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スーパーファミコンウォーズ - (2018/11/10 (土) 10:49:25) の最新版との変更点

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*スーパーファミコンウォーズ 【すーぱーふぁみこんうぉーず】 |ジャンル|シミュレーション|&amazon(B005A7JFLS)| |対応機種|スーパーファミコン(ニンテンドウパワー)|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|1998年5月1日|~| |定価|2,100円|~| |プレイ人数|1~4人|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~| |レーティング|【Wii/WiiU】CERO:A(全年齢対象)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2010年2月16日/823Wiiポイント&br;【WiiU】2013年10月2日/823円(税8%込)&br;【New3DS】2016年11月28日/823円(税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //|ポイント||~| |>|>|CENTER:''[[ファミコンウォーズシリーズリンク>ファミコンウォーズシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 FCの戦略シミュレーション『[[ファミコンウォーズ]]』の新作に近いリメイク。~ 携帯機の『ゲームボーイウォーズ』シリーズを含めると4作目、含めないと2作目となる。 実は初代から10年もの間を空けられての発売。~ 加賀昭三氏や辻横由佳氏など、『[[ファイアーエムブレム>ファイアーエムブレムシリーズ]]』シリーズの関係者が多数開発に関わる。 **ルール 基本的に『ファミコンウォーズ』と同じで、勝利条件は敵部隊の全滅もしくは敵軍の首都を占領すること。~ マップのマスは『ゲームボーイウォーズ』のヘックス(六角形)から『ファミコンウォーズ』のスクウェア(四角形)に戻っている。 **特徴及び評価点 FC版(以降、「前作」と表記)で挙げられた不満点は軒並み解消・調整されている。 -CPUの思考時間はハードの性能向上に伴い大幅に短縮。「高速モード」ではさらにユニットがマップ上を移動する速度も向上。 --戦闘・占領アニメのオン・オフも任意で変更でき、前作で挙げられたテンポの悪さという不満は一気に解消された。 -航空ユニットが登場しないステージでは対空ミサイルなど対空攻撃しかできないユニットは灰色表示になっていて、生産できないことが一目瞭然になっている。 --生産しようとしても、「必要ありません」と表示され、無駄な生産ができなくなった。 -ユニットの詳細な情報の開示。 --ユニット同士の相性、反撃の可否など詳細なデータをボタン一つで閲覧可能。~ 本来なら攻略本に載っていてもおかしくないレベルの情報がステータス画面で普通に公開されている。 -新ユニットの追加・性能の調整。 --線路の上しか移動できないが移動力が高く、強力な間接攻撃を浴びせられる「列車砲」、安価で生産できる上多くの部隊相手に有利に戦えるが、地上部隊から反撃され易く消耗しやすい「戦闘ヘリ」、中立の研究所を占領した時にのみ手に入る最強の戦車「新型戦車」などが新たに登場、ユニットのバリエーションがより豊かになった。ヘリを2部隊まで搭載・補給ができる「護衛艦」といった戦術の幅が広がるものもある。 --前作では「戦車A・戦車B」という括りが「重戦車・中戦車・軽戦車」に変更。 ---前作では戦車AはBの上位互換だったが、今作では「重戦車は攻撃も防御も最高峰だが移動力が低く、軽戦車はその逆。中戦車は両者の中間の性能」といった具合に変更され、安い戦車=弱いというわけでもなくなった。 --前作のバランスブレイカー、戦闘工兵は生産に必要な資金が2000→3000に値上げ。量産がしづらくなり、ゴリ押しが利かなくなった。攻撃・防御力も引き下げられている。 ---また戦闘工兵に限らず、一部陸上ユニットは航空・海上ユニットに攻撃できなくなったことから、様々なユニットの運用が求められる。 ---前作の自走砲Aはロケット砲に改名、資金が13000→15000に値上げされた上、森に入れないと大幅に弱体化。結果、前作での戦術を練り直す場面が出てきた。 -「合流」の仕様変更。 --前作では合流後の機数が10(最大値)を超える場合は合流を行うことができなかったが、今作では合流可能。 ---ただし、最大数を超えることはできない。(例として、5機と6機の部隊を合流させると10機の部隊となる) -異なる思考パターンや特殊能力を持つ「将軍」システム。 --各勢力(レッドスター・ブルームーン・イエローコメット・グリーンアース)をそれぞれ率いる4人の将軍は、プレイヤーが使えば何も変化は無いが、敵として対戦すると将軍によって思考パターンが変わってくる。 ---中でも「ヘットラー」(元ネタは・・・)は、歩兵を大量生産して壁を作りその後ろに間接攻撃ユニットを配備するという個性的な戦法を採る。 --この4人の他にも「フリー」として3人の将軍が登場するが、運が良い(自軍に有利な乱数を引けるため戦闘結果で1機分得をしやすい)「キャロライン」、毎ターン無条件で資金ボーナス((追加で10000G、初期収入の低いマップでは狂った強さを発揮))の入る「ビリーゲーツ」、自軍の全ユニットの初期レベルが+2される(レベルアップシステムをオフにしていても((実質、自軍の全部隊の攻撃力が40%上昇)))「ミスターヤマモト」など、この3人は特殊能力を持っているため有利な条件となっている。 ---プレイヤーが選んでも特殊能力の効果は発揮されるため、特殊能力持ちの将軍をプレイヤーが使えば難易度が易しくなるし、逆に敵に設定すれば実質上のハードモードになるなど、難易度調整として機能している。 --なお、特殊能力について作中の将軍紹介では簡単な説明しかされていない点には注意。 -マップ数の大幅な増加。 --前作のマップを忠実に再現した「2Pマップ」、新マップで列車砲も登場する「ニュー2Pマップ」、同時に4勢力が戦う「4Pマップ」と前作の3倍程度の大ボリューム。全てのマップを攻略するにはかなりやり込まなくてはならない。 ---いずれのモードでも、対人戦が楽しめる(4Pマップでは最大4人対戦が可能)。 -新システム「索敵」、「レベルアップ」、「優勢勝利」。どちらもゲーム開始時に任意でオン・オフが可能。 --索敵はマップが暗くなり、ユニットの周囲にしか敵が表示されないというもの。「偵察車」や歩兵の効果的な使い方が求められる。 --レベルアップは、ユニットをロストさせずに敵ユニットを倒していくと、レベルが上がりユニットの性能が向上するというシステム。 ---前述の「合流」は高い方の部隊のレベルが適用されるため、上手く活用すれば歩兵など弱ユニットでも高レベルを目指すことができる。 --優勢勝利は敵よりかなり有利になったらその時点で勝利とするもので、「拠点の75%以上を占領すること」が勝利条件に加わる。 ---このため、敵が圧倒的に有利な条件で始まる最終マップの一部では難易度が非常に高くなる。 **短所 ゲーム性以外での不満が目立つ。 -各勢力とフリーの将軍格差が酷い。 --中でも「ビリーゲーツ」はバランスブレイカーで、勢力4人と比べると難易度がハードモードを通り越してナイトメアモードやヘルモードになりかねない。 -対人「索敵」時の潜水艦は、もはや見つけられる気がしないステルス性能のバランスブレイカー。 //-随所でテンポが改善されている一方で、マップクリア時の「バンザーイ」×4がなぜかスキップできない。 //最後だけなので細かすぎ //-マップエディットモードが無い。 //--骨の髄までしゃぶりつくしたいというファンから挙げられる意見。 //ないものねだり -自軍ターンのBGMは自由に変更できるのに、敵軍BGMはゲーム開始時に変更できるのみで以降は固定。 //--退屈な敵ターンこそBGMを変えて気分転換したいところなのだが。 -4Pマップが時間がかかりすぎる --自軍以外に3チームもあってはなかなか自分の番に回ってこず、時間がかかりすぎる。 -プレイヤー、敵将軍も途中での変更は不可。変えたくなったら新たにファイルを作り直すしかない。 --ファイル数が3つで、ステージも2Pマップ・ニュー2Pマップ・4Pマップの3種類なので空きファイルを作りづらい。~ そもそも、セーブデータを消す事自体に抵抗がある人も多いはず。 ---ただし、セーブデータ数に関してはニンテンドウパワー版でもバックアップ容量の2KB*16ブロックをフルで使っていたため、ハードの制約上仕方のない部分もある。 **総評 前作の不満を解消し、遊びやすさを追求する一方でゲームバランスも失われていないシリーズの傑作。~ ゲーム全体の雰囲気が軟派になってしまった点を残念がる声もあるが、シミュレーションゲームとしての面白さは一級品。~ 足の速い部隊で占領。戦線を維持し、間接射撃で叩き、遅れてやってきた戦車・航空で突破。改めてこのジャンルの楽しさを思い出させてくれるはず。 **余談 -海外未発売。本作に限らず、1990年代までの本シリーズは全て海外展開されていない。 --しかし90年代以降は海外主導の面が目立つ。建前上は武力を持っていない日本で、こうした戦争が題材のゲームを出すのは少々面倒な所があるからだろうか。
*スーパーファミコンウォーズ 【すーぱーふぁみこんうぉーず】 |ジャンル|シミュレーション|&amazon(B005A7JFLS)| |対応機種|スーパーファミコン&br()(ニンテンドウパワー専売)|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|1998年5月1日|~| |定価|2,100円|~| |プレイ人数|1~4人|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~| |レーティング|【Wii/WiiU】CERO:A(全年齢対象)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2010年2月16日/823Wiiポイント&br;【WiiU】2013年10月2日/823円(税8%込)&br;【New3DS】2016年11月28日/823円(税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //|ポイント||~| |>|>|CENTER:''[[ファミコンウォーズシリーズリンク>ファミコンウォーズシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 FCの戦略シミュレーション『[[ファミコンウォーズ]]』の新作に近いリメイク。~ 携帯機の『[[ゲームボーイウォーズ]]』シリーズを含めると4作目、含めないと2作目となる。 実は初代から10年もの間を空けての発売。~ 加賀昭三氏や辻横由佳氏など、『[[ファイアーエムブレム>ファイアーエムブレムシリーズ]]』シリーズの関係者が多数開発に関わる。~ FC版の素材が後に「暗黒竜と光の剣」に流用されたのに対し、本作はマップチップや効果音などの一部がファイアーエムブレムシリーズから流用されている。 ---- **ルール 基本的に『ファミコンウォーズ』と同じで、勝利条件は敵部隊の全滅もしくは敵軍の首都を占領すること。~ マップのマスは『ゲームボーイウォーズ』のヘックス(六角形)から『ファミコンウォーズ』のスクウェア(四角形)に戻っている。 ---- **特徴及び評価点 FC版(以降、「前作」と表記)で挙げられた不満点は軒並み解消・調整されている。 -CPUの思考時間はハードの性能向上に伴い大幅に短縮。「高速モード」ではさらにユニットがマップ上を移動する速度も向上。 --戦闘・占領アニメのオン・オフも任意で変更でき、前作で挙げられたテンポの悪さという不満は一気に解消された。 -航空ユニットが登場しないステージでは、対空ミサイルなど対空攻撃しかできないユニットは灰色表示になり生産できなくなった。 -ユニットの詳細な情報の開示。 --ユニット同士の相性、反撃の可否など詳細なデータをボタン一つで閲覧可能。~ 本来なら攻略本に載っていてもおかしくないレベルの情報がステータス画面で普通に公開されている。 -新ユニットの追加・性能の調整。 --線路の上しか移動できないが強力な間接攻撃を持ち、移動力が高い上に地上部隊を2部隊まで搭載して運搬可能な「列車砲」、安価で生産できる上多くの部隊相手に有利に戦えるが、地上部隊から反撃され易く消耗しやすい「戦闘ヘリ」((GB版からの逆輸入))、道路での移動力が高く索敵範囲が広い歩兵キラー「偵察車」、中立の研究所を占領した時にのみ手に入る最強の戦車「新型戦車」((占領した兵士の部隊がこれになる。))などが新たに登場、ユニットのバリエーションがより豊かになった。ヘリを2部隊まで搭載・補給ができる「護衛艦」といった戦術の幅が広がるものもある。 --前作では「戦車A・戦車B」という括りが「重戦車・中戦車・軽戦車」に変更。 ---前作では戦車AはBの上位互換だったが、今作では「重戦車は攻撃も防御も最高峰だが移動力が低く、軽戦車はその逆。中戦車は両者の中間の性能」といった具合に変更され、安い戦車=弱いというわけでもなくなった。 ---「新型戦車」は完全に上位互換だが、獲得するまでに敵との奪い合いを制しなければならず、破壊されたら生産ができないので、きちんとバランスが取れている。戦闘能力は重戦車より少し強いくらいで、複数の重戦車を相手にすればやられてしまうし、もちろん爆撃機には手も足も出ない。要は足の速い重戦車なので、「強い」「無敵」というイメージよりも「便利」というユニット。 --前作のバランスブレイカー、戦闘工兵は生産に必要な資金が2000→3000に値上げ。量産がしづらくなり、ゴリ押しが利かなくなった。防御力も引き下げられているが、ロケット砲の攻撃力は上がっている。 ---しかしヘリを相手にロケット砲を使用しなくなり、前作のイメージでヘリを攻撃させると大きな期待外れに。 ---また歩兵に攻撃すると歩兵同様にマシンガンで撃ち合う事になり、一応戦闘工兵の方が強いが、価格が3倍もするのに最弱の歩兵を相手にわずかな優位しか保てず、結構大きな損害を受けてしまう。運用が難しいのに、これはきつい。 ---戦闘工兵同士の戦いで両者マシンガンを撃ち合う光景は「歩兵と変わらないじゃないか」と嘆きたくなる。 ---また戦闘工兵に限らず、一部陸上ユニットは航空・海上ユニットに攻撃できなくなったことから、様々なユニットの運用が求められる。前作までの歩兵が戦闘機を撃ち落とせた方がおかしかったとも言える((ただし戦闘機が地上攻撃できなくなり、歩兵で取り囲んで燃料切れを待つという非現実的な戦法が生まれてしまった))。 --前作の自走砲Aはロケット砲に改名、必要資金が13000→15000に値上げされた上、平地での移動力が半減、森の地形に進入不可と大幅に弱体化。結果、前作での戦術を練り直す場面が出てきた。 ---ついでに自走砲B(Aが無くなったので「自走砲」のみに改名)が移動力5から4に低下しており、弱体化したのに必要資金が5500→7000に値上げされている。今作では間接攻撃部隊に弱体化調整が為されている。 --前作の輸送ヘリは、必要資金が4000→5500に値上げされた上、攻撃不可と大幅に弱体化。ヘリでの攻撃は専門の「戦闘ヘリ」に任せる事になったが、これが必要資金8500となかなか高い。反面、補給車で燃料補給が可能になり、墜落の危険が緩和された。 ---その補給車が、ロケット砲と同じく平地の移動力低下・森には侵入不可能になり「ここに行けるはずだったのに」という事態がよく起きる。 --前作の高射砲が「対空戦車」に変更。地上の敵にも攻撃できるようになり、戦車には弱いが歩兵相手には圧倒的な攻撃力を持つ。必要資金は5500→8000に値上げされた。肝心な爆撃機対策には攻撃力不足という存在意義が問われるほどの致命的な欠点があるが、輸送ヘリ&歩兵のコンビに対して無類の相性の良さを誇る。 --各ユニットの弾数が増加したり、対歩兵用のサブ武器は弾数無限になるなど、弾切れ作戦を狙うのが難しくなった。 --唯一、戦闘機Bは残念ながら削除された。 ---航空機にも地上の敵にも攻撃できる「攻撃機」が追加されており、こちらに機種変換されたと考えることもできる。ただ、攻撃機は値段が高いので、戦闘機Bの「戦闘機Aには及ばないが、それよりも安く買える」という個性とは別物である。 -軍資金上限が99999から999999に上昇。 --最終マップで敵軍の資金が天井に届くような事がほぼ無くなり、より厳しい戦いを強いられる。 -部隊数の上限が48から60に増え、不要になったユニットを処分できるようになった。 --前作では処分コマンドが存在せず、上限に達したら戦闘や合流で無理矢理部隊数を減らす必要があった。 -施設の占領耐久度が分かるようになった。 --前作では占領アニメのオン時にしか把握できなかったため、オフ時には計算して覚える必要があった。 -異なる思考パターンや特殊能力を持つ「将軍」システム。 --各勢力(レッドスター・ブルームーン・グリーンアース・イエローコメット)をそれぞれ率いる4人の将軍は、プレイヤーが使えば何も変化は無いが、敵として対戦すると将軍によって思考パターンが変わってくる。 ---中でも「ヘットラー」(元ネタは・・・)は、歩兵を大量生産して壁を作りその後ろに間接攻撃ユニットを配備するという個性的な戦法を採る。