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スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL - (2022/05/14 (土) 11:22:07) の最新版との変更点

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この項目ではスーパーファミコン用ソフト『スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』と、~ そのリメイクである、ニンテンドーDS/PSP用ソフト『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』の紹介をしています。~ 判定は全て「良作」です。 |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''| -------- #contents(fromhere) ---- *スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL 【すーぱーろぼっとたいせんがいでん まそうきしん ざ ろーど おぶ えれめんたる】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000068HPH)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|32MbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|ウィンキーソフト|~| |発売日|1996年3月23日|~| |定価|7,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 初登場の『[[第2次スーパーロボット大戦]]』以降、シリーズのレギュラーとなったオリジナル作品『魔装機神サイバスター』。~ オリジナルながら他の版権作品にも劣らない設定が構築されており、これ単体でのスピンオフ作品として作られたのが本作である。~ 『[[第4次S>第4次スーパーロボット大戦]]』、『[[F>スーパーロボット大戦F]]』までのスパロボシリーズとのシナリオ的な繋がりはあるが、版権作品は一切登場しない。~ 本家スパロボや、他の魔装機神関連の作品と区別するため、サブタイトルを取って『LOE』と呼ばれることが多い。 **特徴 -同メーカーのソフト『[[バトルロボット烈伝]]』に類似したシステムが採用されている。 -それまでのスパロボシリーズとは異なり、クォータービュー見下ろしマップにリアル頭身で描かれたユニットを操作していく。 --戦闘デモもSDではなくリアル頭身で描かれている。 -「高さ」と「向き」の概念が存在し、敵よりも高い位置から攻撃を仕掛けると命中率・回避率にプラス修正。 --また、敵の側面・背面から攻撃を仕掛けると、命中率・回避率・攻撃力にプラス修正。 --極端に高低差がある場合は、射撃兵器を使うことは出来るが、格闘兵器を使うことは出来ない。 --特に背面攻撃時の修正値は非常に大きいので、敵に背面を取られず、自分は敵の背面を取るようにしていくのが基本戦術。 -ZOCの概念が存在し、敵に隣接するパネルを通り抜けることはできない。 --前述の「高さ」「向き」の概念と合わせ、戦略性のある戦い方が出来るようになっている。 -「飛行」「変形」という概念は無い。 --スパロボシリーズでは飛行可能なユニットも、全て地上戦を行う。 --サイバスターなどスパロボシリーズでは変形可能なユニットでも、戦闘時の演出を除いてずっと人型のままである。 -ユニットに「属性」の概念が追加された。 --基本的にはエレメンタル属性の「風」「炎」「水」「大地」いずれかの属性を持つ。さらに属性の位として「低位」「高位」「聖位」があり、これらの組み合わせにより得手不得手が出る。なお、ごく一部の機体は属性を持たなかったり、特殊な属性を持っていたりする。 -パイロット固有のパラメータとして「プラーナ」が設定された。 --プラーナ値に応じて機体の様々な能力にプラス修正が掛かるため、「プラーナの高い人間ほど強い」という設定を上手く再現している((本作の舞台となる「ラ・ギアス」に生まれ育った人間よりも、地上から召喚された人間のほうが感情の起伏が激しく、プラーナが高い場合が多いという世界設定がある。))。 --また、強力な武器を使う際、エネルギーや残弾と同じように消費されるため、いかにプラーナを温存しておくか、というのも戦術の一つとなる。 -本作の舞台は「地球内部」という設定ゆえ、ワールドマップ画面も「球体内面」をイメージさせる描写となっている。 --マップ移動時も、球体内面を滑るようにスクロールする。 -マップ兵器使用時に声優のボイスが再生される。 -ストーリーは二部構成となっている。 --第一章:主人公マサキが地底世界「ラ・ギアス」へ召喚された直後から、宿敵シュウを追って地上へ向かう(『第2次』、『OG』)までの出来事を描く。 --第二章:地上での戦い(『第4次』ないし『F』、『第2次OG』)を終え、ラ・ギアスへ戻ったマサキ達の新たな戦いを描く。 ---- **評価点 -シナリオが面白く、様々なパターンに分岐する。 --師や仲間との死別、ライバルとの戦い、ヒロインの救出(さらにルートによっては''ヒロインがラスボス化''する)など、王道に沿った熱い物語が展開される。 ---特筆すべきは、ライバルとの戦いで発動するイベント「ポゼッション」。なんと気力が200も上昇する。これによって手も足も出なかったライバルを一撃で倒すことができるようになっており、見事な逆転勝利イベントとなっている。この画期的なシステムは、後に「弾丸X」や「ザ・パワー」((アニメ『勇者王ガオガイガー』で発生したパワーアップイベントで、スパロボ参戦時にも再現されることが多い。))、「[[真化融合>第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇/天獄篇/連獄篇]]」など、土壇場におけるパワーアップイベントの際に継承されており、いずれも本作に劣らぬ熱い展開。 --また、選択に応じて全く異なるシナリオに分岐していくため、何度も楽しめる。 ---ラストマップが4種類、エンディングが3種類と言うのはシリーズ最多であろう。細かな分岐条件ではさらに多岐に渡る。 --テキスト自体の質もかなり高い。サイバスター自体は一見80~90年代のアニメのノリなのだが、それとは裏腹にどのキャラも現実的な振る舞いを見せる。良くも悪くも手堅いところに落ち着いている現在のスパロボとはまた違う魅力がある。 -出演キャラクターが少ない分、一人一人の表情の変化が非常に多い。 --中には1人で30種類近くという、現行シリーズのキャラよりも遙かに多彩な表情パターンを持つキャラクターもいる。 --シリアスなものからコミカルなものまで、あらゆるキャラの表情の変化を楽しめる。 -ディスク読み込みが無く、戦闘がスピーディ。 --同時期に発売された比較対象としてPSの『第4次S』、SSの『F』があるが、カセット媒体であるため読み込みが無く、また戦闘デモ自体も早い。 --他機種のスパロボが一戦闘毎に1分以上かかっていたのに対し、本作は30秒も掛からない。 --また戦闘バランス自体攻撃力偏重気味であり、一撃必殺が基本なので戦闘回数自体も少なめ。 --これらにより、非常にスピーディにゲームを進めることが出来る。 --『α』以前の作品であるため戦闘アニメは動かない。しかしその分絵の動かし方、間の取り方が絶妙であり、非常に歯切れのよい戦闘が展開される。部分的には後発のスパロボ作品をしのいでいるものもある。効果音も凝っており、実体剣系の斬撃音やレールガンの射撃音などが作りこまれている。 -BGMが素晴らしい。 --SFCながら音質は良く、世界観にあった壮大なアレンジが加えられている。曲自体もレベルが高く名曲揃い。誇張抜きで同時代のFFやDQといった大作にも決して引けを取らない。 --ベースラインの音色は主にスラップベースを採用しているが、これが非常に熱い。「フラッパーガール」や「終わりなき戦い」などが顕著。 --テュッティ、ヤンロン、ミオ、シュウなどメインキャラにそれぞれテーマ戦闘曲が新規追加された。「熱風!疾風!サイバスター」も今作で大幅にアレンジを受け、疾走感溢れる曲に。のちの『α』『OG』でも今作のアレンジを基準とするようになった。 --ちなみに『OGs』の魔装機神組のBGMは本作のものをベースにしてアレンジされている。 **問題点 -マップでのユニットの移動に時間を食う。 --高度差のあるマップではユニットは一段ずつしか上れないため時間がかかる。 ---特にサイバスターは従来作では風の魔装機神として空を駆け、飛行用形態のサイバードという形態もある為、従来作を知っていると違和感が強い。 -ラスボスが弱い --ラスボスはHPや装甲がかなり強く設定されているものの、主人公との属性の相性が悪くダメージを与えにくく、受けやすい。(主人公はその逆) ---また仲間があまりにも強すぎるなど、総じて弱く感じられてしまう。 -「気配察知」が厄介 --側面・背面から攻撃を受けた際に自動的にそちらに振り向く防御用の技能なのだが、自動判定だけに連続して攻撃を受けた際の発動運によっては逆に状況が悪化する。 ---最初の敵とは別方向の後続の敵の攻撃を一方的に背面から喰らう羽目になったり、場合によってはボスに背を向けてしまう事も。 --敵の場合は後半非常に発動率が高くなりストレスが溜まったりとやや不評。 -この頃のウィンキー製スパロボの常として、後半のインフレゲー化が激しい。 --「2回行動」や「再攻撃」((攻撃終了後にランダムで同じ攻撃を再度行う。余りにも強過ぎたためか、以後のシリーズで一度も採用されていない))などの強力な技能を次々に修得し、武器の威力もどんどんインフレして行く。その一方で前述の「気配察知」のようにランダム性の強い技能が敵・味方で頻繁に発生するため大味なバランスになりがち。 -魔装機神とヴァルシオーネR以外のユニットの存在意義が危うい。 --魔装機神は他の機体に比べて武器性能、機体能力が純粋に高く、さらに前述した守護精霊のランクが高いため、与えるダメージに大きな差が生じてしまっている。 --他の機体はほぼ任意出撃であるため、魔装機神さえ改造すればいい、ということになる。タイトルにもなっているので意図的なものだろうが、他の機体を中心に使うことが一種の縛りプレイと化してしまっている。 //脇が弱くて嬉しいって事もないし問題だろう、これは -容量の都合か、時系列的に存在しない筈のウィーゾル改やノルス・レイが第一章に登場する((それぞれウィーゾルとノルスを改造した機体だが、改造されたのは『第4次』になってからである。))、イベントマップに登場するガディフォールが色違いのソルガディの流用で済まされている((ソルガディをベースにした量産型がガディフォールという設定。))等、一部不自然な点が存在する。 --後述のリメイク版では段階的に修正された。 ---- **総評 スパロボの基本システムをベースに、版権キャラが一切存在しないストーリーや、多数の独自なシステムを搭載した意欲作。~ 出演するキャラクターも総じて魅力的で、細かなルート分岐で大きくシナリオが変化することもあって何度も楽しめるようになっており、なかなかに完成度の高いシミュレーションゲームとなった。 ---- **その後の展開 //***本作の版権の複雑化と、移植について //-バンプレストとウィンキーソフトの提携解消 //--移植・リメイクを望む声も強かったのだが、バンプレストとウィンキーソフトの提携解消に伴い、本作は権利関係が複雑になってしまった。 //---キャラや機体はバンプレスト側で版権を持っていたため、スパロボ関係にも継続して登場しているものの、ラ・ギアスの世界観などはウィンキーが持っており、ウィンキーソフトの公式サイトで本作よりもさらに古い時代を描いた『ラングラン戦記』が連載されていた。 //---世界観を使えないバンプレスト側は世界観を一新した『[[真・魔装機神 PANZER WARFARE]]』を制作。キャラを使えないウィンキー側も類似要素の多い『聖霊機ライブレード』を制作、続編の展開を予定しており、このようなややこしい状況から「バンプレストとウィンキーソフトは喧嘩別れしており本作の移植は絶望的」といった噂もされていた。 //版権がらみは真偽不明、寺田Pも版権問題の存在について否定的なコメントを出しているためCO -αシリーズへの参戦 --『第○次シリーズ』に続き新たに展開された『αシリーズ』にも継続して参戦した。 ---『α』ではサイバスターの必殺技である「ディスカッター乱舞の太刀」が、続く『α外伝』では他の魔装機神の必殺技もSDグラフィックで映像化された。 ---『α外伝』では『魔装機神』タイトル画面のBGM「ラ・ギアスの風」の追加や、『第3次』におけるネオ・グランゾンとの対決の再現なども行われたが、『魔装機神』関係は以降のαシリーズに登場しなくなった。 -OGシリーズへの参戦 --スパロボオリジナルのキャラクターを集結させた『OGシリーズ』にも『第○次』シリーズの再現として『魔装機神』のロボット・キャラクター達が参戦し、シリーズの常連となっている。 ---「ラ・ギアスの風」は『OGS』で追加され、ネオ・グランゾンは『OG外伝』で登場。 ---カードダス『OGクルセイド』においても、DS版発売以降は『魔装機神』出典のカードも登場するようになった。 ***『魔装機神』リメイク・続編展開へ -OGシリーズの展開が進行するにつれ、本作のリメイクを期待する声も次第に高まってきたのだが、遂に本作のリメイクだけでなく続編の展開が発表され、多くのファンを喜ばせた。 -DS版『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』 --本作のDSリメイク作。詳細は下記。 -PSP版『魔装機神I&II』 --本作の続編『[[スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD]]』とのカップリング移植。初回限定版のみ。 --発売当初は「『I』単体での発売予定はない」としていたが、『[[魔装機神III>スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE]]』発売記念として2013年7月25日からプレイステーションネットワークで『I』が単独配信された。ただし、パッケージでの単独販売はされていない。 --2020年12月24日、『I』『II』『III』のダウンロード版の価格が一律2,750円に改定された。 ***その他ゲームでの登場 -『[[Another Century's Episode:R]]』 --『スーパーロボット大戦OG』枠として主役機のサイバスターが「ART-1」「アルトアイゼン」と共にゲスト参戦してファンを喜ばせた。OGシリーズの世界から転移してきた設定。 ---作品自体は「期待ほどの出来ではなかった」との声は聞かれるものの、サイバスターを直接操作できるゲームはこれが初だった。 -『Z』シリーズ --オリジナルメカ「シュロウガ」とパイロット「アサキム・ドーウィン」は、サイバスターとマサキを意識したものとなっている。 -『[[スーパーロボット大戦Operation Extend]]』 --ダウンロードコンテンツとして、サイバスターとマサキが参戦。こちらも『ACE:R』同様OGシリーズ設定での参戦。 -『[[スーパーロボット大戦X]]』 --ゲストユニットとして、サイバスターとマサキが参戦。こちらはOGシリーズとは無関係であることがアナウンスされている。 -『[[スーパーロボット大戦T]]』 --ゲストユニットとして、サイバスターとマサキが参戦。本編では一話きりの登場だったが、後日談のエキスパンションシナリオでは序盤から最後まで同行する。 -『[[スーパーロボット大戦30]]』 --ゲストユニットとして、サイバスターとマサキが参戦。本作ではαシリーズから参戦したことが示唆されている。 ***その他の展開 -1999年の5月には『魔装機神サイバスター』というタイトルでTVアニメ化。スパロボシリーズ初のアニメ作品となった。 --しかし登場メカの名称と意匠、登場人物の名称に共通点が多いという事以外は完全なオリジナルストーリーとなっている。 --本編の評価は今一(原作ファンからの評価は特に低い)だが、主題歌の「戦士よ、起ち上がれ!」は評価が高い。 //派生作品の評価自体は書いてあるページも多いので、要約で復帰 //ゲームと直接関係ないことを詳しく書く必要はないため削除 -PSリメイク版『[[スーパーロボット大戦コンプリートボックス]]』の第3次にてステージ開始時のサブタイトルが英訳と併記されるのだが、サブタイトルの一つ『魔装機神』の英訳で本タイトルを流用している。 --しかし残念なことに「''LO 'A' D'' OF ~」と思いっきり誤植している。自社製品なのに… &br ---- *スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL 【すーぱーろぼっとたいせんおーじーさーが まそうきしん ざ ろーど おぶ えれめんたる】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B003CF9RH2)| |対応機種|ニンテンドーDS&br;プレイステーション・ポータブル|~| //|メディア|512MbitDSカード|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ウィンキーソフト|~| |発売日|【DS】2010年5月27日&br;【PSP】2013年7月25日|~| |備考|PSP版単品はダウンロード版限定|~| |定価|【DS】6,090円(税5%込)&br;【PSP】2,750円((2020年12月24日より4,980円(税5%込)から改定))(税10%込)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(OG) 『スーパーロボット大戦 コンプリートボックス』を最後に提携が解消されていたウィンキーソフトが再びバンプレスト(現在はバンナム)と提携し、プラットフォームをニンテンドーDSに移して発売された『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』のリメイク作。~ 基本的な内容はSFC版と変わらないが、ゲームバランスや設定などが一部変更されている。 **変更点・追加点 -『OGシリーズ』との統一化 --サブタイトルの「スーパーロボット大戦OGサーガ」が示すとおり、SFC版が旧シリーズの設定を元にしていたのに対し本作はOGシリーズの設定を元にしている。