本項ではGBC対応ソフト『ポケットモンスター 金・銀』と、マイナーチェンジ版であるGBC専用ソフト『ポケットモンスター クリスタルバージョン』を紹介しています(判定は共に「良作」)。
【ぽけっともんすたー きん・ぎん】
【ぽけっともんすたー くりすたるばーじょん】
ジャンル | RPG | ![]() 裏を見る ![]() 裏を見る ![]() 裏を見る |
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対応機種 | 金銀 | ゲームボーイカラー(全GB共通) | |
クリスタル | ゲームボーイカラー(専用) | ||
メディア | 金銀 | 8MbitROMカートリッジ | |
クリスタル | 16MbitROMカートリッジ | ||
発売元 | 任天堂 | ||
開発元 |
ゲームフリーク クリーチャーズ |
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発売日 | 金銀 | 1999年11月21日 | |
クリスタル | 2000年12月14日 | ||
定価 | 3,990円(税込) | ||
配信 | 【3DS】バーチャルコンソール(金銀) | ||
通常版 | 2017年9月22日/1,111円(税別) | ||
特別版 | 同日/1,389円(税別) | ||
【3DS】バーチャルコンソール(クリスタル) | |||
通常版 | 2018年1月26日/1,111円(税別) | ||
特別版 | 同日/1,389円(税別) | ||
判定 | 良作 | ||
ポイント | 金銀 |
新タイプ「あく」「はがね」 「もちもの」などの大幅な新要素 2つの地方を股にかけた大冒険 カセットの電池切れでセーブ消失 |
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クリスタル |
女主人公初登場 オンラインに初対応 |
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ポケットモンスターシリーズ |
大人気シリーズの2作目。
実時間経過と同じく前作から3年後の物語で、舞台は和情緒あふれるジョウト地方。
GBCに正式対応しカラー表現が可能になったことや、当時のGBソフトとしては珍しい時計機能など、後のシリーズ作品でも重要となる様々な新要素で注目を集めた。
社会現象となった前作への評価に加え、アニメや雑誌の広報、延期に次ぐ延期などから、本作に期待するファンは非常に多かった(詳細は余談の項で)。
約1年後にはマイナーチェンジ版『クリスタルバージョン』が発売された。ちなみに『ポケモンスタジアム金銀』と同時発売である。
後のマイナーチェンジ作と比べると変化は少なめだが、前作の『青』『ピカチュウ』と比較すると新要素は多い。
後述するモバイルシステムGBの旗艦タイトルでもあった。
この世界には、ポケットモンスター(通称ポケモン)という生き物が住んでいます。
ずっと昔から人間とポケモンは、なかよく遊んだり、いっしょに力を合わせたりして暮らしてきました。
が、その生態には謎が多く、ワカバタウンのウツギ博士をはじめ、いろんな科学者がポケモンの研究を続けてきました。
そんなある日、ウツギ博士はポケモンじいさんと呼ばれる知人から1通のメールをもらいます。
「すごいものを発見したから見に来てくれ!」…というのですが、ウツギ博士は研究に追われる毎日。出かけることができません。
そこで近所に住む仲良しの少年・ゴールド(主人公)を研究所に呼び、「どんなものなのか見てきてくれないか?」と頼みました。
やさしくて好奇心の強いゴールドは、こころよく引き受けます。
するとウツギ博士は3匹のポケモンを見せ「好きなポケモンを1匹、パートナーとして連れていくといいよ」と言いました。
初めてポケモンを手にしたゴールドは大喜びです。一方、そんな様子を窓の外からジッと見つめる人影が…。
ゴールドと同じくらいの年の少年です。ゴールドが不審に思い、外に出て話しかけてみると「人のことジロジロ見てんなよ!」と、乱暴に突き飛ばされました。
この少年はいったい何者なのでしょうか。そしてポケモンじいさんの大発見とは…。
(金版の説明書より引用)
