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キャプテン翼III 皇帝の挑戦 - (2021/01/13 (水) 19:45:50) の最新版との変更点

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*キャプテン翼III 皇帝の挑戦 【きゃぷてんつばさすりー こうていのちょうせん】 |ジャンル|スポーツ・シミュレーション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/31E-XMaw4vL.jpg,width=100,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068HCB)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|8MbitROMカートリッジ|~| |発売元|テクモ|~| |発売日|1992年7月17日|~| |定価|8,900円(税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[キャプテン翼シリーズリンク>キャプテン翼シリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 名作と名高い『[[キャプテン翼II スーパーストライカー]]』の続編が、満を持してスーパーファミコンに登場。~ ストーリーは前作同様にゲームオリジナル展開で、東西ドイツ統一を記念したユース大会『ユニバーサル・ユース』を巡る物語。~ 本作から現実世界における東西ドイツの統一が作品世界にも反映され、西ドイツユースがドイツユースになった。((IIの発売日時点ではまだ東西ドイツは統一への過程にあり、IIでは西ドイツユースのままだった。VSも翼達の小学生時代が舞台なので、まだ統一はされていない。)) ---- **特徴 FC時代に完成されたシステムは、より強化された上でほぼそのまま継承されている。ゲームボーイで発売された『[[キャプテン翼VS]]』の要素も一部追加された。 -VSまではゲームの再開はスコアメモ(パスワード)を使っていたが、今作からセーブ方式になった。データファイルは3つ。 -これまでの作品から能力値設定の見直しが行われ、ガッツを除くステータスの成長は全選手・全パラメータで1レベルアップにつき1ポイント上昇する形に統一された。これにより選手間の能力格差が縮まった。 --前作までと比べてGKの飛び出しやシュート&ドリブルに備える能力が後半も伸びるようになったため、高レベルで直接対決に持ち込んでも簡単には得点できなくなった。 --GKがバランスを崩したり、倒れた時の能力低下がこれまでと比べて緩和された。 -IIで強すぎたスルーが弱体化され、IIでは簡単にできた「空中でGKの飛び出しを誘い出してスルーし、ゴールを空っぽにする」戦法が取りにくくなった。 -新必殺技が多数追加された。従来の必殺技の強化版から、それまで使えなかった系統の必殺技の補強など、バリエーションは豊か。 -演出面が強化され、特定キャラ専用のカットインが増加した。 --IIでは若林のみだったクリティカルセービング時のカットイン((クリティカル自体はすべてのキーパーに存在したが森崎、若島津はコマンド時の画像に台詞のみでそのほかは何も無しだった。))も全ての主要GKで発生するようになった。 -全体コマンドが追加され、チーム全体に指示を出せるようになった。 --チーム全体のラインを下げる「みんなもどれ」は誰でも無制限に使用可能。 --翼や日向などの一部選手はガッツを消費して自分のドリブル速度を上げ、チーム全体のラインを押し上げる「みんなあがれ」が使える。松山は専用コマンドで「なだれこうげき」を自発的に再現できるようになり、三杉は同じ効果の「ファストブレイク」を使えるようになった。 ---これにより、従来作では敵専用だったフィールド上でのドリブル倍速がプレイヤー側でも使えるようになった。 -こちらがドリブル中に複数の敵と接触した時、敵ごとに個別にコマンドを選択できるようになった。これにより、ドリブルで抜いた後にパスやシュートができるようになった。 --必殺ドリブルは消費ガッツが下がった代わり、敵一人ごとにガッツを消費するようになった。通常のドリブルは従来通り1回分の消費。 --敵との接触時に、敵選手のステータスや必殺技を参照できるようになった。 ''VSからの追加要素・変更点'' -2PやCPUとの対戦モードである『オールスターモード』が追加された。VSで初採用された対戦モードを更にブラッシュアップしたものとなっている。レベルはセーブファイルで最も高いものに合わせられ、本編の攻略に伴って必殺技が追加されていくようになった。 --2P対戦モードではコマンド入力が『十字ボタン+A・B・X・Yボタンのどれか』と言う形に変更されており、画面だけではどのコマンドを入力したのかが分からないようになっている。 --また、本作ではオールスターモード専用の必殺技も用意されている。 -ミーティングや全体コマンドなどで敵選手にマークがつけられる様になった。VSと異なり、味方選手一人につき敵選手を一人マークさせ、その選手の近くへ張り付かせる方式に変更された。以後のテクモ版でもマークはこの方式で定着している。 -VSで一旦撤廃されたロスタイムや、反則などの試合中のハプニングが全て復活した。 -VS同様、モブ選手にも全て固有の名前が付いた。据え置き機作品では初の試み。 -VSにあった天候の概念は不採用となっている。 ---- **評価点 -試合演出、ビジュアルシーンの強化 --2でも相当なものだったが、SFCになったことで、''演出面がさらに強化されている''。 --各キャラ固有のカットインが大幅に増えた。 --ダイナミックなアニメーションや演出がこれでもかと使われている。前作でもあった「○○くん ふっとばされた!」も、見ごたえのあるものに仕上がっている。~ 特にフィールダーとGKで演出が違うのが見どころ(本作ではGKのみ「○○くん ふっとんだ~!」に変わり、演出も異なる) -敵チームのメンバー全員に名前がついた --前作までは主要キャラを除いて「てきの○ばん」と呼ばれていたが今作からは全員固有名詞となっている。 --一部でカルト的な人気を誇る「ボッシ」「アモロ」など、原作登場ながら前作まで上記の扱いになっていた者も原作通りの名前で参戦している。 -イベント密度が濃く、練りこまれたゲーム進行 --ほとんどの試合で何らかのイベントが用意されるようになり、今までの作品でありがちだった淡々とした消化試合がほぼなくなった。 --ストーリー前半は翼率いるサンパウロFCを中心に海外で活躍する日本の各選手(岬、松山、日向と若島津、若林)の試合をプレイする。 ---今までは同じチームで一つの大会を最後までプレイしていたため、どうしても展開が単調になりがちだったが、サンパウロの試合の合間に他の選手たちの試合が入ったため、中だるみせずプレイできる。 ---海外遠征編はチームによって違う戦略を要求される。例として岬のシャンゼリゼはナポレオンがいる代わりGKのジュストが非常に弱く、二人で協力することが重要。若林のハンブルガーSVはIIにいた名有り選手がストーリーの都合で全員不在のため、モブ選手だけでゴールを奪いに行かなければならない。((敵のGKメッテルニヒは能力は森崎よりも弱いのだが、味方攻撃陣がもっと弱いので鉄壁のGKに見えてしまう……。)) ---またこの時にドイツ陣が研修という名目で敵として登場し新必殺技等を披露することで今回のドイツの強さを引き立たせている。 --ストーリー後半の全日本編も前作までは最初からフルメンバーだったが、今回はストーリーに応じて各自合流していく展開になった。 ---今まではやりこみプレイでしかお呼びではなかったメンバーにも(あくまでつなぎ程度だが)スポットが当たるようになった。 ---メンバー合流後も様々なハプニングの発生により、前作までのようにスタメンが固定しにくくなっている。フルメンバーが揃うのは終盤のフランス戦になってからである。 --試合総数はIIよりやや少なくなっているが、1試合にかかる時間がやや増えたので体感的な総プレイ時間は大きくは変わらない。 -秀逸なオリジナルストーリー --テクモのオリジナルストーリーは引き続き良い出来栄え。最初から最後のラストバトルまで、物語は一貫している。 --前作ではオリキャラに見せ場を譲ることになったドイツユースにスポットが当てられ、見事に面目躍如を果たすことに成功している。原作ファンにも嬉しい作りである。 --他にも原作で少しだけ名前の出たキャラクターもしっかり登場していたりと、原作をしっかり研究して作られている。原作ファンもニヤリとさせられる。 #region(ストーリーに関わるネタバレ要素あり) --前作で翼が修得した必殺シュート『サイクロン』は本作でもストーリーに大きく関わってくる。 ---本作ではサイクロンに脚へかかる負担が非常に大きい欠点があることが判明し、この欠点の克服や、脚の負担を乗り切れるかが翼にとって大きな試練となっている。 //---終盤のイタリア戦では翼の脚の負担が限界に達して途中退場するというハプニングが発生し、次のアルゼンチン戦で翼は欠場を余儀なくされる。 //---だがディアスの前転シュートを見てサイクロンの欠点を克服するヒントを得て、フランス戦で復帰した際に新必殺技『ネオサイクロン』を編み出して復活する。 //---しかし脚が完治したわけではないため、脚の負担には最後まで悩まされることになるが……。この一連の流れは本作の大きな見所の一つ。 --前作で味方になってからは、ほぼいるだけ状態となっていた日向に大きな見せ場が与えられている。 //---ウルグアイ戦後に視察に来たミューラーにネオタイガーショットを完璧にキャッチされ、怒りと共に自分の力不足を痛感した日向は、修行のため勝手に全日本ユースを離脱してしまう。 //---だが翼が途中退場して絶体絶命のピンチに陥った全日本ユースの下へ、より強力な必殺シュート『ライトニングタイガー』を引っさげて帰ってくるという、日向ファンには嬉しい展開であり、「走れイナズマ! うおおおお~っ!!」というセリフとともに、強烈なインパクトを見せ付けた((原作WY編で登場する、雷獣シュートの元ネタではないかとも言われている。))。 --なんと石崎までもが(?)必殺シュートを習得する。 ---ただしこれはそれほどストーリーに大きく絡むイベントでもなく、必要性も薄い(ぶっちゃけ弱い)ため、~ どちらかと言うとファンサービスの要素が強いか。 #endregion -今作登場のオリジナルキャラ --''手を使わず、必殺セーブの雷斬脚でシュートを蹴り返すGK「ルー(中国)」''、''GKとしての能力は最強で必殺セーブ『シャドーシールド』まで持つがスタミナが無く、後半戦で能力がガタ落ちする「ラムカーネ(ベルギー)」''、''言動がエセ外人風のナルシストで出る作品を間違ってるとしか思えない「ミハエル(アメリカ)」''等前作とは趣を変えたオリジナルキャラクターたちが登場する。 ---彼らはあくまで(キャプ翼内での)二流国チームでの登場なので、独自のインパクトを持ちながらも今作のストーリーに関与しない為、原作や前作までのオリジナルキャラ達の個性を奪うようなこともない。 -獲得経験値の大幅な増加 --前作までは負け越しでのレベル上げ前提の難易度だったが、今作では1試合ごとの獲得経験値の大幅な上昇により、あまり負け越しを気にせずプレイできる。 --''順当に勝ち進めば1試合で2レベルは確実に上がる。''と書けば凄さが判っていただけるだろうか。 ---あまり現実的でなかった無敗クリアも、稼ぎプレイをしていなくても可能になっている。(もちろんクリアまでにはかなりの数のリセットがいるが) --負けた時の経験値も上昇しており、再試合も楽に勝ち進めるので苦にならない。 -従来作で使いにくかった選手が強化された。 --特に、前作まで地味な中堅という印象が強かった松山の強化具合が群を抜いている。VSのスライディングタックルを強化継承した「イーグルタックル」をはじめ、ついにプレイヤー側が使用できるようになった「なだれ攻撃」で味方全員をゴール前に送り、自陣から「イーグルショット」((距離による補正がないのでどこで放っても威力は100%になる。))でボールを運ぶという、通称「なだれイーグル」という戦法が猛威を奮った。 ---コーナーキックや直接フリーキックが敵DFに防がれにくくなったため、これらの場面からイーグルショットを狙いやすくなったのも追い風になった(これらの状態から打つシュートは通常よりも威力が上がる)。 ---役どころが全日本のキーマンになりやすいことから、「影の司令塔」「キャプテン松山」と呼ばれ親しまれることになった。 ---OPで三杉とともに専用グラフィックで出ているのも見逃せない(前作は翼、岬、日向、若林のみだった) --若島津はさすがにVS程の性能はないが、IIと比べると若林との性能差が縮まり、最後まで十分に使えるようになった。前半は若島津を起用し、ガッツが切れたら若林にスイッチという戦術が実用的になった。 ---VSで習得した後ろ回し蹴りと手刀パンチングは削除されたが、対空迎撃技「あびせげり」が追加。原作通り空中で競り合った選手を吹飛ばしてゴールを守ってくれる。またII同様、セービング失敗時に低確率で手刀を繰り出してボールを弾く隠し特殊技「手刀ディフェンス」がある。 --強引なドリブルが凄まじく強力になり、その恩恵を大きく受けたのが次藤。