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*パリ・ダカール ラリー・スペシャル
【ぱり・だかーる らりー・すぺしゃる】
|ジャンル|レースゲーム+アドベンチャー+シューティング|&image2(cs-pd.jpg,width=160)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|1.25MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|CBS・ソニーグループ|~|
|開発元|(開発)不明&br()(制作)イスコ|~|
|発売日|1988年2月1日|~|
|分類|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|レースゲーと見せかけた複数ジャンルのごった煮&br()意欲的だが空回り気味&br()''せいせきはぴょう!''|~|
**概要
「世界一過酷なモータースポーツ競技」といわれるパリ・ダカール・ラリーを題材にしたゲーム。~
パリ・ダカが何故「世界一過酷」と呼ばれるかを理解できる。''別の意味で''。~
全8ステージからなるが、本来のジャンルであるレースゲームとは掛け離れた操作・解釈を余儀なくされるステージが多い。そういう意味での「スペシャル」なのだろう。~
だが実態は、ミニゲームセット。
**スペシャルなレースの全容
-レース前は、まず''アドベンチャーゲーム''。
--エリア1の前に、主人公が車・パートナーを手に入れラリー参加資格を得るのが目的であるアドベンチャーモードが挿入されており、ゲームをスタートさせいざレースに挑まんと意気込んでいるプレイヤーにいきなり肩透かしを喰らわせる。
--そのくせ、アドベンチャーモードのBGMは非常に間の抜けた感じの曲で脱力感倍増。
--ナビゲーターのランクが変わる以外どうやっても結果は同じになる、二種類の車はどちらを購入しても性能に差が無いなど...。
//ラリーに参加する感を出したいという意図があるのだろうから演出として存在意義が不透明ってこともない
--そのナビゲーターの活躍の場もエリア4の前半部分だけ。
-エリア1は縦にスクロールする''障害物レースゲーム''。
--ゴールまで辿り着くのが目的なのだが、他車の数が多く、後方から自車を狙わんと運転してくる場合も多々ありかなり難しい。
--コースにドラム缶が置いてある、外から転がって向かってくると、「ラリーと見せかけた障害物競走に連れて来られたのでは?」と錯覚してしまう。
-エリアクリアする毎にボーナスゲームがスタート。車体の上のトランポリンで主人公を飛ばしアイテムを回収する。往年の『サーカス』を思わせるようなゲーム性。壁や天井に叩きつけられても泰然自若とアイテムを取り続ける主人公は何ともシュール。
--アイテムを取ると、ガソリンとタイムアウト上限が増える。だが、ガソリンは気休め程度。
-エリア2は市街地での''迷路レース''。
--往年の『ラリーX』でも思わせるようなゲーム性。オイルを撒いて、迫る適車を退ける。
---オイルに当たった他者は何故か180度方向転換するのだが、これは本当にただのオイルなのだろうか?
--縦スクロールするが、コースは迷路。一車線しか無く、エリア1とは違った意味で他車の妨害(体当たり)が恐い。特に後方から猛スピードで突っ込んでくるトラックがトラウマ物。他車も巻き込み爆破するので一層恐怖感を煽られる。
-ここまではまだ「ラリーをしている」感は辛うじて残っている。以降の超絶展開に比べると…。
-エリア3は、横スクロールの''アクションゲーム''。
--レースは一転し、襲い掛かる''障害物・動物に対し、車から発射される弾で対抗する、上手くかわす''、という奇想天外なコースと化す。
--墜落してくるヘリコプター、糞を落としてくるカラス、跳ねて転がってくる丸太、道を塞ぐネズミといった障害物を弾で跳ね除ける、あるいは避けながら制限時間内にゴールへと向かう。