そのためOG本編との整合性を図るために設定や物語の一部が変更されている。 ---「OG1」の南極事件をマサキの視点で回想するエピソードがあるが、そのときに少しだけリュウセイが登場する。 -2回行動の習得レベルの引き上げなどの特殊技能などにいくつか変更点が見られる。 --それに伴い前半のゲームバランスはSFC版とほとんど変わらないが、後半のバランスは若干変化している。 -戦闘デモのアニメーション化 --戦闘デモのON/OFF切り替えなど、現在のスパロボに採用されているシステムも一部搭載されている。 -シナリオ上では特定のシーンでCGの一枚絵が表示されるようになった。 -やりこみ要素の追加 --用語集、一度見たCGを見られる追想録、BGMの試聴モードが追加された。 -保存できるセーブデータ数は最大''96個''。 --携帯機らしくシナリオデモや敵フェイズ中でも途中セーブが可能となっている。 -キャラクターの1人「アハマド・ハムディ」の設定変更 --「パレスチナ出身のイスラム教徒の戦闘狂((ただし「戦闘」は好きでも「戦争」は嫌っており、「パレスチナ出身だからこそ戦争がどういうものかイヤというほど知っている」「戦争は起こってしまった以上は一刻も早く終わらせるのが一番」と述べている。))のテロリスト」という極端な設定のキャラクターであり、原作では「アッラーフアクバル」((「アラー(神)は偉大なり」という意味。))「インシャラー」((「神(アッラー)の思し召しのままに」という意味。))「(すき焼きに)豚肉は入っておらんだろうな?」((イスラム教徒にとって豚は不浄の生物であり、食すことを禁じられているため。))といった台詞も存在していたが、リメイクに伴いイスラム教を思わせる台詞・描写が削除された。 -ソルガディの流用で済まされていたガディフォールに専用のグラフィックが用意された。 --ただし、第一章の時点でウィーゾル改やノルス・レイが登場するという部分はそのまま。この点はPSP版で対応された。 ***PSP版の変更点 -戦闘画面のフルボイス化がなされており、今まで声が無かったキャラ達にようやく声がついた((PS版『EX』や『コンプリートボックス』等に出演していたキャラ以外。なお、一部声優が変更されているキャラもいる。))。戦闘台詞もSFC版と同様の簡素なものだったDS版から多数追加された。 -戦闘アニメの内容はDS版準拠だが、画質はハード性能相応に向上している。 -データインストール対応により、読込速度が向上するようになっている。 -容量的な都合と思われる不自然な箇所が完全に修正された。 --第一章に登場していたウィーゾル改とノルス・レイが、それぞれ改造前のウィーゾルとノルスに差し替えられた。戦闘シーンも新規で作成されている。 --他、『EX』での出来事を回想するシナリオに登場するヴァルシオーネRがヴァルシオーネに置き換えられている、全編でラングラン軍兵士の搭乗する機体がテロリスト御用達のルジャノール改から軍の主力であるブローウェルになっている等、細かい部分も変更されている。 ---- **評価点(OG) -戦闘デモのアニメーション化で、機体が動くようになった。 --サイバスターの武装ディスカッターの強化版であるバニティリッパーなど、SFC版ではよくわからなかった強化後の武器も新規にデザインされた。 -CGの追加で演出面も強化された。 --女性キャラは初登場時に''ダブルスクリーンブチ抜きのCG''が表示される。 ---特定のルートを通らないと見られないCGも多く、ルートや選択によって複雑に分岐する本作のシステム上コンプリートは容易ではない。 -セーブ数が96個に増加し、かなり遊びやすくなった。 --前述のように本作はとにかく分岐が多いので非常にありがたく、一からプレイし直す必要性が無くなった。 -影の薄い仲間キャラのシナリオ追加 --前述のアハマドはSFC版だと使用機会に乏しく、彼が仲間になるルートに進む利点自体ほぼないという不遇のキャラだったが、リメイク後は加入条件こそ厳しいものの''仲間になった際にいい意味でとんでもないイベントが発生''し、多くのプレイヤーから好感を得た。 #region(アハマド加入時イベントの詳細) --加入時に「傭兵稼業と金のデモンゴーレム狩りで''少しばかり''資金を稼いできたが、俺には使い道がないから使ってくれ」とのことで、自軍へ資金を無償提供してくれる。資金提供イベント自体は他のシリーズ作にも存在するのだが、「少しばかり」という台詞とは裏腹に何と''5,000,000''という桁違いの金額をくれる。 ---本作の通常プレイ1周で手に入る資金の総合計が約1,500,000、1機体のフル改造にかかる資金が250,000程度である事を考えると、アハマドの提供資金額がいかに異常かが分かるだろう。 ---他の作品での資金提供と見比べても、『[[A>スーパーロボット大戦]]』にてシャアがセイラに提供した金額と『[[EX>スーパーロボット大戦EX]]』でゴルドがマサキに渡した金額が10,000、『[[W>スーパーロボット大戦W]]』でアカツキが提供した金額が200,000となっており、本作のそれが飛び抜けていることが分かる。 --このイベントによりプレイヤーからは''「アハマド神」''「アラブの大富豪」等の敬称が付き、プレイヤーどころか作中のキャラクターからも''「アハマドと言えば金」''という印象を持たれるようになった。また''続編でもほぼ同等のイベントが発生する。'' #endregion ---- **問題点(OG) -DS版では「デメクサ・シーエ」((SFC版では「シーエ・デメクサ」だったのだが、彼の出身であるエチオピアの風習(自分の名前の後に父親の名前を付ける)に倣うと「デメクサ=父親の名前」になってしまい不自然という事で、リメイクに伴い変更された。))が搭乗するファルクの改造段階が敵のナグツァートおよびグランゾンと連動しているバグが存在する。 --ファルクを改造すると結果的に苦戦を強いられることになる。おまけにファルクの武器である「竜巻」をランクアップさせていると、シナリオ「絶望の淵で」に登場する敵のグランゾンが謎のバグ武装を引っ提げてしまい、最悪の場合ゲームが進行不能になってしまう。 ---この事からデメクサは「邪神デメクサ」と呼ばれるようになり、奇しくもアハマドとは対照的な評価を得る事になってしまった。 --なお、PSP版では修正されている。 -PSP版はデータの管理方法が「システムデータ」ではなく「各セーブデータ」依存になっている為、シナリオチャート埋めが非常に面倒になった。 ---- **総評(OG) さすがに現在の基準で見ればシステム面で古い部分が散見されるが、ゲームとしての出来のよさはSFC版譲り。~ 移植もかなり忠実に行われ、その上で新要素が追加されているのでオリジナルよりも快適にプレイできるようになった。~ なにより『魔装機神』の復活と続編展開が始まるきっかけとなったため、原作ファンにとってはただのリメイクに留まらない非常に嬉しい一作となっている。 //同じ文章をコピペして何回も書かないでください
