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ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国」を以下のとおり復元します。
*ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国
【がらくためいさくげきじょう らくがきおうこく】
|ジャンル|ラクガキRPG|&amazon(B00005Y1P9)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|タイトー|~|
|開発元|タイトー(ガラクタスタジオ)|~|
|発売日|2002年3月20日|~|
|定価|7,140円(税込)|~|
|廉価版|Playstation2 the Best&br;2003年1月16日/3,045円(税込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

**概要
「落書き」をテーマとした異色のRPG作品。

アナログスティックを用いて描いた落書きから3Dに立体化したキャラクターを使って戦うというユニークなシステムが大きな話題となった。

**ゲーム内容
-コントローラーのアナログスティックを用いてプレイヤーが自由に描いた「落書き」が、3Dポリゴンのキャラクターとなるシステムが特徴的。
--このシステムは東京大学大学院情報理工学研究科の五十嵐健夫准教授が院生のときにSIGGRAPH'99で発表した論文の基本概念を参考に作成されている。

-「からだ」「あたま」「あし」「はね」など、パーツごとに絵を描いてキャラクターを作っていく。
--描いた形状に応じた動きが自動であてがわれ、例えば「あし」をくの字型に描くと、折れ曲がった所が膝になる。
--「うで」の先端に指を設けるとその指が開閉したりする。また、描き方を工夫することで空中に浮いたり、地中にもぐったりして動くラクガキも作ることができる。

-原則として、ラクガキの大きさ及び使われている色によってその強さの性質が変化する。
--なお、初代ではラクガキを描ける人をクロッカーと呼ぶが、本ゲームのユーザー間でもプレイヤーの事をクロッカーと呼ぶことがある。

-「ペンジェル」で「ラクガキノート」に絵を描くと、3Dで動くキャラクターになる。
--描いたラクガキは「ラクガキファイト」でバトルすることができる。
--色の元である「カラー石」の色は複数の種類があり、ラクガキファイト後に一つあるいは複数のカラー石をもらう事ができる。
--なお、バトルに勝利した場合はさらに多くもらえる。カラー石はお金に換金する事ができ、ラクガキやペンを買う事もできる。
--ゲームが進行していくと、描けるパーツが増える。

**評価点
-自分の書いた「ラクガキ」を戦わせるという斬新なシステム
--誰もが一度は思い描く、自分の頭の中のキャラクターを描くことで、それを戦わせることができる。
--適当にパーツを組み合わせるだけでもちゃんと動くが、様々な工夫をすることで色々な動きを作れるので非常に楽しい。
--自分の思い描いたラクガキを描いたり、好きなキャラクターを再現したり、ラクガキファイトに特化したものを描いたり、単純に面白い動きをするものを目指したり、自由度は幅広い。

-シンプルな戦闘
--1体から3体までを選び、「こうげき」「まほう」「バリア」、そして「チャージ」の4種類のワザをターンごとに選んで戦う。
--描いたラクガキの色や形によってパラメーターや得意なワザや繰り出すワザが変化する。
--ルールはいわゆるじゃんけん方式。しかし、『連続で同じワザは選べない』『全てのワザに負けてしまうが次のターンを有利にする「チャージ」』など独自のルールが存在する。また、ラクガキのタイプごとに得意な技が違うため、シンプルながら運よりもロジックや読みが重要なシステムとなっている。

-綺麗な風景、魅力的なストーリー
--温かみのある風景が物語を彩る。
--メインとなるストーリーは、「ラクガキ」と「人間」の関係や、ヒバナとタローのガリレオへの思いなどが描かれており評価も高い。
--ゲーム内アニメーションはスタジオジブリが手掛けている。

**問題点
-ロードが長い。
--あるエリアから別のエリアに移動するたびに長いロードが入るため非常にストレスがたまる。
---育成のために海ギャラリー(ラクガキファイトができる)を何度も利用することになるので嫌でも悩まされるハメになる。

-行動範囲が狭く、やれることが少ない。
--ストーリーやマップは作りこまれているものの、プレイヤーが移動できるマップがとても少ない。
--やれることは『ラクガキを書く』『ラクガキを戦わせる』位なので魅力ある世界観を能動的に楽しめるわけではないのが寂しい。
--舞台となる町にはたくさんの個性的な住人が居るものの、ほとんどの人物はラクガキバトルの対戦相手として位でしか関われない。ストーリーに絡むキャラもほんの一部。

-制作側の企画意図としては「ラクガキ」というタイトルに象徴される通り、絵心がなくても気軽にお絵かきが楽しめるソフトを目指していた。
--が、前から各ゲーム雑誌ではプロの漫画家やイラストレーターの作成した落書きを「このようなものすごいラクガキが描ける!!」と大々的に取り上げて紹介していたため、消費者からは&bold(){「絵が上手くないと楽しめないマニア向けソフト」と認知されてしまった}感がある。

-ラクガキのタイプでバトルに不利なものがいる
--ラクガキタイプのバリアタイプがこうげきタイプ、まほうタイプに比べて若干弱い。まほうを反射できる特有のわざを持つが、上級者や高レベルのCPUとのバトルにおいて技相性で勝つと言う状況が少ないため発揮されにくい。

**その後の展開
-TV番組『天才ビットくん』の中でこのゲームのシステムを利用したコーナーが存在した。
--視聴者投稿のキャラを描き、このゲームの戦闘システムで戦わせるというもの。そのためこのゲームを知らなくても戦闘システムなどを知ってる人がいたりする。
--後に『天才ビットくん グラモンバトル』として別のゲームの形で出された。本ソフトのラクガキデータを流用する事も出来る。

-続編として『ラクガキ王国2 魔王城の戦い』が作られた。
--アクションゲームにジャンル変更。制作の自由度やインターフェースの大幅強化、自分で技や動きを設定したり出来るようになり、よりイメージ通りに作れるようになった。今作で問題だったロード時間の長さも改善され、非常に高い評価を得ている。
//--反面、正式ナンバリングの続編でありながら『「ラクガキ」を描く』部分以外は完全に別のゲームになってしまったため戸惑う人もいるようだ。ストーリーが今作に比べて軽い物であり、その点に関しての評判はいまいち。

**余談
-ニンテンドーDSが発表された当初、開発タイトルとして本作が発表されていたが、結局発売されなかった。本作のコンセプトはタッチスクリーンとの相性抜群であると思われるだけに残念である。

-Windows用同人シューティングゲーム『東方Project』の製作者であるZUN氏がソフト開発に関わっていた事((当時のZUN氏はタイトーのプログラマーが本業であり、今作にもプログラマーとして参加してる。))から、同シリーズの主人公「博麗霊夢」をモデルとした「ハクレイのミコ」というラクガキが登場する。見た目はWin版以降より旧作に近い。

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