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ポケットモンスター 金・銀 - (2024/04/04 (木) 19:51:20) の最新版との変更点

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本項ではGBC対応ソフト『ポケットモンスター 金・銀』と、マイナーチェンジ版であるGBC専用ソフト『ポケットモンスター クリスタルバージョン』を紹介しています(判定は共に「良作」)。 ---- #contents ---- *ポケットモンスター 金・銀 *ポケットモンスター クリスタルバージョン 【ぽけっともんすたー きん・ぎん】~ 【ぽけっともんすたー くりすたるばーじょん】 |ジャンル|>|RPG|CENTER:&amazon(B00002T0D6,image=https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/265000907.jpg,height=160)[[裏を見る>https://gamefaqs.gamespot.com/a/box/1/6/1/6161_back.jpg]]&br&br&amazon(B00002T11B,image=https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/165000908.jpg,height=160)[[裏を見る>https://gamefaqs.gamespot.com/a/box/1/4/4/12144_back.jpg]]&br&br&amazon(B00005OVBL,image=https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/165001103.jpg,height=150)[[裏を見る>https://gamefaqs.gamespot.com/a/box/6/0/2/11602_back.jpg]]| |対応機種|金銀|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~| |~|クリスタル|ゲームボーイカラー(専用)|~| |メディア|金銀|8MbitROMカートリッジ|~| |~|クリスタル|16MbitROMカートリッジ|~| |発売元|>|任天堂|~| |開発元|>|ゲームフリーク&br()クリーチャーズ|~| |発売日|金銀|1999年11月21日|~| |~|クリスタル|2000年12月14日|~| |定価|>|3,990円(税込)|~| |配信|>|【3DS】バーチャルコンソール(金銀)|~| |~|通常版|2017年9月22日/1,111円(税別)|~| |~|特別版|同日/1,389円(税別)|~| |~|>|【3DS】バーチャルコンソール(クリスタル)|~| |~|通常版|2018年1月26日/1,111円(税別)|~| |~|特別版|同日/1,389円(税別)|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|金銀|新タイプ「あく」「はがね」&br;「もちもの」などの大幅な新要素&br()2つの地方を股にかけた大冒険&br()''カセットの電池切れでセーブ消失''|~| |~|クリスタル|女主人公初登場&br()オンラインに初対応|~| |>|>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ]]''| ---- **概要 大人気シリーズの2作目。~ 実時間経過と同じく[[前作>ポケットモンスター 赤・緑]]から3年後の物語で、舞台は和情緒あふれるジョウト地方。~ GBCに正式対応しカラー表現が可能になったことや、当時のGBソフトとしては珍しい時計機能など、後のシリーズ作品でも重要となる様々な新要素で注目を集めた。~ 社会現象となった前作への評価に加え、アニメや雑誌の広報、延期に次ぐ延期などから、本作に期待するファンは非常に多かった(詳細は余談の項で)。~ ~ 約1年後にはマイナーチェンジ版『クリスタルバージョン』が発売された。ちなみに『[[ポケモンスタジアム金銀]]』と同時発売である。~ 後のマイナーチェンジ作と比べると変化は少なめだが、前作の『青』『ピカチュウ』と比較すると新要素は多い。~ 後述するモバイルシステムGBの旗艦タイトルでもあった。 ---- **ストーリー >この世界には、ポケットモンスター(通称ポケモン)という生き物が住んでいます。~ ずっと昔から人間とポケモンは、なかよく遊んだり、いっしょに力を合わせたりして暮らしてきました。~ が、その生態には謎が多く、ワカバタウンのウツギ博士をはじめ、いろんな科学者がポケモンの研究を続けてきました。~ そんなある日、ウツギ博士はポケモンじいさんと呼ばれる知人から1通のメールをもらいます。~ ~ 「すごいものを発見したから見に来てくれ!」…というのですが、ウツギ博士は研究に追われる毎日。出かけることができません。~ そこで近所に住む仲良しの少年・ゴールド(主人公)を研究所に呼び、「どんなものなのか見てきてくれないか?」と頼みました。~ やさしくて好奇心の強いゴールドは、こころよく引き受けます。~ ~ するとウツギ博士は3匹のポケモンを見せ「好きなポケモンを1匹、パートナーとして連れていくといいよ」と言いました。~ ~ 初めてポケモンを手にしたゴールドは大喜びです。一方、そんな様子を窓の外からジッと見つめる人影が…。~ ゴールドと同じくらいの年の少年です。ゴールドが不審に思い、外に出て話しかけてみると「人のことジロジロ見てんなよ!」と、乱暴に突き飛ばされました。~ この少年はいったい何者なのでしょうか。そしてポケモンじいさんの大発見とは…。~ (金版の説明書より引用) ---- **特徴・新要素 根本的なゲームシステム自体は前作と同一である。 -『金』と『銀』は、シナリオは完全に同じだが「出現する野生ポケモンの種類とその出現率」が違うという点で前作を踏襲している。 --本作のみの特徴としては「パッケージに掲載された伝説のポケモンを、もう片方のバージョンに比べて育成しやすい状態で捕獲できる」という、以降の世代で採用されていない独特な仕様が存在する。 以下、前作から変更・追加された点を記す。~ なお以下の追加要素のほとんどは、少しずつ形を変えながらもほぼ後作に続投され続けている。初代の続編であると同時にシリーズの基礎をより固めた作品と言えるだろう。 ''カラー対応、グラフィック刷新'' -ゲームボーイカラーに正式に対応。戦闘やフィールドなど、すべての画面がカラー表示となった。 -前作では主人公や使用ポケモンの後ろ姿は小さいドットの引き延ばしだったが、本作では細かく描き込まれるようになった。 ''個性豊かな新ポケモン'' -新ポケモンが100匹追加され、全251種類になった。 --完全な新ポケモンはもちろん、前作登場ポケモンの進化形や進化前など、様々なポケモンが追加された。~ また、一部のポケモンには後述の専用アイテムが登場するなどのアクセントも加えられた。 --前作のポケモンはデザインのみならず、パラメータや進化方法などでも種族ごとの違いが特徴づけられていたが、本作ではそれ以外にも、見た目や性能などあらゆる面で強烈な個性を与えられたポケモンが多数登場する。 -以下では特に話題になったポケモンについて挙げる。 --アルファベット26文字の形をした「アンノーン」 ---野生で出現するたびにランダムでアルファベットを模した形で出現する。~ 捕まえたアンノーンの形態が記録される「アンノーン図鑑」なるものもあり、収集意欲を湧かせた。完成させると別売り周辺機器「ポケットプリンタ」で印刷できる。~ アンノーン図鑑への登録は捕まえた順にされ、後から変えることはできないのでアルファベット順にしたい場合は注意が必要。 --ほぼすべてのわざを覚えられる「ドーブル」 ---固有の新技「スケッチ」は、使うと直前に相手が使ったわざ(ごく一部を除く)を自分のわざとして覚えられる(代わりに使った枠の「スケッチ」は忘れる)という非常に特殊な仕様。戦闘中に一時的に相手ポケモンに変身するメタモンの「へんしん」とは異なり、事前にわざを覚えさせれば後のバトルで永続的に使用可能。 ---ステータスは低いが、ハメ技からの一撃必殺や独自のコンボなど、無限の可能性を秘め対戦環境に現れた個性的なポケモン。戦闘だけでなく「キノコのほうし」「みねうち」などを覚えさせた捕獲要員としても便利。 --伝説のポケモン「エンテイ」「ライコウ」「スイクン」 ---これら3匹はダンジョンの奥に潜んでいるのではなく、マップ上を常に走っている(出現場所が変化する)ため、まず出会うこと自体困難を極める。一度出会えば図鑑の機能で追えるが、戦いに臨んでもすぐに逃げてしまうのでそれへの対処が必須である。その分、捕獲したときの感動もひとしお。~ こうしたポケモンは「徘徊伝説」などと呼ばれるようになり、一部仕様は変わりつつもシリーズの伝統的存在になった。 --パッケージに映る伝説のポケモン「ホウオウ(金)」「ルギア(銀)」 ---イメージ画像に過ぎなかった前作と異なり、シリーズで初めて伝説のポケモンがパッケージを飾った。以後のシリーズで伝統となる。 ---ちなみに次回作以降は伝説のポケモンがシナリオに深く関わってくるが、今作では特にこれらの戦闘や捕獲をしなくてもシナリオは進められる。 ''色違いポケモン'' -各ポケモンに、通常とは色が異なる「色違い」の個体が出ることがあるという新要素。 --野生遭遇時、タマゴやイベントでの入手時など、自分で入手可能なポケモンにおいて1/8192という低確率で発生する(1000体遭遇して色違いに1体でも出逢える確率は11.5%程度)。 ---今作ではポケモンの個体値が特定の条件を満たしているかどうかで色違いが判定される。そのため一部ポケモンの♀には存在せず、姿が個体値で決まるアンノーンも特定の姿しか存在しない。次回作以降は個体値が判定に関係なくなった。 --色以外の仕様(能力やわざなど)は通常色の個体と一切変わらない。 --発売前から目玉要素として大々的に取り上げられたカラー化の恩恵の一つだが、戦闘での登場時に専用の輝くエフェクトが出るため非カラーの環境でも判別可能。 --特定のイベントでは、あるポケモンの色違いが確実に出現し、ゲットもできる。 ---ただし野生戦の頻度と確率からそれ以外の場面で出逢える可能性は極めて低く、エンディングまで一度も遭遇しないプレイヤーの方が多い。それでも、エンカウントするたびに「もしかしたら…?」と期待でき、ポケモンに遭遇する楽しみを増す要素である。 ''性別の導入'' -前作では1種(ニドラン)にしか存在していなかった性別の概念が、すべてのポケモンに導入された。 --「メロメロ」など性別で効果が異なるわざが登場したほか、後述する「タマゴ」に関わる。 --大半のポケモンでは性別比が♂:♀=50:50だが、一部「♂か♀の片方しか存在しない種族」「性別比が偏っている種族」「そもそも性別不明な種族」も設定されているなどバリエーション豊か。 --性別が違っても同じポケモンは同一種族(図鑑上は性別の区別はない)だが、唯一ニドランのみ前作同様、図鑑上で♂と♀が別種族として扱われる。((公式攻略本でオーキド博士へのインタビューという形で、研究する上で混乱を招く事を防ぐために、他のポケモンの♂♀の区別がつくようになったからといって、それまで別種扱いしてきた両者を統合する事はしないと語られている)) ---なお、図鑑完成のために両方の性別を捕まえる必要はない(上述のニドランを除く)。 ''「育て屋」の仕様変更とポケモンの「タマゴ」'' -育て屋へはポケモンを2匹預けられるようになり、そこへ「タマゴグループ」が同じ♂と♀のポケモンを預けると、のちに一定確率でポケモンのタマゴが発見される。 --タマゴグループは非表示のパラメータであるが、「陸に住むもの」「海に住むもの」「人のような姿」などある程度は察せられる。 --生まれてくるポケモンは原則「♀の進化前の状態」だが、メタモンと一緒に預けた場合に限り、♂や性別不明を含め対になったポケモンを確実に入手できる。 ---ただしメタモン同士を預けたり、アンノーンや伝説のポケモンを預けても絶対にタマゴが生まれないようになっている。 --通常では覚えられないわざである「タマゴ技」や個体値((ポケモンの生まれつきの能力値に影響する隠れパラメータの俗称。))の遺伝ができるようになっている。 ---後に言う「孵化厳選」の礎はここで築かれた。 ''なつき度'' -ポケモンがトレーナーにどの程度なついているかを示す、非表示のパラメータ。 --該当のポケモンを長期間連れ歩いたり、特定のどうぐを使ったりすると上昇するが、ひんし状態にしたり漢方薬を使ったりすると下降する。 --一部のわざの威力が変動するほか、この値の高さが進化の条件となるポケモンも追加された。 ''ポケルス'' -戦闘後に3/65536の確率でポケモンが感染する良性のウイルス。 --その効果は''感染したポケモンは戦闘での「きそポイント」((バトルによって手に入る、こうげきなどのステータスを上昇させる隠しパラメータ。プレイヤーの間では「努力値」という通称で呼ばれることが多い。))の獲得量が2倍になる''というもので、育成にはとても役に立つ。デメリットは一切無い。 --感染と表示されている間は一定確率で手持ち内の他のポケモンに伝染する。日が経つと消失し他のポケモンへの伝染は起こらなくなるが、一度かかった後は上記のポイント獲得量増加は永続する。 --ゲーム内では、感染したポケモンを初めてポケモンセンターで回復させた時に「問題はなさそうだが詳細は不明」と言われるのみの正体不明な存在であり、効果の説明は一切ない。 ---悪い病気かのように誤解される表現だったためか、情報が少なかった当初はプレイヤー間で様々な憶測を生み混乱を招いた。そのためか以降の作品では「くっついている間はポケモンが良く育つ」と、プラス効果であることが明言されるようになった。 ''時計機能'' -ゲームソフトに時計が内蔵され、ゲーム内の午前午後・朝昼夜・曜日の概念が実時間と連動する仕様になった。 --時間帯によって出現する野生ポケモンが変化するようになった。 ---たとえば鳥系のポケモンは、明るい時間帯ならポッポ、夜にはホーホーしか出てこないなど、生態系を窺わせる演出となりリアリティが増した。また「ずつき」をすることで揺れた木から落ちてきたポケモンが時間帯によっては最初から「ねむり」状態になっていることもある。 ---野生ポケモンとの戦闘BGMも昼と夜で微妙に異なる。 --時計機能を活かした多数の時間限定イベントも登場。 ---特定の曜日や時間帯しか開店しない店、特定の曜日に開催される「虫取り大会」、金曜日にだけ特定の地点に現れる野生のラプラス、曜日ごとに違う場所に現れる曜日兄弟など。 --時計の動作には内蔵電池を消費しており、セーブデータ保持用の電力と共有である(「問題点」で詳述)。 ''便利ツール「ポケギア」'' -ゲーム内で様々なことができるデジタルツール。 -最初は時計と電話機能くらいだが、ストーリーを進めるとマップやラジオ機能などを拡張できる。 --電話では、お母さんやウツギ博士などの主要キャラクターのみならず、戦ったトレーナーの番号なども登録できる。 ---トレーナーによってはポケモンの大量発生などお得な情報を教えてくれたり、再戦の連絡をしてくれたりする。 --ラジオは番組によってポケモンの出現場所を知れたり、流している間のエンカウント率を操作できるなどの効果を持つ。 ---地方や曜日によって流れる番組が異なるほか、状況によっては「番組ではない何か」を聴取でき、一部シナリオを進めるためにも必要となる。 ''対戦面の調整'' -おおむね前作の仕様を踏襲しつつ、''複数のタイプ追加''と''タイプ間相性の変更''が行われている。~ 前作での強タイプを弱体化させ、逆に不遇だったタイプの処遇を改善するための措置であり、タイプバランスが大きく変化した。 --これらの仕様変更は後のシリーズを通しても大変珍しく、14年後に発売される『[[X・Y>ポケットモンスター X・Y]]』まで今作の仕様が続いた。 -新タイプ「はがね」「あく」が追加された。 --「はがね」は「エスパー」「こおり」を含む数多くのタイプのわざを半減でき防御面に優れる一方で、前作で不遇とされた「ほのお」技を弱点とする。 ---複数の新ポケモンに付与されているほか、前作ではでんき単独タイプだったポケモン「コイル」「レアコイル」に今作から「はがね」タイプが追加されている。 --「あく」は前作で猛威を振るったエスパーに対して攻防両面で有利であり、なおかつ前作で不遇とされた「むし」「かくとう」技を弱点とする。 ---「あく」タイプが与えられたのは新ポケモンのみで、前作登場済ポケモンへの追加付与はなかった。 ---前作でノーマル技だった「かみつく」は今作からあく技に変更された。 -既存のタイプ相性も前作のものから一部変更された。 --「ゴースト ⇒ エスパー」が無効から効果抜群、と本来の仕様へ修正された((本来は前作でも仕様上「抜群」が想定されていたが、バグで逆に「無効」となってしまっていた。))。 --他にも「こおり ⇒ ほのお」が等倍から半減、「どく ⇒ むし」が抜群から等倍、「むし ⇒ どく」が抜群から半減、といった変更が行われた。 -わざに関しても増加・調整が大規模に行われた。 --前作でまともな攻撃技がなかったタイプに新技が追加された。 ---ゴースト技「シャドーボール」・どく技「ヘドロばくだん」・かくとう技「クロスチョップ」・ドラゴン技「りゅうのいぶき」など。~ しかし、この内「クロスチョップ」以外は覚えさせるのにゲーム中で1つしか手に入らないわざマシンが必要になる。((「ヘドロばくだん」はLv.50と高レベルながらベトベター系統は自力で覚えられる)) //タイプごとに得意不得意が特徴付けられた。 ---ポケモンの個体値に応じてタイプと威力が変化する特別な仕様のわざ「めざめるパワー」も今作で初登場した。苦手なタイプへの対抗手段として持つなど、うまく使えれば有効な攻撃手段となりうる。 --前作で猛威を振るった「はかいこうせん」「ふぶき」などの凶悪なわざが弱体化された。 --前作で通信対戦を含むトレーナー戦における効果が一切ないわざだった「ほえる」「ふきとばし」に、相手ポケモンを強制的に交代させる新たな効果が付与された。 --前述の「かみつく」同様に前作ではノーマルタイプのわざだった「かぜおこし」「からてチョップ」が、それぞれひこうタイプ、かくとうタイプに変更された。 ---前作で「かぜおこし」を初期段階で覚えていたポッポは、序盤でチコリータを選んだ際に不利にならないようにするためか、初期技が「たいあたり」に、「かぜおこし」はレベルアップで習得するように変更されている。 //--ポケモンの種族値に関して、前作では特殊技の与ダメージ・被ダメージ両方に影響していた「とくしゅ」が、与ダメージに関する「とくこう」と被ダメージに関する「とくぼう」に分割された。 //すぐ下と記述が被るためコメントアウト --また、前作でやはり凶悪な仕様だった「ねむり」「こおり」の状態異常に調整が入った。 //--どうぐを持たせられるようになったことで、「持たせると状態異常やHPを自動回復する」「低確率で先制攻撃できる」「タイプごとにわざの威力をあげる」などの効果により一発逆転できたり、意表がつけるようになって対戦の深みが増した。 //↑どうぐに関する記載の箇所へ移動 -わざを忘れさせてくれる「わすれオヤジ」が登場。 --前作で忘れる手段のない仕様が不評だった「ひでんわざ」を忘れさせてくれる。前作のポケモンを連れてきて忘れさせることも可能。 -パラメータ「とくしゅ」が「とくこう」と「とくぼう」に分離された。 --前作では「とくしゅ」のパラメータ1つが特殊タイプのわざの攻撃力と防御力の両方を決めていたが、今作では「とくこう」が特殊タイプのわざの攻撃力を、「とくぼう」が特殊タイプのわざの防御力を決めるように変更された。 ---「とくこう」「とくぼう」の傾向はポケモンごとに異なり((詳しく言うと、前作のポケモンに設定された「とくしゅ」のいわゆる「種族値」は今作では「とくこう」「とくぼう」のどちらか片方へと設定され、もう一方に新規の種族値が設定された。たとえばミュウツーは前作では「とくしゅ」の種族値が154(つまり「とくこう」も「とくぼう」も154)だったが、今作以降は「とくこう」が154、「とくぼう」が90に設定されて若干弱体化した。中にはキングラーのように、「とくこう」と「とくぼう」の値が同じで前作と変わらないポケモンもいる。))、「『とくしゅ』の高いポケモンは攻防一体で無条件に強い」という前作でのおおざっぱさが大幅に改善された。 ---なお前作との互換性を保つためか、前作で「とくしゅ」の基礎ポイントを上げる栄養ドリンク「リゾチウム」は、今作では「とくこう」「とくぼう」両方の基礎ポイントを増加させる。 ''どうぐ'' -''ポケモンに「もちもの」を1つ持たせられるようになった。'' --一部のどうぐは、持たせると戦闘中に効果が発揮される。 ---「きのみ」は複数の種類が存在し、持たせるとHPや状態異常を回復してくれる。 ---もらえる賞金が2倍になる「おまもりこばん」など、冒険を快適にしてくれるもちものもある。 ---前作では微妙な使い勝手だった「がくしゅうそうち」が持たせたポケモンにのみ経験値が入る仕様になり、ポケモンの育成が快適になった。 ---特定のどうぐを持たせて通信交換することで進化するポケモンもいる。またガラガラ系統の「ふといホネ」のように特定のポケモンに持たせることでしか効果を発揮しないどうぐも存在する。 --持たせて交換することで相手に文章を伝えられる「メール」など、遊びも楽しめるようになっている。 --「わざマシン」はラインナップが前作から大幅に刷新された。 //うまくいけば、前作と本作のわざマシン技を両方覚えさせられる。 -モンスターボールの種類が大幅に増えた。 --前作では実質4種類((サファリゾーン専用のサファリボールを入れれば5種類になる。))だったが、本作では各地で入手できる「ぼんぐり」をモンスターボールを作る職人「ガンテツ」に渡すと、個性的な効果を持つモンスターボール(通称「ガンテツボール」)を入手できるようになった。 ---また、マスターボールが正規の手段で複数個入手可能になった。もっとも、入手確率は極めて低いため、普通にプレイした場合は前作同様1個限定。 ''サブイベントやストーリーが多数追加'' -ジョウト地方を制覇すると、''前作の舞台・カントー地方へ行けるようになる。'' --前作から3年後という設定であり、前作登場ジムのジムリーダーたちと戦えるなどイベントも豊富。当時のゲームクリア後の要素としては比類なき充実ぶりで、後継作品と比べても遜色のないボリュームになっている。 -NPCのポケモンを一時的に預かるイベント((特定の条件を満たすとそのままずっと自分の手持ちにできる。))など。 //他にも細かなサブイベントが存在。 -カントー地方の某所には、前作に登場した意外な人物が裏ボスとして登場。 ''タイムカプセル'' -前作ソフトとの間でポケモンを交換できる新しい施設。ポケモンセンターに設置されており、シナリオをある程度進めると使えるようになる。 --前作未登場のポケモンや今作の新技を覚えたポケモンは前作へ送れないが、それ以外の制限は特にない。 ---「もちもの」のデータは、前作でのポケモン個体に付属する未使用領域に相当する場所へ保存されているため、今作で何か持たせたまま前作へ送っても保持され続け、今作に戻した際にも消滅していない。 ---逆に前作で捕まえたポケモンを今作に送った場合、今作では手に入りにくい貴重な道具を持っていることがある。 ---前述のとおり今作の色違いは個体値に依存するものであるため、色違いのデータも失われない。逆に「前作から送ったポケモンが色違いになった」という非常にレアな事態も(理論上は)起こり得る。 --前作で育てたポケモンを連れてくるだけでなく、前作限定のわざマシンを使ってから今作へ戻すなど、その用途は多彩。 ''UIの改善や便利要素の追加'' -一緒くたにされていたどうぐ欄が「リュック」として整理され、「どうぐ/ボール/わざマシン/たいせつなもの」と分類されかなり使いやすくなった。 --「どうぐ」に分類されるもの以外は全種類を持ち歩けるようになり、前作のように預けきれなくなるような事態は起こりにくい。 --アイテムの順番変更が、位置の交換ではなく、指定した箇所へ挿入される形に変更された。 -べんりボタンの搭載。 --じてんしゃやつりざおといった頻繁に使うたいせつなものを登録すると、セレクトボタンを1度押すだけで即使用できるようになった。 -ひでんわざを1ボタンで使えるようになった。 --前作ではポケモンのメニューから選択して使う必要があったが、今作ではメニューを開かずオブジェクトに向かってAボタンを押すだけで「○○をつかいますか?」などのメッセージが出るようになった。 -ポケモンのステータス画面も「状態・タイプ・経験値・レベル/ステータス/つかえるわざ」の3ページになった。 --「つかえるわざ」でポケモンの覚えているわざの性能を見られるようになった。 --次のレベルアップまでに必要な経験値がバーで表示されるようになり、ステータス画面だけでなくバトル中にも表示されるようになった。 -主人公のお母さんにお金を預けられるようになった。 --全滅時のデメリットを軽減できるようになったほか、たまに貯金を勝手に使って道具を定価より安く買ってきてくれる&s(){妙にリアルな}演出も。 --バトルで獲得した賞金の一部を自動的に貯金する設定も可能。 ''ふしぎなおくりもの'' -ゲームボーイカラーの赤外線ポートを利用して行う簡易の通信機能。 --双方なんらかのアイテムを手に入れられるほか、最後にふしぎなおくりものをした相手はトキワシティのトレーナーハウスで対戦相手として登場するため、擬似的な対人戦が手軽に楽しめるようになった。 ---ポケモンのもちものが反映されない%%ため、レアな道具を持たせて「どろぼう」で増やせない%%など、完全なコピーというわけではない。 --歩数計ゲーム『ポケットピカチュウカラー』との連動も可能。こちらは送信したワット数に応じて決められたアイテムが手に入る。 ---- **クリスタルバージョンでの追加・変更点 前作のマイナーチェンジだった『青』『ピカチュウ』とは異なり、様々な面に手が加えられている。 -ポケモン関連 --『金銀』で粗かった新種ポケモンやアイコンのグラフィック・色合いが修正され、現在のものにより近くなっている。 --ステータス画面や敵として登場した時など、ポケモンがアニメーションをするようになった。 ---動作が長めなのでテンポは良くないが、ポケモンの演出としての評価は高い。設定でOFFにもできる。 --一部野生ポケモンの出現分布や時間帯、出現確率が変更された。 ---『金銀』では最終盤にならないと出現しなかったニューラなど一部のポケモンは殿堂入り前にゲットすることが可能になっている。 ---『金銀』では一日中出現していたスリープやデリバードが夜のみの出現になるなど、出現時間帯もポケモンの設定に合った調整がされている。 ---『金銀』では大量発生イベント以外では見つけにくかったマリルとブルーの通常時の出現率が上がり、簡単に出会えるようになった。 --フスベシティのとある場所で質問に正しく答えれば、本来は覚えない「しんそく」を覚えたミニリュウをもらえる。 --パッケージを飾る伝説のポケモン・スイクンにまつわるイベントの追加。それを追う青年「ミナキ」も登場する。 --シリーズで初めて、伝説のポケモンに専用戦闘BGMが用意された。それまでは通常の野生ポケモンと変わらなかった。 --『金銀』と同様に、ホウオウとルギアはどちらも出現する。ただしレベルは60固定。 ---ホウオウがいるスズのとうに入る条件として「ライコウ・エンテイ・スイクンの3匹の捕獲」が追加された。1匹でも捕獲に失敗して倒してしまった場合は二度と入れなくなるため、かなり難しくなった。 --後の「トレーナーメモ」の先駆けとなる履歴機能が登場。捕まえたポケモンに出会った場所・時間帯・レベルが記録され、出会った時間帯・出会った場所で戦闘すると懐きやすくなる。 ---確認方法は、タンバシティにいる「おみとおしおばあさん」から聞く、『ポケスタ金銀』のステータス画面の二つ。『金銀』と交換しても履歴が消えることはないが、初代に送ると失われる。 --一部ポケモンのレベルアップで覚えるわざが追加・変更され、『クリスタル』でのみ覚えられるタマゴ技も追加された。 -システム関連 --シリーズで初めて、ゲーム開始時に女の子の主人公を選択可能になった。ただしストーリーが変化したり選ばなかった方が登場したりすることはない。 ---それに合わせて、ステータス画面の親の名前の横に性別が付くようになった。なお、女の子にしたデータで『ポケスタ金銀』に参加すると、しっかりと女の子になる。 --''わざおしえ'' ---ゲームコーナーのコインと引き換えに、おじさんからポケモンに「かえんほうしゃ」「れいとうビーム」「10まんボルト」を教えてもらえる。 --ガンテツのボール作製が改善。本作では同じぼんぐりを用意した数だけ、その種類のボールを作ってもらえるようになった。ただし、肝心の効果は修正されていない。 --ポケギアの電話機能が拡張。 ---汎用だった台詞はトレーナー固有のものに変更され、再戦の申し込みや大量発生以外のイベントが発生するようになった。 ---進化の石を始めとしたアイテムをくれたり、コガネ百貨店のセールなどイベントが発生したりする。中にはストーカーのような電話をしてくるトレーナーも。 --ラジオ番組「アオイのあいことば」の追加。 ---毎日発表される合言葉を答えるとポイントがもらえ、貴重なアイテムと交換できる。 --後述する『金銀』の問題点である「ゼニガメじょうろ」の入手法が多少変更された。 -地形関連 --アルフの遺跡のパズルの小部屋の奥に隠し部屋が追加。 --氷の抜け道のグラフィックが一新。さらに地形も変更され難易度がやや低下した。 --竜の穴にトレーナーが出現。さらに祠の中にも入れるようになった。 --焼けた塔のグラフィックが一新されて、焼け崩れた塔のようなものになった。 ---また、焼けた塔に行くのがストーリー進行上必須となったため、『金銀』では焼けた塔での対戦をスルーできたライバルとも必ず戦うことになる。 -モバイルシステムGB //余談扱いされていたが、当時の目玉機能なので上に --別売りの「モバイルアダプタGB」を使用し、携帯電話と接続することで''シリーズ初のオンラインサービス''が利用できた。 --通信ケーブルと同様に、直接通信による交換や対戦が可能。公式サーバーにアクセスしてデータのやりとりも可能であった。 --近年のシリーズにおける「GTS」のように、条件の合うポケモンを預けた人同士をマッチングして自動交換するシステムが初導入。 --育て屋さんから「タマゴけん」をもらえ、当時のベイビィポケモン7匹のうち1匹が生まれるタマゴをもらえた。このポケモンは特別なわざとして「ピヨピヨパンチ」を覚えている。 --NPCと戦う「バトルタワー」が登場。勝ち抜いたプレイヤーのデータによって登場トレーナーは毎日更新される。 ---Lv制限は10刻みで10種類、さらにLv70以降はいわゆる禁止伝説((本作においてはミュウツー・ミュウ・ルギア・ホウオウ・セレビィ。))が解禁されるなど、後の世代では見られない要素もあった。 ---操作こそCP任せだが、全国のトレーナーたちのデータがそのまま敵として登場する。時にはプレイヤー自身のデータが敵として現れることも。 --毎月更新されるニュースを購読できた。最新情報やプレイヤーランキング((「バトルタワーで勝った回数」「野生ポケモンと戦った回数」など。))、ミニゲームに加えて、ゲーム内で使えるアイテムやポケモンが手に入ることがあった。~ 期間限定だったが、''セレビィ入手イベントのキーアイテムである「ジーエスボール」もここで入手''できた。 --『ポケスタ金銀』向けのデータをダウンロードすると、公式大会のリプレイを観戦したり、挑戦ができた。 --初のオンライン大会である「モバイルカップ2001」が開催。「モバイル通信でスタッフ相手にバトルを繰り返し、最後まで勝ち抜いたプレイヤーがイベント会場で実際に会してトーナメントを行う」という一風変わった大会であった。 --以上のように''様々なコンテンツが利用できたが、発売からちょうど2年後の2002年12月14日でサービス終了''している。仲間同士での対戦・交換はサーバーを介さないためサービス終了後も使用できたが、現在では携帯電話の通信方式の変化によって利用できなくなっている可能性が高い。 --VC版ではモバイル通信機能は再現されていないが、モバイルによる目玉の一つであったセレビィ関係のイベントは通常プレイで出現するようになっている。 ---- **評価点 ''前作からの正統進化'' -ゲーム性やグラフィック、BGMやUIなどほぼすべての要素において前作の反省を活かし、発売延期を経て見事に練り上げた。 --ボリュームの増加、UIの改善、グラフィックの進化など、続編ものとしてお手本のような出来と言える。 ---20年前の作品ながら、携帯機のシリーズの中でも屈指のボリュームである。 --ストーリーや世界観も前作の牧歌的雰囲気を損なっておらず、前作から数年という時間経過を見事に活かした演出に成功している。 ---ジョウトジム制覇後に前作の舞台・カントー地方を訪れるシーンはセリフ・BGM・ゲーム開始時からの伏線がかみ合い、シリーズ屈指の名場面として挙げるファンも多い。 ''大幅に改善されたドット絵'' -戦闘中のポケモンのドット絵はすべて公式画および『ピカチュウ』版に準じた高品質なものに一新された。 --『赤・緑・青』版は絵柄やクオリティに統一感がなく中には奇抜なドット絵も見られたが、今作は『ピカチュウ』版と同様に杉森建氏が手がけた公式画に忠実な絵柄で描かれている。 -また、前作では粗かった戦闘中の主人公やポケモンの後ろ姿も今作では非常に細かく描き込まれ、前作とは比べものにならないほど綺麗になった。 ''カラー対応'' -グラフィックが進化してカラー表示に完全対応。新旧双方のポケモンに色がついた。 --いずれも配色センスは秀逸であり、当時のプレイヤーにハード、ソフト両面で格段に進化したと感じさせることに成功した。 --1キャラに使われている色数は4色、白(背景)と黒(輪郭)は共通のため残りわずか2色ながら、前作と異なり輪郭のはっきりしたアニメ塗りを採用することで色相の異なる2色を使うことができ、総じて非常に見やすい色合いになっている。 ---「キレイハナ」の色が公式画と異なる((金銀発売直後の2000年2月4日に発売されたポケモンカード★neoに収録された「キレイハナLv.36」(イラスト担当はにしだあつこ氏)の色も当時の公式イラストと異なるがゲームの色とは近いので、ゲーム制作中に色の変更が決められたものの、公式イラストへの反映が遅れた可能性がある。))など、一部ポケモンの色合いは不自然だが、それを考慮しても全体として出来は非常に良い。 -町や施設、マップ上のギミックなどにも色がついたことで、オブジェクトを判別しやすくなり、快適なプレイにもつながった。 -忘れがちだが『金銀』はスーパーゲームボーイにも対応しており((『クリスタル』はGBC専用のため、スーパーゲームボーイに対応していない。))、ポケモンの配色はゲームボーイカラーと同等。ほとんどが同色のグラデーションだった前作と比べ圧倒的にあざやかカラーである。 //''伝説のポケモンの捕獲環境'' //-パッケージに記載される伝説のポケモンを、一つのバージョンで両方ゲットできる。 //--そのため、前作同様図鑑完成を目指さない限りは両バージョン揃える意義は弱くなっている。 //--ただし、レベルが高い代わりに専用技を忘れてしまっており、本作だけでは再び覚えさせることもできない。こうした仕様があるのは本作のみ。 //↑野生や御三家、1択のポケモンを揃えるためには前作同様に通信は必須で、そればかりか前作こそ伝説のポケモンの捕獲にバージョン縛りはなかったため、低レベルの伝説を複数揃えたい人にとっては2バージョン揃える意義はむしろ増しています。 ''新システム「タマゴ」'' -「タマゴ」が導入されたことにより、入手法が限られるポケモンの多くが正規の手段で入手しやすくなった。 --たとえば前作で1周1匹しか入手できなかった御三家、イーブイ系、エビワラー・サワムラー、化石系などの量産がかなり容易になった。 ---前作でのこれらのコンプリートは他人から交換でもらう((しかし進化後しかもらえない場合は当然ながら進化前が図鑑に載らない、逆に交換に出したポケモンは返してもらうか初期化するまで二度と再入手できないなど、デメリットがつきまとう。))、2台持ちで片方のデータを初期化して周回プレイする、『[[ポケモンスタジアム2]]』でジムリーダーの城をクリアする、など煩雑な手順が必要だった。 //--もちろんジョウト御三家も例外ではない。 --1匹しかいないポケモンを交換に出すのは惜しいが、タマゴで増やせば気軽に交換できる。 --初代ではサファリゾーンにしかいなかったレアポケモンやNPCとの交換限定だったポケモンも通常の野生種として出現するようになり、タマゴも発見できるため入手・量産難易度が大幅に下がった。 ---野生での出現率や捕獲率も、前作に比べ概ね良心的な設定となっている。また、前作におけるNPCとの交換限定ポケモンは変更不能な既定のニックネーム((前作でNPCからしかもらえないポケモンは「バリバリ(バリヤード)」「おしょう(カモネギ)」など、独特なシュール感のあるネーミングだった。))が付けられていたが、今作ではそれらを自分でゲットして好きな名前を付けられるようになった。 //ルージュラは青版、ベロリンガは青・ピカ版で野生で出現する ''幅の広がった対戦要素'' -新ポケモン・新タイプ・新技に加えて、もちものの登場やパラメータへのテコ入れにより、対戦バランスは大きく変化した。 --前作で一強だったエスパータイプの強さに歯止めがかかった一方で、前作でほぼ使われなかった複数の「弱タイプ」のポケモンがかなり実用的になった。 --前作でゲームバランスに見放され使い物にならなかった補助技も、戦略次第ではかなり実用的になった。 ---たとえば、攻撃力を2段階上げるわざ「つるぎのまい」は、前作では使ってもそれで1ターンを無駄にしてしまうためむしろ倒されてしまう可能性が増し、それなら高い急所率や高火力のわざで叩いたほうが早いという、1対1での戦いの枠にはまりきった大味なバランスであった。~ しかし新ポケモンの「ハッサム」なら、新タイプのはがねの耐性を活かしてつるぎのまいを使った後に行動のチャンスがあり、新技の「バトンタッチ」を使えば後続のポケモンに攻撃力アップを引き継ぐことも可能…といった具合に戦略性が増した。 --「複数VS複数」の視点でバトルを考えることがようやく現実的になった。 --汎用性が高い前述の「めざめるパワー」や、雨を降らせて一部わざの性能を上げる「あまごい」などの天候変化技、ねむり状態で動けなくても攻撃できる「ねごと」「いびき」、上手く決めればお互いのステータスに関係なく相手を倒せる可能性のある「みちづれ」「ほろびのうた」など、前作のバランスに対する反省を活かし対戦の幅を広げるような新技が多く見られる。 --どうぐを持たせられるようになったことで、「持たせると状態異常やHPを自動回復する」「低確率で先制攻撃できる」「タイプごとにわざの威力を上げる」などの効果により一発逆転できたり、意表を突く戦い方のバリエーションも格段に増え、対戦の深みが増した。 ---状態異常を回復する「きのみ」は一見おまけ程度の存在だが、追加効果による事故を防いだり相手の行動を1回分無駄にしたりと大きな役割を持っていた。 ---約1割の確率で致死ダメージもHPを1残して耐えられる「きあいのハチマキ」は、2000年の公式大会決勝でドラマを生んだことで有名。 ''シナリオやキャラ周り'' -メインシナリオは前作よりも濃くなった。 --ロケット団の復活や前作から続く点などメインのシナリオの冒険感はより強くなっている。 -今回もキャラが立っている。ライバルは「ポケモン泥棒」というシリーズ中でも珍しい悪党だが、徐々にその本質が見えてくる。 --3年の時間経過で前作のキャラクターたちがジムリーダーや四天王に出世している、キャラクターデザインも前作のイメージを引継ぎつつも成長が表現されている、など前作プレイ者へのファンサービスも豊富。 --特に裏ボスに当たる「最強のポケモントレーナー」とのバトルは意表を突いた展開としてプレーヤーの間で大きな話題となり、今なお語り継がれることとなった。 ''BGM'' -すべて一新されており、初代同様耳に残る名曲が多い。 --しかも冒険の舞台がカントーに移ってからはきちんと戦闘・フィールド曲も前作のアレンジ曲に切り替わるという手が込んだつくりとなっている。 ---- **賛否両論点 -パッケージにもなっている伝説のポケモン「ホウオウ」「ルギア」はストーリーに一切関わらず蚊帳の外で少々寂しいとする声もある。ただし伝説のポケモンはこの程度の立ち位置がちょうどよいとする声もあり、意見は分かれている。 ---- **問題点 &COLOR(red){''セーブデータ保持用の内蔵電池の消耗が早い''} -早ければ約2年、持っても3年で切れてしまう。新品在庫ですら年数が経過すれば電池は切れており、そうなるとレポートを書いても本体の電源を切るとセーブデータが保持されなくなり、事実上ゲームの続行が不可能になる。 --ゲーム外の要因とはいえ商品として見れば大きな地雷的要素であり、特に発売後長くプレイし続けた人、発売後しばらく経ってから新品を購入してプレイした人にとっては本作の評価を致命的に下げうる要因となっている。 --前述の通り、セーブデータ保持と時計機能を1つの電池で共用しているのが原因。セーブデータ保持のみの通常のゲームと比べると電池消費が大幅に激しくなっている。 --そもそもバックアップ電池切れの問題は当時あまり認知されておらず、中古販売店では説明無しで売られているケースも少なくなかった。 ---『クリスタル』では、電池切れに関する注意書きが同梱された。 --かつては任天堂公式サポートで電池交換サービスを行っていたが、現在では『クリスタル』を含め終了している。よって現在交換するならユーザーの自己責任となるが、半ば強引に電池を外すことになり、適切な技術や工具が無いと基板や端子が壊れ再起不能となるおそれもある。 ---他に時計機能を搭載したゲームボーイソフトには『[[ロボットポンコッツ>ロボットポンコッツ SUNバージョン/STARバージョン/MOONバージョン]]』や『[[ゲームで発見!!たまごっち]]』といった例があるが、それらはユーザー側で簡単に電池交換が行える構造になっている。 ---また次回作の『[[ルビー・サファイア>ポケットモンスター ルビー・サファイア]]』においても内蔵電池による時計機能が存在するが、セーブが電池不要のFlashROMとなっており、問題を克服している。 ''今作における御三家の格差'' -前作でも同じ問題があったが、今作では最初にもらえるポケモンであるくさタイプの「チコリータ」が不遇となっている。 #region(具体的な説明) -習得できる攻撃技がくさ・ノーマルばかりで、タイプ相性で道中に有利を取れる相手が少ない。~ 前作では(バグに近い仕様により)超高確率で急所に当てることができた「はっぱカッター」も、今作ではその仕様が撤廃され単に火力の低い技となってしまっている。~ ステータスは耐久面に優れているが、有用な補助技である「ねむりごな」が習得不可、「やどりぎのタネ」もタマゴ技限定で覚えにくいなど、耐久を活かした戦いもしづらい。 -更に、旅の途中に何度も戦うことになるロケット団員、洞窟や海のポケモンにどくタイプ持ちが多く、ライバルに至ってはユンゲラー(フーディン)とニューラ((むしタイプの「れんぞくぎり」を覚えてはいるが、こちらのくさタイプのわざは等倍であり、こおりタイプの技は覚えてない))以外の全てに不利。 -ジョウト地方のジムリーダーの得意タイプはカントー組と重複しないように設定されているが、その弊害で殿堂入りまでに戦うジムリーダー・四天王・チャンピオンの計13人の中でタイプ有利を取れる''ポケモンが''数えるほどしかいない。