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鳥人戦隊ジェットマン - (2011/06/06 (月) 09:54:13) の最新版との変更点

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*鳥人戦隊ジェットマン 【ちょうじんせんたいじぇっとまん】 |ジャンル|アクション|~| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|エンジェル|~| |開発元|ナツメ|~| |発売日|1991年12月21日|~| |定価|6,000円|~| //|分類|''微妙ゲー判定''|~| |ポイント|ボリューム不足、若干単調な展開が問題|~| **概要 -同名の特撮番組「鳥人戦隊ジェットマン」のゲーム化にあたる。当時ブームであったトレンディドラマを意識したハードな内容の作品で、高年齢層のファンの間で話題となった。 --そのため、ノベライズ(ベッドシーンありの大人向け)や、後日談マンガ、新撮シーンありの総集編ビデオと、様々な展開が行われた。そしてスーパー戦隊シリーズ初の単独ゲーム化も成し遂げたが…。 -一人プレイ専用、全6ステージ構成、イージー、ノーマル、ハード、ベリーハードの四段階の難易度調整が可能(前者2つは初めから選択可能、後者2つは裏技扱い)。 **主なルール -このゲームは道中戦とボス戦によってルールに相違があるので個別に示す。 -メインモードとは別に、ボス戦部分のみで遊べるバトルモードが存在する。それも下記に示す。 ***道中戦 -まずステージが始まる前に5人のジェットマンから1人を選ぶ事となる。どのキャラを選んだかによって通常攻撃と最大ライフ数値に差があるが、ステージ構造などに変化がある訳ではない。また、各ステージ毎にキャラセレクトが可能。以下キャラの詳細。 --「レッドホーク」(赤) - 使用武器はブリンガーソード(剣)。初期/最大ライフは8。 --「ホワイトスワン」(白) - 使用武器はバードブラスター(銃)。初期/最大ライフは6。 --「イエローオウル」(黄) - 使用武器はウイングガントレット(拳)。初期/最大ライフは7。 --「ブルースワロー」(青) - 使用武器はバードブラスター(銃)。初期/最大ライフは6。 --「ブラックコンドル」(黒) - 使用武器はブリンガーソード(剣)。初期/最大ライフは8。 -キャラを選択した後は、5つあるステージから1つを選び、そこからスタートとなる。ステージをクリアすれば残りのステージも再度選ぶ事となる(クリアしたステージは選べない)。5ステージすべてを選択/クリアすれば、最終であるステージ6が出現する。なお、どの順序でステージを選ぼうが難易度やエンディングが変化するという事は無い。 -十字キーにてプレイヤーであるジェットマンの移動、Aボタンで攻撃、Bボタンでジャンプ、STARTボタンでスカイアタックを行う。 --Aボタンで通常攻撃。しゃがみ中、ジャンプ中でも攻撃可能。使用キャラによって性能に相違がある。 --十字キー上+Aボタンで蹴り上げ攻撃(上方向に強い攻撃)。ジャンプ中でも攻撃可能。全キャラ共に性能は全く同じ。 --Bボタンでジャンプ。ボタンの押す長さによってジャンプ力が違う他、ジャンプ中の移動制御や向き調整も可能。 --画面下のスカイアタックストックがある状態にてSTARTボタンを押すと、画面内の敵を一掃できるスカイアタックが発動。ストックが無い状態では一切の使用はできない。 ---STARTボタンがスカイアタック効果という関係上、通常のポーズはSELECTボタン押しとなっている(下記のボス戦も同様)。 ---また、スカイアタックはストック1しか所持できない。消費後に再ストックするには、下記アイテムを取るか、使用キャラがミスして次キャラへ切り替わるか、ステージクリアするか、のいずれかの方法がある。 -ときおり敵を倒すと2タイプのアイテムを落とす。効果は各自、ライフゲージが回復する「ライフ回復」(小と大の2種類あり)と、スカイアタックストックが増える「スカイアタック」が存在する。 -各ステージにおいて特定場所まで進めば道中戦は終了となり、巨大ロボ等身である下記のボス戦に移行する。このゲームにおけるボス戦は必ず巨大ロボ戦であり、人型時におけるボス戦は一切存在しない。 -ライフ制で使用しているキャラのライフが0になるとそのキャラはミスとなる。