これは前作で猛威を振るった戦術で、実行していたプレイヤーも多いだろう。((元ネタの人は戦車による電撃戦を好み、史実(?)の再現性という点ではまるっきり正反対である。元ネタを重視するなら軽戦車と爆撃機の生産に注力する方針が良かったが、これは本作で非常に強力な戦術である。)) --この4人の他にも「フリー」として3人の将軍が登場。運が良い(自軍に有利な乱数を引けるため戦闘結果で1機分得をしやすい)「キャロライン」、毎ターン無条件で資金ボーナス((追加で10000G、初期収入の低いマップでは狂った強さを発揮))の入る「ビリーゲーツ」、自軍の全ユニットの初期レベルが+2される(レベルアップシステムがオフでも有効((実質、自軍の全部隊の攻撃力が40%上昇)))「ミスターヤマモト」の3人は特殊能力を持っているため有利な条件となっている。 ---プレイヤーが選んでも特殊能力の効果は発揮されるため、特殊能力持ちの将軍をプレイヤーが使えば難易度が易しくなるし、逆に敵に設定すれば実質上のハードモードになるなど、難易度調整として機能している。 --なお、特殊能力について作中の将軍紹介では簡単な説明しかされていない点には注意。 -マップ数の大幅な増加。 --前作のマップを忠実に再現した「2Pマップ」、新マップで列車砲も登場する「ニュー2Pマップ」、同時に4勢力が戦う「4Pマップ」と前作の3倍程度の大ボリューム。全てのマップを攻略するにはかなりやり込まなくてはならない。 ---忠実にと言っても、新システム「優勢勝利」への対応のため青軍都市が減り中立都市になった「キメンハントウ」、戦車Aの替わりに中戦車となり戦力が減った「デビラートウ」など完全再現とは言い難いマップもある。そもそもユニットの性能が変化しているため、マップが完全に同じだったとしても、前作と全く同じゲームにはならない。 ---他にも、初期収入が4000→5000に増えた「マガタマジマ」、逆に減って1日目に輸送ヘリが生産できなくなった「オニギリジマ」、初期資金がMAXで戦艦が作れたのが初期収入分しか増えない「タマタマジマ」、戦車や輸送車が川を渡れなくなった「チリヂリガワ」などシステム変更により戦略を練り直すMAPがゴロゴロある。 ---いずれのモードでも、対人戦が楽しめる(4Pマップでは最大4人対戦が可能)。 -新システム「索敵」、「レベルアップ」、「優勢勝利」。いずれもゲーム開始時に任意でオン・オフが可能。 --索敵はマップが暗くなり、ユニットの周囲にしか敵が表示されないというもの((実際は、2作目のGBWからの逆輸入なので新とは言えない))。「偵察車」や歩兵の効果的な使い方が求められる。 --レベルアップは、ユニットをロストさせずに敵ユニットを倒していくと、レベルが上がりユニットの性能が向上するというシステム。 ---前述の「合流」は高い方の部隊のレベルが適用されるため、上手く活用すれば歩兵など弱ユニットでも高レベルを目指すことができる。 --優勢勝利は敵よりかなり有利になったらその時点で勝利とするもので、「拠点の75%以上を占領すること」が勝利条件に加わる。 ---このため、敵が圧倒的に有利な条件で始まる最終マップの一部では難易度が非常に高くなる。通常マップで楽をした分のツケがここで回ってくる、とも言える。 ---上記のキメンハントウの初期状態がオリジナル版では全ての都市がブルームーン支配下という極端なものだったのが本作では半分が中立になったのはこのため(オリジナルのままなら初期状態の時点で優勢勝利が成立してしまう)。 ---- **問題点 ゲーム性以外での不満が目立つ。 -各勢力とフリーの将軍格差が酷い。 --中でも「ビリー・ゲーツ」はバランスブレイカーで、勢力4人と比べると難易度がハードモードを通り越してナイトメアモードやヘルモードになりかねない。 --彼らと強制的に戦わされる事は無く、プレイヤーが指定しなければ登場しないので、その点では安心。 -当てにならない難易度表記 --「ヘットラー」の1や「ビリー・ゲーツ」の4は詐欺と思えるほど低く見積もっている。 ---実際には、ヘットラー3・ビリー5相当が妥当か。 -空港や港が少なく、航空機や船舶の補給・回復ができず、燃料切れで墜落・沈没する事態が多発する --前作からの欠点。 --「もう少しで墜落しそうなユニット」「このターンで最寄りの港・空港に向かって移動し始めないと間に合わなくなるユニット」などへの警告は無く、全機手作業で把握しなければならない。めんどくさいので墜落するまで戦わされる事態が多発する。 --ユニットの持つ弾数が増えたため、弾薬を補給するために帰る必要が少なくなり、そのために燃料切れで墜落・沈没する事態がますます増えた。むしろ最初から特攻同然で出撃させる事も多々ある。マップの途中に空港が無いフタゴジマで顕著。 --輸送ヘリと戦闘ヘリは補給車で燃料を補給できる(ユニット数の回復はできない)ので、墜落の可能性はかなり減った。このため、「強いが燃料切れが怖い航空機」「弱いが、燃料補給が可能で、安価なヘリ」というユニットの個性分けもできている。 ---続編ではなんと飛行機や戦艦に補給車で補給可能というタイトルもある。あまりにも非現実的だが、ゲームとしては必要な措置だったのだろう……。 -爆撃機が強すぎる --地上のユニットを攻撃すると、どんな相手も9割方撃破できる。すぐにレベルアップして、一撃で壊滅させるようになる。 --対策として存在するはずの対空戦車が弱く、抑止力として機能しない。爆撃機対策はおおむね戦闘機の役割となる。 --弾数が脅威の16発。まず間違いなく全弾撃ち尽くす前に燃料切れで墜落する。前述の事情もあり、墜落上等で特攻させた方が効率良く勝利できる。 -対人「索敵」時の潜水艦は、もはや見つけられる気がしないステルス性能のバランスブレイカー。 --しかも、歩兵が入れる川でも平然と潜っている。そこまでの深さはないはずなのに…。 -海軍に何故か「空母」がない。 --艦艇の花形の1つであり『ゲームボーイウォーズ』では存在していたのに何故かハブられてしまっている。 --一応『護衛艦』がそれに近い位置付けだが、載せられるのはヘリに限られるのでやっぱり別物には違いない。 -行動済みのユニットを処分できる。 --攻撃→生き残ったら処分して第二・第三と波状攻撃で壁ユニットを破壊して突破する事が出来る。 ---資金と部隊は無駄にはなるので多用は出来ないが効果は抜群。 -後攻軍を選択すると、開始時にそのマップの全中立拠点分の収入がCP側にプラスされているハンデ設定。 --ただでさえ不利な後攻軍がさらに不利になるという上級者向けの仕様。対戦では適用されない。 //-随所でテンポが改善されている一方で、マップクリア時の「バンザーイ」×4がなぜかスキップできない。 //最後だけなので細かすぎ //-マップエディットモードが無い。 //--骨の髄までしゃぶりつくしたいというファンから挙げられる意見。 //ないものねだり -自軍ターンのBGMは自由に変更できるのに、敵軍BGMは(操作をコンピュータに任せた場合)敵司令官ごとに固定。 --そのため、標準的な思考をする司令官「ヤン デルタ」を敵に選んだ場合((他の司令官は「弱い」「被害を考えずひたすら前進」「戦闘工兵の量産で悪あがき」「凄まじいハンディキャップ戦になる」と、それぞれ個性的と言うか癖がある性能である。))、いつも1Pで自軍を操作する時に聞いている曲で敵ターンを過ごす事になって凄い違和感が。 --ゲーム中の説明でも「プレーヤーは1~7までの曲を選ぶことができます」とされており、コンピューターは選択できないのは仕様らしい。 --退屈な敵ターンこそBGMを変えて気分転換したいところなのだが。曲自体は良いものが揃っているため、ずっと同じ曲しか聴けないのは少々もったいない。特に、よほどの高難易度プレイを楽しもうと言う場合で無い限り選ぶ事の無いビリー・ゲーツとミスターヤマモトの曲に設定された6番と7番。 -索敵設定、敵将軍も途中での変更は不可。変えたくなったら新たにファイルを作り直すしかない。 --ファイル数が3つで、ステージも2Pマップ・ニュー2Pマップ・4Pマップの3種類なので空きファイルを作りづらい。~ そもそも、セーブデータを消す事自体に抵抗がある人も多いはず。 ---レッドスター(2Pマップ先攻)・ブルームーン(2Pマップ後攻)・グリーンアース(ニュー2Pマップ先攻)・イエローコメット(ニュー2Pマップ後攻)でそれぞれエンディングが異なる((ムービーの内容はレッドスターとそれ以外の2種類。BGMは全軍違う曲が用意されており、レッドスターは前作のエンディングのアレンジ曲で、グリーンアースはさらにそのアレンジ。ブルームーンは新曲で、イエローコメットはそのアレンジ。))のだが、ファイル数が3つでは各軍のエンディング直前データを保存しておけない。~ 保存用4つとゲームプレイ用1つ、合計5つぶんのセーブデータ枠が必要だったのだ。~ もしくは「一度クリアした軍のエンディングをもう一度見る」というオプション機能があれば良かったのだが……。 ---ただし、セーブデータ数に関してはニンテンドウパワー版でもバックアップ容量の2KB*16ブロックをフルで使っていたため、ハードの制約上仕方のない部分もある。 -優勢勝利の弊害。 --グリーンアース軍のラストマップ「カウントダウン」は敵側本拠地のような位置付けであるため圧倒的に敵側有利なのはいうまでもないが、初期状態ではあと7つ占領されてしまうと成すすべなく敵側の優勢勝利が成立してしまう。配置済みの敵部隊の位置関係上そのうちの6つはどう足掻いても占領を止められないため最初は7つ目の占領を断固阻止して、以後他の拠点の占領の阻止に動かなければならないという詰将棋のような展開を強いられる。更に索敵プレイだと何が何だかわからないまま終わることもしばしば。 ---詰み面でこそないものの、これほどのバランスは極端すぎる。 -4Pマップが時間がかかりすぎる --自軍以外に3チームもあってはなかなか自分の番に回ってこず、時間がかかりすぎる。 --2Pマップなら賢い思考も、四つ巴だと同盟関係は考慮外、同盟相手に戦力を差し向ける((攻撃できないため、結果的に渋滞))というお粗末な状況も日常茶飯事。 -4Pマップが対戦用で一戦で終了するものしか無く、1人で制圧してクリアーしていくキャンペーンモードにあたるものが無い --このゲームは特にストーリーは無く、2Pマップのエンディングも「全ステージクリア」以上の意味は無いただのスタッフロールなのだが、それでも一応の区切りや達成感にあたるものは欲しい。 --或いはこのようなフリー対戦特化仕様ならば、せめてこの4Pモードだけでも上記の索敵設定や敵将軍の切り替えを許容しても良かったかもしれない。 ---- **総評 前作の不満を解消し、遊びやすさを追求する一方でゲームバランスも失われていないシリーズの傑作。~ ゲーム全体の雰囲気が軟派になってしまった点を残念がる声もあるが、シミュレーションゲームとしての面白さは一級品。~ 足の速い部隊で占領。戦線を維持し、間接射撃で叩き、遅れてやってきた戦車・航空機で突破。改めてこのジャンルの楽しさを思い出させてくれるはず。~ 後のシリーズでは魔法のような「ショーグンブレイク」で一点突破を図るゲームシステムになったので、そのシステムが無い頃の内容を楽しめる。 ---- **余談 -海外未発売。本作に限らず、1990年代までの本シリーズは全て海外展開されていない。 --しかし2000年代以降は海外主導の面が目立つ。これは日本国内よりも海外の方で人気が高かったことによると思われる([[参考>https://game.watch.impress.co.jp/docs/20071010/ninp.htm]])。それに合わせて、絵柄も海外向けにシフトしている。 ''販売形態について'' -ニンテンドウパワー専売のため知名度がとても低かった。 --事前にSFメモリカセット(書き換え用ROM)を入手し、ローソンのオンライン端末「Loppi」での書き換えサービス((サービス開始に当たりLoppiの操作部分の横にカートリッジを挿入するスロットが設置されたバージョンに変更された。後にGB用スロットが増設されたバージョンも登場した。このサービスはローソンでは2002年8月に終了、任天堂サービスセンターでの対応も2007年2月に終了している。))を利用するしか購入方法が無かった。店頭での手順も端末を操作してソフトの書き換え権を購入後に自分でカセットをスロットにセットしたり店員に頼んでSFメモリカセットに書き込んでもらう作業が必要だった。ローソン限定サービスであり、まだ当時では一見わかりにくいイメージが否めないオンライン端末の操作が必要という煩しさもあったので利用者はごく一部の熱心なファン等に限られた。また、ローソン自体も店舗によっては対応にあまり積極性が見られなかった。 -映画のパロディCMで有名になった前作と違いメディアの露出もかなり少なかったため、バーチャルコンソールで配信されるまで存在すら知らなかった人も多かった。 --一応CMもあるにはあったが、肝心のあのフレーズは全く使われていない。と言うよりCMそのものは任天堂ではなく「ローソンのCM」のためLoppiメインのもので本作はそのついでに数秒チラッと見せてタイトルが言われた程度。また、そのLoppiの内容さえもイマイチ伝わりづらいものだった。 ----

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