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*GUNGRAVE 【がんぐれいう゛】 |ジャンル|フルブレイクガンアクション|&amazon(B000067JK3)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|レッド・エンタテインメント|~| |開発元|ポジトロン&br()戦船(いくさぶね)|~| |発売日|2002年7月17日|~| |定価|通常版:7,140円&br()特別限定版10,290円(共に税込)|~| |ポイント|キャラクターデザイン&原案・内藤泰弘&br()ジャンル名に偽りなしの爽快感と演出&br()シナリオと全体の操作性にやや難あり&br()シリアスだが公式でバカゲー扱い|~| **概要 レッド・エンタテインメントが発売したガンアクションゲーム。~ 漫画『トライガン』の作者である内藤泰弘氏((ゲームでは『サムライスピリッツ』シリーズのコミカライズや妖怪腐れ外道のデザインでも知られている。))がゲームの原案とキャラクターデザインを担当、メカデザインは同じく『トライガン』のアニメ版でメカデザインを担当した神宮司訓之氏と、テイルズオブシリーズのキャラクターデザインで有名な藤島康介氏が担当した。~ 内藤氏は本作の制作について『トライガン』のあとがきで触れており、本作のコンセプトやゲーム全体の概要についても解説している。 **ストーリー 巨大なケースを引きずって、ある人物のもとへやってきた少女・浅葱ミカ。~ ミカは母・マリアから託されたそれをある人物に渡せば、母を殺したマフィア『ミレニオン』のボスである、ハリー・マクドゥエルを止めてくれると信じていた。 彼女が向かった先には「Dr.T(トキオカ)」という男と、「ビヨンド・ザ・グレイヴ」という名の隻眼の男がいた。~ グレイヴは少女の持ってきたケースに入っていた2丁の巨大な拳銃『ケルベロス』を取り出し、武装を積みこんだ棺桶『デスホーラー』を下げて戦いに赴く。 待ち構えているのはマフィアの構成員や、麻薬『シード』によって変化した人間『オーグマン』など……。 グレイヴは何者なのか?なぜ『ミレニオン』と戦うのか?ハリーやマリアとの関係は? 戦いの中で少しずつ答えが明かされていく。 **システム・ゲーム全体の内容 -プレイヤーは主人公・グレイヴを操作する。 --グレイヴは弾数無限の拳銃『ケルベロス』を装備しており、これをメインの武器として戦う。 ---ケルベロスは1ボタンで発射可能で、移動やジャンプ中も攻撃可能。連打することで前方の広範囲に弾をばらまく「バースト」となる。 --ケルベロスだけではなく、『デスホーラー』という棺桶を装備。デスホーラーは振り回して接近戦を挑める。 -画面左上に『デモリッションゲージ』が映し出されている。 --オブジェクトや敵に攻撃を加えると「ビート」というコンボのカウントがされ、一定数以上になるごとにゲージが増える。 --ゲージは一本溜まるごとにストックされる。最大で9までストックでき、それを消費することでデスホーラーの武装を使った『デモリッションショット』が使用可能。 ---周囲を攻撃できるタイプと、前方に集中して攻撃できるタイプの2種類がある。それぞれに上位の技がある。 ---デモリッションショット中は無敵なので回避手段にも使える。 --ストックを消費してライフを回復することが可能。 -画面右上には体力とシールドのゲージが表示されている。 --ダメージは一定量、シールドが肩代わりする。シールドは相手の攻撃を一定時間受けずにいると回復。 --シールドが空になった状態でダメージを受けると上のライフゲージが消費され、空になるとゲームオーバー。 -画面には表示されない「アートポイント」というものがある。 --華麗な戦いを決めると加算される。 --''『見栄ポーズ』という決めポーズをとるだけの行動がある''。敵を全滅させた後にこれを決めないと評価が下がる。 -ゲームはステージクリア型で、全部で6ステージ。 --各ステージクリアごとにクリアタイムや撃破数、体力などの評価がされる。評価ポイントを一定以上獲得すればデモリッションショットの種類が追加される。 **評価点 -このゲームの醍醐味は''爽快感''。何と言ってもこれに尽きる。 --ジャンル「フルブレイクガンアクション」が示すように、あらゆるオブジェクトがガンガンぶち壊せる。車のようなデカいものからゴミ箱のような小さなものまで。小物の配置なども秀逸。 --回避行動などが少ないので、出来る限り攻撃を避けつつシールドとデモリッションの存在に任せてゴリ押していくのが基本スタイル。さらに弾が無限なので、考えることなくガンガンばらまいていける。 --操作系統があまり複雑ではないので、とっつきやすい。前述のようなゴリ押しが基本なので、ゲーム初心者でも遊びやすい。 --公式での解説文''『疲れ果てて家に帰って来た人が、10分間だけプレイして、すぐにストレスを解消でき、すぐ寝ることが出来るゲーム』''まさにそんな爽快感である。 -演出面の全体のクオリティの高さ。 --内藤デザインのアメコミ風なキャラ。独特のスタイリッシュさと渋さ(とダサさ)がある。 ---ロード画面などでも氏のイラストが入る。 --メカデザインも秀逸で、ギミックが細かく作られている。