~ 挙句、相性が普通なはずのゴーストジムでは主力のゴース系がくさタイプにとって不利などく複合だったり、エスパー使いのイツキやあく使いのカリンの手持ちにもくさタイプに有利な複合が多く、結果として相性で不利になる相手が半数以上を占める。 -必然的に多くの戦闘を他の手持ちポケモンに頼らなければならない状況が続き、プレイスタイルによっては前作のヒトカゲよりも厳しいとの声も。 #endregion ''捕獲難易度が非常に高い徘徊系'' -徘徊系ポケモンと呼ばれるライコウ・エンテイ・スイクンの捕獲が非常に難しい。 --遭遇すると1ターン目で必ず逃げるので、先制で「くろいまなざし」などを使わないと一度しかボールを投げるチャンスはない。~ 仮に逃げるのを封じたとしても、1/4の確率で「ほえる」を使い強制的に戦闘を終了してくる。 ---対策は味方の回避率を上げるか相手の命中率を下げるぐらいで、先手を取れなければ対策は難しい。 ---これらのポケモンは「発動したわざの効果を『戦闘から逃げる』に置換している」という特殊な仕様で動いている。~ そのため、3体の中でも発動自体を先手で行える「でんこうせっか」を覚えているライコウの場合は、''くろいまなざしを使う隙すら与えず先制で逃げる''ことがあり少々理不尽。 ---これらは再戦時もHPやPP、状態異常が保存される仕様だが、「ほえる」のPPは20もあるうえ、これを使い切る頃には他のわざのPPが0に近くなり、「わるあがき((すべてのわざが使えなくなると使える反動ダメージありのわざ。))」で自滅され捕獲不能になってしまう危険性も出てくる((こちらからの攻撃か自滅かを問わず一度戦闘不能にさせてしまうと二度と出現しなくなってしまう。))。 ---そして捕獲率自体も、確実に遭遇でき逃げもしない伝説のルギアやホウオウと同じで非常に低く、必然的に長期戦を強いられ相手に行動させてしまうことも多い。~ 捕獲率100%のマスターボールという最終手段はあるが、正規手段で確実に手に入るのは1個であり対策としての意義は限定的。 --一度遭遇すれば図鑑から現在地を参照できるが、こちらが移動すると相手も移動してしまう((徒歩で移動すると隣接する地域へ、「そらをとぶ」で移動するとランダムな場所に移動する。))。~ 狙って遭遇するには「マップを切り替える⇔図鑑を開き捕捉する⇒偶然合っていたら草むらへ」という地道な作業を、運が悪ければ延々と続ける必要がある。 ---厄介なことに「主人公が直前とその前にいた場所には移動しない」という仕様まであり、2箇所を往復するだけでは絶対に会えない。 --『クリスタル』ではスイクンのみシンボルエンカウントになり、「ほえる」もレベルで覚えなくなった=バトルで使われず強制終了されなくなったので、若干楽になってはいる。 --後のシリーズに登場する徘徊系ポケモンは救済措置が段階的に採られており、本作における過剰なまでの捕獲難易度は製作側も反省したようである。 ''ひでんわざの増加による問題'' -ひでんわざに「たきのぼり」((初代ではトサキント・アズマオウしか覚えられない通常のわざだった。本作でもこの2匹のみレベルアップでも習得可能だが、わすれオヤジ以外で忘れることができなくなった。))「うずしお」が追加され、合わせて7つに増えた。さらにひでんわざではなくクリアに必須ではないが、一部サブダンジョンの攻略に必要なわざとして「いわくだき」が追加。 --そのため、6匹しかいない手持ちが秘伝+いわくだき要員で前作にも増して圧迫されることに。 -水のひでんわざだけ3つもあるが、これをすべて覚えられるポケモンは意外にも限られており((なみのりを覚えられる66種のうち3つすべてを覚えるのは27種。御三家の一体であるワニノコも「なみのり」「うずしお」は覚えるが本作では「たきのぼり」は覚えられない。))、水上移動を1匹に任せるのも簡単ではない。 --「たきのぼり」は「なみのり」の劣化、「うずしお」は威力が低すぎる、と戦闘における有用性も低い。 ---「たきのぼり」のひでんマシンは、特にヒントもなくダンジョンの中にさりげなく置かれている。~ 場所自体は分かりやすいが、うっかり取り逃してしまうと後から探す時は苦労する。 -前作では「フラッシュ」がなくても壁や階段がわずかに見えるため突破も可能だったが、本作では出入口以外が完全に真っ黒になるため、使わずに突破するのがほぼ不可能になった。 ''ストーリー進行に関する問題'' -ストーリー進行上必要となる道具「ゼニガメじょうろ」の入手方法が分かりづらい。 --その入手法は、コガネジムのバッジをもらった後に、コガネシティのある民家にいる女性に話しかけるというものだが、それに気づかず何時間も探し回ったプレイヤーも多かった。 -ジョウト編終盤の「こおりのぬけみち」があまりにも複雑。 --チョウジタウンジムにもある「滑る氷の床」のギミックを用いたものだが、足場が用意されているジムと異なり岩にぶつかるまで止まれない。~ 区画が広大なのもあって現在地や進行方向が把握しづらく、「詰む」プレイヤーが続出した。 --あまりにも難易度が高いことから、クリスタルバージョンおよびリメイクでは難易度が下げられることとなった。 ''面倒甚だしいなつき進化'' -隠しパラメータのなつき度を上げることで進化するシステムだが、上昇率が低く進化条件を満たすまでが非常に長い。さらになつき度は一定以上に上がると上昇率が下がる仕様。 --上げる手段に乏しく、こつこつ連れ歩いたり、美容師兄弟や毛づくろいによって上げたりすることができるが、果てしない道のりである。 ---ポケモンリーグのクリアがレベルアップも兼ねられて手軽なため、育成における注目の新要素ながら、やることは結局前作と同じ…ということにも。 ''タマゴに関する問題'' -ポケモンを増やしたり、個体値を遺伝させる人には避けられない作業で、孵化でしか手に入らないポケモンも結構多く図鑑完成のためにも必要な行程だが、本作が初ということもあってやや調整不足、説明不足な点がある。ポケモンをおじいさんとおばあさんのそれぞれに話しかけて預ける必要があるのも少し手間。 --ゲームの序盤からフィーチャーされている要素だが、タマゴグループや生まれるポケモン、わざの遺伝など、規則性に関するヒントがあまりに少なく、普通にプレイしていると有効活用するのは難しい。 --またタマゴは生まれるまで中身が分からないこと、「タマゴを孵化させるとトゲピーが生まれる」というイベントが個別に用意されていることなどから、システムを理解しない状態だと積極的に孵化させる行動に至らず、無意味に手持ち枠を埋めてしまいやすい。 #region(調整不足な点の数々) -孵化歩数が非常に多い。 --数千~一万歩歩かないと孵化しない。意図して多くのタマゴを孵化させるとなるとかなりの手間になる。~ ユーザー側には一定段階でメッセージが変わる程度しか違いがわからず、ただの作業にしかなっていない。~ 後発の作品ではじてんしゃが早くなったり、一部の特性に孵化速度が二倍になる仕様が導入される((特性の登場は次作『ルビー・サファイア』からだが、この仕様の追加はマイナーチェンジ版の『エメラルド』から))など徐々に改善されていったが、大部分の解決には『BW2』まで尾を引いた。 -タマゴグループがノーヒント。 --同じタマゴグループの♂と♀だと別種でもタマゴは発見されるが、どのポケモンがどのグループに属しているかは作中ではほぼノーヒント。 --タマゴ技は条件に一致した♂のわざが♀の子に遺伝するというシステムだが、それ以前の時点で躓いてしまうことになる。 -タマゴ技の仕様が不便すぎる。 --こちらも作中や初期の攻略本ではノーヒント。試行錯誤ではどうにもならないパターンの多さが各系統ごとに設定されている。 --タマゴ技の中には、特定のポケモンがタマゴ技で覚えたものを使ったり、ドーブルに覚えさせたものを使わないと覚えない例も存在する。特に前者は♂のポケモンが生まれないといけないため、出るまで粘る必要がある。 --ポケモンによっては対戦ではほぼ必須となるわざもあるため、野生のポケモンを捕まえてそれをそのまま育成して戦わせるということができなくなったのも非常に難点。 -タマゴの発見しやすさについて。 --1.「持ち主が異なり性別が♂と♀の同種」~ 2.「持ち主が異なり性別が♂と♀の同タマゴグループ」「持ち主が同じで性別が♂と♀の同種」~ 3.「持ち主が同じで性別が♂と♀の同タマゴグループ」~ 4.「タマゴみはっけんグループ(伝説系・ベイビィポケモンなど)」、その他。~ の四段階あり、上から順に発見しやすさが高く、三段階目だと一個発見されるだけでもそれなりに時間がかかる。なお、四段階目は絶対に発見されない。~ 特に問題なのは持ち主が同じポケモン同士だと一段階下がる仕様。上記のタマゴグループやタマゴ技の仕様と合わせて、試行錯誤すらままならない要因になっている。 --育て屋に特定の個体値が一致する個体同士を預けると「げんき いっぱいだ!」というメッセージが表示されるようになり、この場合は絶対にタマゴが見つかることがない。遺伝の関係上、親子同士を預けると必ずこのメッセージになる。イメージとしては近親交配を避けるための処理か。なお無関係な個体同士でも1/128で一致しうる。この仕様も次回作以降は改善されている。 -タマゴの受け取りについて --育て屋の建物内に入り、ポケモンがいる柵内側に出てから育て屋のおじいさんに話しかけて入手と、一手間かかる。前述のタマゴの見つかりやすさを示すポケモン同士の相性も、このスペースに出てからポケモンに話しかけなければ分からず、これを調べることなく親子同士やニドリーナ、ニドクインのような事前情報なしではタマゴが発見されないイメージが沸きづらいポケモンのタマゴを手に入れようとすると意味もなく走り続ける事になる。これらの仕様も次作以降は改善されている。 #endregion ''バッジが足りないと、レベルの高すぎる「親が自分以外のポケモン」が言うことを聞かなくなる'' -これ自体はポケモン本編シリーズの伝統のようなものであり、レベルの高いポケモンを通信交換で連れてきて楽してゲームを進めるのをある程度抑える役割があるので本来は問題点とは言えない。~ しかし、この仕様は''キキョウシティでマダツボミとの交換で手に入れられるイワーク(ブルブル)にも適用されてしまう''。 --バッジを一つも持っていない状態で親が自分以外のポケモンが言うことを聞くレベルの上限は10であり、インセクトバッジの入手で上限が30まで上がる。~ しかし、バッジ所持者のツクシのポケモンの最高レベルが16なので、普通にイワーク(ブルブル)を育てれば言うことを聞くレベルを超えてしまう。 ''カントー地方の問題点'' -突入後しばらくはジョウト地方に戻れない。 --いくらかイベントをこなしてリニアを開通させるまで、ジョウト地方に戻るには「そらをとぶでセキエイ高原に行き、そこからさらに歩いて戻る」か~ 「特定の曜日にしか出航しないアクア号に乗る」のどちらかしかなく、戻りたい時にパパッと戻れないのは面倒((殿堂入り前限定だが、ワカバタウンまでテレポートさせてくれるNPCがセキエイ高原にいる。))。 -容量の都合からか一部マップが変更されており、サファリゾーンが閉鎖、グレンじまが荒廃しているなどオミットされた名所もある。 -クリア後に行ける場所にしては野生ポケモンのレベルが低めに設定されている所が多い。 --1番道路でLv2~6のポケモンが出現する、といったように初代と大体同じレベル。~ 釣りを除くと高くても30前後と即戦力となるポケモンが一切出現しないので、捕まえてもまずはボックス行き、となりがち。 --この点はリメイクの『HGSS』でも改善されていないが、同様の場所がある『BW2』では改善されている((クリア後に行ける場所に前作の『BW』で序盤に行けた場所が含まれるが、そのような場所でも野生ポケモンのレベルは高めに設定されている。))。 ''使い道に乏しいガンテツボール'' -特殊な性能のガンテツボールだが、使い勝手に難がある。 --まず入手にはガンテツに「ぼんぐり」を渡して''1日待たなければならない''。無料とはいえ入手の手間と消耗品であることを踏まえると1日1個は明らかに釣り合っていない。 --そうして手に入れたところで効果が微妙だったり、バグや設定ミスにより正常に機能していないものも多く、一部以外はまるで実用性がない。 #region(ガンテツボールの詳細) -ムーンボール --「つきのいしで進化するポケモンに有効」という効果のはずが、設定ミスにより「やけどなおしで進化するポケモンに有効」となってしまっている。~ もちろんそのようなポケモンはいないため、効果が一切機能しておらず、モンスターボールと全く同じ性能となってしまっている。~ もっとも、効果が有効でも対象は4種((ニドリーノ、ニドリーナ、ピッピ、プリン。更に、この中で殿堂入り前にジョウト地方で遭遇できるのはクリスタル版でのプリンのみである上に、出現タイミングからムーンボールの素材であるきぼんぐり入手前に捕まえている可能性が高い。))しかいないが。 -ラブラブボール --「''異性の''ポケモンに有効」とあるが、実際は「自分のポケモンと''同種かつ同性''のポケモン」が捕まえやすくなっており、設定ミスで内容が真逆になっている。設定ミスがなかったとしても、同種のポケモンを用意する必要があるため実用性はいまひとつ。同種でなければいけない事は各種攻略本だけでなく、リメイクされたHGSSのゲーム内でも言及されていない。 --性別不明のポケモンに対してはモンスターボールと同等である効果は想定通りに動作している。 -スピードボール --「逃げやすいポケモンに有効」なはずだが、設定ミスにより「低確率で逃げるポケモン」であるコイル・ベトベター・モンジャラの3匹にしか効果がない。~ 結果として''ライコウ・エンテイ・スイクンに対しては無力''であり、モンスターボールを投げているのと変わらない。~ このせいでライコウ・エンテイ・スイクンを捕まえられず、涙を飲んだプレイヤーも多いだろう。 -フレンドボール --捕まえたポケモンのなつき度が非常に高い状態になるボール。なつき度が進化条件になっているポケモンに特に有効なのだが、該当する野生ポケモンがズバット・ゴルバットとラッキーしかいない。 -ヘビーボール --他と違い加算方式で捕獲補正を上げるボールで、重いポケモン(204.8kg以上)に有効だが、その対象はごく限られ、さらにハイパーボール以上の効果を発揮するのはカビゴンとルギアのみ。~ これら2体に対してはかなり有効だが、体重が一定以下だと逆に捕獲率が下がるデメリットも相まって、その他多くのポケモンにはモンスターボールよりも低い性能になる。 -ルアーボール --釣りで出現したポケモンが捕まえやすくなるボール。釣りでしか出現しないポケモンは結構いるため、レベルボールに次いで出番がある。 -レベルボール --「相手のレベルが自分のポケモンよりも低いほど捕まえやすい」という汎用的な効果。レベル100のポケモンが手持ちにいれば、常にハイパーボール以上の高い性能を発揮する。 --最終的に作製するのはこれだけになりがちであり、半ば個性を活かせていない様態となってしまっている。 #endregion ''まだまだ粗めな対戦バランス'' -全体的にとくこう低め・とくぼう高めの調整、ぼうぎょ・とくぼうに努力値を限界まで振れること、すばやさの値の役割変化による火力低下、ねむる→ねごとコンボ、ひかりのこな+かげぶんしんコンボなど、耐久型が有利になるような調整が多かった。特に耐久寄りのステータスに加え、回復技や壁貼りで並大抵の攻撃が通らなくなったスイクンやブラッキーなどは相当厄介だった。~ その一方で、専用アイテムで圧倒的な火力を発揮するガラガラや、場に出た瞬間に永続的なこんらん状態になる代わりにこうげきが2段階上がる「はかいのいでんし」((『ポケスタ金銀』ではこんらんが永続ではなくなり、まさに壊れ性能だった。))など、攻撃面でのバランスもまだまだ煮詰まっていなかった。 --耐久型の対策自体はある程度選択肢もある((一撃必殺技、前作より強化されただいばくはつ(カビゴンのみじばく)、はらだいこ、あくむ、くろいまなざし→ほろびのうた、ほえるやふきとばし、前述のガラガラ、くろいきりなど))ため比較的容易にできたものの、忘れてしまえば''数十ターンを余裕で超える泥仕合''になることも少なくなかった。 -多くのタイプの性能が大幅に改善された一方で、新タイプを筆頭に対戦での扱いが悪いタイプもちらほら散見された。 --新タイプのあくはこうげきが高いポケモンが多いが、あく技はとくこうでダメージを計算するため、全体的に威力不足気味。例外はヘルガーくらい。 ---その割に攻撃技は肉弾戦のわざしかない。「RS」でもそれは変わらず、仕様が変更された「DP」で既存の攻撃技は全て物理技に変更されている。 --前作で不遇だったむしタイプに追加された攻撃技が、使い勝手の悪いれんぞくぎりとヘラクロスの専用技メガホーンだけ((個体値に左右されるが、めざめるパワーも該当する。))。~ そのため、ヘラクロス以外の攻撃面は総じて微妙で、他に使えるのはわざや耐久面で特徴的なハッサム・フォレトス・ツボツボくらいと、おざなりな調整になっている。 ---そのヘラクロスもかくとうタイプを複合しているため、対エスパー戦では不利。あくタイプに対してもヤミカラスやヘルガーといったむしタイプに有利な属性を複合している者も多いため、前作に引き続き役割を持たせることが難しかった。 --それでも、当時の対戦環境には根強い愛好者が存在することから分かるように、前作に比べれば一定のバランスは確保されてはいると言える。詳細は余談の項目を参照。 ''新ポケモンの活躍がやや地味'' -100匹ものポケモンが追加されたが、扱いは全体的に地味だった。 --最初の道路には新ポケモンのオタチとホーホーが出現するが、同じ場所に似た性能を持つ前作のコラッタとポッポも出現する。その先で出現する虫ポケモンもまた然り。 --その一方で、カントー地方やラストダンジョンなどクリア後の最終盤にしか出現しない新種もいる。シナリオクリアに使えないため存在感が希薄((ちなみに後のシリーズでも金銀クリスタル組は地味な扱いを受けやすく、オドシシに至っては登場することはあってもクリア前の図鑑に出てきたことがソード・シールドまで一度もないという不遇を受けている。))。 -大量発生時に限って出現率が上がる一部のポケモン(マリル・ブルー・ヤンヤンマ)の平常時の出現率が''1%''と低すぎて遭遇しにくい。 --しかも、大量発生を確かめる手段が「ポケギアで特定のトレーナーを登録し、連絡を待つ」しかなく、条件を満たさないと気づきにくいのも難点。 -様々なタイプのポケモンが追加されたが、ドラゴンタイプはキングドラ、ゴーストタイプはムウマの各1種類のみ。~ 目玉のあくタイプもシナリオクリア前に入手可能なのは野生出現のない「ブラッキー」のみで、ほかはカントー地方でしか入手できない。 -ジムリーダー8人のうち新種のポケモンを使うのは半分の4人。 --その4人も切り札以外は前作のポケモンを使うので、扱いは十分とは言い難い。 --ゴーストタイプ使いのジムもあるのにムウマはそこに一切登場しない(裏ダンジョンのシロガネやまに生息するのみ)などかなり残念な扱い。 --四天王の一人、あくタイプ使いのカリンに関しても、ブラッキー・ヤミカラス・ヘルガー以外は「ワルっぽい」だけのあくタイプではないポケモンを使ってくる。 --ドラゴン使いのワタルも強さ的には前作よりバリエーション豊かになった分マシとはいえ、やはり「それっぽい」ドラゴンタイプでないポケモンを3体出してくる。しかも全員ひこうタイプである為、事実上最初のジムリーダーとタイプが被る。 ---ちなみにキングドラは出してこない。あるジムリーダーの切り札なので仕方ない面もあるが。 -前作ファンには馴染みやすく、またゲーム全般にわたって新旧ポケモンが混在していることから「今作の舞台が前作のカントー地方から地続きである」という雰囲気作りには一役買っている、と言えなくもない。 ''前作『赤 緑 青 ピカチュウ』がないと不可能・困難な要素'' -ポケモン図鑑を完成させるためには『金・銀』両方に加えて、前作のいずれか1つが必須。 --本作単体ではカントー御三家・化石((プテラはNPCとの交換で手に入るものの、出現率の低いラッキーを要求される。))・伝説の三鳥・ミュウツーらを入手不可能なため、図鑑完成も不可能になる。~ もっとも、前作の時点でも通信交換なしではコンプリート不可能だったうえ、どちらも図鑑を完成させてもとある場所で表彰されるだけで、「マニア向けのやりこみ要素」というレベルではある。 -本作では進化の石の入手手段が少なく、石で進化するポケモンをシナリオで使うのが困難になっている。 --特に入手が困難なのはほのお・みず・リーフ・かみなりの4種。ふしぎなおくりもの(低確率)かクリア後のイベント(確実に入手できるが個数限定)に入手が限られている。 ---前作ではこれら4種は普通に販売されている((前作では販売しているデパートで「進化の石のセール」と言っていたので、あくまであの時限定という設定だったらしい。))ため、タイムカプセルを使えば石進化ポケモンの「入手」は容易なのだが…。 ---この点は『クリスタル』では多少改善された。 ---追加されたポケモンの中で、4種の石で進化するポケモンは存在しないため、前作を使えば図鑑完成には支障がないのが幸いか。 --つきのいしは終盤のダンジョンで確実に入手できる(時間をかければ何度も可能)ほか、クリア後にも入手機会はある。また、たいようのいしは虫取り大会1位の景品。面倒だが、他の4種類に比べれば量産できるだけマシと言える。 --「でんきだま」「まがったスプーン」など、前作を使わないと入手できないアイテムも存在する。 ---「でんきだま」「まがったスプーン」はそれぞれ『ピカチュウ』版で最初にもらうピカチュウ、野生のユンゲラーだけが持っている。前者はピカチュウのとくこうを2倍と現在と変わらず限定的な効果。後者はエスパータイプの技のダメージを1.1倍するものだが、他タイプに対応した同種のアイテムが今作だけで入手できるのに対し、これ以外の入手手段が存在しない。 ---特に「きのはこ」「きりのはこ」は『ポケスタ2』で入手できるポケモンしか持っていない。しかし、使用する(開ける)事で手に入るのはもようがえグッズである上に、中身が「ぎんのトロフィー」「きんのトロフィー」であることからもわかるように、そもそも同作をクリアしたことへの褒章である。