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*ロックマンワールド4 【ろっくまんわーるどふぉー】 |ジャンル|アクション|&image(rw4.jpg,height=160)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|水口エンジニアリング|~| |発売日|1993年10月29日|~| |定価|3900円|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【3DS】2013年10月23日/400円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ファミコンソフト『[[ロックマン4>ロックマン4 新たなる野望!!]]』『[[同5>ロックマン5 ブルースの罠!?]]』の内容を元に再構成したソフト。 当時ゲームボーイでは、4メガビットという初期のSFCソフト並みの容量を持ったソフトが次々に出ていたが、本作もその1つである。 **特徴 グラフィックや効果音は前作『[[ワールド3>ロックマンワールド3]]』に準じているが、様々な新要素がつぎ込まれている。 -お馴染みのエネルギー缶の他、武器エネルギーを回復する「W缶」、全エネルギーを回復できる「S缶」、武器エネルギーを自動的に回復してくれる「エネルギーバランサー」といった新アイテムが登場した。 -敵を倒すと入手できるアイテム「Pチップ」を集める事で、様々なアイテムを購入できる。 --この購入システムは本家シリーズの『[[ロックマン7>ロックマン7 宿命の対決!]]』にも逆輸入される事になる。 -後半ステージからはワイリーステージと同じ扱いになるためか、ステージをクリアしても武器エネルギーが回復しなくなる。 --この仕様はワールドシリーズにおいては、『ワールド2』以来である。 -ゲーム後半ステージに進んでも、前半ステージに戻れるようになった。 -最終ステージでのボスラッシュ(8大ボスとの再戦)が、ワールドシリーズでは初登場。 --ボスラッシュのシステムは、『5』のものを採用している。 -残機数や所有アイテムが、パスワードで保存できるようになった。 --その分パスワードは複雑化した。 -チャージショットは威力こそ前作と変わっていないが、撃つと反動で少し後ろに流されるようになった。大ジャンプが必要な場面で使用すると飛距離が微妙に足りなくなることもあるため、常にチャージしていれば良いというものでもなくなった。 --なお、『5』と異なりダメージを受けてもチャージが解除されることはない。 --また隠し要素として、チャージショットの強化イベントがある(但しこれだけはパスワードで保存できない)。 ---[[次作>ロックマンワールド5]]にも受け継がれ、さらに2段階に強化することができる。 -「レインフラッシュ」で流砂や炎のトラップを止めたり、「リングブーメラン」で離れたアイテムを引っ張って来れたりと、特殊武器の用途がFC版に比べて広がっている。 -ライト博士、ブルース、ビートがワールドシリーズにおいて初めて登場した。 --ただしビートは、次作にて新サポートメカのタンゴと入れ替わる形でリストラされた。よって、本作がワールドシリーズ最初で最後の出演となった。 --ビートは前半ステージ道中にある「BEATプレート」を4つ全て集めると呼べるようになる。 ---「BEATプレート」に関連してか、後半ステージ道中には「WILYプレート」が存在し、それらを4つ全て集めなければワイリーステージには行けない。入手方法はステージによってまちまちであり、楽に入手できることもあれば、特殊武器を駆使しなければならないこともある。 -これまでのワールドシリーズと比べて、演出が強化された。 --ワールドシリーズとしては初めて、日本語で文字が表示され、ゲーム中に「会話」が登場するようになった。 --またデモもかなりの進化を遂げている。特にオープニングや中間ステージ、ラスボス前のデモは必見。 ---特殊武器の習得デモ・使用演出が登場したのは今作が初である。