ステージ開始時にケルベロスを取り出す動作などが細かい。 --グラフィックの質も当時としては高く、内藤氏の画風を忠実に再現している。ムービーはまるでアニメだと錯覚するほどの美麗グラフィック。 --既に述べたようにマップの作りこみもしっかりしており、演出やエフェクトも派手。爽快感の後押しに。 ---ムービーも映画のワンシーンのごとく派手な演出がされ、ステージクリア時の倒れたボスなどを背に立つグレイヴの姿などもかっこいい。 --グレイヴのモーションも動きが大きくなかなか派手。『見栄ポーズ』のようなバカバカしさと絶妙なダサさが光る。 --今堀恒雄氏が手がけた音楽も良質。後にアニメ版でも多くが流用されている。 --登場人物の声優陣は豪華。 **問題点 -シナリオ面 --設定は細かく、緻密に作られている。…のだが、突拍子もない展開や説明されない部分が多い。 ---ゲーム内では設定の解説が極端に少なく、ムービーでの幹部との会話やわずかに記憶を取り戻したグレイヴの回想、ステージ開始前のDr.Tやミカとの会話から少しだけ見れる程度。 ---グレイヴは設定上、記憶と感情を失っているため全くしゃべらない(悲鳴や掛け声さえ上げない)。EDのスタッフロールにさえ、主人公にもかかわらずキャストが載っていない。 --敵・ミレニオンの幹部やグレイヴを始め、オーバーテクノロジーが多数使われた設定。渋いハードボイルドものと思ってみると面食らう。 ---そしてそのテクノロジーで強化された『オーグマン』たちも、姿が見事にバケモノで、特にボス敵となると人間の形を保った者は少ない。 --ラスボスの正体は明かされない。唐突に出てきて戦闘になり、倒した後はまるで触れられず、何のために出てきたのかわからない。 ---続編の設定や名前などからある程度正体は推察できるが、ゲームを遊ぶだけでは全く意味が分からず、推察できるものもまたぶっ飛んだ設定である。 --個々のセリフやキャラクター設定などはなかなか良い。これらの展開についていけるかどうかでシナリオの評価は大分変わるかもしれない。 --スタッフからは「シナリオはおまけ」のような扱いを受けている。あくまで本作が追求しているのは前述した「爽快なアクション」であるということだろう。 --後のアニメ版の存在もあり、アニメ版から入ったプレイヤーにはシナリオや設定の違いに驚く者も少なくはない。 ---その一方で、アニメ版を見ていたために登場人物の心情がつかみやすくなったという声もある。 -操作性やシステムの一部に難がある。 --動きがややもっさりしている。 --カメラワークが一部悪い。 --前述したようにゴリ押しが基本となるシステム。本作はガードや特殊な防御手段がないため、そういったところが余計押し出されている。 --近接攻撃が棺桶を一度振り回すだけ、銃のバーストのように連続で振り回すことができず、いったんモーションが終わるまで再度繰り出せない。 --アートポイントが不可視のため、基準となる行動がわかりづらく、増加しているかどうかがわからない。 ---少なくとも、前述した「敵全滅後の見栄ポーズ」はやっておかないと満点評価は獲得できない。 -ボリューム不足 --ステージ数が少なく、一つのステージも短いため、一周ごとのプレイ時間も非常に短い。慣れれば1時間ほどでクリアできる。 --隠し要素はあるし、前述したステージクリア時の評価もあるので、周回プレイをすることが前提のゲームであることは間違いない。ステージクリア評価で全て満点を獲得しようとするとかなり骨が折れる。が、全体のプレイでできることが少なく飽きやすい。 ---また、ステージ選択不可のため、一周で全部クリアしなければならず(セーブは可能)、最終ステージを遊ぶためにそれまでの全てのステージクリアが必要。 --逆に言うと、「一個ステージをクリアして、セーブして中断する」というプレイをすれば、公式の発言通り「10分だけ遊んで眠る」が実現可能であるのだが。 **バカゲー? -デザインや設定、演出など、公式であえてバカバカしく作っている節が見られる。 --そもそも、本作のコンセプトが「何も考えずぶっ壊すゲーム」なので……。 --グレイヴのデザインが「帽子を被って潰れた目が隠れるデザインの眼鏡をかけた、装飾がごついコートの細身な男」で、それが通常の拳銃の数倍はあろうかというようなデカい拳銃二丁と鎖で両腕に縛り付けた重装備の棺桶をぶら下げている。劇中でもコスプレ扱いだが、''危険人物以外の何物でもない''。 ---そもそも、''武器が棺桶というのが物凄く胡散臭い''。というか劇中でも普通に「棺桶」扱いされているが、武器と機械がゴテゴテ積まれているそれはどう見ても棺桶には見えない。髑髏が覗いているのが辛うじて棺桶らしい部分か。 --メカのギミックは細かいのだが、物理的にありえない武装の積み方がされていたりする。 ---ケルベロスの弾は無限と書いたが、設定上は弾数がある。''10億発''。いくらデカい拳銃とはいえ、どこに入るのか。 ---棺桶に積まれている武装はマシンガンに連装ミサイルランチャーに巨大ロケットランチャー。さらに後述するようにファイナルデモリッションショット用の機関部が積まれている。個人で抱える兵装としてはあまりに過剰な上にこれらのすべてが当然のごとく弾数無限。ゲームとはいえ四次元にでもつながっているのか? --幹部は人物像の描写が少ないながらも、全員なかなか強烈なキャラをしている。