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#region(画像) &ref(http://image.blog.livedoor.jp/world_xxi/imgs/d/6/d6cdfe99.bmp) #endregion -男の娘キャラがおり、そのルートではかなり濃いBL展開が行われる。この手のキャラの常として事前情報はなく、ムック本でそのキャラを気に入った人を凹ませた。本来の発売時期を考えると、かなり挑戦的な試みである。 --男の娘ならともかく、&color(white){最初からゲームに登場する主人公のライバル的存在で、見るからに男で趣味がナンパという女好き男とのBLまで存在する}(白黒反転)。一体当時のコナミはどこへ行こうとしていたのだろうか。&br;なおこれは本作におけるトップシークレット事項であるらしく、川澄綾子がクリア後のフリートークでバラしかけた時はスタッフから制止がかけられている。 --発売当時としてはBLシナリオは珍しかったので、「これを目当てに購入!」なんて人もいる。 -ギャルゲーにしてはシステムが独特かつ複雑で、覚えなければならないことが多い。また、仕様を把握し様々なテクニックを駆使することでゲームバランスを一変させることが出来る。 --体力の高い時にスケジュール決めを行うことで行動回数を増やす、デート中の食事で体力回復、装備の付け外しによる運やテンションの管理など。 **評価点 -シナリオが秀逸 --女の子と付き合い始めてからを重点に置いているゲームなので、シナリオが練りに練られている。 --上述した分かりづらい真エンドフラグなども、蓋をあければシナリオやキャラ設定に裏打ちされていたケースが多い(後出しジャンケンとも言えるが)。 -音楽も秀逸 --キャラ一人一人にテーマ音楽があるのは当然として、それを四季ごとにアレンジされている。 ---サントラでは、春・夏のテーマと秋・冬のテーマとで2枚に分けられて発売されていることから、曲の多さも伺える。 -質はともかくとしてボイスパターンはかなり豊富。 --ほぼフルボイスである上にデートや登下校時の会話はトピック(話題)型で、定期試験などの時事ネタや主人公との関係(恋人以上か否か)による差分も含めれば、会話トピックだけでもヒロインひとりあたり100パターン近くになる。その代償か会話がない普通のデートスポットについては一箇所回るごとに短く感想を言うだけだが。 --ただディスク入れ替えの都合で、季節ごとに振れる話題が不自然に異なる。 -情報屋キャラが女の子で攻略可能 --『ときメモ4』に同様の隠し要素が存在したが、ある意味9年あまり先んじていたと言える。 --ただし彼女を攻略する際こちらからデートには誘えず、唯一自発的に誘える定期イベントのダブルデート(ライバル男と女の子2人で行われる)を使って彼女の好感度(確認手段なし)を高め、その上で女の子一人の情報を何度もしつこく聞く、というかなり複雑な手順が必要である。 --イベントを達成して恋人候補に名乗りを上げて以降は通常キャラと同様にデートが可能となるが、代わりに情報キャラにはならなくなる。 -PSにしてはエロい --『PS版ときめき』では削除されたパンチラ・キスシーンをはじめ、エ○チシーン(寸前だが)もある。今だったら確実にCERO_DかZものである。 **総評 **発売経緯 1996年頃に、『[[みつめてナイト]]』と一緒に発表される。&br;1997年に『おろしたてのダイアリー』というムック本で体験版を発売、2万冊ほど売れる。&br;2000年バグでキャラが登場しない等、紆余曲折を乗り越え発売。初回セールスは8千本とも1万本とも言われている。&br;つまり、発表から発売まで3年近くかかってしまい、ユーザーの熱が冷めてしまった。 **その後 -売り上げは完全にスッ転び、その後関係者の口から本作の話が出ることはなかった。&br;主なスタッフのその後はと言うと… --サウンドを担当した平田祥一郎氏は『[[ときめきメモリアル3]]』に携わったあとコナミを退社。