--道中、欠落している道・道を塞ぐ壁が何箇所か存在する。道を繋ぐスイッチ(欠落部分の直ぐ先に見える)を押すために主人公が車から降り、欠落部分をジャンプしたり、地下に潜り転がってくる岩をかわすなどして先回りする必要がある(かの『ドンキーコング』のようなアクションを髣髴とさせる)。
--ある部分では雲の上に梯子で乗るなど、ファンタジックな世界観を髣髴とさせる。%%もっともグラフィックにはファンタジー性は皆無だが%%
--尚、車から降りた状態の主人公は何度障害物に当たってもミスにならない。''車より強いというのかこの男は''(若干のタイムロスはあるが)。いっそ車を捨ててゴールまで行ったほうが良いんじゃないの?とか言わない。
-エリア4は''潜水シューティング''。
--コース中盤に差し掛かると、海底に躊躇無く潜る車。そして場面が変わり、車のくせに''水の中を上下左右に自由に動き''、弾で敵を打ち落としながら進むという''完全な横シューティングゲームへと移行''してしまう。
--海中という事もありエビ、サメ、クラゲ、魚群などの海中生物が敵として登場する。一見のどかな顔ぶれであるが、止め処無く噴火し岩を吐き出す海底火山、前方から突っ込んでくる魚雷の存在で意識を生死の境目に引き戻される。
--サメは弾一発で倒せるがエビは二発当てないと倒せないなど、現実世界との乖離も頭を悩ませる要素である。%%このゲーム自体の存在が乖離なのだが%%
--尚、前半部はエリア3と同じくスイッチを駆使して進む。このスイッチ部分で過って海に落ちると、タイムラグの後ナビゲーターが車から降り梯子をかけて主人公をコースに復帰させてくれる。ナビゲーター唯一の活躍の場面である(ナビゲーターのランクはここでのタイムラグの短さに影響する)。
-エリア5は再び縦スクロール。だが''シューティングゲーム''。
--前エリアの舞台である海とは一転し、荒野を走り抜ける。舞台に合わせて変化する今度の敵は、ラクダ・モグラ・ムカデ・ヘビ、さらに鳥が岩を落としてくると、動物達が次々と襲い掛かって来る。このゲームを動物愛護団体の方がプレーしたら果たしてどんな反応をするだろうか。
--前のエリアでは水中を走り抜けた車が、このエリアでは''水の部分に落ちるとミス''。しかも残機がいくらあっても''強制ゲームオーバー''になる。
-エリア6も引き続き''縦スクロールシューティング''。で、開幕するその全貌は…
--今度、自車に襲い掛かるものは、何と''戦車・戦闘機・ヘリコプター''。どうやら本当にラリーではなく戦場に連れ込まれてしまったようである。
--自車の繰り出す武器も''対空弾・対地弾の2種類''に増え、いずれの敵も''一撃で倒す事が出来る''などかなりのパワーアップ(?)を遂げている。エビですら2発必要なのだが…。
--ちなみに、タイムを競うレースゲーであるにも関わらず強制スクロール。だが「強制スクロール=シューティング面」といった予想は立てられても、ここまでの内容はどうやっても予測がつかない。どうしてラリーの最中に戦車や戦闘機を破壊しつつ進まなければならないのか。
--尚、戦車に体当たりされるとエリア5の水と同じく強制ゲームオーバーとなる。
-エリア7は''レースゲーム''である。
--今までの異次元が嘘だったかのように物凄くまともなレースなる。
--海岸沿いのような道をひたすら走る。当然左右に蛇行しているためきちんとしたハンドル捌きが求められ、途中点在する橋ポイントでは踏み外さないように多少の減速が必要。
--敵意を持って攻撃してくる物体も存在せず、ミスするとすれば壁や他の車に激突するか、川に落ちるか程度である。
--なおこのコースのみ、急なハンドルを切ると車がドリフトするようなアクションを取るなど手が込んでいる。
--裏技だが、岩壁側の特定のポイントに隣接して静止し、十字キーを壁側に押し続けると車が少しずつ動いていき、壁の中にめり込んでコース外を走れる。画面''内''を走ると川ポイントで川に落ちた判定を受けてミスしてしまうが、画面''外''まで行って走るとそれがなくなるので、ゴールまで一直線に走れる。~
よってこのエリアまで来ればクリアはすぐそこ。
-エンディング・その他
--「スペシャル」ならではの過酷なエリア達を超え、%%このゲームの中では比較的%%まともなレースの舞台であるエリア7もゴールすると、見事ゲームクリアとなりエンディングに入る。
