも同様であり、ブーストダッシュすると地上ダッシュが存在するサベージを除いて謎の力で空中浮遊する。ACE:Rを見習え。 ---一応擁護すれば、ラムダ・ドライバを積んでいるアーバレストやコダールならば設定的にできなくはない((ラムダ・ドライバは平たく言えば「搭乗者のイメージを現実に投影する装置」であり、事実劇中ではアーバレストは道路標識を破壊することなくジャンプの踏み台にし、レナードのベリアル(本作には未登場)が空中浮遊という離れ業を見せている。))。 --タウバーンは使える武装が作中初期の必殺技であったタウ銀河ビームとパイルビットに偏っており、「豪快銀河十文字斬り」「パイル・クラッシャー」は使用不可能。SPアタックもタウ銀河ビームの上位版である「炸裂・タウ銀河ビーム」である。 ---また劇中では素手の格闘攻撃や二振りのスターソードを使った華麗な剣技が特徴だったのだが、イメージに反して格闘はスターソードによる2段斬りのみ。 --ファフナーは背中のスタビライザーが微動だにしないほか、ドラゴントゥース・レールガン使用時のSPアタックが極太ビーム照射。''そういう武器じゃねーからこれ!'' --UCR-10/aは機体と同時発売された、ACVの象徴とも言える武装・オーバードウエポン「グラインドブレード」が使えない。 --コードギアス系はフロートユニット(飛翔滑走翼)を装備したR2以降の飛行可能な機体は地面に足をつけていてもランドスピナーが降りず、浮遊したまま移動する。またミサイルが命中するとスタンするのは先述したとおりだが、恐らくスタッフはミサイルをゲフィオンネットと混同している((ゲフィオンネットは紅蓮可翔式初登場時に披露された武装で、敵の周囲に停滞して相手の動きを封じるための武装。ミサイルとは別物。))。 --と言った具合に再現度の低い作品が非常に多い。その一方でアイアンギアーのオプションパーツに''ほっかむりが用意されている''というちぐはぐさ((「ロボットがほっかむり?」と思うかもしれないが、れっきとした劇中再現。超合金魂にもオプションとして付属している。))。他にすべきことがあるのでは。 --この他にも、格闘モーションの流用が多い。作品をまたいで様々な機体でモーションが流用されている。 --わかりやすいのがナイフを持つ機体の格闘モーション。「二段斬り→ナイフを三段突き」というモーションをVF-25二種、マオとクルツのM9などで使いまわしている。 --オーラバトラー系も「二段斬り→斬り上げ」というモーションを殆ど使いまわしている。ヒーローマンやマークジーベンなど、徒手空拳が武器に含まれている機体も「左右からのパンチ→殴り飛ばし」というモーションの使い回しが多い。 ***その他 -コロシアムのバトルモード「300機抜き」と、クリア後に解禁される「EXTRA」が苦行。 --「300機抜き」は文字通り300機の機体を撃破していくモードなのだが、一度に出現する機体は二体までであり、かなりじれったい。敵もそんなに強くないので、自機の強化の度合いによってはただの雑魚の処理にしかならない。 --「雑魚の合間に強い中ボスが登場」などのサプライズ要素も存在せず、本当に「淡々と雑魚を撃ち殺していくだけの作業」である。 --「EXTRA」はプレイヤーが持っている機体から一機を選び、ネストの攻略毎に手に入る機体を手に入れながらネスト最深部を目指す、というもの。 --その際使用する機体のカスタマイズは全て初期化され、道中で手に入るTPを駆使してやりくりしなければならない。カスタムサウンドトラックやパワーアップパーツ、ポーズなども全て初期化されてしまう。 --こちらは300機抜きとは逆の意味で苦行であり、こちらが超絶弱体化しているのに対して相変わらず敵は数の暴力で攻め立ててくるため、難易度はとても高くなっている。一応タウバーンのパイルを障害物に隠れながら使うことで安定して攻略はできるのだが、この方法だとはっきり言ってこちらも作業に近くなってしまう。 ***ボリュームに関して -はっきり言ってしまえば薄め。やりこみ要素も最後に解禁されるEXTRAのみで、機体もクリア後の「EX」の突破で集まってしまうため、機体コンプリートする楽しみもあまり無い。 --ただ、クソゲーというレベルで薄いわけではない。 ***カスタムサウンドトラック -各機体ごとにカスタムサウンドトラックを設定できるのは前述した通りだが、ボス戦では強制的にボス戦の曲に切り替わってしまい、ボス戦も自分の用意した曲で楽しむことができない。 ---- **総評  ''「とりあえずガンダムバトルのエンジンで作ってみました」''感が否めない出来であり、物足りない演出面や調整不足の中盤の難易度、射撃機体が有利なシステム、薄いストーリーなど全体的に今一歩足りないという印象が強い作品。~  しかし様々なロボットが一堂に会するアクションゲームという存在はそれだけで貴重であり、特に本作はタウバーン、AC、ヒーローマン、イデオンなどこれまでのクロスオーバーゲームにもほとんど出演しなかった意外な顔ぶれが揃っているという他にない個性を有している。~  各作品のファンであれば、過度な期待を抱かずに手にとってみるのも悪くない。何と言っても''イデオンやアイアンギアーを自らの手で操り、並み居る敵を蹴散らせる作品は本作ぐらいのものである''。 ---- **余談 -売上は初週で約4,000本というあまりぱっとしない数字であった。そのせいか、まともな攻略Wikiがなく多くのプレイヤーが手探りでの攻略を余儀なくされた。 -PVではマークジーベンがマークザインと協力して放つドラゴントゥース、いわゆる「ツインドッグ」の映像が確認できたのだが、何故か実際の製品ではオミットされている……と思われていたが「特定の条件を満たせば」可能である。

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