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//一部の表記を統一 *スーパー特撮大戦2001 【すーぱーとくさつたいせん にせんいち】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005QBBN,image);| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|日本アートメディア|~| |発売日|2001年9月6日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|致命的なバグ&br;''運ゲー同然の不条理すぎる難易度''&br;シナリオ面でも問題多数&br;''巨大ユニットのことなんかいいよ''|~| |>|>|CENTER:''[[バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ]]''&br;''[[ウルトラシリーズ>ウルトラマンシリーズ]]''&br;''[[仮面ライダーシリーズ]]''&br;''[[スーパー戦隊シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 成長システムなどに若干の違いがあるが、『[[スーパーロボット大戦>スーパーロボット大戦シリーズ]]』をベースに特撮を取り扱ったゲーム。~ スパロボにおける「スーパー系」、「リアル系」に対応するのは、強化スーツを装着する「メタル系」、もしくは生体改造兵器に変身する「バイオ系」の2パターン。 #region(参戦作品一覧) |ウルトラシリーズ|ウルトラマン| |~|ウルトラセブン| |~|帰ってきたウルトラマン| |仮面ライダーシリーズ|仮面ライダー| |~|仮面ライダーV3| |~|仮面ライダーBLACK| |~|仮面ライダーBLACK RX| |スーパー戦隊シリーズ|秘密戦隊ゴレンジャー| |宇宙刑事シリーズ|宇宙刑事ギャバン| |~|宇宙刑事シャリバン| |~|宇宙刑事シャイダー| |等身大ヒーロー|人造人間キカイダー| |~|キカイダー01(ゼロワン)| |~|イナズマン| |~|イナズマンF(フラッシュ)| |巨大ロボット|ジャイアントロボ| |~|スーパーロボット レッドバロン| |~|大鉄人17(ワンセブン)| |その他|バンプレストオリジナル| #endregion 特撮のクロスオーバーゲームはウルトラマンや仮面ライダー同士がそれぞれ共演するものや、[[ガンダム>SDガンダムシリーズ]]を交えたSDキャラたちが活躍する『[[コンパチヒーローシリーズ>コンパチヒーローシリーズ]]』などがあるが、スパロボシリーズのように、版権の壁を越えての、原作をベースにしたクロスオーバー作品は2023年現在でも本作のみである。 ---- **特徴・システム -本体性能、武装は成長か改良による育成が可能。 --性能・武装それぞれにレベルアップによる成長か、資金・資材を注ぎ込む改良がキャラごとに割り当てられている。 ---例をあげると宇宙刑事やゴレンジャーは性能-成長、武装-改良、ウルトラマンやイナズマンはどちらも成長、ロボット系はどちらも改良というパターン。基本的に生身の部分が成長、メカ要素のあるものが改良になる。 -Sサイズユニット(等身大ヒーロー)とLサイズユニット(巨大ヒーロー) --サイズ相応にステータスは桁違いに設定されており、Sサイズユニットのステータスは攻防ともに2ケタ程度、Lサイズユニットのステータスは4ケタとなっている。 --サイズ違いに対しては専用の武器が必要であり、それを持たない場合同サイズの敵に対してしか攻撃を行うことはできない。 -ランドマーク(拠点)の制圧と生産 --マップ上にある工場などの拠点を占領し、強化パーツを生産することができる。 --ランドマークを制圧できるのは防衛隊員などの支援部隊ユニットのみ。 -リトライ(コンティニュー)するたびに敵のレベルが1つ下がる(最大で10) -全体の軸となるオリジナルシナリオは『ウルトラセブン』の地球防衛軍に関するエピソードがベース。 --防衛組織の暗部が描かれるやや暗めのシナリオとなっている。 ---- **問題点 ユニットの分け方の問題、単純なユニット性能格差、戦闘マップのバランス取りなど、全体的にゲームバランスに難がある。 ***基本システム部分及び敵能力値の問題 -基本的に敵との能力差が激しく、ほとんどのキャラクターが手も足も出せずになぶり殺しにされるか即死する。 --命中率・回避率がシビアなうえに、それを補完する手段もほとんどなく、ある程度のセーブ&ロードは必須。 ---まともに調整されているのは序盤の数話のみである。 --後述の''一部のバランスブレイカーの味方をフル活用させてようやく勝てる難易度''である。 -味方のLサイズユニットが不遇(後述)な一方、敵Lサイズユニットは強力 --味方LサイズユニットはSサイズユニットへの攻撃手段に乏しいが、敵の怪獣やロボット兵器はバンバン等身大ユニットを攻撃してくる。 ---命中率が低いのが救いだが、当たった場合にはよくて瀕死、まず即死。ステータス差以前にダメージ計算にも問題があり、Lサイズユニットはやたらデカいダメージが出やすい。 -ラスボスも極端な強さ --いくらレベルを上げても一発で瀕死になるほどの異様な火力を持っているが、射程外から攻撃可能なので、下手すればラスボスは1ターンで倒せる。 -強制出撃ユニットが中心で、任意で出撃できるユニット数の制限がシビア。 --結果としてキャラの成長傾向の差が大きくなりやすいうえに、サブキャラや巨大ロボが強制出撃させられるマップが多数あり、彼らを育てていなかったら''詰み''である。 --特にLサイズユニットは選択出撃枠は''つねに1体''かつ、選択出撃の機会自体がほとんどないという冷遇ぶり。強制出撃すら少ないので、そもそも出撃させられないことも多い。 ---該当するのはジャイアントロボ、レッドバロン、大鉄人17、18、ゾフィーの5体。後者2体はほぼいないものと考えていい。 --成長面以外でも、自由な枠が少ないことでゴレンジャーを5人全員出撃させることさえままならない。 ---最終決戦ということもあり、スパロボシリーズでは一番自由度の高い最終ステージも、本作の選択出撃ユニットは''4体まで''である。最終決戦は等身大系のみで行われ、''巨大系は最終決戦で出撃できない''。 -スパロボシリーズおなじみの「精神コマンド」は存在しない --レベル不足のユニットの救済措置やピンチの時の回復など、何度も使えない代わりに強力な能力としてゲームクリアに貢献していたのだが、それがないため、戦う前から結果がかなり予測できてしまい、戦術・戦略的にも底が浅くなってしまっている。 ---特に命中率や回避率をフォローする手段に非常に乏しく、レベルの低いキャラを後から育てるのは難しい。 ---そのため、当時のスパロボで主流だった「高機動ユニットを突っ込ませて反撃で削りつつ、後衛が敵の射程外から一機ずつ潰す」、という戦術を取ろうとすると非常に苦しくなる。 ---命中率を0%にできない以上、囮には即死リスクが付きまとい、また敵ユニットの気力がゴリゴリ上がっていくので残ったユニットも危険。 --演出面でも役立ちそうなシステムでもあり、そちらの面でも採用されなかったことは残念。 ---開発元が違うため(スパロボはウインキーソフト、本作は日本アートメディア)、安易に真似をしたくなかったのだろうが、こういう作品だからこそ、苦境に陥ったヒーローの一発逆転の手として入れるべきではなかっただろうか。 -金も稼ぎづらく、スパロボシリーズで可能な全滅プレイによる稼ぎはできない。 -強化パーツもスパロボよりも効果が低いものが多い。さらにパーツスロットも一律2であり、弱いユニットをフォローするのはかなり難しい。 -敵、味方ともに攻撃手段が少ない --例えば味方のカプセル怪獣では、ミクラスは原作25話で使用された熱線攻撃が使えず、ウインダムは''格闘ができない''。 --敵側も同じで、Sサイズ用とLサイズ用武器を別とすれば、武器が2つ用意されているユニットがほとんどいない。 ---カニレーザーや白骨ムササビなど、攻撃を撃ちつくしてサンドバッグになる悲しいボスユニットもいる。そもそも白骨ムササビやカメバズーカは弾切れしないという原作設定があるのに、弾数制なので明らかな原作無視。 ---最低限無消費の格闘攻撃と消費式の特殊攻撃の2種類くらいは用意すべきだろう。 ---なぜか攻略本では、射程1で威力は低めでもENや弾数消費無でいくらでも使える「格闘」が、ほとんどの敵の標準装備であるように書いてあるが、実際は使ってこないものが多い。 -弾数制の武器はシナリオをクリアしても補充されない。 --弾数は回復アイテムなどを使い、マップ上で回復させる必要がある。''弾数消費制の武器しか持っていないキャラが大勢いる''ため、弾数回復アイテムは何よりも重要。 ---ちなみに、このことは取扱説明書で言及されていない。 --基本的にメタル系には弾数制武器、バイオ系にはEN制武器が多い傾向があり、ただでさえパワーアップ方式の違いによりバイオ系に劣るメタル系がさらに使いづらい存在となっている。 ---一応、マップ中にある発電所で残弾数含むステータスを全回復できるステージも多いため、武器が弾数制のユニットもまったく役に立たないというわけではない。ただし、回復に向かう手間を考えると使い勝手の点ではかなり劣ることになる。 --ゲームオーバー後、リトライを選択した場合は全回復する。 -敵のENが自然回復しない。 --これにより、''敵ユニットのEN切れにより、負けイベントで敗北できずに詰む''というどうしようもない状況に陥ることがある。 ---特に敗北戦闘の相手・ブラックキングが弱い。原作通りウルトラマンジャックが離脱するシナリオで、ブラックキングに倒される必要があるのだが、強制敗北ボスのわりには異様に能力が低く、EN消費式の武器しかない上に燃費も悪い。~ さらに必中即死判定になっていないため、攻撃を外してガス欠を起こす可能性が敗北戦闘用のユニットの中で最も高い。~ 変身前の郷がそこそこ強く便利なキャラクターなのでいつの間にか高レベルになっているのも詰みやすさに拍車をかけている。 -出撃画面での表記がヒーローの名称ではなく変身前の名前。 --原作に詳しくないプレイヤーには分かりづらい。 -勝利条件が正しく表示されない場合がある --「全滅させろ」か、「特定のユニットを倒せ」という表示が多いが、実際の勝利条件ではない場合がある。 ---そのため、本当の勝利条件は会話などから読み取らなくてはいけないことも。 --原作で敗北する戦闘では、自発的に敗北しなければならない。 ---原作を知らないとわかりにくいが、一応「○○がやられたとき…?」と匂わせるような敗北条件が出る。また、該当キャラを育てすぎていると詰む場合がある。 -セーブの仕様 --インターミッション画面でのセーブとマップ上でのセーブが同一枠として扱われている。やり直しの余地が残すにはセーブのタイミングにも気を使う必要がある。 --ソフトリセットやクイックロードのやり方が説明書に書かれていない。 ***一部の高難易度シナリオ -多くのプレイヤーが辛酸をなめた''とんでもない高難易度''のステージがいくつか存在する。以下はその代表例。 --''味方のHP強制半減や変身の強制解除''が立て続けに起こる『世紀王ブラックサン』 --超強力なボスキャラのサイコラー(『宇宙刑事シャリバン』登場)を2度も倒さなければならない『赤射・蒸着・焼結』 --''6体の敵をレッドバロン1体で1ターンで倒さないとゲームオーバー''になる高難易度のステージ『超合金バロニウム』 ---選択肢によって回避できるが、このステージを通らないとレッドバロンの強化シナリオに進めない。 --『宇宙刑事シャリバン』のサブヒロイン、ベル・ヘレンが戦闘員6体を倒した後、''回復なしで''また怪人+戦闘員4体と闘わされ、孤立奮戦の末に息絶えるステージ『慟哭』 ---本当にベル・ヘレン1人で戦わなければいけない。原作再現として敵を全滅させる必要があるが、加入してからこのシナリオまで約20話、彼女を一切育てていなかったプレイヤーも多い。 --前後半に分かれているステージの後半開始時は、「HPやエネルギーが全回復し、気力も初期値に戻る」、「HPやエネルギーが全回復するが、気力は上がったまま」、「''HPやエネルギーは減ったまま、気力も初期値に戻る''」など、ステージによって状況が異なるが、その選考基準は謎。 ---序盤では連戦でも回復しているステージもあるが、中盤以降は''たとえ前半と後半の間で数日が経過している状況でも3つ目の状況''になっており、苦戦を強いられることが多い。 --これらの極悪ステージも「しっかりと強化してさえいれば」クリア不可能ということはないようで、ケイブンシャの攻略本には必勝法が書かれている。 ***味方ユニットの性能格差 -パワーアップ方式による格差が激しい --能力の上昇比率はレベルアップ成長するキャラのほうが圧倒的に有利であり、改良パワーアップ方式のキャラはゲームが進むたびに差が開く一方で、能力値に倍近くの差がつくことさえある。 --改良方式は本体の限界値がシビアすぎで、途中まではしっかり改良していれば大丈夫だが、後半になってくるとフル改良でも明らかにステータスが足りていない。 ---「資金」だけでユニットを改良するのではなく「資金」と「資材」の両方が必要となるのだが、片方が余りやすく改良自体しづらい。 ---「資金さえ稼いでいれば最初から強いキャラクターで戦える」という触れ込みだが、基本的にゲームバランスが悪く、資金の集めづらい本作ではそんな資金を注ぎ込む余裕はない。~ 一応、カイメングリーン戦やガッツ星人戦のように、無限に資金稼ぎできるマップもある。 ---成長タイプのユニットは必要資金も資材もないに等しいので、この資金と資材が必要なことも改良ユニットと成長ユニットの格差を招いている。 --武装と本体性能が異なる成長設定となっているキャラクターは武器と本体の成長度に差が開き、''変身しないで格闘する方が強い''場合が出てくる。 --そして一番面倒な点として、&b(){改良型ユニットでもレベルアップ自体は必要だということ}。たとえフル改良しても、レベルが低い状態では戦力としての総合値が劣ったままなので単に金を無駄にしてしまう。 ---スパロボで例えるなら、機体と武器をフル改造しても、パイロットが低レベルなら活躍できないのと同じである。 #region(攻略に欠かせない主なバランスブレイカー) -ヴォルテックス --バイオ系の主人公。非常に攻撃力が高く、接近戦も遠距離攻撃もこなせる万能キャラ。運動性などの基礎能力も優秀で、レベルの上がってきた後半戦では''並の怪人程度なら変身しなくても倒せる''ほど。 -イナズマン --味方ユニットでイナズマン''だけ''が専用の特殊能力「逆転チェスト」を持っており、''気力が一定以上の時、一定確率で相手の攻撃をそのまま相手に跳ね返す''という強力な物。 ---受けるはずのダメージをそっくり返すので、敵が強ければ強いほど、発動した時のダメージも大きく跳ね返せるため、当然ながらイナズマン自身はダメージを受けない…という、チート級の強さ。 ---さらに逆転チェストとは別に''分身で敵の攻撃を回避することもできる''ため、極めて被弾が少ない。運動性がやや低いという欠点があるが、ある程度レベルが上がれば全く気にならないほど強くなる。 --攻撃面でも単純に自身の攻撃+逆転チェストで2回攻撃可能なことに加え、イベント経由で桁外れの圧倒的な攻撃力と射程を誇る新必殺技「ゼーバーイナズマンフラッシュ」を習得する。 -ウルトラ警備隊のメンバーの1人・フルハシ隊員 --超強力な対巨大ユニット用兵器であるライトンR30爆弾を中盤に入手できる。 ---原作ではウルトラセブンが傷一つ負わせることのできなかったスーパーロボット(転ばせて撤退はさせた)を一発で破壊したためか、本作ではウルトラマンの必殺光線より強い。 --一方で、科特隊のアラシ隊員が終盤に入手するペンシル爆弾はあまり強くない。 ---こちらもウルトラマンの攻撃で一切ダメージを受けなかった敵を一発で倒した、原作のラストを飾った最強兵器なのだが…。 #endregion #region(不遇なユニット) -メタル系主人公のルシファード --ヴォルテックスほど強くはないのに加え、ヴォルテックスと違い序盤は最強武装が使えない。 ---加えてバイオ系ヒロインにはマップ兵器があるのにメタル系ヒロインのファディータにはマップ兵器が無い。 --一応宇宙刑事系の異次元空間でも活動できるというアドバンテージがあるが、活かす機会はかなり少ない。 -キカイダー --全ての能力を改造でパワーアップさせる必要があるため、いつしか''あらゆる能力値が他のヒーローに劣る弱キャラ''に成り果ててしまう。射程も移動力も悪いので放置されてレベルも上がらず、ますます差が開く。 --武装面でも追加武装のキカイダースパークを除き、全て隣接するユニットにしか効かない。 ---唯一有射程なのが中盤で追加されるキカイダースパークなのだが、''メタル系でしか入手することができない''。 --ハカイダーが出現すると敗北条件にキカイダーの撃破が加わる。 ---シナリオでは助けにきたはずなのに、むしろプレイヤーにとっては不利になっている。 --一応防御力は伸びるので、増援稼ぎを駆使して改造しまくればダメージを受けないユニットに育てることは可能。意識してレベルを上げればなんとか戦っていける。 #endregion ''性能面でもLサイズユニット全般が不遇'' -まず非常に育てにくい --出撃枠が少ないのに、Lサイズの敵も少なく育てにくいという悪循環。~ 一応、出撃ステージは単騎で大軍(主に下記のケルバーン系)を相手にさせられることが多いので、この時はレベルは上がるが、その猛攻に耐えられない場合は詰みになり、SRPGとして問題があるペース配分である。 ---弱いSユニットを狩って育成しようにも、味方の巨大ユニットは対Sユニット武器のないものが大半であり、Lサイズの敵が出てくれないと育てられない。 ---敵の巨大ユニットは怪獣などのボスクラスのユニットが単体で登場する場合がほとんど。 ---ベムラーのような「野生の怪獣」は仕方がないかもしれないが、宇宙人関連でも原作でよくあった「巨大怪獣or宇宙人VSウルトラ戦士、円盤部隊VS防衛チーム」という構成は一切ない。(後述のケルバーンが同時登場はある)~ また、戦隊や宇宙刑事シリーズでは「敵の戦闘機が3機ぐらい出てきてヒーロー側のメカと戦う」という場面がちょくちょくあったが、いずれの組織もこういった戦闘機が未登場である。~ ザコキャラがワラワラと出てくるマップもあるにはあるが、そういうマップに限って味方ユニットの引退試合か、後述のように稼ぎ困難なケース。 ---登場する巨大ユニットで、比較的多数出てくるのがオリジナル敵の「ケルバーン」と後継機の「ケルバーン2」だが、両方とも妙に強く''数あるヒーローを一瞬で蜂の巣にしてしまう''。 ---ちなみに分身でいくらでも増えるバルタン星人が出てくるマップもあるのだが、回避率が高く決して経験値稼ぎに使えるような雑魚敵ではなく、''Lサイズユニットの出撃が無限増援が終了後''なので、一切稼ぎにならない。 --改良組も軽い改良では焼け石に水。フル改良すればまだ当てられるし耐えられるが、出撃機会の少ない彼らに資金や資材を注ぎ込むのはためらいがちになる。 ---それなのに、無改良ではまずクリアできないようなステージもある始末。しかも運動性の限界値が低いため、そのステージ時点ではフル改良してもまず当てられないどころか、うまく避けられず、最後の手段としてはソフトリセットを繰り返すこととなる状況。 -乗り物系の巨大ユニットは種類こそ多いものの、非常に能力値が低くザコキャラにすら太刀打ちできない。 --乗り物系巨大ユニットに逃げ込めば等身大ユニットはMAP兵器の巻き添えを食らっても無傷で耐えられるのは一応利点と言えば利点。 ---また、帰ってきたウルトラマン(ウルトラマンジャック)の郷秀樹の変身条件が「HPが1/3以下になる」、または「郷が乗った乗り物が破壊される」なので、郷の回避が高すぎる場合は後者目的で乗り物系ユニットを生贄に使わないとほぼ変身不能になる。 #region(Lサイズユニットの個別性能) -レッドバロン、大鉄人ワンセブン、ジャイアントロボはそれぞれの初登場マップと最終決戦を除けば、''自由選択出撃の機会がなんと2回''しかない。 --レベル底上げのような救済措置もなく、プレイヤーによっては加入時のレベルのまま''50台の敵''の相手をさせられる。しかも出現位置が悪く、戦闘に満足に参加できないこともある。 --一応、救済措置として、それぞれの機体性能自体はかなり高めに設定されており、「ダメージ覚悟で敵Lユニットに突っ込ませて反撃でガンガン蹴散らしていく」という戦法を取れば1マップだけでかなりレベルは上がってくれる。もちろん、撃墜される可能性もかなり高めだが。 -ウルトラマン系は必殺技が強いが、中盤までは避けられず、攻撃も当てられず、全体的に脆いの三重苦。初登場イベントの初戦で即瀕死する場合も多く、さらにターン制限もある。 --1ターン=1分という設定のため、初代マンやジャック、ゾフィーは3ターン、ウルトラセブンは資料によって制限時間の設定にバラつきがあるせいか7ターンでカラータイマーが鳴り、ENが大幅に減少する。 --原作では「巨大化だけでなく人間サイズでも戦闘できる」のだが、そちらは再現されていない。また、ウルトラマンたちだけ''任意での変身解除ができない''。 --ただ、レベルアップ成長型のため後半はパラメータが凄まじい勢いで伸びるので、育てれば強力。 ---加えてウルトラ勢は隊員として出撃するので、巨大ユニットの出撃枠ではなく、等身大ユニットの出撃枠で出撃できるので育てやすいというのも利点。 ---マン、セブン、ジャックはそれぞれハヤタ、ダン、郷の姿で怪人や戦闘員がワラワラ登場するステージで戦闘に参加することもできるので、育てるのは比較的簡単である。 ---ただしジャックだけはレベルを上げすぎると変身しにくくなるという、別の問題点がある。 -''ゾフィーに関する全てがおかしい''。 --武器を含む''ユニット能力が一切成長しない''。加入レベルは64もあるのに初期値なのはこのためで、レベルを上げても一切成長しない。おまけに''敵に倒されるか、カラータイマーが鳴ってENが切れるとユニットが消滅して2度と使えなくなる''。しかも唯一''空を飛べない''。 ---攻略本によるとゾフィーが飛行不能なのは「原作で飛んでいなかったから」とあるが、''原作の初登場シーンで飛んでいる''。というか、彼らがどうやって地球まで来たか考えれば、少なくとも「飛べない」という結論にはならないと思うのだが。 --終盤に初代マンが離脱するタイミングで加入するのだが、攻略本の情報では特定のルートの中盤で先行加入すると記載されているものの、そちらを通っても加入しない。実際、会話シーンやシナリオの内容などからも、''本来加入するタイミングで正常に加入されない不具合''が発生しているとしか思えない。 --M87光線を使うと、''戦闘シーンではダメージが表示されず、敵のHPゲージも減らない''というバグ持ち。 ---内部処理はされているので、敵はダメージを受けているのだが、なぜか戦闘シーンでは反映されていない。 -ゴレンジャーの専用メカであるバリドリーン --例によって能力値が低いが、他の巨大ユニットが全くいない状況で黒十字城(ゴレンジャーのラスボス)とタイマンを張らされるシナリオがある。当然強化していないと詰み。 --ゴレンジャー自体、上記の出撃枠の仕様のせいで満足に育てられないというのに、である。 -宇宙刑事トリオの巨大戦艦 --マップ上で召喚できるうえに原作ムービー付きで変形までするが(ドルギランはイベント扱い)、やはりフル改良しても移動手段や時間稼ぎにしかならない。 ---シャリバンとシャイダーの巨大戦艦は各種形態がきっちり再現されているのに、なぜかギャバンのドルギランは電子星獣ドルを分離・変形できない((ギャバンは母艦のギラン円盤自体には変形機構がなく、下部に電子星獣ドルを折りたたんだ状態でぶら下げていてこの形態を「ドルギラン」と呼ぶ。ユニット分離を再現できなかったのかもしれないが、戦闘時には(一応ギラン円盤も戦えるが)基本ドルが展開して戦うので、原作再現したいなら他2名の母艦の変形のように「ドルギラン→電子星獣ドル(展開後)」とすれば済むことである。))。 #endregion -結果、中盤までの対巨大ユニット戦は、ウルトラマンなどをベンチにしてウルトラ戦士の人間形態を含む防衛隊員の火器やシャイダーのビッグマグナムなど、''人間ユニットの対巨大ユニット武器でちまちま削った方が確実''。 --しかし、エネルギー消費量の関係で連発できないため、それはそれで楽な道とは言いがたい。~ また、抜け道を見つけたつもりになって、巨大ユニットを最後まで無改良・初期レベルのまま放置すると、ゲーム後半になってから完全に詰んでしまう場合がある。 ***バグ -一部のLサイズユニットの技構成がおかしい。 --公式ガイドブックでは怪獣たちは基本的に対Lサイズ近接用「格闘」、対Sサイズ近接用「足(踏み潰し)」という技がユニットデータに書かれているのだが、実際はないものが異様に多い。 ---前述の「負けイベントの敵がEN切れを起こしてこちらが詰む」という不具合の発生から、攻略本の誤記ではなく「最初はEN切れ用に無消費の近接技を設定していたが、実際は装備させられないままになった」というバグの可能性が大きい。 --他にブラックキングなどは同名技のL用の方がS用より弱く(他のキャラは基本S用の方が弱い)、命中率がS側のみ異常に高いことから逆に設定されている可能性あり。 -イベント関連のフラグ管理がおかしい。 --特定のイベントではなく、普通に敵を全滅させればクリアになる条件のマップで、敵を全滅させてもクリアできないことがある。 ---なぜかマップ兵器で何人か自殺するとクリアになることがある。 --キカイダー01の初登場ステージなどもこの例の一つ。 ---味方キャラクターの1人であるキカイダー01が駆けつけに来るとあるシナリオで、01が''マップ上に2人登場する''など、ひと目見ただけで異常と分かる不具合も存在する。 -キャラクター辞典の不具合 --本編に登場しているのに辞典に存在しないキャラが多い。 ---一方でデータ上には本編に登場しないキャラクターの辞典も用意されている。 --フルハシ隊員とソガ隊員のグラフィックを取り違えてしまっている。 --一部は読み間違えもあり、『キカイダー01』に登場する敵怪人「赤面(あかめん)ガメ」が「せ」の項目に、『ジャイアントロボ』に登場する「東(あずま)支部長」が「ひ」の項目に掲載されている。 --キカイダー01に登場する「ジャイアントデビル」の項目では「量産されてしまう」とあるが、実際には1体しか登場しない。 ---ちなみにジャイアントデビルは、Lサイズなのに対Lサイズ用の武装がない(攻略本には記載あり)という設定ミスをされている。 -一部のキャラクターに、装備した強化パーツが強制的に解除されてしまうバグが存在する。 --主にパワーアップ後のデータがあるウルトラマンジャックなど。 -アニーの「格闘」バグ --アニーの「格闘」は、通常戦闘シーンではダメージが表示されず、敵を倒せるだけのダメージを与えてもHPゲージが0にならないが、内部ではダメージが通っているので、倒すことはできる。 -ムービーの設定ミス --バイオ系シナリオの終盤、ヒロインが暴走し異形の姿となって襲いかかってくるというシリアスなシーンにおいて、なぜか''まるで関係のないキャラの変身ムービーが流れる''。オプション内では正しいムービーを観ることができるので、プログラムミス。 -終盤のシナリオで、『V3』の敵幹部であるヨロイ元帥の顔グラフィックがヒラ怪人のテレビバエになっている。 -謎に原作と展開を変えたせいで、初代マンとジャックが顔グラを取り間違えられたのか否かわかりにくい場面がある。 -誰も乗っていないはずのユニットが戦闘画面で敵を攻撃する --原因は変身した状態でないと使用することができない宇宙刑事系の乗り物ユニット(サイバリアンなど)が、パイロットが乗っている間に変身が解除されてしまうといった事態を想定に入れていなかったため。 -一部のシナリオでウルトラホーク1号をα号、β号、γ号へと分離させると、搭乗者のいない無人機が発生することがある。 --この状態のウルトラホークを地上に降ろすと、巨大ユニット以外なら適正の有無に関わらず誰でも搭乗させることができてしまう。 ---「戦闘機に乗って怪人を射殺する仮面ライダー」のようなシュールな光景が展開されることとなるが、ゲームの進行不能を誘発するため、注意が必要である。 -大鉄人17の敵ロボットである「ハーケンキラー」のステータス設定があからさまにおかしい。 --原作でも素早いという設定ではあるものの、それではすまないレベルの数値設定(運動性が平均50前後にもかかわらず、ハーケンキラーは140もある)になっており、ウルトラマンたちで辛うじて命中させられるかどうかという有様。 ---本作には必中にする手段はないため、とても正常な数値設定とは考えられない。しかも後述のシナリオの演出から考えても、17でこいつを倒すのは不可能なのも問題となっている。 -「ハイパータブ」バグ --アイテム「ハイパータブ」は、本来『使用すると気力を+40・ENを100回復した上で攻撃できる』もので、使用後は消耗してしまうはずなのだが、『使用後に武器選択画面へ移行した時に×ボタンでキャンセル』すると、&bold(){気力とENは上がったままでアイテムは消耗せずに残ってしまう。} ---事実上「気力は上げ放題、ENも回復し放題」となってしまう。「ハイパータブ」が開発・生産できるようになるのはかなり後半になる点と、「攻撃」コマンドが出ていない時(≒手持ちの武器射程内に敵がいない場合)には使用できないという欠点もあるが、それを差し引いてもバランスブレイカーなバグである。 ***シナリオ -他作品とクロスオーバーするシナリオがほとんどなく、基本的には原作をそのまま再現した展開になってしまっている。 --基本的にシリーズ系の場合は同じシリーズでしかつるまない((例えばウルトラ系はウルトラマン同士、ライダー系はライダー同士、宇宙刑事系は宇宙刑事同士である。))。 ---版権の枠を超えたクロスオーバーといえるのは、等身大ヒーローたちが仮面ライダーに登場した喫茶店「スナック アミーゴ」に集うシーンと、終盤アミーゴの常連たちがオリジナル系シナリオで協力体制を組むぐらいで、他は細かな点くらい。 ---また、メフィラス星人が登場するシナリオで『ウルトラマン』のフジアキコ隊員ではなく『ウルトラセブン』のアンヌ隊員と『シャイダー』のアニーが巨大化するというクロスオーバーもあるが、微妙な人選である。 --複数のシナリオが進行する場合でも、同じマップで並行して展開される((例として、初代ウルトラマンとイナズマンのシナリオが同一のマップで展開される。))。 ---戦闘に入った際に、取って付けたようなセリフがあるが、それに対する掛け合いなどもなく、物語上は一切無干渉である。 ---一応、序盤でウルトラ警備隊から、「権限の都合上、表立って別の組織と協力するのは難しい」という意味合いのセリフは出るのだが…。 --スパロボシリーズ恒例の死亡の回避もほぼない ---結城丈二(ライダーマン)とワルダーが条件で生き残るのみ。 -原作再現エピソードでは不自然なくらい他作品のキャラが登場しない。 --出撃できず、会話にも混ざらず、そもそもどこで何をしているのかすら全く触れられない。 -敵の組織も基本的にバラバラに活動している。 --一応は互いの存在を認知しており、中盤から協力し合う組織も出てくるのだが、ヒーローと結託先以外の組織については特に言及しない。 --複数の組織の怪人が同時に現れる際も、「偶然同じ場所に居合わせた」設定のため、怪人同士のやりとりも何もない。 -単純にシナリオ自体もおかしく、会話もグダグダなものが多い。 --あるキャラが他のキャラに呼びかけているのに、相手は返事もせず1人で決意表明している。 --セリフが噛み合わないどころか、やたらオウム返しを連発するキャラもいる。 --シナリオライターが「アイデンティティ」という言葉の意味を理解せず使っている。 --コメディシーンも低レベルなものが多い。 ---敵組織を騙すために本郷と一文字が一芝居打つというシーンがあるのだが、棒読みの演技で主人公たちにドン引きされているのに、敵組織はまったく疑っていない。 #region(以下、シナリオ問題点の詳細) -ショッカー首領がゲルダム団との合併を打ち出す理由は、ただ単に「日本支部を仮面ライダーに叩き潰された」という理由。 --原作では世界各地に支部があり、本郷や一文字は海外支部を叩き潰すため日本を去ったこともある。 -敵ユニットが少なく、量産型でもないのに同じような怪人ばかり何度も登場する。 --ショッカーは戦闘員と幹部を除けば、蜘蛛男・蝙蝠男・蜂女・さそり男・ゲバコンドルの5ユニットのみ((全員、旧1号時代(1~13話)の怪人であり、2号ライダーも新1号もいるにもかかわらず、大きく偏重しまくっている。))。 --他も一組織に大体2~3体しか敵ユニットが登場しないため、原作で一度しか登場しない敵でも、関係なく何度も繰り返し出てきてはやられる。 ---ゲルショッカーは雑魚ユニットがガニコウモルと戦闘員のみ、鉄面党も雑魚ユニットはわずか2体。黒十字軍は種類自体はもう少しまともだが、登場時期の偏重ぶりが激しい((登場するユニットは首領&幹部3名・通常怪人3名・戦闘員2種・巨大ユニット2だが、このうち戦闘員の黒十字忍団と巨大ユニットの黒十字城(共に64話以後)以外はマグマン将軍の登場時期(42~54話)の怪人のみである。))。 --とりわけゴルゴムは、雑魚怪人がサイ怪人ただ1体という冷遇ぶり。 -一部の敵組織は出番が少なく、ゲルショッカーやゴルゴム、鉄面党などはほとんど何もしていないのに壊滅する。 ---ゲルショッカーに至っては、結成から壊滅までわずか3シナリオという短さ。首領やライダーたちの会話は原作抜粋なので、まったく理解できない流れになっている。 -原作未視聴者への説明不足 --テキストが原作そのままの『RX』や『ゴレンジャー』のマグマン将軍のエピソードなどが顕著。 -全体的に鬱展開が多い --「サブキャラが殺され、話が大きく動く」回が多く取り上げられており、特に中盤のシナリオはただひたすらに敵も味方も死にまくる。 ---「敵に拉致されて拷問されて死亡」「瓦礫の下敷きでメインキャラだった子供が死亡」「生きたまま爆弾を体内に埋め込まれて主人公の前で爆発して死亡」・・・とにかく悲惨な死に方の連続である。 --全体的に暗めな展開の話が多く、娯楽エピソードはほとんど見られない。 -『大鉄人17』のワンエイト(以下、18)の裏切りシーンが意味不明な展開になっている。 --元々の原作では、グラビトンすら回避してしまう強敵ハーケンキラーを倒すためワンセブン(以下、17)を裏切ったふりをし、17がグラビトンを放った瞬間にハーケンキラーを羽交い絞めにして敵を道連れにする形で大破したというシーン。 --本作では羽交い絞めにしているグラフィックや状況を説明するような台詞はなく、作中のセリフのみで再現されているため、「17がグラビトンを発射した瞬間、裏切った18がMAP上でハーケンキラーとの間に入って爆発する」という展開になっており、原作を知らないとハーケンキラーをグラビトンから庇って大破したようにしか見えない。 ---18が「ヤッタナ(17)ニイサン…」と言いながら大破するが、原作と異なりハーケンキラーは大破しておらず、自力での撃破が必要になる。そしてクリア後には「18はグラビトンを決めるために裏切ったふりをしていたのか…」という会話が挟まれる。 ---原作再現的な意味でも問題だが、原作を知らない人には理解できない展開になってしまっている。 ---前述のようにハーケンキラーは17にまともに勝たせる気のないようなステータスをしているので、イベント撃破の名残ではないかと推測されている。 -普通に登場する隠し作品の敵組織 --イナズマンFやRXは隠しユニット扱いのため、ルートによっては強化しないこともあるが、敵の組織であるデスパーやクライシス帝国は関係なく登場する。 --このうち、RXは登場直後、いつの間にかクライシス帝国と決戦間近で、4大幹部と戦う展開は皆無。ロボライダーとバイオライダーの覚醒についても、対グランザイラス戦で立て続けに覚醒する。 ---一応、クライシス皇帝が地球侵略を諦めて怪魔界に撤退したため、原作最終回の救いようのないラストは避けられた。 -『キカイダー』関係 --ライバルキャラであるハカイダーとはまともに戦闘する機会がない。 ---倒すとゲームオーバーになってしまう((ハカイダーは光明寺博士の脳を頭部に入れているのでハカイダー撃破=光明寺博士の死亡。))ため、逃げ回るしかない。~ 確かに原作ではキカイダーが倒していないが、葛藤しつつも普通に戦っていたので、せめて最低限の戦闘は入れておくべきだったと評価する声もある。 ---一応、原作同様に「脳の血液交換のために基地に帰還」という要素があり、一定ターンで撤退する((気力が必要な武器が2つあるにもかかわらず、この仕様のせいで武器の使用シーンはほとんど見られない。))。 ---さらにハカイダーの出現中は、戦闘後にBGMが強制的に「ハカイダーの歌」に切り替わる。ラッパの低音から始まるので、プアープアーうるさい。 --続編である01に登場する通称ギルハカイダー(ならびにハカイダー四人衆)は登場しない。 --激痛回路で苦しめられるマリの解決が雑 ---胸を抑えて苦しむのだが、実はそのボタンを外すと体内の核爆弾が爆発してしまうという設定で、イチローが助けようとして「次回に続く」となる。~ しかし、次の話では何事もなかったかのようにイチローが登場する。 ---後のシナリオでマリ自身が逃げてイチローが助かったことが判明するが、敵キャラの会話の中のさりげない一言であり、しかもメタル系限定。 --01の良心回路のシナリオが矛盾している ---レッドバロンが参加する際に「鉄面党の悪のエネルギーを感じ取り、封印が解けた」という理由で01もアミーゴ組(仮)に参加するのだが、この時点で完全な良心回路を持っており、ギルの笛の音にもびくともしない。 ---にもかかわらず、その後かなりシナリオが進んでもギル教授は「キカイダーが完全な良心回路を手に入れ、"完全無欠の人造人間"が完成すること」を恐れているという謎展開。~ これなら漫画版と同じく「01には良心回路がない」としてしまったほうが矛盾がなかった。 --原作で恋仲であったビジンダーとワルダーが二者択一の扱いで、片方しか仲間にできない。 ---性能的には、ビジンダーには合体技のマップ兵器があるが、中立ユニットとして使いづらいことも多い。 -宇宙刑事関連 --『シャイダー』の敵組織であるフーマと決着をつけるシナリオがない。 ---原作では全宇宙規模の勢力を誇り、大規模な侵攻作戦によって宇宙征服目前まで迫るほどの特撮史上有数の超巨大組織であるにもかかわらず、本作では宇宙刑事たちが不思議宮殿に乗り込んだことがキリヤマ隊長の口から語られるのみで、その後、宇宙刑事たちはいつの間にか帰還してアミーゴにいる。~ ルート選択によって最終盤での扱いが異なるが、いずれにせよ最終決戦については言及されない。 --同じ『シャイダー』から"恋のミュータント"再現シナリオ ---特にファンからの評価が高いといわれているシナリオだが、キーパーソンであるジミー北原はいつの間にか姿をくらまして音沙汰がなくなる。 -巨大ロボ勢は登場人物も少ない。 --『ジャイアントロボ』のユニコーンの隊員の中で戦闘可能なのは主人公の草間大作のみ。 ---敵側もほとんどロボットばかりで怪獣はスパーキィしか登場していない。一方で、原作では動いてすらいないカラミティが、普通に動いて敵ユニットとして登場する点もいまいち理由がよくわからない。 --『大鉄人17』はシナリオ・ユニット・キャラクターとも、原作前半に偏重しており、後半のシナリオがほぼ再現されない。 ---原作後半のユニットはブレインを除けば、ワンエイトとハーケンキラーしかおらず、終盤を代表する敵ユニットのネッシーロボすらいない。~ また、レギュラーキャラでも防衛チームのレッドマフラー隊はNPCの佐原千恵しか登場しない。これだけなら「ヒーローならともかく、すべての防衛チームを入れる必要は容量的に無理。」で済むのだが、防衛隊のUCMAを見るとそうも言えない(後述)。 ---原作後半のエピソードはワンエイト関連とブレインとの決着部分しかなく、ユニットや登場人物のチョイスもそれにしたがっているので、かなりガタガタである。あまつさえハスラー教授はハスラー要塞に乗って戦闘することもなく、別の人物の出番の再現で死亡する。 --『レッドバロン』も、再現されているのは原作前半の鉄面党編のみであり、後編の宇宙鉄面党編は再現されていない。 --それ以外の作品でも、MAT2代目隊長の伊吹隊長や、2代目(厳密には一時的な代理)キレンジャーの熊野大五郎など、原作後半のキャラのほとんどが未登場である。 -バイオ系ヒロインのモンスター化イベントの解決が雑 --倒すわけにはいかないので逃げ回ることになるのだが、突然、謎のポエムをつぶやき、勝手に自己解決して正気に戻る。 -結末は尻切れトンボ同然 --続編を匂わす終わり方にはなっているものの、以降まったく音沙汰はない。 ---ラスボス撃破後に申し分程度の会話の直後、敵基地が爆破するムービーの直後にスタッフロールとなる。 #endregion ***シナリオ分岐条件の設定がおかしい -全く関係のない行動が分岐に関わる --「ウルトラマンが宇宙怪獣ベムラーに対し、スペシウム光線を使用したか否か」で、『宇宙刑事シャリバン』のベル・ヘレンと『仮面ライダーV3』のライダーマンのどちらが仲間になるかが決まる。 -何気ない会話の選択でシナリオが分岐する --「キレンジャーが食べたカレーの料金を、主人公が肩代わりするか否か」でゴレンジャールートと帰ってきたウルトラマンルートに分岐する。 --ヒロインと話をしているときに、「レッドバロンとジャイアントロボのどちらが好きか」という話題が出てくる場面がある。これは答えたほうのロボットにパワーアップイベントが起こるという伏線になっているのだが、もしどちらも選ばずにヒロインの機嫌をとるような選択肢を選んだ場合、何のイベントも起こらない。 -原作と反する選択 --「ヘリのパイロットにならない」という、原作と正反対の行動を取らないと光太郎がRXにならない。 --原作を知っていると余計に間違える。しかもパワーアップしない選択を選んだ場合の利点は一切なく、シナリオがいくつかスキップされるのみである。 //***シナリオ分岐による難易度の差が激しい //-先述の「ウルトラマンが宇宙怪獣ベムラーに対し、スペシウム光線を使用したか否か」の分岐については、スペシウム光線を使わないルートのほうが圧倒的に楽。使ってしまったルートは非常に難しい。 //-「ジャイアントロボとレッドバロンのどっちが好きか」という選択によるルート分岐でも、ジャイアントロボルートのほうが簡単で資金も稼ぎやすいのに対し、レッドバロンルートのほうは敵も強く、資金も稼ぎ難い。 //-損得で選ぶと実質一択になる分岐がかなり多く、シナリオに対する知識のないプレイヤーにとっては常に罠が張られていると思ってもいいぐらい。 //「ルートによって難易度に差がある」「損得で考えれば実質一択」というのはスパロボでもごく当たり前にあることなので、わざわざ問題点とするようなことでもない ***登場人物の改悪 -「おやっさん」こと立花藤兵衛が必要以上に粗野な性格になっている。 --「ダイラカツヨシ((逆から読むと「シヨツカライダ」。つまりショッカーライダーを使った作戦。))」という暗号の意味を、主人公に解説されても理解できない。説明されて逆さから読んでも「シヨツカライダ」じゃないかと理解せず、主人公たちが匙を投げたあと、1人で頓珍漢な解釈をする。 //原作ではそのようなシーンはない --黄金オオカミ(狼男)に敗北するのがメタル系では一文字、バイオ系では本郷なのだが、一文字には厳しく叱責する一方、本郷には身体の心配をしており、対応が大きく異なる。 --''「お前の替わりはいくらでもいる」''の使い方が悪く、意味が変わってしまっている。 ---黄金オオカミに敗北した一文字に対して言ったセリフなのだが、原作においては「ライダーが負ければ他に戦える者がいない状況」において、あえて「ライダーがやられたら俺たち(ヒーローでもない一般人)だって戦う」と宣言し、一文字に悪と戦う覚悟を改めて決意させるというシーンに使われた台詞で、ライダー以外にもヒーローがいる本作においては、そのまま「お前の替わりはいくらでもいる」と非難してしまっている。