---ナビゲーターと二人で夕日を見る演出はちょっと感動モノだが、その直後成績画面に切り替わり''「せいせきはぴょう!」''という誤植を見せ付けるという具合にプレイヤーを混乱させる内容は最後まで健在。
---レースゲームだけにスタート~エリア7ゴールまでの総タイムが成績となり、トップのときのみゲーム最初に出た「すばらしいなにか」を見ることができる。しかし2位以降では「せいせきはぴょう!」から画面が変わらないままゲームが終了してしまう。
**評価点
-エリア7だけは出来が良い。
--カーブで加減速が重要、ドリフトの演出など、本作の中ではなかなかレースらしい出来。
-''笑える''。もっともファーストプレイだけだが。
//何がどう笑えるのか。
//『スペシャルなレースの全容』の項目を見て、笑うべき所が察する事ができないという事でしょうか?正直、前項目があるにもかかわらず、この点を詳細に説明する事は落語や漫才の後に、笑うべき場所の説明を受けるような無粋な事だと思います。
**問題点
-こんなゲームを「パリ・ダカール ラリー」と称している。
--先述の通り、世界一過酷なラリーをの意味を、斜め上に勘違いしたかのようなゲームの内容。
//「パリ・ダカール ラリー」は、ラリーの中では最も名を馳せるレ―スです。それこそ、TVや新聞でニュースになるほどの。だからこそ、この有名なレースの名を冠しているゲームの内容が、大きくズレている点は注視すべき点として、問題点として上げているのです。
//遊べなくはないが面白くないならそれは単純に問題かと。
-所詮はしょぼいミニゲームの集合体。大して面白くない。
--操作性自体はそう悪くはないが、各ジャンルの基礎を抑えている程度のゲーム性。例えばエリア4では、単に体当たりしてくる相手を撃ち落とすだけという具合。ほぼ全てがこの調子。
//評価点や問題点を質問もなく消している、おそらくは「未プレイ」(プレイ済ならご自身で加筆してるでしょうから)と思われる方に伺いたいのですが、「プレイ経験者」の記述を、何を基準に勝手に消しているのでしょうか?疑問を呈するならともかく、未プレイの上自己判断で削除するなら、荒しも同等だと思います。
**総評
レースゲームなはずなのにアドベンチャー・シューティングといった他ジャンルも体験できるのはお得感溢れ、意欲的な一作ではあったがパリ・ダカという題材でする事では無く、あまりのかけ離れぶりから原作レイプといえるかもしれない。~
複数のジャンルをつぎはぎ的に組み合わせたもののアクションRPGなどといったような「新たなジャンルの確立」には程遠く、ただ壮大な%%苦%%笑いの種だけが残る結果となった。~
こんな内容のせいか一部では「パリバカ」と呼ばれている。
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**余談
-レトロゲーム挑戦番組『ゲームセンターCX』にて、''正確なパスワードを入力したにも拘らず「カーナンバーがまちがっています?」((パスワードが間違っているの意味で、「?」マークも含めて表示される。))''という画面が現れ、視聴者やスタッフを焦らせた。収録済みのテープを確認しても間違いはなく、もう1度入力し直すと無事再開することが出来た。真相は謎であり、改めてこのゲームの理不尽ぶりを痛感することとなった。
--一般にクソゲー扱いされているゲームでも、メーカーとの関係を考慮して番組内ではっきりとクソゲーと呼ばれることはまずないのだが、このゲームにおいては紹介の際に「クソゲーと呼ばれた」とナレーションが入ったり、有野自身も「この画の粗さと理不尽さでいうとクソゲーなのか?」と言うほどであった。番組内でクソゲー呼ばわりされたのはこのゲームと「[[たけしの挑戦状]]」と「[[スーパーモンキー大冒険>元祖西遊記スーパーモンキー大冒険]]」と「[[レリクス 暗黒要塞]]」ぐらいである。
-実際のパリ・ダカールラリーも政情不安な場所でレースをする事から、テロや強盗からの銃撃によってドライバーや関係者に被害が続出。~
様々な事情から現在では南米が舞台になっており、パリもダカールも関係なくなってしまっている。それ考えたら多少は根拠はある?
