「ビヨンド・ザ・ビヨンド 遙かなるカナーンへ」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ビヨンド・ザ・ビヨンド 遙かなるカナーンへ」を以下のとおり復元します。
*ビヨンド・ザ・ビヨンド 遙かなるカナーンへ
【びよんど ざ びよんど はるかなるかなーんへ】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B00005OVMB,image)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|キャメロット|~|
|発売日|1995年11月3日|~|
|価格|5,800円|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|''連打ゲー''&br()その癖に連射機お断りの漢仕様&br()''中古価格1円(+送料)''&br()''PS1周年記念RPG(黒歴史)''|~|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
-プレイステーション発売1周年を記念して発売されたRPG。略称は『ビヨビヨ』。
-キャラクターデザインは漫画家の柴田亜美氏。
--当時、柴田氏が月刊誌『ファミ通ブロス』(現在は廃刊)で連載していたエッセイマンガ『Gセン場のアーミン。』では、本作の逸話や本作を題材とした4コママンガが描かれていた。
-音楽は、現在はトライエース作品や[[テイルズオブシリーズ]]で名高い桜庭統氏が担当。

**問題点
***グラフィックの面
-''キャラデザ・柴田亜美氏の原画に対し、顔グラが似ていない''。
--最初のうちは年齢が十代のキャラの顔グラ(フィン(主人公)、アニー、エドワードの3人)だけが、その対象となる。
--どういうわけか、アニーの兄である騎士「ベルーシ」と渋めのおっさんキャラはかなり似ている。
--''問題はレベルが一定以上になるとできる、クラスチェンジ後に起こる(深刻化する)。''
---そうなるとほぼ全てのプレイヤーキャラの顔グラは、柴田氏の画風からかけ離れたものになってしまう。
---あえて他の作品で例えるなら、『[[ゼノサーガ エピソードI>ゼノサーガ エピソードI 力への意志]]』から『[[エピソードII>ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸]]』くらいの変貌があると言っても過言ではない。
#region(主人公で見るグラフィック)
|左がクラスチェンジ前、右がチェンジ後。&br;原画に関してはパッケージ参照。|そしてポリゴンモデル。&br;父親は(フィンよりマシなレベルだが)似ているのに・・・|
|#ref(fin1.png)|#image2(fin2.png,center,width=250,height=250)|
#endregion

//***キャラクターの面
//-''プレイステーションでは実現可能な声優陣のキャラクターボイスが採用されていない''。
//--容量の問題かが不明だが、イベント、戦闘における様々な要所にキャラクターの声が出ない仕様となっている。
//ボイス無しゲームなんて珍しくないでしょう。FFだってPS時代は無かったのだから。

***システムの面
-''エンカウント率が高い''。
--数歩移動するだけで敵と出会うことがかなり多い。
--エンカウント率を低下させるアイテムはあるが、一度エンカウントしたら効果が切れる。アイテムは個人個人で管理する方式なので、持っていてもアイテム枠の圧迫になるだけの物に成り下がっている。
--また、後述のAPSの隠し要素としてマップ移動中にボタンを連打するとエンカウント率が下がるという要素があるが、効果が薄く実感できない。
-''ダンジョンの多くにはパズル的な仕掛けが施されている''。
--仕掛けには面白いものもあり、バラエティに富んだ凝った仕掛けは評価点にもなりうるのだが、前述のエンカウント率の高さや後述の戦闘の厳しさが災いして素直に楽しめない。
--後半は落とし穴などの陰湿なワナが多く、仕舞いには『[[ドラゴンクエストII>ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]』の「ロンダルキアへの洞窟」を意識したと思われる難易度と仕掛けのあるダンジョンが出てくる。
#region(''その名も・・・・・・'')
-「カナーンへの洞窟」
--カナーンへの洞窟にはロンダルキア同様の落とし穴が存在する。穴は見えず、一度落ちても穴が見えない状態で復活する。マッピングしてみれば分かるのだが、落とし穴の位置は壁際である場合は少ない。壁際に沿って歩けば…。
---一応、下のフロアには穴のヒントがある。
--そこに登場する敵の強さもかなりのもので、普通にプレイしてきた場合、敵より素早く行動できるキャラがまずいない、というほどまでに全体的に能力値が高い。また2回行動をしながら全体攻撃魔法や全体即死魔法を放つ凶悪な敵が存在する。
#endregion