オーグマンに変身した後の姿も含めて。 ---幹部の一人「ボブ・パウンドマックス」のオーグマン形態は複数のプロペラで飛行するというもの。どういう発想でそんな姿が浮かぶのか……。 ---幹部の一人「ベア・ウォーケン」は日本かぶれという設定なのだが、その対決ステージである彼の道場は鳥居が何本も立っているなど間違った日本観を示している。そして待ち構えている彼と対面すると、''変身と同時に道場をぶち壊す''。 --既に述べたグレイヴの見栄ポーズだが、スタッフ曰く「グレイヴは本気で格好いいと思っている」とのこと。……感情ないんじゃなかったのか。 --あるステージのムービーでは、巨大なサイドカーに棺桶を積んで走るグレイヴの姿が映される。これで壁を走ったり棺桶のミサイルをぶっ放して警察のエアカーを落としたりと豪快に動き回る。 ---このバイク、藤島康介氏のセンス全開のデザインで好評なのだが「''バカバカしさが足りない''」という理由で何度もリテイクを食らったそうな。 --ボスキャラの体力一定以下で、デモリッションショットのストックがあればムービーが入る「ファイナルデモリッションショット」が使えるのだが……。 ---巨大なミサイル数発撃っただけで終わりのような地味なものや、『''棺桶中央の機関部が動いて、バイクのように棺桶ごと回転しながら周囲に向けて機関銃を乱射する''』という技を''一体の敵に''やったりと、どこか妙なものが集まっている。 ---ラスボス相手には''それまでのファイナルデモリッションを全部ぶっぱなす''。や、やりすぎでは……? -そんな本作だが、シナリオ自体はかなり暗く、''ギャグが入る余地は全くない''。演出の派手さやバカバカしさ、テクノロジーの設定などのぶっ飛びっぷりに目が行くが、全体的に影を落とした雰囲気が本作の持ち味である。 --主人公・グレイヴはハリーの撃破のために、淡々と立ちふさがる敵を撃破していく。まさに死神。 ---グレイヴは一度死んでおり、特殊な技術で復活している。これによって通常の人間よりも強靭なのだが、記憶と感情はほとんど失われ、定期的に血液を交換しないと肉体を保てない状態になっている。 --対するハリーは権力に固執し、全てを想いのままに操るべくシードなどの技術を手にした悪党。かつてのボスを死に追いやり、その妻マリアをも手にかけ、ミカの命まで狙うという外道ぶりを発揮する。 ---アニメ版では権力に固執するようになった理由と過程が丁寧に描かれているが、ゲームではほとんど描写されないうえに、セリフや各種行動がアニメ版のそれよりもさらに非道。 --グレイヴの仲間と言える人物は今やDr.Tと、戦うことができない幼い少女のミカだけ。さらに中盤でDr.Tはオーグマンに殺されてしまい、グレイヴはただ一人ハリーを倒すこととミカを守ることのため戦いに赴き続ける。 **総評 ゲームとしては微妙に至らない部分やボリュームなど、クソゲーとまで言えるほどひどい出来ではないが、手放しで褒められるほどの代物でもない。~ また、シナリオ面でも人を選ぶ部分が強い。~ しかし、演出の出来と単純な操作で派手さとバカバカしさを兼ね備えたアクションを実現できる快感はなかなかのもの。~ 人を選ぶ部分は強いが、この雰囲気を楽しめるかどうかで良作にも凡作にもなりうる、まさに奇作とでもいうべき作品である。~ 特に内藤泰弘のファンであるならば、買っても損はないと言える一品だろう。 **その後の展開など ***アニメ版 -本作を語るうえで外してはならない話題であろう。2003年10月6日からテレビ東京系列で放送された。全26話。 --基本的に原作の設定を踏襲しているが、一部の設定が変更されており、アクションメインのゲームとは打って変わって登場人物の心理描写や細かい関係などがメインの作品である。そしてアニメ版ではゲームとは異なる結末へと向かっていく。 --原作では必要最小限の描写だったグレイヴとハリーの過去なども、かなりの話数を割いて丁寧に描写しており、一部に原作同様のオーバーテクノロジー設定などを交えながらも、マフィアという特異な世界や劇中で多用される「ファミリィ」という言葉に重点を据えた本格的なハードボイルド作品へと仕上がっている。 --こちらもまた全体の作画の出来や演出の完成度が高く、今堀恒雄氏作曲のBGMや、Scoobie DoによるEDテーマ『茜色が燃えるとき』など音楽面でもまた好評。 --総じて高いクオリティと実に渋い「男の世界」の描写から、''「[[男の義務教育>http://dic.nicovideo.jp/a/%E7%94%B7%E3%81%AE%E7%BE%A9%E5%8B%99%E6%95%99%E8%82%B2]]」などと言われることも''。 --ただし、一部の声優がゲームとは変更されていることや、幹部のオーグマン形態(アニメでは幹部のオーグマンは「スペリオール」と呼ばれている)のデザインが変更されていることには賛否がある。 ---ゲームでは喋らなかったグレイヴもアニメでは口数は少ないながらも喋るようになっており、関智一氏が担当。この配役は『O.D.』でも継続。 ---幹部の一人「バラッドバード・リー」はゲームでは小野坂昌也氏だった((小野坂氏は『トライガン』の主人公であるヴァッシュ・ザ・スタンピードを演じており、その縁からの配役と考えられる。))