この項目ではスーパーファミコン用ソフト『スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』と、~ そのリメイクである、ニンテンドーDS/PSP用ソフト『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』の紹介をしています。~ 判定は全て「良作」です。 |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''| -------- #contents(fromhere) ---- *スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL 【すーぱーろぼっとたいせんがいでん まそうきしん ざ ろーど おぶ えれめんたる】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000068HPH)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|32MbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|ウィンキーソフト|~| |発売日|1996年3月23日|~| |定価|7,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 初登場の『[[第2次スーパーロボット大戦]]』以降、シリーズのレギュラーとなったオリジナル作品『魔装機神サイバスター』。~ オリジナルながら他の版権作品にも劣らない設定が構築されており、これ単体でのスピンオフ作品として作られたのが本作である。~ 『[[第4次S>第4次スーパーロボット大戦]]』、『[[F>スーパーロボット大戦F]]』までのスパロボシリーズとのシナリオ的な繋がりはあるが、版権作品は一切登場しない。~ 本家スパロボや、他の魔装機神関連の作品と区別するため、サブタイトルを取って『LOE』と呼ばれることが多い。 **特徴 -同メーカーのソフト『[[バトルロボット烈伝]]』に類似したシステムが採用されている。 -それまでのスパロボシリーズとは異なり、クォータービュー見下ろしマップにリアル頭身で描かれたユニットを操作していく。 --戦闘デモもSDではなくリアル頭身で描かれている。 -「高さ」と「向き」の概念が存在し、敵よりも高い位置から攻撃を仕掛けると命中率・回避率にプラス修正。 --また、敵の側面・背面から攻撃を仕掛けると、命中率・回避率・攻撃力にプラス修正。 --極端に高低差がある場合は、射撃兵器を使うことは出来るが、格闘兵器を使うことは出来ない。 --特に背面攻撃時の修正値は非常に大きいので、敵に背面を取られず、自分は敵の背面を取るようにしていくのが基本戦術。 -ZOCの概念が存在し、敵に隣接するパネルを通り抜けることはできない。 --前述の「高さ」「向き」の概念と合わせ、戦略性のある戦い方が出来るようになっている。 -「飛行」「変形」という概念は無い。 --スパロボシリーズでは飛行可能なユニットも、全て地上戦を行う。 --サイバスターなどスパロボシリーズでは変形可能なユニットでも、戦闘時の演出を除いてずっと人型のままである。 -ユニットに「属性」の概念が追加された。 --基本的にはエレメンタル属性の「風」「炎」「水」「大地」いずれかの属性を持つ。さらに属性の位として「低位」「高位」「聖位」があり、これらの組み合わせにより得手不得手が出る。なお、ごく一部の機体は属性を持たなかったり、特殊な属性を持っていたりする。 -パイロット固有のパラメータとして「プラーナ」が設定された。 --プラーナ値に応じて機体の様々な能力にプラス修正が掛かるため、「プラーナの高い人間ほど強い」という設定を上手く再現している((本作の舞台となる「ラ・ギアス」に生まれ育った人間よりも、地上から召喚された人間のほうが感情の起伏が激しく、プラーナが高い場合が多いという世界設定がある。))。 --また、強力な武器を使う際、エネルギーや残弾と同じように消費されるため、いかにプラーナを温存しておくか、というのも戦術の一つとなる。 -本作の舞台は「地球内部」という設定ゆえ、ワールドマップ画面も「球体内面」をイメージさせる描写となっている。 --マップ移動時も、球体内面を滑るようにスクロールする。 -マップ兵器使用時に声優のボイスが再生される。 -ストーリーは二部構成となっている。 --第一章:主人公マサキが地底世界「ラ・ギアス」へ召喚された直後から、宿敵シュウを追って地上へ向かう(『第2次』、『OG』)までの出来事を描く。 --第二章:地上での戦い(『第4次』ないし『F』、『第2次OG』)を終え、ラ・ギアスへ戻ったマサキ達の新たな戦いを描く。 ---- **評価点 -シナリオが面白く、様々なパターンに分岐する。 --師や仲間との死別、ライバルとの戦い、ヒロインの救出(さらにルートによっては''ヒロインがラスボス化''する)など、王道に沿った熱い物語が展開される。 ---特筆すべきは、ライバルとの戦いで発動するイベント「ポゼッション」。なんと気力が200も上昇する。これによって手も足も出なかったライバルを一撃で倒すことができるようになっており、見事な逆転勝利イベントとなっている。この画期的なシステムは、後に「弾丸X」や「ザ・パワー」((アニメ『勇者王ガオガイガー』で発生したパワーアップイベントで、スパロボ参戦時にも再現されることが多い。))