//編集していてクソゲーよりもバカゲーの要素がかなり強いと感じたためジャンル変更しました
*パリ・ダカール ラリー・スペシャル
【ぱりだかーる らりーすぺしゃる】
|ジャンル|レースゲーム+アドベンチャー+シューティング|&image(http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/174000493.jpg,height=160)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|1.25MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|CBS・ソニーグループ|~|
|開発元|(開発)不明&br;(制作)イスコ|~|
|発売日|1988年2月1日|~|
|定価|5,300円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|車で走っていればパリダカだと言わんばかりの超展開&br;レースゲーと見せかけた複数ジャンルのごった煮&br;意欲的だが空回り気味&br;''せいせきはぴょう!''|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-世界一過酷なモータースポーツ競技といわれる「パリ-ダカール・ラリー」(以下「パリダカ」と略す)を題材としたゲーム。
--題材にしたものがしたものだけにレースゲームと思った人が多いだろうが、レース要素はそれほどない。
--ちなみに何故タイトルに「スペシャル」と付いているかと言うと、約3ヶ月前にハドソンがPCエンジンで発売した『ビクトリーラン』が当初『パリ・ダカール・ラリー』とそのまんまのタイトルで発売する予定だった為である。
-ゲームの目的はパリダカを完走すること。各コースのクリアタイムによって成績が決まり、1位になった場合のみ「すばらしいなにか」なるものを見ることができる。
-コースは全部で7つあり、&bold(){コースによってゲームジャンルや操作方法が大きく変わる。}これが本作がバカゲーと呼ばれる所以である。
**ゲーム内容
***コース0
-名前を入力しいざパリダカ、と意気込んだプレイヤーを待つのは何故か、街中にぽつんと佇む主人公である。
--というのも、コース0は車とナビゲーターを手に入れて&bold(){ラリーへの参加資格を得る}のを目的とした&bold(){アドベンチャーゲーム}なのである。
---このコースのBGMがまた間の抜けた感じであり、意気込みを折られた上に脱力感さえ味わうことになる。まだ本番のレースは始まってないにも拘わらず、である。
-スポンサーを探すために街中を(何故か)走り回る人を捕まえたり、反射神経を問うミニゲームをやらされたりするが、正直意味がほとんどない。
--スポンサーとなる会社を見つけたら、なんとプレイヤーに''現金を引き出すカードを渡す''といったありえないことをしてくれる。この時点でツッコミどころ満載。
--反射神経ゲームは結果に応じてナビゲーターのランクが変わるが、&bold(){活躍の場はほとんどない。}
-購入できる車にはスポーツカー・4WDカーの2種類があるが、見た目以外に大きな性能の違いはない。
--ただしコース7でのみ性能に差が生じる。スポーツカーの方が最高速が早いが、一定以上の速度で壁にぶつかると即死となるデメリットがある。一方4WDカーは1ダメージで済む、というもの。
-準備が揃うとようやくパリダカへの出場がかない、念願のレースがはじまる。
--日本での12日間の訓練ののちパリへ向かう……というメッセージが表示されるが、その訓練がゲーム内で表現されることはない。~
なお、&bold(){ご丁寧に飛行機に乗ってパリへ向かうムービーつき。}
***コース1
-コース1は縦スクロールの''障害物避け''。
-スタート時点でこちらと同様のスポーツカーや4WDカー、&bold(){タンクローリーのように見える}トラックが並んでいるが、恐らくカミオンと呼ばれるトラック部門の競技車両だと思われる。