が、アニメでは子安武人氏。ボブとの友人設定が強調されており、ボブを殺したグレイヴに「''よくもです!''」と丁寧なのかなんなのかよくわからない口調で叫びながら殴り続けるシーンはよくネタにされる。 --なお、本作のアニメ版を手がけた製作会社はマッドハウス。脚本の黒田洋介氏や前述の音楽担当である今堀恒雄氏を始め、製作スタッフのほとんどがアニメ版『トライガン』と同一である。放送局やインストゥルメンタルのOPなども共通。 ***続編 -続編として『GUNGRAVE O.D.』が2004年3月4日に発売された。 --本作の基本的なシステムなどを踏襲しつつ、シールドやライフ回復の仕様調整、ガードや敵をひるませる行動の追加、近接攻撃のバースト追加、射撃のチャージや近接コンボ攻撃の搭載、アートポイントの可視化、操作キャラクターの増加など、ゲームとして大きく進歩を遂げた作品となっている。 --アニメ版オリジナルだった登場人物も敵として登場している。 ***その他の展開 -アイディアファクトリーのゲーム『カオスウォーズ』にて、続編『O.D.』から数人のキャラが参加している。 --が、一部の人物の声優が原作と異なったり、必殺技のカットインが原作のムービーを流用したものであったりと不評。 -2010年7月2日、AnimeExpo2010で''実写映画化と書籍化が発表''された。 --2013年12月現在、続報は無いが……。
*GUNGRAVE 【がんぐれいう゛】 |ジャンル|フルブレイクガンアクション|#amazon(B000067JK3)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|レッド・エンタテインメント|~| |開発元|ポジトロン&br()戦船(いくさぶね)|~| |発売日|2002年7月17日|~| |定価|通常版:7,140円&br()特別限定版10,290円(共に税込)|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|キャラクターデザイン&原案・内藤泰弘&br()ジャンル名に偽りなしの爽快感と演出&br()シナリオと全体の操作性とボリュームにやや難あり&br()シリアスだが公式でバカゲー扱い|~| |>|>|CENTER:''GUNGRAVEシリーズ''&br()''GUNGRAVE'' - [[O.D.>GUNGRAVE O.D.]] - VR / VR U.N. - G.O.R.E| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 レッド・エンタテインメントが発売したガンアクションゲーム。~ 漫画『トライガン』の作者であり、『[[サムライスピリッツ>サムライスピリッツシリーズ]]』に登場する妖怪腐れ外道のデザインや『[[エナジーブレイカー]]』のキャラクターデザインなども手掛けた内藤泰弘氏がゲームの原案とキャラクターデザインを担当。メカデザインは同じく『トライガン』のアニメ版でメカデザインを担当した神宮司訓之氏と、『[[テイルズ オブ シリーズ]]』のキャラクターデザインで有名な藤島康介氏が担当した。~ 内藤氏は本作の制作について『トライガン』のあとがきで触れており、本作のコンセプトやゲーム全体の概要についても解説している。~ 開発は過去にスクウェアと共同で『iS: internal section』(PS)を手掛けたポジトロンとアニメ版『ギャラクシーエンジェル』や『G-SAIVOR』のメカニックデザインなどにも関わっていた戦船との共同開発。 なお、2000年にスタジオポラリスが発売した脱衣タイピングゲーム『GUN GRAVE』とは無関係。 ---- **ストーリー 巨大なケースを引きずって、ある人物のもとへやってきた少女・浅葱ミカ。~ ミカは母・マリアから託されたそれをある人物に渡せば、母を殺したマフィア「ミレニオン」のボスである、ハリー・マクドゥエルを止めてくれると信じていた。 彼女が向かった先には「Dr.T (トキオカ)」という男と、「ビヨンド・ザ・グレイヴ」という名の隻眼の男がいた。~ グレイヴは少女の持ってきたケースに入っていた2丁の巨大な拳銃「ケルベロス」を取り出し、武装を積みこんだ棺桶『デスホーラー』を下げて戦いに赴く。 待ち構えているのはマフィアの構成員や、麻薬「シード」によって変化した人間「オーグマン」など…。 グレイヴは何者なのか?なぜ「ミレニオン」と戦うのか?ハリーやマリアとの関係は? 戦いの中で少しずつ答えが明かされていく。 ---- **システム・ゲーム全体の内容 -プレイヤーは主人公・グレイヴを操作する。 --グレイヴは弾数無限の拳銃「ケルベロス」を装備しており、これをメインの武器として戦う。 ---ケルベロスは1ボタンで発射可能で、移動やジャンプ中も攻撃可能。連打することで前方の広範囲に弾をばらまく「バースト」となる。 ---連打がきついという人のために、オプションで押しっぱなしにすることで連打になるよう変更できる。 --ケルベロスだけではなく、「デスホーラー」という棺桶を装備。デスホーラーは振り回して接近戦を挑める。 -画面左上に『デモリッションゲージ』が映し出されている。 --オブジェクトや敵に攻撃を加えると「ビート」というコンボのカウントがされ、一定数以上になるごとにゲージが増える。 --ゲージは一本溜まるごとにストックされる。最大で9までストックでき、それを消費することでデスホーラーの武装を使った「デモリッションショット」という必殺技が使用可能。 ---周囲を攻撃できるタイプと、前方に集中して攻撃できるタイプの2種類がある。それぞれに上位の技がある。 ---デモリッションショット中は無敵なので回避手段にも使える。 --ストックを消費してライフを回復することが可能。 --ボスキャラの体力一定以下になるとデモリッションゲージの髑髏が激しく光り出す。この状態でデモリッションショットのストックがあればムービー付きでボスを撃破する「ファイナルデモリッションショット」が使える。 -画面右上には体力とシールドのゲージが表示されている。 --ダメージは一定量、シールドが肩代わりする。シールドは相手の攻撃を一定時間受けずにいると回復。 --シールドが空になった状態でダメージを受けると上のライフゲージが消費され、空になるとゲームオーバー。 -画面には表示されない「アートポイント」というものがある。 --華麗な戦いを決めると加算される。 --''『見栄ポーズ』という決めポーズをとるだけの行動がある。''敵を全滅させた後にこれを決めないと評価が下がる。 -ゲームはステージクリア型で、全部で6ステージ。 --各ステージクリアごとにクリアタイムや撃破数、体力などの評価がされる。評価ポイントを一定以上獲得すればデモリッションショットの種類が追加される。 -難易度は3段階。EASY・NORMAL・HARDから選べる。 ---- **評価点 -このゲームの醍醐味は''爽快感。''何と言ってもこれに尽きる。 --ジャンル「フルブレイクガンアクション」が示すように、あらゆるオブジェクトがガンガンぶち壊せる。車のようなデカいものからゴミ箱のような小さなものまで。小物の配置なども秀逸。 --回避行動などが少ないので、出来る限り攻撃を避けつつシールドとデモリッションの存在に任せてゴリ押していくのが基本スタイル。さらに弾が無限なので、考えることなくガンガンばらまいていける。 --操作系統があまり複雑ではないので、とっつきやすい。前述のようなゴリ押しが基本なので、ゲーム初心者でも遊びやすい。 --公式の解説文にも「''疲れ果てて家に帰って来た人が、10分間だけプレイして、すぐにストレスを解消でき、すぐ寝ることが出来るゲーム''」と書かれていることから前述のような爽快感を味わえることが十分うかがえる。 -演出のクオリティは全体的に高い。 --内藤デザインのアメコミ風なキャラ。独特のスタイリッシュさと渋さ(とダサさ)がある。 ---ロード画面などでも氏のイラストが入る。 --メカデザインも秀逸で、ギミックが細かく作られている。ステージ開始時にケルベロスを取り出す動作などが細かい。 --グラフィックの質も当時としては高く、内藤氏の画風を忠実に再現している。ムービーはまるでアニメだと錯覚するほどの美麗グラフィック。 --既に述べたようにマップの作りこみもしっかりしており、演出やエフェクトも派手。爽快感の後押しに。 ---ムービーも映画のワンシーンのごとく派手な演出がされ、ステージクリア時の倒れたボスなどを背に立つグレイヴの姿などもかっこいい。 --グレイヴのモーションも動きが大きくなかなか派手。「見栄ポーズ」のようなバカバカしさと絶妙なダサさが光る。 --今堀恒雄氏が手がけた音楽も良質。後にアニメ版でも多くが流用されている。 --登場人物の声優陣は豪華。 ---- **問題点 -シナリオ面 --設定は細かく、緻密に作られている…のだが、突拍子もない展開や説明されない部分が多い。 ---ゲーム内では設定の解説が非常に少なく、ムービーでの幹部との会話やわずかに記憶を取り戻したグレイヴの回想、ステージ開始前のDr.Tやミカとの会話から少しだけ見れる程度。 --敵・ミレニオンの幹部やグレイヴを始め、オーバーテクノロジーが多数使われた設定。 ---そしてそのテクノロジーで強化された「オーグマン」たちも、姿が見事にバケモノで、特にボス敵となると人間の形を保った者は少ない。 --通常のゲームプレイではラスボスの正体は明かされない。唐突に出てきて戦闘になり、倒した後はまるで触れられず、何のために出てきたのかわからない。 #region(本作の世界観や設定について、ネタバレ含む) -まず、''本作の世界は「現代」の「地球」ではない。''場所も時代も特定されない、どこかの惑星である。科学技術は現代の地球より発達しており、上の階層には警察のエアカーなども走っている。 --舞台となる都市は、中央の巨大なタワー(本作のラストステージ)に他の建物が寄り添って成り立っており、いくつもの建物が何層にも積み上げられている。 --上の層に住むことができるのは一部の特権階級のみで、多くの人々は最下層に住んでいて日の当たらない暮らしをしている。当然治安も悪く、常に争いが絶えない。グレイヴとハリーも元はここの出身。 --その最下層よりもさらに下に古代都市の残骸があり、この都市を支えている。 --タワーは材質が不明で、誰がいつ作ったのか、それすらも定かではなく、宇宙人の船だとも言われている(後述の設定も考えるとほぼ確定)。入口もなく、グレイヴが進むのは周辺の寄り添う建物。 --劇中でこの世界設定の描写が全くないわけではなく、OPの「上の栄える都市を映し出し、カメラが下に進んで最下層のミカを映す」「最終ステージまで夜のまま暗い世界」などの形でわずかながら描写されている。 --アニメ版では世界設定が変更され、タワーとそれに寄り添う都市が存在しない。また続編『O.D.』は後述のシードの設定を踏襲しながらも現実の地名が登場したり、アニメ版のトレーラーを拠点として使用するなどアニメ版よりの世界観に変更されており、結果的に本作のみの世界観設定となっている。 -「ネクロライズ計画(死人兵士計画)」 --死亡した人間を蘇生させることで、より強靭な肉体を持った兵士として作り上げる計画。Dr.Tはこれに関与していたが、良心から離反した。 --反面、記憶と感情はほとんど失われ、定期的に血液を交換しないと肉体を保てない状態になる。 --グレイヴは一度死亡しており、活動しているのはこれによって蘇生したため。前述したとおり記憶と感情をほぼ失っているため全くしゃべらない。 ---グレイヴというのも通り名であり、本名は「ブランドン・ヒート」である。ハリーとは同僚だったが、組織を力ずくで奪おうとするハリーに離反。そのことで殺害されてしまった。 -劇中の麻薬「シード」は、異星生命体のテクノロジーを用いたもの。 --正確に言うと、その異星生命体の名前が「シード」であり、麻薬として流通しているものはそこから抽出したエキス。 --シードを直接与えると体が瞬く間に結晶化、精神にも影響を与え大抵意志を失った「青白き者(オーグマン)」に変化してしまう。 --ラスボスの名称は「エイリアンヘッド」つまり異星の生命体。ハリーがどのようにシードを手に入れたのかは劇中では不明だが、おそらくこれこそがシードの親玉で、ハリーは彼と契約して手に入れたのだと思われる。 --こちらは前述の世界観設定と異なり、''ゲーム中では一切の説明がない。''ラスボスの名前だけはゲーム中のおまけで判明する。 ---そのためラスボスについては、直前にオーグマンに改造され復活したビッグダディと対決することもあって「マリアがハリーによってオーグマンにされた姿なのでは?」という憶測が飛んだこともあった((前述通り、公式設定資料で正体が明かされているためこの説は否定されている。))。 --アニメ版においてはネクロライズ計画の延長線上という設定に変更され、異星生命体は一切登場しない。 #endregion --個々のセリフやキャラクター設定などはなかなか良い。これらの展開についていけるかどうかでシナリオの評価は大分変わるかもしれない。 --スタッフからは「シナリオはおまけ」のような扱いを受けている。あくまで本作が追求しているのは前述した「爽快なアクション」であるということだろう。 --後のアニメ版の存在もあり、アニメ版から入ったプレイヤーにはシナリオや設定の違いに驚く者も少なくはない。 ---アニメ版の視聴者は本作を「少々SFの混じった渋いハードボイルドもの」と受け取っている者も多いが、ゲーム版の世界観は完全にSF。 ---その一方で、アニメ版を見ていたために登場人物の心情がつかみやすくなったという声もある。 -操作性やシステムの一部に難がある。 --動きがややもっさりしている。 --カメラワークが一部悪い。操作キャラが見えなくなってしまうことが非常に多い。 --近接攻撃が棺桶を一度振り回すだけ、銃のバーストのように連続で振り回すことができず、いったんモーションが終わるまで再度繰り出せない。空中でも出せない。 ---続編ではバーストとコンボ攻撃が追加され、空中で出すと急降下して衝撃でひるませるようになった。 --アートポイントが不可視のため、基準となる行動がわかりづらく、増加しているかどうかがわからない。 ---少なくとも、前述した「敵全滅後の見栄ポーズ」はやっておかないと満点評価は獲得できない。 -ゲームバランスも大味すぎてあまり良いとは言えない。 --前述したようにゴリ押しが基本となるシステム。本作はガードや特殊な防御手段がないため、そういったところが余計押し出されている。 ---このため本作の難易度は低い。これについてはゲームのコンセプトと、グレイヴの強さを示す演出を兼ねていると取れることからそもそも一概に批判できる話ではないのだが。 ---しかし、ラスボスの前のボスなどは''まともに食らえばシールドを一発で削ったうえにライフまで一瞬で削るほど、威力が高く持続も長い攻撃''を繰り出してきたりする。回避は難しくはないが…。 -ボリューム不足 --ステージ数が少なく、1つのステージも短いため、1周ごとのプレイ時間も非常に短い。慣れれば1時間ほどでクリアできる。 --難易度設定や隠し要素(ステージセレクト、スローモードなど)はあるし、前述したステージクリア時の評価や全ステージクリア時の評価による称号もあるので、周回プレイをすることが前提のゲームであることは間違いない。最高の称号獲得やステージクリア評価全満点を獲得しようとするとかなり骨が折れる。が、全体のプレイでできることが少なく飽きやすい。 --逆に言うと、「一個ステージをクリアして、セーブして中断する」というプレイをすれば、公式の発言通り「10分だけ遊んで眠る」が実現可能であるのだが。 ---- **バカゲー? -デザインや設定、演出など、公式であえてバカバカしく作っている節が見られる。 --そもそも、''本作のコンセプトが「何も考えずぶっ壊すゲーム」''というのが既に(いい意味で)バカバカしい。 --グレイヴのデザインが「帽子を被って潰れた目が隠れるデザインの眼鏡をかけた、装飾がごついコートの細身な男」で、それが通常の拳銃の数倍はあろうかというようなデカい拳銃二丁と鎖で両腕に縛り付けた重装備の棺桶をぶら下げている。劇中でもコスプレ扱いだが、''危険人物以外の何物でもない''。 ---そもそも、''武器が棺桶というのが物凄く胡散臭い''。というか劇中でも普通に「棺桶」扱いされているが、武器と機械がゴテゴテ積まれているそれはどう見ても棺桶には見えない。髑髏が覗いているのが辛うじて棺桶らしい部分か。 ---棺桶の武装は映画『デスペラード』のパロディ((あちらはギターとギターケースだが、本作の続編『O.D.』では操作キャラの一人が本当にギターを武器にしてしまった。))だろうか。ロケットランチャーを撃つときの構えはそのまんまだし。 --メカのギミックは細かいのだが、物理的にありえない武装の積み方がされていたりする。 ---ケルベロスの弾は無限と書いたが、設定上は弾数がある。''10億発。''いくらデカい拳銃とはいえ、どこに入るのか。 ---棺桶に積まれている武装はマシンガンに連装ミサイルランチャーに巨大ロケットランチャー。さらに後述するようにファイナルデモリッションショット用の機関部が積まれている。個人で抱える兵装としてはあまりに過剰な上にこれらのすべてが当然のごとく弾数無限。ゲームとはいえ四次元にでもつながっているのか? --幹部は人物像の描写が少ないながらも、全員なかなか強烈なキャラをしている。オーグマンに変身した後の姿も含めて。 ---幹部の一人「ボブ・パウンドマックス」のオーグマン形態は複数のプロペラで飛行するというもの。どういう発想でそんな姿が浮かぶのか……。 ---幹部の一人「ベア・ウォーケン」は日本かぶれという設定なのだが、その対決ステージである彼の道場は鳥居が何本も立っているなど間違った日本観を示している。そして待ち構えている彼と対面すると、''変身と同時に道場をぶち壊す''。 --既に述べたグレイヴの見栄ポーズだが、スタッフ曰く「グレイヴは本気で格好いいと思っている」とのこと。……感情ないんじゃなかったのか。 --あるステージのムービーでは、巨大なサイドカーに棺桶を積んで走るグレイヴの姿が映される。これで壁を走ったり棺桶のミサイルをぶっ放して警察のエアカーを落としたりと豪快に動き回る。 ---このバイク、藤島康介氏のセンス全開のデザインで好評なのだが「''バカバカしさが足りない''」という理由で何度もリテイクを食らったそうな。 --「ファイナルデモリッションショット」でムービー付きでボスにトドメを刺せるのは前述した通りだが…。 ---巨大なミサイル数発撃っただけで終わりのような地味なものや、『''棺桶中央の機関部が動いて、バイクのように棺桶ごと回転しながら周囲に向けて機関銃を乱射する''』という技を''一体の敵に''やったりと、どこか妙なものが集まっている。 ---ラスボス相手には''それまでのファイナルデモリッションを全部ぶっぱなす''。や、やりすぎでは…? --おまけモードでは登場するキャラクターの3Dモデルが見れるものがあるのだが、なぜか''本当に商品化されたフィギュアのようにパッケージ''されている。 --上の製品紹介にある画像の通り、パッケージイラストはグレイヴの背中を映し出した渋くてかっこいいものだが、これを外して裏を見ると…。 ---内藤氏の漫画では、単行本のカバーを外すと、カバーイラストの構図を踏襲した構図で登場人物が奇行に走っていたりはっちゃけたりするというのが定番である。本作も見事にそれを踏襲。 ---続編『O.D.』では(残念ながら?)採用されず。 -そんな本作だが、シナリオ自体はかなり暗く、''ギャグが入る余地は全くない''。演出の派手さやバカバカしさ、テクノロジーの設定などのぶっ飛びっぷりに目が行くが、全体的に影を落とした雰囲気が本作の持ち味である。 --主人公・グレイヴはハリーの撃破のために、淡々と立ちふさがる敵を撃破していく。まさに死神。 ---その一方で、ミレニオンが幅を利かせ治安の悪いこの都市に光をもたらす「希望」とみなして称賛する人もいることがDr.Tのセリフでわかる。 --対するハリーは権力に固執し、全てを想いのままに操るべくシードなどの技術を手にした悪党。かつてのボスを死に追いやり、その妻マリアをも手にかけ、ミカの命まで狙うという外道ぶりを発揮する。 ---アニメ版では権力に固執するようになった理由と過程が丁寧に描かれているが、ゲームではほとんど描写されないうえに、セリフや各種行動がアニメ版のそれよりもさらに非道。 --グレイヴの仲間と言える人物は今やDr.Tと、戦うことができない幼い少女のミカだけ。さらに中盤でDr.Tはオーグマンに殺されてしまい、グレイヴはただ一人ハリーを倒すこととミカを守ることのため戦いに赴き続ける。 ---- **総評 爽快感あるゲームとしてよく『[[無双シリーズ]]』や『[[デビルメイクライ]]』などと比較されるが、それらとは大きく異なった操作感と雰囲気を作り上げている作品。~ ゲームとしては微妙に至らない部分やボリュームなど、クソゲーとまで言えるほどひどい出来ではないが、手放しで褒められるほどの代物でもない。~ また、シナリオ面でも緻密な設定やセリフ回しなど良い部分は光るが、やはり説明不足など擁護しづらい部分が多い。