~ 以後の作品でも同様のアイテムをバトル施設の連勝記録達成で貰えるが、他作品で達成した事で手に入るのは珍しい。 --命中率・威力共に安定している「10まんボルト」「れいとうビーム」のわざマシンが削除されたため、それらのわざを覚えさせるためには前作に通信交換で送る必要がある。当然新ポケモンには覚えさせられない((メリープのみ、「10まんボルト」がタマゴわざで覚えられる設定のため『金・銀』でも覚えさせることはできる。))。 ---『クリスタル』では多少改善されたが、取得のためには強運または多額の金銭が必要となるのが難点。 ''「タイムカプセル」の問題点'' -前作と通信するタイムカプセルを利用する際、『金銀』からの新ポケモン、または新技を覚えたポケモンが手持ちにいると入場を断られる。 --前作に無いデータを弾くこと自体は当然の処理なのだが、問題は''「新しいわざ」であるか否かをゲーム内で直接確認する手段が無い''こと。ポケモンについては図鑑番号で確認できるのだが…。 ---具体的にどのわざが原因で引っかかったのかは教えてくれるが一度に1つのみである。~ 手持ちポケモンたちが新しいわざを複数覚えている場合、「指摘させたわざを忘れさせる→話しかける」を何度も繰り返す必要がある。 ---前作をやりこんでいてわざの種類を暗記しているようなプレイヤーなら気にならないが、前作未経験者の場合は判別しようがなく非常に手間取る可能性がある。 --一番問題なのが前述のレアになってしまった「ほのお・みず・リーフ・かみなり」のいずれかの進化の石で進化するポケモンたち。~ 進化の石で進化するポケモンは基本仕様として「進化後はレベルアップでわざを覚えなくなる」というものがあるため、今作で新技を覚えるようになった石進化ポケモンは「今作では石がレアになったので進化させにくい」、「だが新技を覚えてしまうと石が店売りの旧作に戻せない」、「旧作で進化させてしまうと新技を覚えられない(忘れさせたわざを思い出させることもできない)」ということになり、確実に入手できる個数限定品を使った後は進化と新技のどちらかを諦めるか、ふしぎなおくりものの低確率入手にかけるかのいずれしかない。 --この為か「ダイヤモンド・パール」以降は「一度前の世代から送ったが最後、もう戻せなくなる」という措置が取られた。 ''「ふしぎなおくりもの」の問題点'' -受け取ったものがどうぐである場合、ゲームを起動してポケモンセンターにいる配達員から受け取るまで次の通信ができなくなる。 --1日5回までの制限があるので、せめて5個分まではストックしてくれても良かったのではないか。 --なお『ポケスタ金銀』でも研究所でどうぐを受け取る機能があるのだが、その機能を利用できるのは「ポケモンセンターでレポートしている場合」のみなので結局受け取る手間は変わっていない。 ---先行した類似システムである『[[ポケモンカードGB]]』の「カードポン」と比べると特に不便さが目立つ。 --全ての状態異常を治す「きせきのみ((現行シリーズにおける「ラムのみ」相当。))」、急所に当たる確率を上げる「ピントレンズ」といった、対戦で重要なポケモンのもちものの入手手段がこれに限定されている。 ---『ポケットピカチュウカラー』があれば、「きせきのみ」は確実に入手可能。「ピントレンズ」は運に頼るしかない。 --入手アイテムには4段階の希少価値が設定されているが、出現確率は最も出やすいものに極端に偏っている。 --部屋に飾る家具のほとんどはこの方法でしか手に入らない。家具は通信交換もできないのでコンプリートが非常に困難である。 ---ただし、これらは鑑賞以外に用途の無い純粋なコレクターアイテムである。 --''プレイヤーのIDによって相手に送られるアイテムが決まる''という非公開の仕様がある。そのため、同じ相手とだけ通信しても絶対に出ないアイテムが存在する。 ''ライバルについて'' -本作のライバルは、他のシリーズ作品の幼なじみやお隣さんなど主人公と関係のある人物ではなく、たまたまワカバタウンで出会っただけの他人。 --おまけにウツギ研究所やタンバシティのコレクターからポケモンを強奪し、主人公と遭遇した際は主人公や他のトレーナーを「弱い」とこき下ろし、主人公との対戦に負けたら手持ちのポケモンに責任転嫁する((もっとも、前作のライバルも「油断した~」「手加減した~」と言い訳することは多かった。))など、ライバルというよりほぼ悪役であり、プレイヤーの心証をどちらかと言えば悪くする。 ---ただし「負けた時の手持ちを見捨てて次の対戦時には全く別のポケモンを使う」といった冷酷な展開は一切無く((コロコロコミックで連載されていた漫画では存在し、ライバルが盗んで所持していたベイリーフはこれによって主人公の手持ちに加わる。))、一度手持ちに入れたポケモンは一体も欠かさずに最終段階まで進化させている。~ 手持ちの中にはなつき状態や通信交換など進化に一手間かかるポケモンもいることから「ツンデレ」と呼ばれることも。 --ロケット団をひどく嫌っている描写があるもののその背景などは一切明かされず、何戦か交えた後に改心する様子は見られるが、ポケモンを盗んだことについては特に反省の弁もないなど、描写不足も目立つ。人によっては感情移入がしづらいライバルとなってしまっている。 ---リメイクでは、ロケット団ボスのサカキの息子であることが明かされたり、ポケモンを盗んだことを博士に謝るなど、この点に関しては改善されていると言える。 ''レベリング手段に乏しい'' -殿堂入り後は手持ちのレベルが40以上のトレーナーがほとんど登場しないため、パーティーのレベルが上がりにくい。 --四天王、チャンピオンの面目を保つためか、アンズ以外のカントー地方のジムリーダーが四天王と同等で、総合レベルがチャンピオン以上なのは裏ボスとグリーンのみ。 --そのため、バッジをすべて集めてもまだ覚えていないレベル技があることもザラ。 --ジムをすべて制覇した後は、裏ボスを倒そうと思うとポケモンリーグ(とトレーナーハウス)を巡る作業ゲーと化す。 問題点の一部はリメイク版で改善されることとなった。 ---- **総評 1作目の問題点を上手く調整し、さらに様々な追加要素を加えた本作。~ それらのほとんどは後作でも引き継がれ、改良されており、シリーズのシステムを大きく進歩させた作品。~ またポケモンの世代刷新の際はこの作品に倣い、基本的なシナリオ展開や対戦システムはそのままに、新ポケモンの追加やバランスの調整をメインに行っており、シリーズの方向性を決定づけたと言ってもよい。~ さらに前作との互換性もあって、製作側の意気込みが強く感じられる。長らく発売延期をした作品だが、それに見合った内容と言える。~ 本作はシリーズものの続編として、一つのお手本と言えるだろう。 ---- **余談 ''永きに渡る発売延期の顛末'' -当初は1997年末頃に発売予定とされていたが、開発が難航して発売が遅れ続けたことでも有名。 --『赤・緑』発売直後の1996年春から製作は始められており、当初は『ポケットモンスター2』として発表された。 ---発表以降、キャラクターデザインや画面写真も相次いで公開され、1997年夏の任天堂スペースワールドでは来場者が実際にプレイ可能な体験版が展示されるなど、一見すると開発は順調であるかのように思われた。 ---当時公開された画像や体験版では、製品版と比べ地形などのデザインが大幅に異なっている(自転車の代わりにスケボーで移動など)。体験版に登場したポケモンもデザインや名前が変更されていたり、中には製品版からは跡形も無く消えてしまった例も存在する。 --しかし、その後は長らく続報が途絶えていた。1998年には『ピカチュウ』バージョンや、『[[ポケモンスタジアム]]』などのスピンオフ作が発売されたものの、肝心の本作は、発売年の1999年に入るまで具体的な情報がほとんど公開されない状態が続いた。 --1997年4月1日に放送されたアニメ第1話には金版のパッケージ伝説であるホウオウが、1999年公開の劇場版2作目には銀版パッケージのルギアが登場した。ルギアは元は映画のために作られたポケモンであり、開発が遅れたことによりホウオウと対になるポケモンとしてパッケージを飾れたようである([[参考リンク>http://www.style.fm/as/05_column/shudo210.shtml]])。 ---本作においては結果的にそうなった形であるが、以降の作品においてはアニメや映画などのメディアミックスにより、発売前の新作に登場するポケモンを華々しくデビューさせるのが定番となった。 ''熱心な対戦環境の研究'' -本作の対戦環境は前作に比べてかなり洗練され、システムはその後の作品にかなり近くなっているため、現在でもコアなファンによって研究が続けられている。 --第三世代以降と違い、努力値の総量に上限が無いために全ての能力値に振れる。アタッカーであっても高いHP・ぼうぎょ・とくぼうを持つために、全体的に耐久が高めになっている。~ そのため相手の攻撃をいなし続けるという「役割理論」が生まれて極端な耐久思考になったり、そこから相手をいかにして崩すかを考えてのパーティ構築にシフトするなど、本作ならではの味がある。 --禁止伝説を除けばカビゴンが頭一つ抜けた強さだが、そのカビゴンには「すばやさがとても低い」という大きな欠点があるので対処手段の幅が広い。 --極めれば「どのパーティにも確実に勝てるパーティは存在しない」「貧弱なポケモンでも立ち回り次第で格上のポケモンに有利を取れる」といった点から、「歴代最高の対戦バランス」と評価するプレイヤーも存在する。 --役割理論を壊しかねないとして「一撃必殺技」「カビゴンの"はらだいこ"」など、一部のわざに否定的な風潮がかつて存在した。現在では風潮自体は廃れたものの、一撃必殺技に関しては未だにローカルルールで禁止されることが多い。もちろん当時行われた公式大会のレギュレーションでは問題なく使用可能だった(実際に決勝進出者でも使用実績がある)ため賛否はある。 ''不具合など'' -内蔵電池の問題点で挙げた通り、現在市場に流通しているソフトの中でレポート可能なものは中古新品問わずほぼないと思われる。 --現在は後述するニンテンドー3DSのVC版で電池切れの心配なしに遊べるものの、どうしてもソフトを使って本作をプレイしたい場合は、セーブなしでプレイするか、自力で電池を交換してみるのも手。 --使用されている電池はCR2025。100円ショップなどで簡単に手に入るが、基本的なハンダの技術や専用ドライバー(ものにもよるがドライバー以外の物でも可)を要する。~ 電池には直接ハンダせず、接点をテープなどで止める程度にしておいたほうが無難。 -前作ほどではないが、今作にもバグが存在する。致命的なものを除き基本的にバグが修正されないVC版でも実行可能。 --虫取り大会である手順を踏むと預けたポケモンを増殖させたり、通常では覚えられないわざを覚えたポケモンがゲットできるバグが存在する。~ これを応用すると色違いのポケモンやなみのりを覚えたピカチュウなども手軽に入手可能。 --厳密にはバグではなくセーブデータの書き込み処理の問題だが、ボックス内のポケモンを移動する際のセーブ中に特定のタイミングで電源を切ると、移動前と移動先両方に同じポケモンが存在し、無限にポケモンやアイテムを増殖できてしまう。こちらはクリスタル版で修正された……かと思いきや、タイミングがシビアになっただけで可能なままである。 ''幻のポケモン「セレビィ」'' -前作のミュウ同様に、本作にも''セレビィ''という幻のポケモンが存在。 --ゲーム単体で入手する方法は存在しないものの、出現方法についての噂はインターネットや口コミなど様々な形で全国に伝わっていった。 ---特に有名なのは「ホウオウに金の葉っぱ、ルギアに銀の葉っぱを持たせて育て屋に預けると、ある場所でセレビィが出現する」という噂か。この噂は公式攻略本のスタッフインタビューでも話題にされている。 --前作のミュウ同様にイベント会場でプレゼントされたほか、『クリスタル』においてシリーズ初のオンライン配布が行われた。 ''アカネのミルタンク'' -3番目のジムリーダー・ノーマルタイプ使いの''アカネのミルタンク''の強さは今でも語り草となっている。 --Lvは20と高めで、ステータスも未進化ポケモンゆえに全体的に高い。わざも外れるまで威力を上げながら連続攻撃をする「ころがる」やHPを半分ほど回復する「ミルクのみ」、性別が逆のポケモン(ミルタンクはメス固定なのでオス)をたまに行動不能にする「メロメロ」など強力なものが揃っており、壁ボスとして多くのプレイヤーを恐怖させた。 --御三家のみに経験値を振ってレベル差((具体的にはLv26〜27程度。))を付けずに、多くのポケモンにバランスよく経験値を振ったパーティの場合、力押しでは相当手ごわい相手だが、命中率低下技か回避率上昇技を使ったり状態異常技をかけたりすればそれほど怖くない。 ---近くでNPCとの交換で入手できる「きんにく」と名付けられたワンリキーはメスでメロメロ無効・かくとうタイプでミルタンクの弱点を突けるので、それを使う方法もあるが、入手時点でのレベルが低いためレベルを上げておく必要がある。 --リメイク版ではレベルが上昇傾向にある切り札級のポケモンの中で唯一レベルが下がっている。VC配信発表時のダイレクトや公式Twitterでも本作のこのシーンが公開されるなど、製作側もミルタンクの強さは認識していた様子。 ''その他'' -本作の四天王の一人であるカリンの発言「''つよい ポケモン よわい ポケモン そんなの ひとの かって ほんとうに つよい トレーナーなら すきな ポケモンで かてるように がんばるべき''」は有名で、しばしば名台詞として取り上げられる。 --ポケモンに登場する優れたトレーナーによくある「ポケモンに対する自らの信念を語る場面」なのだが、一方で「強いポケモンを選んで使うプレイヤーへの批判」と曲解されることもあり、しばしば論争のタネになりやすい。 -焼けた塔では戦闘後にグラフィックがモノクロになるトレーナーが存在する。 --「燃え尽きた」という戦闘後のセリフと連動した、カラーならではの遊び心だと思われる。 --クリスタル版では登場せず、リメイク版では再登場するが真っ白になる演出は無くなった。 -ニドラン♀はタマゴを発見できるが、進化してニドリーナ・ニドクインになるとタマゴを発見できなくなる。 --初代の公式攻略本『ポケットモンスター図鑑』にある「進化して子供を守る為の戦闘能力を得た代わりに生殖機能を失った」という設定に基づく仕様と言えるが、ゲーム中の図鑑説明では現在に至るまでこのことについて記載されていない。ニドクインの母性的なデザインとのギャップもあり、この設定を知らないプレイヤーが混乱する原因になっている。 -本作の新要素であるタマゴわざは♂しか存在しないポケモンや性別不明のポケモンには基本的に設定されていないが、本作の時点でヒトデマンやバルキーのような例外が存在している。 --バルキーのタマゴわざはいずれも進化後の3匹が覚えるもので、それを別の進化先に覚えさせるための設定と思われる。 --一方のヒトデマンは遺伝の方法が存在せず、クリスタルバージョンで削除された。 ---このような遺伝の方法がなく、後の作品で削除されたタマゴわざは以降の作品でもいくつか見られる。 -本作で登場した御三家だが、実は種族値の数値が前作の御三家から流用されている。 --メガニウムはフシギバナからぼうぎょととくこうを入れ替えた数値になっており、オーダイルはカメックスからHPととくこう、こうげきととくぼうを入れ替えた数値になっている。~ ''バクフーンに至ってはリザードンと全く一緒である。'' --ちなみに、本作のパッケージポケモンであるルギアとホウオウもミュウツーから種族値の数値を流用している。 --このような種族値の数値シャッフルは他のポケモンでも見られるが、それらは対の関係であるなどの繋がりがある場合がほとんどであり、特に繋がりのないポケモン同士で種族値がシャッフルされているのは非常に珍しい例と言える。 ''『金・銀・クリスタル』発売後の展開'' -『金銀』発売から1年後の2000年12月14日、大画面でプレイできる対戦ツールとして『[[ポケモンスタジアム金銀]]』が発売された(『クリスタル』との同時発売)。 --『[[ポケモンスタジアム2]]』同様ただの対戦ツールの枠では収まりきらないハイクオリティな作品として有名である。また、今作のゲームバランスやシステムの改善も若干行われている。 ---『銀』『クリスタル』でホウオウに「せいなるほのお」、『金』『クリスタル』でルギアに「エアロブラスト」を覚えさせるには本作が必須。これはレベルの影響で該当技を忘れており、わざおもいだしが存在しないため。 --2009年9月12日には、本作のリメイク『[[ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー]]』がニンテンドーDSで発売された。『クリスタル』の要素も追加されている。 -ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールとして、2017年9月22日に『金・銀』、2018年1月26日に『クリスタル』が配信開始。 --初代VCと同様にパッケージのダウンロード特別版も発売。当時のものを再現したパッケージでマグネット・説明書風シールが付属しているのは同じで、本作で登場した100匹のポケモンと当時の相性表((今作と第6世代以降で一部相性に違いがあるため。具体的には今作だとフェアリータイプが存在せず、ゴースト・あくタイプのわざがはがねタイプに半減される。))が描かれたポスターが付属している。 --『金・銀』VC間の通信や初代VCとのタイムカプセルによる通信交換もちゃんと再現されている。VC間の「ふしぎなおくりもの」にももちろん対応(GBC⇔VCは不可能)。初代VC同様『[[ポケムーバー>ポケモンバンク/ポケムーバー]]』にも対応。 --時計機能も3DS本体の時計を基準に進行するので、内蔵電池の問題も解消されている。3DS本体の時間を変更すると本作の時間もそれに合わせて変動する(元々想定外だったためか時間変更のペナルティは存在しない。ただし現在の日時から戻した場合は反映されない)。 --ポケットプリンタの機能は使用できない((「ポケットプリンタを使用するか」という選択肢自体はそのままだが、「はい」にカーソルを当ててもAボタンが反応しないためキャンセルするしかない。))ほか、メールを持たせたポケモンを通信交換に出そうとすると個人情報や不快な発言などに関する注意書きが画面下部に表示されるといった仕様変更・追加もある。 --戦闘アニメーション時にHPゲージが消えず、さらにポケモンの動きと連動して動く(例えば「はねる」を使うと上下に激しく動く)という不可解な変更点がある。『クリスタル』ではオリジナル版と同じ表示。 --「ポケモンの持ち主の名前が特定の条件を満たしている状態でタイムカプセルを利用した場合、持ち主の名前が内部で強制的に書き換えられる」という、オリジナル版には存在しなかった不具合が確認されている。~ 書き換えられた場合は元のソフトに戻してもニックネームが変更できなくなるが、獲得経験値や言うことを聞いてくれるかどうかには影響しない。 ---前作側のトレーナー名が4文字以下の場合、交換時に持ち主の名前の終端部分が強制的に書き換えられる。5文字の名前にするか、残りの文字を全て空白で埋めた場合は問題ない。~ 厄介なのが『ピカチュウ』版で最初に貰えるピカチュウにこの症状が起こった場合で、通常のピカチュウと同じ扱いになり後ろを付いて来なくなってしまう。 ---本作側のトレーナー名をデフォルト名の一覧(ゴールド、シルバーなど)から選択した場合、こちらも初代に送った際に内部で書き換えられる。自分でデフォルト名と同じ名前を入力した場合は問題ない。こちらは『クリスタル』で修正された。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』の『[[DX>大乱闘スマッシュブラザーズDX]]』『[[SP>大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』にピチューがファイターとして参戦している。 --チコリータ、ルギア、セレビィなどはアイテムのモンスターボールから登場する。 ''余談(クリスタル)'' -当初は『ポケットモンスターX』という仮題で発表された。 --後の『[[ポケットモンスター X・Y]]』とは無関係である。 -初代および[[その>ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン]][[リメイク>ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ]]を除けば、いわゆる「禁止伝説」以外がパッケージを飾っている唯一の例である。 -ライオンの洗剤「ブルーダイヤ」の有名なキャンペーンにかけて「金銀と来たら、もう一つはクリスタルじゃなくてパールじゃないの?」という小ネタが発売当時からあったが、約6年後に本当に[[パールパージョン>ポケットモンスター ダイヤモンド・パール]]も発売された。 -当時のゲーム雑誌「Nintendoスタジアム」(現在は廃刊)において、女性主人公追加ということもあって発売前に女性プレイヤーへのインタビューが行われている。 --そのプレイヤーは主人公の着せ替え機能を要望していた。主人公の着せ替え機能の導入は、『クリスタル』発売後の約13年後、『XY』まで待つこととなる。 //''体験版のネット上への流出'' //-2018年5月頃、本作の体験版と思われるデータが海外ユーザーの手によりインターネット上にアップロードされた。 //--これにより、長らくの間当時公開された数少ない情報や実際に体験版をプレイしたユーザーによる証言しか情報のなかった本作の体験版の全貌が明らかとなった。 //-2020年4月には、任天堂スペースワールド'99で展示された体験版のデータが流出した。ただし、上記のものとは異なり、名前やデザインが変更されたポケモンは存在するが、製品版に登場しなかったポケモンは存在しない。 //--ただし、これらの流出データが本物であるという確証はなく、捏造によるものである可能性もあるため、鵜呑みは禁物である。