日向も使えるが、彼は必殺シュートのためガッツを温存したいので、強引なドリブルで敵陣を突破するのはおおむね次藤の役割。次から次へと敵を吹き飛ばして突き進む様はまさに重戦車である。 --石崎は顔面ブロックが浮き球のシュートに対しても使用可能になった。敵のツインシュートやオーバーヘッドキック、必殺ヘディングなどを阻止できる。 --その他、レナートや森崎も若干だが強くなっている。シナリオ上の使用機会は大幅に減ったが、2と違い適正レベルではそこそこ頼れるようになった。 ---この両名は3が一番強い。森崎はプレイヤーチームの増加により本作から味方最弱GKを脱し、レナートは必殺技はないが若島津に匹敵する能力値とどちらも設定に近い強さになった。 弱めの必殺シュートならそこそこ止める。 ---ついでに(?)アモロまで強化されており、もはや別人のような守備を見せてくれる。ネオサイクロン初披露で必ず1点奪えるイベントがあるが、それ以外ではなかなかの強さである。 --レベルアップ速度が上がったり、能力差が少なくなったことで、いわゆる二軍選手でのプレイもしやすくなった。 ---ニコニコ動画にも最初から最後まで二軍選手でプレイしたプレイ動画がアップされており人気を博している。 --全体的な味方の強化により、ゲームバランスは歴代でも随一。全日本もほとんどの選手が活躍できる。 -秀逸なBGM --テンポよく聞き心地良いBGMは引き続き好評。SFCになったことでよりパワーアップしている。 ---殆どの曲は本作からの新曲。オープニング、前後半終了5分前、PK戦、ブラジル戦、全日本決勝戦(前作の南葛高校の曲)のBGMは前作からのアレンジ。 ---全日本ユースのBGMが複数用意されている。場面展開とともに切り替わっていき、物語にメリハリを出している。 ---特にラストバトルのVSドイツ戦のBGMは評価が高い。敵チームの強さも相まって、プレイヤーに強烈な印象を与えることになった。携帯の着メロでもこの曲が真っ先に配信されていた。 ---本作では更にアルゼンチンにも専用BGMが追加され、終盤では専用BGM持ちのチームばかりという豪華な展開に。 --前作同様サウンドテストの裏技があるので、好きな曲を聴き放題。 -オールスターモードの追加 --各キャラ自由に組み合わせて、オリジナルチームを作って対戦できるオールスターモードが追加された。敵キャラクターを実際に使ってみることができるようになり、楽しみの幅が広がった。 --VSではソフト2本&本体2台と通信ケーブルがなければ対戦できなかったが、今回はソフト一本とコントローラー2つあれば対戦可能であるため、特別な準備が必要なくなった(SFCは本体に標準でコントローラーが2つ同梱されていた)。 --ただしストーリーはなく、一度試合をしたら終わりである。また作成チームをセーブしておく機能もない。 --1P側「キャプテンズ」は全日本ユース最終曲、2P側「ウィングス」はドイツの曲が使用されており、ユニフォームもそれぞれのものとなっている。 --同点で終了した場合はPK戦になる。 -特殊な条件でのみ出せる隠し技が増え、それらを見つける楽しみが生まれた。 --若島津の手刀ディフェンスの他、シュナイダーと翼によるコンビ技『ファイヤードライブツインシュート』、オールスターモードのCPU戦で翼と日向を敵にした場合のみ使ってくる『ツインタックル』、エース格の選手が必殺シュートをカットした時に低確率で打ち返す『奇跡のカウンターシュート』等が追加された。 ---- **賛否両論点 -本作からプレイヤーチームに試合中イベントに関わる選手の強制出場がある。((誰と話しているのか、監督に外すわけにはいかないと反対される。)) --前作では全日本で翼を欠場させたのにも関わらず試合後のイベントで試合中の話をするなど不自然なこともあったため当然の処置ではあるものの、2軍選手のみでのプレイをしようとしていると鬱陶しく感じるかもしれない。一応翼や松山など普通プレイなら絶対に外さないだろう選手が大半。 --ただ例外はある。作中2回あるアメリカユース戦では石崎が対象だが、いくらイベントがあるとはいえ原作の実力描写やゲーム中のステータスから言ってやや不自然。使いやすい選手ではあるものの監督に反対されるほどか…?他にもベルギーユース戦ではミューラーにシュートを止められたショックから大幅に弱体化している日向を必ず使わなくてはいけない。 -前作までと比較して、パスやシュートの威力を弱める「○○くんにあたって いきおいは よわまった!」が出にくくなった。 --前作までは能力が低い選手でも相手の体勢を崩したり、パスやシュート(必殺シュート含む)を自動カットする時にボールの勢いを弱めることが結構あり、ここから次の選手の行動に繋げてカットできる可能性を広げる役割があった。しかし今作では能力差があるとそれが全くと言っていいほど出来ない。 --一方カット側の能力が優位になると、身体に当たると「はじいた!」「○○くん ボールをとった!」が出やすくなり、パス・シュートのカット結果が二極化しやすくなった。 ---演出が長いのもありこちらの選手が「だが とどかない」になるのが分かりきっている時はややイライラするかもしれない。 --この変更はマイナス点ばかりではなく、威力が上昇する直接フリーキックやコーナーキックからのシュートを防がれずにGKまで届かせることが容易になったという利点もある。 --なお、IV以後の作品でもパスやシュートのカット結果は二極化しやすい傾向にある。 -''わかばやしくん ふっとんだ~!'' --若林の能力がIIと比べて下方修正され、若島津との差が縮まった。更にIIでは高確率で出た「とめる!!」の発生確率も下がってしまった。ペナルティエリア外シュートへのGSGK((WY編以降は『S・G・G・K=スーパーグレートゴールキーパー』で固定されているが、そもそも起源は無印時代に『S・G・K=スーパーゴールキーパー』と一度だけ呼ばれ、その直後『G・S・G・K=グレートスーパーゴールキーパー』となり、それが公式な呼称(但し最後に一度だけ『S・G・G・K』)となった。テクモ版では最後の一度が誤記と判断したのか常に『G・S・G・K』で統一されている。WY編以降の悪印象も相まって現在も『G・S・G・K』の方を好んで使う人も珍しくない。))補正は本作でもない。 --普通に進めていると、まずハンブルガーSVではシュナイダーの必殺シュートでよく吹っ飛ぶ。更に全日本合流後ユニバーサル・ユース初戦のロリマーのバウンドショットでパンチングが届かず失点してしまうことも珍しくない。この有様なので、後の強豪チームの必殺シュートを受けるのは更に厳しい。「''ザル林''」「''俺が止める(笑)''((最終戦の試合前ミーティング時の「ネオファイヤーショットは俺が必ず止める!」という本人のセリフが元ネタ。実際は相手の高いレベルも相まって、全く止められず宙を舞う。それどころかシュナイダーのオーバーヘッドやボレーシュートでも厳しい。一応擁護(?)すると若島津や森崎でも止められない。))」「''若島津のかませ犬''((原作WY編の若島津の「俺は俺は若林源三のかませ犬じゃないんだ!」が元ネタ。本作では若島津が強くこの台詞と真逆の立場である。))」「''帽子をかぶった森崎君''」などひどい言われようを受けている。 ---これは普通に進めていると敵とのレベル差が開いてしまうのが原因の一つであり、基本ステータス自体は全GKの中でも高い部類に入る。レベル差が縮まってくれば一部の強必殺シュート以外は止められるようになってくる。 --必殺技持ちの若島津に何故か基礎能力から完敗しており、森崎+αの能力しかなかったVSと比較すれば、一応段違いに強化はされている。 --とは言っても、同レベルの若島津が必殺技を使えば1とはいえ数値が上回ってしまう。必殺技の追加で若島津が器用になったのもあり、本作ではガッツ切れにならない限り若島津の方が安定して強い、という評価で固まっている。 ---そんなわけで結局大多数は正GKに若島津を使ったはずだが、公式見解では若林が正GKとされているせいか決勝戦の前半終了(サイクロンの蓄積ダメージ翼が倒れる)時にはGKが誰であれ若林がゴール前で「10人だ!!翼は必ず戻ってくる それまで10人で頑張ろう!」と叫ぶ。&s(){「あんた出てないってば…」とツッコんだ人多数。} --IVからは、''ペナルティエリア外からのシュートを高確率で止める特殊能力''が追加された。 #region(ミハエルのキャラクター性について) --本人は真面目(?)に''美しいサッカーをしている''だけで''意味もないシャワーシーンやグラウンドに白馬に乗って入場する原作のピエールのように''あからさまにナルシストなキャラクターではないのだが、やはりその行動はキャプテン翼の中では相当違和感がある。更に能力も最強クラスで必殺ドリブル「ローズダンサー」は全ドリブル必殺技でもトップクラスの性能。 --ユニバーサル・ユース本戦では必殺シュート「ローズバスター」を修得する。更にタックルを仕掛けると、確率で''彼が新調したばかりのソックスが破けるイベントが発生することがある。こうなるとその怒りでミハエルの各能力が大幅に上昇し、その時点での全日本ユースでは全く手が付けられないほどになってしまう''。本戦でのアメリカチームのレベルのまま、ラストのシュナイダーとも渡り合えるくらいと言えばその凄まじさが分かるだろうか。 ---キャプテン翼の世界観に合わないキャラ設定と妙に高い能力、普通に考えれば反感を持たれる類のキャラクターであるが、初登場当時は原作が終了しており、ワールドユース編も連載されておらずゲーム版しか知らないという人も少なくなかった事と''彼が執着する選手は石崎である事''、原作にあまり関連がない((一応、東映漫画祭りのJr.ワールドカップ編にて登場しているのだが))アメリカユースの選手で本シナリオにあまり絡まない形での登場である事、あまりにも方向性の違いすぎる行動、言動の為に''他のキャラをかませ犬にしたり、持ち味を殺してしまう''様な事も無く(むしろ石崎は発奮して必殺技を習得している)コメディリリーフとして違和感無く受け入れられるように配慮されている。 ---その結果か4と5でも登場し石崎とのコミカルなイベントが発生する。特に5ではワールドユース編の連載の煽りで殆どのオリジナルキャラクターがリストラ、大幅な弱体化される中''原作でもやりそうにない間違った''パワーアップ方法で登場するなどテクモスタッフにも気に入られているようだ。 #endregion -コインブラが弱体化しているのは仕方がないとは言え、旧作ファンは残念かもしれない。 --ドイツはかなりの強さなので何度も負けてブラジル戦をプレイすることとなる。上記の通り今作はLVの上がり方が激しいのであっという間に簡単に勝てる弱さになっていくのも残念な所である。 --ただし今回カルロスとの合体シュート「リーサルツイン」が追加されている。~ CPUのAIの都合上なかなか使ってくれない((ブラジルユースのFW、MFは全員必殺持ちのため、センタリングをほとんどしない。))のが難点ではあるが、ゲーム中最強のシュートのため撃たれたらほぼ失点が確定する。初披露の際には専用の決め台詞も用意されており、非常にかっこいい。 --また、弱体化したとは言えドリブル倍速からのマッハシュートも脅威。 --ちなみにオールスター時の彼の能力は多くの部門でトップであり、総合能力も三杉と並んで1位タイで当然シュナイダー、ディアスよりも上。倍速ドリブルとリーサルツインも対戦では非常に強力で前作ラスボスとしての立場は十分。単に本編でのラスボス補正がなくなっただけともとれる。 #region(サッカー選手にあるまじき日向の行動) --原作再現の意味もあるのだろうが無断でチームを抜け出すのはサッカー選手としては失格だろう。実際、原作でも中学時代に勝手にチームを離れた事でレギュラーを外され、復帰するまでにひと悶着あったのに、彼は何も学ばなかったのだろうか… --ただし、チームを抜け出さずスランプを抱えたままの5では''いないほうがマシと断言出来るほどに''能力が落ち込んでおり、''足手まといにならない為にあえてチームから外れていた''のだと言えなくもないが。((本作でも離脱直前の日向の能力は通常より落ちている)) --そして編み出した新必殺技『ライトニングタイガー』を引っさげてイタリア戦後半で復帰するが、特に反省している様子が見られない。 ---一連の行動には見上監督も怒りを露わにしているが、日向が戻ってきた時の全日本ユースは翼が負傷退場している危機的な状況のため、勝つことを条件に不問にしている。 --ドイツ戦ではライトニングタイガーを撃つとリベンジを狙う日向のセリフが入るが、初めてドイツ戦に着いた段階ではアッサリと止められてしまうことが多い。 ---しかし台詞を考察すると…~ ''日向「ミューラー! てめえの どてっぱらを えぐってやるぜ! くらえええええっ!!」''~ と明らかに殺しにかかっており、ミューラーを狙って打ち込んだのは確実である。 --なお、これらの行動は次回作以降も行われていく事となる。''テクモスタッフは日向を情緒不安定で浮き沈みの激しい殺人ストライカーと見なしていたのだろうか。''そもそも原作でもこんな人物だったので立派な原作再現ではあるが……。 ---IVでは、翼を逆恨みして必殺シュートで文字通り殺そうとする、ドイツ所属のポブルセンというオリジナル選手まで登場している。 #endregion -VSで採用されていた新必殺技の多くが不採用となった。 --松山や若島津のように名称や形式を変えて採用されたものもあるが、全体で見ると不採用の方が多い。 --VSの新必殺技は三杉・ピエール・ディアスの華麗なドリブル、ナポレオンの殺人タックル、シュナイダーのパワードリブルやカイザーアタックなど、IIまで選手が持っていなかった系統を補うものが多かった。 ---- **問題点 -前述の通り現実世界においての東西ドイツ統一が本作のシナリオにおいてピックアップされているが、元東ドイツ選手と明言されている人物が誰もおらず、ミスマッチになってしまっている。 --前述のDFのモブを除き本作からの新キャラはおらず、本作のイベント上で出番があったり必殺技やカットインのグラフィックがあるのは全て原作若しくはIIで初登場の西ドイツの人物。モブが東ドイツの人物だと強引に解釈しても必殺技もないため印象が薄くどう考えても主力は全員西ドイツ勢だろう。 --IVでようやくドイツ統一によりシュナイダー達と合流したという設定の選手が登場した。 -再びプレイヤーが変更したスタメンを記憶してくれなくなった。Ⅱでは記憶してくれたのだが…。 --ただ、本作はメンバーの入れ替わりが激しいため、記憶する意味が少ないと判断されたのかもしれない。それでもポジション替えをしたり三杉をずっとに使いたいプレイヤーは不便だろうが。 --全日本の初期GKが若島津(原作JY編準拠)だった2までから若林が居る試合は全て彼に変更されるようになっている。…が、よりにもよって若林より若島津の方が強い本作でそうなったため、若島津に入れ替える手間が増えやすい。 -一部はⅡから逆に使い勝手が悪くなっている部分があったり、過剰に弱体化を喰らっているキャラもいる。 --立花兄弟+次藤の『スカイラブツイン』が高いボールで打てなくなったため、相対的に高いボールに弱くなってしまった。最強技が高低両方で打てるというのも彼らの強みであったため、痛い仕様変更。~ また立花兄弟がいる試合では必ず次藤もいるので威力に劣る『スカイラブハリケーン』と『ツインシュート』の存在意義はほとんどなくなった。実は『ツインシュート』自体は立花兄弟の能力を考慮してか大幅に強化されたのだが、その恩恵を受けたのは元から強い翼と岬である。((どういうわけか技威力は消費が上の『オーバーヘッドツイン』より強い。)) --立花兄弟のみならず全体的に低いボールの方が強いシュートが多く、高いボールで強力なのは岬+翼の『オーバーヘッドツイン』や三杉の『ハイパーオーバーヘッド』ぐらい((翼の『ドライブオーバーヘッド』もあるが『サイクロン』『ネオサイクロン』(ともに高低どちらでも可)に比べると中途半端))。リ兄弟(ハンネ・バンクン)の『昇龍脚』やサトルステギの『ダイナマイトヘッド』等吹っ飛ばす系ヘッド等は多少見劣りする上、その使用者は他の状態での技がなかったりでキャラ自身の使い勝手の悪さから使われないことが多い。『オーバーヘッドキック』は使用者は多いもののイマイチ決定力に欠けるため、高いボールはハズレになりがち(特にオールスターでは)。 --ディアスが『オーバーヘッドキック』を使えなくなっている。さらに『アルゼンチンゴールデンコンビ』((Ⅱ時代は実況でこう呼ばれていたが正確には翼&岬と同じ技の『ゴールデンコンビ』。))は技自体が削除された。とはいえ本編では敵なため影響を受けるのはオールスターくらいだが。相棒のパスカルこれによりさらに不遇になり必殺技なしのキャラに逆戻りしてしまった。その影響かオールスターでも使用不可。 --ピエールとナポレオンのスライダーキャノンが''ピエールからのみ''、かつ''地上でのみ''発動可能になった。前作で強すぎた感は否めないとはいえ、ピエールに比べナポレオンの使い勝手はかなり悪い。ナポレオンはシナリオ上で味方として使用できるためか能力値や『キャノンシュート』の技威力までも低く、強化された''ボッシ+『サーブルノワール』に負ける威力''。エースストライカーとしてこれは屈辱だろう…。 -前作までと比べてゲームテンポが悪くなった。必殺技はともかく通常のパスでも相手に渡るまでに何度も画面が切り替わるなど、前作のスピード感が失われている。 --表現力が上がったおかげでかえって全体的に演出過多になったのが原因。得点に直結するキーパーとのやり取りは緊張感が上がっているとも捉えられるが、特にパスカットやタックルのあたりは大きくテンポを損ねている。 --リアルでのプレイ時間も長引く傾向にあり、30分ハーフで延長戦がなかった場合、Iは1試合約12~3分、IIやVSが15分前後で終わるのに対し、本作は1試合で大体20分前後かかる。 --キャラのサイズが前作より小さくなっており、表情まで見えた前作に比べると選手がやや迫力に欠ける。 #region(終盤戦について。ネタバレあり) -ユニバーサル・ユース本戦のイタリア戦と最終戦のドイツ戦で、敵のレベルが急激に上昇する。さすがにVSほどのステータス上昇はないが、それでも厳しいことには変わりない。 --イタリア戦は翼の脚の負傷が限界に達してしまい離脱するイベントがある上、次のアルゼンチン戦でもその状態を引きずるためかなり辛い。日向が復帰しているのが救いだが、初挑戦の段階では他の選手は殆ど得点できないだろう。 --アルゼンチンはディアスを始め強力な選手たちが大勢いる事はもちろん、その他の選手たちの能力がやたらと高い。なんと雑魚全員がパスカル、バビントンと同等の強さを持つ((このせいでパスカル、バビントンが「雑魚と同じくらいになってしまった。弱体化した」と思われがちなのも残念。実際は雑魚全員が異様に強い。))。GKもヘルナンデスより堅い。なのに翼抜きのハンデ戦を強いられる。 --フランスはピエール、ナポレオンが前作ほど理不尽な強さでは無くなったが、やはり雑魚が強い。チーム全体に底上げされている。あのアモロですら、先に戦ったアルゼンチンのGKよりも堅く、もはや立派な名GKである。原作でのザルっぷりはどこにも見られない。 --ドイツはまさに本作最強と言って良いチーム。無限に放たれるシュナイダーのネオファイヤーショットに加え、ライン際から能力が上がった状態でサイドワインダーを打ってくるカペロマン、強烈なブラストヘッドを持つ核弾頭マーガス、ハリネズミドリブルで迂闊に近づけないカルツ、トップスピンパスを操り試合をコントロールするメッツァ、スパイラルパスカットでこちらの行動をシャットアウトしてしまうシェスター、そしてネオサイクロンやライトニングタイガーでさえ高確率で止めてしまう圧倒的な鉄壁ぶりを誇るGKミューラーと強烈な布陣。更にはモブ扱いのDF陣もそれぞれがタックル、ブロック、パスカットに長けておりまさに隙が無い。 ---「ユース代表選手が世界中をサッカー研修のため駆け巡った」という設定に恥じない、最後にして最大の「''挑戦''」を叩きつけてくる。一見過剰にも思えるほどの強さだが、前作でのブラジルに負けないインパクトとなっているのもまた確か。 --幸い今回はレベルが上がりやすく、反則やコーナーキックなどのハプニングから点を得るチャンスもあるので、前作までと比べると同じ試合を繰り返すことは少ない。ただし、無敗クリアに拘るならII以上に厳しい面もある。 --ちなみにベルギー戦も敵のレベルが到達時期に対して非常に高いが、こちらはGKラムカーネ以外の全選手の基本能力が極めて低い上、肝心のラムカーネも試合終盤になるとガクッと守備力が落ちるため脅威にはならない。 #endregion -ゲームバランス関連 --必殺技の補正値が大きくなっているのか、特にディフェンスでほぼ一択になるほど一部の選択肢が強くなりすぎており、読み合いの要素が薄れている。 ---全日本では岬の「ムーンサルトパスカット」や次藤の「パワーブロック」が該当。敵がドリブルだろうとガンガン取れる。次藤は「パワータックル」もあるのだが本人のブロック能力の方がかなり高いため、パワータックルを選ぶ意味がなくなっている。 ---さらに仕様変更により、敵を囲んだ時の一人目の選手のタックルは相手が最初からパスを選んでいても必ず先に発動するようになった。日向や松山は必殺タックルで厄介なパス技相手でも発動前に取れてしまうことも多い。ステータス的にもこの二人でパスカットを選択することはないだろう。 ---敵では何と言ってもシェスターの「スパイラルパスカット」。パスはもちろん翼の最強シュート「ネオサイクロン」や日向の「ライトニングタイガー」を軽々とパスカットで奪ってしまうばかりか、「強引なドリブル」をもパスカットでかわしてボールを奪う。''どこがパスカットだ。''シェスターに接触した時点であらゆる選択肢が全部スパイラルパスカットに負けるため、絶対に接触してはならない最強の守備要員になっている。 --シュートやドリブルが弱いとゴールするのがかなり難しくなった。二軍選手も活躍しやすくなったとは言え、それは敵GKとの能力差で優位に立てるまでレベルアップしていることが前提である。 ---スルーは成功しにくくなっただけでなく、バランスを崩したり、倒れた時のGKの能力低下も前作までより緩やかになっており、こちらは弱体化しすぎの面もある。敵GKと能力差がありすぎるといくら必殺シュートを撃ってもパンチングされてしまうことがある。これにより主力以外でのゴールは結局困難のまま。 ---IIのGKを空中に誘い出してのスルーのような点の取りやすい方法がなくなり、弱い選手は主力に頼ってゴールを空にしてもらわないとなかなかゴールできない。 --全日本の主力選手は最終盤でも何かしら活躍できるようになっているが、スタメンの中では新田のみ例外。ゲーム中盤までは日向不在もあり得点源として期待できるが、相変わらず終盤では点を取れない半端なシュート力で他の役割ができるわけでもないステータスと不遇な性能になっている。必殺技の追加も特になくシュート技2つのみ。 -ドイツ陣では冷遇されているマーガスとメッツァ。 --マーガスは原作登場キャラクターでJrユース時代の全日本戦でシュナイダーの得点獲得に貢献しており、今作では彼も必殺技『ブラストヘッド』を習得している。 --メッツァはIIから続投のオリジナルキャラで、必殺技『トップスピンパス』でドイツのゲームメイクを担当する。 --が、シュナイダーは彼らの事には一切触れずイベント等も一切ない。汎用カットインなども用意されておらずオリジナルキャラの一人から主要人物に出世したカペロマンに比べ冷遇されている。 ---とは言え、どちらの必殺技も専用のものだったり、強さの面ではしっかりと存在感を示しているため埋もれてはいない。特にメッツァは確実に他の選手にボールが渡ってしまうのは厄介。こちらでいう早田のポジションである。 -オールスターモードの人数がやや偏っている。公平な対戦は難しい。 --VSより使える選手は増えているのだが、それでも使えるのは基本的に日本・ブラジル・ドイツのキャラで、あとは原作出身のキャラや新キャラが少数いる程度である。例え独自の必殺技を持っていても、使用することが出来ないキャラの方が多い。特に言わずと知られた日本最弱の代表GK森崎や、高い人気を誇るバビントンが使えないのはファンには少々残念。最終戦で苦戦させられたシェスターやマーガスもクリアしたプレイヤーは自分の手で使いたくなった事だろう。 --DFがかなり少ない。ほとんどが日本の選手で、海外勢だけで組もうとすると1チームぶんに足りない。本職の海外DFはロブソン(イングランド)とディウセウ(ブラジル)の2人だけ。((原作から守備も上手い設定のMFピエールも本作ではDFとして起用するには無理がある。))しかもディウセウは必殺ディフェンスがあるだけで守備関連ステータスはDFと思えないほど低い。ガルバン(アルゼンチン)、リブタ(オランダ)の名DF二人や本来はMFだが『スパイラルパスカット』でDFとして大活躍できるであろうシェスター(ドイツ)が使えないのが痛い。 ---日本の正規DFは松山・石崎・次藤・早田の4人。海外勢と合わせて6人のため&bold(){どちらかがDF4人のフォーメーションを使った時点でDFが足りなくなる。}ポジション適正がある必殺ディフェンス持ちを加えるとすると岬・日向・立花兄弟辺りをDFにするしかない。もしくは基礎能力の高く、漫画版でも後にDFにコンバートする三杉。 --またVSでは1P対CPU限定でできた、チーム単位での選択もできなくなっている。 --選手選択時に能力を確認できないので選手の能力を知っているプレイヤーが圧倒的に有利。また必殺シュートは燃費が悪いので主人公や敵エースよりも必殺ディフェンスの使えるキャラクターを確保するのが重要である。 ---該当するのはディウセウ、松山、日向、岬、立花兄弟辺り。彼らは攻撃技も強力でいざという時は攻撃に参加できるのも大きい。 ---ただし立花兄弟は基本性能が非常に低く、守備だけでも二人取らないと真価を発揮できない。それを阻止するためにもう片方が取ってしまうと、両方のチームに必殺技の使えないお荷物ができてしまうことになる。ゴールを狙うならさらに次藤が必要。 --キーパーの能力差も激しく、特にミューラーは本編のぶっ飛んだ基礎能力値でそのまま使える為((本編でのドイツの選手が強いのは敵のガッツ無限の仕様やレベルが非常に高いのもあり、同レベルに揃えられるオールスターではシュナイダーでも大分落ち着いた強さになるのだがミューラーだけはそもそもの能力値も高すぎる。))、''ミューラーを取ったほうが勝ち''といわれるほど。そして選手は''必ず1Pが先に選べる。''((この「最強のGKを先に取った方が勝ち」という傾向は以降の作品でも続いてしまった。4ではラムカーネ、5ではジウマールを取った方が勝ち。)) ---もう一人の必殺なしGK若林は逆に1弱になっており、本編以上に悲惨。