-''レベルアップによるステータスの上昇量が1~4と低い''。
--4上がることは本当に稀で、通常は1~2しか上がらないことが多く、それなりにレベルを上げないと強くなったことを実感しにくい(必要経験値も高めに設定されている)。
--また上昇するパラメーターはキャラの成長率に沿ってランダムで上昇することから、ほとんど上がらない場合も多々ある。
--特に戦闘の行動順に関わる「素早さ」の基礎値となる「みのこなし」は上がりにくく、ある程度レベルが上がると上がらない場合がほとんど。普通にプレイした場合、中盤からの敵の行動の方が早くなり、難易度がとても高くなる問題がある(後述)。
---なお、この仕様を逆手に取り、レベルが上がりそうになったらセーブしレベルアップ。納得のいく上昇具合であれば再びセーブ。そうでなければリセットしてやり直すという、いわゆる''吟味''が可能。
---これにより「みのこなし」の高い魔法使いキャラを作り出すことで、後々の雑魚戦を楽に切り抜けることができるようになる(戦闘の作業化とも言う)。もっともソフトリセットなどはないので、PSロゴ表示からのロードに耐えなければならず、非常に根気のいる作業になるが。
-''持ちきれないアイテムやお金を保管できる「ストックボックス」が序盤終了~終盤突入時まで使えなくなる''。
--ストックボックスは主人公の生家にあるのだが、とある事情で家に帰れなくなってしまい使用できなくなる。その間も結構な数の(使ってもなくならず捨てられない)イベントアイテムを入手するため、それらがアイテム欄を圧迫する。
--また、終盤に突入しイベントが起こるとイベント終了まで家に帰れなくなり、またしても使用不可の期間が発生する。
-''終盤以降、新たに到着できる町にMP回復アイテムが売っていない''(雑魚戦で全体攻撃魔法を多用するにも関わらず)。
--マップ西側を中心に冒険を進めることになるのだが、MP回復アイテムが売っているのは序盤~中盤にかけて冒険するマップ東側。それも3つの村だけである。
--ストックボックス同様、終盤のイベントが起こると東側へ行く道がふさがれてしまい、イベントを終わらせるまで買いに行くことはできなくなる。
-''隠しキャラを最低1人でも仲間にしていない場合、町や村への瞬間移動手段が行えない''。
--まずこのゲームは5人パーティ制であり、隠しキャラを含めない場合の最終的な仲間の数は5人である。
--それなのに何故か中盤終了付近で仲間入れ替えが可能となるアイテム(捨てられない)が、各キャラに1個ずつ手に入る。
--それを使うことでパーティから外れ、指定した町で待機している仲間のもとへと瞬間移動できるのだが、隠しキャラを仲間にしていない場合、待機するキャラクターがおらず、結果として町へ瞬時にアクセスすることができないばかりか、用途のないアイテムが各キャラのアイテム欄を圧迫することになる。
-''バグが多い''。
--店で道具を売ると売値を貰ったにもかかわらず、売却したはずのアイテムが持ち物からなくならない。つまり、薬草1つでお金が無尽蔵に増やせる。
--仲間のアニーをパーティから外すと、''二度と仲間にできない''。
--他にもフリーズバグがいくつかある。