-ひたすら上に向かっていきゴールを目指す。コース中には他車が存在し、ぶつかると&bold(){自車が真っ二つになって}1機消滅、3機消滅するとゲームオーバーとなる。なお、この残機システムは以後のコースでも同様となる。
-十字キーの上で加速、下で減速。左右でハンドルを切る。
--他車はこちらよりもやや遅いスピードで走るものが画面上部から出現するか、やや速いものが画面下部から現れる。~
いずれもこちらの真正面・真後ろに出現するため、左右に動いて回避しなければならず、まっすぐ走り続けるだけではいけない。
---ある程度以上のスピードが出ている時にしか他車は出てこないため、再スタート直後に高速で突っ込んでくる他車に轢かれるという事態が起こらないようになっているのは親切。
--更に、道中には&bold(){ドラム缶が置いてあり、当然触れると1機消滅}である。更にコース終盤では道の外からもドラム缶が転がってくる。
--途中で道幅が1/3程度に狭くなる。ドラム缶は配置されていないが、他車は同じように出現し続けるため、混雑しやすく回避が難しくなる。
-なお、最初のコースではあるが、難易度は結構高め。もっとも終盤を除けばまだレースゲームらしさはあるため、かなりマシな方と言える。
***ボーナスステージ
-コースをクリアするごとにボーナスゲームがスタートする。~
前触れなく画面上から落下してくる主人公(ナビゲーター?)を車体の上にトランポリンがついた車を左右に操作しジャンプさせてアイテムを回収する。往年の『サーカス』を思わせるようなゲーム性である。
--壁や天井に叩き付けられても平気なキャラの姿はシュールである。
--トランポリンの端の方で受けてしまうとキャラが真横近い急角度で跳ねる事があり、一般的に知られる物理法則とは些か異なる。
--ボーナスの結果によって次のコースのガソリンとタイムアウトの上限が増えるが、別に無くても元々そんなに厳しくない。ガソリンに至っては元々厳しくない上にここで取っても増加量も微々たるもの。
***コース2
-コース1と打って変わって、迷路のような市街を抜けてゴールに向かう。ゲーム性でいえば『ラリーX』か。
-この迷路内には当然他の車もいるがすれ違いはできない、というかこちらを追いかけて突っ込んでくるため、逃げて避けて迷路を進まなければならない。
--このコースでは&bold(){足下にオイルを撒くことが出来る。}オイルを踏んだ他車は&bold(){何故か180度進行方向を変える}し、これを駆使して他車を避けていくことになる。
---他車を2回跳ね返すとオイルはガソリンアイテムに変化するため、ガソリンは無限に補給できる。
---プレイヤーはオイルを踏んでも特にペナルティーはない。このオイル、一体何なのだろうか…
--左端はゴール前までずっと続く一直線であり、ここを走れば右往左往する必要はないが、ここは時折トラックが高速で走り去っていく。~
もちろん轢かれれば1ミスなので、ここを走るならばトラックの出現に反応してオイルを即座に置く反射神経が求められる。
---このトラックは、直線部分にひょっこり出てきた他車を轢いていく事もある。その場合轢かれた車は&bold(){爆発しLIFEアイテムを残す。}
-迷路を抜けたりオイルで敵車を妨害したりと、だいぶレースから脱線した雰囲気が出て来る上、スピード感もコース1よりなくなっているが、まだ「他の車と競争している」という点において辛うじて「ラリーをしている感じ」はあるかもしれない。そう、ここまでは……。
***コース3
-ここで何故か横スクロール型のアクションゲームとなる。
--車は&bold(){いきなり弾を撃てるようになっている。}この時点でおかしい。
--しかし、コースでも&font(red){「糞を落としてくるカラス」「どこからか転がってくる丸太」「ネズミ」といった様々な敵が登場する。}~
丸太はともかく、&bold(){カラスの糞やネズミに当たるだけで1機消滅。}車が脆すぎるのか、生物が強すぎるのか。
--ステージ開始直後にヘリコプターが墜落して爆発四散する。普通に進めばまず当たらないが、万一当たるともちろんミスする。目の前でヘリ墜落事故なんてあったらレースやってるどころではないのでは?~