完全なる劣化ミューラーであり、本編での「ガッツが切れたら出場」という存在意義も、必殺持ちキャラをスタメンと控え両方に置けるので…。 --他にも翼のネオサイクロンが同レベル環境だと強すぎると言われたり、ガチで対人戦する場合は使用キャラや必殺技に制限を入れる必要がある。 ---まあ、あまり勝ち負けにこだわらないチーム編成でのプレイが一番楽しいかと。 --相手のコントローラーを見ながらのプレイはタブー。 -いくつかの対戦国について情報のミスや違和感のある描写がある。 --ベルギーの国旗のデザインにミスがある。 ---ゲーム中では左から「黒→赤→黄」となっているが本当は「黒→黄→赤」。 --韓国の選手の苗字が全て異なったものにされており何か無理のある感じを受ける。 --イングランドの旗にユニオンジャックが使われている。 ---- **総評 IIからのゲームバランス変更には賛否が出るかも知れないが、全体としてはよりシステムが整えられて遊びやすくなっており、演出やシナリオも完成度が高い。本作も良作に値する出来である。二人プレイで盛り上がれるというIIにはなかった評価点もあり、VSより対戦環境も整えやすい。「キャプテン翼シリーズで面白いのは?」と聞かれたら、間違いなくIIかIIIという答えが返ってくるだろう。 カルロス、コインブラも良いけど、やっぱり最強はシュナイダーであってほしいという無印原作ファンにお勧めの一本。ストーリー的にも前作を知っていなくてもある程度遊べる作品なのでテクモ版キャプテン翼の入門編としても最適。 ---- **余談 -前述のフランスGKアモロといえば「ボールを弾くどころか触れることすらできずに終わった」=「森崎をも上回るザルキーパー」として有名で、こんな男がシリーズ通してフランスの正GKに収まっていたのだが、本作ではフランスのクラブチーム(岬のエピソード)を使う機会がありシャンゼリゼのジュスト、モンマルトルのティボーというフランス人キーパーが登場するのだが、二人ともアモロより基礎能力が低い。つまりアモロのような男でもちゃんとフランス最強のGK((もちろんアモロが強いのではなくジュストやティボーがそれに輪をかけて弱すぎるだけ))ということが証明された。&s(){同時に最強でも森崎以下というフランスの深刻なGK事情が垣間見えることに…} -携帯サイトのテクモのメロディにて1・2と同様に3のBGMが着信メロで配信されていた。しかしテクモがコーエーと合併したことによりサイトがコーエーテクモセレクションに移行。その際に3の着メロのみが何故か削除されてしまっているため現在はDLできなくなっている。 ----
*キャプテン翼III 皇帝の挑戦 【きゃぷてんつばさすりー こうていのちょうせん】 |ジャンル|スポーツ・シミュレーション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/31E-XMaw4vL.jpg,width=100,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068HCB)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|8MbitROMカートリッジ|~| |発売元|テクモ|~| |発売日|1992年7月17日|~| |定価|8,900円(税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|時事ネタを取り入れた良ストーリー&br簡単すぎず難しすぎずの難易度&br対戦モードを初実装|~| |>|>|CENTER:''[[キャプテン翼シリーズリンク>キャプテン翼シリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 名作と名高い『[[キャプテン翼II スーパーストライカー]]』の続編が、満を持してスーパーファミコンに登場。~ ストーリーは前作同様にゲームオリジナル展開で、ドイツが開催したユース大会『ユニバーサル・ユース』を巡る物語。~ 本作から現実世界における東西ドイツの統一が作品世界にも反映され、西ドイツユースがドイツユースになった。((IIの発売日時点ではまだ東西ドイツは統一への過程にあり、IIでは西ドイツユースのままだった。VSも翼達の小学生時代が舞台なので、まだ統一はされていない。なお「統一」と一口に言われることが多いが正しくは「東ドイツがなくなって西ドイツに吸収併合」であり首都が旧東ドイツ側にあったベルリンに移した以外は旧西ドイツを母体としている。)) ---- **特徴 FC時代に完成されたシステムは、より強化された上でほぼそのまま継承されている。ゲームボーイで発売された『[[キャプテン翼VS]]』の要素も一部追加された。 -VSまではゲームの再開はスコアメモ(パスワード)を使っていたが、今作からセーブ方式になった。データファイルは3つ。 -これまでの作品から能力値設定の見直しが行われ、ガッツを除くステータスの成長は全選手・全パラメータで1レベルアップにつき1ポイント上昇する形に統一された。これにより選手間の能力格差が縮まった。 --前作までと比べてGKの飛び出しやシュート&ドリブルに備える能力が後半も伸びるようになったため、高レベルで直接対決に持ち込んでも簡単には得点できなくなった。 --GKがバランスを崩したり、倒れた時の能力低下がこれまでと比べて緩和された。 -IIで強すぎたスルーが弱体化され、IIでは簡単にできた「空中でGKの飛び出しを誘い出してスルーし、ゴールを空っぽにする」戦法が取りにくくなった。 -新必殺技が多数追加された。従来の必殺技の強化版から、それまで使えなかった系統の必殺技の補強など、バリエーションは豊か。 -演出面が強化され、特定キャラ専用のカットインが増加した。 --IIでは若林のみだったクリティカルセービング時のカットイン((クリティカル自体はすべてのキーパーに存在したが森崎、若島津はコマンド時の画像に台詞のみでそのほかは何も無しだった。))も全ての主要GKで発生するようになった。 -全体コマンドが追加され、チーム全体に指示を出せるようになった。 --チーム全体のラインを下げる「みんなもどれ」は誰でも無制限に使用可能。 --翼や日向などの一部選手はガッツを消費して自分のドリブル速度を上げ、チーム全体のラインを押し上げる「みんなあがれ」が使える。松山は専用コマンドで「なだれこうげき」を自発的に再現できるようになり、三杉は同じ効果の「ファストブレイク」を使えるようになった。 ---ただし、「みんなあがれ」を使えるのは、対象となる選手を5番・8番・9番・10番のいずれかのポジションに据えた時だけである。また「DFオーバーラップ」を指示できるようになり、DFの攻め要員起用も容易に。 ---これにより、従来作では敵専用だったフィールド上でのドリブル倍速がプレイヤー側でも使えるようになった。 ---「なだれ攻撃」「ファストブレイク」は本人のみが必殺技級にガッツを消耗するが「みんなあがれ」「みんなもどれ」は全員のガッツを均等に少量消耗する。 -こちらがドリブル中に複数の敵と接触した時、敵ごとに個別にコマンドを選択できるようになった。これにより、ドリブルで抜いた後にパスやシュートができるようになった。 --必殺ドリブルは消費ガッツが下がった代わり、敵一人ごとにガッツを消費するようになった。通常のドリブルも同じく、敵一人ごとのガッツ消費。 --敵との接触時に、敵選手のレベルやステータス、必殺技の有無を確認できるようになった。 ''VSからの追加要素・変更点'' -2PやCOMとの対戦モードである『オールスターモード』が追加された。VSで初採用された対戦モードを更にブラッシュアップしたものとなっている。レベルはセーブファイルで最も高いものに合わせられ、本編の攻略に伴って必殺技が追加されていくようになった。 --2P対戦モードではコマンド入力が『十字ボタン+A・B・X・Yボタンのどれか』と言う形に変更されており、画面だけではどのコマンドを入力したのかが分からないようになっている。 --また、本作ではオールスターモード専用の必殺技も用意されている。 -ミーティングや全体コマンドなどで敵選手にマークがつけられる様になった。VSと異なり、味方選手一人につき敵選手を一人マークさせ、その選手の近くへ張り付かせる方式に変更された。以後のテクモ版でもマークはこの方式で定着している。 -VSで一旦撤廃されたロスタイムや、反則などの試合中のハプニングが全て復活した。 -VS同様、モブ選手にも全て固有の名前が付いた。据え置き機作品では初の試み。 -VSにあった天候の概念は不採用となっている。 ---- **評価点 -試合演出、ビジュアルシーンの強化 --2でも相当なものだったが、SFCになったことで、''演出面がさらに強化されている''。 --各キャラ固有のカットインが大幅に増えた。 --ダイナミックなアニメーションや演出がこれでもかと使われている。前作でもあった「○○くん ふっとばされた!」も、見ごたえのあるものに仕上がっている。~ 特にフィールダーとGKで演出が違うのが見どころ(本作ではGKのみ「○○くん ふっとんだ~!」に変わり、演出も異なる) -敵チームのメンバー全員に名前がついた。 --前作までは主要キャラを除いて「てきの○ばん」や「てきのキーパー」と呼ばれていたが、今作からは全員固有名詞となっている。 --一部でカルト的な人気を誇る「ボッシ」「アモロ」など、原作登場ながら前作まで上記の扱いになっていた者も原作通りの名前で参戦している。 -イベント密度が濃く、練りこまれたゲーム進行 --ほとんどの試合で何らかのイベントが用意されるようになり、今までの作品でありがちだった淡々とした消化試合がほぼなくなった。 --ストーリー前半は翼率いるサンパウロFCを中心に海外で活躍する日本の各選手(岬、日向&若島津、松山、若林)の試合をプレイする。 ---今までは同じチームで一つの大会を最後までプレイしていたため、どうしても展開が単調になりがちだったが、サンパウロの試合の合間に他の選手たちの試合が入ったため、中だるみせずプレイできる。 ---海外遠征編はチームによって違う戦略を要求される。例として岬のシャンゼリゼはナポレオンがいる代わりGKのジュストが非常に弱く、岬とナポレオンの二人で協力することが重要。若林のハンブルガーSVはIIにいた名有り選手(カルツ、メッツァ、カペロマン)がストーリーの都合で全員不在のため、モブ選手((しかもCFクラインでさえドリブルタイプのFWなのでシュート力は高くない。))だけでゴールを奪いに行かなければならない。((実は敵のGKメッテルニヒは基礎能力では森崎よりも弱いのだが、味方攻撃陣がもっと弱いので鉄壁のGKに見えてしまう……。またレベル差によるハンデも大きい。))シュナイダー以外の選手の戻りが異常に遅い為シュート撃ち放題ではあるのだが。 ---またこの時にドイツ陣が研修という名目で敵として登場し新必殺技等を披露することで今回のドイツの強さを引き立たせている。 --ストーリー後半の全日本編も前作までは最初からフルメンバーだったが、今回はストーリーの進行具合に応じて順次合流していく展開になった。 ---今まではやりこみプレイでしかお呼びではなかった控えメンバーにも(あくまでつなぎ程度だが)スポットが当たるようになった。 ---メンバー合流後も様々なハプニングの発生により、前作までのようにスタメンが固定しにくくなっている。フルメンバーが揃うのは終盤のフランス戦になってからである。 --試合総数はIIよりやや少なくなっているが、1試合にかかる時間がやや増えたので体感的な総プレイ時間は大きくは変わらない。 -秀逸なオリジナルストーリー --テクモのオリジナルストーリーは引き続き良い出来栄え。最初から最後のラストバトルまで、物語は一貫している。 --前作ではオリキャラに見せ場を譲ることになったドイツユースにスポットが当てられ、見事に面目躍如を果たすことに成功している。原作ファンにも嬉しい作りである。 --他にも原作で少しだけ名前の出たキャラクターもしっかり登場していたりと、原作をしっかり研究して作られている。原作ファンもニヤリとさせられる。 ---新キャラと既存キャラが双方の魅力を両立というテクモオリジナルストーリーの好評要素は、より磨きがかかっている。 #region(ストーリーに関わるネタバレ要素あり) --前作で翼が修得した必殺シュート『サイクロン』は本作でもストーリーに大きく関わってくる。 ---本作ではサイクロンに脚へかかる負担が非常に大きい欠点があることが判明し、この欠点の克服や、脚の負担を乗り切れるかが翼にとって大きな試練となっている。 ---終盤のイタリア戦では翼の脚の負担が限界に達して途中退場するというハプニングが発生し、次のアルゼンチン戦で翼は欠場を余儀なくされる。 ---だがディアスの前転シュートを見てサイクロンの欠点を克服するヒントを得て、フランス戦で復帰した際に新必殺技『ネオサイクロン』を編み出して復活する。 ---しかし脚が完治したわけではないため、脚の負担には最後まで悩まされることになるが……。この一連の流れは本作の大きな見所の一つ。 --前作で味方になってからは、ほぼいるだけ状態となっていた日向に大きな見せ場が与えられている。 ---ウルグアイ戦後に視察に来たミューラーにネオタイガーショットを完璧にキャッチされ、怒りと共に自分の力不足を痛感した日向は、修行のため勝手に全日本ユースを離脱してしまう。 ---だが翼が途中退場して絶体絶命のピンチに陥った全日本ユースの下へ、より強力な必殺シュート『ライトニングタイガー』を引っさげて帰ってくるという、日向ファンには嬉しい展開であり、「走れイナズマ! うおおおお~っ!!」