これにより獲得した武器がどのような武器なのか、より分かりやすくなった。後のシリーズでは実際に武器を使用して敵を攻撃する演出になったりと進化を遂げている。 -BGMは前作と同じく、音源を原曲に限りなく近く再現している。 --ただし、ファラオマン、リングマンなど一部のステージ曲はテンポを遅めにアレンジしているために好みが分かれる。 --なお、今作のボス戦のBGMは、この時期のロックマンシリーズには珍しく4曲(前半ボス((前作と同じく『4』のボス戦のアレンジだが、今作ではアップテンポにアレンジされている))、後半ボス、バラード戦・ボスラッシュ、ワイリー戦)も収録されている((これまでのシリーズでは1~2曲しか収録されていない。))。 //個人的には遅めの方がシリアス感が出ていいと思う -前作では弱点武器でボスに与えたダメージが最大チャージショットと同等かそれ以下になるということがあったが、今作では前々作以前と同様弱点武器でのダメージ量が上回ることが多くなった。 --また最大チャージショットでの仰け反りなどチャージショットの仕様変更も相まって、弱点武器とチャージショットの使い分けにメリハリが出た。 -前作と比較すると、幾分か難易度は低くなった。これはアイテム購入システムなどの新システムの導入、ステージの構成などによるものと思われる。 --前者においては、Pチップを溜めてE缶やW缶などのアイテムを購入し、ステージ道中やボス戦でそれらを使用することで難易度の調節が容易くなった。~ よって難易度が前作を含めた本家シリーズ以上に柔軟なものになり、プレイスタイルが大幅に広がった。 --また後者においては、前作ではトゲなどの即死トラップやギリギリでジャンプしないと届かない地形がやたらと多かったりと、~ ステージ構成が非常にシビアだったが、今作ではそのような構成がほとんど無くなりかなり遊びやすくなった。~ さらに特殊武器を使用することで隠し通路や隠しアイテムを発見するなど、ステージを探索する楽しみが増えた。 ---ただし、罠配置や敵の行動などが前作よりも理に適っているとはいえ、一概に簡単とは言いきれない場面もある(後述)。 **問題点 //↓荒れる原因になるのでコメントアウト。 //-エンディングのBGMは『ロックマン2』のエンディングのアレンジ版だが、曲調の激しさは失われており、ループも短くなっている。マイナスアレンジである。 //--ただしこのアレンジの初出はロックマン4のエンディング曲。 -エディーの扱いが不遇。 --とあるステージのみに登場するというもの。また目的のアイテムを出すまで粘る手段が、地形の影響で出来なくなっている。 ---しかもそのステージは分岐点があり、分岐点によっては一度も会えずにクリアしてしまうことも…。 ---また本作初登場のブルースの役割とかぶっている。エディーと比べると、Sボール(S缶と同じ効果を持つアイテム)を出してくる事がある、3回登場するなどといった点が異なる。 -特殊武器の性能の格差。 --前半ボスの特殊武器は、それぞれ使い勝手が良いものがそろっている。 ---中でも「レインフラッシュ」が高性能すぎる。画面全体に攻撃、攻撃までに隙があるなどといった特徴は『4』と同じだが、今作では前述の効果に加え攻撃時間が長くなって2ヒットするようになった。さらに消費エネルギーが''1''になり、最大19発攻撃できるなど『4』と比べるとかなり使い勝手が良くなっている((ちなみに『4』では、消費エネルギーは4で最大7発攻撃が可能、1ヒットのみ。))。 --また、バラードの特殊武器「バラードクラッカー」も非常に使いやすい。入手できるのが終盤、壁を貫通することが不可能、連射性能が低いといった欠点はあるものの、消費エネルギーが1/2で、「メタルブレード」と同じく8方向に投げ分けられ、威力が非常に高い。 --対して「パワーストーン」「チャージキック」など後半ボスの特殊武器は、クセが強く、局地的にしか使えないものが多い。 ---そもそも『5』の特殊武器にはこのようなものが多く、チャージショットが一番使いやすいという結果になっていた。 ---また今作ではワールド2以来、「前半ステージで入手した特殊武器が後半ボスに通用する」仕様が復活しているため、当てやすさやダメージ量などを鑑みると「後半ボスに後半ステージで入手した特殊武器で攻撃する」必要性が低くなる場合がある。ナパームマンやクリスタルマンがその例である((本来の弱点は前者は「クリスタルアイ」、後者は「チャージキック」。ただし前述の仕様上前者は「ファラオショット」、後者は「リングブーメラン」も通用する。前者は「クリスタルアイ」で攻撃するよりもダメージが大きいし、後者は「チャージキック」よりも攻撃が当てやすい。加えてストーンマンやナパームマン、クリスタルマンは本来の弱点で与えたダメージが最大チャージショットと同じであるため、特殊武器で攻撃するよりもチャージショットで攻撃した方が戦いやすい場合もある。))。 ---ただし今作は前作と比べるとボスの数が増加しているため、様々な特殊武器で攻撃する機会が多くなる。~ 無論ボスの中には後半ボスの特殊武器で攻撃した方がダメージが大きいボスも存在するため((チャージマンに「パワーストーン」で攻撃するなど))、後半ボスの特殊武器の需要が全くないわけではないことを付け加えておく。 ---ちなみに「チャージキック」には特定のブロックを破壊できる機能が追加されている。((説明書には「ナパームボム」で特定のブロックを破壊できるとあるが、間違いである。)) -エンディングでのバラードの改心がやや唐突。 --今まで会話も何も無かったのに「お前と戦っているうちに自分の間違いに気付いた」と言われても…。 -少々処理落ちが激しい。 -他ステージと比較しても飛び抜けて難しいクリスタルマンステージ。 --クリスタルの落下タイミングが一定になった一方で、乗る前に攻撃して動かすムーブホバー地帯、乗ると90度回転する白い足場地帯、隆起と陥没を繰り返すプレス地帯などそれ以上に嫌らしいトラップがあちこちにあり、慎重にプレイせざるを得ない場面が多々存在する。 --またボス部屋前に到達したとしても、下側にトゲがあり操作を誤って当たってしまうとリトライポイントからやり直す必要がある。 ---しかもそこからボス部屋まで道のりがかなり長く、上記のトラップ地帯も相まって(プレイヤーによっては)かなりだるく感じてしまう。 ---ただムーブホバーを「ファラオショット」で乗ったまま動かしたり、プレス地帯を「フラッシュストッパー」で動きを止めて突破したり、ボス部屋前のトゲを敵の攻撃を受けその無敵時間で強引に進むなど、突破方法があるのが救いか。また、白い足場地帯についてはルートによっては突破せずに済む。 -また、白い足場地帯やボス部屋前のトゲなどストーンマンステージもなかなかの嫌らしさを誇る((特に後者に関してはクリスタルマンステージとは違い、前の画面から降りてトゲの真上に来る形なので画面が切り替わるまでトゲが見えない。その上近くに敵がいないため「敵の攻撃を受けその無敵時間で強引に進む」という方法が効かなくなっている。))。 --加えて今作のストーンマンは、「パワーストーンを撃ち出す頻度が高い」「狭い画面内をピョンピョン跳ねまくる」など強化されており、「出来るだけ接近して弱点武器やチャージショットを打ち込む」という戦法が採り辛くなった。 -敵が落とすPチップ(小)の入手頻度がやや低い。 **余談 -エンディングではボスキャラの紹介パートとしてロックマンと戦うシーンが順番に流れるのだが、最初の3体と4体目以降でプレイしている人が明らかに変わっている。 --最初の3体は正直あまり上手とは言い難く、武器の無駄撃ちが多かったり変なところでダメージを受けたりしているのだが、4体目以降は敵の攻撃を全て回避し、ほぼ全ての攻撃を的確に命中させる完璧なプレイとなっている。プレイヤーが直接介入できないデモプレイの1種なので特に気にする必要はない。 -今作で登場したバラードは、次作や『[[ロックマン10>ロックマン10 宇宙からの脅威!!]]』にて再登場している。 **総評 システム面、演出面が大幅に向上し、本作のクオリティーはある意味本編を超えている。~ 購入システムやエネルギーバランサーの導入など今作が後のシリーズに与えた影響は大きく、本編を含めたロックマンシリーズ全体の中でもトップクラスの出来と言っても過言ではない。