なおこのヘリ墜落・爆発跡にはLIFEアイテムが出現する。スタート地点でぼーっとしてない限り当たらない位置であり、開始から右入れっぱにしていると爆発の瞬間は画面外なので、わざとブレーキをかけて戻ってこない限り気づかないが…。
-道中、道が欠落していたり、壁で塞がれている箇所があるが、この際には&bold(){主人公が車を降り、欠落を塞いだり、壁を撤去するスイッチを押さなければならない。}
--主人公操作時はジャンプが可能で、転がってくる大岩を避けたり穴を飛び越えたりする。……パクリと断じるのも考え物ではあるが、多くのプレイヤーが&bold(){「急に『[[ドンキーコング]]』が始まった」}という感想を抱くだろう。
---ある部分では建造物の上のスイッチを押しに行くために&bold(){はしごで雲の上に登る}といったファンタジックな方法を採ることになる。&s(){どこの世界のパリダカなのか?}
---ちなみに主人公は大岩に当たっても&bold(){一瞬操作不能になるだけでダメージは受けない。}&s(){車より強いのではないだろうか?}
***コース4
-前半はコース3と同様の横スクロールアクション。相変わらず弾は撃てる。
--スイッチを押す際に、失敗すると主人公が海に落ちる場面がある。浮くことが出来ずに、普通に水底で佇むことに。
--水底に落ちてしまった場合はナビゲーターが助けてくれるが、助けてくれるまでの時間はナビゲーターのランクに依存する。
---なおこの場面、&bold(){ナビゲーターが唯一役に立つ場面である。}ここ以外はナビゲーターのランクの違いどころか、ナビゲーター自体が出てこない。
-後半はなんと&bold(){車ごと躊躇なく海へ潜っていき、横シューティングとなる。}水中を自由自在に上下左右に動くことができ、弾も発射できる非常にシュールな状況。横スクアクションからさらにSTGに変化する。
--ここでは敵としてエビやサメ、クラゲ、魚群といった多様な海中生物が出現。後半になると&font(red){岩を噴き出す海底火山}や&font(red){謎の魚雷}が現れ、地中海を横断しようとするプレイヤーを手厚く出迎えてくれる。
---&bold(){サメは弾一発で倒せるが、エビは二発撃たないと撃退できない}といった、現実世界との強さの不一致も頭を悩ませる。主人公のタフさもそうだが、この世界を現実世界と同様に考えてはいけないようだ。
***コース5
-コース1と同様に上方向に進んでいくシューティングゲームだが、コース4の終わりでアフリカ大陸に上陸したこともあり舞台が一変。ここからは荒野を走り抜けるコースとなる。
--コース的には最もラリーをしている感はあるステージである。&bold(){車が弾を発射することは変わらず、他車との競争ではなく原生生物と戦いを繰り広げている}という点を除けば、だが。
---敵はラクダ、モグラ、ムカデ、蛇、岩を落としてくる鳥など。
--後半は川(?)が存在しており、落ちると残機の数に拘わらず即ゲームオーバーとなる。''前のステージで水中を我が物顔で走り抜けたのは一体何だったのか''。
---しかも川を渡るには筏を使わなければならない上、筏の乗り換えという高等技術も必要になる。
--登場する敵キャラのうちモグラは2発撃たないと倒せないが、その場から動かないただの障害物なので基本回避されスルーされるものだが、あえて立ち止まって弾を撃ち込みまくるとLIFEアイテムに変化する。そしてモグラは結構な数が出現するので、これを知っていればこのステージにおいてはLIFEゼロで死亡する恐れは殆ど無い。川に転落すると一発アウトなのはこのせいか?
***コース6
-コース5同様のシューティングだが&bold(){強制スクロール。タイムを競うはずのゲームなのにタイムを短縮する技術がほぼない}区間である。
-敵として登場するのは&font(red){戦車}、&font(red){軍用ヘリ}、&font(red){戦闘機}。この時点で&bold(){ラリーではなく戦場に連れて来られた}可能性を考え始める人もいるだろう。
--自車も対空弾、対地弾を撃つことが出来る上、&bold(){戦車ですら一撃で倒せる火力。}現代に存在する火器で、爆薬などでなく銃弾で戦車を一撃で破壊せしめるレベルときたらもうレールガンとかそのクラスになってしまうのだが…?
