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熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲 - (2018/09/14 (金) 19:44:01) の最新版との変更点

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*熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲 【ねっけつこうはくにおくん すぺしゃる らんとうきょうそうきょく】 |ジャンル|熱血2Dアクション|&amazon(B00CL6OW8C,image);| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売元|アークシステムワークス|~| |開発元|エープラス|~| |発売日|2013年8月8日|~| |定価|パッケージ版:4,428円&br;ダウンロード版:4,286円(各税別)|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|熱血硬派シリーズの新ストーリー&br;ABボタンで数多くの必殺技を繰り出す爽快感は健在|~| |>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズリンク>くにおくんシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[熱血硬派くにおくん すぺしゃる]]』及び『[[りき伝説]]』の続編。~ 東京以外の関東圏を傘下に収めた謎の武装集団「関東獅子連合」を相手に「くにお」くんが「りき」や「しんじ」、「みすず」といったライバルを相棒に挑んでいくベルトスクロールアクションRPG。~ 前作のようなリメイクではなく、熱血硬派シリーズの完全新作ストーリーとなっている。 -基本システムは前二作から引き継いでいるが、様々な改良、変更が施されている。~ ゲームはメインモードである「すとーりー」の他、対戦向けモードの「かちぬきかくとう」「くらぶかつどう」、キャラのプロフィールやBGMを鑑賞する「ぎゃらりー」で構成されている。 --モードセレクト時のオプションに限り、『りき伝説』との連動が可能。『りき伝説』に登場したキャラの「かちぬきかくとう(くらぶかつどう)」でのアンロック((本編でも登場するので倒せば連動しなくともアンロック可能))に加え、「りきでんぐろーぶ」「りきでんさらし」を入手した状態で開始できる。 -登場人物と各設定は『すぺしゃる』『りき伝説』から引き継がれている。 --「りき」と「しんじ」の関係、「ひろし」や「みさこ」など旧作キャラの性格と言ったキャラ設定も前二作に準じている。前二作からの新参キャラも続投。 --ダウンタウンシリーズなど他シリーズのキャラも登場するが、前作同様あくまでゲスト出演であり「すとーりー」に絡む事は無い。~ それに伴い、「りき」の彼女としてダウンタウンシリーズの「まみ」ではなく『[[新・熱血硬派 くにおたちの挽歌]]』の「きょうこ」が実に''19年ぶり''に登場するのも特徴。 **本作からの変更点 -食事や買い物によるパラメーターアップはレアアイテムを除いて無くなり、基本的には体力(気力)回復or復活に限定されるようになった。 --基本的にパラメーターの上昇はレベルアップによるものとなる。すばやさのみはレベルアップでも上昇しないため、レアアイテムか装備品で補強する事になる。 --アイテムの効果は下画面に表示されるようなり、アイテムを買わずとも効果がわかるようになっている。 -装備品は部位を問わずに1人につき3つまでとなった。能力アップの装備品や、特定のアクションの強化(ジャンプ回数が1段階増加する「ろけっとかばん」等)特殊効果(アイテムの「こうかが2ばい」等)と言ったアイテムが該当。 --部位を問わないため、靴アイテムばかりを3つ装備して素早さをひたすら底上げする事も可能となっている。 --特殊アイテムも重ねがけが可能。例として「ろけっとかばん」を3つ装備すると4段ジャンプが可能になる他、「けいけん2ばい」を3つつける事で通常の4倍経験値が入る。 -敵を倒した時にアイテムを落とすようになった。特にボスキャラの場合は非売品の必殺技アイテムを落とす場合もあり、買い物以外での必殺技習得手段が増えた。 --敵が落とす「換金用アイテム」も店で直接売る形に変更され、必要に応じて好きな数を売る事が可能となった。 -『すぺしゃる』に存在していた「クエスト」は「アルバイト」に変更、「池袋」のトライワークで依頼をうける事で最大3つまでのアルバイトを請け負うことが可能。 --「特定の場所で敵を○○人倒せ」といったものや「パンチを100回する簡単なお仕事」といったモノが存在。報酬はお金の他にレアアイテムや必殺技アイテム等がもらえる。 -相棒を連れていけるようになった --ストーリーの進行によって「りき」「しんじ」「みすず」の内の一人を相棒キャラとして連れて行ける。 ---熱血高校前にいる「みさこ」に話しかける事でいつでも相棒の変更が可能。 ---ボタン一つで「つっこめ!」「えんご!」「さがれ!」