&br;現在はSUPA LOVEに所属し、SMAPやEXILEに楽曲提供している。 --ディレクターの福原健一氏はコナミスタジオに左遷・退社したそうだが、『[[ときめきメモリアル4]]』のオンラインサービス周りをやっているらしくコナミ内に留まっているようだ。 --キャラデザを担当した小松原里枝子氏は『ときめきメモリアルGirl's Side』に携わっている。 -声優関係では、川澄綾子・谷山紀章・雪野五月が発売された後売れるようになった。 --発売当初からすでに売れ始めていた(収録から2・3年近く経過してるから当然いえば当然)川澄だが、フリートークでの%%爆弾発言%%悲痛な叫びが業界関係者に届いたのか、暴れん坊系の役などをもらえるようになり幅が広がった。 --後年、谷山紀章はコナミギャルゲー本家(?)ときめきメモリアルシリーズのアニメ版Only Love(石打一郎役)やGirl's Side 2nd Season(真嶋太郎役)を担当した。 -そして、2009年…『[[ラブプラス]]』が発売された。 --『あいたくて…』ファンからすれば「やっと時代が追いついたか!!」と歓喜したが、同作開発者からは『あいたくて…』の「あ」の字も出なかった。 ---しかし、『[[NEWラブプラス]]』内の映画『あえなくて…メモリアル』でこのゲームのEDテーマが使用された。コナミ側もようやくこの作品に目を向け始めたのだろうか…? **余談 -実はディスク1の中に、前年発売されていた『ときめきメモリアル2』のPVが収録されている。というのも、元々は『ときめき2』より先に発売される予定だったため、そのプロモーション用としてだそうだが、結局先を越されてしまい、ゲームの中では見ることはできない。 -パッケージ裏の画面写真には本作の真エンディングの一部が写されている。「たどり着いて見せろ」ということだろうか。 -元はPS版『ときメモ』のスタッフが母体となっている開発プロダクション「バーチャルキッス」の看板タイトルで、『[[ときめきメモリアル2]]』と並び立つ作品になるはずであった。だが今や知名度において歴然たる差がついてしまっているのが現状である。&br;なお、バーチャルキッスは本作とときメモ2の開発中にいつの間にか解散してしまった。 -福原氏が「実は当時のコナミゲーで最も台本が分厚かったのはこの作品だった」と本人サイトでプチ自慢している。
*あいたくて…~your smiles in my heart~ 【あいたくて ゆあ すまいるず いん まい はーと】 |ジャンル|恋愛シミュレーション|&image(http://sce.scene7.com/is/image/playstation/slpm86254_jacket?$pkgL$,height=160)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメント東京&br;(当初はバーチャルキッス)|~| |発売日|2000年3月16日|~| |定価|6,800円(税抜)|~| |判定|なし|~| |ポイント|BGM以外の演出及びシステムに難あり&br;物語の切り口は斬新|~| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー >高校入学直前の春休み、突然の父親の海外単身赴任が決まり、一人日本に残されることになった主人公。~ 仕方なく、細流(せせらぎ)市にある祖母の家から桃花学院に通うことになる。~ そんなある日、父親から電話があり、とある女性と主人公との縁談を(勝手に!)進められていることを知らされる。~ 後日、父親が送ってきた相手の女性の写真は…「!!!」~ 主人公は「自分の相手は自分で見つける!」と決意する。~ さて、3年の間に恋人を作り、そして卒業の春に、父親に紹介することが出来るのでしょうか…。 **概要 コナミから発売された恋愛シミュレーションゲーム。~ PS版『[[ときめきメモリアル]]』のメインプログラマー兼ディレクターだった福原健一氏がディレクターを務めている。 **システム -基本は自己育成+恋愛シミュレーションという『ときメモ』型。 --しかし所持金の概念があり、アイテムを買ったりデートに使ったりする。定期的に小遣いがもらえるが、試験でそれなりの成績を修めればアルバイトで稼ぐことも出来る。 --アイテムを装備・使用することでパラメータの調整が可能。普段は体力バカだが試験の前だけ勉強道具を大量に持ち歩いて埋め合わせする、普段は勉強の虫だが陸上大会の前だけ(以下略)というような遊び方が出来る。~ 中には女の子の登下校の確率を上げ下げする物や、イベントを起こしやすくする物、さらにはイベントをまったく起こらなくするアイテムがある。 ---これらのアイテムは一度ラストまで到達すれば次回のプレイに持ち越せる。2周目以降のプレイを楽にすることが出来るが、ごく一部のイベントではアイテムなしの生の能力が参照されることがあるので過信は禁物である。 ---アイテムの中には『ダイヤモンドの漬物石』という、『ときメモ』プレイヤーならニヤリとしてしまう物も存在する。こうしたコナミの別作品ネタがアイテムで登場する、というあたりは『[[ときメモ4>ときめきメモリアル4]]』を先取りしていたとも言える。 -オートセーブ方式で、ゲーム中断時もしくは毎週日曜日にシステムデータにセーブされる。 --バッドエンドでも何でもいいので一度でもクリアすれば、中断時に個別のセーブデータを作ることが可能となる。 --ただしシステムで3ブロック、個別セーブデータで2ブロックを使用するほか、愛称のためにまっさらのメモリーカードをもう1枚要求される。燃費がかなり悪い。 --ちなみにこの初回プレイでの不自由な仕様は、「初恋は実らない」という本作のテーマを再現したものと考えられる。また初回プレイのアルバムは「初めての思い出」としてシステム内に記録されてしまい、データ消去しない限り上書き不能となる。 -『ときメモ』と異なり爆弾は存在しないが、仲良くする相手によって友好度が上下する隠し仕様が存在する。 --簡単に言えば好きなキャラと仲良くすれば該当キャラの友好度が上がり、嫌ってるキャラと仲良くすれば友好度が下がる。 -女の子を自分で文字入力した愛称で呼ぶことが出来る。 --ただのお遊び要素と思いきや実はキャラごとに好きな愛称と嫌いな愛称が設定されており、好きな愛称をつけると友好度が上がりやすくなるが、逆のパターンもある。 --なお女の子同士の関係も含めたこれらの隠し仕様は、中心スタッフの福原氏のサイトでも解説されていた。 -一定以上の関係になると女の子から愛称で呼ばれる(キャラのタイプによって可変)。 --愛称はボイスつきであるが、事前に声優が直接吹き込んだパターンでしか喋らせられない(ただしパターンは数百に及ぶ)。&br;この中には体験版つきムックによる公募で決まったものも含まれており、一部は後の『[[ときめきメモリアル3 ~約束のあの場所で~]]』にも、使われていたりする。&br;スロット2に新品のメモリーカードを差し込まなければ機能しないものの、これで全ヒロインのボイスパターンが登録される。 --ちなみに特殊なキャラをのぞく全員から愛称呼びされる。 -女の子とのデートでは回る場所を指定し、満足度とむーど(原文ママ)を高めていく。 --デートスポットは繁華街、商店街、ニュータウンなどの区画により大別され、さらにカラオケ屋、デパート、ファミレスなどの施設で細かく分かれている。~ 基本的に区画間の移動も自由だが移動距離に応じて時間がかかり、お邪魔キャラや他の女の子と鉢合わせになるリスクがある。また遊園地を指定した場合はデート終了まで出られない。 --デートスポットの中には訪れる時間帯に応じて役割の変化する場所がある。例えば昼間のホテルはドリンクのみだが夜間はコースディナーを出しており、昼の教会は前庭で軽食の屋台が出ているが夕方以降は見学可能、という具合。普通の場所でも夜間はライトアップされるのでむーどが上がりやすい。 --さっくり言えば女の子が好きな場所で過ごせば満足度が、カップルらしい場所で過ごせばむーどが上がる。女の子がスポーツウーマン型や恋愛オクテの場合満足度とむーどの両立がけっこう難しくなる。 -目的が「恋人を作ること」であるため、特定以上の関係に進むためには「告白」が必要になる。 --告白を実行するためには女の子への「想い」というパラメータを一定値以上に高めなければならない(解説書には「デートの後で満足度とむーどが一定値以上」とあるが誤り)。 ---告白が必要なほど仲良くなった子のことをゲーセンの占いゲームで占ってもらえば「告白には彼女への想いが必要!」と教えてもらえるが、この仕様表記ミスのために告白できなかったり告白の存在に気づかなかったりしたプレイヤーもいたかもしれない。 -卒業式の後、恋人と言えるほど深い仲の女の子を父親に紹介(プレイヤーが意中の子を指名する方式)できればゲームクリアとなる。そのエンディングは指名したキャラクターと主人公の能力に応じて分岐する。 --しかし、3年以内に真エンディングへの突入条件(当然女の子ごとに異なる)を満たした場合、卒業式を待たずにゲームが終了する。この真エンドの条件を探すことが本作の真の目的とも言える。 --3年時に自分の進路を決めることはあるが、『ときメモ』と異なりエンディングに影響することはあまりない。 ---- **問題点 -声優、演出が酷い --開発当時、デビュー間もない川澄綾子氏を起用するなどしたが、その川澄氏を始め棒読みが過ぎるところがあり、「はい…」や「ありがとう」などの音声の使いまわしが多く見られる(その都度録り直していない) //両者や他の担当声優数名も当作品発売前年~同年の他の出演作では(少なくとも当作品よりは)マトモな演技をしてた作品も多く、コナミ側の演技指導や収録環境の悪さが疑われる部分もある。 //収録当時(1997年頃?)と発売当時(2000年)では演技力に違いが出ます。一旦COにしておきます。 -ディスク入れ替えが面倒 --このゲームは「ディスク1:OP・ED」「ディスク2:春・夏」「ディスク3:秋・冬」「ディスク4:特殊イベント(修学旅行・初詣等)・ミニゲーム」と分かれており、入れ替えが非常に面倒 ---''初回プレイではミニゲームも飛ばせない為、輪をかけて面倒である。'' --一応、オプションでディスク入れ替え無しにも出来る(この場合ディスク4に固定)のだが、その場合一部の汎用ボイス(挨拶など)と特殊イベントを除いてノーボイスになる。 --しかし言い換えれば、ディスク4にオープニングとエンディングをのぞくテキスト、イベントのデータは全て格納されており、ディスク2と3はボイス用ということでもある。 -操作性が悪い --1コンだけ差した状態だと、上を押しても下を押しても左右に動いてしまうという、ファミコン初期にありそうな操作性になってしまう。 ---これを解決するには、2コンも差せば良いという謎仕様。 -かなり複雑な攻略。 --「仲良くし過ぎると関係が進まない」「関係なさそうな別キャラと一旦それなり以上の関係にならないと真エンドへのフラグが立たない」などデフォルトや強制登場キャラの中にも攻略難易度の高いキャラが散在する。条件付登場キャラは出現自体がかなり大変である。 --関係を進めること自体は簡単なキャラでも、真エンドとなると選択肢一度でも間違えると失敗だったり運任せだったり、攻略情報がなければ気づきようがなかったりする。さらに初回プレイは強制オートセーブのお陰で条件探しもままならない。 --やり応えがある、と考えることも可能だが。 -プレイヤー置いてけぼりのアルバムモード --普通、アルバムモードといえばプレイ中に起こったイベントの一枚絵や立ち絵等を鑑賞するモードなのだが、このゲームではプレイ中に見ていなかった一枚絵も出してくる。 ---とあるキャラのアルバムいたっては''没になったイベントの一枚絵''を載せている。 -ミニゲームはポリゴンなのだが、開発当時がPS初~中期の為かカクカク(言うなれば、『[[MGS1>メタルギアソリッド]]』辺りのレベル) **賛否両論点 -グラフィックが超が付くほど個性的 --水彩画タッチでクセが強すぎる。''