その後で、他のヒーローに一文字のフォローを頼んではいるのだが。 -岸田長官と佐竹参謀の役回りも兼任してしまったヤマオカ極東支部長官とタケナカ参謀 --同じ藤田進氏と佐原健二氏が演じたキャラではあるが、2人ともかなり人物像が異なり、ウルトラ警備隊を厚遇する一方、MATに対しては手厳しく叱咤するなど、部下の選り好みが激しいタチの悪い上司にしか見えなくなっている。 -TDFの参謀たち(日本人)がこれまでの体制を見直す中、明らかに何も考えていないアメリカ白人のボガード参謀。 ***原作設定との齟齬 -ウルトラ勢は、空を飛んでいる間は大技がほとんど使えず、体当たりやウルトラロケット弾などで戦う。 --ロケット弾は飛び道具であるにもかかわらず、体当たりも含め全て射程が1しかない。 --ただ宙に浮くのではなく、スパロボでいえば飛行形態への変形にあたり、飛行ポーズをとった別のユニットに変化する。草間大作やゴレンジャーなど、空を飛ぶユニットは全て同仕様((この両者は攻撃技自体が設定されていないので、むしろウルトラ戦士は優遇されている方である。))。 --原作では、飛行中でもスペシウム光線などの必殺技を普通に使っていたのだが…。 -パワーアップ方式の設定がおかしい --「一見ロボットのように見えるが、れっきとした生命体である」という設定のカプセル怪獣ウインダムに改良パワーアップを採用。 --サイボーグ人間であるはずの『イナズマンF』の荒井誠にレベルアップ成長を採用。 -レッドバロンを主役とした「超合金バロニウム」というタイトルのシナリオがあるが、『レッドバロン』の番組に出てくる金属は「バロニウム」ではなく「バロンニウム」である。 --「バロニウム」は、同シリーズの『スーパーロボット マッハバロン』に登場する金属。 -鳴き声等のメッセージが公式設定と違うものが多い --ジャイアントロボが攻撃を仕掛ける際の「ま゛っ!」という台詞は視聴者の間で広まったネタを拾ってしまっている。 --怪獣や怪人の鳴き声なども公式設定と異なっているものも多く、耳で聞いて判断したようなセリフになっている。 ---たとえばサイコラーの声は「カオーッ!」が公式だが、「キシャアアッ!!」と表示されている。 -RXがなぜか「リボルクラッシュ!」と発言する((原作でも技名を叫ぶことはあるが、一度も「リボルクラッシュ!」とは発言していない。))。 --会話ウィンドウのみで、実写ムービーなので声はない。 -地形適応の設定ミス --後述のように宇宙ステージ自体が非常に少ないので実害は薄いが、本来宇宙での活動を念頭に置いたウルトラホーク1号・2号や宇宙刑事組の宇宙適応が最低のE(活動不可)。 -ジャイアントロボの初戦の相手スパーキィが「バリヤーでメガトンパンチ以外受け付けない」という仕様。 --原作でメガトンパンチ以外無効描写はないどころか、2回登場して両方とも他の攻撃でとどめを刺されているので、どうしてこうなったのか不明。 //***参戦作品 //-タイトルにもある通り、2001年に発売されたゲームなのに''一番新しい参戦作品は1988年の『仮面ライダーBLACK RX』''。参戦しているのは''昭和作品のみ''((RX放送中に元号が変わったので一応後半は平成元年に放送されていたが、世間的にはRXまで「昭和ライダー」である。その後ビデオやVシネマの三作、いわゆる「ネオライダー」を経て、『クウガ』以降を平成ライダーと括る事が多い。後の映画ライダー大戦でも、ネオライダーの三人は昭和ライダーとして登場していた。))で、90年代以降のヒーローは完全にスルーされている。 //--ウルトラマンの放送は1966年なので、参戦作で最も古い作品の放送開始からは35年経っている。例えるなら、2007年に出た『[[スーパーロボット大戦W]]』に参戦している作品が、マジンガーZ、ゲッターロボ、コン・バトラーV、1stガンダム…と続いていき、1994年公開の『機動武闘伝Gガンダム』が最新参戦作、といった感じになる。当然、今こんなソフトを出しても一部のマニアしか買うまい。子供は完全に置いてけぼりである。 //--このゲームの時代設定は現代にされているが、作中の登場人物の台詞が原作と殆ど変わっていないため、''今が現代なのか昭和なのかさえ把握することが困難''。現代的な箇所を強いて挙げれば、作中に携帯電話やパソコン、携帯ゲーム機が出てくるくらい。『帰マン』のシナリオでは原作どおり「先の戦争で…」というセリフがあるため、尚更時代設定が解りづらい。 //---同様のミスが『[[スーパーヒーロー作戦]]』にもあったが。 //--こればっかりは仕方のない事なのかも知れないが、夏服と冬服の統一も出来ていない。 //--参戦作品が昭和ばかりなうえにラインナップにも乏しく、一部の例外を除けば''ほぼ全てが東映or円谷プロダクションの作品のみ''。それだけこの2社の守備範囲が広いことを物語っているともいえるが、ピープロや国際放映、萬年社の作品はない。また、円谷プロからの参戦はウルトラシリーズ3作だけであり、''それ以外の作品は1つもない''。巨大ユニットはM78星雲人とロボットしかおらず、ミラーマンもゾーンファイターもスペクトルマンもシルバー仮面ジャイアントもいない((特に後二人は人間サイズにだって成れるのに、だ。))。実質本作の参戦作品は、東映作品のみであると言っても良いだろう((巨大ユニットが前述の有様なことを考えると尚更。))。 //---『ゴジラ』の東宝もなければ『ガメラ』の大映もない。これらの圧倒的な知名度を誇る作品までも出演させないとは、冷静に考えるとおかしな話ではある((他の特撮系ゲームとは違い『ヒーロー』ではなく『特撮』大戦のため怪獣映画が出てもおかしくはない。さらに昭和ゴジラや昭和ガメラならヒーロー要素もある。))。本作の巨大キャラクターへの配慮の無さを如実に物語っている一例と言えるだろう。 //--90年代は仮面ライダーのTV番組がなかったとはいえ、メタルヒーローシリーズやスーパー戦隊シリーズ、平成ウルトラ3部作といった有名どころはそれなりに多く、決して参戦作品の種類が足りないということはないはずである。もっともこの完成度では、たとえ参戦させたとしても原作の魅力をどこまで引き出せたか疑問が残るが。 //-現状の参戦作品自体に特に問題があるという訳ではないが、若年層の特撮ファンにとっても、昭和作品に精通したマニアック志向のファンにとっても、巨大ヒーローのファンにとっても不満の残るラインナップで、このゲームの地味な印象を強めてしまうことになってしまった。 //--むしろ''タイトルに2001などとつけてしまったせいで、古い作品ばかりであることとタイトルがかみ合っていない''のが問題だと思われる。 //参戦作品についてはスレで話し合い中なので不ルールに従いCO。復帰させる場合まずスレで話し合ってください。 ***その他 -ウルトラシリーズの原作映像がウルトラホーク発進シーンくらいしか使われていない。 -一部には誤字もある。 -ゲーム内で敵キャラクターの能力値を把握する手段がない。 -適応地形の「宇宙」の意味がほぼない。 --宇宙で戦うマップがたった1つしかなく((宇宙に行くのではなく「宇宙の彼方と時限的に接続した」というような感じで、地上マップのど真ん中に宇宙空間があるという状況のステージ、ここを敵の宇宙要塞艦が横切っていく。))、メタル系限定のシナリオのため、バイオ系では一切宇宙マップに行かない。 --他にも「魔空空間」「幻夢界」「不思議時空」という地形が存在するが、それらの地形に適応できるのは宇宙刑事系のキャラクターとウルトラ戦士、メタル系主人公の男女のみ。~ それ以外のキャラは適応「E」で戦闘はおろか回避・防御以外の行動が不可能になる。 ---そもそも宇宙刑事以外のヒーローもたくさんいるのに、わざわざ3つとも区別して再現している意味がなく「異次元」などでまとめれば済むこと。宇宙刑事関連のキャラは微妙に適応が違うが、宇宙刑事以外の作品のキャラにはなんの違いもないので、ほぼ無意味な再現になっている。 //-特殊能力のひとつ「太陽電池」が弱すぎてほぼ機能していない。 //--効果は「昼間のマップでは毎ターンENが5回復、夜間のマップでは毎ターンENが2減る」というもの。 //全キャラ共通で「ヒーローに変身すると毎ターンENが2減る」という仕様があるので、その代替能力として設定されていると思われる。確かに微妙な能力だが、あること自体におかしい点はない。 -OPムービーの出来が微妙 --「夕日をバックに歩く初代ウルトラマン」、「マシンに乗らずに自分の足で走っているイナズマンとギャバン」などのように、原作と違和感のある描写も多い。 --このムービーに登場するのは主人公2名、ギャバン、イナズマン、ウルトラマン、仮面ライダー5人のみ。 ---キカイダーや巨大ロボ勢、ゴレンジャーはなぜか一切登場しない。 ---別シリーズの版権ヒーローが同時に映っている場面は、イナズマンとギャバンが並んで走っているごく短いパートしかない。 -変身時のデモムービーが同じシリーズ内でも仕様がバラバラ --原作の映像をそのまま使ったものと、写真と映像効果を組み合わせてFLASH動画のように作ったものの2種類があるため、後者の違和感が際立っている(例えばキカイダーは前者、キカイダー01は後者)。 ---後者も出来そのものは悪くないのだが、音声のせいで非常に出来が悪く見えてしまう。とりわけキカイダー01の音声はひどすぎる。 -オリジナルの自衛隊隊員及び兵器 --正確にはウルトラ警備隊を包括する組織・TDFの下部構成員UCMAだが、自衛隊絡みの作品が参戦していない本作では違和感が強い。 --リーダー格にして紅一点のキタクラ班長はそれなりにシナリオ上でも目立ち、能力も頭ひとつ抜けているが、それ以外の隊員たちは数が多いばかりでサワ隊長も含め戦力としてはまるで役に立たない。 ---自衛隊の兵器は、戦車、自走砲、高射砲など、かなり細かく分類され、それぞれの性能も丁寧に差別化されているが、シナリオ面での問題が多い本作では力の入れどころを間違っているとしか思えない。 --本作ではUCMAに取って代わられている『大鉄人17』のレッドマフラー隊(制服・装備品共に自衛隊とほぼ同一、名前と顔グラを合わせれば成り立つ)でよかったのではないだろうか。 ---- **賛否両論点 ***謎の原作再現のこだわり //他にもっと凝る所が、ってのは分かるけど、原作再現に力を入れてるのは良い事でしょ。 -昭和特撮特有のナレーションの多さ。 --ストーリーの説明にナレーションを使うのは昭和特撮の常だが、本作でもそれを再現。登場人物の台詞以外のメッセージは全てナレーションとしてフルボイスで読みあげられる。 ---ナレーションを担当しているのは仮面ライダーシリーズで有名な中江真司氏。ファンなら嬉しい要素である。 ---ただ、本編映像のデモムービーでは、政宗一成氏や大平透氏など、各原作のナレーションがノーカットで流れるので違和感も強い。 --問題は本当に昭和特撮のごとく、事件の捜査を始めとした話の細部をナレーションで片付けてしまうことである。 ---このことが登場人物の絡みの少なさを助長している一面がある。 -ヒーローたちの拠点が喫茶店アミーゴ --メタル系の主人公は敵組織の元幹部でギャバンからも追われている犯罪者(指名手配犯)であるから、どこかの組織に所属するのは難しいとも言えるが、違和感は残る。 --また、この設定のせいか、本作のシナリオの舞台は関東周辺((具体的には地名は出てこない。))に集中しており、宇宙を舞台に戦うヒーローもいるゲームのわりには、行動範囲が狭まっている。 -巨大ロボ勢であるジャイアントロボ、ワンセブンは原作通りに途中離脱する。 -役者ネタの拾い方 --有名どころで役者が被っているムラマツキャップと立花藤兵衛や、アオレンジャーと仮面ライダーV3があまりネタにされない。 ---一応「ムラマツの話題が出た際に『アミーゴ』でクシャミをする藤兵衛」や、「藤兵衛をキャップ呼びするイデ隊員」などの小ネタはある。 --一方で、「『キカイダー』のハンペンこと服部半平に化ける不思議獣」や、「マリに惚れる滝((滝を演じた千葉治郎氏は『01』ではマリに恋する漁師役。))」のようなマイナーなネタもある。 --有名俳優や有名声優ネタは出演キャラクターを探せばいくらでも転がっているので、言い出すとキリがないのだが。 ---- **評価点 -登場するヒーローは、変身した姿だけではなく変身前の人間の姿でも戦うことができる。これらの姿は状況に応じて適度に使い分けていく必要があり、戦略的にもきちんとした意味を持っている。 --変身前のヒーロー(本郷猛、渡五郎、一条寺烈など)は原作再現度もそれなりで、いかにも本人(演じた俳優)が言いそうなセリフや、やりそうな殺陣を繰り出してくれる。戦闘員程度は軽くなぎ倒せる。 --ただし、キレンジャーに変身する大岩大太は「まっかせんしゃい!」でも「トイヤッ!」でもなく、敵に洗脳された時の「ホイ!」という掛け声を上げる。 -マシンに乗った姿や飛行する姿なども含め、各形態が細かく用意されている。 --例を挙げると、ライダー1号・2号のバイクであるサイクロン号は徐々にバージョンアップする上に変身後と変身前の通常形態まで再現されており、なんと計6ユニット×2人分で合計12ユニットもある。 -多くのサポートキャラが味方ユニットとして使用可能 --ヒーローだけでなく、ヒーローに変身しない脇役のサポートキャラ(ウルトラシリーズの防衛隊員など)も大勢参戦しており、味方ユニットとして実際に使うことができる。これも従来の特撮ゲーでなかなか見られなかった斬新な点である。 ---さすがに主役級のヒーローに比べれば戦闘力は格段に低いが、なるべく意識して活躍の機会を与えてやればゲームを進めるのがグッと楽になる。少し強化すれば、体感的な難易度にかなりの差が出る。 -良質なクロスオーバー部分 --『帰ってきたウルトラマン』シナリオの最終話は原作でナックル星人との戦いを描いた『ウルトラの星 光る時』がベースだが、ここでナックル星人が切り札と称し、ブラックキングの仲間としてゼットンを召喚し「初代ゼットンとウルトラマンジャックの戦い」が実現。 ---かの有名なぶよんぶよんの着ぐるみのゼットン2代目は着ぐるみが間に合わなかっただけであり、シナリオ上は初代と同じ姿のゼットンと戦っていたことを考えると、初代ゼットンとジャックの戦いが見られるのは高評価。 -音楽はよくできており、特に本作オリジナル主人公たちのメインテーマは名曲レベルである。 --ゴレンジャーのED曲『秘密戦隊ゴレンジャー』(いわゆるバンバラバン)や、『アニーにおまかせ』など、ツボを押さえた選曲がなされている。 ---ただし、これら2曲と『イナズマン』『同F』の主題歌は、なぜか曲の一部分が省略されている。また『ウルトラマン』のBGMは作中でよく用いられていた『進め!ウルトラマン』のインストアレンジではなく、歌のほうのメロディーで収録されている。 --オープニングムービーで流れる主題歌『君は閃光☆THUNDERBOLT』はかなり熱い名曲。 ---歌うのは宇宙刑事シリーズでおなじみの串田アキラ氏。タイトル画面で流れるだけのスパロボシリーズと違い、ちゃんとムービー中に流れる。~ なお、主題歌のアレンジBGMが最終決戦時に流れるのは、『第2次α』より早い。 -戦闘シーンのON/OFFは「決定に使うボタンが○か□か」で判定され、非常に分かりやすくスピーディー。 --戦闘シーンのアニメーションも意外と頑張っている。同時期の『スパロボα』に比べれば派手さで劣るとはいえ、少ない作画枚数で堅実に動きを生み出している。~ 敵キャラはユニットごとにおおまかではあるが、撃破時の爆発演出も異なっている。 ---- **総評 事前に強化していないと詰んでしまうステージが複数ある一方で、「敵に倒される」ことでイベントが進むステージも複数あるためか、逆に強化しすぎると進行不能になることがあるなど、ゲームの基礎からして問題が発生している。~ 場合によってはチートしてもクリアが困難という有様で、ある程度の攻略に関する予備知識やルート分岐のプランニングは必須。~ ~ サポートメカの召喚と搭乗、ユニットの変形などの要素は忠実に再現されており、キャラゲーとしては企画者の意気込みが伝わってくる。~ また、2組のオリジナル主人公はデザインや「実は敵組織の幹部であり、首領や他の幹部は家族。ギャバンと交戦しており、因縁がある(メタル系)」、「敵組織の差し金で肉親に人体実験の被験者にされ、親友が敵幹部で戦わざるを得ない宿命がある(バイオ系)」という設定はベタながらも評判は悪くなく、今後は別の形での再登場が期待されている。~ ~ 参戦作品やオリジナルキャラクターに強い魅力を感じるのであれば、多くの問題点を承知したうえでも、意地でもプレイしてやろうという気にさせてくれる作品ではある。それだけにゲームシステム部分の内容がここまでひどくなってしまったのが残念なところ。 ---- **余談 -スマートフォン用ゲームアプリ『スーパーロボット大戦DD』において、本作のオリジナルBGM「Acosmism」が使用された。