「おまかせ」といった命令を出す事が出来、互いの攻撃判定も一切存在しないため、~ それまでの[[こちらを殴り殺してくる仲間>初代熱血硬派くにおくん]]や、[[こちらにまとわりついて邪魔になる仲間>ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!]]に比べるとストレスの少ない仕様になっている。また、連れて行かないことも可能。 ---相棒がやられてしまった場合は復活アイテム(激辛カレー、わさび巻といった劇物系が多い)を食べさせるまでは復活しない。 ---相棒の必殺技はレベルアップで自動習得するものとなり、必殺技アイテムは「くにお」専用となっている。 -倒れた相手を攻撃することで滑っていく仕様や攻撃時のエフェクトなどはなくなり、若干、『[[ダウンタウン熱血物語]]』に先祖返りしている。 -前2作では''特に意味もなく''通行人に暴行を働くことが可能だったが(「くにお」曰く''ちょっと手が滑った、事故'')、本作では攻撃後に通行人の反応が変わるようになった。 --何をするんだよ! と怒られるだけのものもあれば、ヤクザ((アーケード版「熱血硬派くにおくん」の雑魚敵のヤクザと同様の一撃で体力が無くなる超高威力のドス攻撃を放ってくる上に得られる経験値も非常に少ない。余談だが、どの街でも必ず同じ名前のヤクザが襲ってくるので「やけに顔が広いヤツ」というネタにもなっている。))がやってきて報復される、警官を殴って''公務執行妨害で逮捕''されかける、''おやじ狩りと勘違い''される、''肩こりが治ったと感謝''される、喧嘩に発展する等、今までありそうでなかった面白い反応を返してくれるのでちょっとしたお遊び要素になっている。このイベントでのみ登場するキャラまで居るほど。 ***すとーりー -本作のメインとなるモード。くにお達と関東獅子連合との戦いを描く。 -『すぺしゃる』及び『りき伝説』の後日談となる為、これらに出てきた設定やキャラクターも登場するが、前作を知らなくとも特に問題はない。無論、知っていればより感情移入出来る。 -明確な章立ては無くなり、駅を介して「新宿」「横浜」「渋谷」といった街を舞台にストーリーが進行していく。一度行った街は自由に行き来する事ができ((ちなみに電車代などはかからない。電車利用時には買い物と同じように「くにお」がスマイル全開になる。))、ボスとも再戦する事も可能。 #region(周回要素) -一度本編をクリアをする事でステータスやアイテムをそのまま引き継げる他、一部ストーリーの変化、アルバイトの追加、敵の強化や追加、操作キャラの変更といった要素が解禁される。 --これによって2周目は「りき」や%%本作のヒロインの%%「みすず」を操作してプレイを楽しめる((勿論、「しんじ」を操作すれば買い物時に暴走族らしからぬスマイル全開の彼を拝める。「みすず」は一作目FC版準拠なので表情は変わらず。))。 #endregion ***かちぬきかくとう -「すとーりー」で登場したキャラや過去作に登場したキャラを使用して4人対戦を行う。 -本編では『すぺしゃる』のミッションモードと同様に、従来のシリーズからのゲストキャラも登場するので、登場させて倒すことでゲストキャラもアンロックされる((ホッケー部出演の「とびやま」といった本編に登場しない例外キャラもいる))。 -キャラクターのステータスは固定で1~2つの必殺技が使用できる((ただし全く必殺技が使えないキャラもいる。))が、「くにお」が表示されていない「火の玉スパイク」を使用できるなど隠しワザを持っているキャラもいる。 -対戦ステージは『熱血格闘伝説』や『[[熱血行進曲>ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会]]』等に登場したステージの他、駅構内(一定時間ごとに画面中央にやってくる電車にはねられると''即脱落''する)といったユニークなものが登場。 --ステージやBGMは後述の「くらぶかつどう」と共用している。 --ダウンロードプレイにも対応、最大4人による対戦が可能。 ***くらぶかつどう -基本は「かちぬきかくとう」と共通する((使えるキャラも全く同じ。))が、対戦方式が『[[熱血高校ドッジボール部]]』の「めちゃぶつけ(くらぶかつどう)」に近いものに変わる。 --ステージ内に落ちているドッジボール(2個)を拾って、他の3人の対戦相手にシュートをぶつける事でダメージを与え、脱落させていく。 --キックボタンがシュート、パンチボタンがキャッチになっており、攻撃手段はシュートに限られている。 --原典と同様にダッシュ後やジャンプ時にタイミングよくシュートを放つ事で必殺シュートを放つ事も可能。 **評価点 -必殺技が豊富 --必殺技は前作、前々作から大量に増加し、本編で「くにお」が覚えられる必殺技だけで28種類もの必殺技が登場する他、同じ必殺技でもキャラによっては性能が異なったり((「まっはきっく」の場合、「しんじ」と「くにお」では速度が異なる))、専用の必殺技が用意されているキャラ((特に「みすず」は規格外のグラフィックであるためか、必殺技のほぼ全てが専用の物になっている))も存在する。 ---「にとろあたっく」や「にんげんぎょらい」といったお馴染みの物や、「貫通シュート」「火の玉スパイク」といったスポーツアクション系のシリーズから採用された物に加え、本作からの新技がいくつか追加されている。 ---新技の「はんまーすいんぐ」は『びっくり熱血新記録』の「ハンマー投げゴルフ」の要領で敵を投げ飛ばし、投げた敵が世界一周して帰ってくるといったシリーズ独特のノリが色濃く出ており、非常に爽快感があり威力も大きい。 --技の数は多いが、従来のシリーズと同様に2ボタン(orジャンプボタン)と方向キーだけで繰り出すものであり、複雑さは無く出しやすい。 ---『りき伝説』同様技の出し方はメニュー画面で確認できる。一部の技は前作から出し方が変更されている。 -ゲームバランス --必殺技のバランスが良好であり、基本的にハメが出来ないように調整されているので耐える事が出来ればいくらでも反撃のチャンスがある。 ---それまでのシリーズでの「じぶんぎょらい」といった、出しておけば死ぬまで完封可能な技はなく、倒れた相手を攻撃しても起き上がるまでの時間は変わらない為、いずれ隙が生まれるようになっている。 --難易度も4段階用意されており、いつでも変更可能なので腕前に応じたプレイも可能。レベルを最大にまで上げた状態でもそれなりに歯ごたえは残っている。 --ボスの体力と気力が従来のシリーズに比べて非常に高く設定されており、中々倒れず、手ごわさを感じる強さになっている。 ---ただし、ガード自体は固くないので理不尽に強いという事はなく、回復アイテムを使うなどで対処できる。 --おまけモードの「かちぬきかくとう」も前々作の「バトルロイヤル」からダメージバランスが改善されており、純粋に楽しめるモードになっている。 ---各シリーズのゲストキャラや本作に登場したボスキャラを操作して殴り合えるという意味でも意義のあるモードになっている。 -戦闘テキストが豊富 --前二作でも敵は消滅時に喋っていたが、今回はそれに留まらず『ダウンタウン熱血物語』と同様に戦闘中にも喋るようになった。バリエーションも増加し、シリアスなものから[[ドラ○エ>ドラゴンクエストシリーズ]]調のナレーション、「この後、自動的に消滅します…」といったメタネタに至るまでバラエティに富んでおり、くすっと笑えるものが多い。 -相棒キャラ --「しんじ」や「みすず」といった従来のシリーズのライバルキャラが一緒に戦ってくれる。 --こちらがボスと戦っている間に取り巻きの雑魚と戦ってもらう、アルバイトの雑魚掃除の手伝いをしてもらうといった共闘感を得やすい物になっている。 --「しんじ」については今作でやっとパッケージに載る事が出来た。 -ストーリー --テクノス倒産後のくにおくんシリーズは基本的に過去作のリメイクであり、ストーリーも既視感が強いものが多かったが、本作は完全新作であり、シリーズ経験者も新鮮な気持ちでプレイする事が可能。 --原作者である岸本良久氏が自ら手掛けたシナリオであり、本来の『くにおくん』らしい雰囲気も申し分無い。 --敵役の「関東獅子連合」も印象的・魅力的なキャラが多く、従来のシリーズのキャラに比べても見劣りしない。 #region(ネタバレ) -ストーリーの終盤には香港へ行って映画の撮影と称して『[[ダブルドラゴン]]』のステージ1を模した地形と雑魚が登場し、『ダブルドラゴン』のステージ1のBGMのアレンジをバックに戦うという憎い演出がある。~ 「ダブルドラゴン兄弟」に続いてのシリーズ間のコラボともいえる((このほかにもGB版『熱血硬派くにおくん 番外乱闘編』は、海外で『Double Dragon II』として発売していた。))。 --2周目になると最後に登場する「あぼぼ」が緑色になる(ステージ3の強化仕様)といった芸が細かい部分もある。 --加えて「ダブルドラゴン兄弟((アルバイトで戦うことができる。))」のテーマ曲として「ダブルドラゴン」のメインテーマのアレンジも収録されているのでファンには2度美味しい仕様になっている。 --余談だが、「くにお」が香港の映画スタジオへ行って大暴れするという設定は幻となった『熱血硬派くにおくん~九龍の爪~』((『くにおたちの挽歌』の続編として企画されていた。))の設定を引き継いでいる。 #endregion **問題点 -キーのカスタマイズが不便 --何故かXボタンは「仲間への指示変更」に固定されており、カスタマイズする事が出来ない。前作では「ジャンプをXボタンに割り当てる」事が出来ていたが、本作では割り当てる事が出来ない。 -バグ --エンディング時にフリーズ、レベルアップ時にフリーズといったバグが存在する。 ---現在、アップデートパッチにより改善されている。 -残念な旧作要素 --特徴にある通り、ダウンタウンシリーズやスポーツ系作品からのゲストキャラはあくまで脇役としての登場で、本編には絡まない。にも関わらずまたしてもパッケージに描かれており(前作に比べればまだ控えめではあるが)、「今度こそ本編に出るかも」と期待するとまた肩透かしを喰らう。 ---一応、前作と違って「すとーりーもーど」にも出るのだが、サブイベントのアルバイトやランダムで出現するレアキャラでのみの登場である。熱血高校や花園高校の生徒であっても本編に絡む事は無く、ストーリー上ではゲストキャラとメインキャラは完全に分離されている。あくまで熱血硬派シリーズとダウンタウンシリーズとでは世界観が区別されているのだろう。 ---だが、それだけならまだしも「運動会の練習をしていたら何故か討伐令が出された熊田と速水」や「空き地でさびしく練習をする姿や早乙女の相手をしてあげる」といった、ダウンタウンファンにとっては残念な出演の仕方が少なくない。 ---勿論、全員がそうと言う訳ではなく、「ごだい」「ごうだ」コンビやダブドラ兄弟などは「挑戦者を求める強者」と言う真っ当な形で登場している。 --「仲間と共に敵のシマに殴り込む」と言う展開が基本の為か、熱血硬派シリーズのキャラに関しても相棒以外は出番が少ない。 ---前作ではメインキャラだった「ひろし」「みさこ」もかなり出番が減った。「みさこ」は相棒キャラ交代の役割なので序盤以外はストーリーにも絡めず、「ひろし」については冒頭でボコられてくにおを戦いに駆り立てる%%いつもの%%役割のみである((本作発売に合わせて放送されたドラマ版の方ではこの二人は主要人物になっている。))。 ---前作で僅かの登場だった「こうじ」に関してはあまり変わっていないが、ミニゲームが追加された事で少し出番が増えた。~ また、同ミニゲーム内ではドッジボール部のレギュラーだった「しんいち」と、''初登場作を除いてハブられ続けた「いちろう」''((リメイク作の『超熱血高校くにおくん ドッジボール部』を除けば実に25年ぶり(!)の登場である。))が登場すると言う芸が細かい所もある。 ---せっかく再登場した「きょうこ」も、操作キャラ交代の役割であり、一周目では台詞が一言あるだけ。二周目では熱血高校前にやってくるシーンが追加されるが、以降は「みさこ」同様にシステム用キャラになってしまう為、やはり空気気味。 ---寧ろ前作からの新キャラである「まどか先生」の方が遥かに出番が多い。終盤は完全に彼女がヒロインになっている。 --ミニゲームの「くらぶかつどう(めちゃぶつけ)」は原典の『熱血高校ドッジボール部』に比べて明らかに完成度が低いクソゲーと化している。 ---通常のシュート速度が妙にゆっくりだったり、必殺シュートの動きに迫力がなかったり、シュートを当ててもあまり人が吹っ飛ばないのに、シュートを外すとやたらとボールが跳ねまわる、変化球を投げられない、といった問題点が目白押しになっている。 ---原点に似せようとする気も、爽快感のいずれも感じられないほど粗の多いミニゲームになってしまっている。 -まだ不足気味のボリューム --ストーリーは10時間ぐらいでクリア可能。ボリュームが競い合うように増大している昨今のゲームと比較すると、物足りなく感じてしまう。 --マップは多くなったが、各エリアのマップ数自体は少なめで、特に少ない所だと駅から2マップ進んだらボス戦と言う所も。 --ストーリーも終盤は駆け足気味で、盛り上がってきたと思ったら一気にラストバトルまで進むような流れである。 --ただし、アルバイトやレベルアップや周回プレイといった要素をこなせばそれなりにボリュームは感じられる。明らかなボリューム不足だった前二作よりは大幅に改善されている。 -キャラボイスが空気 --敵を投げた時、やられた時、ストーリー中の特定のセリフなどでキャラボイスが入るが、ほとんど使用されていないので存在が空気になりつつある。 ---例えば、「くにお」の場合、投げ技の種類は豊富なのに通常の襟掴み投げにしか声がなく「ばっくぶりーかー」などの大技は無言で放たれる。~ 加えて戦闘中に啖呵を切る時も同じセリフなのに声がある時とない時がある。ボイス自体は杉田智和氏などの声優が担当している為、クオリティは高いのだが…… -マルチプレイ問題 --本編はシングルプレイ専用となっており、「かちぬきかくとう」や「くらぶかつどう」もダウンロードプレイのみ対応となっており、Wi-Fiには非対応。~ マルチプレイも楽しいシリーズなので本編を2人でプレイできないのは残念。 **総評 若干のボリューム不足やマルチプレイ問題、フリーズバグが発生していたといったマイナス点は見られるものの~ 前作、前々作からは順当に進歩しており、ゲームとしての完成度は上がっている。~ テクノス倒産後の「くにおくんシリーズ」は、面白さは感じられるがどこか致命的な欠点を抱えていたり、単純にクソゲーだったりと評判が芳しくないものが多いが、~ その中でも従来のシリーズに近い完成度で完全新作をやってのけたという点は十分に評価できる。~ また、従来の「くにおくんシリーズ」も後期になると、難易度が高く慣れるまではまともに遊べなかったり、ゲームのクセが強い、といった作品も多いが、~ 本作は『ダウンタウン熱血物語』や『時代劇だよ全員集合!』の辺りで感じられた「誰でも簡単に殴り合える」ゲーム性が復活しており、万人が楽しめる出来になっている。~ 多彩な必殺技を単純操作で繰り出し、爽快感あふれる2DベルトアクションRPGとしてシリーズ未経験者にもオススメ出来る内容となっている。 **余談 -消費税が5%であった発売当時では、パッケージ版の税込価格が「4649(夜露死苦)円」だった。 -本作発売に合わせて実写版ドラマ『熱血硬派くにおくん』がNOTTVで放送された。全13話。 --コメディ色の強いドラマだが、不良同士の喧嘩の他、[[ドッジボール>熱血高校ドッジボール部]]、[[サッカー>熱血高校ドッジボール部 サッカー編]]、[[運動会>ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会]]などの回もあり、シリーズ全体を包括した内容となっている。本作の敵組織である関東獅子連合との戦いもある。 --また、DVD第一巻の特典として、嘗てコロコロコミックで連載された本シリーズの漫画版『おれは男だ! くにおくん』の書き下ろし漫画が付属された。
*熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲 【ねっけつこうはくにおくん すぺしゃる らんとうきょうそうきょく】 |ジャンル|熱血2Dアクション|&amazon(B00CL6OW8C,image);| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売元|アークシステムワークス|~| |開発元|エープラス|~| |発売日|2013年8月8日|~| |定価|パッケージ版:4,428円&br;ダウンロード版:4,286円(各税別)|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|熱血硬派シリーズの新ストーリー&br;ABボタンで数多くの必殺技を繰り出す爽快感は健在|~| |>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[熱血硬派くにおくん すぺしゃる]]』及び『[[りき伝説]]』の続編。~ 東京以外の関東圏を傘下に収めた謎の武装集団「関東獅子連合」を相手に「くにお」くんが「りき」や「しんじ」、「みすず」といったライバルを相棒に挑んでいくベルトスクロールアクションRPG。~ 前々作のようなリメイクではなく、熱血硬派シリーズの完全新作ストーリーとなっている。 ---- **特徴 -基本システムは前二作から引き継いでいるが、様々な改良、変更が施されている。~ ゲームはメインモードである「すとーりー」の他、対戦向けモードの「かちぬきかくとう」「くらぶかつどう」、キャラのプロフィールやBGMを鑑賞する「ぎゃらりー」で構成されている。 --モードセレクト時のオプションに限り、『りき伝説』との連動が可能。『りき伝説』に登場したキャラの「かちぬきかくとう(くらぶかつどう)」でのアンロック((本編でも登場するので倒せば連動しなくともアンロック可能))に加え、「りきでんぐろーぶ」「りきでんさらし」を入手した状態で開始できる。 -登場人物と各設定は『すぺしゃる』『りき伝説』から引き継がれている。 --「りき」と「しんじ」の関係、「ひろし」や「みさこ」など旧作キャラの性格と言ったキャラ設定も前二作に準じている。前二作からの新参キャラも続投。 --ダウンタウンシリーズなど他シリーズのキャラも登場するが、前作同様あくまでゲスト出演であり「すとーりー」に絡む事は無い。~ それに伴い、「りき」の彼女としてダウンタウンシリーズの「まみ」ではなく『[[新・熱血硬派 くにおたちの挽歌]]』の「きょうこ」が実に''19年ぶり''に登場するのも特徴。 **本作からの変更点 -食事や買い物によるパラメーターアップはレアアイテムを除いて無くなり、基本的には体力(気力)回復or復活に限定されるようになった。 --基本的にパラメーターの上昇はレベルアップ頼り。なお、すばやさはレベルアップでも上昇しないため、レアアイテムか装備品で補強する事になる。 --アイテムの効果は下画面に表示されるようなり、アイテムを買わずとも効果がわかるようになっている。 -装備品は部位を問わずに1人につき3つまでとなった。能力アップの装備品や、特定のアクションの強化(ジャンプ回数が1段階増加する「ろけっとかばん」等)、特殊効果(アイテムの「こうかが2ばい」等)と言ったアイテムが該当。 --部位を問わないため、例えば靴ばかり3つ装備して素早さをひたすら底上げする事も可能。 --特殊アイテムも重ねがけが可能。例として「ろけっとかばん」を3つ装備すると4段ジャンプが可能になる他、「けいけん2ばい」を3つつける事で通常の4倍経験値が入る。 -敵を倒した時にアイテムを落とすようになった。特にボスキャラの場合は非売品の必殺技アイテムを落とす場合もあり、買い物以外での必殺技習得手段が増えた。 --敵が落とす「換金用アイテム」も店で直接売る形に変更され、必要に応じて好きな数を売る事が可能となった。 -『すぺしゃる』に存在していた「クエスト」は「アルバイト」に変更。「池袋」のトライワークで依頼をうける事で最大3つまでのアルバイトを請け負うことが可能。 --「特定の場所で敵を○○人倒せ」や「パンチを100回する簡単なお仕事」といったモノが存在。報酬はお金の他にレアアイテムや必殺技アイテム等がもらえる。 -相棒を連れていけるようになった --ストーリーの進行によって「りき」「しんじ」「みすず」の内の一人を相棒キャラとして連れて行ける。 ---熱血高校前にいる「みさこ」に話しかける事でいつでも相棒の変更が可能。 ---ボタン一つで「つっこめ!」「えんご!」「さがれ!」「おまかせ」といった命令を出す事が出来る。互いの攻撃判定も一切存在しないため、それまでの[[こちらを殴り殺してくる仲間>初代熱血硬派くにおくん]]や、[[こちらにまとわりついて邪魔になる仲間>ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!]]に比べるとストレスの少ない仕様になっている。また、連れて行かないことも可能。 ---相棒がやられてしまった場合は、復活アイテム(激辛カレー、わさび巻といった劇物系が多い)を食べさせるまでは復活しない。 ---相棒の必殺技はレベルアップで自動習得するものとなり、必殺技アイテムは「くにお」専用となっている。 -倒れた相手を攻撃することで滑っていく仕様や攻撃時のエフェクトなどはなくなり、若干、『[[ダウンタウン熱血物語]]』に先祖返りしている。 -前2作では''特に意味もなく''通行人に暴行を働くことが可能だったが(「くにお」曰く''ちょっと手が滑った、事故'')、本作では攻撃後に通行人の反応が変わるようになった。 --何をするんだよ! と怒られるだけのものもあれば、ヤクザ((アーケード版「熱血硬派くにおくん」の雑魚敵のヤクザと同様の一撃で体力が無くなる超高威力のドス攻撃を放ってくる上に得られる経験値も非常に少ない。余談だが、どの街でも必ず同じ名前のヤクザが襲ってくるので「やけに顔が広いヤツ」というネタにもなっている。))がやってきて報復される、警官を殴って''公務執行妨害で逮捕''されかける、''おやじ狩りと勘違い''される、''肩こりが治ったと感謝''される、喧嘩に発展する等、今までありそうでなかった面白い反応を返してくれるのでちょっとしたお遊び要素になっている。このイベントでのみ登場するキャラまで居るほど。 ***すとーりー -本作のメインとなるモード。くにお達と関東獅子連合との戦いを描く。 -『すぺしゃる』及び『りき伝説』の後日談となる為、これらに出てきた設定やキャラクターも登場するが、前作を知らなくとも特に問題はない。無論、知っていればより感情移入出来る。 -明確な章立ては無くなり、駅を介して「新宿」「横浜」「渋谷」といった街を舞台にストーリーが進行していく。一度行った街は自由に行き来する事ができ、ボスとも再戦する事も可能。 --ちなみに行き来の際に電車代などはかからない。電車利用時には買い物と同じように「くにお」がスマイル全開になる。 #region(周回要素) -一度本編をクリアをする事でステータスやアイテムをそのまま引き継げる他、一部ストーリーの変化、アルバイトの追加、敵の強化や追加、操作キャラの変更といった要素が解禁される。 --これによって2周目は「りき」や%%本作のヒロインの%%「みすず」を操作してプレイを楽しめる。 ---勿論、「しんじ」を操作すれば買い物時に暴走族らしからぬスマイル全開の彼を拝める。「みすず」は一作目FC版準拠なので表情は変わらず。 #endregion ***かちぬきかくとう -「すとーりー」で登場したキャラや過去作に登場したキャラを使用して4人対戦を行う。 -本編では『すぺしゃる』のミッションモードと同様に、従来のシリーズからのゲストキャラも登場するので、登場させて倒すことでゲストキャラもアンロックされる。 --ホッケー部出演の「とびやま」といった本編に登場しない例外キャラもいる。 -キャラクターのステータスは固定で1~2つの必殺技が使用できる(全く必殺技が使えないキャラもいる)が、表示されていない隠しワザを持っているキャラもいる。 --例えば「くにお」が「火の玉スパイク」を使用できるなど。 -対戦ステージは『熱血格闘伝説』や『[[熱血行進曲>ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会]]』等に登場したステージの他、駅構内(一定時間ごとに画面中央にやってくる電車にはねられると''即脱落''する)といったユニークなものが登場。 --ステージやBGMは後述の「くらぶかつどう」と共用している。 --ダウンロードプレイにも対応、最大4人による対戦が可能。 ***くらぶかつどう -基本は「かちぬきかくとう」と共通する(使えるキャラも同じ)が、対戦方式が『[[熱血高校ドッジボール部]]』の「めちゃぶつけ(くらぶかつどう)」に近いものに変わる。 --ステージ内に落ちているドッジボール(2個)を拾って、他の3人の対戦相手にシュートをぶつける事でダメージを与え、脱落させていく。 --キックボタンがシュート、パンチボタンがキャッチになっており、攻撃手段はシュートに限られている。 --原典と同様にダッシュ後やジャンプ時にタイミングよくシュートを放つ事で必殺シュートを放つ事も可能。 ---- **評価点 -必殺技が豊富 --必殺技は前作、前々作から大量に増加し、本編で「くにお」が覚えられる必殺技だけで28種類もの必殺技が登場する他、同じ必殺技でもキャラによっては性能が異なったり((「まっはきっく」の場合、「しんじ」と「くにお」では速度が異なる))、専用の必殺技が用意されているキャラ((特に「みすず」は規格外のグラフィックであるためか、必殺技のほぼ全てが専用の物になっている))も存在する。 ---「にとろあたっく」や「にんげんぎょらい」といったお馴染みの物や、「貫通シュート」「火の玉スパイク」といったスポーツアクション系のシリーズから採用された物に加え、本作からの新技がいくつか追加されている。 ---新技の「はんまーすいんぐ」は『びっくり熱血新記録』の「ハンマー投げゴルフ」の要領で敵を投げ飛ばし、投げた敵が世界一周して帰ってくるといったシリーズ独特のノリが色濃く出ており、非常に爽快感があり威力も大きい。 --技の数は多いが、従来のシリーズと同様に2ボタン(orジャンプボタン)と方向キーだけで繰り出すものであり、複雑さは無く出しやすい。 ---『りき伝説』同様技の出し方はメニュー画面で確認できる。一部の技は前作から出し方が変更されている。 -ゲームバランス --必殺技のバランスが良好であり、基本的にハメが出来ないように調整されているので耐える事が出来ればいくらでも反撃のチャンスがある。 ---それまでのシリーズでの「じぶんぎょらい」といった、出しておけば死ぬまで完封可能な技はなく、倒れた相手を攻撃しても起き上がるまでの時間は変わらない為、いずれ隙が生まれるようになっている。 --難易度も4段階用意されており、いつでも変更可能なので腕前に応じたプレイも可能。レベルを最大にまで上げた状態でもそれなりに歯ごたえは残っている。 --ボスの体力と気力が従来のシリーズに比べて非常に高く設定されており、中々倒れず、手ごわさを感じる強さになっている。 ---ただし、ガード自体は固くないので理不尽に強いという事はなく、回復アイテムを使うなどで対処できる。 --おまけモードの「かちぬきかくとう」も前々作の「バトルロイヤル」からダメージバランスが改善されており、純粋に楽しめるモードになっている。 ---各シリーズのゲストキャラや本作に登場したボスキャラを操作して殴り合えるという意味でも意義のあるモードになっている。 -戦闘テキストが豊富 --前二作でも敵は消滅時に喋っていたが、今回はそれに留まらず『ダウンタウン熱血物語』と同様に戦闘中にも喋るようになった。バリエーションも増加し、シリアスなものから[[ドラ○エ>ドラゴンクエストシリーズ]]調のナレーション、「この後、自動的に消滅します…」といったメタネタに至るまでバラエティに富んでおり、くすっと笑えるものが多い。 -相棒キャラ --「しんじ」や「みすず」といった従来のシリーズのライバルキャラが一緒に戦ってくれる。 --こちらがボスと戦っている間に取り巻きの雑魚と戦ってもらう、アルバイトの雑魚掃除の手伝いをしてもらうといった共闘感を得やすい物になっている。 --「しんじ」については今作でやっとパッケージに載る事が出来た。 -ストーリー --テクノス倒産後のくにおくんシリーズは基本的に過去作のリメイクであり、ストーリーも既視感が強いものが多かったが、本作は完全新作であり、シリーズ経験者も新鮮な気持ちでプレイする事が可能。 --原作者である岸本良久氏が自ら手掛けたシナリオであり、本来の『くにおくん』らしい雰囲気も申し分無い。 --敵役の「関東獅子連合」も印象的・魅力的なキャラが多く、従来のシリーズのキャラに比べても見劣りしない。 #region(ネタバレ) -ストーリーの終盤には香港へ行って映画の撮影と称して『[[ダブルドラゴン]]』のステージ1を模した地形と雑魚が登場し、『ダブルドラゴン』のステージ1のBGMのアレンジをバックに戦うという憎い演出がある。~ 「ダブルドラゴン兄弟」に続いてのシリーズ間のコラボともいえる((このほかにもGB版『熱血硬派くにおくん 番外乱闘編』は、海外で『Double Dragon II』として発売していた。))。 --2周目になると最後に登場する「あぼぼ」が緑色になる(ステージ3の強化仕様)といった芸が細かい部分もある。 --加えて「ダブルドラゴン兄弟((アルバイトで戦うことができる。))」のテーマ曲として「ダブルドラゴン」のメインテーマのアレンジも収録されているのでファンには2度美味しい仕様になっている。 --余談だが、「くにお」が香港の映画スタジオへ行って大暴れするという設定は、幻となった『熱血硬派くにおくん~九龍の爪~』((『くにおたちの挽歌』の続編として企画されていた。))の設定を引き継いでいる。 #endregion ---- **問題点 -キーのカスタマイズが不便 --何故かXボタンは「仲間への指示変更」に固定されており、カスタマイズする事が出来ない。前作では「ジャンプをXボタンに割り当てる」事が出来ていたが、本作では割り当てる事が出来ない。 -バグ --エンディング時にフリーズ、レベルアップ時にフリーズといったバグが存在する。 ---現在、アップデートパッチにより改善されている。 -残念な旧作要素 --特徴にある通り、ダウンタウンシリーズやスポーツ系作品からのゲストキャラはあくまで脇役としての登場で、本編には絡まない。にもかかわらずまたしてもパッケージに描かれており(前作に比べればまだ控えめではあるが)、「今度こそ本編に出るかも」と期待するとまた肩透かしを喰らう。 ---一応、前作と違って「すとーりーもーど」にも出るのだが、サブイベントのアルバイトやランダムで出現するレアキャラでのみの登場である。熱血高校や花園高校の生徒であっても本編に絡む事は無く、ストーリー上ではゲストキャラとメインキャラは完全に分離されている。あくまで熱血硬派シリーズとダウンタウンシリーズとでは世界観が区別されているのだろう。 ---だが、それだけならまだしも「運動会の練習をしていたら何故か討伐令が出された熊田と速水」や「空き地でさびしく練習をする姿や早乙女の相手をしてあげる」といった、ダウンタウンファンにとっては残念な出演の仕方が少なくない。 ---勿論、全員がそうと言う訳ではなく、「ごだい」「ごうだ」コンビやダブドラ兄弟などは「挑戦者を求める強者」と言う真っ当な形で登場している。 --「仲間と共に敵のシマに殴り込む」と言う展開が基本の為か、熱血硬派シリーズのキャラに関しても相棒以外は出番が少ない。 ---前作ではメインキャラだった「ひろし」「みさこ」もかなり出番が減った。「みさこ」は相棒キャラ交代の役割なので序盤以外はストーリーにも絡めず、「ひろし」については冒頭でボコられてくにおを戦いに駆り立てる%%いつもの%%役割のみである((本作発売に合わせて放送されたドラマ版の方ではこの二人は主要人物になっている。))。 ---前作で僅かの登場だった「こうじ」に関してはあまり変わっていないが、ミニゲームが追加された事で少し出番が増えた。~ また、同ミニゲーム内ではドッジボール部のレギュラーだった「しんいち」と、''初登場作を除いてハブられ続けた「いちろう」''((リメイク作の『超熱血高校くにおくん ドッジボール部』を除けば実に25年ぶり(!)の登場である。))が登場すると言う芸が細かい所もある。 ---せっかく再登場した「きょうこ」も、操作キャラ交代の役割であり、一周目では台詞が一言あるだけ。二周目では熱血高校前にやってくるシーンが追加されるが、以降は「みさこ」同様にシステム用キャラになってしまう為、やはり空気気味。 ---寧ろ前作からの新キャラである「まどか先生」の方が遥かに出番が多い。終盤は完全に彼女がヒロインになっている。 --ミニゲームの「くらぶかつどう(めちゃぶつけ)」は原典の『熱血高校ドッジボール部』に比べて明らかに完成度が低いクソゲーと化している。 ---通常のシュート速度が妙にゆっくりだったり、必殺シュートの動きに迫力がなかったり、シュートを当ててもあまり人が吹っ飛ばないのに、シュートを外すとやたらとボールが跳ねまわる、変化球を投げられない、といった問題点が目白押しになっている。 ---原点に似せようとする気も、爽快感のいずれも感じられないほど粗の多いミニゲームになってしまっている。 -まだ不足気味のボリューム --ストーリーは10時間ぐらいでクリア可能。ボリュームが競い合うように増大している昨今のゲームと比較すると、物足りなく感じてしまう。 --マップは多くなったが、各エリアのマップ数自体は少なめで、特に少ない所だと駅から2マップ進んだらボス戦と言う所も。 --ストーリーも終盤は駆け足気味で、盛り上がってきたと思ったら一気にラストバトルまで進むような流れである。 --ただし、アルバイトやレベルアップや周回プレイといった要素をこなせばそれなりにボリュームは感じられる。明らかなボリューム不足だった前二作よりは大幅に改善されている。 -キャラボイスが空気 --敵を投げた時、やられた時、ストーリー中の特定のセリフなどでキャラボイスが入るが、ほとんど使用されていないので存在が空気になりつつある。 ---例えば、「くにお」の場合、投げ技の種類は豊富なのに通常の襟掴み投げにしか声がなく「ばっくぶりーかー」などの大技は無言で放たれる。~ 加えて戦闘中に啖呵を切る時も同じセリフなのに声がある時とない時がある。ボイス自体は杉田智和氏などの声優が担当している為、クオリティは高いのだが…… -マルチプレイ問題 --本編はシングルプレイ専用となっており、「かちぬきかくとう」や「くらぶかつどう」もダウンロードプレイのみ対応となっており、Wi-Fiには非対応。~ マルチプレイも楽しいシリーズなので本編を2人でプレイできないのは残念。 ---- **総評 若干のボリューム不足やマルチプレイ問題、フリーズバグが発生していたといったマイナス点は見られるものの~ 前作、前々作からは順当に進歩しており、ゲームとしての完成度は上がっている。~ テクノス倒産後の「くにおくんシリーズ」は、面白さは感じられるがどこか致命的な欠点を抱えていたり、単純にクソゲーだったりと評判が芳しくないものが多いが、~ その中でも従来のシリーズに近い完成度で完全新作をやってのけたという点は十分に評価できる。~ また、従来の「くにおくんシリーズ」も後期になると、難易度が高く慣れるまではまともに遊べなかったり、ゲームのクセが強い、といった作品も多いが、~ 本作は『ダウンタウン熱血物語』や『時代劇だよ全員集合!』の辺りで感じられた「誰でも簡単に殴り合える」ゲーム性が復活しており、万人が楽しめる出来になっている。~ 多彩な必殺技を単純操作で繰り出し、爽快感あふれる2DベルトアクションRPGとしてシリーズ未経験者にもオススメ出来る内容となっている。 ---- **余談 -消費税が5%であった発売当時では、パッケージ版の税込価格が「4649(夜露死苦)円」だった。 -本作発売に合わせて実写版ドラマ『熱血硬派くにおくん』がNOTTVで放送された。全13話。 --ベースは『すぺしゃる』以降の熱血硬派シリーズだが、不良同士の喧嘩の他、[[ドッジボール>熱血高校ドッジボール部]]、[[サッカー>熱血高校ドッジボール部 サッカー編]]、[[運動会>ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会]]などの回もあり、シリーズ全体を包括した内容となっている。 ---「みさこ」が熱血高校のマドンナでヒロイン、「しんじ」が「りき」の先輩、「きょうこ」が「りき」の彼女と言ったように、基本設定も『すぺしゃる』以降を踏襲している。 ---『すぺしゃる』以降と書いた通り、直近である本作と『りき伝説』のストーリーもあり、関東獅子連合と武赦紋漸との戦いも描かれている。 --作風はコメディ成分が強く、特に初期は脚本、演出共にとにかくギャグに走っていたが時にはシリアスな展開もあり、回が進むにつれてシリアス色が濃いエピソードも登場するようになっていった。 --また、DVD第一巻の特典として、嘗てコロコロコミックで連載された本シリーズの漫画版『おれは男だ! くにおくん』の書き下ろし漫画が付属された。

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