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マリオカート8」を以下のとおり復元します。
//判定変更の意見はたびたび出ていますが、毎度きちんと議論がなされず流れてしまっています。
//判定変更を提案したい人は『判定の変更について』(http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2742.html)を熟読したうえで、議論を開始してください。

*マリオカート8
【まりおかーとえいと】
|ジャンル|レースゲーム|&amazon(B00IFTTOAK,image);|
|対応機種|Wii U|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|任天堂、バンダイナムコスタジオ|~|
|発売日|2014年5月29日|~|
|定価|5,700円(税別)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|初のHD画質による美麗なグラフィック&br新要素「反重力」に加え『Wii』と『7』の良いとこどり&brシリーズ初のDLCは無料・有料ともに豊富&br距離制を採用したアイテムシステムの功罪が賛否を分けた&brバトルゲームはレースコース使い回しで大不評&brシステム面のブーイングが多かったがアップデートで大改善&br重量級ゲーな点は変わらず|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
WiiUで展開された新しいマリオカート。初のHD化作品であり、映像の美しさはシリーズ随一である。~
『[[マリオカート7]](以下“7”)』と同じくナンバリング作品であり、『7』でのノウハウも大きく引き継がれているが、どちらかというと『[[マリオカートWii]](以下“Wii”)』の続編という傾向が強い。~
本作の新要素はなんと言っても&bold(){反重力}であり、反重力ゾーン内では他のカートとの激突や特定の障害物にぶつかることでスピンターボという効果が得られる。そのため通常とは違う戦術を要求される。~
また、『Wii』でバランス崩壊の原因となった「バイク」が復活が発表されて物議を醸しだしたが、本作ではウィリーが廃止されカーブに強いという特性に変更された。~
登場キャラクターは『7』というより『Wii』を元に増減しており、『7』でリストラされたワルイージが復活、ただし『Wii』の新キャラクターは軒並み消えている。後に有料DLCによって『ゼルダの伝説』や『どうぶつの森』からの参戦が決まった。

なお、コンシューマー機のマリオカートとしては初めてバンダイナムコスタジオとの共同開発となっている(アーケード版はバンダイナムコスタジオと共同)。

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**特徴
アイテムを使って争いながら上位を目指す、というバトルカートレースの特徴はそのままに、シリーズの要素を贅沢に取り込んだ内容となっている。

-反重力とは、タイヤを横に倒して重力制御ユニットに変形させることで、天井や壁を走行できるという要素である。ゲーム的にはプレイヤーは何も操作を行う必要は無く、特定の区間に侵入すると自動的に反重力モードになる。3D酔い対策のためプレイヤー視点も変わらない。
--こういった仕様のため、走行中は普段と変わらないように思えるが、リプレイを見るとちゃんとプレイヤーが反重力で天井や壁に張り付いて(浮いて)いる場面が見られる。
--通常プレイ中でも、反重力区間に分岐があると、天井や壁を這って走る別プレイヤーを見ることが出来る。

-水中、グライダーなどの要素はそのまま継続。
--『7』などで追加された水中走行、グライダーボードなどの要素は全て残されており、HD画質で楽しめる。

-『7』で一旦廃止されたバイクが復活。加えてカートとバイクの中間的性能の「バギー」が新登場。
--『Wii』で大ブーイングを受けたバイクだが、本作ではそれを踏まえて仕様が一新されている。
---『Wii』における批判は開発者の耳に痛いほど入っていたらしく、発売直前の『Nintendo Direct』においてそのことにちゃんと触れたうえで、本作のバイクの特徴である「カーブメインのコースに強い」ところがしっかり披露された。

-ゲームパッドのタッチ画面を活かしたポイント
--他のゲームと同じくゲームパッド単体でのプレイが可能。そうでない場合はゲームパッド画面にクラクションか、コースマップ&順位・所持アイテム表が出せる。
--ちなみにゲームパッドをメイン画面にしてジャイロ(ハンドルモード)操作を行うとかなり酔えるので注意が必要。

-車種のタイプは公式サイトで大まかに従来通りの感覚で分けられているが、ゲーム内においては「軽量級、準軽量級、中軽量級、中重量級、準重量級、重量級、最重量級」の7つの細かなタイプに分けられている。
--これまでのようにキャラクターごとの隠しパラメータはなく、ドライバーステータスは以上の7タイプから選ぶことになる。
--ちなみに能力は、軽ければ軽いほど加速とハンドル操作に優れるが、最高速が低く吹っ飛ばれやすい。逆に重ければ重いほどぶつかり合いや最高速の高さに優れるが、加速とハンドリングに難が生まれる。
---DLCキャラには「準軽量級と中軽量級の中間」(ネコピーチ・むらびと(女))と「中軽量級と中重量級の中間」(タヌキマリオ・むらびと(男))の2種類が存在するため、全部で9タイプになる。