根本的なゲームシステム自体は前作と同一である。
以下、前作から変更・追加された点を記す。
なお以下の追加要素のほとんどは、少しずつ形を変えながらもほぼ後作に続投され続けている。初代の続編であると同時にシリーズの基礎をより固めた作品と言えるだろう。
カラー対応、グラフィック刷新
個性豊かな新ポケモン
色違いポケモン
性別の導入
「育て屋」の仕様変更とポケモンの「タマゴ」
なつき度
ポケルス
時計機能
便利ツール「ポケギア」
対戦面の調整
どうぐ
サブイベントやストーリーが多数追加
タイムカプセル
UIの改善や便利要素の追加
ふしぎなおくりもの
前作のマイナーチェンジだった『青』『ピカチュウ』とは異なり、様々な面に手が加えられている。
前作からの正統進化
大幅に改善されたドット絵
カラー対応
新システム「タマゴ」
幅の広がった対戦要素
シナリオやキャラ周り
BGM
セーブデータ保持用の内蔵電池の消耗が早い
今作における御三家の格差
+ | 具体的な説明 |
捕獲難易度が非常に高い徘徊系
ひでんわざの増加による問題
ストーリー進行に関する問題
面倒甚だしいなつき進化
タマゴに関する問題
+ | 調整不足な点の数々 |
バッジが足りないと、レベルの高すぎる「親が自分以外のポケモン」が言うことを聞かなくなる
カントー地方の問題点
使い道に乏しいガンテツボール
+ | ガンテツボールの詳細 |
まだまだ粗めな対戦バランス
新ポケモンの活躍がやや地味
前作『赤 緑 青 ピカチュウ』がないと不可能・困難な要素
「タイムカプセル」の問題点
「ふしぎなおくりもの」の問題点
ライバルについて
レベリング手段に乏しい
問題点の一部はリメイク版で改善されることとなった。
1作目の問題点を上手く調整し、さらに様々な追加要素を加えた本作。
それらのほとんどは後作でも引き継がれ、改良されており、シリーズのシステムを大きく進歩させた作品。
またポケモンの世代刷新の際はこの作品に倣い、基本的なシナリオ展開や対戦システムはそのままに、新ポケモンの追加やバランスの調整をメインに行っており、シリーズの方向性を決定づけたと言ってもよい。
さらに前作との互換性もあって、製作側の意気込みが強く感じられる。長らく発売延期をした作品だが、それに見合った内容と言える。
本作はシリーズものの続編として、一つのお手本と言えるだろう。
永きに渡る発売延期の顛末
熱心な対戦環境の研究
不具合など
幻のポケモン「セレビィ」
アカネのミルタンク
その他
『金・銀・クリスタル』発売後の展開
余談(クリスタル)
*1 公式攻略本でオーキド博士へのインタビューという形で、研究する上で混乱を招く事を防ぐために、他のポケモンの♂♀の区別がつくようになったからといって、それまで別種扱いしてきた両者を統合する事はしないと語られている
*2 ポケモンの生まれつきの能力値に影響する隠れパラメータの俗称。
*3 バトルによって手に入る、こうげきなどのステータスを上昇させる隠しパラメータ。プレイヤーの間では「努力値」という通称で呼ばれることが多い。
*4 本来は前作でも仕様上「抜群」が想定されていたが、バグで逆に「無効」となってしまっていた。
*5 「ヘドロばくだん」はLv.50と高レベルながらベトベター系統は自力で覚えられる
*6 詳しく言うと、前作のポケモンに設定された「とくしゅ」のいわゆる「種族値」は今作では「とくこう」「とくぼう」のどちらか片方へと設定され、もう一方に新規の種族値が設定された。たとえばミュウツーは前作では「とくしゅ」の種族値が154(つまり「とくこう」も「とくぼう」も154)だったが、今作以降は「とくこう」が154、「とくぼう」が90に設定されて若干弱体化した。中にはキングラーのように、「とくこう」と「とくぼう」の値が同じで前作と変わらないポケモンもいる。
*7 サファリゾーン専用のサファリボールを入れれば5種類になる。
*8 特定の条件を満たすとそのままずっと自分の手持ちにできる。
*9 本作においてはミュウツー・ミュウ・ルギア・ホウオウ・セレビィ。
*10 「バトルタワーで勝った回数」「野生ポケモンと戦った回数」など。
*11 ただし『金銀』のライコウのみデザインが大幅に異なっている。この問題は『クリスタル』で修正された。