『ときめきメモリアル』より人を選ぶキャラデザ''で、敬遠対象になった人も多いはず…&br; #region(画像) #image(d6cdfe99.bmp) #endregion -一部の登場キャラの賛否両論点。 #region(ネタバレにつき格納) //『北へ。~Diamond Dust~ 』での男の娘キャラに関する記述が格納扱いだったのでこちらも格納扱いにしました。 -男の娘キャラがおり、そのルートではかなり濃い(さすがに性行為はないがキスや股間を見せない裸身の一枚絵はある)BL展開が行われる。この手のキャラの常として事前情報はなく、ムック本でそのキャラを気に入った人を凹ませた。本来の制作・発売時期((ギャルゲーで「攻略対象に男がいる」というのは90年代にもあるが、大抵「ハズレ(男と知ってがっかりして終わり)」枠であり、真面目に攻略できるというのはほとんどいなかった。))を考えると、かなり挑戦的な試みである。 ---ちなみに男バレの後、相手から自分のことをどう思うのかと問われ「ごめん、男とはつき合えない」と「性別なんて関係ない」の二択が出て、嫌な人は前者(初期カーソルはこっち)を選べば以後は女装姿もなくなり攻略対象から外れるという仕様になっている。 --この子はぱっと見ボーイッシュ少女でも通る外見(一人称「僕」、髪も短い)なのだが、&color(white){最初からゲームに登場する主人公のライバル的存在で、見るからに男で趣味がナンパという女好き男とのBLまで存在する}(白黒反転)。一体当時のコナミはどこへ行こうとしていたのだろうか。&br;なおこれは本作におけるトップシークレット事項であるらしく、川澄氏がクリア後のフリートークでバラしかけた時はスタッフから制止がかけられている。 --発売当時としてはBLシナリオは珍しかったので、「これを目当てに購入!」なんて人もいる。 #endregion -ギャルゲーにしてはシステムが独特かつ複雑で、覚えなければならないことが多い。また、仕様を把握し様々なテクニックを駆使することでゲームバランスを一変させることが出来る。 --体力の高い時にスケジュール決めを行うことで行動回数を増やす、デート中の食事で体力回復、装備の付け外しによる運やテンションの管理など。 **評価点 -シナリオが秀逸 --女の子と付き合い始めてからを重点に置いているゲームなので、シナリオが練りに練られている。 --上述した分かりづらい真エンドフラグなども、蓋をあければシナリオやキャラ設定に裏打ちされていたケースが多い(後出しジャンケンとも言えるが)。 -音楽も秀逸 --キャラ一人一人にテーマ音楽があるのは当然として、それを四季ごとにアレンジされている。 ---サントラでは、春・夏のテーマと秋・冬のテーマとで2枚に分けられて発売されていることから、曲の多さも窺える。 -質はともかくとしてボイスパターンはかなり豊富。 --ほぼフルボイスである上にデートや登下校時の会話はトピック(話題)型で、定期試験などの時事ネタや主人公との関係(恋人以上か否か)による差分も含めれば、会話トピックだけでもヒロインひとりあたり100パターン近くになる。その代償か会話がない普通のデートスポットについては一箇所回るごとに短く感想を言うだけだが。 --ただディスク入れ替えの都合で、季節ごとに振れる話題が不自然に異なる。 -情報屋キャラが女の子で攻略可能 --『ときメモ4』に同様の隠し要素が存在したが、ある意味9年あまり先んじていたと言える。 --ただし彼女を攻略する際こちらからデートには誘えず、唯一自発的に誘える定期イベントのダブルデート(ライバル男と女の子2人で行われる)を使って彼女の好感度(確認手段なし)を高め、その上で女の子一人の情報を何度もしつこく聞く、というかなり複雑な手順が必要である。 --イベントを達成して恋人候補に名乗りを上げて以降は通常キャラと同様にデートが可能となるが、代わりに情報キャラにはならなくなる。 -PSにしてはエロい --『PS版ときメモ』では修正されたパンチラ・未遂で終わるキスシーンをはじめ、エ○チシーン(寸前だが)もある。今、ゲームアーカイブス化されようものなら確実にCEROレーティングDかZものであろう。 ---- **総評 「付き合うまで」ではなく「付き合ってから」を重視したシナリオや豊富なボイスパターンなど光る部分もあるのだが、下記のとおり情報公開から発売までがあまりに長かった上、恋愛SLGというジャンル自体の旬も外してしまった悲運なタイトル。~ 『[[GUILTY GEAR XX]]』(2002年)や『[[処女はお姉さまに恋してる]]』、『[[はぴねす!]]』(2005年)と言った作品に先駆けた要素もあるのに、そっち方面でも全然話題に上らないあたりお察しいただきたい。~ もっと速やかにリリースされていれば、あるいは恋愛SLGブームがもっと続いていれば評価もまた変わっていたのかもしれない。 ---- **発売経緯 1997年頃に、『[[みつめてナイト]]』と一緒に発表される。&br;同年に『おろしたてのダイアリー』というムック本で体験版を発売、2万冊ほど売れる。&br;2000年バグでキャラが登場しない等、紆余曲折を乗り越え発売。初回セールスは8千本とも1万本とも言われている。&br;つまり、発表から発売まで3年近くかかってしまい、ユーザーの熱が冷めてしまった。 **その後 -売り上げは完全にスッ転び、その後関係者の口から本作の話が出ることはなかった。&br;主なスタッフのその後はと言うと… --サウンドを担当した平田祥一郎氏は『ときめきメモリアル3 ~約束のあの場所で~』に携わったあとコナミを退社。&br;現在はSUPA LOVEに所属し、SMAPやEXILEに楽曲提供している。 --ディレクターの福原氏はコナミスタジオに左遷・退社したそうだが、『ときめきメモリアル4』のオンラインサービス周りをやっているらしくコナミ内に留まっているようだ。 --キャラデザを担当した小松原里枝子氏は『ときめきメモリアルGirl's Side』に携わっている。 -声優関係では、川澄氏や谷山紀章氏、雪野五月氏(現・ゆきのさつき)が発売された後売れるようになった。 --発売当初からすでに売れ始めていた(もっとも先述したように収録から2・3年近く経過しているため当然と言ってしまえば当然なのだが)川澄氏だが、フリートークでの%%爆弾発言%%悲痛な叫びが業界関係者に届いたのか、暴れん坊系の役などをもらえるようになり幅が広がった。 --また、谷山氏は後年コナミギャルゲー本家(?)のときめきメモリアルシリーズにおいて、アニメ版Only Love(石打一郎役)やGirl's Side 2nd Season(真嶋太郎役)への出演をしている。 -そして、2009年…『[[ラブプラス]]』が発売された。 --『あいたくて…』ファンからすれば「やっと時代が追いついたか!!」と歓喜したが、同作開発者からは『あいたくて…』の「あ」の字も出なかった。 ---しかし、『[[NEWラブプラス]]』内の映画『あえなくて…メモリアル』でこのゲームのEDテーマが使用されていた(アップデートにつき現在は流れない)。こういう形でネタにすることがあるようなのでコナミ的には完全黒歴史ではないらしい。 **余談 -実はディスク1の中に、前年発売されていた『ときめきメモリアル2』のPVが収録されている。というのも、元々は『ときめき2』より先に発売される予定だったため、そのプロモーション用としてだそうだが、結局先を越されてしまい、ゲームの中では見ることはできない。 -パッケージ裏の画面写真には本作の真エンディングの一部が写されている。「たどり着いて見せろ」ということだろうか。 -元はPS版『ときメモ』のスタッフが母体となっている開発プロダクション「バーチャルキッス」の看板タイトルで、『[[ときめきメモリアル2]]』と並び立つ作品になるはずであった。だが今や知名度において歴然たる差がついてしまっているのが現状である。&br;なお、バーチャルキッスは本作とときメモ2の開発中にいつの間にか解散してしまった。 -福原氏が「実は当時のコナミゲーで最も台本が分厚かったのはこの作品だった」と本人サイトでプチ自慢している。

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