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太陽の神殿 - (2016/02/02 (火) 14:28:40) の最新版との変更点

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*太陽の神殿 ~ASTEKA II~ 【たいようのしんでん あすてかつー】 |ジャンル|アドベンチャー|&image(http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/152003019.jpg,height=160)| |対応機種|PC-8801、PC-9801、X1、FM-7、MSX2、&br;ファミリーコンピュータ、セガサターン、Windows|~| |発売・開発元|日本ファルコム|~| |発売日|1986年10月24日|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -タイトルにIIとあるように、「瞬間画面表示」で話題となった『アステカ』(1985年2月発売、PC88)の続編である。本作では当時主流になりつつあったコマンド選択式から更に一歩進み、アイコン選択式となった。 -「金の台座」など後の『[[イース]]』にも登場するアイテムが出てくるが、これはイースと制作スタッフが共通なためのお遊び要素であり、世界観は一切繋がっていない((金の台座は本作で特定の行動をとった時に置かれる場所にあるため、本作のストーリーが失敗した未来がイースになっている・・・などということはなく、完全なお遊びである。))。 -舞台となるマヤ文明はアステカとは異なるのだが、些細な事(?)である。 **システム -RPGのようにフィールドを動き回る場面が基本となり、遺跡内部に入るとアドベンチャー画面に切り替わる。 --アドベンチャー画面では押す・待つ・洗う・取る・壊すなどのアイコンが用意されており、それを選択してストーリーを進めていく。 ---この当時、アドベンチャーの命令は文字直接入力が多かったため、本作のように制限こそされど、解りやすい操作体形のシステムは珍しかった。 -ゲーム内には時間の概念がある。 --プレイ時間ではなく、行動によって変化する周期で、遺跡の出入りで時間が変化する。時間を把握していないとクリアできない場面もある。今となっては当たり前だが、この頃は画期的なシステムであった。 -他のアドベンチャーと異なり、総当りで攻略していく事は出来ない。 --アドベンチャー画面で特定のポイントをアイコンで探し出したり、順序だてた手順を踏まないと攻略できない場面がある。 --謎解きは非常に難解で、覚えゲーの側面が強い。 -BGMはFM音源対応となっており、ボードを増設済みの本体であれば鳴らすことが出来る。 **評価点 -古代マヤの遺跡チチェン・イツァを舞台にした世界観は非常に稀である。 --そしてそれを彩るグラフィック。当時の水準ではクオリティが高いのだが、現在になると流石に見劣りする。だが、今となっては逆に古代遺跡の怪しさ・不気味さを際立たせるスパイスになっている。 --作中にキャラクターを一切登場させない事により、主人公とプレイヤーの一体感が強まっている。自ら考え、謎を解いていく謎解きのカタルシスに一役買っている。 --たった一人で誰もいない遺跡を歩き回るシチュエーションにふさわしい、豪華さは無いが美しい旋律のBGM。 -理不尽に近い難易度だが、ヒント無しで解決した時の爽快感は大きい。 --謎解きの殆どは世界観や歴史考証、意味のある謎で、不条理な謎というのは殆ど無い。 -幼女のグラフィックを表示できる裏技がある。 **難点 -詰り状態になっても即死しない。 --ゲームがまだ進められるのか、謎が解けていないのかがわからない。 //--遺跡に潜む、悪霊に殺される(戦闘に負ける)などのゲームオーバーは別に存在するが、それとは別にどうやっても脱出できない状態になることがある。取り説にはこうなることが警告されていて、「こまめにパスワードを取るように」と助言されているが。いっそ即死したほうがゲーム的にはテンポが良かったりする。 // おそらくFC版やSS版と思われる **総評  ゲーム作品が多様化した現在においても、マヤ文明に焦点を当てた作品は稀である。