というセリフとともに、強烈なインパクトを見せ付けた((原作WY編で登場する、雷獣シュートの元ネタではないかとも言われている。))。 --なんと石崎までもが(?)必殺シュートを習得する。 ---ただしこれはそれほどストーリーに大きく絡むイベントでもなく、必要性も薄い(ぶっちゃけ弱い)ため、~ どちらかと言うとファンサービスの要素が強いか。 --ラストバトルはもちろん日本vsドイツ。本作は''当時の現実世界の出来事を元に、この二国の選手たちが戦う理由付けがされており''、リアリティを感じさせるシリーズ屈指の熱いシチュレーションになっている。 ---試合前にアナウンサーより『ユニバーサル・ユース』は東西ドイツ統一を記念した大会であることが明かされる。シュナイダーたちは全てのドイツ国民の誇りを背負い、この大会に向けて世界各地で特訓を重ねてきた。 ---対して日本はプロサッカー発足前の時代であり、この大会での活躍によって設立を目指して戦う。翼たちは日本のサッカーの未来を担っており、互いの負けられない理由がぶつかりあう。 #endregion -今作登場のオリジナルキャラ --''手を使わず、必殺セーブの雷斬脚でシュートを蹴り返すGK「ルー(中国)」''、''GKとしての能力は最強で必殺セーブ『シャドーシールド』まで持つがスタミナが無く、後半戦で能力がガタ落ちする「ラムカーネ(ベルギー)」''((ただ今作では、シャドーシールドには他の必殺セーブのような補正が無いため、通常キャッチと同性能である。))、''言動がエセ外人風のナルシストで出る作品を間違ってるとしか思えない上、ドリブル時のグラフィックが専用の物になっている「ミハエル(アメリカ)」''等前作とは趣を変えたオリジナルキャラクターたちが登場する。 ---彼らはあくまで(キャプ翼内での)二流国チームでの登場なので、独自のインパクトを持ちながらも今作のストーリーに関与しない為、原作や前作までのオリジナルキャラ達の個性を奪うようなこともない。 -獲得経験値の大幅な増加 --前作までは負け越しでのレベル上げ前提の難易度だったが、今作では1試合ごとの獲得経験値の大幅な上昇により、あまり負け越しを気にせずプレイできる。 --''順当に勝ち進めば1試合で2レベルは確実に上がる。''と書けば凄さが判っていただけるだろうか。 ---あまり現実的でなかった無敗クリアも、稼ぎプレイをしていなくても可能になっている。(もちろんクリアまでにはかなりの数のリセットがいるが) --負けた時の経験値も上昇しており、再試合も楽に勝ち進めるので苦にならない。 -従来作で使いにくかった全日本の選手が強化された。必殺ディフェンス全般の強化でDF達はかなり頼れるようになっている。 --特に、イマイチな印象が強かった松山の強化具合が群を抜いている。前作はスタメンDFで唯一必殺ディフェンスなしでほとんどボールを奪えなかったが、VSのスライディングタックルを強化継承した「イーグルタックル」を獲得。 ---ついにプレイヤー側が使用できるようになった「なだれ攻撃」で味方全員をゴール前に送り、自陣から「イーグルショット」((距離による補正がないのでどこで放っても威力は100%になる。))でボールを運ぶという、通称「なだれイーグル」という戦法が猛威を奮った。 ---コーナーキックや直接フリーキックが敵DFに防がれにくくなったため、これらの場面からイーグルショットを狙いやすくなったのも追い風になった(これらの状態から打つシュートは通常よりも威力が上がる)。 ---役どころが全日本のキーマンになりやすいことから、「影の司令塔」「キャプテン松山」と呼ばれ親しまれることになった。OPで三杉とともに専用グラフィックで出ているのも見逃せない((前作は翼、岬、日向、若林のみだった))。 --岬が必殺パスカット技「ムーンサルトパスカット」を習得。十分強かったとはいえステータスや技のラインナップ上は劣化翼であったところを、守備面では翼より強いという差別化がされた。 --若島津はさすがにVS程の性能はないが、IIと比べると若林との性能差が縮まり、最後まで十分に使えるようになった。前半は若島津を起用し、ガッツが切れたら若林にスイッチという戦術が実用的になった。 ---VSで習得した後ろ回し蹴りと手刀パンチングは削除されたが、対空迎撃技「あびせげり」が追加。原作通り空中で競り合った選手を吹飛ばしてゴールを守ってくれる。またセービング失敗時に低確率で手刀を繰り出してボールを弾く隠し特殊技「手刀ディフェンス」がある。 --早田は「カミソリタックル」の強化は勿論、「カミソリパス」がほとんどカットされなくなるという大幅強化を受けた。翼が得点役という都合上、意外にも彼がゲームメーカーとして活躍できる。 ---松山の「なだれ攻撃」や三杉の「ファストブレイク」とも好相性で「なだれ攻撃orファストブレイク発動」→「早田にパス」→「早田が自陣のサイドまで下がって敵を引き付けている間に味方はグングンゴール前に前進」→「カミソリパスでその味方に送る」→「強力なダイレクトシュートのラッシュ攻撃」という合わせ技も非常に有効。&s(){勿論普通ならあからさまにオフサイドだが…} --次藤もパワーディフェンス、特に「パワーブロック」の強化でシュートどころかドリブルにもボール奪取しやすくなった。更に「強引なドリブル」が凄まじく強力になり、ボールキープ&切り込み役として早田とはまた違った攻めもできるDFに。 ---「強引なドリブル」は日向も使えるが、彼は必殺シュートを打たせるためにガッツを温存したいので、これで敵陣を突破するのはおおむね次藤の役割。次から次へと敵を吹き飛ばして突き進む様はまさに重戦車である。 --石崎は「顔面ブロック」が浮き球のシュートに対しても使用可能になった。敵のツインシュートやオーバーヘッドキック、必殺ヘディングなどを阻止できる。 --立花兄弟は追加技こそないが、やはり「スカイラブタックル」などのディフェンス技が強化。補正が強いので、ステータスの低さを感じさせない守備力。特にゴール前の競り合いで重宝するスカイラブパスカットの消費ガッツが100と大幅に軽減されているので(前作では180だった)、ゴール前の競り合いなどでは積極的にガンガン使っていける。DFで起用して「DFオーバーラップ」機能を利用して「ゴール前のパスカット要員に起用しつつ、いざと言う時に攻めさせる」といった起用もできるようになるなど一層便利になった。 --その他、レナートや森崎も若干だが強くなっている。シナリオ上の使用機会は大幅に減ったが、2と違い適正レベルではそこそこ頼れるようになった。 ---この両名は3が一番強い。森崎はプレイヤーチームの増加により本作から味方最弱GKを脱し、レナートは必殺技はないが若島津に匹敵する能力値とどちらも設定に近い強さになった。弱めの必殺シュートならそこそこ止める。前作経験者なら、初戦からサトルステギとリベリオという必殺技持ちが2人もいるので「最初から大苦戦しそう」と思いがちになるが、このおかげでコリンチャンスが初戦の相手として無難な強さになっている。((前作では異様な破壊力を誇ったサトルステギのダイナマイトヘッドも無難な強さに抑えられている。)) ---ついでに(?)アモロまで強化されており、もはや別人のような守備を見せてくれる。ネオサイクロン初披露で必ず1点奪えるイベントがあるが、それ以外ではなかなかの強さである。もっともこれはアモロ自身の基礎能力ではなく2戦前のイタリア戦で起きる大レベルインフレ(後述)の恩恵に起因するところが大きいが。 --レベルアップ速度が上がったり、能力差が少なくなったことで、いわゆる二軍選手でのプレイもしやすくなった。 ---ニコニコ動画にも最初から最後まで二軍選手でプレイしたプレイ動画がアップされており人気を博している。 --全体的な味方の強化により、ゲームバランスは歴代でも随一。全日本もほとんどの選手が活躍できる。 -秀逸なBGM --テンポよく聞き心地よいBGMは引き続き好評。SFCになったことでよりパワーアップしている。 ---殆どの曲は本作からの新曲。オープニング、前後半終了5分前、PK戦、ブラジル戦、全日本決勝戦(前作の南葛高校の曲)のBGMは前作からのアレンジ。 ---全日本ユースのBGMが複数用意されている。場面展開とともに切り替わっていき、物語にメリハリを出している。 ---特にラストバトルのVSドイツ戦のBGMは評価が高い。敵チームの強さも相まって、プレイヤーに強烈な印象を与えることになった。携帯の着メロでもこの曲が真っ先に配信されていた。 ---本作では更にアルゼンチンにも専用BGMが追加され、終盤では専用BGM持ちのチームばかりという豪華な展開に。しかし、フランスには専用BGMが与えられていない。 --前作同様サウンドテストの裏技があるので、好きな曲を聴き放題。 -オールスターモードの追加 --各キャラ自由に組み合わせて、オリジナルチームを作って対戦できるオールスターモードが追加された。敵キャラクターを実際に使ってみることができるようになり、楽しみの幅が広がった。 --VSではソフト2本&本体2台と通信ケーブルがなければ対戦できなかったが、今回はソフト一本とコントローラー2つあれば対戦可能であるため、特別な準備が必要なくなった(SFCは本体に標準でコントローラーが2つ同梱されていた)。 --操作の仕方も、旧来通り(1P時)では相手に見えてしまうため、十字ボタンとA・B・X・Yの組み合わせで選択する形式が取られ据置機にしっかり対応している。 --ただしストーリーはなく、一度試合をしたら終わりである。また作成チームをセーブしておく機能もない。 --1P側「キャプテンズ」は全日本ユース最終曲、2P側「ウィングス」はドイツの曲が使用されており、ユニフォームもそれぞれのものとなっている。 --同点で終了した場合はPK戦になる。 -特殊な条件でのみ出せる隠し技が増え、それらを見つける楽しみが生まれた。 --若島津の手刀ディフェンスの他、シュナイダーと翼によるコンビ技『ファイヤードライブツインシュート』、オールスターモードのCOM戦で翼と日向を敵にした場合のみ使ってくる『ツインタックル』、エース格の選手が必殺シュートをカットした時に低確率で打ち返す『奇跡のカウンターシュート』等が追加された。 ---- **賛否両論点 -本作からプレイヤーチームに試合中イベントに関わる選手の強制出場がある。((誰と話しているのか、監督に外すわけにはいかないと反対される。)) --前作では全日本で翼を欠場させたのにもかかわらず試合後のイベントで試合中の話をするなど不自然なこともあったため当然の処置ではあるものの、2軍選手のみでのプレイをしようとしていると鬱陶しく感じるかもしれない。一応翼や松山など普通プレイなら絶対に外さないだろう選手が大半。 --他にもベルギーユース戦では一時的に大幅弱体化している日向((試合前にステータスを確認すると本来通り強いが、試合開始と同時に立花兄弟クラスまで能力が一気に下がる。))を必ず使わなくてはいけないなど、外したいのに外せない場面がありもどかしい。 -前作までと比較して、パスやシュートの威力を弱める「○○くんにあたって いきおいは よわまった!」が出にくくなった。 --前作までは能力が低い選手でも相手の体勢を崩したり、パスやシュート(必殺シュート含む)を自動カットする時にボールの勢いを弱めることが結構あり、ここから次の選手の行動に繋げてカットできる可能性を広げる役割があった。しかし今作では能力差があるとそれが全くと言っていいほど出来ない。 --一方カット側の能力が優位になると、身体に当たると「はじいた!」「○○くん ボールをとった!」が出やすくなり、パス・シュートのカット結果が二極化しやすくなった。 ---演出が長いのもありこちらの選手が「だが とどかない」になるのが分かりきっている時はややイライラするかもしれない。 --この変更はマイナス点ばかりではなく、威力が上昇する直接フリーキックやコーナーキックからのシュートを防がれずにGKまで届かせることが容易になったという利点もある。 --なお、IV以後の作品でもパスやシュートのカット結果は二極化しやすい傾向にある。 -''わかばやしくん ふっとんだ~!'' --若林の能力がIIと比べてさらに下方修正され、ステータス上での若島津との差はさらに縮まった。更にIIでの他のキーパーよりかなり高確率でクリティカルが発生する特徴も消滅。ペナルティエリア外シュートへの補正、GSGK((WY編以降は『S・G・G・K=スーパーグレートゴールキーパー』で固定されているが、そもそも起源は無印時代に『S・G・K=スーパーゴールキーパー』と一度だけ呼ばれ、その直後『G・S・G・K=グレートスーパーゴールキーパー』となり、それが公式な呼称(但し最後に一度だけ『S・G・G・K』)となった。テクモ版では最後の一度が誤記と判断したのか常に『G・S・G・K』で統一されている。WY編以降の悪印象も相まって現在も『G・S・G・K』の方を好んで使う人も珍しくない。))はⅣ以降であり、本作は強みに乏しい。 --普通に進めていると、まずハンブルガーSVではシュナイダーの必殺シュートでよく吹っ飛ぶ。更に全日本合流後ユニバーサル・ユース初戦のロリマーのバウンドショットでパンチングが届かず失点してしまうことも珍しくない。合流直後でこの有様なので、後の強豪チームの必殺シュートを受けるのは更に厳しい。「''ザル林''」「''俺が止める(笑)''((最終戦の試合前ミーティング時の「ネオファイヤーショットは俺が必ず止める!」という本人のセリフが元ネタ。