***戦闘の面
-''APS(アクティブ・プレイング・システム)の問題''。
--プレイヤーキャラや敵キャラが行動する前にボタンを連打することで、クリティカルが発動したり敵の攻撃を回避できるなど、戦闘が有利になる独自のシステム。これにより戦闘が単調にならずプレイヤーは飽きることなく、長い冒険を続けていける、と説明書にあるが…。
--連打量の目安が一切なく、何も知らない場合、無駄に全力で連射するハメになる(''実は1回でもボタンを押せば発動する可能性はある'')。そのため、コントローラーやプレイヤーの指が破壊される事態が続出した。
--ならばと連射パッドを持ち出したなら、''速すぎる連射は入力を受け付けてくれない。つまり連射パッド使用不可''。
--また、戦闘バランスはAPSありきでバランスを取ったらしく、通常攻撃が主体の序盤は連打しないとかなり苦戦する。
-''魔法攻撃の威力が高すぎる''。
--後述の「VP」にも問題があるのかも知れないが、''敵味方ともに2発も喰らうとほぼ全滅してしまう''((実際のところ、プレイヤーは後述の「LP」があるため、すぐには全滅しない。))。
--連打による攻撃力上昇の効果も薄く、楽なこともあって雑魚戦闘は魔法が一番効果的だった。
--ちなみに本作の魔法はドラクエのように約〇〇ポイントの固定ダメージを与えるという仕様で、魔法ダメージを軽減する装備はない。
--その一方で通常攻撃のダメージは防御系のステータス上昇や防具の買い替えで減らせる上、隊列の位置によってダメージが変動する仕様も相まってボスの攻撃でもダメージ1桁という事態も発生する。
-''「VP」(ヴァイタルポイント)と「LP」(ライフポイント)の2段式でプレイヤーキャラの体力を扱う斬新なシステム((2種類のパラメーターで体力を管理するシステム自体は「くにおくんの時代劇だよ全員集合」などでも見られる。))。しかし調整が悪い''。
--ダメージを受けるとまず「VP」が減り、なくなると1ターン動けないグロッキー状態になる。「LP」が残っていれば、ある程度消費してVPを回復し立ち直るというシステムになっている(LPがないときにVPがなくなると死亡)。
--ちなみに、連打していればLP消費量が少なくて済み、VP回復量が多くなる。
--しかし、前述のシステムの面であるようにレベルがかなり高くなっても「VP」の伸びは悪く、雑魚の全体攻撃魔法を2発浴びると、あっさりグロッキーになる。難易度上昇とグロッキー多発によりストレスが溜まる要因となっている。
-これら仕様のおかげで、''万が一にもRPGにおける「やり込み」の定番『低レベルクリア』をしようと思ってもできないようになってしまっている''。

***キャラクターの面
-''仲間の戦士「サムソン」が異様に弱い''。
--『大陸一の力持ちで一国の英雄』という設定であり、仲間になった当初はレベルが高いお蔭もあって結構な強さなのだが、少し進むとイベントで呪いを受けてレベル1になってしまう。そこから育て直すと嫌でも気づくのだが、成長率が低く力が僧侶アニー(13歳の女の子)以下((序盤においては力だけかなり伸びがよく(初期値からして剣士の主人公以上)、前衛として十分な火力はある。もっとも呪いのせいで反射ダメージを大きく受けるというデメリットにもなるが……。))、体力も魔法使いエドワード(病弱設定持ち)より低い。最初はレベルが高いから強いように見えただけで、パーティー全体のレベルが上がってきたところで比べてみると''実は大したことなかった''ことが判明するのだった。
--これだけでも相当なハンデを背負っているのに、さらに呪いの効果によって戦闘中はランダムで体が硬直し1ターン行動不可or通常攻撃が成功したときに自分の攻撃力に応じた反射ダメージを受ける、といったオマケ付きで散々足を引っ張り、プレイヤーのやる気を削ぐ原因となる(さらに終盤までパーティから''外せない'')。
--また、それが解決しても硬直やダメージ反射といったペナルティがなくなるだけでステータス自体に変化はなく、そこまで頑張ってきたプレイヤーをさらにふるいにかける。
--極めつきに、彼は''仲間の中で唯一、攻撃魔法が全く使えない''という最大の欠点がある。
--さらに最大の攻撃力を持つ武器も、戦闘で重要視される''「素早さ」が15も下がる''。どこまでも不遇。
-''最後の仲間、海賊「ドミノ」''
--魔物に妻子を殺され、その敵討ちをするために中盤から登場する海賊ドミノ。隠しキャラを除けば、彼が最後に仲間になるキャラクターとなるのだが、どうにも影が薄い。
---登場するのは中盤からだが、''出番自体はとても少なく印象に残りにくい''のがその原因。
--そんな彼が仲間になるのは終盤。海賊という特性上、『''船を持ってくる''』という最大の見せ場があるのだが、''直後のイベントで空を飛ぶ乗り物が手に入る。''
--戦闘能力は優秀。まず全体回復魔法と全体攻撃魔法が使用可能であり、仲間になった時点での「素早さ」も高く、伸びも良いので雑魚戦では全体攻撃魔法で敵を殲滅させるのにとても向いている。
---また唯一、後列から通常攻撃してもダメージが落ちないという特殊なキャラ。
--しかし「VP」がとても低いという大きな問題を抱えており、終盤の敵が放つ全体攻撃魔法1発に耐えられないことが多々ある。よって「VP」に相当なテコ入れをしないと、1ターンで倒しきれない敵やボス戦では高確率でグロッキーさせられるという問題が発生する。
---そういう意味では、まだ「VP」がありグロッキーしにくいサムソンのほうがマシと言えなくもない。
-''仲間の1人「ベルーシ」は序盤で敵に捕われ、終盤で洗脳された状態で襲ってくる''。
--が、10ターン内に撃破してしまうと''そのまま死んでしまう''。
--逆に殺さず10ターン粘れば再び仲間になる…が、ヒントも伏線も何もないので初見では気付きにくい。