*12 金銀発売直後の2000年2月4日に発売されたポケモンカード★neoに収録された「キレイハナLv.36」(イラスト担当はにしだあつこ氏)の色も当時の公式イラストと異なるがゲームの色とは近いので、ゲーム制作中に色の変更が決められたものの、公式イラストへの反映が遅れた可能性がある。
*13 『クリスタル』はGBC専用のため、スーパーゲームボーイに対応していない。
*14 しかし進化後しかもらえない場合は当然ながら進化前が図鑑に載らない、逆に交換に出したポケモンは返してもらうか初期化するまで二度と再入手できないなど、デメリットがつきまとう。
*15 前作でNPCからしかもらえないポケモンは「バリバリ(バリヤード)」「おしょう(カモネギ)」など、独特なシュール感のあるネーミングだった。
*16 第三世代以降はさらに2種類追加され合計28種類となっている。
*17 むしタイプの「れんぞくぎり」を覚えてはいるが、こちらのくさタイプのわざは等倍であり、こおりタイプの技は覚えてない
*18 すべてのわざが使えなくなると使える反動ダメージありのわざ。
*19 こちらからの攻撃か自滅かを問わず一度戦闘不能にさせてしまうと二度と出現しなくなってしまう。
*20 徒歩で移動すると隣接する地域へ、「そらをとぶ」で移動するとランダムな場所に移動する。
*21 初代ではトサキント・アズマオウしか覚えられない通常のわざだった。本作でもこの2匹のみレベルアップでも習得可能だが、わすれオヤジ以外で忘れることができなくなった。
*22 なみのりを覚えられる66種のうち3つすべてを覚えるのは27種。御三家の一体であるワニノコも「なみのり」「うずしお」は覚えるが本作では「たきのぼり」は覚えられない。
*23 特性の登場は次作『ルビー・サファイア』からだが、この仕様の追加はマイナーチェンジ版の『エメラルド』から
*24 殿堂入り前限定だが、ワカバタウンまでテレポートさせてくれるNPCがセキエイ高原にいる。
*25 クリア後に行ける場所に前作の『BW』で序盤に行けた場所が含まれるが、そのような場所でも野生ポケモンのレベルは50~60台と高めに設定されている。
*26 ニドリーノ、ニドリーナ、ピッピ、プリン。更に、この中で殿堂入り前にジョウト地方で遭遇できるのはクリスタル版でのプリンのみである上に、出現タイミングからムーンボールの素材であるきぼんぐり入手前に捕まえている可能性が高い。
*27 『ポケスタ金銀』ではこんらんが永続ではなくなり、まさに壊れ性能だった。
*28 一撃必殺技、前作より強化されただいばくはつ(カビゴンのみじばく)、はらだいこ、あくむ、くろいまなざし→ほろびのうた、ほえるやふきとばし、前述のガラガラ、くろいきりなど
*29 個体値に左右されるが、めざめるパワーも該当する。
*30 ちなみに後のシリーズでも本作で初登場したポケモンは地味な扱いを受けやすく、オドシシに至っては登場することはあってもクリア前の図鑑に出るのは『LEGENDSアルセウス』まで待つこととなった。
*31 プテラはNPCとの交換で手に入るものの、出現率の低いラッキーを要求される。
*32 前作では販売しているデパートで「進化の石のセール」と言っていたので、あくまであの時限定という設定だったらしい。
*33 メリープのみ、「10まんボルト」がタマゴわざで覚えられる設定のため『金・銀』でも覚えさせることはできる。
*34 『ピカブイ』だけは他のシリーズに移動させると二度と戻せないままとなっている
*35 現行シリーズにおける「ラムのみ」相当。
*36 もっとも、前作のライバルも「油断した~」「手加減した~」と言い訳することは多かった。
*37 コロコロコミックで連載されていた漫画では存在し、ライバルが盗んで所持していたベイリーフはこれによって主人公の手持ちに加わる。
*38 いわタイプの攻撃であるためノーマルタイプの攻撃を無効化するゴーストタイプでもダメージを受ける
*39 具体的にはLv26〜30程度。
*40 こちらも後の『Pokemon HOME』との連動によって解消されている
*41 今作と第6世代以降で一部相性に違いがあるため。具体的には今作だとフェアリータイプが存在せず、ゴースト・あくタイプのわざがはがねタイプに半減される。
*42 「ポケットプリンタを使用するか」という選択肢自体はそのままだが、「はい」にカーソルを当ててもAボタンが反応しないためキャンセルするしかない。