-発売後に公開された有料DLCによる追加コンテンツが存在する。
--2014年11月の第1弾、2015年4月の第2弾に分けられて公開され、追加される内容は第1弾・第2弾ともに追加ドライバー3体、追加カート4台、追加コース8ヶ所(カップは2個)。値段は両弾ともに税込800円だが、合わせて買うと税込1,200円とお得。
--また、2014年11月のアップデートではamiiboへの対応が、2015年4月のアップデートではレースのクラスにシリーズ初の''200cc''が追加されている。
---『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』のamiiboを使うとMiiドライバーのレーシングスーツが対応したキャラをモチーフにしたものに変化する。ただし全てのキャラには対応していない。
---200ccはその名に違わぬスピード感を楽しめるモードだが、おまけ要素のためかタイムアタックには未対応な他、CPUが正しくコースを走らないなど調整不足な点も見受けられる。

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**評価点
-反重力要素による戦術幅の拡大
--これまではカート同士の衝突は完全に敵対行為であったが、本作では必ずしもそうではなくなった。
--悪意を持って意図的にぶつかられたとしてもこちらにも恩恵が渡るため、この間だけはドライバー同士が協力しあうことになる。
--カートの性能も通常時の性能と反重力時の性能、さらに水中性能が別になり、マンネリになりがちだった性能差に一石を投じている。

-HD画質となり、しっかりこだわり抜かれたゲームグラフィック
--高画質かつfpsも高い。なんと2P同時プレイでも60fpsのままプレイできる。
---『SFC』『[[64>マリオカート64]]』『[[ダブルダッシュ!!>マリオカート ダブルダッシュ!!]]』『Wii』では2P同時プレイの際には上下に画面が分かれていたが、今作の2P同時プレイの際には左右に分割されるようになった。
--3人以上でプレイするとフレームレートは落ちてしまうが、それでも努力している点は十分見られる。
--コース背景もかなり美しく、グライダーによる空中飛行がより壮大に感じられるようになったと言って良いだろう。
--今回のレトロカップは『64』を中心に再録され((その為、現在再録されていないのは「N64 ワリオスタジアム」だけとなっている。))、前作はSFC版が再録されたのに倣って今回は''「N64 レインボーロード」''が再録されている。~
そのレインボーロードは『ダブルダッシュ!!』のように下が大都会になっていて、そのHD画質であるのも相余ってかなり美しい。

-「マリオカートTV」という世界中のプレイヤーのハイライトリプレイが見られる機能が追加された
--自動で見どころを編集してくれるが、プレイヤー自身が編集してハイライトを構築することも可能である。

-操作パターンが豊富
--Wiiハンドル(Wiiリモコン)、ヌンチャク、クラシックコントローラーは『Wii』と同様に使用可能。GCコントローラーはWiiUの仕様上、使えなくなってしまったが、WiiUゲームパッドが代わりに使用可能になった。
--ゲームパッドはスティック操作の他にジャイロ操作も使用可能、ハンドルに近い感覚で使うことが出来る。一々Wiiリモコンを取り出す・起動させる手間がなくなり、慣れれば意外と便利。
--さりげなく十字キーでのハンドル操作にも対応。コントローラーにスティックがあるにも関わらず十字キーで操作できるというのは(Wii/WiiUでSFC版のVC、3DSでDS版を起動するなどの特殊な例は除いて)この作品が初である。

-BGMの大部分は著名な音楽家による生演奏曲
--どの曲もコースに合わせた素晴らしい楽曲に仕上がっている。曲によっては『マリオカート』以外のマリオシリーズで使われた曲のフレーズが入っているという遊びも。
--『7』に引き続き、1位で走っている間はイケイケトラックが流れ、雰囲気を盛り上げてくれる。
--一部打ち込み曲もあるが、ゲーム全体として見ると3/5以上は生演奏曲である。
--またメインテーマには初代『[[スーパーマリオカート]]』のタイトル曲のアレンジパートが含まれており、大変印象深い内容となっている。