本項ではGBC対応ソフト『ポケットモンスター 金・銀』と、マイナーチェンジ版であるGBC専用ソフト『ポケットモンスター クリスタルバージョン』を紹介しています(判定は共に「良作」)。 ---- #contents ---- *ポケットモンスター 金・銀 *ポケットモンスター クリスタルバージョン 【ぽけっともんすたー きん・ぎん】~ 【ぽけっともんすたー くりすたるばーじょん】 |ジャンル|>|RPG|CENTER:&amazon(B00002T0D6,image=https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/265000907.jpg,height=160)[[裏を見る>https://gamefaqs.gamespot.com/a/box/1/6/1/6161_back.jpg]]&br&br&amazon(B00002T11B,image=https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/165000908.jpg,height=160)[[裏を見る>https://gamefaqs.gamespot.com/a/box/1/4/4/12144_back.jpg]]&br&br&amazon(B00005OVBL,image=https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/165001103.jpg,height=150)[[裏を見る>https://gamefaqs.gamespot.com/a/box/6/0/2/11602_back.jpg]]| |対応機種|金銀|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~| |~|クリスタル|ゲームボーイカラー(専用)|~| |メディア|金銀|8MbitROMカートリッジ|~| |~|クリスタル|16MbitROMカートリッジ|~| |発売元|>|任天堂|~| |開発元|>|ゲームフリーク&br()クリーチャーズ|~| |発売日|金銀|1999年11月21日|~| |~|クリスタル|2000年12月14日|~| |定価|>|3,990円(税込)|~| |配信|>|【3DS】バーチャルコンソール(金銀)|~| |~|通常版|2017年9月22日/1,111円(税別)|~| |~|特別版|同日/1,389円(税別)|~| |~|>|【3DS】バーチャルコンソール(クリスタル)|~| |~|通常版|2018年1月26日/1,111円(税別)|~| |~|特別版|同日/1,389円(税別)|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|金銀|新タイプ「あく」「はがね」&br;「もちもの」などの大幅な新要素&br()2つの地方を股にかけた大冒険&br()''カセットの電池切れでセーブ消失''|~| |~|クリスタル|女主人公初登場&br()オンラインに初対応|~| |>|>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ]]''| ---- **概要 大人気シリーズの2作目。~ 実時間経過と同じく[[前作>ポケットモンスター 赤・緑]]から3年後の物語で、舞台は和情緒あふれるジョウト地方。~ GBCに正式対応しカラー表現が可能になったことや、当時のGBソフトとしては珍しい時計機能など、後のシリーズ作品でも重要となる様々な新要素で注目を集めた。~ 社会現象となった前作への評価に加え、アニメや雑誌の広報、延期に次ぐ延期などから、本作に期待するファンは非常に多かった(詳細は余談の項で)。~ ~ 約1年後にはマイナーチェンジ版『クリスタルバージョン』が発売された。ちなみに『[[ポケモンスタジアム金銀]]』と同時発売である。~ 後のマイナーチェンジ作と比べると変化は少なめだが、前作の『青』『ピカチュウ』と比較すると新要素は多い。~ 後述するモバイルシステムGBの旗艦タイトルでもあった。 ---- **ストーリー >この世界には、ポケットモンスター(通称ポケモン)という生き物が住んでいます。~ ずっと昔から人間とポケモンは、なかよく遊んだり、いっしょに力を合わせたりして暮らしてきました。~ が、その生態には謎が多く、ワカバタウンのウツギ博士をはじめ、いろんな科学者がポケモンの研究を続けてきました。~ そんなある日、ウツギ博士はポケモンじいさんと呼ばれる知人から1通のメールをもらいます。~ ~ 「すごいものを発見したから見に来てくれ!」…というのですが、ウツギ博士は研究に追われる毎日。出かけることができません。~ そこで近所に住む仲良しの少年・ゴールド(主人公)を研究所に呼び、「どんなものなのか見てきてくれないか?」と頼みました。~ やさしくて好奇心の強いゴールドは、こころよく引き受けます。~ ~ するとウツギ博士は3匹のポケモンを見せ「好きなポケモンを1匹、パートナーとして連れていくといいよ」と言いました。~ ~ 初めてポケモンを手にしたゴールドは大喜びです。一方、そんな様子を窓の外からジッと見つめる人影が…。~ ゴールドと同じくらいの年の少年です。ゴールドが不審に思い、外に出て話しかけてみると「人のことジロジロ見てんなよ!」と、乱暴に突き飛ばされました。~ この少年はいったい何者なのでしょうか。そしてポケモンじいさんの大発見とは…。~ (金版の説明書より引用) ---- **特徴・新要素 根本的なゲームシステム自体は前作と同一である。 -『金』と『銀』は、シナリオは完全に同じだが「出現する野生ポケモンの種類とその出現率」が違うという点で前作を踏襲している。 --本作のみの特徴としては「パッケージに掲載された伝説のポケモンを、もう片方のバージョンに比べて育成しやすい状態で捕獲できる」という、以降の世代で採用されていない独特な仕様が存在する。 以下、前作から変更・追加された点を記す。~ なお以下の追加要素のほとんどは、少しずつ形を変えながらもほぼ後作に続投され続けている。初代の続編であると同時にシリーズの基礎をより固めた作品と言えるだろう。 ''カラー対応、グラフィック刷新'' -ゲームボーイカラーに正式に対応。戦闘やフィールドなど、すべての画面がカラー表示となった。 -前作では主人公や使用ポケモンの後ろ姿は小さいドットの引き延ばしだったが、本作では細かく描き込まれるようになった。 ''個性豊かな新ポケモン'' -新ポケモンが100匹追加され、全251種類になった。 --完全な新ポケモンはもちろん、前作登場ポケモンの進化形や進化前など、様々なポケモンが追加された。~ また、一部のポケモンには後述の専用アイテムが登場するなどのアクセントも加えられた。 --前作のポケモンはデザインのみならず、パラメータや進化方法などでも種族ごとの違いが特徴づけられていたが、本作ではそれ以外にも、見た目や性能などあらゆる面で強烈な個性を与えられたポケモンが多数登場する。 -以下では特に話題になったポケモンについて挙げる。 --アルファベット26文字の形をした「アンノーン」 ---野生で出現するたびにランダムでアルファベットを模した形で出現する。~ 捕まえたアンノーンの形態が記録される「アンノーン図鑑」なるものもあり、収集意欲を湧かせた。完成させると別売り周辺機器「ポケットプリンタ」で印刷できる。~ アンノーン図鑑への登録は捕まえた順にされ、後から変えることはできないのでアルファベット順にしたい場合は注意が必要。 --ほぼすべてのわざを覚えられる「ドーブル」 ---固有の新技「スケッチ」は、使うと直前に相手が使ったわざ(ごく一部を除く)を自分のわざとして覚えられる(代わりに使った枠の「スケッチ」は忘れる)という非常に特殊な仕様。戦闘中に一時的に相手ポケモンに変身するメタモンの「へんしん」とは異なり、事前にわざを覚えさせれば後のバトルで永続的に使用可能。 ---ステータスは低いが、ハメ技からの一撃必殺や独自のコンボなど、無限の可能性を秘め対戦環境に現れた個性的なポケモン。戦闘だけでなく「キノコのほうし」「みねうち」などを覚えさせた捕獲要員としても便利。 --伝説のポケモン「エンテイ」「ライコウ」「スイクン」 ---これら3匹はダンジョンの奥に潜んでいるのではなく、マップ上を常に走っている(出現場所が変化する)ため、まず出会うこと自体困難を極める。一度出会えば図鑑の機能で追えるが、戦いに臨んでもすぐに逃げてしまうのでそれへの対処が必須である。その分、捕獲したときの感動もひとしお。~ こうしたポケモンは「徘徊伝説」などと呼ばれるようになり、一部仕様は変わりつつもシリーズの伝統的存在になった。 --パッケージに映る伝説のポケモン「ホウオウ(金)」「ルギア(銀)」 ---イメージ画像に過ぎなかった前作と異なり、シリーズで初めて伝説のポケモンがパッケージを飾った。以後のシリーズで伝統となる。 ---ちなみに次回作以降は伝説のポケモンがシナリオに深く関わってくるが、今作では特にこれらの戦闘や捕獲をしなくてもシナリオは進められる。 ''色違いポケモン'' -各ポケモンに、通常とは色が異なる「色違い」の個体が出ることがあるという新要素。 --野生遭遇時、タマゴやイベントでの入手時など、自分で入手可能なポケモンにおいて1/8192という低確率で発生する(1000体遭遇して色違いに1体でも出逢える確率は11.5%程度)。 ---今作ではポケモンの個体値が特定の条件を満たしているかどうかで色違いが判定される。そのため一部ポケモンの♀には存在せず、姿が個体値で決まるアンノーンも特定の姿しか存在しない。次回作以降は個体値が判定に関係なくなった。 --色以外の仕様(能力やわざなど)は通常色の個体と一切変わらない。 --発売前から目玉要素として大々的に取り上げられたカラー化の恩恵の一つだが、戦闘での登場時に専用の輝くエフェクトが出るため非カラーの環境でも判別可能。 --特定のイベントでは、あるポケモンの色違いが確実に出現し、ゲットもできる。 ---ただし野生戦の頻度と確率からそれ以外の場面で出逢える可能性は極めて低く、エンディングまで一度も遭遇しないプレイヤーの方が多い。それでも、エンカウントするたびに「もしかしたら…?」と期待でき、ポケモンに遭遇する楽しみを増す要素である。 ''性別の導入'' -前作では1種(ニドラン)にしか存在していなかった性別の概念が、すべてのポケモンに導入された。 --「メロメロ」など性別で効果が異なるわざが登場したほか、後述する「タマゴ」に関わる。 --大半のポケモンでは性別比が♂:♀=50:50だが、一部「♂か♀の片方しか存在しない種族」「性別比が偏っている種族」「そもそも性別不明な種族」も設定されているなどバリエーション豊か。 --性別が違っても同じポケモンは同一種族(図鑑上は性別の区別はない)だが、唯一ニドランのみ前作同様、図鑑上で♂と♀が別種族として扱われる。((公式攻略本でオーキド博士へのインタビューという形で、研究する上で混乱を招く事を防ぐために、他のポケモンの♂♀の区別がつくようになったからといって、それまで別種扱いしてきた両者を統合する事はしないと語られている)) ---なお、図鑑完成のために両方の性別を捕まえる必要はない(上述のニドランを除く)。 ''「育て屋」の仕様変更とポケモンの「タマゴ」'' -育て屋へはポケモンを2匹預けられるようになり、そこへ「タマゴグループ」が同じ♂と♀のポケモンを預けると、のちに一定確率でポケモンのタマゴが発見される。 --タマゴグループは非表示のパラメータであるが、「陸に住むもの」「海に住むもの」「人のような姿」などある程度は察せられる。 --生まれてくるポケモンは原則「♀の進化前の状態」だが、メタモンと一緒に預けた場合に限り、♂や性別不明を含め対になったポケモンを確実に入手できる。 ---ただしメタモン同士を預けたり、アンノーンや伝説のポケモンを預けても絶対にタマゴが生まれないようになっている。 --通常では覚えられないわざである「タマゴ技」や個体値((ポケモンの生まれつきの能力値に影響する隠れパラメータの俗称。))の遺伝ができるようになっている。 ---後に言う「孵化厳選」の礎はここで築かれた。 ''なつき度'' -ポケモンがトレーナーにどの程度なついているかを示す、非表示のパラメータ。 --該当のポケモンを長期間連れ歩いたり、特定のどうぐを使ったりすると上昇するが、ひんし状態にしたり漢方薬を使ったりすると下降する。 --一部のわざの威力が変動するほか、この値の高さが進化の条件となるポケモンも追加された。 ''ポケルス'' -戦闘後に3/65536の確率でポケモンが感染する良性のウイルス。 --その効果は''感染したポケモンは戦闘での「きそポイント」((バトルによって手に入る、こうげきなどのステータスを上昇させる隠しパラメータ。プレイヤーの間では「努力値」という通称で呼ばれることが多い。))の獲得量が2倍になる''というもので、育成にはとても役に立つ。デメリットは一切無い。 --感染と表示されている間は一定確率で手持ち内の他のポケモンに伝染する。日が経つと消失し他のポケモンへの伝染は起こらなくなるが、一度かかった後は上記のポイント獲得量増加は永続する。 --ゲーム内では、感染したポケモンを初めてポケモンセンターで回復させた時に「問題はなさそうだが詳細は不明」と言われるのみの正体不明な存在であり、効果の説明は一切ない。 ---悪い病気かのように誤解される表現だったためか、情報が少なかった当初はプレイヤー間で様々な憶測を生み混乱を招いた。そのためか以降の作品では「くっついている間はポケモンが良く育つ」と、プラス効果であることが明言されるようになった。 ''時計機能'' -ゲームソフトに時計が内蔵され、ゲーム内の午前午後・朝昼夜・曜日の概念が実時間と連動する仕様になった。 --時間帯によって出現する野生ポケモンが変化するようになった。 ---たとえば鳥系のポケモンは、明るい時間帯ならポッポ、夜にはホーホーしか出てこないなど、生態系を窺わせる演出となりリアリティが増した。また「ずつき」をすることで揺れた木から落ちてきたポケモンが時間帯によっては最初から「ねむり」状態になっていることもある。 ---野生ポケモンとの戦闘BGMも昼と夜で微妙に異なる。 --時計機能を活かした多数の時間限定イベントも登場。 ---特定の曜日や時間帯しか開店しない店、特定の曜日に開催される「虫取り大会」、金曜日にだけ特定の地点に現れる野生のラプラス、曜日ごとに違う場所に現れる曜日兄弟など。 --時計の動作には内蔵電池を消費しており、セーブデータ保持用の電力と共有である(「問題点」で詳述)。 ''便利ツール「ポケギア」'' -ゲーム内で様々なことができるデジタルツール。 -最初は時計と電話機能くらいだが、ストーリーを進めるとマップやラジオ機能などを拡張できる。 --電話では、お母さんやウツギ博士などの主要キャラクターのみならず、戦ったトレーナーの番号なども登録できる。 ---トレーナーによってはポケモンの大量発生などお得な情報を教えてくれたり、再戦の連絡をしてくれたりする。 --ラジオは番組によってポケモンの出現場所を知れたり、流している間のエンカウント率を操作できるなどの効果を持つ。 ---地方や曜日によって流れる番組が異なるほか、状況によっては「番組ではない何か」を聴取でき、一部シナリオを進めるためにも必要となる。 ''対戦面の調整'' -おおむね前作の仕様を踏襲しつつ、''複数のタイプ追加''と''タイプ間相性の変更''が行われている。~ 前作での強タイプを弱体化させ、逆に不遇だったタイプの処遇を改善するための措置であり、タイプバランスが大きく変化した。 --これらの仕様変更は後のシリーズを通しても大変珍しく、14年後に発売される『[[X・Y>ポケットモンスター X・Y]]』まで今作の仕様が続いた。 -新タイプ「はがね」「あく」が追加された。 --「はがね」は「エスパー」「こおり」を含む数多くのタイプのわざを半減でき防御面に優れる一方で、前作で不遇とされた「ほのお」技を弱点とする。 ---複数の新ポケモンに付与されているほか、前作ではでんき単独タイプだったポケモン「コイル」「レアコイル」に今作から「はがね」タイプが追加されている。 --「あく」は前作で猛威を振るったエスパーに対して攻防両面で有利であり、なおかつ前作で不遇とされた「むし」「かくとう」技を弱点とする。 ---「あく」タイプが与えられたのは新ポケモンのみで、前作登場済ポケモンへの追加付与はなかった。 ---前作でノーマル技だった「かみつく」は今作からあく技に変更された。 -既存のタイプ相性も前作のものから一部変更された。 --「ゴースト ⇒ エスパー」が無効から効果抜群、と本来の仕様へ修正された((本来は前作でも仕様上「抜群」が想定されていたが、バグで逆に「無効」となってしまっていた。))。 --他にも「こおり ⇒ ほのお」が等倍から半減、「どく ⇒ むし」が抜群から等倍、「むし ⇒ どく」が抜群から半減、といった変更が行われた。 -わざに関しても増加・調整が大規模に行われた。 --前作でまともな攻撃技がなかったタイプに新技が追加された。 ---ゴースト技「シャドーボール」・どく技「ヘドロばくだん」・かくとう技「クロスチョップ」・ドラゴン技「りゅうのいぶき」など。~ しかし、この内「クロスチョップ」以外は覚えさせるのにゲーム中で1つしか手に入らないわざマシンが必要になる。((「ヘドロばくだん」はLv.50と高レベルながらベトベター系統は自力で覚えられる)) //タイプごとに得意不得意が特徴付けられた。 ---ポケモンの個体値に応じてタイプと威力が変化する特別な仕様のわざ「めざめるパワー」も今作で初登場した。苦手なタイプへの対抗手段として持つなど、うまく使えれば有効な攻撃手段となりうる。 --前作で猛威を振るった「はかいこうせん」「ふぶき」などの凶悪なわざが弱体化された。 --前作で通信対戦を含むトレーナー戦における効果が一切ないわざだった「ほえる」「ふきとばし」に、相手ポケモンを強制的に交代させる新たな効果が付与された。 --前述の「かみつく」同様に前作ではノーマルタイプのわざだった「かぜおこし」「からてチョップ」が、それぞれひこうタイプ、かくとうタイプに変更された。 ---前作で「かぜおこし」を初期段階で覚えていたポッポは、序盤でチコリータを選んだ際に不利にならないようにするためか、初期技が「たいあたり」に、「かぜおこし」はレベルアップで習得するように変更されている。 //--ポケモンの種族値に関して、前作では特殊技の与ダメージ・被ダメージ両方に影響していた「とくしゅ」が、与ダメージに関する「とくこう」と被ダメージに関する「とくぼう」に分割された。 //すぐ下と記述が被るためコメントアウト --また、前作でやはり凶悪な仕様だった「ねむり」「こおり」の状態異常に調整が入った。 //--どうぐを持たせられるようになったことで、「持たせると状態異常やHPを自動回復する」「低確率で先制攻撃できる」「タイプごとにわざの威力をあげる」などの効果により一発逆転できたり、意表がつけるようになって対戦の深みが増した。 //↑どうぐに関する記載の箇所へ移動 -わざを忘れさせてくれる「わすれオヤジ」が登場。 --前作で忘れる手段のない仕様が不評だった「ひでんわざ」を忘れさせてくれる。前作のポケモンを連れてきて忘れさせることも可能。 -パラメータ「とくしゅ」が「とくこう」と「とくぼう」に分離された。 --前作では「とくしゅ」のパラメータ1つが特殊タイプのわざの攻撃力と防御力の両方を決めていたが、今作では「とくこう」が特殊タイプのわざの攻撃力を、「とくぼう」が特殊タイプのわざの防御力を決めるように変更された。 ---「とくこう」「とくぼう」の傾向はポケモンごとに異なり((詳しく言うと、前作のポケモンに設定された「とくしゅ」のいわゆる「種族値」は今作では「とくこう」「とくぼう」のどちらか片方へと設定され、もう一方に新規の種族値が設定された。たとえばミュウツーは前作では「とくしゅ」の種族値が154(つまり「とくこう」も「とくぼう」も154)だったが、今作以降は「とくこう」が154、「とくぼう」が90に設定されて若干弱体化した。中にはキングラーのように、「とくこう」と「とくぼう」の値が同じで前作と変わらないポケモンもいる。))、「『とくしゅ』の高いポケモンは攻防一体で無条件に強い」という前作でのおおざっぱさが大幅に改善された。 ---なお前作との互換性を保つためか、前作で「とくしゅ」の基礎ポイントを上げる栄養ドリンク「リゾチウム」は、今作では「とくこう」「とくぼう」両方の基礎ポイントを増加させる。 ''どうぐ'' -''ポケモンに「もちもの」を1つ持たせられるようになった。'' --一部のどうぐは、持たせると戦闘中に効果が発揮される。 ---「きのみ」は複数の種類が存在し、持たせるとHPや状態異常を回復してくれる。 ---もらえる賞金が2倍になる「おまもりこばん」など、冒険を快適にしてくれるもちものもある。 ---前作では微妙な使い勝手だった「がくしゅうそうち」が持たせたポケモンにのみ経験値が入る仕様になり、ポケモンの育成が快適になった。 ---特定のどうぐを持たせて通信交換することで進化するポケモンもいる。またガラガラ系統の「ふといホネ」のように特定のポケモンに持たせることでしか効果を発揮しないどうぐも存在する。 --持たせて交換することで相手に文章を伝えられる「メール」など、遊びも楽しめるようになっている。 --「わざマシン」はラインナップが前作から大幅に刷新された。 //うまくいけば、前作と本作のわざマシン技を両方覚えさせられる。 -モンスターボールの種類が大幅に増えた。 --前作では実質4種類((サファリゾーン専用のサファリボールを入れれば5種類になる。))だったが、本作では各地で入手できる「ぼんぐり」をモンスターボールを作る職人「ガンテツ」に渡すと、個性的な効果を持つモンスターボール(通称「ガンテツボール」)を入手できるようになった。 ---また、マスターボールが正規の手段で複数個入手可能になった。もっとも、入手確率は極めて低いため、普通にプレイした場合は前作同様1個限定。 ''サブイベントやストーリーが多数追加'' -ジョウト地方を制覇すると、''前作の舞台・カントー地方へ行けるようになる。'' --前作から3年後という設定であり、前作登場ジムのジムリーダーたちと戦えるなどイベントも豊富。当時のゲームクリア後の要素としては比類なき充実ぶりで、後継作品と比べても遜色のないボリュームになっている。 -NPCのポケモンを一時的に預かるイベント((特定の条件を満たすとそのままずっと自分の手持ちにできる。))など。 //他にも細かなサブイベントが存在。 -カントー地方の某所には、前作に登場した意外な人物が裏ボスとして登場。 ''タイムカプセル'' -前作ソフトとの間でポケモンを交換できる新しい施設。ポケモンセンターに設置されており、シナリオをある程度進めると使えるようになる。 --前作未登場のポケモンや今作の新技を覚えたポケモンは前作へ送れないが、それ以外の制限は特にない。 ---「もちもの」のデータは、前作でのポケモン個体に付属する未使用領域に相当する場所へ保存されているため、今作で何か持たせたまま前作へ送っても保持され続け、今作に戻した際にも消滅していない。 ---逆に前作で捕まえたポケモンを今作に送った場合、今作では手に入りにくい貴重な道具を持っていることがある。 ---前述のとおり今作の色違いは個体値に依存するものであるため、色違いのデータも失われない。逆に「前作から送ったポケモンが色違いになった」という非常にレアな事態も(理論上は)起こり得る。 --前作で育てたポケモンを連れてくるだけでなく、前作限定のわざマシンを使ってから今作へ戻すなど、その用途は多彩。 ''UIの改善や便利要素の追加'' -一緒くたにされていたどうぐ欄が「リュック」として整理され、「どうぐ/ボール/わざマシン/たいせつなもの」と分類されかなり使いやすくなった。 --「どうぐ」に分類されるもの以外は全種類を持ち歩けるようになり、前作のように預けきれなくなるような事態は起こりにくい。 --アイテムの順番変更が、位置の交換ではなく、指定した箇所へ挿入される形に変更された。 -べんりボタンの搭載。 --じてんしゃやつりざおといった頻繁に使うたいせつなものを登録すると、セレクトボタンを1度押すだけで即使用できるようになった。 -ひでんわざを1ボタンで使えるようになった。 --前作ではポケモンのメニューから選択して使う必要があったが、今作ではメニューを開かずオブジェクトに向かってAボタンを押すだけで「○○をつかいますか?」などのメッセージが出るようになった。 -ポケモンのステータス画面も「状態・タイプ・経験値・レベル/ステータス/つかえるわざ」の3ページになった。 --「つかえるわざ」でポケモンの覚えているわざの性能を見られるようになった。 --次のレベルアップまでに必要な経験値がバーで表示されるようになり、ステータス画面だけでなくバトル中にも表示されるようになった。 -主人公のお母さんにお金を預けられるようになった。 --全滅時のデメリットを軽減できるようになったほか、たまに貯金を勝手に使って道具を定価より安く買ってきてくれる&s(){妙にリアルな}演出も。 --バトルで獲得した賞金の一部を自動的に貯金する設定も可能。 ''ふしぎなおくりもの'' -ゲームボーイカラーの赤外線ポートを利用して行う簡易の通信機能。 --双方なんらかのアイテムを手に入れられるほか、最後にふしぎなおくりものをした相手はトキワシティのトレーナーハウスで対戦相手として登場するため、擬似的な対人戦が手軽に楽しめるようになった。 ---ポケモンのもちものが反映されない%%ため、レアな道具を持たせて「どろぼう」で増やせない%%など、完全なコピーというわけではない。 --歩数計ゲーム『ポケットピカチュウカラー』との連動も可能。こちらは送信したワット数に応じて決められたアイテムが手に入る。 ---- **クリスタルバージョンでの追加・変更点 前作のマイナーチェンジだった『青』『ピカチュウ』とは異なり、様々な面に手が加えられている。 -ポケモン関連 --『金銀』で粗かった新種ポケモンやアイコンのグラフィック・色合いが修正され、現在のものにより近くなっている。 --ステータス画面や敵として登場した時など、ポケモンがアニメーションをするようになった。 ---動作が長めなのでテンポは良くないが、ポケモンの演出としての評価は高い。設定でOFFにもできる。 --一部野生ポケモンの出現分布や時間帯、出現確率が変更された。 ---『金銀』では最終盤にならないと出現しなかったニューラなど一部のポケモンは殿堂入り前にゲットすることが可能になっている。 ---『金銀』では一日中出現していたスリープやデリバードが夜のみの出現になるなど、出現時間帯もポケモンの設定に合った調整がされている。 ---『金銀』では大量発生イベント以外では見つけにくかったマリルとブルーの通常時の出現率が上がり、簡単に出会えるようになった。 --フスベシティのとある場所で質問に正しく答えれば、本来は覚えない「しんそく」を覚えたミニリュウをもらえる。 --パッケージを飾る伝説のポケモン・スイクンにまつわるイベントの追加。それを追う青年「ミナキ」も登場する。 --シリーズで初めて、伝説のポケモンに専用戦闘BGMが用意された。それまでは通常の野生ポケモンと変わらなかった。 --『金銀』と同様に、ホウオウとルギアはどちらも出現する。ただしレベルは60固定。 ---ホウオウがいるスズのとうに入る条件として「ライコウ・エンテイ・スイクンの3匹の捕獲」が追加された。1匹でも捕獲に失敗して倒してしまった場合は二度と入れなくなるため、かなり難しくなった。 --後の「トレーナーメモ」の先駆けとなる履歴機能が登場。捕まえたポケモンに出会った場所・時間帯・レベルが記録され、出会った時間帯・出会った場所で戦闘すると懐きやすくなる。 ---確認方法は、タンバシティにいる「おみとおしおばあさん」から聞く、『ポケスタ金銀』のステータス画面の二つ。『金銀』と交換しても履歴が消えることはないが、初代に送ると失われる。 --一部ポケモンのレベルアップで覚えるわざが追加・変更され、『クリスタル』でのみ覚えられるタマゴ技も追加された。 -システム関連 --シリーズで初めて、ゲーム開始時に女の子の主人公を選択可能になった。ただしストーリーが変化したり選ばなかった方が登場したりすることはない。 ---それに合わせて、ステータス画面の親の名前の横に性別が付くようになった。なお、女の子にしたデータで『ポケスタ金銀』に参加すると、しっかりと女の子になる。 --''わざおしえ'' ---ゲームコーナーのコインと引き換えに、おじさんからポケモンに「かえんほうしゃ」「れいとうビーム」「10まんボルト」を教えてもらえる。 --ガンテツのボール作製が改善。本作では同じぼんぐりを用意した数だけ、その種類のボールを作ってもらえるようになった。ただし、肝心の効果は修正されていない。 --ポケギアの電話機能が拡張。 ---汎用だった台詞はトレーナー固有のものに変更され、再戦の申し込みや大量発生以外のイベントが発生するようになった。 ---進化の石を始めとしたアイテムをくれたり、コガネ百貨店のセールなどイベントが発生したりする。中にはストーカーのような電話をしてくるトレーナーも。 --ラジオ番組「アオイのあいことば」の追加。 ---毎日発表される合言葉を答えるとポイントがもらえ、貴重なアイテムと交換できる。 --後述する『金銀』の問題点である「ゼニガメじょうろ」の入手法が多少変更された。 -地形関連 --アルフの遺跡のパズルの小部屋の奥に隠し部屋が追加。 --氷の抜け道のグラフィックが一新。さらに地形も変更され難易度がやや低下した。 --竜の穴にトレーナーが出現。さらに祠の中にも入れるようになった。 --焼けた塔のグラフィックが一新されて、焼け崩れた塔のようなものになった。 ---また、焼けた塔に行くのがストーリー進行上必須となったため、『金銀』では焼けた塔での対戦をスルーできたライバルとも必ず戦うことになる。 -モバイルシステムGB //余談扱いされていたが、当時の目玉機能なので上に --別売りの「モバイルアダプタGB」を使用し、携帯電話と接続することで''シリーズ初のオンラインサービス''が利用できた。 --通信ケーブルと同様に、直接通信による交換や対戦が可能。公式サーバーにアクセスしてデータのやりとりも可能であった。 --近年のシリーズにおける「GTS」のように、条件の合うポケモンを預けた人同士をマッチングして自動交換するシステムが初導入。 --育て屋さんから「タマゴけん」をもらえ、当時のベイビィポケモン7匹のうち1匹が生まれるタマゴをもらえた。このポケモンは特別なわざとして「ピヨピヨパンチ」を覚えている。 --NPCと戦う「バトルタワー」が登場。勝ち抜いたプレイヤーのデータによって登場トレーナーは毎日更新される。 ---Lv制限は10刻みで10種類、さらにLv70以降はいわゆる禁止伝説((本作においてはミュウツー・ミュウ・ルギア・ホウオウ・セレビィ。))が解禁されるなど、後の世代では見られない要素もあった。 ---操作こそCP任せだが、全国のトレーナーたちのデータがそのまま敵として登場する。時にはプレイヤー自身のデータが敵として現れることも。 --毎月更新されるニュースを購読できた。最新情報やプレイヤーランキング((「バトルタワーで勝った回数」「野生ポケモンと戦った回数」など。))、ミニゲームに加えて、ゲーム内で使えるアイテムやポケモンが手に入ることがあった。~ 期間限定だったが、''セレビィ入手イベントのキーアイテムである「ジーエスボール」もここで入手''できた。 --『ポケスタ金銀』向けのデータをダウンロードすると、公式大会のリプレイを観戦したり、挑戦ができた。 --初のオンライン大会である「モバイルカップ2001」が開催。「モバイル通信でスタッフ相手にバトルを繰り返し、最後まで勝ち抜いたプレイヤーがイベント会場で実際に会してトーナメントを行う」という一風変わった大会であった。 --以上のように''様々なコンテンツが利用できたが、発売からちょうど2年後の2002年12月14日でサービス終了''している。仲間同士での対戦・交換はサーバーを介さないためサービス終了後も使用できたが、現在では携帯電話の通信方式の変化によって利用できなくなっている可能性が高い。 --VC版ではモバイル通信機能は再現されていないが、モバイルによる目玉の一つであったセレビィ関係のイベントは通常プレイで出現するようになっている。 ---- **評価点 ''前作からの正統進化'' -ゲーム性やグラフィック、BGMやUIなどほぼすべての要素において前作の反省を活かし、発売延期を経て見事に練り上げた。 --ボリュームの増加、UIの改善、グラフィックの進化など、続編ものとしてお手本のような出来と言える。 ---20年前の作品ながら、携帯機のシリーズの中でも屈指のボリュームである。 --ストーリーや世界観も前作の牧歌的雰囲気を損なっておらず、前作から数年という時間経過を見事に活かした演出に成功している。 ---ジョウトジム制覇後に前作の舞台・カントー地方を訪れるシーンはセリフ・BGM・ゲーム開始時からの伏線がかみ合い、シリーズ屈指の名場面として挙げるファンも多い。 ''大幅に改善されたドット絵'' -戦闘中のポケモンのドット絵はすべて公式画および『ピカチュウ』版に準じた高品質なものに一新された。 --『赤・緑・青』版は絵柄やクオリティに統一感がなく中には奇抜なドット絵も見られたが、今作は『ピカチュウ』版と同様に杉森建氏が手がけた公式画に忠実な絵柄で描かれている。 -また、前作では粗かった戦闘中の主人公やポケモンの後ろ姿も今作では非常に細かく描き込まれ、前作とは比べものにならないほど綺麗になった。 ''カラー対応'' -グラフィックが進化してカラー表示に完全対応。新旧双方のポケモンに色がついた。 --いずれも配色センスは秀逸であり、当時のプレイヤーにハード、ソフト両面で格段に進化したと感じさせることに成功した。 --1キャラに使われている色数は4色、白(背景)と黒(輪郭)は共通のため残りわずか2色ながら、前作と異なり輪郭のはっきりしたアニメ塗りを採用することで色相の異なる2色を使うことができ、総じて非常に見やすい色合いになっている。 ---「キレイハナ」の色が公式画と異なる((金銀発売直後の2000年2月4日に発売されたポケモンカード★neoに収録された「キレイハナLv.36」(イラスト担当はにしだあつこ氏)の色も当時の公式イラストと異なるがゲームの色とは近いので、ゲーム制作中に色の変更が決められたものの、公式イラストへの反映が遅れた可能性がある。))など、一部ポケモンの色合いは不自然だが、それを考慮しても全体として出来は非常に良い。 -町や施設、マップ上のギミックなどにも色がついたことで、オブジェクトを判別しやすくなり、快適なプレイにもつながった。 -忘れがちだが『金銀』はスーパーゲームボーイにも対応しており((『クリスタル』はGBC専用のため、スーパーゲームボーイに対応していない。))、ポケモンの配色はゲームボーイカラーと同等。ほとんどが同色のグラデーションだった前作と比べ圧倒的にあざやかカラーである。 //''伝説のポケモンの捕獲環境'' //-パッケージに記載される伝説のポケモンを、一つのバージョンで両方ゲットできる。 //--そのため、前作同様図鑑完成を目指さない限りは両バージョン揃える意義は弱くなっている。 //--ただし、レベルが高い代わりに専用技を忘れてしまっており、本作だけでは再び覚えさせることもできない。こうした仕様があるのは本作のみ。 //↑野生や御三家、1択のポケモンを揃えるためには前作同様に通信は必須で、そればかりか前作こそ伝説のポケモンの捕獲にバージョン縛りはなかったため、低レベルの伝説を複数揃えたい人にとっては2バージョン揃える意義はむしろ増しています。 ''新システム「タマゴ」'' -「タマゴ」が導入されたことにより、入手法が限られるポケモンの多くが正規の手段で入手しやすくなった。 --たとえば前作で1周1匹しか入手できなかった御三家、イーブイ系、エビワラー・サワムラー、化石系などの量産がかなり容易になった。 ---前作でのこれらのコンプリートは他人から交換でもらう((しかし進化後しかもらえない場合は当然ながら進化前が図鑑に載らない、逆に交換に出したポケモンは返してもらうか初期化するまで二度と再入手できないなど、デメリットがつきまとう。))、2台持ちで片方のデータを初期化して周回プレイする、『[[ポケモンスタジアム2]]』でジムリーダーの城をクリアする、など煩雑な手順が必要だった。 //--もちろんジョウト御三家も例外ではない。 --1匹しかいないポケモンを交換に出すのは惜しいが、タマゴで増やせば気軽に交換できる。 --初代ではサファリゾーンにしかいなかったレアポケモンやNPCとの交換限定だったポケモンも通常の野生種として出現するようになり、タマゴも発見できるため入手・量産難易度が大幅に下がった。 ---野生での出現率や捕獲率も、前作に比べ概ね良心的な設定となっている。また、前作におけるNPCとの交換限定ポケモンは変更不能な既定のニックネーム((前作でNPCからしかもらえないポケモンは「バリバリ(バリヤード)」「おしょう(カモネギ)」など、独特なシュール感のあるネーミングだった。))が付けられていたが、今作ではそれらを自分でゲットして好きな名前を付けられるようになった。 //ルージュラは青版、ベロリンガは青・ピカ版で野生で出現する ''幅の広がった対戦要素'' -新ポケモン・新タイプ・新技に加えて、もちものの登場やパラメータへのテコ入れにより、対戦バランスは大きく変化した。 --前作で一強だったエスパータイプの強さに歯止めがかかった一方で、前作でほぼ使われなかった複数の「弱タイプ」のポケモンがかなり実用的になった。 --前作でゲームバランスに見放され使い物にならなかった補助技も、戦略次第ではかなり実用的になった。 ---たとえば、攻撃力を2段階上げるわざ「つるぎのまい」は、前作では使ってもそれで1ターンを無駄にしてしまうためむしろ倒されてしまう可能性が増し、それなら高い急所率や高火力のわざで叩いたほうが早いという、1対1での戦いの枠にはまりきった大味なバランスであった。~ しかし新ポケモンの「ハッサム」なら、新タイプのはがねの耐性を活かしてつるぎのまいを使った後に行動のチャンスがあり、新技の「バトンタッチ」を使えば後続のポケモンに攻撃力アップを引き継ぐことも可能…といった具合に戦略性が増した。 --「複数VS複数」の視点でバトルを考えることがようやく現実的になった。 --汎用性が高い前述の「めざめるパワー」や、雨を降らせて一部わざの性能を上げる「あまごい」などの天候変化技、ねむり状態で動けなくても攻撃できる「ねごと」「いびき」、上手く決めればお互いのステータスに関係なく相手を倒せる可能性のある「みちづれ」「ほろびのうた」など、前作のバランスに対する反省を活かし対戦の幅を広げるような新技が多く見られる。 --どうぐを持たせられるようになったことで、「持たせると状態異常やHPを自動回復する」「低確率で先制攻撃できる」「タイプごとにわざの威力を上げる」などの効果により一発逆転できたり、意表を突く戦い方のバリエーションも格段に増え、対戦の深みが増した。 ---状態異常を回復する「きのみ」は一見おまけ程度の存在だが、追加効果による事故を防いだり相手の行動を1回分無駄にしたりと大きな役割を持っていた。 ---約1割の確率で致死ダメージもHPを1残して耐えられる「きあいのハチマキ」は、2000年の公式大会決勝でドラマを生んだことで有名。 ''シナリオやキャラ周り'' -メインシナリオは前作よりも濃くなった。 --ロケット団の復活や前作から続く点などメインのシナリオの冒険感はより強くなっている。 -今回もキャラが立っている。ライバルは「ポケモン泥棒」というシリーズ中でも珍しい悪党だが、徐々にその本質が見えてくる。 --3年の時間経過で前作のキャラクターたちがジムリーダーや四天王に出世している、キャラクターデザインも前作のイメージを引継ぎつつも成長が表現されている、など前作プレイ者へのファンサービスも豊富。 --特に裏ボスに当たる「最強のポケモントレーナー」とのバトルは意表を突いた展開としてプレーヤーの間で大きな話題となり、今なお語り継がれることとなった。 ''BGM'' -すべて一新されており、初代同様耳に残る名曲が多い。 --しかも冒険の舞台がカントーに移ってからはきちんと戦闘・フィールド曲も前作のアレンジ曲に切り替わるという手が込んだつくりとなっている。 ---- **賛否両論点 -パッケージにもなっている伝説のポケモン「ホウオウ」「ルギア」はストーリーに一切関わらず蚊帳の外で少々寂しいとする声もある。ただし伝説のポケモンはこの程度の立ち位置がちょうどよいとする声もあり、意見は分かれている。 ---- **問題点 &COLOR(red){''セーブデータ保持用の内蔵電池の消耗が早い''} -早ければ約2年、持っても3年で切れてしまう。新品在庫ですら年数が経過すれば電池は切れており、そうなるとレポートを書いても本体の電源を切るとセーブデータが保持されなくなり、事実上ゲームの続行が不可能になる。 --ゲーム外の要因とはいえ商品として見れば大きな地雷的要素であり、特に発売後長くプレイし続けた人、発売後しばらく経ってから新品を購入してプレイした人にとっては本作の評価を致命的に下げうる要因となっている。 --前述の通り、セーブデータ保持と時計機能を1つの電池で共用しているのが原因。セーブデータ保持のみの通常のゲームと比べると電池消費が大幅に激しくなっている。 --そもそもバックアップ電池切れの問題は当時あまり認知されておらず、中古販売店では説明無しで売られているケースも少なくなかった。 ---『クリスタル』では、電池切れに関する注意書きが同梱された。 --かつては任天堂公式サポートで電池交換サービスを行っていたが、現在では『クリスタル』を含め終了している。よって現在交換するならユーザーの自己責任となるが、半ば強引に電池を外すことになり、適切な技術や工具が無いと基板や端子が壊れ再起不能となるおそれもある。 ---他に時計機能を搭載したゲームボーイソフトには『[[ロボットポンコッツ>ロボットポンコッツ SUNバージョン/STARバージョン/MOONバージョン]]』や『[[ゲームで発見!!たまごっち]]』といった例があるが、それらはユーザー側で簡単に電池交換が行える構造になっている。 ---また次回作の『[[ルビー・サファイア>ポケットモンスター ルビー・サファイア]]』においても内蔵電池による時計機能が存在するが、セーブが電池不要のFlashROMとなっており、問題を克服している。 ''今作における御三家の格差'' -前作でも同じ問題があったが、今作では最初にもらえるポケモンであるくさタイプの「チコリータ」が不遇となっている。 #region(具体的な説明) -習得できる攻撃技がくさ・ノーマルばかりで、タイプ相性で道中に有利を取れる相手が少ない。~ 前作では(バグに近い仕様により)超高確率で急所に当てることができた「はっぱカッター」も、今作ではその仕様が撤廃され単に火力の低い技となってしまっている。~ ステータスは耐久面に優れているが、有用な補助技である「ねむりごな」が習得不可、「やどりぎのタネ」もタマゴ技限定で覚えにくいなど、耐久を活かした戦いもしづらい。 -更に、旅の途中に何度も戦うことになるロケット団員、洞窟や海のポケモンにどくタイプ持ちが多く、ライバルに至ってはユンゲラー(フーディン)とニューラ((むしタイプの「れんぞくぎり」を覚えてはいるが、こちらのくさタイプのわざは等倍であり、こおりタイプの技は覚えてない))以外の全てに不利。 -ジョウト地方のジムリーダーの得意タイプはカントー組と重複しないように設定されているが、その弊害で殿堂入りまでに戦うジムリーダー・四天王・チャンピオンの計13人の中でタイプ有利を取れる''ポケモンが''数えるほどしかいない。~ 挙句、相性が普通なはずのゴーストジムでは主力のゴース系がくさタイプにとって不利などく複合だったり、エスパー使いのイツキやあく使いのカリンの手持ちにもくさタイプに有利な複合が多く、結果として相性で不利になる相手が半数以上を占める。 -必然的に多くの戦闘を他の手持ちポケモンに頼らなければならない状況が続き、プレイスタイルによっては前作のヒトカゲよりも厳しいとの声も。 #endregion ''捕獲難易度が非常に高い徘徊系'' -徘徊系ポケモンと呼ばれるライコウ・エンテイ・スイクンの捕獲が非常に難しい。 --遭遇すると1ターン目で必ず逃げるので、先制で「くろいまなざし」などを使わないと一度しかボールを投げるチャンスはない。~ 仮に逃げるのを封じたとしても、1/4の確率で「ほえる」を使い強制的に戦闘を終了してくる。 ---対策は味方の回避率を上げるか相手の命中率を下げるぐらいで、先手を取れなければ対策は難しい。 ---これらのポケモンは「発動したわざの効果を『戦闘から逃げる』に置換している」という特殊な仕様で動いている。~ そのため、3体の中でも発動自体を先手で行える「でんこうせっか」を覚えているライコウの場合は、''くろいまなざしを使う隙すら与えず先制で逃げる''ことがあり少々理不尽。 ---これらは再戦時もHPやPP、状態異常が保存される仕様だが、「ほえる」のPPは20もあるうえ、これを使い切る頃には他のわざのPPが0に近くなり、「わるあがき((すべてのわざが使えなくなると使える反動ダメージありのわざ。))」で自滅され捕獲不能になってしまう危険性も出てくる((こちらからの攻撃か自滅かを問わず一度戦闘不能にさせてしまうと二度と出現しなくなってしまう。))。 ---そして捕獲率自体も、確実に遭遇でき逃げもしない伝説のルギアやホウオウと同じで非常に低く、必然的に長期戦を強いられ相手に行動させてしまうことも多い。~ 捕獲率100%のマスターボールという最終手段はあるが、正規手段で確実に手に入るのは1個であり対策としての意義は限定的。 --一度遭遇すれば図鑑から現在地を参照できるが、こちらが移動すると相手も移動してしまう((徒歩で移動すると隣接する地域へ、「そらをとぶ」で移動するとランダムな場所に移動する。))。~ 狙って遭遇するには「マップを切り替える⇔図鑑を開き捕捉する⇒偶然合っていたら草むらへ」という地道な作業を、運が悪ければ延々と続ける必要がある。 ---厄介なことに「主人公が直前とその前にいた場所には移動しない」という仕様まであり、2箇所を往復するだけでは絶対に会えない。 --『クリスタル』ではスイクンのみシンボルエンカウントになり、「ほえる」もレベルで覚えなくなった=バトルで使われず強制終了されなくなったので、若干楽になってはいる。 --後のシリーズに登場する徘徊系ポケモンは救済措置が段階的に採られており、本作における過剰なまでの捕獲難易度は製作側も反省したようである。 ''ひでんわざの増加による問題'' -ひでんわざに「たきのぼり」((初代ではトサキント・アズマオウしか覚えられない通常のわざだった。本作でもこの2匹のみレベルアップでも習得可能だが、わすれオヤジ以外で忘れることができなくなった。))「うずしお」が追加され、合わせて7つに増えた。さらにひでんわざではなくクリアに必須ではないが、一部サブダンジョンの攻略に必要なわざとして「いわくだき」が追加。 --そのため、6匹しかいない手持ちが秘伝+いわくだき要員で前作にも増して圧迫されることに。 -水のひでんわざだけ3つもあるが、これをすべて覚えられるポケモンは意外にも限られており((なみのりを覚えられる66種のうち3つすべてを覚えるのは27種。御三家の一体であるワニノコも「なみのり」「うずしお」は覚えるが本作では「たきのぼり」は覚えられない。))、水上移動を1匹に任せるのも簡単ではない。 --「たきのぼり」は「なみのり」の劣化、「うずしお」は威力が低すぎる、と戦闘における有用性も低い。 ---「たきのぼり」のひでんマシンは、特にヒントもなくダンジョンの中にさりげなく置かれている。~ 場所自体は分かりやすいが、うっかり取り逃してしまうと後から探す時は苦労する。 -前作では「フラッシュ」がなくても壁や階段がわずかに見えるため突破も可能だったが、本作では出入口以外が完全に真っ黒になるため、使わずに突破するのがほぼ不可能になった。 ''ストーリー進行に関する問題'' -ストーリー進行上必要となる道具「ゼニガメじょうろ」の入手方法が分かりづらい。 --その入手法は、コガネジムのバッジをもらった後に、コガネシティのある民家にいる女性に話しかけるというものだが、それに気づかず何時間も探し回ったプレイヤーも多かった。 -ジョウト編終盤の「こおりのぬけみち」があまりにも複雑。 --チョウジタウンジムにもある「滑る氷の床」のギミックを用いたものだが、足場が用意されているジムと異なり岩にぶつかるまで止まれない。~ 区画が広大なのもあって現在地や進行方向が把握しづらく、「詰む」プレイヤーが続出した。 --あまりにも難易度が高いことから、クリスタルバージョンおよびリメイクでは難易度が下げられることとなった。 ''面倒甚だしいなつき進化'' -隠しパラメータのなつき度を上げることで進化するシステムだが、上昇率が低く進化条件を満たすまでが非常に長い。さらになつき度は一定以上に上がると上昇率が下がる仕様。 --上げる手段に乏しく、こつこつ連れ歩いたり、美容師兄弟や毛づくろいによって上げたりすることができるが、果てしない道のりである。 ---ポケモンリーグのクリアがレベルアップも兼ねられて手軽なため、育成における注目の新要素ながら、やることは結局前作と同じ…ということにも。 ''タマゴに関する問題'' -ポケモンを増やしたり、個体値を遺伝させる人には避けられない作業で、孵化でしか手に入らないポケモンも結構多く図鑑完成のためにも必要な行程だが、本作が初ということもあってやや調整不足、説明不足な点がある。ポケモンをおじいさんとおばあさんのそれぞれに話しかけて預ける必要があるのも少し手間。 --ゲームの序盤からフィーチャーされている要素だが、タマゴグループや生まれるポケモン、わざの遺伝など、規則性に関するヒントがあまりに少なく、普通にプレイしていると有効活用するのは難しい。 --またタマゴは生まれるまで中身が分からないこと、「タマゴを孵化させるとトゲピーが生まれる」というイベントが個別に用意されていることなどから、システムを理解しない状態だと積極的に孵化させる行動に至らず、無意味に手持ち枠を埋めてしまいやすい。 #region(調整不足な点の数々) -孵化歩数が非常に多い。 --数千~一万歩歩かないと孵化しない。意図して多くのタマゴを孵化させるとなるとかなりの手間になる。~ ユーザー側には一定段階でメッセージが変わる程度しか違いがわからず、ただの作業にしかなっていない。~ 後発の作品ではじてんしゃが早くなったり、一部の特性に孵化速度が二倍になる仕様が導入される((特性の登場は次作『ルビー・サファイア』からだが、この仕様の追加はマイナーチェンジ版の『エメラルド』から))など徐々に改善されていったが、大部分の解決には『BW2』まで尾を引いた。 -タマゴグループがノーヒント。 --同じタマゴグループの♂と♀だと別種でもタマゴは発見されるが、どのポケモンがどのグループに属しているかは作中ではほぼノーヒント。 --タマゴ技は条件に一致した♂のわざが♀の子に遺伝するというシステムだが、それ以前の時点で躓いてしまうことになる。 -タマゴ技の仕様が不便すぎる。 --こちらも作中や初期の攻略本ではノーヒント。試行錯誤ではどうにもならないパターンの多さが各系統ごとに設定されている。 --タマゴ技の中には、特定のポケモンがタマゴ技で覚えたものを使ったり、ドーブルに覚えさせたものを使わないと覚えない例も存在する。特に前者は♂のポケモンが生まれないといけないため、出るまで粘る必要がある。 --ポケモンによっては対戦ではほぼ必須となるわざもあるため、野生のポケモンを捕まえてそれをそのまま育成して戦わせるということができなくなったのも非常に難点。 -タマゴの発見しやすさについて。 --1.「持ち主が異なり性別が♂と♀の同種」~ 2.「持ち主が異なり性別が♂と♀の同タマゴグループ」「持ち主が同じで性別が♂と♀の同種」~ 3.「持ち主が同じで性別が♂と♀の同タマゴグループ」~ 4.「タマゴみはっけんグループ(伝説系・ベイビィポケモンなど)」、その他。~ の四段階あり、上から順に発見しやすさが高く、三段階目だと一個発見されるだけでもそれなりに時間がかかる。なお、四段階目は絶対に発見されない。~ 特に問題なのは持ち主が同じポケモン同士だと一段階下がる仕様。上記のタマゴグループやタマゴ技の仕様と合わせて、試行錯誤すらままならない要因になっている。 --育て屋に特定の個体値が一致する個体同士を預けると「げんき いっぱいだ!」というメッセージが表示されるようになり、この場合は絶対にタマゴが見つかることがない。遺伝の関係上、親子同士を預けると必ずこのメッセージになる。イメージとしては近親交配を避けるための処理か。なお無関係な個体同士でも1/128で一致しうる。この仕様も次回作以降は改善されている。 -タマゴの受け取りについて --育て屋の建物内に入り、ポケモンがいる柵内側に出てから育て屋のおじいさんに話しかけて入手と、一手間かかる。前述のタマゴの見つかりやすさを示すポケモン同士の相性も、このスペースに出てからポケモンに話しかけなければ分からず、これを調べることなく親子同士やニドリーナ、ニドクインのような事前情報なしではタマゴが発見されないイメージが沸きづらいポケモンのタマゴを手に入れようとすると意味もなく走り続ける事になる。これらの仕様も次作以降は改善されている。 #endregion ''バッジが足りないと、レベルの高すぎる「親が自分以外のポケモン」が言うことを聞かなくなる'' -これ自体はポケモン本編シリーズの伝統のようなものであり、レベルの高いポケモンを通信交換で連れてきて楽してゲームを進めるのをある程度抑える役割があるので本来は問題点とは言えない。~ しかし、この仕様は''キキョウシティでマダツボミとの交換で手に入れられるイワーク(ブルブル)にも適用されてしまう''。 --バッジを一つも持っていない状態で親が自分以外のポケモンが言うことを聞くレベルの上限は10であり、インセクトバッジの入手で上限が30まで上がる。~ しかし、バッジ所持者のツクシのポケモンの最高レベルが16なので、普通にイワーク(ブルブル)を育てれば言うことを聞くレベルを超えてしまう。 ''カントー地方の問題点'' -突入後しばらくはジョウト地方に戻れない。 --いくらかイベントをこなしてリニアを開通させるまで、ジョウト地方に戻るには「そらをとぶでセキエイ高原に行き、そこからさらに歩いて戻る」か~ 「特定の曜日にしか出航しないアクア号に乗る」のどちらかしかなく、戻りたい時にパパッと戻れないのは面倒((殿堂入り前限定だが、ワカバタウンまでテレポートさせてくれるNPCがセキエイ高原にいる。))。 -容量の都合からか一部マップが変更されており、サファリゾーンが閉鎖、グレンじまが荒廃しているなどオミットされた名所もある。 -クリア後に行ける場所にしては野生ポケモンのレベルが低めに設定されている所が多い。 --1番道路でLv2~6のポケモンが出現する、といったように初代と大体同じレベル。~ 釣りを除くと高くても30前後と即戦力となるポケモンが一切出現しないので、捕まえてもまずはボックス行き、となりがち。 --この点はリメイクの『HGSS』でも改善されていないが、同様の場所がある『BW2』では改善されている((クリア後に行ける場所に前作の『BW』で序盤に行けた場所が含まれるが、そのような場所でも野生ポケモンのレベルは高めに設定されている。))。 ''使い道に乏しいガンテツボール'' -特殊な性能のガンテツボールだが、使い勝手に難がある。 --まず入手にはガンテツに「ぼんぐり」を渡して''1日待たなければならない''。無料とはいえ入手の手間と消耗品であることを踏まえると1日1個は明らかに釣り合っていない。 --そうして手に入れたところで効果が微妙だったり、バグや設定ミスにより正常に機能していないものも多く、一部以外はまるで実用性がない。 #region(ガンテツボールの詳細) -ムーンボール --「つきのいしで進化するポケモンに有効」という効果のはずが、設定ミスにより「やけどなおしで進化するポケモンに有効」となってしまっている。~ もちろんそのようなポケモンはいないため、効果が一切機能しておらず、モンスターボールと全く同じ性能となってしまっている。~ もっとも、効果が有効でも対象は4種((ニドリーノ、ニドリーナ、ピッピ、プリン。更に、この中で殿堂入り前にジョウト地方で遭遇できるのはクリスタル版でのプリンのみである上に、出現タイミングからムーンボールの素材であるきぼんぐり入手前に捕まえている可能性が高い。))しかいないが。 -ラブラブボール --「''異性の''ポケモンに有効」とあるが、実際は「自分のポケモンと''同種かつ同性''のポケモン」が捕まえやすくなっており、設定ミスで内容が真逆になっている。設定ミスがなかったとしても、同種のポケモンを用意する必要があるため実用性はいまひとつ。同種でなければいけない事は各種攻略本だけでなく、リメイクされたHGSSのゲーム内でも言及されていない。 --性別不明のポケモンに対してはモンスターボールと同等である効果は想定通りに動作している。 -スピードボール --「逃げやすいポケモンに有効」なはずだが、設定ミスにより「低確率で逃げるポケモン」であるコイル・ベトベター・モンジャラの3匹にしか効果がない。~ 結果として''ライコウ・エンテイ・スイクンに対しては無力''であり、モンスターボールを投げているのと変わらない。~ このせいでライコウ・エンテイ・スイクンを捕まえられず、涙を飲んだプレイヤーも多いだろう。 -フレンドボール --捕まえたポケモンのなつき度が非常に高い状態になるボール。なつき度が進化条件になっているポケモンに特に有効なのだが、該当する野生ポケモンがズバット・ゴルバットとラッキーしかいない。 -ヘビーボール --他と違い加算方式で捕獲補正を上げるボールで、重いポケモン(204.8kg以上)に有効だが、その対象はごく限られ、さらにハイパーボール以上の効果を発揮するのはカビゴンとルギアのみ。~ これら2体に対してはかなり有効だが、体重が一定以下だと逆に捕獲率が下がるデメリットも相まって、その他多くのポケモンにはモンスターボールよりも低い性能になる。 -ルアーボール --釣りで出現したポケモンが捕まえやすくなるボール。釣りでしか出現しないポケモンは結構いるため、レベルボールに次いで出番がある。 -レベルボール --「相手のレベルが自分のポケモンよりも低いほど捕まえやすい」という汎用的な効果。レベル100のポケモンが手持ちにいれば、常にハイパーボール以上の高い性能を発揮する。 --最終的に作製するのはこれだけになりがちであり、半ば個性を活かせていない様態となってしまっている。 #endregion ''まだまだ粗めな対戦バランス'' -全体的にとくこう低め・とくぼう高めの調整、ぼうぎょ・とくぼうに努力値を限界まで振れること、すばやさの値の役割変化による火力低下、ねむる→ねごとコンボ、ひかりのこな+かげぶんしんコンボなど、耐久型が有利になるような調整が多かった。特に耐久寄りのステータスに加え、回復技や壁貼りで並大抵の攻撃が通らなくなったスイクンやブラッキーなどは相当厄介だった。~ その一方で、専用アイテムで圧倒的な火力を発揮するガラガラや、場に出た瞬間に永続的なこんらん状態になる代わりにこうげきが2段階上がる「はかいのいでんし」((『ポケスタ金銀』ではこんらんが永続ではなくなり、まさに壊れ性能だった。))など、攻撃面でのバランスもまだまだ煮詰まっていなかった。 --耐久型の対策自体はある程度選択肢もある((一撃必殺技、前作より強化されただいばくはつ(カビゴンのみじばく)、はらだいこ、あくむ、くろいまなざし→ほろびのうた、ほえるやふきとばし、前述のガラガラ、くろいきりなど))ため比較的容易にできたものの、忘れてしまえば''数十ターンを余裕で超える泥仕合''になることも少なくなかった。 -多くのタイプの性能が大幅に改善された一方で、新タイプを筆頭に対戦での扱いが悪いタイプもちらほら散見された。 --新タイプのあくはこうげきが高いポケモンが多いが、あく技はとくこうでダメージを計算するため、全体的に威力不足気味。例外はヘルガーくらい。 ---その割に攻撃技は肉弾戦のわざしかない。「RS」でもそれは変わらず、仕様が変更された「DP」で既存の攻撃技は全て物理技に変更されている。 --前作で不遇だったむしタイプに追加された攻撃技が、使い勝手の悪いれんぞくぎりとヘラクロスの専用技メガホーンだけ((個体値に左右されるが、めざめるパワーも該当する。))。~ そのため、ヘラクロス以外の攻撃面は総じて微妙で、他に使えるのはわざや耐久面で特徴的なハッサム・フォレトス・ツボツボくらいと、おざなりな調整になっている。 ---そのヘラクロスもかくとうタイプを複合しているため、対エスパー戦では不利。あくタイプに対してもヤミカラスやヘルガーといったむしタイプに有利な属性を複合している者も多いため、前作に引き続き役割を持たせることが難しかった。 --それでも、当時の対戦環境には根強い愛好者が存在することから分かるように、前作に比べれば一定のバランスは確保されてはいると言える。詳細は余談の項目を参照。 ''新ポケモンの活躍がやや地味'' -100匹ものポケモンが追加されたが、扱いは全体的に地味だった。 --最初の道路には新ポケモンのオタチとホーホーが出現するが、同じ場所に似た性能を持つ前作のコラッタとポッポも出現する。その先で出現する虫ポケモンもまた然り。 --その一方で、カントー地方やラストダンジョンなどクリア後の最終盤にしか出現しない新種もいる。シナリオクリアに使えないため存在感が希薄((ちなみに後のシリーズでも金銀クリスタル組は地味な扱いを受けやすく、オドシシに至っては登場することはあってもクリア前の図鑑に出てきたことがソード・シールドまで一度もないという不遇を受けている。))。 -大量発生時に限って出現率が上がる一部のポケモン(マリル・ブルー・ヤンヤンマ)の平常時の出現率が''1%''と低すぎて遭遇しにくい。 --しかも、大量発生を確かめる手段が「ポケギアで特定のトレーナーを登録し、連絡を待つ」しかなく、条件を満たさないと気づきにくいのも難点。 -様々なタイプのポケモンが追加されたが、ドラゴンタイプはキングドラ、ゴーストタイプはムウマの各1種類のみ。~ 目玉のあくタイプもシナリオクリア前に入手可能なのは野生出現のない「ブラッキー」のみで、ほかはカントー地方でしか入手できない。 -ジムリーダー8人のうち新種のポケモンを使うのは半分の4人。 --その4人も切り札以外は前作のポケモンを使うので、扱いは十分とは言い難い。 --ゴーストタイプ使いのジムもあるのにムウマはそこに一切登場しない(裏ダンジョンのシロガネやまに生息するのみ)などかなり残念な扱い。 --四天王の一人、あくタイプ使いのカリンに関しても、ブラッキー・ヤミカラス・ヘルガー以外は「ワルっぽい」だけのあくタイプではないポケモンを使ってくる。 --ドラゴン使いのワタルも強さ的には前作よりバリエーション豊かになった分マシとはいえ、やはり「それっぽい」ドラゴンタイプでないポケモンを3体出してくる。しかも全員ひこうタイプである為、事実上最初のジムリーダーとタイプが被る。 ---ちなみにキングドラは出してこない。あるジムリーダーの切り札なので仕方ない面もあるが。 -前作ファンには馴染みやすく、またゲーム全般にわたって新旧ポケモンが混在していることから「今作の舞台が前作のカントー地方から地続きである」という雰囲気作りには一役買っている、と言えなくもない。 ''前作『赤 緑 青 ピカチュウ』がないと不可能・困難な要素'' -ポケモン図鑑を完成させるためには『金・銀』両方に加えて、前作のいずれか1つが必須。 --本作単体ではカントー御三家・化石((プテラはNPCとの交換で手に入るものの、出現率の低いラッキーを要求される。))・伝説の三鳥・ミュウツーらを入手不可能なため、図鑑完成も不可能になる。~ もっとも、前作の時点でも通信交換なしではコンプリート不可能だったうえ、どちらも図鑑を完成させてもとある場所で表彰されるだけで、「マニア向けのやりこみ要素」というレベルではある。 -本作では進化の石の入手手段が少なく、石で進化するポケモンをシナリオで使うのが困難になっている。 --特に入手が困難なのはほのお・みず・リーフ・かみなりの4種。ふしぎなおくりもの(低確率)かクリア後のイベント(確実に入手できるが個数限定)に入手が限られている。 ---前作ではこれら4種は普通に販売されている((前作では販売しているデパートで「進化の石のセール」と言っていたので、あくまであの時限定という設定だったらしい。))ため、タイムカプセルを使えば石進化ポケモンの「入手」は容易なのだが…。 ---この点は『クリスタル』では多少改善された。 ---追加されたポケモンの中で、4種の石で進化するポケモンは存在しないため、前作を使えば図鑑完成には支障がないのが幸いか。 --つきのいしは終盤のダンジョンで確実に入手できる(時間をかければ何度も可能)ほか、クリア後にも入手機会はある。また、たいようのいしは虫取り大会1位の景品。面倒だが、他の4種類に比べれば量産できるだけマシと言える。 --「でんきだま」「まがったスプーン」など、前作を使わないと入手できないアイテムも存在する。 ---「でんきだま」「まがったスプーン」はそれぞれ『ピカチュウ』版で最初にもらうピカチュウ、野生のユンゲラーだけが持っている。前者はピカチュウのとくこうを2倍と現在と変わらず限定的な効果。後者はエスパータイプの技のダメージを1.1倍するものだが、他タイプに対応した同種のアイテムが今作だけで入手できるのに対し、これ以外の入手手段が存在しない。 ---特に「きのはこ」「きりのはこ」は『ポケスタ2』で入手できるポケモンしか持っていない。しかし、使用する(開ける)事で手に入るのはもようがえグッズである上に、中身が「ぎんのトロフィー」「きんのトロフィー」であることからもわかるように、そもそも同作をクリアしたことへの褒章である。~ 以後の作品でも同様のアイテムをバトル施設の連勝記録達成で貰えるが、他作品で達成した事で手に入るのは珍しい。 --命中率・威力共に安定している「10まんボルト」「れいとうビーム」のわざマシンが削除されたため、それらのわざを覚えさせるためには前作に通信交換で送る必要がある。当然新ポケモンには覚えさせられない((メリープのみ、「10まんボルト」がタマゴわざで覚えられる設定のため『金・銀』でも覚えさせることはできる。))。 ---『クリスタル』では多少改善されたが、取得のためには強運または多額の金銭が必要となるのが難点。 ''「タイムカプセル」の問題点'' -前作と通信するタイムカプセルを利用する際、『金銀』からの新ポケモン、または新技を覚えたポケモンが手持ちにいると入場を断られる。 --前作に無いデータを弾くこと自体は当然の処理なのだが、問題は''「新しいわざ」であるか否かをゲーム内で直接確認する手段が無い''こと。ポケモンについては図鑑番号で確認できるのだが…。 ---具体的にどのわざが原因で引っかかったのかは教えてくれるが一度に1つのみである。~ 手持ちポケモンたちが新しいわざを複数覚えている場合、「指摘させたわざを忘れさせる→話しかける」を何度も繰り返す必要がある。 ---前作をやりこんでいてわざの種類を暗記しているようなプレイヤーなら気にならないが、前作未経験者の場合は判別しようがなく非常に手間取る可能性がある。 --一番問題なのが前述のレアになってしまった「ほのお・みず・リーフ・かみなり」のいずれかの進化の石で進化するポケモンたち。~ 進化の石で進化するポケモンは基本仕様として「進化後はレベルアップでわざを覚えなくなる」というものがあるため、今作で新技を覚えるようになった石進化ポケモンは「今作では石がレアになったので進化させにくい」、「だが新技を覚えてしまうと石が店売りの旧作に戻せない」、「旧作で進化させてしまうと新技を覚えられない(忘れさせたわざを思い出させることもできない)」ということになり、確実に入手できる個数限定品を使った後は進化と新技のどちらかを諦めるか、ふしぎなおくりものの低確率入手にかけるかのいずれしかない。 --この為か「ダイヤモンド・パール」以降は「一度前の世代から送ったが最後、もう戻せなくなる」という措置が取られた。 ''「ふしぎなおくりもの」の問題点'' -受け取ったものがどうぐである場合、ゲームを起動してポケモンセンターにいる配達員から受け取るまで次の通信ができなくなる。 --1日5回までの制限があるので、せめて5個分まではストックしてくれても良かったのではないか。 --なお『ポケスタ金銀』でも研究所でどうぐを受け取る機能があるのだが、その機能を利用できるのは「ポケモンセンターでレポートしている場合」のみなので結局受け取る手間は変わっていない。 ---先行した類似システムである『[[ポケモンカードGB]]』の「カードポン」と比べると特に不便さが目立つ。 --全ての状態異常を治す「きせきのみ((現行シリーズにおける「ラムのみ」相当。))」、急所に当たる確率を上げる「ピントレンズ」といった、対戦で重要なポケモンのもちものの入手手段がこれに限定されている。 ---『ポケットピカチュウカラー』があれば、「きせきのみ」は確実に入手可能。「ピントレンズ」は運に頼るしかない。 --入手アイテムには4段階の希少価値が設定されているが、出現確率は最も出やすいものに極端に偏っている。 --部屋に飾る家具のほとんどはこの方法でしか手に入らない。家具は通信交換もできないのでコンプリートが非常に困難である。 ---ただし、これらは鑑賞以外に用途の無い純粋なコレクターアイテムである。 --''プレイヤーのIDによって相手に送られるアイテムが決まる''という非公開の仕様がある。そのため、同じ相手とだけ通信しても絶対に出ないアイテムが存在する。 ''ライバルについて'' -本作のライバルは、他のシリーズ作品の幼なじみやお隣さんなど主人公と関係のある人物ではなく、たまたまワカバタウンで出会っただけの他人。 --おまけにウツギ研究所やタンバシティのコレクターからポケモンを強奪し、主人公と遭遇した際は主人公や他のトレーナーを「弱い」とこき下ろし、主人公との対戦に負けたら手持ちのポケモンに責任転嫁する((もっとも、前作のライバルも「油断した~」「手加減した~」と言い訳することは多かった。))など、ライバルというよりほぼ悪役であり、プレイヤーの心証をどちらかと言えば悪くする。 ---ただし「負けた時の手持ちを見捨てて次の対戦時には全く別のポケモンを使う」といった冷酷な展開は一切無く((コロコロコミックで連載されていた漫画では存在し、ライバルが盗んで所持していたベイリーフはこれによって主人公の手持ちに加わる。))、一度手持ちに入れたポケモンは一体も欠かさずに最終段階まで進化させている。~ 手持ちの中にはなつき状態や通信交換など進化に一手間かかるポケモンもいることから「ツンデレ」と呼ばれることも。 --ロケット団をひどく嫌っている描写があるもののその背景などは一切明かされず、何戦か交えた後に改心する様子は見られるが、ポケモンを盗んだことについては特に反省の弁もないなど、描写不足も目立つ。人によっては感情移入がしづらいライバルとなってしまっている。 ---リメイクでは、ロケット団ボスのサカキの息子であることが明かされたり、ポケモンを盗んだことを博士に謝るなど、この点に関しては改善されていると言える。 ''レベリング手段に乏しい'' -殿堂入り後は手持ちのレベルが40以上のトレーナーがほとんど登場しないため、パーティーのレベルが上がりにくい。 --四天王、チャンピオンの面目を保つためか、アンズ以外のカントー地方のジムリーダーが四天王と同等で、総合レベルがチャンピオン以上なのは裏ボスとグリーンのみ。 --そのため、バッジをすべて集めてもまだ覚えていないレベル技があることもザラ。 --ジムをすべて制覇した後は、裏ボスを倒そうと思うとポケモンリーグ(とトレーナーハウス)を巡る作業ゲーと化す。 問題点の一部はリメイク版で改善されることとなった。 ---- **総評 1作目の問題点を上手く調整し、さらに様々な追加要素を加えた本作。~ それらのほとんどは後作でも引き継がれ、改良されており、シリーズのシステムを大きく進歩させた作品。~ またポケモンの世代刷新の際はこの作品に倣い、基本的なシナリオ展開や対戦システムはそのままに、新ポケモンの追加やバランスの調整をメインに行っており、シリーズの方向性を決定づけたと言ってもよい。~ さらに前作との互換性もあって、製作側の意気込みが強く感じられる。長らく発売延期をした作品だが、それに見合った内容と言える。~ 本作はシリーズものの続編として、一つのお手本と言えるだろう。 ---- **余談 ''永きに渡る発売延期の顛末'' -当初は1997年末頃に発売予定とされていたが、開発が難航して発売が遅れ続けたことでも有名。 --『赤・緑』発売直後の1996年春から製作は始められており、当初は『ポケットモンスター2』として発表された。 ---発表以降、キャラクターデザインや画面写真も相次いで公開され、1997年夏の任天堂スペースワールドでは来場者が実際にプレイ可能な体験版が展示されるなど、一見すると開発は順調であるかのように思われた。 ---当時公開された画像や体験版では、製品版と比べ地形などのデザインが大幅に異なっている(自転車の代わりにスケボーで移動など)。体験版に登場したポケモンもデザインや名前が変更されていたり、中には製品版からは跡形も無く消えてしまった例も存在する。 --しかし、その後は長らく続報が途絶えていた。1998年には『ピカチュウ』バージョンや、『[[ポケモンスタジアム]]』などのスピンオフ作が発売されたものの、肝心の本作は、発売年の1999年に入るまで具体的な情報がほとんど公開されない状態が続いた。 --1997年4月1日に放送されたアニメ第1話には金版のパッケージ伝説であるホウオウが、1999年公開の劇場版2作目には銀版パッケージのルギアが登場した。ルギアは元は映画のために作られたポケモンであり、開発が遅れたことによりホウオウと対になるポケモンとしてパッケージを飾れたようである([[参考リンク>http://www.style.fm/as/05_column/shudo210.shtml]])。 ---本作においては結果的にそうなった形であるが、以降の作品においてはアニメや映画などのメディアミックスにより、発売前の新作に登場するポケモンを華々しくデビューさせるのが定番となった。 ''熱心な対戦環境の研究'' -本作の対戦環境は前作に比べてかなり洗練され、システムはその後の作品にかなり近くなっているため、現在でもコアなファンによって研究が続けられている。 --第三世代以降と違い、努力値の総量に上限が無いために全ての能力値に振れる。アタッカーであっても高いHP・ぼうぎょ・とくぼうを持つために、全体的に耐久が高めになっている。~ そのため相手の攻撃をいなし続けるという「役割理論」が生まれて極端な耐久思考になったり、そこから相手をいかにして崩すかを考えてのパーティ構築にシフトするなど、本作ならではの味がある。 --禁止伝説を除けばカビゴンが頭一つ抜けた強さだが、そのカビゴンには「すばやさがとても低い」という大きな欠点があるので対処手段の幅が広い。 --極めれば「どのパーティにも確実に勝てるパーティは存在しない」「貧弱なポケモンでも立ち回り次第で格上のポケモンに有利を取れる」といった点から、「歴代最高の対戦バランス」と評価するプレイヤーも存在する。 --役割理論を壊しかねないとして「一撃必殺技」「カビゴンの"はらだいこ"」など、一部のわざに否定的な風潮がかつて存在した。現在では風潮自体は廃れたものの、一撃必殺技に関しては未だにローカルルールで禁止されることが多い。もちろん当時行われた公式大会のレギュレーションでは問題なく使用可能だった(実際に決勝進出者でも使用実績がある)ため賛否はある。 ''不具合など'' -内蔵電池の問題点で挙げた通り、現在市場に流通しているソフトの中でレポート可能なものは中古新品問わずほぼないと思われる。 --現在は後述するニンテンドー3DSのVC版で電池切れの心配なしに遊べるものの、どうしてもソフトを使って本作をプレイしたい場合は、セーブなしでプレイするか、自力で電池を交換してみるのも手。 --使用されている電池はCR2025。100円ショップなどで簡単に手に入るが、基本的なハンダの技術や専用ドライバー(ものにもよるがドライバー以外の物でも可)を要する。~ 電池には直接ハンダせず、接点をテープなどで止める程度にしておいたほうが無難。 -前作ほどではないが、今作にもバグが存在する。致命的なものを除き基本的にバグが修正されないVC版でも実行可能。 --虫取り大会である手順を踏むと預けたポケモンを増殖させたり、通常では覚えられないわざを覚えたポケモンがゲットできるバグが存在する。~ これを応用すると色違いのポケモンやなみのりを覚えたピカチュウなども手軽に入手可能。 --厳密にはバグではなくセーブデータの書き込み処理の問題だが、ボックス内のポケモンを移動する際のセーブ中に特定のタイミングで電源を切ると、移動前と移動先両方に同じポケモンが存在し、無限にポケモンやアイテムを増殖できてしまう。こちらはクリスタル版で修正された……かと思いきや、タイミングがシビアになっただけで可能なままである。 ''幻のポケモン「セレビィ」'' -前作のミュウ同様に、本作にも''セレビィ''という幻のポケモンが存在。 --ゲーム単体で入手する方法は存在しないものの、出現方法についての噂はインターネットや口コミなど様々な形で全国に伝わっていった。 ---特に有名なのは「ホウオウに金の葉っぱ、ルギアに銀の葉っぱを持たせて育て屋に預けると、ある場所でセレビィが出現する」という噂か。この噂は公式攻略本のスタッフインタビューでも話題にされている。 --前作のミュウ同様にイベント会場でプレゼントされたほか、『クリスタル』においてシリーズ初のオンライン配布が行われた。 ''アカネのミルタンク'' -3番目のジムリーダー・ノーマルタイプ使いの''アカネのミルタンク''の強さは今でも語り草となっている。 --Lvは20と高めで、ステータスも未進化ポケモンゆえに全体的に高い。わざも外れるまで威力を上げながら連続攻撃をする「ころがる」やHPを半分ほど回復する「ミルクのみ」、性別が逆のポケモン(ミルタンクはメス固定なのでオス)をたまに行動不能にする「メロメロ」など強力なものが揃っており、壁ボスとして多くのプレイヤーを恐怖させた。 --御三家のみに経験値を振ってレベル差((具体的にはLv26〜27程度。))を付けずに、多くのポケモンにバランスよく経験値を振ったパーティの場合、力押しでは相当手ごわい相手だが、命中率低下技か回避率上昇技を使ったり状態異常技をかけたりすればそれほど怖くない。 ---近くでNPCとの交換で入手できる「きんにく」と名付けられたワンリキーはメスでメロメロ無効・かくとうタイプでミルタンクの弱点を突けるので、それを使う方法もあるが、入手時点でのレベルが低いためレベルを上げておく必要がある。 --リメイク版ではレベルが上昇傾向にある切り札級のポケモンの中で唯一レベルが下がっている。VC配信発表時のダイレクトや公式Twitterでも本作のこのシーンが公開されるなど、製作側もミルタンクの強さは認識していた様子。 ''その他'' -本作の四天王の一人であるカリンの発言「''つよい ポケモン よわい ポケモン そんなの ひとの かって ほんとうに つよい トレーナーなら すきな ポケモンで かてるように がんばるべき''」は有名で、しばしば名台詞として取り上げられる。 --ポケモンに登場する優れたトレーナーによくある「ポケモンに対する自らの信念を語る場面」なのだが、一方で「強いポケモンを選んで使うプレイヤーへの批判」と曲解されることもあり、しばしば論争のタネになりやすい。 -焼けた塔では戦闘後にグラフィックがモノクロになるトレーナーが存在する。 --「燃え尽きた」という戦闘後のセリフと連動した、カラーならではの遊び心だと思われる。 --クリスタル版では登場せず、リメイク版では再登場するが真っ白になる演出は無くなった。 -ニドラン♀はタマゴを発見できるが、進化してニドリーナ・ニドクインになるとタマゴを発見できなくなる。 --初代の公式攻略本『ポケットモンスター図鑑』にある「進化して子供を守る為の戦闘能力を得た代わりに生殖機能を失った」という設定に基づく仕様と言えるが、ゲーム中の図鑑説明では現在に至るまでこのことについて記載されていない。ニドクインの母性的なデザインとのギャップもあり、この設定を知らないプレイヤーが混乱する原因になっている。 -本作の新要素であるタマゴわざは♂しか存在しないポケモンや性別不明のポケモンには基本的に設定されていないが、本作の時点でヒトデマンやバルキーのような例外が存在している。 --バルキーのタマゴわざはいずれも進化後の3匹が覚えるもので、それを別の進化先に覚えさせるための設定と思われる。 --一方のヒトデマンは遺伝の方法が存在せず、クリスタルバージョンで削除された。 ---このような遺伝の方法がなく、後の作品で削除されたタマゴわざは以降の作品でもいくつか見られる。 -本作で登場した御三家だが、実は種族値の数値が前作の御三家から流用されている。 --メガニウムはフシギバナからぼうぎょととくこうを入れ替えた数値になっており、オーダイルはカメックスからHPととくこう、こうげきととくぼうを入れ替えた数値になっている。~ ''バクフーンに至ってはリザードンと全く一緒である。'' --ちなみに、本作のパッケージポケモンであるルギアとホウオウもミュウツーから種族値の数値を流用している。 --このような種族値の数値シャッフルは他のポケモンでも見られるが、それらは対の関係であるなどの繋がりがある場合がほとんどであり、特に繋がりのないポケモン同士で種族値がシャッフルされているのは非常に珍しい例と言える。 ''『金・銀・クリスタル』発売後の展開'' -『金銀』発売から1年後の2000年12月14日、大画面でプレイできる対戦ツールとして『[[ポケモンスタジアム金銀]]』が発売された(『クリスタル』との同時発売)。 --『[[ポケモンスタジアム2]]』同様ただの対戦ツールの枠では収まりきらないハイクオリティな作品として有名である。また、今作のゲームバランスやシステムの改善も若干行われている。 ---『銀』『クリスタル』でホウオウに「せいなるほのお」、『金』『クリスタル』でルギアに「エアロブラスト」を覚えさせるには本作が必須。これはレベルの影響で該当技を忘れており、わざおもいだしが存在しないため。 --2009年9月12日には、本作のリメイク『[[ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー]]』がニンテンドーDSで発売された。『クリスタル』の要素も追加されている。 -ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールとして、2017年9月22日に『金・銀』、2018年1月26日に『クリスタル』が配信開始。 --初代VCと同様にパッケージのダウンロード特別版も発売。当時のものを再現したパッケージでマグネット・説明書風シールが付属しているのは同じで、本作で登場した100匹のポケモンと当時の相性表((今作と第6世代以降で一部相性に違いがあるため。具体的には今作だとフェアリータイプが存在せず、ゴースト・あくタイプのわざがはがねタイプに半減される。))が描かれたポスターが付属している。 --『金・銀』VC間の通信や初代VCとのタイムカプセルによる通信交換もちゃんと再現されている。VC間の「ふしぎなおくりもの」にももちろん対応(GBC⇔VCは不可能)。初代VC同様『[[ポケムーバー>ポケモンバンク/ポケムーバー]]』にも対応。 --時計機能も3DS本体の時計を基準に進行するので、内蔵電池の問題も解消されている。3DS本体の時間を変更すると本作の時間もそれに合わせて変動する(元々想定外だったためか時間変更のペナルティは存在しない。ただし現在の日時から戻した場合は反映されない)。 --ポケットプリンタの機能は使用できない((「ポケットプリンタを使用するか」という選択肢自体はそのままだが、「はい」にカーソルを当ててもAボタンが反応しないためキャンセルするしかない。))ほか、メールを持たせたポケモンを通信交換に出そうとすると個人情報や不快な発言などに関する注意書きが画面下部に表示されるといった仕様変更・追加もある。 --戦闘アニメーション時にHPゲージが消えず、さらにポケモンの動きと連動して動く(例えば「はねる」を使うと上下に激しく動く)という不可解な変更点がある。『クリスタル』ではオリジナル版と同じ表示。 --「ポケモンの持ち主の名前が特定の条件を満たしている状態でタイムカプセルを利用した場合、持ち主の名前が内部で強制的に書き換えられる」という、オリジナル版には存在しなかった不具合が確認されている。~ 書き換えられた場合は元のソフトに戻してもニックネームが変更できなくなるが、獲得経験値や言うことを聞いてくれるかどうかには影響しない。 ---前作側のトレーナー名が4文字以下の場合、交換時に持ち主の名前の終端部分が強制的に書き換えられる。5文字の名前にするか、残りの文字を全て空白で埋めた場合は問題ない。~ 厄介なのが『ピカチュウ』版で最初に貰えるピカチュウにこの症状が起こった場合で、通常のピカチュウと同じ扱いになり後ろを付いて来なくなってしまう。 ---本作側のトレーナー名をデフォルト名の一覧(ゴールド、シルバーなど)から選択した場合、こちらも初代に送った際に内部で書き換えられる。自分でデフォルト名と同じ名前を入力した場合は問題ない。こちらは『クリスタル』で修正された。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』の『[[DX>大乱闘スマッシュブラザーズDX]]』『[[SP>大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』にピチューがファイターとして参戦している。 --チコリータ、ルギア、セレビィなどはアイテムのモンスターボールから登場する。 ''余談(クリスタル)'' -当初は『ポケットモンスターX』という仮題で発表された。 --後の『[[ポケットモンスター X・Y]]』とは無関係である。 -初代および[[その>ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン]][[リメイク>ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ]]を除けば、いわゆる「禁止伝説」以外がパッケージを飾っている唯一の例である。 -ライオンの洗剤「ブルーダイヤ」の有名なキャンペーンにかけて「金銀と来たら、もう一つはクリスタルじゃなくてパールじゃないの?」という小ネタが発売当時からあったが、約6年後に本当に[[パールパージョン>ポケットモンスター ダイヤモンド・パール]]も発売された。 -当時のゲーム雑誌「Nintendoスタジアム」(現在は廃刊)において、女性主人公追加ということもあって発売前に女性プレイヤーへのインタビューが行われている。 --そのプレイヤーは主人公の着せ替え機能を要望していた。主人公の着せ替え機能の導入は、『クリスタル』発売後の約13年後、『XY』まで待つこととなる。 //''体験版のネット上への流出'' //-2018年5月頃、本作の体験版と思われるデータが海外ユーザーの手によりインターネット上にアップロードされた。 //--これにより、長らくの間当時公開された数少ない情報や実際に体験版をプレイしたユーザーによる証言しか情報のなかった本作の体験版の全貌が明らかとなった。 //-2020年4月には、任天堂スペースワールド'99で展示された体験版のデータが流出した。ただし、上記のものとは異なり、名前やデザインが変更されたポケモンは存在するが、製品版に登場しなかったポケモンは存在しない。 //--ただし、これらの流出データが本物であるという確証はなく、捏造によるものである可能性もあるため、鵜呑みは禁物である。

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