**評価点
***音楽
-''さすがに桜庭氏が手掛けた他の作品に比べると聴き劣りするが、BGMは悪くない''。
//--各町や村のBGMには使い回しがない。←''嘘''
//間違いなら消すなりCOするなりしてください。
--戦闘BGMが豊富。通常戦闘だけで6つもありダンジョンやストーリー展開によって違うため、飽きにくい。
--アレンジCDも発売されたが現在は入手困難。ゲーム自体の投げ売りっぷり(後述)とは対照的にこちらはプレミアがついてしまっている。

***やりこみ要素など
-''隠しキャラが3人もおり、探す楽しみがある。''
--隠しと言ってもメインキャラと同程度の能力値しかないが、そのうち一人は早くから全体攻撃を使える強力なキャラ。
---比較的ヒントが多く簡単に仲間にでき、冒険をとても楽に進められるようになるため、探す価値は大いにあると言える。
--もう一人は全体攻撃魔法に全体回復魔法、補助魔法が使えるほか、ドミノよりも「VP」が高く通常攻撃もでき、「素早さ」もそこそこあることから、ドミノを外しコチラを選ぶプレイヤーもいる。
-''アイテムコンプが難しくやりがいがある。''
--ドロップ限定のアイテムや、探索のみで手に入るレアアイテム。入手期間の限られる物などがあり、それら全てを入手することは困難を極める。

**余談
-大量に出荷され、そのクソゲーぶりで知られたためワゴンゲーの代表格に。
-アマゾンでは1円(送料別)の中古が100本近くもあり、『[[SDガンダム G-CENTURY]]』も真っ青の投げ売りとなっている。お手軽にクソゲーに触れてみたいという物好きは買ってみるのもありだろう。ただし''リアルで人体に支障を及ぼしかねない仕様なので購入は要注意''。
-本作の3ヶ月前にリリースされた同じキャメロット開発の[[シャイニング・ウィズダム]]もプレイの根幹にボタン連打を要求される腱鞘炎製造機であった。知る由もないが、当時のキャメロットに一体何が起こっていたのだろうか。
-続編も計画されていたようで、いくつか伏線を残す終わり方をする…が、こんな有様なので続編は実現しなかった。そのため、名前入力時などに出てくる女の子の正体は''未だにわからない''。
--やはりキャメロット製の[[シャイニングシリーズ]]において、ゲーム本編をいわゆる劇中劇として扱うお約束があるので、説明不足ではあるが女の子については好意的に取れば同じ意図の演出と取れなくもない。((例えば初代シャイニング・フォースでは、プレイヤーは妖精の女の子に昔話(ゲーム本編の物語)を語っているという設定で、入れ子構造になっている。もっとも、あちらではセーブして電源を切る場面やエンディングの最後で再び読み聞かせの場面に戻る演出が差し込まれるのだが。))ほかにも魔法のレベル制を初めとして、シャイニングシリーズとの共通点が数多く見られる。
-アイテムの「せかいちず」が、一度しか行けない場所に置いてあるが、その在り処は説明書の画面写真にコッソリあったりする。もっとも拾い損ねても、説明書にマップのイラストがあるのであまり支障はない。
-最後の決戦の際、ラスボスの「[[世界の半分をやろう>ドラゴンクエスト]]」という問いに「はい」と答えてしまうとフィン1人、しかもVPもMPも大幅に減らされた状況で戦う羽目になる。
-本作はSCEによって大規模な販促キャンペーンが展開され、CMも数多くのバージョンが放送された。
--その中には、まだ駆け出しの頃の''仲間由紀恵(当時15歳)がヒロイン・アニーのコスプレをして出てくるという1分CMもある((仲間由紀恵は、他にも当時のプレイステーション系のCMにいくつか出演している。))。''
--販促の一環だったのか牧野修の手によるノベライズ版も存在している。
---…が、そちらもアマゾンで1円(送料別)の古本が複数ある有様である。

復元してよろしいですか?