-新アイテムは軒並み個性的
--投げた後自分に返ってくるブーメランフラワー。
---外しても戻りで当たることもある他、上手くいけば行きと帰りで2回ダメージを与えられることもある。(ただ流石にこれは稀な事例)
---サンダーを使われた時に投げている状態かつまだ使用回数が残っている場合、消えずに手元に戻って来る。こちらも稀な状況ではあるが。
--相手にかぶりつくパックンフラワー。
---かぶりつき最中はカートにもミニターボがかかるという地味に美味しいアイテムで、手近な相手を見つけるとかぶりつく他、コインを食べて入手してくれる。さらにコース上のバナナも食べてくれ、他のプレイヤーが使ったゲッソーも(スミを吐かれる前に食べてしまい)無効化するなど攻防ともに堅実な性能。
--周囲を騒音で攻撃するスーパークラクション。
---音波で攻撃して当たった敵をスピンさせるのみならず、防御性能も優秀。なんとこの音波はトゲゾーこうらを破壊出来るという特性を持っているのである。もちろんみどりこうらや赤こうら、コース上のバナナも弾き飛ばすことが可能。
--新アイテムではないが、ルーレットアイテムとしてコインが初代以来の復活を果たした。
---使うと一時的に僅かに加速し、10枚までは最高速も上昇するが、使ってもコインはたった2枚しか手に入らない為、基本的には初代同様にハズレアイテム。前述の個性的なアイテムの中にこれが含まれていると考えるとどうしても見劣りしてしまう。
---ちなみに前作のラッキー7とほぼ同等の効果を持ったミラクル8も登場するが、これに新たに追加されたアイテムもコインである。

-ウィリーを廃止したうえでバイクの復活させたことによるマシン選び幅の拡大
--カーブにとことん強いため、特定のコースではカートよりも有利に運ぶことが出来るようになった。グランプリによってがバイクのほうが走破しやすい場合も。
--本作ではミニターボはカート・バイク共に差はなく、どちらも二段階のブーストが存在する。

-豪華な内容の追加コンテンツ
--無料DLCでは実車であるメルセデス・ベンツの車両とコラボ。シリーズ初の実車カートとしてデフォルメした3台のクルマが無料DLCとして配信されている。
---これに合わせてベンツ側もマリオをキャラとして使ったCMを公開。迫力満点の実写マリオが登場したりベンツのドット絵が描かれるなど面白いものとなっている。
--有料DLCは第1弾は[[ゼルダの伝説シリーズ]]、第2弾は[[どうぶつの森シリーズ]]とのコラボとなっており、両シリーズのキャラがドライバーとして追加。追加コースの中にはハイラル城や村人達が住む街がそのままサーキットになった物もあり、さらには『[[F-ZERO]]』や『[[エキサイトバイク]]』のマシンやコースも登場。コースの作り込みの高さからプレイヤーからの評価は概ね好評で、ファンを大いに喜ばせた。
--これらの追加コンテンツの導入に伴うアップデートでは併せて以下のようなプレイヤーからの累積した不満点を概ね改善しており、その対応の良さは評価されている。
---テレビ側へのマップ表示機能。ネット対戦でのレートのカウンターストップ上限の緩和。グランプリ終了時のコマンドが「ハイライトを見る」が一番上であったのが「次のレース」に変更。キャラ・マシンカスタマイズの最終記憶。ネットワークの安定化。戦績記録スコアの追加。他人のハイライトを自分用に編集可能になど。

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**賛否両論点
-アイテム基準が順位制から1位との距離差制へ変更
--これや下記の仕様により、1位への苛烈な攻撃が起こる場面は大幅に減少、また、最初にわざとロースタートを切って強力なアイテムを得るという戦法はできなくなった。開幕時のカオスな展開もなくなり、理不尽な序盤の攻防はなくなっている。
--こうらやバナナといった一般アイテムはダメージ効果があがり、判定も広くなっている。
--アイテムの2個持ち(アイテムをカート後部につけることで使用扱いにするテクニック)は不可能となった。
---これまでの作品は、アイテムをカート後部に垂らしている間はアイテムを使用した扱いになり、新しいアイテムを手に入れられる仕様がほとんど。初回作のSFC版や特殊なシステムの『ダブルダッシュ!!』以外では標準的に実装されていた。
---しかし本作では、仮にカート後部に出していても、トリプルこうらを回していても、それがカートに残っている間はで新しいアイテムは入手出来ず、アイテムによるガード戦法が以前よりやや効きづらくなった。
---ブーメランフラワーだけは発射時にアイテムボックスをとれば新たにアイテムを習得出来るようになる。ただしブーメランも返ってこなくなる。
--アイテムボックスの再出現間隔が狭まり、先にアイテムをとった前走者がとにかく有利になるという展開はやや薄まった。
--これらの仕様は後述のように明らかな問題点も多く見られ、プレイヤーによっては「前作の仕様が良かった」、あるいは「もう一手間加えて欲しかった」という声も聞かれる。