---エビに2発撃たされたのは「水中だから威力が弱まっている」と無理やり解釈できなくもないが、そうすると同じ弾でサメを1発撃退できたのは何だったのかと言う話に。
--なお、戦車にぶつかってしまうと強制ゲームオーバーである。
***コース7
-縦スクロールの最終コース。弾を撃つとかの概念も消滅し、&bold(){ここに来てようやくまともなレースゲームとなる。}
--細い道をひたすらゴールまで突き進んでいく。上述の通りスピードが上がった状態で岩肌に衝突すると4WDカーは1ダメージ、スポーツカーは1機消滅。川に落ちることでも1ダメージ。
--数は少ないが他車も存在するので気をつけなければならない。&s(){彼らも地下面や海底火山や紛争地帯を切り抜けてきたのだろうか?}
-このコースではカーブを曲がる際にドリフトのようなアクション演出が入るようになる。
-意外に難易度が高く、反射神経や間合いの取り方を試される最後の関門である。今までが異次元のトンデモラリーをしていた所で急に真面目なレースゲームなので、落差で余計に難しく感じる。
**エンディング
-コース7をクリアすると各コースのクリアタイム・規定タイムが表示されてからエンディングとなり、ナビゲーターと一緒に夕日を見るムービーが入る。
-その後に成績画面が表示される。~
1~7コースのクリアタイムを合わせたトータルタイムで1位の成績(19分50秒以内)を取ることができていれば「すばらしいなにか」を見ることが出来るが、2位以下の場合はこの画面から変わらずゲーム終了となる。
--なおこの成績画面だが、&bold(){「せいせきはぴょう!」という痛恨の誤字}が存在。最後の最後までプレイヤーを困惑させること請け合いである。
#region(「すばらしいなにか」とは……)
-成績画面の後に短いエンディングムービーが追加される。内容は主人公とナビゲーターが表彰式・優勝パレードに参加するというもので、締めくくりにENDと表示される。
--やや安っぽいが一応のご褒美としては機能している。なお、表彰式の場面は&bold(){観客が全くステージの方を見ていない}ように見えることがしばしばネタにされる。
#endregion
**評価点
''コース7の出来は良い''
-カーブでの加減速、ドリフトといったレースらしい要素がしっかりと表現されている。
--加減速は他の一部のエリアでも重要な要素ではある。この点は一応レースゲームらしいとも言える。
-本来のレースゲームのように可能な限りスピードを出しつつカーブを曲がる、といったテクニックで好タイムを狙うことも出来る。
''ツッコミ要素が多く笑える''
-車より強い主人公、鳥の糞で横転クラッシュする車、銃弾一発で戦車を破壊する戦場と言った展開などツッコミ要素が極めて豊富。
--もっとも、真面目なレースゲームを期待して買ってしまった人は笑えないかもしれないが……。
''BGMは良好''
-音楽はいずれもクオリティが高い。
--風を切る爽快さ、荒地を走るワイルド感、&bold(){水中の浮遊感}など、それぞれのコースの雰囲気作りにも大いに貢献している。
--ループが短いBGMもほとんどない。早ければ10秒未満で終わるボーナスゲーム専用のBGMが1ループ50秒近くものボリュームであることはプレイ済みの人にもあまり知られていない。
-コースごとに1曲ずつ異なるBGMが用意されている。発売年代を考えればかなりのバリエーションと言える。
--上述のとおりコース0は初っ端のレースへの期待を裏切るお気楽なBGMではあるが、曲の出来自体は良い。
--なお、コース5のBGMはタイトルBGMと同じである。使い回しとも言えるが、折り返しを越えてアフリカ大陸というそれまでと趣の異なる舞台に進出すると同時に聴き慣れたメインテーマ音楽が流れる……というのは非常に粋な演出であると言えるだろう。
''そこそこ頑張っているムービー''
-数こそ少なく動きも大したことはないものの、パリ行きの飛行機や優勝パレードなど、ムービーひとつひとつはしっかりとそれらしい絵作りを行なっている。
--特にレース終了後のムービーは、沈んでいく夕日の色彩やアニメーションと寂寞とした音楽が相俟って印象に残るものになっている。
**問題点
''パリ・ダカール・ラリーの名を冠していること''
-本ページでも散々解説してきたように、パリダカを名乗っているにも拘わらず道中の大半はおよそラリーレースからかけ離れたゲーム内容となってしまっている。
--とはいえ、実際のパリ-ダカール・ラリーも政情不安なアフリカでレースをする事からテロリスト・強盗の襲撃によってドライバーや関係者に被害が続出。~
さらにテロで一度開催が中止された事などにより後に南米、現在はサウジアラビアに開催地が変更され、パリもダカールも関係なくなってしまっている。
---それを考えれば本作の理解不能な描写の数々にも多少は根拠があると言える……かもしれない。
''コース7以外の出来の悪さ''