実際は相手の高いレベルも相まって、全く止められず宙を舞う。それどころかシュナイダーのオーバーヘッドやボレーシュートでも厳しい。一応擁護(?)すると若島津や森崎でも止められない。))」「''帽子をかぶった森崎''」などひどい言われようを受けている。 ---これは普通に進めていると敵とのレベル差が開いてしまうのが原因の一つであり、基本ステータス自体は全GKの中でも高い部類に入る。レベル差が縮まってくれば一部の強必殺シュート以外は止められるようになってくる。 --一応、必殺技持ちの若島津に何故か基礎能力から完敗しており、森崎+αの能力しかなかったVSと比較すれば、一応段違いに強化はされているがこれは&s(){VSが若林に恨みでもあったのか…いや、}VSでは序盤でプレイヤーキャラとして使えた影響で異常なほど弱く設定されていただけなので、これと比べること自体がそもそも間違っている。 --とは言っても、同レベルの若島津が必殺技を使えば1とはいえ数値が上回ってしまう。必殺技の追加で若島津が器用になったのもあり、本作ではガッツ切れにならない限り若島津の方が安定して強い、という評価で固まっている。 ---そんなわけで若島津の方が強いことに気付いたプレイヤーは正GKに若島津を使ったが、シナリオ上は若林が正GKとされているせいか展開上若林がゴール前に立っているイベントが多く不自然なことに。若林の強制出場があったらそれはそれで困っただろうが。決勝戦の前半終了時には&s(){「あんた出てないってば…」とツッコんだ人多数。} //-バビントンが「ヘディングシュートを苦手とする選手((こう明言されてはいないが高いボールでのシュート値が地上時よりも大幅にダウンしている。))」になった。 //--しかし、これによってボールの高低に関係なくペナルティエリア内で強いシュートを打てるCFジウの重要度が増し、同時にバビントン自身の「翼に次ぐ第2のゲームメーカー」的な位置づけが濃くなった。 //これは流石に賛否両論にするまでもないと思う #region(ミハエルのキャラクター性について) --本人は真面目(?)に''美しいサッカーをしている''だけで''意味もないシャワーシーンやグラウンドに白馬に乗って入場する原作のピエールのように''あからさまにナルシストなキャラクターではないのだが、やはりその行動はキャプテン翼の中では相当違和感がある。能力もかなり高く((「ブロック」及び、高いボール・低いボールの「トラップ」と「クリアー」こそ並以下だが、それ以外は全キャラクターでも15位以内に入っている能力値が多い。特に「パスカット」は全選手でもトップクラス。))、必殺ドリブル「ローズダンサー」は全ドリブル必殺技でもトップクラスの性能。 --ユニバーサル・ユース本戦では必殺シュート「ローズバスター」を修得する。更にタックルを仕掛けると、確率で''彼が新調したばかりのソックスが破けるイベントが発生することがある。こうなるとその怒りでミハエルの各能力が大幅に上昇し、その時点での全日本ユースでは全く手が付けられないほどになってしまう''。本戦でのアメリカチームのレベルのまま、ラストのシュナイダーとも渡り合えるくらいと言えばその凄まじさが分かるだろうか。 ---キャプテン翼の世界観に合わないキャラ設定と妙に高い能力、普通に考えれば反感を持たれる類のキャラクターであるが、初登場当時は原作が終了しており、ワールドユース編も連載されておらずゲーム版しか知らないという人も少なくなかった事と''彼が執着する選手は石崎である事''、原作にあまり関連がない((一応、東映漫画祭りのJr.ワールドカップ編にて登場しているのだが))アメリカユースの選手で本シナリオにあまり絡まない形での登場である事、あまりにも方向性の違いすぎる行動、言動の為に''他のキャラをかませ犬にしたり、持ち味を殺してしまう''様な事も無く(むしろ石崎は発奮して必殺技を習得している)コメディリリーフとして違和感無く受け入れられるように配慮されている。 ---その結果か4と5でも登場し石崎とのコミカルなイベントが発生する。特に5ではワールドユース編の連載の煽りで殆どのオリジナルキャラクターがリストラ、大幅な弱体化される中''原作でもやりそうにない間違った''パワーアップ方法で登場するなどテクモスタッフにも気に入られているようだ。 #endregion //-コインブラが弱体化しているのは仕方がないとは言え、旧作ファンは残念かもしれない。 //--ドイツはかなりの強さなので何度も負けてブラジル戦をプレイすることとなる。上記の通り今作はLVの上がり方が激しいのであっという間に簡単に勝てる弱さになっていくのも残念な所である。((相手チームのレベルが、イタリア53、アルゼンチン54、フランス55と段階的に上がっていくのだが、ブラジルはなぜかフランスと同じ55レベルで、ラスボスのドイツは一気に61レベルまで跳ね上がるという極端な変化になっている。ブラジルはフランスとドイツの中間の58レベルにした方が良かったのでは無いだろうか。それならブラジルも手強い敵となって適度に負けてレベルを上げて順当に勝つようになり、ドイツに負けた時の再戦時でも極端に弱くは感じなかったはず。)) //--ただし今回カルロスとの合体シュート「リーサルツイン」が追加されている。~ //COMのAIの都合上なかなか使ってくれない((ブラジルユースのFW、MFは全員必殺持ちのため、センタリングをほとんどしない。))のが難点ではあるが、ゲーム中最強のシュートのため撃たれたらほぼ失点が確定する。初披露の際には専用の決め台詞も用意されており、非常にかっこいい。((だが、この時のカルロスとコインブラの台詞が入れ替わってしまっているような気がする。「完成されたスーパーストライカーのパワーを見よ!!」と叫ぶのがカルロスの方。親友となったコインブラの力を讃えていると解釈するか……?)) //--また、弱体化したとは言えドリブル倍速からのマッハシュートも脅威。((マッハシュートは前作の「急速にボールが揺れて消失する」という演出から、試合場の外の上空遙か彼方に飛んでいって見えなくなった……と思ったら目の前にワープしてきたという感じに変わっており、ダークイリュージョンと同じく超能力技であるかのように見えてしまう。)) //--ちなみにオールスター時の彼の能力は多くの部門でトップであり、総合能力も三杉と並んで1位タイで、当然シュナイダーやディアスや翼よりも上。倍速ドリブルとリーサルツインも対戦では非常に強力で前作ラスボスとしての立場は十分。単に前作でのラスボス補正が無くなっただけとも取れる。((また、オールスター戦でのドイツ選手も同じレベルで戦う事から「今作でのラスボス補正」が薄れ、コンピュータ戦のラスボスとして戦った時と比べるとどうもいまいちに感じなくも無い。シュナイダーのネオファイヤーショット、GKのミューラーはさすがに最強ではあるが。)) //ラスボスのシュナイダーより能力上でリーサルツインの性能もネオファイヤー以上、倍速ドリブルもほぼそのまま、これで弱体化して残念とか原作強キャラより上で当然というのは贔屓目で見過ぎでは。 #region(サッカー選手にあるまじき日向の行動) --原作再現の意味もあるのだろうが無断でチームを抜け出すのはサッカー選手としては失格だろう。実際、原作でも中学時代に勝手にチームを離れた事でレギュラーを外され、復帰するまでにひと悶着あったのに、彼は何も学ばなかったのだろうか… --ただし、チームを抜け出さずスランプを抱えたままの5では''いないほうがマシと断言出来るほどに''能力が落ち込んでおり、''足手まといにならない為にあえてチームから外れていた''のだと言えなくもないが。((本作でも離脱直前の日向の能力は通常より落ちている)) --そして編み出した新必殺技『ライトニングタイガー』を引っさげてイタリア戦後半で復帰するが、特に反省している様子が見られない。 ---一連の行動には見上監督も怒りを露わにしているが、日向が戻ってきた時の全日本ユースは翼が負傷退場している危機的な状況のため、勝つことを条件に不問にしている。 --ドイツ戦ではライトニングタイガーを撃つとリベンジを狙う日向のセリフが入るが、初めてドイツ戦に着いた段階ではアッサリと止められてしまうことが多い。 ---しかし台詞を考察すると…~ ''日向「ミューラー! てめえの どてっぱらを えぐってやるぜ! くらえええええっ!!」''~ と明らかに殺しにかかっており、ミューラーを狙って打ち込んだのは確実である。 --なお、これらの行動は次回作以降も行われていく事となる。''テクモスタッフは日向を情緒不安定で浮き沈みの激しい殺人ストライカーと見なしていたのだろうか。''そもそも原作でもこんな人物だったので立派な原作再現ではあるが……。 ---IVでは、翼を逆恨みして必殺シュートで文字通り殺そうとする、ドイツ所属のポブルセンというオリジナル選手まで登場している。 #endregion -VSで採用されていた新必殺技の多くが不採用となった。 --松山や若島津のように名称や形式を変えて採用されたものもあるが、全体で見ると不採用の方が多い。 --VSの新必殺技は三杉・ピエール・ディアスの華麗なドリブル、ナポレオンの殺人タックル、シュナイダーのパワードリブルやカイザーアタックなど、IIまで選手が持っていなかった系統を補うものが多かった。 ---- **問題点 -前作同様、細かい部分ではシナリオの粗も見られる。 #region(シナリオのネタバレ注意) -前述の通り現実世界においての東西ドイツ統一が本作のシナリオにおいてピックアップされているが、元東ドイツ選手と明言されている人物が誰もおらず、肩透かしになってしまっている。 ---前述のDF3人とMFのフライタークを除き本作からの新キャラはおらず、本作のイベント上で出番があったり必殺技やカットインのグラフィックがあるのは全て原作若しくはIIで初登場の西ドイツの人物。モブが東ドイツの人物だと強引に解釈しても、そのモブ達は必殺技もないため印象が薄く、どう考えても主力は全員西ドイツ勢だろう。~ ただ当時の巷の認識は「西ドイツ=サッカー」「東ドイツ=バレーボール」という印象が強く、東ドイツのサッカーは最盛期(大体1970年代中期)を過ぎて久しいことなどもあって代表成績でもその差は顕著で統一したばかりの当時は大きく水を開けられていたため((オリンピックでは最盛期以外でもかなりの高成績を上げていたが、これはソ連・東ドイツなどの東側諸国(社会主義・共産主義国家)ではプロ同様に徹底強化できながらもスポーツ興行として行わないため名目上アマチュア扱いとなるため国内最強の選手で構成できたのに対し、西側諸国の強豪国西ドイツ・ブラジルなどの主力選手は名実ともプロだったためアマチュア規定に抵触することから出場できず、大幅に格が落ちる選手を代表にせざるを得なかった不利が大きい。実際ブラジルサッカーは当時のオリンピックではまるで強くなかった。))それを鑑みればまんざら不自然でもないのだが旧東ドイツは劣るとはいえ、そのトップ選手ぐらいなら充分レギュラー入りしてもおかしくないだろうし折角「ドイツ統一」をストーリーに取り入れているのだから新キャラとして必殺技やイベント持ちキャラの東ドイツ人を入れた方が、よりフィーチャリングできたことだろう。 ---IVでようやく東ドイツの主力選手(ドイツ統一によりシュナイダー達と合流した扱い)で必殺技やイベント持ったキャラ「フライハイト」が登場した。 --また、シュナイダーがシュート時に今大会に賭ける執念を語るシーン(通称演説ネオファイヤー)では、シェスターは「"シャンペンサッカー"と呼ばれる"個人技"を学ぶ」ためにフランスへ渡ったことが明かされるが、実際のシャンペン(シャンパン)サッカーは「シャンパンの泡のように美しいパスワークを中心としたサッカー」を指し、個人技とはむしろ正反対なスタイルである。 ---ただし、原作漫画の作中で「フランスのサッカーはヨーロッパでは珍しく個人技主体」と解説されており、現実に沿うか原作漫画に沿うかという問題の結果である。漫画のゲーム化である以上、「原作の設定は非現実的である」とはできなかったのだろう。 -ネオサイクロンの設定やモーションが、前作のサイクロンの設定と合わせると矛盾している。 --2で翼が生み出したサイクロンは「バックスピンをかけながらボールを蹴り上げ、落ちてきたボールをドライブ回転をかけて蹴る」ことで落下速度とバックスピンによりインパクトが遥かに強力になったドライブシュートを放つ、というものであった。~ 終盤翼はディアスの前転シュートをヒントに、踵で蹴ることでインパクト時の足の負担を軽減することを思いつき、ネオサイクロンに進化させている。 --が、このモーションが「蹴り上げるところまでは同じで、その後翼もジャンプし高空から前転で叩き落とす」というもの。~ キャプテン翼は元々、実現不可能な必殺技が飛び交う試合が魅力ではあるのだが、このネオサイクロンは少し考えただけでも前作の打ち方や原理と矛盾しており、よく突っこまれる。 ---ヘディングのように空中から叩き落しているため、どう蹴ったところで山なりに降下するドライブシュートの軌道にならない。そのため、ネオサイクロンは「いったん上空から降下し、再び上空に舞い上がり、分身したかのように多数の残像を出しながら再度降下する」という異常な軌道を取る。S字に曲がるダブルイールなど無茶な変化球は他にもあるが、このネオサイクロンは飛び抜けてはっちゃけ過ぎ。 ---そもそも蹴り方の関係でドライブ回転がかけられない。 ---空中で上から叩き落とすため「高所から落ちてくるボールを蹴る」という足を負傷したポイント自体がなくなっており、翼の言う蹴る足の位置の変更は特に意味がないものになっている。この点は本作単独で矛盾している。 --ただし、「サイクロン=強力なドライブシュート」というのはサイクロンとその使い手ジャイロの伝説を聞いた翼の推測であり、実際のサイクロンは全くの別物であったことが2のエンディングでロベルトによって明かされている。 ---そのため「負担が少なく、サイクロンの代わりになる強力なシュート」を開発したと考えれば別にドライブシュートでないこと自体は問題はないのだが、どう考えても全く別のシュートであるネオサイクロンを「サイクロンの進化・改善版」として物語上や翼が扱っていることで不自然さが出ている。 --4や5では、ネオサイクロンとは別の形でサイクロンを発展させていくのだが、翼の使用するものは実現可能かはともかく、ドライブシュートの強化と考えても矛盾しないものになっている。 #endregion -シリーズの中では本作のみ、原作初期からのライバルである日向と翼の直接対戦が存在しない。 --もちろんオールスターならできるのだがメインのストーリーとして組み込まれていないのはキャプテン翼作品としては少々物足りなさを感じる。 -プレイヤーが変更したスタメンを記憶してくれなくなった。IIでは記憶してくれたのだが…。 --ただ、本作はメンバーの入れ替わりが激しいため、記憶する意味が少ないと判断されたのかもしれない。それでもポジション替えをしたり三杉をずっとスタメンとして使いたいプレイヤーは不便だろうが。 --全日本の初期GKが若島津(原作JY編準拠)だった2までから若林が居る試合は全て彼に変更されるようになっている。…が、よりにもよって若林より若島津の方が実質的に強い本作でそうなったため、若島津に入れ替える手間が増えやすい。 -一部はⅡから逆に使い勝手が悪くなっている部分があったり、過剰に弱体化を喰らっているキャラもいる。 --立花兄弟+次藤の『スカイラブツイン』が高いボールで打てなくなったため、相対的に高いボールに弱くなってしまった。基礎能力は低いものの「浮き球であれば最強技が安定して高低両方で打てる」というのも彼らの強みであったため、痛い仕様変更。~ また立花兄弟がいる試合では必ず次藤もいるので威力に劣る『スカイラブハリケーン』と『ツインシュート』の存在意義はほとんどなくなった。実は『ツインシュート』自体は立花兄弟の能力を考慮してか大幅に強化されたのだが、その恩恵を受けたのは元から強い翼と岬である。((どういうわけか技威力は消費が上の『オーバーヘッドツイン』より強い。)) --立花兄弟のみならず全体的に低いボールの方が強いシュートが多く、高いボールで強力なのは岬+翼の『オーバーヘッドツイン』や三杉の『ハイパーオーバーヘッド』ぐらい((翼の『ドライブオーバーヘッド』もあるが『サイクロン』『ネオサイクロン』(ともに高低どちらでも可)に比べると中途半端))。リ兄弟(ハンネ・バンクン)の『昇龍脚』やサトルステギの『ダイナマイトヘッド』等吹っ飛ばす系ヘッド等は多少見劣りする上、その使用者は他の状態での技がなかったりでキャラ自身の使い勝手の悪さから使われないことが多い。『オーバーヘッドキック』は使用者は多いもののイマイチ決定力に欠け,その上何故かディアスがこれを使えなくなっているため、高いボールはハズレになりがち(特にオールスターでは)。 --ディアスとパスカルの『ゴールデンコンビ』((Ⅱ時代は実況での『アルゼンチンゴールデンコンビ』呼ばれるが正確には翼&岬と同じ技。))が削除された。これによってディアスの相棒であるパスカルはさらに不遇になり、必殺技なしのキャラに逆戻りしてしまった。オールスターでも特徴に乏しいためか使用不可になっている。 --ピエールとナポレオンのスライダーキャノンが''ピエールからのみ''、かつ''地上でのみ''発動可能に変更。前作で強すぎた感は否めないとはいえ、『エッフェル攻撃』から高低両方で打てて威力も最強クラスだった前作の頃の怖さはまるで無くなっている。 ---上記の仕様変更に加えピエールもナポレオンも空中シュートの追加が無いため新ワンツー技の『シュペルエッフェル』があまり活きていない。意味としては「スーパーエッフェル(攻撃)」という意味なのだが、そもそも旧来の『エッフェル攻撃』と何が違うのか分からない上に性能も低いし『エッフェル攻撃』そのものも登場しない。これでどうやってドイツに勝つつもりだったのか((なお、これは原作の『エッフェル攻撃』も同様なのでその再現とも取れる。原作のジュニアユース大会では最後の秘策として西ドイツ戦まで取っておくつもりだったのが結果的に日本戦で出さざるを得なくなってしまった。だが中身はただのパス攻撃で西ドイツのミューラー加入は計算外とはいえ、それがなかったとしてもこの程度の秘策で西ドイツの得点力に対抗できたかどうかと言われるとファンの間で疑問視されている。))。 ---ピエールは''ライバルの岬に勝っている所が無い''程度の能力しかなく、必殺技もナポレオンとのコンビ技の他は『スライダーシュート』だけ、シュナイダーやディアスのようなイベントでの強化も無しと不遇な扱い。 ---ナポレオンの能力は更に低く、得意の『キャノンシュート』も''ボッシの『サーブルノワール』にすら負ける''威力、エースストライカーとしてこれは屈辱だろう…。 //-経験値引継ぎキャラの都合上、立花兄弟のレベル差が発生しやすい。 //--経験値の引継ぎは政夫は第2のゲームメーカーであり優秀なバビントンから引き継がれるのに対して、和夫はタハマタ((全能力が最低限均一なバチスタに毛が生えた程度にドリブルやパスが上手いだけの選手。ドリブルタイプのFWならプラトンの方が能力が高いため、タハマタはあまり使われない。))から引き継がれるため、それまでの活躍に差が出やすく大抵政夫の方が高いレベルになることが多い。 //--それまでは初戦の「サンパウロVSコリンチャンス」から「シャンゼリゼ」「メキシコシティ」など各々のチームを経て「サンパウロVSフラメンゴ」まではいろいろチームを変えながら同じ番号の選手に引き継がれる((例えば9番のジウなら、その間に日向やナポレオンを介するためそこでグンと活躍した経験値が入る。))ことになるのだが、バビントンの8番やタハマタの7番はその間にモブ選手にばかり引き継がれる。そのため、そんなモブ選手は大多数その時点で高いレベルになっている選手が使われやすく、そこで更に差が開きがちになる。そんな状態で政夫や和夫に引き継がれる。 //--もっとも、開いても大きくて2レベル程度なのでそこまで顕著なものではなく、大して気にするほどのものでもないが、「同じ能力の選手がコピーのように2人いる」がウリの兄弟だけに多少気になるところではある。 //これもわざわざ問題点にするまでもないと思う。 -前作までと比べてゲームテンポが悪くなった。必殺技はともかく通常のパスでも相手に渡るまでに何度も画面が切り替わるなど、前作のスピード感が失われている。 --表現力が上がったおかげでかえって全体的に演出過多になったのが原因。得点に直結するキーパーとのやり取りは緊張感が上がっているとも捉えられるが、特にパスカットやタックルのあたりは大きくテンポを損ねている。 --リアルでのプレイ時間も長引く傾向にあり、30分ハーフで延長戦がなかった場合、Iは1試合約12~3分、IIやVSが15分前後で終わるのに対し、本作は1試合で大体20分前後かかる。 -キャラのサイズが前作より小さくなっており、表情まで見えた前作に比べると選手がやや迫力に欠ける。 #region(終盤戦について。ネタバレあり) -ユニバーサル・ユース本戦のイタリア戦と最終戦のドイツ戦で、敵のレベルが急激に上昇する。さすがにVSほどのステータス上昇はないが、それでも厳しいことには変わりない。 --イタリア戦は翼の脚の負傷が限界に達してしまい離脱するイベントがある上、次のアルゼンチン戦でもその状態を引きずるためかなり辛い。日向が復帰しているのが救いだが、初挑戦の段階では他の選手は殆ど得点できないだろう。 --アルゼンチンはディアスを始め強力な選手たちが大勢いる事はもちろん、その他の選手たちの能力がやたらと高い。なんと雑魚全員がパスカル、バビントンと同等の強さを持つ((このせいでパスカル、バビントンが「雑魚と同じくらいになってしまった。弱体化した」と思われがちなのも残念。実際は雑魚全員が異様に強い。))。GKはヘルナンデスよりだいぶ弱いものの、翼抜きのハンデ戦を強いられる。 --フランスはピエール、ナポレオンが前作ほど理不尽な強さでは無くなったが、やはり雑魚が強い。チーム全体に底上げされている。あのアモロですら、原作でのザルっぷりはどこにも見られない。 --ドイツはまさに本作最強と言って良いチーム。無限に放たれるシュナイダーのネオファイヤーショットに加え、ライン際から能力が上がった状態でサイドワインダーを打ってくるカペロマン、強烈なブラストヘッドを持つ核弾頭マーガス、ハリネズミドリブルで迂闊に近づけないカルツ、トップスピンパスを操り試合をコントロールするメッツァ、スパイラルパスカットでこちらの行動をシャットアウトしてしまうシェスター、そしてネオサイクロンやライトニングタイガーでさえ高確率で止めてしまう圧倒的な鉄壁ぶりを誇るGKミューラーと強烈な布陣。更にはモブ扱いのDF陣もそれぞれがタックル、ブロック、パスカットのいずれか一つの能力が突出しておりまさに隙が無い。 ---「ユース代表選手が世界中をサッカー研修のため駆け巡った」という設定に恥じない、最後にして最大の「''挑戦''」を叩きつけてくる。一見過剰にも思えるほどの強さだが、前作でのブラジルに負けないインパクトとなっているのもまた確か。 --幸い今回はレベルが上がりやすく、反則やコーナーキックなどのハプニングから点を得るチャンスもあるので、前作までと比べると同じ試合を繰り返すことは少ない。ただし、無敗クリアに拘るならII以上に厳しい面もある。 --ちなみにベルギー戦も敵のレベルが到達時期に対して非常に高いが、こちらはGKラムカーネ以外の全選手の基本能力が極めて低い((2戦前(レベルで12も劣る)アメリカユースよりも弱い))上DFの戻りが遅く、肝心のラムカーネも試合終盤になるとガクッと守備力が落ちるため脅威にはならない((厳密には前半→後半の時点で少し落ち、後半残り15分を切ると普通のシュートでさえシャドーシールドをもってしてもはじくことすらできないほどに。しかし試合中に「てきレベル」で見るステータス能力値はそれなりに高い値になっている。))。 -一部残った経験値の消滅 --翼はイタリア戦の後半、日向はベルギー戦後で離脱してしまい、&bold(){その時点での経験値は消滅してしまう}。 --加入からわずか3試合(その内のベルギー戦はイベントでパワーダウンしてほとんど活躍しないため実質2試合)で離脱する日向はまだしも、翼は離脱イベントとなるイタリア戦を差し引いてもその間6試合もあり、日向不在の状況でエースストライカーにせざるを得ない。必然的に経験値がガッポリ入るので、それがまるまるパーというのは痛い。((中でも中国戦は必殺キーパーのルーがいる上に日向不在で翼自身の活躍抜きにして勝ちは困難。))翼離脱が発生するイタリア戦から敵レベル53というインフレが起こるため((その前のアメリカ戦はレベル44なので一気に9。加えてベルギーのように基礎能力が特別弱いわけでもない。))、終盤のキツさに拍車をかけている。 --そもそも主人公の翼の経験値が消滅するというのは予想できるわけもなく、原作ファンや前作までのプレイヤーほど引っかかりやすいトラップになっている。 --後に日向は岬の経験値を引き継いで復帰、翼はその日向の経験値を引き継いで復帰する。つまり岬を徹底的に育てるのが最終的に三人全員のレベルを上げるお得な稼ぎとなる。 ---しかし、翼より1だけシュート力が低く必殺技のラインナップも一歩劣るように見える岬((実際はツインシュートがかなり強化されたことにより、メインの得点源として問題ない。同レベル以上なら翼で撃った方が強いが))を翼と日向よりシュートさせるというプレイは前知識なしではやらないだろう。 #endregion -ゲームバランス関連 --必殺技の補正値が大きくなっているのか、特にディフェンスでほぼ一択になるほど一部の選択肢が強くなりすぎており、読み合いの要素が薄れている。 ---全日本では岬の「ムーンサルトパスカット」や次藤の「パワーブロック」が該当。敵がドリブルだろうとガンガン取れる。次藤は「パワータックル」もあるのだが本人のブロック能力の方がかなり高いため、パワータックルを選ぶ意味がなくなっている。 ---さらに仕様変更により、敵を囲んだ時の一人目の選手のタックルは相手が最初からパスを選んでいても必ず先に発動するようになった。日向や松山は必殺タックルで厄介なパス技相手でも発動前に取れてしまうことも多い。ステータス的にもこの二人でパスカットを選択することはないだろう。 ---敵では何と言ってもシェスターの「スパイラルパスカット」。パスはもちろん翼の最強シュート「ネオサイクロン」や日向の「ライトニングタイガー」を軽々とパスカットで奪ってしまうばかりか、「強引なドリブル」をもパスカットでかわしてボールを奪う。''どこがパスカットだ。''シェスターに接触した時点で、こちらがどの攻撃コマンドを選んでも全部スパイラルパスカットに負けるため、絶対に接触してはならない最強の守備要員になっている。 --シュートやドリブルが弱いとゴールするのがかなり難しくなった。二軍選手も活躍しやすくなったとは言え、それは敵GKとの能力差で優位に立てるまでレベルアップしていることが前提である。 ---スルーは成功しにくくなっただけでなく、バランスを崩したり、倒れた時のGKの能力低下も前作までより緩やかになっており、こちらは弱体化しすぎの面もある。敵GKと能力差がありすぎるといくら必殺シュートを撃ってもパンチングされてしまうことがある。これにより主力以外でのゴールは結局困難のまま。 ---IIのGKを空中に誘い出してのスルーのような点の取りやすい方法がなくなり、弱い選手は主力に頼ってゴールを空にしてもらわないとなかなかゴールできない。 --全日本の主力選手は最終盤でも何かしら活躍できるようになっているが、スタメンの中では新田のみ例外。ゲーム中盤までは日向不在もあり得点源として期待できるが、相変わらず終盤では点を取れない半端なシュート力で他の役割ができるわけでもないステータスと不遇な性能になっている。必殺技の追加も特になくシュート技2つのみ。 ---とはいえこれも一応原作通りで、大友中時代こそ森崎から1点、ザコGKから何点も奪っているがJrユースではシュートの試し打ち要員のような扱いにされ、ことごとくキャッチされる屈指のノーゴーラーストライカーの汚名をほしいままにしたので仕方ないといえば仕方ない((後のワールドユース編で両足で打ち分けられる隼シュートを会得して得点シーンも多少は見られるようになったとはいえ、圧勝した試合の「大量点のうちの1点」という格好での得点しかなく、活躍という観点では五十歩百歩。))。 -ドイツ陣では冷遇されているマーガスとメッツァ。 --マーガスは原作登場キャラクターでJrユース時代の全日本戦でシュナイダーの得点獲得に貢献しており、今作では彼も必殺技『ブラストヘッド』を習得している。 --メッツァはIIから続投のオリジナルキャラで、必殺技『トップスピンパス』でドイツのゲームメイクを担当する。 --が、シュナイダーは彼らの事には一切触れずイベント等も一切ない。汎用カットインなども用意されておらずオリジナルキャラの一人から主要人物に出世したカペロマンに比べ冷遇されている。 ---とは言え、どちらの必殺技も専用のものだったり、強さの面ではしっかりと存在感を示しているため埋もれてはいない。特にメッツァは確実に他の選手にボールが渡ってしまうのは厄介。こちらでいう早田のポジションである。 -オールスターモードの人数がやや偏っている。公平な対戦は難しい。 --VSより使える選手は増えているのだが、それでも使えるのは基本的に日本・ブラジル・ドイツのキャラで、あとは原作出身のキャラや新キャラが少数いる程度である。たとえ独自の必殺技を持っていても、使用することが出来ないキャラの方が多い。特に言わずと知られた日本最弱の代表GK森崎や、高い人気を誇るバビントン、本作では若島津と同等の能力を持つ優秀なGKであるレナート((たった3試合しか使用機会が無いが、本作では必殺シュートも結構な確率で止めてくれる。))が使えないのはファンには少々残念。最終戦で苦戦させられたシェスターやマーガスもクリアしたプレイヤーは自分の手で使いたくなった事だろう。 --DFがかなり少ない。ほとんどが日本の選手で、海外勢だけで組もうとすると1チームぶんに足りない。本職の海外DFはロブソン(イングランド)とディウセウ(ブラジル)の2人だけ。((原作から守備も上手い設定のMFピエールも本作ではDFとして起用するには無理がある。))しかもディウセウは必殺ディフェンスがあるだけで守備関連ステータスはDFと思えないほど低い。ガルバン(アルゼンチン)、リブタ(オランダ)の名DF二人や、本来はMFだが『スパイラルパスカット』でDFとして大活躍できるであろうシェスター(ドイツ)が使えないのが痛い。 //ジェトーリオとディウセウはIIのクラブチームでDFにいるので、性能はともかく「本来はFW」という経歴では無いです。 ---日本の正規DFは松山・石崎・次藤・早田の4人。海外勢と合わせて6人のため&bold(){どちらかがDF4人のフォーメーションを使った時点でDFが足りなくなる。}ポジション適性がある必殺ディフェンス持ちを加えるとすると岬・日向・立花兄弟辺りをDFにするしかない。もしくは基礎能力の高く、原作のワールドユース編からDFにコンバートする三杉。 --またVSでは1P対COM限定でできた、チーム単位での選択もできなくなっている。 --選手選択時に能力を確認できないので選手の能力を知っているプレイヤーが圧倒的に有利。また必殺シュートは燃費が悪いので主人公や敵エースよりも必殺ディフェンスの使えるキャラクターを確保するのが重要である。 ---該当するのはディウセウ、松山、日向、岬、立花兄弟辺り。彼らは攻撃技も強力でいざという時は攻撃に参加できるのも大きい。 ---ただし立花兄弟は基本性能が非常に低く、守備だけでも二人取らないと真価を発揮できない。それを阻止するためにもう片方が取ってしまうと、両方のチームに必殺技の使えないお荷物ができてしまうことになる。ゴールを狙うならさらに次藤が必要。 --キーパーの能力差も激しく、特にミューラーは本編のぶっ飛んだ基礎能力値でそのまま使える為((本編でのドイツの選手が強いのは敵のガッツ無限の仕様やレベルが非常に高いのもあり、同レベルに揃えられるオールスターではシュナイダーでも大分落ち着いた強さになるのだがミューラーだけはそもそもの能力値も高すぎる。))、''ミューラーを取ったほうが勝ち''といわれるほど。そして選手は''必ず1Pが先に選べる。''((この「最強のGKを先に取った方が勝ち」という傾向は以降の作品でも続いてしまった。4ではラムカーネ、5ではジウマールを取った方が勝ち。)) ---もう1人の必殺なしGK若林は逆に1弱になっており、本編以上に悲惨。完全なる劣化ミューラーであり、本編での「若島津のガッツが切れたら出場」という存在意義も、必殺持ちキャラをスタメンと控え両方に置けるので…。 --他にも翼のネオサイクロンが同レベル環境だと強すぎると言われたり、ガチで対人戦する場合は使用キャラや必殺技に制限を入れる必要がある。 ---まあ、あまり勝ち負けにこだわらないチーム編成でのプレイが一番楽しいかと。 --相手のコントローラーを見ながらのプレイはタブー。 -いくつかの対戦国について情報のミスや違和感のある描写がある。 --ベルギーの国旗のデザインにミスがある。 ---ゲーム中では左から「黒→赤→黄」となっているが本当は「黒→黄→赤」。 --韓国の選手の苗字が全て異なったものにされており何か無理のある感じを受ける。 --イングランドの旗にユニオンジャックが使われている。この描写は『IV』でも修正されなかった。 ---そもそもイングランドとはイギリスそのものではなく、北アイルランド・スコットランド・ウェールズと共に連合王国イギリスを構成する国の一つである。サッカーにはイギリスとしての代表はなく、構成国それぞれの代表が個別に存在しており、イングランドの国旗は白地で赤い線が十字に交差しているものとなっている。 ---もっとも当時の日本はやっと翌年にサッカーのプロリーグ「Jリーグ」が開幕して、これから認知度がどんどん高まっていく時期で少年サッカー層にはキャプツバ人気だけが先行して高かった一面も濃かった。作中では他のイギリス構成国の代表は出てこなかったことや、日本の通俗上の慣例として「イングランド=イギリス」のように思われがちであることもあって、ゲームプレイヤー層ではそこまで気にされなかったのは不幸中の幸いではある((1991年6月発売のゲームボーイソフト『サッカー』(トンキンハウス)でも表記はイングランドながらイギリス国旗が使われている前例もある。))。 -オープニングの描写も細部に気になる点が見受けられる。 --主要選手の活躍シーンのユニフォームは全日本で、プロフィール紹介時の一枚絵ではそれぞれ個別のユニフォームとなっている。しかし全日本のジャケットらしきものを着ている三杉を除き、この一枚絵のユニフォームは作中序盤の各所属チームとは違うものであり、ゲーム内には一切登場しない。 ---また、相手選手のユニフォームは白と黒のためストーリー的にもドイツに見えるが、袖のラインの色が青であるため、実際にはバイエルン(シュナイダーの所属チーム)のユニフォームである((翼のシーンに出てくるシュナイダーのカットインのみドイツ代表のユニフォームになっている。))。 --若林の所属チームのハンブルガーSVが"HAMBURG''A''R SV"と誤表記されている(正しくは"HAMBURG''E''R")。 --三杉は本来ポジションが表記される箇所に"COACH"(コーチ)としか書かれていない。 ---原作ジュニアユース編での描写を踏まえた設定と思われるが、ゲーム中では控え扱いではあるものの全日本の初戦から普通に出場可能なため、コーチ専任ではない。"MF/COACH"のようにポジションと役職を併記していれば違和感は無かったはずだが…。 ---- **総評 IIからのゲームバランス変更には賛否が出るかも知れないが、全体としてはよりシステムが整えられて遊びやすくなっており、演出やシナリオも完成度が高い。本作も良作に値する出来である。二人プレイで盛り上がれるというIIにはなかった評価点もあり、VSより対戦環境も整えやすい。「キャプテン翼シリーズで面白いのは?」と聞かれたら、間違いなくIIかIIIという答えが返ってくるだろう。 カルロス、コインブラも良いけど、やっぱり最強はシュナイダーであってほしいという無印原作ファンにお勧めの一本。ストーリー的にも前作を知っていなくてもある程度遊べる作品なのでテクモ版キャプテン翼の入門編としても最適。 ---- **その後の展開 -1993年4月に続編『[[キャプテン翼IV プロのライバルたち]]』が同じくスーパーファミコンで発売。 --本作のシステムを受け継ぎつつ、ストーリーをより広げ、マルチストーリー化した発展形…のはずだが、ストーリー面ではオールモブチームとの戦いがムダに多かったりと冗長気味な一面があり、同時にグラフィックやサウンドの劣化、更にはゲームバランスの上で致命的な「浮き球バグ」により期待を大幅に裏切る結果となった。 --原作要素として若林がペナルティエリア外からのシュートに対しては強烈な補正が入りほぼ鉄板なほどのセービング力を発揮する「G・S・G・Kのスーパーディフェンス」が導入されている。 ---- **余談 -前述のフランスGKアモロといえば、原作では「ボールを弾くどころか触れることすらできずに終わった」=「森崎をも上回るザルキーパー」として有名で、こんな男がシリーズ通してフランスの正GKに収まっていた。しかし、本作ではフランスのクラブチーム(岬のエピソード)を使う機会がありシャンゼリゼのジュスト、モンマルトルのティボーというフランス人キーパーが登場するのだが、二人ともアモロより基礎能力が低い。つまりアモロのような男でもちゃんとフランス最強のGK((もちろんアモロが強いのではなくジュストやティボーがそれに輪をかけて弱すぎるだけ))ということが証明された。&s(){同時に最強でも森崎以下というフランスの深刻なGK事情が垣間見えることに…} --『V』のサンパウロの控えにもジュストという名のフィールドプレイヤーが存在するが、%%あまりのザルっぷりにキーパーからコンバートさせられたか、元々キーパーじゃなかったがシャンゼリゼでは他にいないからシブシブやらされていた%%同一人物なのかは不明。 -上述の通り本作初登場のラムカーネの後半が半分を切ると陥る状態「必殺技を使っても普通のシュートすらはじくことさえロクにできなくなる」は普通に考えれば&bold(){もう動くことすらできないのかと思えるほど}とんでもない異常事態である。そんな彼も「重度の心臓病でも抱えているのだろうか?」「もはや心臓病以上」などよくネタにされる。 --また、そんな状態でありながらベルギーの監督が控えのキーパーと交代させず、平然と最後まで出場させ続けていることも「控えにろくなキーパーがいないのか?」などと突っ込まれる。これは次作『IV』で所属しているモスクワ(クラブチーム)でも同じ((もっとも、それなりに優秀な控えのキーパーがいたとしたら難易度が急激に上がってしまうため、ゲームバランス的には妥当なのだが…。))。 --必殺技のシャドーシールドがゲルティスのダークイリュージョンに似通っていることから、両者がなんらかの関係者なのではないかとする意見もある。 ---『IV』の攻略本では同作初登場のシューマッハを加えた3名が''幻影ミラクル型''なる仰々しい名前のタイプに分類されていた。 -ドイツ戦で石崎にボールが渡るとミハエルから「必殺シュートを撃て!」と言われるイベントが発生する。しかしアドバイス通りに石崎が必殺シュートを撃ってもあっさりと止められてしまう。 --石崎とミハエルと因縁を踏まえた盛り上がる展開なのだが、ゲーム上では単なる罠イベントになってしまっている。確実に1点入るかシュートの威力に補正が入るはずだったのだろうか。 -マンチェスターのチームフラッグがなぜかルーマニア国旗やチャド国旗と同じデザイン(左から青→黄→赤)になっている。これは『IV』でもそのまま((『V』にもマンチェスター自体は登場するが、同作ではチームフラッグや国旗の表示が廃止されている。))。 -携帯サイトのテクモのメロディにて1・2と同様に3のBGMが着信メロで配信されていた。しかしテクモがコーエーと合併したことによりサイトがコーエーテクモセレクションに移行。その際に3の着メロのみが何故か削除されてしまっているため現在はDLできなくなっている。 ----

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