-新キャラクターの選出についての賛否
--本作ではシリーズで初めてクッパ7人衆(旧名:コクッパ)が参戦した。しかしクッパJr.がリストラされてしまい、マリオカートでの共演はかなわなかった。
---近年ピックアップされているコクッパ軍団の参戦を喜ぶ人もいるが、人数が7人もいるだけにキャラクターが偏ったことに関しては、疑問を抱くユーザーもいる。
---ちなみにクッパJr.はその代わり、『8』発売の一年前に稼働を開始したアーケードグランプリDXでは継続参戦している。
--『Wii』から登場していたディディーコングやファンキーコングといったドンキーコングチームは、『7』でドンキー以外全員リストラされて今回も復活しなかった。厳密にはマリオキャラではないので仕方ない点ではある。
---補足しておくが、『Wii』はファンキーコングの性能によってバランスが崩壊していたことが問題だったのであり、キャラの登場自体はサプライズとして喜ばれていた。よって、このリストラ劇は必ずしも快く受け入れられているわけではない。
--一方で本作における新キャラクターであるピンクゴールドピーチやベビィロゼッタなど、同一キャラクターのバリエーションキャラが多い。『7』からの続投となるメタルマリオや、DLCで追加となるタヌキマリオやネコピーチ、Wiiの新キャラだったほねクッパなども元が同じキャラクターでその多くが占められている。
---好みの問題が強いものの、同一キャラクターのバリエーションに関しては「いろんなキャラクターを出して欲しい」という要望には応えられていない感がある。
---特にピンクゴールドピーチに関しては同一キャラクターのバリエーションキャラである上、他の作品に一切登場していない本作オリジナルのキャラクターであるため批判が多い。&s(){ベビィロゼッタも本作初登場なのだが、批判が見られないのは見た目の問題故か。}
--逆にワルイージが復活したことに関しては賞賛、というより安堵の声がよく聞かれた。人気が高いとは言い難いもののコアなファンは地味に多いだけあってか、この点はよく話題にあがっていた。
---反面、キャサリンやカロンといった『ダブルダッシュ!!』や『DS』でようやく参戦したキャラはその多くがリストラされた。コース上の看板や障害物としては登場するも、悲愁さが漂う。
--2014年11月と2015年4月、有料DLCとしてドライバーが追加された。2014年8月時点でDLCの予約販売を行っており、両方を予約・購入することでヨッシーとヘイホーのカラーが選べるようになる。このカラーバリエーションを含めればシリーズ最多だった参戦ドライバー数はさらに増えたことになる。
---DLCでは他にリンクやむらびとと言ったコラボキャラも追加されるため、上記の問題点はこれを入手することで少し解決出来るものの、このDLCにも既存キャラのバリエーションで半数が埋まっており、ニーズを満たせているとは言い切れない。

-軽量級が相変わらず不遇で、重量級との速度格差が激しい
--今までと同じような欠点がそのままになっており、ガチでプレイするなら重量級以外は選ぶ必要性がない。
---今回は特に最高速の面で大きく差が出ているうえ、当然ながら軽量型はぶつかり合いにも弱く、コース外に弾き飛ばされやすい。ガチで争うならまず向かない。
---ただし今回ジュゲムダッシュ・その場ドリフトが不可能なため、カスタマイズ次第ではダウンから復帰までの早さをかなりのものに出来る。最高速は犠牲になるが激しいアイテムの応酬が気になるのであれば、従来作に比べると一考の余地はある。
--初心者には使いやすいことは確かだが、結局それを使い続けることが出来ないというのは問題で、結果、最高速に特化したモートン・クッパ・ワリオ・Mii辺りにキャラが絞られてしまう。
---その中でも体格がやや小柄で視界を確保しやすいモートンに人気が集中することが多いという事態になってしまった。

-アイテム要素そのものの弱体化
--アイテムボックスの数はこれまでに比べて明らかに最低限程度にまで減少、アイテムによるカオスな展開はかなり落ち着いている。
--逆に言えば、一度アイテムを逃した時の痛手がより大きくなったということでもある。アイテム再出現間隔は短くなったものの、ギリギリの順位争いをしている際はどうしても先行車にアイテムを取られて不利になりやすい。
--要するにテクニックを重視するゲームとなった。レース要素を重視するコアゲーマーには受け入れられている部分もあるが、マリオカートのアイデンティティを目に見えて薄めてしまったため、ライトユーザーにはやや不評。
---シリーズの愛好家の一部からの「こういった変化はマリオカートの特徴そのものを否定している」という声もある。