~ しかし、演出の出来と単純な操作で派手さとバカバカしさを兼ね備えたアクションを実現できる快感はなかなかのもの。~ 人を選ぶ部分は強いが、この雰囲気を楽しめるかどうかで良作にも凡作にもなりうる、まさに奇作である。~ 例えるなら「内藤泰弘原作の遊べるアクション映画」のような感覚のゲームといったところか。~ 内藤泰弘のファンであるならば、買っても損はないと言える一品だろう。 ---- **余談 ***売上げ -『O.D.』の公式ページによると、本作は全世界で30万本以上を売り上げたという。 --内藤氏のファンは海外に多いこともあってか、特に海外での評価は高かったようだ。 ***アニメ版 //あくまでここでは扱わないアニメについて細かく書き過ぎてるので簡略化 -マッドハウスによるアニメが2003年10月6日からテレビ東京系列で全26話が放送された。 --基本的に原作の設定を踏襲しているが、世界観はほぼ完全にと言っていいほど異なる他、一部の設定が変更されており、ゲームとは異なる結末となっている。 --アクションメインのゲームとは打って変わって登場人物の心理描写や細かい関係などがメインの作品で、原作では必要最小限の描写だったグレイヴとハリーの過去等もかなりの話数を割いて丁寧に描写。 ---第1話でゲーム版に近い雰囲気でアクション中心の現代の話をやった後、第2話から第17話まで''全26話中16話''を使って、がらりと雰囲気が変わった過去編を放送した。そこで語られた過去から繋がる現代の闘争、そして衝撃的なラスト等、マフィアという特異な世界や劇中で多用される「ファミリィ」という言葉を重点に据えた本格的なハードボイルド作品としての評価は非常に高い。''「[[男の義務教育>https://dic.nicovideo.jp/a/%E7%94%B7%E3%81%AE%E7%BE%A9%E5%8B%99%E6%95%99%E8%82%B2]]」などと言われることも''。 ---とはいえ、話の盛り上がりに欠ける期間が長すぎた為に「淡々として盛り上がらないアニメ」と途中で視聴を切ってしまった視聴者も非常に多い。 --全体の作画の出来や演出の完成度も高く、今堀恒雄氏作曲のBGMや、Scoobie DoによるEDテーマ『茜色が燃えるとき』など音楽面でもまた好評。 --概ね原作ファンから好評のアニメ化ではあるが、一部の声優変更や、設定・デザインの変更は賛否がある。 ---ゲームでは喋らなかったグレイヴもアニメでは口数は少ないながらも喋るようになっており、関智一氏が担当。この配役は『O.D.』でも継続。 ---ヒロインのミカはゲーム版では川上とも子氏(『O.D』でも続投)だったのだが、川上氏が2011年に逝去した為、後年の続編ではアニメ版でミカ役を担当した佐久間紅美氏が引き継いでいる。 ---- **続編 -続編として『[[GUNGRAVE O.D.]]』が2004年3月4日に発売された。詳細は作品ページを参照。 ---- **その後の展開 -アイディアファクトリーのゲーム『[[カオス ウォーズ]]』にて、続編『O.D.』から数人のキャラが参加している。 --が、(この作品に限らないが)一部の人物の声優が原作と異なったり、必殺技のカットインが原作のムービーを流用したものであったりと不評。 -2010年7月2日にAnime Expo 2010で実写映画化と書籍化が発表されたが、''10年以上経った2021年現在も未だに続報がない。'' -2017年12月14日、本作をVR向けに最適化し『O.D.』から数年後のストーリーを描く『GUNGRAVE VR』がPS4で発売。2018年8月23日にはその続きを描いた『GUNGRAVE VR U.N.』もリリースされた。 --開発は両作とも韓国のIGGYMOBが担当。また、2作をまとめた『GUNGRAVE VR COMPLETE EDITION』も『U.N.』と同日にリリースされている。 ---2019年3月7日には上記2作のWin版もSteamにて配信開始された。 -さらに、シリーズの完全新作となる『GUNGRAVE G.O.R.E』が発表。開発は前述のIGGYMOBが引き続き担当する。 --しかし、こちらは2019年末発売とされたまま音沙汰がなく、そこから2020年に延期され再び情報が途絶えてしまっていた。 ---その後、2021年6月にオーストリアのKoch Media((ゲームパブリッシャーであるDeep Silverを傘下に持つ複合メディア企業。現在はTHQ Nordic AB(THQ Nordicの親会社)が持株会社となったEmbracer Groupの傘下企業。2022年8月4日に社名を「PLAION」に変更。))が新たに立ち上げたゲームブランド「PRIME MATTER」から2022年内にCS機とPCで発売することが決定。 --そして約1年後、「gamescom 2022」において予定通り2022年にPS5/XSX/PS4/One/Winで発売されることが改めて発表された。 ---同時に発売初日からXbox(PC) Game Pass入りすることも決定。その後、2022年11月22日に無事発売を迎えた。

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