//一部の表記を統一 *スーパー特撮大戦2001 【すーぱーとくさつたいせん にせんいち】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005QBBN,image);| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|日本アートメディア|~| |発売日|2001年9月6日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|致命的なバグ&br;''運ゲー同然の不条理すぎる難易度''&br;シナリオ面でも問題多数&br;''不遇なLサイズユニット''|~| |>|>|CENTER:''[[バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ]]''&br;''[[ウルトラシリーズ>ウルトラマンシリーズ]]''&br;''[[仮面ライダーシリーズ]]''&br;''[[スーパー戦隊シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 成長システムなどに若干の違いがあるが、『[[スーパーロボット大戦>スーパーロボット大戦シリーズ]]』をベースに特撮を取り扱ったゲーム。~ スパロボにおける「スーパー系」「リアル系」に対応するのは、強化スーツを装着する「メタル系」と、生体改造兵器に変身する「バイオ系」の2パターン。 #region(参戦作品一覧) |ウルトラシリーズ|ウルトラマン| |~|ウルトラセブン| |~|帰ってきたウルトラマン| |仮面ライダーシリーズ|仮面ライダー| |~|仮面ライダーV3| |~|仮面ライダーBLACK| |~|仮面ライダーBLACK RX| |スーパー戦隊シリーズ|秘密戦隊ゴレンジャー| |宇宙刑事シリーズ|宇宙刑事ギャバン| |~|宇宙刑事シャリバン| |~|宇宙刑事シャイダー| |等身大ヒーロー|人造人間キカイダー| |~|キカイダー01(ゼロワン)| |~|イナズマン| |~|イナズマンF(フラッシュ)| |巨大ロボット|ジャイアントロボ| |~|スーパーロボット レッドバロン| |~|大鉄人17(ワンセブン)| |その他|バンプレストオリジナル| #endregion 特撮のクロスオーバーゲームはウルトラマンや仮面ライダー同士がそれぞれ共演するものや、[[ガンダム>SDガンダムシリーズ]]を交えたSDキャラたちが活躍する『[[コンパチヒーローシリーズ>コンパチヒーローシリーズ]]』などがあるが、スパロボシリーズのように版権の壁を越えた原作ベースのクロスオーバー作品は本作のみである。 ---- **特徴・システム -本体性能、武装は成長か改良による育成が可能。 --性能・武装それぞれにレベルアップによる成長か、資金・資材を注ぎ込む改良がキャラごとに割り当てられている。 ---例をあげると宇宙刑事やゴレンジャーは性能-成長、武装-改良、ウルトラマンやイナズマンはどちらも成長、ロボット系はどちらも改良というパターン。基本的に生身の部分が成長、メカ要素のあるものが改良になる。 -Sサイズユニット(等身大ヒーロー)とLサイズユニット(巨大ヒーロー) --サイズ相応にステータスは桁違いに設定されており、Sサイズユニットのステータスは攻防ともに2ケタ程度、Lサイズユニットのステータスは4ケタとなっている。 --サイズ違いに対しては専用の武装が必要であり、それを持たない場合同サイズの敵に対してしか攻撃を行うことはできない。 -ランドマーク(拠点)の制圧と生産 --マップ上にある工場などの拠点を制圧し、強化パーツを生産することができる。 --ランドマークを制圧できるのは防衛隊員などの支援部隊ユニットのみ。 -リトライ(コンティニュー)するたびに敵のレベルが1つ下がる(最大で10) -全体の軸となるオリジナルシナリオは『ウルトラセブン』に登場する地球防衛軍をベースに、防衛組織の暗部が描かれるやや暗めのシナリオである。 ---- **問題点 ユニットの分け方の問題、単純なユニット性能格差、戦闘マップのバランス取りなど、全体的にゲームバランスに難がある。 ***基本システム部分及び敵能力値の問題 -基本的に敵との能力差が激しく、ほとんどのキャラクターが手も足も出せずになぶり殺しにされるか即死する。 --命中率も回避率もシビアなうえに、それを補完する手段もほとんどなく、ある程度のセーブ&ロードは必須。 ---まともに調整されているのは序盤の数話のみであり、後述の''一部のバランスブレイカーの味方をフル活用させてようやく勝てる難易度''である。 -味方のLサイズユニットが不遇(後述)な一方、敵Lサイズユニットは強力 --味方LサイズユニットはSサイズユニットへの攻撃手段に乏しいが、敵の怪獣やロボット兵器はSサイズユニットを普通に攻撃できる。 ---命中率が低いのが救いだが、当たった場合にはよくて瀕死、まず即死。ステータス差以前にダメージ計算にも問題があり、Lサイズユニットはやたらデカいダメージが出やすい。 -ラスボスも極端な強さ --いくらレベルを上げても一発で瀕死になるほどの異様な火力を持っているが、射程外から攻撃可能なので、下手すればラスボスは1ターンで倒せる。 -強制出撃ユニットが中心で、任意で出撃できるユニット数の制限がシビア --結果としてキャラの成長傾向の差が大きくなりやすいうえに、サブキャラや巨大ロボが強制出撃させられるマップが多数あり、彼らを育てていなかったら''詰み''である。 --特にLサイズユニットは選択出撃枠は''つねに1体''かつ、選択出撃の機会自体がほとんどないという冷遇ぶり。強制出撃すら少ないので、そもそも出撃させられないことも多い。 ---該当するのはジャイアントロボ、レッドバロン、ワンセブン、ワンエイト、ゾフィーの5体。後者2体はほぼいないものと考えていい。 --成長面以外でも、自由な枠が少ないことでゴレンジャーを5人全員出撃させることさえままならない。 ---スパロボシリーズでは一番自由度の高い最終ステージも、本作の選択出撃ユニットは''4体まで''である。最終決戦はSサイズのみで行われ、''Lサイズは最終決戦で出撃できない''。 -スパロボシリーズおなじみの「精神コマンド」は存在しない --レベル不足のユニットの救済措置やピンチの時の回復など、何度も使えない代わりに強力な能力としてゲームクリアに貢献していたのだが、それがない本作では戦う前から結果がかなり予測できてしまい、戦術・戦略的にも底が浅くなってしまっている。 ---特に命中率や回避率をフォローする手段に非常に乏しく、レベルの低いキャラを後から育てるのは難しい。 ---そのため、当時のスパロボで主流だった「高機動ユニットを突っ込ませて反撃で削りつつ、後衛が敵の射程外から一機ずつ潰す」という戦術を取ろうとすると非常に苦しくなる。 ---命中率を0%にできない以上、囮には即死リスクが付きまとう。敵ユニットの気力も上がっていくため、残ったユニットも危険である。 --演出面でも役立ちそうなシステムでもあり、そちらの面でも採用されなかったことは残念。 -金が稼ぎづらく、スパロボシリーズで可能な全滅プレイによる稼ぎはできない -強化パーツの効果がスパロボよりも低く、2つしか装備できない --弱いユニットを強化パーツでフォローするのはかなり難しい。 -敵、味方ともに攻撃手段が少ない --例えば味方のカプセル怪獣では、ミクラスは原作25話で使用された熱線攻撃が使えず、ウインダムは''格闘ができない''。 --敵側も同じで、Sサイズ用とLサイズ用武装を別とすれば、武装が2つ用意されているユニットがほとんどいない。 --ENや弾が尽きて攻撃手段がなくなり、サンドバッグになる悲しいボスユニットもいる。~ また、カメバズーカと白骨ムササビは簡単に弾切れしないという原作設定が反映されておらず、武装が弾数制かつ装弾数が少ない。 ---最低限、無消費の格闘攻撃と消費式の特殊攻撃の2種類を用意していれば、攻撃手段がなくなるという事態は避けられたはず。~ 攻略本の中には、射程1で威力は低めでもENや弾数消費無でいくらでも使える「格闘」がほとんどの敵の標準武装であるように書かれたものがあるが、実際はほとんど搭載されていない。 -弾数制の武装はシナリオをクリアしても補充されない --弾数はマップ上で回復アイテムや発電所を使い回復させる必要がある。''弾数消費制の武装しか持っていないキャラが大勢いる''ため、弾数回復アイテムの重要度は高い。 ---ちなみに、このことは取扱説明書で言及されていない。 --基本的にメタル系には弾数制武装、バイオ系にはEN制武装が多い傾向があり、ただでさえパワーアップ方式の違いによりバイオ系に劣るメタル系がさらに使いづらい存在となっている。 ---一応、発電所で残弾数含むステータスを全回復できるステージも多いため、武装が弾数制メインのユニットもまったく役に立たないというわけではない。ただし、回復に向かう手間を考えると使い勝手の点では劣ることになる。 --ゲームオーバー後、リトライを選択した場合は全回復する。 -敵のENが自然回復しない --このため、''敵ユニットのEN切れにより、負けイベントで敗北できずに詰む''という状況がいくつかある。 ---特に敗北戦闘の相手であるブラックキングが弱い。ウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)が離脱するシナリオで、原作通りブラックキングに倒される必要があるのだが、強制敗北ボスのわりには異様に能力が低く、EN消費式の武装しかない上に燃費も悪い。~ さらに必中即死判定になっていないため、攻撃を外してガス欠を起こす可能性が敗北戦闘用のユニットの中で最も高い((ジャックに変身する郷秀樹の利便性が高く、必然的に使用頻度が増えて高レベルになりがちな点も詰みやすさに拍車をかけている。))。 --敗北戦闘で敵の攻撃が必中即死の場合もあれば、そうでない場合もある((後半はほぼ後者のため、設定ミスの可能性あり。))。 -出撃選択画面には変身ヒーローが全て変身前の名前で表示されるため、原作に詳しくないプレイヤーには分かりづらい(例:「ハヤタ」、「本郷猛」)。 -勝利条件が正しく表示されない場合がある --「敵を全滅させろ」か「特定のユニットを倒せ」という表示が多いが、実際の勝利条件ではない場合がある。 ---そのため、本当の勝利条件は会話などから読み取らなくてはいけないことも。 --原作で敗北する戦闘では、自発的に敗北しなければならない。 ---原作を知らないとわからないが、一応はそれを匂わせるような敗北条件が出る場合がある。また、前述の通り該当キャラを育てすぎていると詰まりかねない。 -セーブの仕様 --インターミッション画面でのセーブとマップ上でのセーブが同一枠として扱われている。やり直しの余地が残すにはセーブのタイミングにも気を使う必要がある。 --ソフトリセットやクイックロードのやり方が説明書に書かれていない。 ***一部の高難易度シナリオ -多くのプレイヤーが辛酸をなめた''高難易度''のステージがいくつか存在する。以下はその代表例。 --''味方のHP強制半減や変身の強制解除''が立て続けに起こる『世紀王ブラックサン』 --超強力なボスキャラのサイコラー(『宇宙刑事シャリバン』に登場)を2度も倒さなければならない『赤射・蒸着・焼結』 --''6体の敵をレッドバロン1体で1ターンで倒さないとゲームオーバー''になる『超合金バロニウム』 ---選択肢によって回避できるが、このステージを通らないとレッドバロンの強化シナリオに進めない。 --『宇宙刑事シャリバン』のサブヒロイン、ベル・ヘレンが戦闘員6体を倒した後、''回復なしで''また怪人+戦闘員4体と闘わされ、孤立奮戦の末に息絶える『慟哭』 ---本当にベル・ヘレン1人で戦わなければいけない。原作再現として敵を全滅させる必要があるが、初加入からこのシナリオまで約20話、彼女を一切育てていなかったプレイヤーも多い。 --前後半に分かれているステージの後半開始時は、「HPやエネルギーが全回復し、気力も初期値に戻る」、「HPやエネルギーが全回復するが、気力は上がったまま」、「''HPやエネルギーは減ったまま、気力も初期値に戻る''」など、ステージによって状況が異なるが、その選考基準は謎。 ---序盤では連戦でも回復している場合もあるが、中盤以降は''前半と後半の間で数日が経過している状況でも3つ目の状況''になっており、苦戦を強いられることが多い。 --これらの極悪ステージも「しっかりと強化してさえいれば」クリア不可能ということはないようで、ケイブンシャの攻略本には必勝法が書かれている。 ***味方ユニットの能力格差 -パワーアップ方式による格差が激しい --能力の上昇比率はレベルアップ成長タイプのキャラのほうが圧倒的に有利であり、改良パワーアップタイプのキャラはゲームが進むたびに差が開く一方で、能力値に倍近くの差がつくことさえある。 --改良タイプは本体の限界値がシビアすぎで、途中まではしっかり改良していれば大丈夫だが、後半になってくるとフル改良でも明らかにステータスが足りていない。 ---「資金」だけでユニットを改良するのではなく「資金」と「資材」の両方が必要となるのだが、片方が不足しやすく改良自体しづらい。 ---「資金さえ稼いでいれば最初から強いキャラクターで戦える」という触れ込みだが、基本的にゲームバランスが悪く、資金の集めづらい本作ではそんな資金を注ぎ込む余裕はない。~ 一応、カイメングリーン戦やガッツ星人戦のように、無限に資金稼ぎできるマップもある。 ---成長タイプのユニットは必要資金も資材もないに等しいので、この資金と資材が必要なことも改良タイプと成長タイプの格差を招いている。 --武装が変身前と後で異なる成長設定の宇宙刑事などのキャラクターは、レベルを上げても変身後の武装を改良していないと、''変身しないで格闘する方が強い''場合がある。 --そして一番面倒な点として、&b(){改良型ユニットでもレベルアップ自体は必要だということ}。たとえフル改良しても、レベルが低い状態では戦力としての総合値が劣ったままなので単に資金を無駄にしてしまう。 ---スパロボで例えるなら、機体と武器をフル改造しても、パイロットが低レベルなら活躍できないのと同じである。 #region(攻略に欠かせない主なバランスブレイカー) -ヴォルテックス --バイオ系の主人公。非常に攻撃力が高く、接近戦も遠距離攻撃もこなせる万能キャラ。運動性などの基礎能力も優秀で、レベルの上がってきた後半戦では''並の怪人程度なら変身しなくても倒せる''ほど。 ---ただし、序盤のバイオ系ヒロインは変身能力を持っておらず打たれ弱い。 -イナズマン --味方ユニットで唯一、専用の特殊能力として、''気力が一定以上の時、一定確率で相手の攻撃をそのまま相手に跳ね返す''「逆転チェスト」を持っている。 ---受けるはずのダメージをそっくり返すので、敵が強ければ強いほど発動時に大ダメージを跳ね返せるうえに、当然ながらイナズマン自身はダメージを受けない…というチート級の強さ。 ---さらに逆転チェストとは別に''分身で敵の攻撃を回避することもできる''ため、極めて被弾が少ない。運動性がやや低いという欠点があるが、ある程度レベルが上がれば全く気にならないほど強くなる。 --攻撃面でも単純に自身の攻撃+逆転チェストで2回攻撃可能なことに加え、イベント経由で桁外れの圧倒的な攻撃力と射程を誇る新必殺技「ゼーバーイナズマンフラッシュ」が使用可能になる。 -ウルトラ警備隊のメンバーの1人・フルハシ隊員 --超強力な対Lサイズ用兵器であるライトンR30爆弾を中盤に入手できる。 ---原作ではウルトラセブンが傷一つ負わせることのできなかったキングジョー(転ばせて撤退はさせた)を一発で破壊したためか、本作ではウルトラマンの必殺光線より強い。 --一方で、同じ毒蝮三太夫氏が演じた科特隊のアラシ隊員が終盤に入手するペンシル爆弾は、ウルトラマンの攻撃で一切ダメージを受けなかったゼットンを一発で倒し、原作のラストを飾った最強兵器だが、あまり強くない。 #endregion #region(不遇なユニット) -ルシファード --メタル系の主人公。ヴォルテックスほど強くはないのに加え、ヴォルテックスと違い序盤は最強武装が使えない。 ---加えてバイオ系ヒロインのヴェルヴェットにはマップ兵器があるのに対し、メタル系ヒロインのファディータにはマップ兵器がない。 --一応、宇宙刑事系の異次元空間や宇宙空間でも活動できるアドバンテージがあるが、それを加味しても物足りない感は否めない。 -キカイダー --全ての能力を改良でパワーアップさせる必要があるため、''あらゆる能力値が他のヒーローに劣る弱キャラ''に成り果ててしまう。 --移動力が低いうえに射程も短く、追加武装のキカイダースパークを除いて隣接するユニットにしか攻撃できない。しかも、そのキカイダースパークが追加されるのは''メタル系のみである''。 --ハカイダーが出現すると敗北条件にハカイダーの撃破が加わる。 ---同時にジローことキカイダーの撃破も敗北条件に加わることがほとんどで、ハカイダーは強敵なうえにジローを追い回すので逃げに徹するしかない。 --一応、耐久性は伸びるので、増援稼ぎを駆使して改良しまくればダメージを受けにくいユニットに育てることは可能。意識してレベルを上げればなんとか戦っていける。 #endregion ''性能面でもLサイズユニット全般が不遇'' -まず非常に育てにくい。 --出撃枠が少ないのに、Lサイズの敵も少なく育てにくいという悪循環。~ 一応、出撃ステージは単騎で大軍を相手にさせられることが多いため、レベルが上がりやすい反面、その猛攻に耐えられない場合は詰みやすくなる。 ---弱いSユニットを狩って育成しようにも、味方の巨大ユニットは対Sユニット武装のないものが大半であり、Lサイズの敵が登場しなければ育てられない。 ---敵のLサイズは怪獣などのボスクラスのユニットが単体で登場する場合がほとんど。 -ウルトラシリーズの侵略宇宙人の円盤や、戦隊・宇宙刑事両シリーズの敵組織の戦闘機が敵ユニットとして登場せず、全てオリジナルの「ケルバーン」に取って代わられている。 --その後継機の「ケルバーン2」はザコとは思えない強さであり、''並居るヒーローを一瞬で蜂の巣にしてしまう''。 -ザコキャラがワラワラと出てくるマップもあるにはあるが、そういうマップに限って味方ユニットの引退試合、または後述のように稼ぎ困難なケースになってしまっている。 -バルタン星人が最大20体まで増援し続けるマップもあるが、加入直後でレベルが低いウルトラマンを一撃で瀕死に追い込むほど攻撃力が高く、気力が上がると50%の確率で分身して攻撃を避けまくる。~ さらに''味方Lサイズユニットの出撃がバルタンの増援終了後''なので、経験値や資金稼ぎに使うのは難しい。 -改良組も軽い改良では焼け石に水。フル改良すれば多少は攻撃を当てられるし耐えられるが、出撃機会の少ない彼らに資金や資材を注ぎ込むのはためらいがちになる。 --それなのに、無改良ではまずクリアできないようなステージもある始末。しかも運動力の限界値が低いため、そういったステージではフル改良してもまず当てられないし避けられもせず、最後の手段としてソフトリセットを繰り返すことになる。 -乗り物系の支援メカは種類こそ多いものの、非常に能力値が低くザコキャラにすら太刀打ちできない。 --SサイズユニットはLサイズ支援メカに逃げ込めば、マップ兵器の巻き添えを食らっても無傷で耐えられるのは一応利点と言えば利点。 ---また、ウルトラマンジャックこと郷秀樹の変身条件が「HPが1/3以下(0も含む)になる」なので、郷の回避が高すぎる場合は「支援メカに乗り込んで撃破される」という手段を使わないと変身させにくい。 #region(Lサイズユニットの個別性能) -ジャイアントロボ、レッドバロン、ワンセブンは''自由選択出撃の機会が最大で5回''しかない --レベル底上げのような救済措置もなく、プレイヤーによっては加入時のレベルのまま''50台の敵''の相手をさせられる。しかも出現位置が悪く、戦闘に満足に参加できないこともある。 --一応の救済措置として、それぞれの機体性能自体はかなり高めに設定されており、「ダメージ覚悟で敵Lユニットに突っ込ませて反撃でガンガン蹴散らしていく」という戦法を取れば、1マップでレベルが上げられる((ただし、撃破される可能性も高くなる。))。 -ウルトラ戦士は必殺技が強いが、中盤までは避けられず、攻撃も当てられず、全体的にもろい。初登場イベントの初戦で即瀕死する場合も多く、さらにターン制限もある。 --1ターン=1分という設定のため、初代マンやジャック、ゾフィーは3ターン、セブンは資料によって制限時間の設定にバラつきがあるせいか7ターンでカラータイマーが鳴り、ENが毎ターン80減少する。 --原作では「巨大化のみならず人間サイズでも戦闘できる」にもかかわらず、そちらは再現されていない。また、ウルトラ戦士のみ''任意での変身解除ができない''。 --ただ、レベルアップ成長型のため後半はパラメータが凄まじい勢いで伸びるので、育てれば強力。 ---加えてウルトラ勢は防衛チームの隊員としてSサイズ枠で出撃できるので、変身前の姿で怪人や戦闘員と戦える利点もあるため、比較的容易に育てられる。 ---ただし、ジャックに関しては「レベルを上げすぎると変身しにくくなる」という別の問題点がある。 -''不遇すぎるゾフィーの性能'' --まず、武装を含む''ユニット能力が一切成長しない''。加入時のレベルは64もあるのに能力が初期値なのはこのためで、レベルを上げても何も変わらない。 --''敵に倒されるか、カラータイマーが鳴ってENが切れるとユニットが消滅して2度と使えなくなる''。 --ウルトラ戦士で唯一、''飛行能力がない''。飛行不能なのは「原作で飛行シーンがなかったから」と記載している攻略本があるが、''原作の初登場が飛行シーンである''((彼らがどうやって地球まで来たか考えれば、少なくとも「飛べない」という結論にはならないはず。))。 --「M87光線」は通常の戦闘シーンでダメージが表示されず、敵のHPゲージも減らないバグがある((内部処理はされているため、敵はダメージを受けているが、なぜか戦闘シーンでは反映されない。))。 --終盤に初代マンが離脱するタイミングで加入するのだが、攻略本の情報では「中盤で特定のルートを通ると先行加入する」と記載されているものの、そちらを通ると''一切加入しなくなってしまう不具合がある''。 ---最終盤で離脱組も含めたウルトラ兄弟を集結させることが可能なシーンがあるが、そこでも登場しなくなる。 -ゴレンジャーの専用メカであるバリドリーン --例によって能力値が低いが、他のLサイズユニットが全くいない状況で、ゴレンジャー本編のラスボスでもある黒十字城とタイマンを張らされるシナリオがある。当然強化できないと詰む((ゴレンジャー自体、上記の出撃枠の仕様のせいで満足に育てられないというのに、である。))。 -宇宙刑事トリオの巨大戦艦 --マップ上で召喚できるうえに原作ムービー付きで変形までするが(ドルギランはイベント扱い)、フル改良しても移動手段や時間稼ぎにしかならない。 ---シャリバンとシャイダーの巨大戦艦は各種形態がきっちり再現されているのに、なぜかギャバンのドルギランは電子星獣ドルを分離・変形できない((ギャバンは母艦のギラン円盤自体には変形機構がなく、下部に電子星獣ドルを折りたたんだ状態でぶら下げている形態を「ドルギラン」と呼ぶ。ユニット分離を再現できなかったのかもしれないが、戦闘時には(一応ギラン円盤も戦えるが)基本ドルが展開して戦うので、原作再現したいなら他2名の母艦の変形のように「ドルギラン→電子星獣ドル(展開後)」とすれば済むことである。))。 #endregion -結果、中盤までの対Lサイズユニット戦は、ウルトラ戦士などをベンチにして、その人間形態を含む防衛隊員の火器やシャイダーのビッグマグナムなど、''人間ユニットの対Lサイズユニット武装でちまちま削った方が確実''。 --しかし、エネルギー消費量の関係で連発できないため、それはそれで楽な道とは言いがたい。~ また、抜け道を見つけたつもりになって、Lサイズユニットを最後まで無改良・初期レベルのまま放置すると、ゲーム後半になってから完全に詰んでしまう場合がある。 ***バグ -一部のLサイズユニットの技構成がおかしい --公式ガイドブックでは基本的に対Lサイズ近接用「格闘」、対Sサイズ近接用「足(踏み潰し)」という技がユニットデータに書かれているのだが、実際はないものが異様に多い。 ---前述の「負けイベントの敵がEN切れを起こしてこちらが詰む」という不具合の発生から、攻略本の誤記ではなく「最初はEN切れ用に無消費の近接技を設定していたが、実際は装備させられないままになった」という可能性がある。 --他にブラックキングは対Lサイズ用の熱線の攻撃力が対Sサイズ用の同名技より低く(他のキャラは基本対S用の方が弱い)、対S用の命中率補正がかなり高いことから逆に設定されている可能性あり。 -イベント関連のフラグ管理がおかしい --特定のイベントではなく、普通に敵を全滅させればクリアになる条件のマップで、敵を全滅させてもクリアできないことがある。 ---バイオ系のシナリオで『イナズマンF』登場のウデスパーを最後に倒すと発生する。なぜかマップ兵器で何人か自殺するとクリアになることがある。 --メタル系ではセブンことダン、バイオ系ではジャックこと郷の離脱シナリオがあり、インターミッションのユニットリストからも消えるが、次のシナリオの選択出撃リストの中に離脱したはずのダンまたは郷が変身能力が消えた状態で含まれている。 --シナリオの展開上で死亡した場合も含めて、戦闘で倒されたはずのキャラが喋ることがある。 -増援のキカイダー01が''マップ上に2体登場する''。 --それぞれで行動が可能で、ステータスは2体で共有している。 -キャラクター辞典の不具合 --本編に登場しているのに辞典に存在しないキャラが多い一方、データ上には本編に登場しないキャラの辞典も用意されている。 --フルハシ隊員とソガ隊員のグラフィックを取り違えてしまっている。 --一部は読み間違えもあり、『キカイダー01』に登場する敵怪人「赤面(あかめん)ガメ」が「せ」の項目に、『ジャイアントロボ』に登場する「東(あずま)支部長」が「ひ」の項目に掲載されている。 --『キカイダー01』の「ジャイアントデビル」の項目では「量産されてしまう」とあるが、実際には1体しか登場しない。 ---ちなみにジャイアントデビルは、&bold(){Lサイズなのに対Lサイズ用の武装がない}(攻略本には記載あり)という設定ミスをされている。 -一部のキャラクターに、装備した強化パーツが強制的に解除されてしまうバグが存在する --主にウルトラブレスレットを取得する前のウルトラマンジャックなど。 -アニーの「格闘」バグ --通常の戦闘シーンではダメージが表示されず、敵のHPゲージは減少するが、撃破できるダメージを与えてもわずかにゲージが残っている。しかし内部処理はされており、ゲージが残っていても敵を撃破できる。 -ムービーの設定ミス --バイオ系シナリオの終盤、ヒロインが暴走し異形の姿となって襲いかかってくるというシリアスなシーンにおいて、なぜか''まるで関係のないキャラの変身ムービーが流れる''。オプション内では正しいムービーを観ることができるので、プログラムミス。 -顔グラフィックの取り違え --バイオ系の終盤のシナリオで、ルート選択次第で『V3』の敵組織・デストロンが総攻撃をかけてくるが、大幹部であるヨロイ元帥の顔グラがヒラ怪人のテレビバエになっている。 --謎に原作と展開を変えたせいで、初代マンとジャックが顔グラを取り間違えられたのか否かわかりにくい場面がある。 -誰も乗っていないはずの乗り物ユニットが戦闘画面で敵を攻撃する --原因は変身した状態でないと使用することができない宇宙刑事系の乗り物ユニット(サイバリアンなど)が、パイロットが乗っている間に変身が解除されてしまうといった事態を想定に入れていなかったため。 -一部のシナリオでウルトラホーク1号をα号、β号、γ号へと分離させると、搭乗者のいない無人機が発生することがある。 --この状態のウルトラホークを地上に降ろすと、巨大ユニット以外なら適正の有無に関わらず誰でも搭乗させることができてしまうため、「防衛チームの戦闘機に乗って怪人を射殺する変身後の等身大ヒーロー」という状況が起こる((ゲームの進行不能を誘発するため、注意が必要である。))。 -『大鉄人17』の敵ロボット「ハーケンキラー」の異常すぎるステータス設定 --原作でも素早いという設定ではあるものの、それではすまないレベルの数値設定(運動力の初期値が平均50前後にもかかわらず、ハーケンキラーは140もある)になっており、ウルトラマンたちで辛うじて命中させられるかどうかという有様。 ---本作には必中にする手段はないため、とても正常な数値設定とは考えられない。 -「ハイパータブ」バグ --強化パーツ「ハイパータブ」は、本来『使用すると気力を+40・ENを100回復した上で攻撃できる』もので、使用後は消耗してしまうはずなのだが、『パーツと武装を選択後に×ボタンでキャンセル』すると、&bold(){気力とENは上がったままでパーツは消耗せずに残ってしまう。} ---事実上「気力は上げ放題、ENも回復し放題」となってしまう。「ハイパータブ」が開発・生産できるようになるのは特定のルートの後半で条件を満たした場合に限られる点と、「攻撃」コマンドが出ていない時(≒手持ちの武装射程内に敵がいない場合)には使用できないという欠点もあるが、それを差し引いてもバランスブレイカーなバグである。 ***シナリオ -他作品とクロスオーバーするシナリオがほとんどなく、基本的には原作をそのまま再現した展開になってしまっている。 --基本的にシリーズ系の場合は同じシリーズでしかつるまない((例えばウルトラ系はウルトラマン同士、ライダー系はライダー同士、宇宙刑事系は宇宙刑事同士である。))。 ---版権の枠を超えたクロスオーバーといえるのは、等身大ヒーローたちが『仮面ライダー』に登場した喫茶店「スナック アミーゴ」に集うシーンと、終盤アミーゴの常連たちがオリジナル系シナリオで協力体制を組むぐらいで、他はちょっとした会話程度しかない。 ---また、メフィラス星人が登場するシナリオで『ウルトラマン』のフジ・アキコ隊員ではなく『ウルトラセブン』の友里アンヌ隊員と『シャイダー』のアニーが巨大化するというクロスオーバーもあるが、微妙な人選である。 --複数のシナリオが進行する場合でも、同じマップで並行して展開される((例として、初代ウルトラマンとイナズマンのシナリオが同一のマップで展開される。))。 ---戦闘に入った際に取って付けたようなセリフがあるが、それに対する掛け合いはとても軽く、物語上はほとんど無干渉である。 ---TDFは序盤で「悪の組織といえど地球の同胞なので武力行使はできない」として、オリジナルの下部組織をヒーローたちに協力させるのだが、ゲーム上は全く関係なく攻撃できるうえに後半でその制約を解消する。 --スパロボシリーズ恒例の死亡の回避もほぼなく、結城丈二(ライダーマン)とワルダーが条件で生き残るのみ。 -原作再現エピソードでは不自然なくらい他作品のキャラが登場しない --出撃できず、会話にも混ざらず、そもそもどこで何をしているのかすら全く触れられない。 -敵の組織も基本的にバラバラに活動している --一応は互いの存在を認知しており、中盤から協力し合う組織も出てくるのだが、ヒーローと結託先以外の組織については特に言及しない。 --複数の組織の怪人が同時に現れる際も、「偶然同じ場所に居合わせた」設定が多く、怪人同士のやりとりもほとんどない。 -シナリオのおかしさに加えて、会話もグダグダなものが多い。 --あるキャラが他のキャラに呼びかけているのに、相手は返事もせず1人で決意表明している。 --セリフが噛み合わないどころか、やたらオウム返しを連発するキャラもいる。 --シナリオライターが「アイデンティティ」という言葉の意味を理解せず使っている。 #region(以下、シナリオ問題点の詳細) -ショッカー首領がゲルダム団との合併を打ち出す理由は、ただ単に「日本支部を仮面ライダーに叩き潰された」という理由。 --原作では世界各地に支部があり、本郷猛や一文字隼人は海外支部を叩き潰すため日本を去ったこともある。 -低レベルなコメディシーン --敵組織を騙すために本郷と一文字が一芝居打つシーンがあるが、棒読みの演技で主人公たちにドン引きされているのに、敵組織はまったく疑わずに信じている。 -敵ユニットが少なく、同じ怪人とロボットばかり何度も登場する。 --1組織につき2~3体しか敵ユニットが登場しないため、原作で一度しか登場しない敵でも、関係なく何度も繰り返し出てきてはやられる。それどころか、量産型でもないのに同じ怪人やロボットが複数体出現するシナリオまである。 --ショッカーは戦闘員と幹部を除けば、蜘蛛男・蝙蝠男・蜂女・さそり男・ゲバコンドルの5ユニットのみ((全員、旧1号時代(1~13話)の怪人であり、2号ライダーも新1号もいるにもかかわらず、大きく偏重しまくっている。))。 ---ゲルショッカーは雑魚ユニットがガニコウモルと戦闘員のみ、鉄面党も雑魚ユニットはわずか2体。黒十字軍は種類自体はもう少しまともだが、登場時期の偏重ぶりが激しい((登場するユニットは首領&幹部3名・通常怪人3名・戦闘員2種・巨大ユニット2だが、このうち戦闘員の黒十字忍団と巨大ユニットの黒十字城(共に64話以後)以外はマグマン将軍の登場時期(42~54話)の怪人のみである。))。 --特にゴルゴムは、雑魚怪人がサイ怪人1体のみという冷遇ぶり。 -一部の敵組織は出番が少なく、ほとんど何もしていないのに壊滅してしまう。 --ゲルショッカーは結成から壊滅までわずか3シナリオという短さ。首領やライダーたちの会話は原作抜粋なので、まったく理解できない流れになっている。 --また、『イナズマンF』に登場するデスパー軍団は、メタル系だと初登場シナリオ以降''一切登場しない。'' -全体的に鬱展開が多い --「サブキャラが殺され、話が大きく動く」回が多く取り上げられており、特に中盤のシナリオはただひたすらに敵も味方も死にまくる。 --そのためか娯楽エピソードはほとんど見られず、終始シリアス要素の強い展開になっている。 -原作再現的な意味でも問題だが、原作未視聴者には理解できない意味不明な展開もある。 --例として、『大鉄人17』のワンエイトの裏切りシーンが顕著。 //一部の記述を簡素化 -一部ヒーローのパワーアップ後の敵組織の扱い --イナズマンFとBLACK RXは行動や選択肢次第でパワーアップさせずに進むこともできるが、それぞれの敵組織であるデスパー軍団とクライシス帝国は関係なく登場する。 --RXは登場からわずか3シナリオでクライシス帝国と決戦になり、4大隊長と戦う展開は皆無。ロボライダーとバイオライダーへの覚醒イベントも、同じシナリオ内の2パートで立て続けに発生する。 ---一応、クライシス皇帝が地球侵略を断念して怪魔界に撤退したため、原作最終回の救いようのないラストは避けられた。 ---RX関連のシナリオは原作そのもののテキストを引用してしまっているため、原作未視聴者には理解できない展開になっている((『ゴレンジャー』のマグマン将軍関連のシナリオでも、これと同様の事態が起こっている。))。 -『キカイダー』関係 --ライバルキャラであるハカイダーとはまともに戦闘する機会がない。 ---倒すとゲームオーバーになってしまう((ハカイダーは光明寺博士の脳を頭部に入れているため、ハカイダーの撃破は光明寺博士の死亡にもなる。))ため、逃げ回るしかない。 ---一応、原作同様に「脳の血液交換のために基地に帰還」という要素があり、規定ターン経過で撤退する((このため、気力が必要な武装が2つあるにもかかわらず使用シーンはほとんど見られない。))。 ---さらにハカイダーの出現中は、戦闘後にBGMが強制的に「ハカイダーの歌」に切り替わる。 --『01』登場のギルハカイダーと部下の3体からなるハカイダー四人衆は登場しない。 --激痛回路で苦しめられるマリの解決が雑。 ---胸を抑えて苦しみ出し、イチローにブラウスのボタンを外すよう懇願するが((第3ボタンを外すと体内の水素爆弾が爆発する仕掛けになっている。))、イチローが第3ボタンを外す前に逃げてしまい、激痛回路がどうなったのか説明されずに終わる。 ---メタル系限定で、後のシナリオにおいて「マリの優しさが強く、ゼロワンに情けをかけて逃げ帰った」ということが敵の会話で明かされる。 --ゼロワンの良心回路のシナリオが矛盾している。 ---レッドバロンが参加する際に「鉄面党の悪のエネルギーを感じ取り、封印が解けた」という理由でゼロワンもアミーゴ隊に参加するが、この時点で完全な良心回路を持っており、ギルの笛の音にもびくともしない。 ---にもかかわらず、その後のギル教授は「キカイダーが完全な良心回路を手に入れ、"完全無欠の人造人間"が完成すること」を恐れているという謎展開((これなら漫画版と同じく「ゼロワンには良心回路がない」としてしまったほうが矛盾がなかった。))。 --原作で恋仲であったビジンダーとワルダーが二者択一の扱いで、片方しか仲間にできない。 ---ビジンダーはキカイダー兄弟との合体技(マップ兵器)が使える一方で個体性能が低く、ワルダーは個体性能が高い代わりに合体技が使えない。 -宇宙刑事関連 --『シャイダー』の敵組織であるフーマ((原作では全宇宙規模の勢力を誇り、大規模な侵攻作戦によって宇宙征服目前まで迫るほどの特撮史上有数の超巨大組織である。))と決着をつけるシナリオがない。 ---本作では宇宙刑事たちが不思議宮殿に乗り込んだことがキリヤマ隊長の口から語られるのみで、その後、宇宙刑事たちはいつの間にか帰還してアミーゴにいる。~ ルート選択によって最終盤での扱いが異なるが、いずれにせよ最終決戦については言及されない。 --同じ『シャイダー』からの傑作エピソード「恋のミュータント」の再現シナリオでは、メインゲストのジミー北原はろくにシナリオに絡まず、姿をくらまして終わる。 -一部作品の登場キャラが少ないどころか(特に巨大ロボ系の作品)、シナリオ・ユニット・登場キャラとも原作前半に偏重しているため、後半のシナリオがほぼ再現されない作品も多い。 //一部の記述を簡素化 -バイオ系ヒロインのモンスター化イベントの解決が雑 --倒せないので逃げ回ることになるのだが、謎のポエムをつぶやきながら主人公を追い回し、唐突に自己解決して正気に戻る。 -結末は尻切れトンボ同然 --続編を匂わす終わり方にはなっているものの、以降まったく音沙汰はない。 ---ラスボス撃破後に申し訳程度の会話の直後、敵要塞が爆破するムービーの直後にスタッフロールとなる。 #endregion ***意味不明なシナリオ分岐条件 -全く関係のない行動が分岐に関わる --「ウルトラマンが宇宙怪獣ベムラーに対し、スペシウム光線を使用したか否か」で、ベル・ヘレンとライダーマンのどちらが仲間になるかが決まる。 -何気ない会話の選択でシナリオが分岐する --「キレンジャーが食べたカレーの料金を、主人公が肩代わりするか否か」でゴレンジャールートと帰ってきたウルトラマンルートに分岐する。 --ヒロインと話をしているときに、「レッドバロンとジャイアントロボのどちらが好きか」という話題が出てくる場面があるが、これは答えたほうのロボットのルートに進むという伏線になっている。 //その際、バイオ系ではヒロインがジャイアントロボを「カツラお化け」、レッドバロンを「消防自動車」と呼んでいる。 ---ヒロインの機嫌をとるような選択肢もあるが、そちらを選ぶと選び直しになる。 -原作と反する選択 --「ヘリのパイロットにならない」という、原作と正反対の行動を取らないと、南光太郎がRXにならない。 --原作を知っていると余計に間違える。しかもパワーアップしない選択をした場合の利点は一切なく、シナリオがいくつかスキップされるのみである。 ***登場人物の改悪 -「おやっさん」こと立花藤兵衛が必要以上に粗野な性格になっている。 --「ダイラカツヨシ((逆から読むと「シヨツカライダ」。つまりショッカーライダー作戦。))」という暗号の意味を、主人公に解説されても理解できず、主人公たちがさじを投げたあとに1人でとんでもない解釈をする。 //原作ではそのようなシーンはない --黄金オオカミ(狼男)に敗北するのがメタル系では一文字、バイオ系では本郷なのだが、一文字には厳しく叱責する一方、本郷には身体の心配をしており、対応が大きく異なる。 --黄金オオカミに敗北した一文字に対する''「お前の替わりはいくらでもいる」''というセリフの使い方が悪く、意味が変わってしまっている。 ---原作においては「ライダーが負ければ他に戦える者がいない状況」において、あえて「ライダーがやられたら俺たち(ヒーローでもない一般人)だって戦う」と宣言し、一文字に悪と戦う覚悟を改めて決意させるというシーンに使われたセリフで、ライダー以外にもヒーローがいる本作においては、そのまま「お前の替わりはいくらでもいる」と非難してしまっている((その後、他のヒーローに一文字のフォローを頼んではいるが・・・。))。 -岸田長官と佐竹参謀の役回りも兼任してしまったヤマオカ極東支部長官とタケナカ参謀 --同じ藤田進氏と佐原健二氏が演じたキャラではあるが、2人ともかなり人物像が異なり、ウルトラ警備隊を厚遇する一方、MATに対しては手厳しく叱咤するなど、部下の選り好みが激しいタチの悪い上司にしか見えなくなっている。 -TDFの参謀たち(日本人)がこれまでの体制を見直す中、明らかに何も考えていないアメリカ白人のボガード参謀。 ***原作設定との齟齬 -ウルトラ戦士は、飛行すると射程1の体当たり技しか使えなくなる。 --ジャックのみ、代わりに飛び道具のウルトラロケット弾が使用可能だが、やはり射程は1である。 --ただ宙に浮くのではなく、スパロボでいえば飛行形態への変形にあたり、飛行ポーズをとった別のユニットに変化する。『ジャイアントロボ』の草間大作少年やゴレンジャーなど、空を飛ぶユニットは全て同仕様((この両者は攻撃技自体が設定されていないので、むしろウルトラ戦士は優遇されている方である。))。 --原作では、飛行中でもスペシウム光線などの必殺技を普通に使っていたのだが…。 -キカイダー兄弟の移動力 --原作では人間以上の走力を持ち、飛行能力もあるにもかかわらず、本作では他キャラの平均値である「5」よりも1つ低い「4」である。 -パワーアップ方式の設定ミス --「一見ロボットのように見えるが、れっきとした生命体である」という設定のウインダムに改良パワーアップを採用。 --サイボーグ人間であるはずの『イナズマンF』の荒井誠にレベルアップ成長を採用。武器であるショットガンも同様。 --草間大作少年の銃も、改良ではなくレベルアップで強化される。 -レッドバロンを主役とした「超合金バロニウム」というタイトルのシナリオがあるが、『レッドバロン』の番組に出てくる金属は「バロニウム」ではなく「バロンニウム」である。 --「バロニウム」は、同シリーズの『スーパーロボット マッハバロン』に登場する金属。 -公式設定と違うものが多い各種セリフ --ジャイアントロボが攻撃を仕掛ける際の「ま゛っ!」というセリフ表記は、視聴者の間で広まったネタを拾ってしまっている(正しくは「マッシ」))。 --怪獣・怪人の鳴き声なども、公式設定と異なっているものも多く、耳で聞いて判断したようなセリフになっている。 ---たとえばサイコラーの声は「カオーッ!」が公式だが、「キシャアアッ!!」と表示されている。 --RXがなぜか「リボルクラァァシュッ!!」と発言する((原作でも技名を叫ぶことはあるが、一度も「リボルクラッシュ!」とは発言していない。会話ウィンドウのみで、実写ムービーのため声はない。))。 -地形適応の設定ミス --後述のように宇宙ステージ自体がメタル系限定のため、実害は薄いが、本来宇宙での活動を念頭に置いたウルトラホーク1号・2号や宇宙刑事組の宇宙適応が最低のE(活動不可)。 -ジャイアントロボの初戦の相手・スパーキィが「バリヤーでメガトンパンチ以外受け付けない」という仕様。 --原作でメガトンパンチ以外無効描写はないどころか、2回登場して両方とも他の攻撃でとどめを刺されているので、どうしてこうなったのか不明。原作再現というよりオリジナル展開。 //***参戦作品 //-タイトルにもある通り、2001年に発売されたゲームなのに''一番新しい参戦作品は1988年の『仮面ライダーBLACK RX』''。参戦しているのは''昭和作品のみ''((RX放送中に元号が変わったので一応後半は平成元年に放送されていたが、世間的にはRXまで「昭和ライダー」である。その後ビデオやVシネマの三作、いわゆる「ネオライダー」を経て、『クウガ』以降を平成ライダーと括る事が多い。後の映画ライダー大戦でも、ネオライダーの三人は昭和ライダーとして登場していた。))で、90年代以降のヒーローは完全にスルーされている。 //--ウルトラマンの放送は1966年なので、参戦作で最も古い作品の放送開始からは35年経っている。例えるなら、2007年に出た『[[スーパーロボット大戦W]]』に参戦している作品が、マジンガーZ、ゲッターロボ、コン・バトラーV、1stガンダム…と続いていき、1994年公開の『機動武闘伝Gガンダム』が最新参戦作、といった感じになる。当然、今こんなソフトを出しても一部のマニアしか買うまい。子供は完全に置いてけぼりである。 //--このゲームの時代設定は現代にされているが、作中の登場人物の台詞が原作と殆ど変わっていないため、''今が現代なのか昭和なのかさえ把握することが困難''。現代的な箇所を強いて挙げれば、作中に携帯電話やパソコン、携帯ゲーム機が出てくるくらい。『帰マン』のシナリオでは原作どおり「先の戦争で…」というセリフがあるため、尚更時代設定が解りづらい。 //---同様のミスが『[[スーパーヒーロー作戦]]』にもあったが。 //--こればっかりは仕方のない事なのかも知れないが、夏服と冬服の統一も出来ていない。 //--参戦作品が昭和ばかりなうえにラインナップにも乏しく、一部の例外を除けば''ほぼ全てが東映or円谷プロダクションの作品のみ''。それだけこの2社の守備範囲が広いことを物語っているともいえるが、ピープロや国際放映、萬年社の作品はない。また、円谷プロからの参戦はウルトラシリーズ3作だけであり、''それ以外の作品は1つもない''。巨大ユニットはM78星雲人とロボットしかおらず、ミラーマンもゾーンファイターもスペクトルマンもシルバー仮面ジャイアントもいない((特に後二人は人間サイズにだって成れるのに、だ。))。実質本作の参戦作品は、東映作品のみであると言っても良いだろう((巨大ユニットが前述の有様なことを考えると尚更。))。 //---『ゴジラ』の東宝もなければ『ガメラ』の大映もない。これらの圧倒的な知名度を誇る作品までも出演させないとは、冷静に考えるとおかしな話ではある((他の特撮系ゲームとは違い『ヒーロー』ではなく『特撮』大戦のため怪獣映画が出てもおかしくはない。さらに昭和ゴジラや昭和ガメラならヒーロー要素もある。))。本作の巨大キャラクターへの配慮の無さを如実に物語っている一例と言えるだろう。 //--90年代は仮面ライダーのTV番組がなかったとはいえ、メタルヒーローシリーズやスーパー戦隊シリーズ、平成ウルトラ3部作といった有名どころはそれなりに多く、決して参戦作品の種類が足りないということはないはずである。もっともこの完成度では、たとえ参戦させたとしても原作の魅力をどこまで引き出せたか疑問が残るが。 //-現状の参戦作品自体に特に問題があるという訳ではないが、若年層の特撮ファンにとっても、昭和作品に精通したマニアック志向のファンにとっても、巨大ヒーローのファンにとっても不満の残るラインナップで、このゲームの地味な印象を強めてしまうことになってしまった。 //--むしろ''タイトルに2001などとつけてしまったせいで、古い作品ばかりであることとタイトルがかみ合っていない''のが問題だと思われる。 //参戦作品についてはスレで話し合い中なので不ルールに従いCO。復帰させる場合まずスレで話し合ってください。 ***その他 -ウルトラシリーズの原作映像で使われているのはウルトラホーク発進シーンのみ。 -一部には誤字もある。 -ゲーム内で敵キャラクターの能力値を把握する手段がない。 -適応地形の「宇宙」の意味がほぼ皆無。 --宇宙で戦うマップがたった1つしかなく((宇宙に行くのではなく「宇宙の彼方と時限的に接続した」というような感じで、地上マップのど真ん中に宇宙空間があるという状況のステージ。ここを敵の宇宙要塞艦が横切っていく。))、メタル系限定のシナリオのため、バイオ系では宇宙マップが一切存在しない。 --他にも「魔空空間」「幻夢界」「不思議時空」という地形が存在するが、それらの地形に適応できるのは宇宙刑事系のキャラクターとウルトラ戦士、メタル系主人公の男女のみ。~ それ以外のキャラは適応「E」で戦闘はおろか回避・防御以外の行動が不可能になる。 //---そもそも宇宙刑事以外のヒーローもたくさんいるのに、わざわざ3つとも区別して再現している意味がなく「異次元」などでまとめれば済むこと。宇宙刑事関連のキャラは微妙に適応が違うが、宇宙刑事以外の作品のキャラにはなんの違いもないので、ほぼ無意味な再現になっている。 -OPムービーの出来が微妙 --「夕日をバックに歩く初代ウルトラマン」、「マシンに乗らずに延々と走っているイナズマンとギャバン」など、原作と違和感のある描写も多い。 --このムービーに登場するのは男性主人公2名、ギャバン、イナズマン、ウルトラマン、仮面ライダー5人のみであり、キカイダーや巨大ロボ勢、ゴレンジャーはなぜか一切登場しない。 ---別シリーズの版権ヒーローが同時に映っている場面は、イナズマンとギャバンが並んで走っているごく短いパートしかない。 -変身時のデモムービーが同じシリーズ内でも仕様がバラバラ --原作の映像をそのまま使ったものと、写真と映像効果を組み合わせてFLASH動画のように作ったものの2種類があるため、後者の違和感が際立っている(例えばキカイダーは前者、キカイダー01は後者)。 ---後者も出来そのものは悪くないのだが、キカイダー01は音声の再現度が低く非常に出来が悪く見えてしまう。 ---出演者が同じなのにBLACKは前者、RXは後者という理由がよくわからない違いもある。 -オリジナルの自衛隊隊員及び兵器 --正確にはウルトラ警備隊を包括する組織・TDFの下部構成員UCMAだが、自衛隊絡みの作品が参戦していない本作では違和感が強い。 --リーダー格にして紅一点のキタクラ班長はそれなりにシナリオ上でも目立ち、能力も頭ひとつ抜けているが、それ以外の隊員たちは数が多いばかりでサワ隊長も含め戦力としてはまるで役に立たない。 ---自衛隊の兵器は、戦車、自走砲、高射砲など、かなり細かく分類され、それぞれの性能も丁寧に差別化されているが、シナリオ面での問題が多い本作では力の入れどころを間違っているとしか思えない。 --本作ではUCMAに取って代わられている『大鉄人17』のレッドマフラー隊(制服・装備品共に自衛隊とほぼ同一、名前と顔グラを合わせれば成り立つ)でよかったのではないだろうか。 ---- **賛否両論点 ***謎の原作再現のこだわり -昭和特撮特有のナレーションの多さ。 --ストーリーの説明にナレーションを使うのは昭和特撮の常だが、本作でもそれを再現。登場人物の台詞以外のメッセージは全てナレーションとしてフルボイスで読みあげられる。 ---ナレーションを担当しているのは仮面ライダーシリーズで有名な中江真司氏。ファンなら嬉しい要素である。 ---ただし、本編映像のデモムービーでは、政宗一成氏や大平透氏など、各原作のナレーションがノーカットで流れているため、若干の違和感がある。 --問題は本当に昭和特撮のごとく、事件の捜査を始めとした話の細部をナレーションで片付けてしまっており、このことが登場人物の絡みの少なさを助長している一面がある。 -ヒーローたちの拠点が喫茶店アミーゴ --メタル系の主人公は敵組織の元幹部でギャバンからも追われている犯罪者(指名手配犯)であるから、どこかの組織に所属するのは難しいとも言えるが、違和感は残る。 --また、この設定のせいか、本作のシナリオの舞台は関東周辺((具体的には地名は出てこない。))に集中しており、宇宙を舞台に戦うヒーローもいるゲームのわりには、行動範囲が狭まっている。 -巨大ロボ勢であるジャイアントロボ、ワンセブンは原作通りに途中離脱する。 -役者ネタの拾い方 --小林昭二氏が演じたムラマツキャップと立花藤兵衛に関する小ネタとして、「ムラマツの話題が出た際にアミーゴでクシャミをする藤兵衛」、「藤兵衛をキャップと呼び間違えるイデ隊員」などがある。 --V3とアオレンジャー、キカイダーとイナズマンなどの有名どころがネタにされない一方で、「『キカイダー』のハンペンこと服部半平に化ける不思議獣」、「マリに惚れる滝和也((滝を演じた千葉治郎(現:矢吹二朗)氏は『01』ではマリに恋する漁師役。))」など、マイナーなネタもある。 --有名俳優&声優ネタは出演キャラクターを探せばいくらでも転がっているので、言い出すとキリがないのだが。 ---- **評価点 -登場するヒーローは、変身した姿だけではなく変身前の人間の姿でも戦うことができる。これらの姿は状況に応じて適度に使い分けていく必要があり、戦略的にもきちんとした意味を持っている。 --変身前のヒーロー(本郷猛、渡五郎、一条寺烈など)は原作再現度もそれなりで、いかにも本人(演じた俳優)が言いそうなセリフや、やりそうな殺陣を繰り出してくれる。戦闘員程度は軽くなぎ倒せる。 --ただし、キレンジャーに変身する大岩大太は「まっかせんしゃい!」でも「トイヤッ!」でもなく、敵に洗脳された時の「ホイ!」という掛け声を上げる。 -マシンに乗った姿や飛行する姿なども含め、各形態が細かく用意されている。 --例えば、ライダー1号・2号のバイクであるサイクロン号は徐々にバージョンアップする上に変身後と変身前の通常形態まで再現されており、なんと計6ユニット×2人分で合計12ユニットもある。 -多くのサポートキャラが味方ユニットとして使用可能 --ウルトラシリーズの防衛隊員など、ヒーローに変身しない脇役のサポートキャラも大勢参戦しており、味方ユニットとして実際に使うことができる。これも従来の特撮ゲーでなかなか見られなかった斬新な点である。 ---さすがに主役級のヒーローに比べれば戦闘力は格段に低いが、なるべく意識して活躍の機会を与えてやればゲームを進めるのがグッと楽になる。少し強化すれば、体感的な難易度にかなりの差が出る。 -良質なクロスオーバー部分 --『帰ってきたウルトラマン』シナリオの最終話は原作でナックル星人との戦いを描いた『ウルトラの星 光る時』がベースだが、ここでナックル星人が切り札と称し、ブラックキングの仲間としてゼットンを召喚し、本編では見られなかった「初代ゼットンとジャックの戦い」が実現している。 -音楽はよくできており、特に本作オリジナル主人公たちのメインテーマは名曲レベルである。 --ゴレンジャーのED曲『秘密戦隊ゴレンジャー』(いわゆるバンバラバン)や、『アニーにおまかせ』など、ツボを押さえた選曲がなされている。 ---ただし、これら2曲と『イナズマン』『同F』の主題歌は、なぜか曲の一部分が省略されている。 ---また『ウルトラマン』のBGMは原作中盤からよく用いられていた『進め!ウルトラマン』のインストアレンジ((曲名は「勝利」もしくは「激闘!ウルトラマン」。))ではなく、歌のほうのメロディーで収録されている。 --オープニングムービーで流れる主題歌『君は閃光☆THUNDERBOLT』はかなり熱い名曲。 ---歌うのは宇宙刑事シリーズでおなじみの串田アキラ氏。また、『第2次α』より早く、主題歌のアレンジBGMが最終決戦時に流れている。 -戦闘シーンのON/OFFは「決定に使うボタンが○か□か」で判定され、非常に分かりやすくスピーディー。 --戦闘シーンのアニメーションも意外と頑張っている。同時期の『スパロボα』に比べれば派手さで劣るとはいえ、少ない作画枚数で堅実に動きを生み出している。~ 敵キャラはユニットごとにおおまかではあるが、撃破時の爆発演出も異なっている。 ---- **総評 事前に強化していないと詰んでしまうステージが複数ある一方で、「敵に倒される」ことでイベントが進むステージも複数あるためか、逆に強化しすぎると進行不能になることがあるなど、ゲームの基礎からして問題が発生している。~ 場合によってはチートしてもクリアが困難という有様で、ある程度の攻略に関する予備知識やルート分岐のプランニングは必須。~ ~ サポートメカの召喚と搭乗、ユニットの変形などの要素は忠実に再現されており、キャラゲーとしては企画者の意気込みが伝わってくる。~ また、2組のオリジナル主人公は、そのデザインに加え、「実は敵組織の幹部であり、首領や他の幹部は家族。ギャバンと交戦しており、因縁がある(メタル系)」、「敵組織の差し金で肉親に人体実験の被験者にされ、親友が敵幹部で戦わざるを得ない宿命がある(バイオ系)」という設定はベタながらも評判は悪くなく、今後は別の形での再登場が期待されている。~ ~ 参戦作品やオリジナルキャラクターに強い魅力を感じるのであれば、多くの問題点を承知したうえでも、意地でもプレイしてやろうという気にさせてくれる作品ではある。それだけにゲームシステム部分の内容がここまでひどくなってしまったのが残念なところ。 ---- **余談 -スマートフォン用ゲームアプリ『スーパーロボット大戦DD』において、本作のオリジナルBGM「Acosmism」が使用された。

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