そこに、豪華さは無いが美しい旋律のBGM、クオリティの高いグラフィック、カタルシスの強い謎解きがあり、キャラクターと言うものが一切登場しない展開から、プレイヤーを古代遺跡探索の浪漫に浸らせてくれる。手詰まりになっても教えてくれなかったり、ヒントが少なかったりとやや難点もあるが、それを補って有り余るほどの印象深さと達成感を与えてくれる傑作である。~  本作を最後に日本ファルコムはRPG中心のメーカーに転向している。本作のスタッフが翌年「イース」を製作していることからして、ADVというジャンルがファルコム内で見限られるきっかけとなった作品であろう。 **移植 -PC98/X1/FM-7版(1986年12月発売) --基本的には88版と共通であるが、98版とFM-7版はFM音源対応、X1版はPSGのみである。 -MSX2版(1988年、東京書籍) --開発はコンパイル。完全移植ではなくアレンジ移植である。ロム内に独自フォントが用意されている、バッテリーバックアップによるセーブが可能と親切設計。しかし他機種よりも謎解きが増えており、フィールドも迷路になっていて全体的に難易度は高め。 -FC版(1988年8月3日発売、東京書籍) --MSX2版同様コンパイルが開発したアレンジ移植である。ジャンルがRPGになっている。ストーリーが主人公の幼馴染の父、しらとり教授が謎の死を迎えたため、幼馴染と共にメキシコへ行き謎を解くというものになっている。同行者が謎解きのヒントをくれるため、難易度は少し下がっている。 -SS版(1998年10月29日発売、日本ビクター(『ファルコムクラシックスII』に収録)) --フィールドが画面切り替え式ではなく、スクロール方式でダッシュ移動も出来る。さらに時計が画面内に常に表示されるようになり、ゲームオーバー時にCGが入りゲームオーバーと表示されるようになる。 -Win版 --原作に忠実なオリジナルモードを同時収録。アレンジ版はグラフィックや音楽が強化されている。さらにオープニングがあり、マウスで全ての操作が可能で、フィールドが縮小。手帳にヒントが書かれており、謎解きが少し簡単になっている。
*太陽の神殿 ~ASTEKA II~ 【たいようのしんでん あすてかつー】 |ジャンル|アドベンチャー|&image(http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/152003019.jpg,height=160)| |対応機種|PC-8801、PC-9801、X1、FM-7、MSX2、&br;セガサターン、Windows|~| |発売・開発元|日本ファルコム|~| |発売日|1986年10月24日|~| |配信|プロジェクトEGG&br()【PC-8801】2017年2月28日/880円((Win10対応版。))&br()【X1】2023年6月20日/770円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 タイトルにIIとあるように「瞬間画面表示」で話題となった『アステカ』(1985年2月発売、PC88)の続編。~ 本作では、当時主流になりつつあったコマンド選択式からさらに一歩進み、アイコン選択式となった。 **システム -RPGのようにフィールドを歩きまわる場面が基本となり、遺跡内部に入るとアドベンチャー画面に切り替わる。 --アドベンチャー画面では押す・待つ・洗う・取る・壊すなどのアイコンが用意されており、それを選択してストーリーを進めていく。 ---この当時、アドベンチャーの命令は文字を直接入力する方式が多かったため、本作のように制限こそあれど、直感的に判断しやすい操作体系のシステムは珍しかった。 -ゲーム中では時間の概念もある。 --プレイ時間ではなく、遺跡を出入りすることで時間が進んでいく。時間を把握していなければクリアできない場面もあり、今となってはめずらしくないが、本作の発売当時は画期的なシステムであった。 -他アドベンチャーゲームと異なり、コマンド総あたりでの攻略はできない。 --アドベンチャー画面では、特定のポイントをアイコンで探したり、順序だてた手順を踏まなければ攻略できない場面がある。 --謎解きはきわめて難解で、覚えゲーの側面が強い。 -BGMはFM音源対応となっており、音源ボードを増設済の本体であれば再生できる。 ---- **評価点 -古代マヤの遺跡チチェン・イツァを舞台にした世界観はとてもまれである。 --そしてそれを彩るグラフィックス。当時の水準としてはとてもクオリティが高い。現代の視点ではさすがに見劣りするが、それが古代遺跡の怪しさや不気味さを際立たせるスパイスになっているともいえる。 --作中にキャラクターがいっさい登場しないというシステムにより、主人公とプレイヤーの一体感が強まっており、謎解きのカタルシスに一役買っている。 --たったひとりで誰もいない遺跡を探索するシチュエーションにふさわしい、豪華さこそないが、美しい旋律のBGM。 -理不尽に近い難易度だが、ヒントなしで解決できたときの爽快感は大きい。 --謎解きのほとんどは、世界観や歴史考証、意味のある謎で、不条理な謎というのはほとんどない。 -幼女のグラフィックスを表示できる裏技がある。 **問題点 -いわゆる詰み状態になっても死亡したりしないため、正常にゲームを進行させられているのか、詰み状態に陥っているのかを判別できない。 //--遺跡に潜む、悪霊に殺される(戦闘に負ける)などのゲームオーバーは別に存在するが、それとは別にどうやっても脱出できない状態になることがある。取り説にはこうなることが警告されていて、「こまめにパスワードを取るように」と助言されているが。いっそ即死したほうがゲーム的にはテンポが良かったりする。 // おそらくFC版やSS版と思われる ---- **総評 ゲーム作品が多様化した現在においても、マヤ文明に焦点を当てた作品はまれである。クオリティの高いグラフィックスとBGM、カタルシスの強い謎解きがあり、プレイヤーを古代遺跡探索のロマンにひたらせてくれる。詰み状態となってもそれを知らせてくれなかったり、ヒントが少なかったりといった難点もあるが、それを補ってあまりある印象深さと達成感を与えてくれる傑作である。~ 本作を最後に、日本ファルコムはRPG中心のメーカーに転向している。本作のスタッフが翌年『[[イース>イースI/II]]』を製作していることからして、ADVというジャンルがファルコム内で見限られるきっかけとなった作品であろう。 ---- **移植 -PC98/X1/FM-7版(1986年12月発売) --基本的には88版と共通であるが、98版とFM-7版はFM音源対応、X1版はPSGのみである。 -MSX2版(1988年、東京書籍) --開発はコンパイルで、完全移植ではなくアレンジ移植である。ROM内に独自フォントが用意されている、バッテリーバックアップによるセーブが可能と親切設計。しかし他機種版よりも謎解きが増えており、フィールドも迷路になっているなど、やはり全体的に難易度は高め。 -FC版(1988年8月3日発売、東京書籍) --MSX2版同様、コンパイルによるアレンジ移植である。FC版のオリジナルストーリーは、主人公のおさななじみの父親、しらとり教授が同遺跡で謎の死をとげたため、おさななじみとともに現地へむかい、謎を解きあかすという内容になっている。同行者が謎解きのヒントをくれるため、難易度はすこし下がっている。 -SS版(1998年10月29日発売、日本ビクター(『ファルコムクラシックスII』に収録)) --フィールドが画面切り替え式ではなく、スクロール方式でダッシュ移動も可能。さらに常時、時計が画面内に表示されるようになった。また、ゲームオーバー時にはCGが表示され、その旨が表示される。 -Win版 --原作に忠実なオリジナルモードを同時収録。アレンジ版はグラフィックや音楽が強化されている。さらにオープニングがあり、マウスですべての操作が可能で、フィールドが縮小。手帳にヒントが記載されており、謎解きがすこし簡単になっている。 -プロジェクトEGG版 --2017年2月28日にWindows10対応PC-8801版が、2023年6月20日にX1版が配信。 **余談 -舞台となるマヤ文明は、アステカとは異なるのだが、些細なこと(?)である。 -「金の台座」など、後の『イース』にも登場するアイテムが存在しているが、これは『イース』と制作スタッフが共通なためのお遊び要素であり、世界観がつながっているというわけではない((金の台座は、本作で特定の行動をとった際に置かれる場所にあるため、本作のストーリーが失敗した未来が『イース』の世界とつながる……といったことはなく、あくまでもお遊び要素である。))。~

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