-コース7だけはレースゲームらしさが出ているのだが、他のステージはというとミニゲームレベルと言われても仕方のない出来。
--各ジャンルに必要な最低限の要素だけを備えたミニゲーム集に、申し訳程度にラリー風の演出を追加した(というか&bold(){車のグラフィックを貼り付けた})だけの内容であるものがほとんどである。
---一応、「ガワ替え」系のゲームは時代問わず少なくない数が存在しており、これがガワ替えゲームであったとしても別段珍しい事ではない。詳細な事情は長くなるので割愛するが、ガワ替えという手法が取られる事の最大の理由の一つが「版権を取ったが故に納期絶対厳守」になるためで、既にある程度出来上がっていた発表前の他ゲーを流用して作り替える事が多かった。
-ツッコミ要素のあるステージばかりではあるが、ハイスコアが残せないのもあり何度もやりたいと思わせる魅力は感じられない。
--決して遊べない出来ではないものの、このゲームに関しては実際にプレイするよりも見ていた方が面白いかもしれない。
''パスワード入力のバグ''
-カーナンバーと呼ばれるパスワードにより途中再開できるシステムがあるが、このカーナンバー入力中にバックスペースを1度でも使うと、以降正しい入力をしても最初のカーナンバー入力画面からやり直さない限りパスワードエラーになってしまうバグがある。
--ちなみにこのカーナンバー入力、BS使用の有無に関わらず入力し終えて「END」を押して間違っていると「まちがっています?」と表示される((なぜ判定している側が疑問形なのかは謎))が、そのままタイトル画面に戻されるため、先ほど入力したものの間違っている箇所だけを修正するという事ができず、毎回全て入力し直しになる不便な仕様。FC時代のゲームには珍しい事ではなかったが…。
**総評
純粋なレースゲームのように見せかけてアドベンチャーやシューティングといった他のジャンルも体験できる意欲的な作品ではあるのだが、各々練られているとは言いがたく、意欲だけが空回りしてしまっていると言える。~
一部にはレースゲーム特有の爽快感も存在していることから、純粋にレースゲームらしさを追求した作品を作れば相応の評価はされたかもしれない。~
また、何より本作は実在のレースであるパリ-ダカール・ラリーを題材としたゲームのはずである。子ども達にパリダカというものを知らしめる効果はあっただろうが、実際にパリダカを知っている人にとっては&bold(){原作レイプ}ならぬ&bold(){現実レイプ}と言われても仕方がない内容であり、この問題点を看過することはできないだろう。~
決してクソゲーではないものの良作と言えるほどのクオリティでもなく、題材の再現度も低いが&bold(){笑いの種としては丁度いい}と言うところ。~
この出来から一部では「パリ&bold(){バ}カ」と言われてしまっている。
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**余談
-コース7において画面外を走れるバグがある。
--岩壁側の特定のポイントに隣接して静止、十字キーを壁側に押し続けると、車が少しずつ動いていき壁にめり込む…&bold(){どころかHUD表示部分にまでめり込んでいきコース外を走れる}というもの。
--自機の姿が完全に消えるまで外に出れば、一発アウトの川のミス判定にも接触しなくなる((HUD表示部分に自機の姿が見えている位置で走ると、地形は無視できるが川の所で落ちる。))のでゴールまで一直線に走ることが可能。知ってさえいれば高難度のコースをスキップすることができるので便利ではある。
---ただし、このバグの利用が&bold(){本作をレースゲームとして楽しめる数少ない機会をかなぐり捨てる}行為であることは覚えておく必要があるだろう。
-レトロゲーム番組『ゲームセンターCX』で有野課長が挑戦した際には、最初のゲーム紹介で「クソゲーと呼ばれた」とナレーションが入ったり、課長自身も「この画の粗さと理不尽さでいうとクソゲーなのか?」と言うほどであった。
--基本的に番組内でクソゲーと呼ばれる事は一般にクソゲー扱いされているゲームでもあまりないのだが、今作は「[[たけしの挑戦状]]」「[[スーパーモンキー大冒険>元祖西遊記スーパーモンキー大冒険]]」「[[レリクス 暗黒要塞]]」と共に番組内ではっきりとクソゲー呼びされた数少ない%%不名誉な%%作品である。
--挑戦終盤には、課長がパスワードコンティニューで正確なパスワードを入力したにも拘らずパスワードエラーとなり、スタッフを焦らせる一幕があった。これは上述の「バックスペースを使うとパスワードエラーになる」バグのためだと思われる。
---スタッフ内でこのバグの存在を知っているものはおらず、番組では謎のバグ?として現場の混乱振りが放送された。この状況はナレーション曰く、「こんな所まで理不尽なのか」と言われた程だった。
---最終的に収録済みのテープを確認した上でもう1度入力し直した結果無事再開することが出来た。