、「[[真化融合>第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇/天獄篇/連獄篇]]」など、土壇場におけるパワーアップイベントの際に継承されており、いずれも本作に劣らぬ熱い展開。 --また、選択に応じて全く異なるシナリオに分岐していくため、何度も楽しめる。 ---ラストマップが4種類、エンディングが3種類と言うのはシリーズ最多であろう。細かな分岐条件ではさらに多岐に渡る。 --テキスト自体の質もかなり高い。サイバスター自体は一見80~90年代のアニメのノリなのだが、それとは裏腹にどのキャラも現実的な振る舞いを見せる。良くも悪くも手堅いところに落ち着いている現在のスパロボとはまた違う魅力がある。 -出演キャラクターが少ない分、一人一人の表情の変化が非常に多い。 --中には1人で30種類近くという、現行シリーズのキャラよりも遙かに多彩な表情パターンを持つキャラクターもいる。 --シリアスなものからコミカルなものまで、あらゆるキャラの表情の変化を楽しめる。 -ディスク読み込みが無く、戦闘がスピーディ。 --同時期に発売された比較対象としてPSの『第4次S』、SSの『F』があるが、カセット媒体であるため読み込みが無く、また戦闘デモ自体も早い。 --他機種のスパロボが一戦闘毎に1分以上かかっていたのに対し、本作は30秒も掛からない。 --また戦闘バランス自体攻撃力偏重気味であり、一撃必殺が基本なので戦闘回数自体も少なめ。 --これらにより、非常にスピーディにゲームを進めることが出来る。 --『α』以前の作品であるため戦闘アニメは動かない。しかしその分絵の動かし方、間の取り方が絶妙であり、非常に歯切れのよい戦闘が展開される。部分的には後発のスパロボ作品をしのいでいるものもある。効果音も凝っており、実体剣系の斬撃音やレールガンの射撃音などが作りこまれている。 -BGMが素晴らしい。 --SFCながら音質は良く、世界観にあった壮大なアレンジが加えられている。曲自体もレベルが高く名曲揃い。誇張抜きで同時代のFFやDQといった大作にも決して引けを取らない。 --ベースラインの音色は主にスラップベースを採用しているが、これが非常に熱い。「フラッパーガール」や「終わりなき戦い」などが顕著。 --テュッティ、ヤンロン、ミオ、シュウなどメインキャラにそれぞれテーマ戦闘曲が新規追加された。「熱風!疾風!サイバスター」も今作で大幅にアレンジを受け、疾走感溢れる曲に。のちの『α』『OG』でも今作のアレンジを基準とするようになった。 --ちなみに『OGs』の魔装機神組のBGMは本作のものをベースにしてアレンジされている。 **問題点 -マップでのユニットの移動に時間を食う。 --高度差のあるマップではユニットは一段ずつしか上れないため時間がかかる。 ---特にサイバスターは従来作では風の魔装機神として空を駆け、飛行用形態のサイバードという形態もある為、従来作を知っていると違和感が強い。 -ラスボスが弱い --ラスボスはHPや装甲がかなり強く設定されているものの、主人公との属性の相性が悪くダメージを与えにくく、受けやすい。(主人公はその逆) ---また仲間があまりにも強すぎるなど、総じて弱く感じられてしまう。 -「気配察知」が厄介 --側面・背面から攻撃を受けた際に自動的にそちらに振り向く防御用の技能なのだが、自動判定だけに連続して攻撃を受けた際の発動運によっては逆に状況が悪化する。 ---最初の敵とは別方向の後続の敵の攻撃を一方的に背面から喰らう羽目になったり、場合によってはボスに背を向けてしまう事も。 --敵の場合は後半非常に発動率が高くなりストレスが溜まったりとやや不評。 -この頃のウィンキー製スパロボの常として、後半のインフレゲー化が激しい。 --「2回行動」や「再攻撃」((攻撃終了後にランダムで同じ攻撃を再度行う。余りにも強過ぎたためか、以後のシリーズで一度も採用されていない))などの強力な技能を次々に修得し、武器の威力もどんどんインフレして行く。その一方で前述の「気配察知」のようにランダム性の強い技能が敵・味方で頻繁に発生するため大味なバランスになりがち。 -魔装機神とヴァルシオーネR以外のユニットの存在意義が危うい。 --魔装機神は他の機体に比べて武器性能、機体能力が純粋に高く、さらに前述した守護精霊のランクが高いため、与えるダメージに大きな差が生じてしまっている。 --他の機体はほぼ任意出撃であるため、魔装機神さえ改造すればいい、ということになる。タイトルにもなっているので意図的なものだろうが、他の機体を中心に使うことが一種の縛りプレイと化してしまっている。 //脇が弱くて嬉しいって事もないし問題だろう、これは -容量の都合か、時系列的に存在しない筈のウィーゾル改やノルス・レイが第一章に登場する((それぞれウィーゾルとノルスを改造した機体だが、改造されたのは『第4次』になってからである。))、イベントマップに登場するガディフォールが色違いのソルガディの流用で済まされている((ソルガディをベースにした量産型がガディフォールという設定。))等、一部不自然な点が存在する。 --後述のリメイク版では段階的に修正された。 ---- **総評 スパロボの基本システムをベースに、版権キャラが一切存在しないストーリーや、多数の独自なシステムを搭載した意欲作。~ 出演するキャラクターも総じて魅力的で、細かなルート分岐で大きくシナリオが変化することもあって何度も楽しめるようになっており、なかなかに完成度の高いシミュレーションゲームとなった。 ---- **その後の展開 -αシリーズへの参戦 --『第○次シリーズ』に続き新たに展開された『αシリーズ』にも継続して参戦した。 ---『α』ではサイバスターの必殺技である「ディスカッター乱舞の太刀」が、続く『α外伝』では他の魔装機神の必殺技もSDグラフィックで映像化された。 ---『α外伝』では『魔装機神』タイトル画面のBGM「ラ・ギアスの風」の追加や、『第3次』におけるネオ・グランゾンとの対決の再現なども行われたが、『魔装機神』関係は以降のαシリーズに登場しなくなった。 -OGシリーズへの参戦 --スパロボオリジナルのキャラクターを集結させた『OGシリーズ』にも『第○次』シリーズの再現として『魔装機神』のロボット・キャラクター達が参戦し、シリーズの常連となっている。 ---「ラ・ギアスの風」は『OGS』で追加され、ネオ・グランゾンは『OG外伝』で登場。 ---カードダス『OGクルセイド』においても、DS版発売以降は『魔装機神』出典のカードも登場するようになった。 ***『魔装機神』リメイク・続編展開へ -OGシリーズの展開が進行するにつれ、本作のリメイクを期待する声も次第に高まってきたのだが、遂に本作のリメイクだけでなく続編の展開が発表され、多くのファンを喜ばせた。 -DS版『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』 --本作のDSリメイク作。詳細は下記。 -PSP版『魔装機神I&II』 --本作の続編『[[スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD]]』とのカップリング移植。初回限定版のみ。 --発売当初は「『I』単体での発売予定はない」としていたが、『[[魔装機神III>スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE]]』発売記念として2013年7月25日からプレイステーションネットワークで『I』が単独配信された。ただし、パッケージでの単独販売はされていない。 --2020年12月24日、『I』『II』『III』のダウンロード版の価格が一律2,750円に改定された。 ***その他ゲームでの登場 -『[[Another Century's Episode:R]]』 --『スーパーロボット大戦OG』枠として主役機のサイバスターが「ART-1」「アルトアイゼン」と共にゲスト参戦してファンを喜ばせた。OGシリーズの世界から転移してきた設定。 ---作品自体は「期待ほどの出来ではなかった」との声は聞かれるものの、サイバスターを直接操作できるゲームはこれが初だった。 -『Z』シリーズ --オリジナルメカ「シュロウガ」とパイロット「アサキム・ドーウィン」は、サイバスターとマサキを意識したものとなっている。 -『[[スーパーロボット大戦Operation Extend]]』 --ダウンロードコンテンツとして、サイバスターとマサキが参戦。こちらも『ACE:R』同様OGシリーズ設定での参戦。 -『[[スーパーロボット大戦X]]』 --ゲストユニットとして、サイバスターとマサキが参戦。こちらはOGシリーズとは無関係であることがアナウンスされている。 -『[[スーパーロボット大戦T]]』 --ゲストユニットとして、サイバスターとマサキが参戦。世界観は『X』と同一。本編では一話きりの登場だったが、後日談のエキスパンションシナリオでは序盤から最後まで同行する。 -『[[スーパーロボット大戦30]]』 --ゲストユニットとして、サイバスターとマサキが参戦。本作ではαシリーズから参戦したことが示唆されている。 ***その他の展開 -1999年の5月には『魔装機神サイバスター』というタイトルでTVアニメ化。スパロボシリーズ初のアニメ作品となった。 --しかし登場メカの名称と意匠、登場人物の名称に共通点が多いという事以外は完全なオリジナルストーリーとなっている。 --本編の評価は今一(原作ファンからの評価は特に低い)だが、主題歌の「戦士よ、起ち上がれ!」は評価が高い。 //派生作品の評価自体は書いてあるページも多いので、要約で復帰 //ゲームと直接関係ないことを詳しく書く必要はないため削除 -PSリメイク版『[[スーパーロボット大戦コンプリートボックス]]』の第3次にてステージ開始時のサブタイトルが英訳と併記されるのだが、サブタイトルの一つ『魔装機神』の英訳で本タイトルを流用している。 --しかし残念なことに「''LO 'A' D'' OF ~」と思いっきり誤植している。自社製品なのに… &br ---- *スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL 【すーぱーろぼっとたいせんおーじーさーが まそうきしん ざ ろーど おぶ えれめんたる】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B003CF9RH2)| |対応機種|ニンテンドーDS&br;プレイステーション・ポータブル|~| //|メディア|512MbitDSカード|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ウィンキーソフト|~| |発売日|【DS】2010年5月27日&br;【PSP】2013年7月25日|~| |備考|PSP版単品はダウンロード版限定|~| |定価|【DS】6,090円(税5%込)&br;【PSP】2,750円((2020年12月24日より4,980円(税5%込)から改定))(税10%込)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(OG) 『スーパーロボット大戦 コンプリートボックス』を最後に提携が解消されていたウィンキーソフトが再びバンプレスト(現在はバンナム)と提携し、プラットフォームをニンテンドーDSに移して発売された『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』のリメイク作。~ 基本的な内容はSFC版と変わらないが、ゲームバランスや設定などが一部変更されている。 **変更点・追加点 -『OGシリーズ』との統一化 --サブタイトルの「スーパーロボット大戦OGサーガ」が示すとおり、SFC版が旧シリーズの設定を元にしていたのに対し本作はOGシリーズの設定を元にしている。そのためOG本編との整合性を図るために設定や物語の一部が変更されている。 ---「OG1」の南極事件をマサキの視点で回想するエピソードがあるが、そのときに少しだけリュウセイが登場する。 -2回行動の習得レベルの引き上げなどの特殊技能などにいくつか変更点が見られる。 --それに伴い前半のゲームバランスはSFC版とほとんど変わらないが、後半のバランスは若干変化している。 -戦闘デモのアニメーション化 --戦闘デモのON/OFF切り替えなど、現在のスパロボに採用されているシステムも一部搭載されている。 -シナリオ上では特定のシーンでCGの一枚絵が表示されるようになった。 -やりこみ要素の追加 --用語集、一度見たCGを見られる追想録、BGMの試聴モードが追加された。 -保存できるセーブデータ数は最大''96個''。 --携帯機らしくシナリオデモや敵フェイズ中でも途中セーブが可能となっている。 -キャラクターの1人「アハマド・ハムディ」の設定変更 --「パレスチナ出身のイスラム教徒の戦闘狂((ただし「戦闘」は好きでも「戦争」は嫌っており、「パレスチナ出身だからこそ戦争がどういうものかイヤというほど知っている」「戦争は起こってしまった以上は一刻も早く終わらせるのが一番」と述べている。))のテロリスト」という極端な設定のキャラクターであり、原作では「アッラーフアクバル」((「アラー(神)は偉大なり」という意味。))「インシャラー」((「神(アッラー)の思し召しのままに」という意味。))「(すき焼きに)豚肉は入っておらんだろうな?」((イスラム教徒にとって豚は不浄の生物であり、食すことを禁じられているため。))といった台詞も存在していたが、リメイクに伴いイスラム教を思わせる台詞・描写が削除された。 -ソルガディの流用で済まされていたガディフォールに専用のグラフィックが用意された。 --ただし、第一章の時点でウィーゾル改やノルス・レイが登場するという部分はそのまま。この点はPSP版で対応された。 ***PSP版の変更点 -戦闘画面のフルボイス化がなされており、今まで声が無かったキャラ達にようやく声がついた((PS版『EX』や『コンプリートボックス』等に出演していたキャラ以外。なお、一部声優が変更されているキャラもいる。))。戦闘台詞もSFC版と同様の簡素なものだったDS版から多数追加された。 -戦闘アニメの内容はDS版準拠だが、画質はハード性能相応に向上している。 -データインストール対応により、読込速度が向上するようになっている。 -容量的な都合と思われる不自然な箇所が完全に修正された。 --第一章に登場していたウィーゾル改とノルス・レイが、それぞれ改造前のウィーゾルとノルスに差し替えられた。戦闘シーンも新規で作成されている。 --他、『EX』での出来事を回想するシナリオに登場するヴァルシオーネRがヴァルシオーネに置き換えられている、全編でラングラン軍兵士の搭乗する機体がテロリスト御用達のルジャノール改から軍の主力であるブローウェルになっている等、細かい部分も変更されている。 ---- **評価点(OG) -戦闘デモのアニメーション化で、機体が動くようになった。 --サイバスターの武装ディスカッターの強化版であるバニティリッパーなど、SFC版ではよくわからなかった強化後の武器も新規にデザインされた。 -CGの追加で演出面も強化された。 --女性キャラは初登場時に''ダブルスクリーンブチ抜きのCG''が表示される。 ---特定のルートを通らないと見られないCGも多く、ルートや選択によって複雑に分岐する本作のシステム上コンプリートは容易ではない。 -セーブ数が96個に増加し、かなり遊びやすくなった。 --前述のように本作はとにかく分岐が多いので非常にありがたく、一からプレイし直す必要性が無くなった。 -影の薄い仲間キャラのシナリオ追加 --前述のアハマドはSFC版だと使用機会に乏しく、彼が仲間になるルートに進む利点自体ほぼないという不遇のキャラだったが、リメイク後は加入条件こそ厳しいものの''仲間になった際にいい意味でとんでもないイベントが発生''し、多くのプレイヤーから好感を得た。 #region(アハマド加入時イベントの詳細) --加入時に「傭兵稼業と金のデモンゴーレム狩りで''少しばかり''資金を稼いできたが、俺には使い道がないから使ってくれ」とのことで、自軍へ資金を無償提供してくれる。資金提供イベント自体は他のシリーズ作にも存在するのだが、「少しばかり」という台詞とは裏腹に何と''5,000,000''という桁違いの金額をくれる。 ---本作の通常プレイ1周で手に入る資金の総合計が約1,500,000、1機体のフル改造にかかる資金が250,000程度である事を考えると、アハマドの提供資金額がいかに異常かが分かるだろう。 ---他の作品での資金提供と見比べても、『[[A>スーパーロボット大戦]]』にてシャアがセイラに提供した金額と『[[EX>スーパーロボット大戦EX]]』でゴルドがマサキに渡した金額が10,000、『[[W>スーパーロボット大戦W]]』でアカツキが提供した金額が200,000となっており、本作のそれが飛び抜けていることが分かる。 --このイベントによりプレイヤーからは''「アハマド神」''「アラブの大富豪」等の敬称が付き、プレイヤーどころか作中のキャラクターからも''「アハマドと言えば金」''という印象を持たれるようになった。また''続編でもほぼ同等のイベントが発生する。'' #endregion ---- **問題点(OG) -DS版では「デメクサ・シーエ」((SFC版では「シーエ・デメクサ」だったのだが、彼の出身であるエチオピアの風習(自分の名前の後に父親の名前を付ける)に倣うと「デメクサ=父親の名前」になってしまい不自然という事で、リメイクに伴い変更された。))が搭乗するファルクの改造段階が敵のナグツァートおよびグランゾンと連動しているバグが存在する。 --ファルクを改造すると結果的に苦戦を強いられることになる。おまけにファルクの武器である「竜巻」をランクアップさせていると、シナリオ「絶望の淵で」に登場する敵のグランゾンが謎のバグ武装を引っ提げてしまい、最悪の場合ゲームが進行不能になってしまう。 ---この事からデメクサは「邪神デメクサ」と呼ばれるようになり、奇しくもアハマドとは対照的な評価を得る事になってしまった。 --なお、PSP版では修正されている。 -PSP版はデータの管理方法が「システムデータ」ではなく「各セーブデータ」依存になっている為、シナリオチャート埋めが非常に面倒になった。 ---- **総評(OG) さすがに現在の基準で見ればシステム面で古い部分が散見されるが、ゲームとしての出来のよさはSFC版譲り。~ 移植もかなり忠実に行われ、その上で新要素が追加されているのでオリジナルよりも快適にプレイできるようになった。~ なにより『魔装機神』の復活と続編展開が始まるきっかけとなったため、原作ファンにとってはただのリメイクに留まらない非常に嬉しい一作となっている。 //同じ文章をコピペして何回も書かないでください

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