ダメージにおけるライフゲージ消費数はどの敵接触や敵攻撃をもらおうが、必ず1で固定となっている。また、即ミスするような要因は一切存在しない。 --使用キャラがミスすると再度キャラセレクトに移行し、ミスしたキャラを除く選ばなかった残りキャラの誰かを選択して、そのステージの再チャレンジが可能となっている。そのステージにおいて、5人のキャラが全員ミスすればゲームオーバー。ステージをクリアすれば、次ステージにてミスしたキャラは全員復帰する。 ***ボス戦 -そのステージの道中戦にて特定場所まで進めば、原作お馴染みの巨大ロボ「グレートイカロス」を操作し、巨大敵との1vs1の対戦格闘方式でバトルを行う。これに勝てばそのステージはクリアとなる。 -十字キーにてグレートイカロスの移動、Aボタンで攻撃、Bボタンでジャンプ、STARTボタンで必殺技を行う。 --Aボタンで通常攻撃。ジャンプ中の攻撃が可能だが、ボス戦にはしゃがみそのものができない。 ---Aボタンをタイミング良く連続で3回押せば連続攻撃が可能。但し、敵に近づいても必ずしも全攻撃がヒットするとは限らない。 --Bボタンでジャンプ。道中戦同様にボタンの押す長さでジャンプ力が反映され、ジャンプ中の制御が可能。但し、対戦格闘形式なので振り向き動作の変更は一切できない(グレートイカロスが必ず右側を向いた状態でのバトルとなる)。 --十字キー下で敵の攻撃をガードする。但し、完全にはダメージは防ぎきれず、微小にダメージは減る(いわゆる王道2D対戦格闘でいうところの必殺技削りダメージに該当)。 --画面下にパワーゲージが表示されており、これが溜まっている最中にSTARTボタンを押せば必殺技が出せる。ゲージは時間経過で上昇し、溜まり方によっては必殺技の効果が変わる(多く溜まっている程高性能な技が出る)。 -グレートイカロス側、敵側共に画面下にてライフゲージも表示されており、こちらが敵ライフを0にすれば自動的にとどめの必殺技演出が発動して勝利(ステージクリア)となる。逆にこちらのライフが0になるとゲームオーバー。 -道中、ボス戦共に、ゲームオーバー後は無限コンティニューが可能だが、必ずそのステージの最初からのやり直しとなる(ボス戦も例外ではなく道中戦からの再スタート)。 -タイトル画面で数字4文字のパスワードを入力する事により、途中ステージからの再開が可能。パスワード表示はステージクリア後かゲームオーバー後にて毎回表示される。 ***バトルモード -メインモードのボス戦のみを行えるモード。操作方法やルールなどはボス戦と全く同じ。 -戦いたいボスを5体から選びバトルスタート。ちなみに選べるボスは最終ステージ以外のステージボスと全く同じで、このモード専用のボスは特に存在しない(最終ステージ(ラスボス)はこのモードでは選べない)。 -バトルに勝っても負けても、専用の一枚絵が表示されるだけで、再び好きなボス戦を選んでの再トライとなる(倒したボスとの再戦も可能)。すなわち、飽きるまで好きなボスと戦い続けるエンドレスゲームである。 **問題点、及び賛否が分かれそうな点 -道中戦にてジェットマンを5人から選べるといえば聞こえはいいが、そのバリエーションはかなり少なく、同性能のキャラが被りまくりである。 --レッドホークは剣による接近メイン。イエローオウルはライフがレッドより低く、レッド同様接近戦専属。ホワイトスワンは銃による射撃が可能で攻撃力、ライフ値共に最弱。 --そして、上記のルールに述べたキャラ詳細を見ればわかると思うが、ブラックコンドルはレッドと、ブルースワローはホワイトと''それぞれ完全に同性能''。ぶっちゃけ単なる色分け同キャラでしかない。 --イエローはレッド、ブラックのそれに比べると微妙にライフ値と攻撃リーチが違う事を除けば、はっきりいって性能差は感じられないので、''これもほぼ同性能と思ってもらっていい''。すなわち、このゲームにおけるジェットマンの性能差は、''「レッド、イエロー、ブラックの接近型」と「ブルーとホワイトの射撃型」の2タイプしか存在しない''のである。 --説明書には「ステージに合わせたキャラを選べ」とあるが、このキャラバリエーションの少なさでどう使い分けろというのだろうか? むしろ、ジェットマンが5人いるのは、''ただの残機数要因でしかない''と考えるべきであろう。 -道中、ボス戦共にステージバリエーションが少ない上にかなり短く、どれも似たような構造に遭遇しがちで、短時間でクリアできてしまう。 --道中戦は一部ステージにて、動きが遅くなる「水溜り」がある以外は、トラップ、落とし穴といったものが無い上に、複数の地形を移動させるような自由度も皆無なので、''ただひたすら一本道を進んでいくだけ''という面白みの薄いものとなってしまっている有様である。 ---全体的に出現する敵種類、及び数が少ない上にどれも即効で倒せる程弱いので、スカイアタックを使う機会すらも薄い。仮にスカイアタックが幼児プレイヤー向けの為にごり押しクリアができる存在として見ても、ストックできる数が少ないので大して救済処置になっていない。 --ボス戦におけるボス全般はどれも見た目が違うだけで、主な攻撃パターンが素手の突きと飛び道具の2種類しか攻撃方法がない。グレートイカロス側もできる行動が少ないので、どうあがいても単調な操作しかできない。 ---しかも、どのボスにおいても「''ひたすら防御してパワーゲージが最大まで溜まり次第必殺技を出す''」というチキンな方法で勝てる。というか後半のボスは動きが激しいのでそうしなきゃまともに勝てない。 -難易度はどれも雑魚敵の数と耐久度がアップする程度の違いで、あまりゲーム性の豊富さには繋がっていない。隠しであるハードとベリーハードも、その実態は''単にキャラのライフが1のままでプレイさせられるだけ''と、明らかにやっつけ臭い水増し具合となっている。 -FCのハードスペックの関係上もあるだろうが、ステージ中のキャラの書き込みに乏しく、''なんか小ぢんまりとしたキャラが動いているようにしか見えない''。初見でこれをジェットマンのゲームと判別するのは厳しいと思われる。 --原作では様々な個性付けがなされたジェットマンの面々だが、本作では本当に色が違うだけで、凄まじくコンパチ具合が激しいものとなっている。原作において下半身がスカート型になっている女性であるホワイトとブルー、肥満体で他メンバーより一回り胴回りが大きいイエローといった面子も、このゲームではみんな同じグラフィックとなってしまっている。 --グラフィックそのものの出来は悪くはないのだが、いかんぜんジェットマンのゲームとして見ると、何のゲームかわからないまでに原作らしさが再現できていないのである。 --ボス戦においては、グレートイカロスや敵の書き込み自体は素晴らしいのだが、どのステージも''背景が黒一色で異様に外観が寂しいバトル''となっている。これもFC性能の影響でそうなってしまったのだろうが、もうちょっと街中で戦っている感を出せなかったのだろうか? -原作ば歴代のスーパー戦隊の中でも「飛行しながら戦う」事を主体としたバトルが好評を得たのだが、本作はどのステージも地上戦オンリーで原作における空中戦再現もできておらず、ますますジェットマンらしさが感じられない。ちなみに、唯一ゲーム内にてジェットマンが「飛行」できる機会があるのは、ボム扱いであるスカイアタック((スカイアタックを使用すると、ジェットマンがその画面内で一時的に飛行し、画面全体に爆撃をあたえるという演出がある。この時の飛行はあくまでも演出であり、任意で空を飛べる訳では無い。))のみとなっている。 -ゲーム中に原作のドラマシーンや会話は一切無い。更に原作の悪の華であった幹部キャラは一切出てこない為、キャラゲーとしての魅力ははっきりいって悪い部類に入ってしまう。 -ボス戦で使用でる機体はグレートイカロスのみ。グレートイカロスの合体前にあたるジェットイカロスとジェットガルーダは使用できない(各機体共にOPデモやボス戦前のイベントシーンに姿を見せるのみ)。また、第三のロボであるテトラボーイは一切登場しないが、このゲームがリリースされた時期的((テトラボーイが原作に登場したのは放送後半で、放送中盤発売の本作に入れるのは無理がある。))に考えると、未登場なのは仕方ないだろう。 **評価点 -ナツメ製だけあって、アクションとしての土台はしっかりと作られている。操作性も良質で、無駄なストレスに遭遇する事はまずあり得ない。 -OPデモ、ボス戦前のイベントシーンにおける、ジェットイカロスとジェットガルーダが合体してグレードイカロスになるイベントシーンはやけにクオリティが高く、一見の価値はある。ぱっと見はFCのゲームをは思えない程の職人的書き込みとなっている。 -BGMはFCの性能を超えているといっても過言ではないレベルの音源で、極めて高クオリティである。また、OPデモシーンのテーマソングもインストバージョンとしてTV版を上手く再現している。しかし、残念ながらサウンドテストは不可。 -ゲームそのものに特に致命的な不備は無い。そういう意味ですんなりと入り込めるお手軽さはある。よくいえば初心者に優しいアクションゲームといえる存在であろう。 --また、キャラゲーにありがちな、テンポを阻害するような過剰な演出が無いので、好意的に解釈すればテンポよくさっくりクリアできるともとれる。 **総評 -ジェットマンのゲームとしても、ナツメ製のゲームとしては微妙な出来ではあるものの、遊べない酷さでも無い。ジェットマンとしてもアクションとしても、今一歩作りが足らなかった惜しい一作。 -翌年、後番組「恐竜戦隊ジュウレンジャー」も[[ゲーム化>恐竜戦隊ジュウレンジャー]]されたが、あちらは番組の内容に合わせたミニゲームを盛り込むなど、キャラゲーとしては少しはマシな出来になっていた。ゲーム性そのものは本作よりも明らかに劣化しているが。
*鳥人戦隊ジェットマン 【ちょうじんせんたいじぇっとまん】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000068IBH)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|エンジェル|~| |開発元|ナツメ|~| |発売日|1991年12月21日|~| |定価|6,000円|~| |判定|なし|~| |ポイント|スーパー戦隊シリーズ初の単独ゲーム化&br()アクションゲームとしては手堅い作り&br()キャラゲーとしてはボリューム不足かつ単調|~| |>|>|CENTER:''[[スーパー戦隊ゲームリンク>スーパー戦隊シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1991年から92年まで放送されていたスーパー戦隊シリーズの1作『鳥人戦隊ジェットマン』のゲーム化作品。~ 『ジェットマン』はシリーズのマンネリ化を打破するために意欲的な試みを多く行った作品であり、特にトレンディドラマの要素を取り入れた恋愛ドラマ((第1話で行方不明になった恋人が忘れられないレッド、ブラック→ホワイト→レッドという一方通行の三角関係、洗脳され敵組織の女幹部としてレッドと対峙する恋人、その女幹部を独占しようとする男幹部という、複雑な関係が展開された。このおかげでイエローとブルーは蚊帳の外になってしまい、それぞれの主役回はちゃんとあるのだが、ぶっちゃけ空気ぎみ。))は視聴者に強烈な印象を残した((放送後にノベライズ版(なんとベッドシーンあり)、ある敵幹部の後日談を描いたコミック版、ジェットマンメンバーの後日談が収録された総集編ビデオが発売されるなど、シリーズとしては異例の高年齢層向けのメディア展開がなされた。その後も『海賊戦隊ゴーカイジャー』において別のジェットマンメンバーの後日談を描いたエピソード「翼は永遠に」が放送され、歴代戦隊の特徴を歌詞にしたED曲『スーパー戦隊ヒーローゲッター』では「ジェットマンはトレンディ」と歌われた。))。~ そんな原作に対して、本作はメイン視聴者である低年齢層を意識した、横スクロールのアクションゲームとして発売された。1人プレイ専用で「イージー」「ノーマル」「ハード」「ベリーハード」の4つの難易度が選択できる(後者2つはエンディング後に表示されるコマンドを入力することで解禁される隠し要素)。 //文章を一部修正。 ---- **主なシステム -ゲーム開始後にA~Eの5ステージが出現し、全てをクリアすると最終ステージに進むことができる。 -各ステージの奥まで進むと次元獣/バイオ次元獣(本作の怪人)が出現し、ジェットイカロス(巨大ロボ)に乗って戦うボス戦に移行する。 ***道中戦 -ステージ選択後、5人のジェットマンから1人を選ぶ。選んだメンバーによって下のように武器と初期ライフが異なるが、ステージ構造などは特に変わらない。 |メンバー|使用武器|初期ライフ| |レッドホーク|ブリンガーソード(剣)|8| |ホワイトスワン|バードブラスター(銃)|6| |イエローオウル|ウイングガントレット(拳)|7| |ブルースワロー|バードブラスター(銃)|6| |ブラックコンドル|ブリンガーソード(剣)|8| -十字ボタンでジェットマンを操作。Bボタンでジャンプ、Aボタンで攻撃。十字ボタン上+Aボタンで蹴り上げ攻撃(上方向に強い攻撃)が可能(どのキャラクターでも性能は同じ)。 --ストックがある状態でSTARTボタンを押すと、各キャラクターにつき1回だけ画面内の敵を一掃できる「''スカイアタック''」を放つことができる。ストックは敵が落とすアイテムを集めることで貯めていく。 --このため、本作でポーズをするときはSELECTボタンを押す必要がある。 -ライフが0になると1ミスで、別のメンバーから改めて1人を選ぶ。ステージクリア後は再び5人から選べるようになるが、同じステージで5人全員がミスするとゲームオーバーとなる。 --敵からのダメージは1固定で、敵が落とすアイテムで回復することができる。 ***ボス戦 -グレートイカロスを操作し、敵怪人と1vs1のバトルを行う。基本操作は道中戦と同じだが、以下のような格闘ゲームに近い操作性になっている。 --通常攻撃は最大で3連続まで放てるが、敵が攻撃を避けたりガードしてきたりすることがある。 --ジャンプの距離や空中での動きは制御できるが、振り向き動作は用意されておらず、グレートイカロスは必ず右側を向いた状態で戦う。 --十字ボタン下で敵の攻撃をガードできるが、ダメージを半減するだけでノーダメージにはできない。 --画面下のゲージが一定量溜まっているときにSTARTボタンを押すと必殺技が出せる(ポーズはSELECTボタン)。ゲージは時間経過で上昇し、多く溜まっているときダメージは大きくなる。 --敵のライフゲージを0にするとグレートイカロスが必殺技を放つ演出が挿入されてステージクリアとなる。逆にこちらのライフが0になるとゲームオーバーとなる。 -コンティニューに制限はないが、そのステージの最初から(ボス戦でゲームオーバーになった場合も道中戦の最初から)のやり直しとなる。 --タイトル画面で数字4文字のパスワードを入力する事により、途中ステージからの再開が可能。パスワードはステージクリア後かゲームオーバー後に表示される。 ***バトルモード -ラスボス以外のステージボスと戦うことができるモード。勝っても負けても専用の一枚絵が表示され、その後は再び好きなボス戦を選んでの再トライとなる(倒したボスとの再戦も可能)。飽きるまで好きなボスと戦うことができるエンドレスモードである。 ---- **評価点 -ナツメ開発の作品だけあって操作性は良好。アクションゲームとしてストレスを感じるところはまったくない。 --「演出のが薄い」というのは裏返せば「過剰な演出がない」ということでもあり、テンポよく進めていくことができるのは、アクションゲームとしてはプラス評価になる。 -OPデモ、ボス戦前のデモにおける、ジェットイカロスとジェットガルーダが合体してグレートイカロスになるアニメーションはクオリティが高く、一見の価値はある。ぱっと見はFCのゲームとは思えない程の職人的書き込みとなっている。 --スタートボタンで上記のアニメシーンのスキップが可能。頻繁に挟まれるシーンなのでありがたい機能。 -BGMはFCの性能を超えているといっても過言ではないレベルの音源で、極めて高クオリティである。また、OPデモシーンのテーマソングもインストバージョンとしてTV版を上手く再現している(残念ながらサウンドテストは不可)。 ---- **問題点 -ジェットマンの性能に差がない --''レッドとブラック、ホワイトとブルーは使用武器・ライフ値も同一の完全なコンパチ''であり、実質的には3種類しかキャラクターがいない。 --しかも、イエローとレッド・ブラックとの性能差もほとんど感じられないので、''「レッド・イエロー・ブラックの接近型」と「ブルー・ホワイトの射撃型」の2種類しか存在しない''と言って差し支えない。 --説明書には「ステージに合わせたキャラを選べ」とあるのだが、道中戦の仕様を考えると、彼らの存在意義は''残機数''と考えるべきであろう。 -アクションゲームとして単調すぎる --道中戦はどのステージもひたすら一本道を進んでいくだけで、武器で攻撃しないと壊せない壁や一部ステージに動きが遅くなる水たまりがある以外はトラップもギミックもない。「''落とし穴すら存在しない''」と言えばその低難度ぶりが分かるだろうか。 --ザコ敵の種類も数も少ないうえにどれも弱く、せっかくのスカイアタックも使う機会がないままクリアできてしまう。 --ボスはどれも見た目が違うだけで、主な攻撃パターンが素手の突きと飛び道具の2つしかない。グレートイカロス側もできる行動が少ないので、どうあがいても単調な操作しかできない。 --ボス戦は「''ひたすらガードしてパワーゲージが最大まで溜まり次第必殺技を出す''」という戦法で勝てる。というより、ボスによっては攻撃が激しくてそうしないとまともに勝てない。 --難易度の違いはザコ敵の数と耐久度がアップする程度。「ハード」「ベリーハード」の実態も、''ライフが1のままでプレイさせられるだけ''という水増し気味の内容である。 -演出の物足りなさ --道中戦の操作キャラクターが小さく、体型・性別が描きわけられていない((原作では女性のホワイト・ブルーのスーツにはスカートがつけられており、肥満体型のイエローは変身後も他のメンバーより胴回りが一回り大きい。))。 --『ジェットマン』は飛びながら敵と戦う場面の多い作品なのだが、本作でジェットマンが飛行するのは、スカイアタックを使用したときの演出のみである。 --ボス戦の背景が黒一色。グレートイカロスや敵怪人のグラフィックの出来が良いだけに、街中で戦っている雰囲気が出ていればと惜しくなる。 --幕間のデモが存在せず、敵怪人がなぜ出てくるのか、ジェットマンがなぜ戦うのかがゲームだけでは分からない。 -原作と比べたときの物足りなさ --道中戦ではグリナム兵(戦闘員)と次元虫(次元獣/バイオ次元獣の元になる魔物)、ボス戦では次元獣/バイオ次元獣、セミマル((敵組織の首領である女帝ジューザが遺した魔物。原作中盤でジェットマンを苦しめた強敵だが、幹部を差し置いてよいほど存在感があるわけではない。ちなみに、本作のボスに選ばれたライトアルマジロとジクウマンモスは、原作ではセミマルを撃破したあとに登場しており、時系列に矛盾がある。))と戦うのに、原作の華とも言える敵幹部はゲーム中に一切出てこない。 --発売時期を考えると原作どおりの展開にはできないだろうが、ジューザをラスボスにするなどのオリジナル展開にすれば、敵幹部を出演させられたのではないだろうか。 --ボス戦で使用できるのはグレートイカロスのみで、合体前の姿であるジェットイカロスとジェットガルーダは、OPデモやボス戦前のイベントシーンの登場にとどまる。 --3号ロボのテトラボーイも登場しないが、テトラボーイの初登場が原作31話=9月であることを考えると、無理はないかもしれない。 //(余談だが「黄色はデブキャラ」と言うイメージに反して、スーパー戦隊シリーズのイエローでデブキャラに該当するのは『秘密戦隊ゴレンジャー』のキレンジャー以外ではイエローオウルだけである。またファンからは「イエローオウルは変身すると(スーツアクターに交代するので)痩せる」とネタにされており、本ゲームでも(パッケージの写真を含め)デブには見えない。 //面白い余談だが、ゲーム本編との関係が薄いのでCO。 ---- **総評 操作しやすく難易度が低い点は子供向けのアクションゲームとして良好だが、操作キャラクターに大きな差がなく、登場人物どうしの掛け合いもないシンプルすぎる演出は、個性を十二分に発揮していた『ジェットマン』らしさをほとんど感じられない。アクションゲームとしてもステージの数やバリエーションが少なく、総じてボリューム不足が目立ってしまっている。~ 『ジェットマン』のゲームとしてもナツメ製のゲームとしても物足りない、惜しい1作である。 ---- **その後の展開 -後継番組の『[[恐竜戦隊ジュウレンジャー]]』もFCでゲーム化され、同じメーカーから発売された。こちらは、キャラゲーとしての演出が改善された一方で、アクションゲームとしての完成度は本作よりも明らかに劣化してしまった。 -秘密基地建設ゲーム『[[アジト3]]』のユニットとして『ジェットマン』の5人が参戦している。オリジナルキャストではないが、檜山修之氏や玄田哲章氏など豪華声優陣が声を当てている。 //また巨大ロボとしてジェットイカロスは出るが、2号ロボのジェットガルーダは未登場。後続機のテトラボーイですら武器の演出で出番があるのに… ///別作品の細かい事情をこちらで記す必要はない。 ---- **余談 -実は「スーパー戦隊シリーズ」でファミコン化された本作と次作『恐竜戦隊ジュウレンジャー』は結果的に原作のシリーズでも作品名の転換点になった作品である。 --それまでは1983~1984年の『科学戦隊ダイナマン』以後「~マン」が王道路線だったが、これ以後は「~レンジャー」が固定路線となった((これ以後「~マン」は1998~1999年「星獣戦隊ギンガマン」が単発で登場したのみ。因みにそれも当初の構想では「ガオレンジャー」だった(この名前は2001~2002年の「百獣戦隊ガオレンジャー」に転用されている)。))。 ---その後2000年代後期にはさすがにネタ切れか「レン」にあたる部分もいろいろ改変されるようになったが「~ジャー」が王道と言うスタイルは、これから30年以上が経過した現在も続いている。 &br

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