-コースアウトペナルティの緩和
--本作ではジュゲムダッシュ((コースアウトの後、ジュゲムに釣られて着地する寸前にアクセルを押して加速するテクニック。上手く行けば着地後の膠着をある程度軽減できる。))が廃止され、ジュゲムによる救出がスムーズ化した。
--コインを3つ奪われる、完全制止状態から再スタートという点を除けば、ペナルティはない。今回はパワフルダッシュキノコやスーパースターの使用中に突っ込んでも、効果を残したまま救出される。
--これにより初心者やライトゲーマーがコースアウトするリスクが抑えられた反面、上級者をコースアウトさせた場合のメリットがやや薄れた。
---しかしコインの減少や、スピード0からの再スタートというペナルティありきのため、これまでのシリーズに近い足かせはあり、必ずしも単純にヌルくなったわけでもない。何度も落下すれば当然順位転落は確実だし、巻き返しもかなり困難になる。

-敵のAI
--150ccやミラーになると顕著だがこちらへのアイテム攻撃の精度が更に良くなり、また前作ではキノコ必須のショートカットどまりであったのが細い通路を使ったショートカットもよく使うようになり、『7』以上に敵のAIが賢くなっている。
--上級プレイヤーの中には手応えがあって良いという意見もあるが、『7』の難易度が丁度良かったことや後述のアイテム関連を考えると、あまり良い印象を与えない。

-反重力エリアの存在意義の薄さ
--せっかく売りに出された新システムだが、コース上で強制的に反重力のところを走らされるため、スピンターボが出来る以外は通常のコースを走っているのと視覚的に差がない。
---カメラワークの良さはこの作品の良いポイントでもあるので、下手に通常コース部分から弄らなかったことはむしろ評価できるとも言える。
--コースのアウト側に設置されている場合は任意で通れるのだが、当然アウト側を走る分だけロスになるためグランプリですらわざわざ通る価値はほとんどない。

-オンラインのコース選択の仕様変更
--本作ではランダムで特定の候補が4つ選出され、その中からプレイヤーが選ぶという仕様になった。これにより同じコースが二度三度続くといった事例は減少。
--候補の4つが気に入らなければ「おまかせ」を選べばそれ以外のコースも出るが、あくまでランダム。好きなコースを選べなくなったことには批判もある。
--しかしこれまでのように簡単なコースと難関コースに投票が偏るといった事例はなくなったため、より多くのコースが遊べるようになったのは、[[より酷い前例>大乱闘スマッシュブラザーズX]]のことを考えると良い点であると言える。
---また、コース決定さえしなければ部屋から退出はできるので、コースの厳選も一応は可能。

-レトロコース
--『DS』以降に導入されている要素だが、特に本作は古いコースほど元の面影がなくなっている。
--ハード性能が上がり、旧作コースのリメイクにあたって本作の追加要素を盛り込むことが可能になったためだが、結果的に賛否両論となってしまっている。
--ただし前作である『7』のレトロコースについては、本作がほぼ傾向を引き継いでいるためか好評よりの意見が多い。
--また、本作だけでなく『Wii』と『7』にも言えるのだが、レトロコースの選定には偏りがあり、SFC版とGBA版のコースが露骨に少ない。
---『DS』以降にリメイクされたコースの数は、SFC版からは10/20、64版からは15/16、GBA版からは10/20、GC版からは12/16、DS版からは11/16、Wii版からは7/16、3DS版からは4/16である((DLC「ゼルダパック」と「どうぶつパック」のコースも含む。))。~
『DS』より古い作品のコースは『DS』以降の新作が出る度にリメイクされるチャンスがあったはずだが、SFC版とGBA版はリメイク済みコースが未だに半数と非常に冷遇されている。
---初登場以来一度もリメイクされていないコースがある一方、『DS』以降で二度目のリメイクがされたコース(SFC・レインボーロード、GC・ベビィパーク、GC・ヨッシーサーキット)もある。

-BGM
--評価点でも書かれているが、本作では生演奏を含む壮大なコースBGMが使用されており、レトロコースも含めて使いまわしがないのが特徴。
---ただしレトロコースでも大胆なアレンジをしすぎたためか、元曲のイメージを損ねているという評価もチラホラ聞かれる。
---同じく有料DLCで配信されたコラボコースに使用されているアレンジ曲も賛否両論状態。
--ただしそれはレトロコースやコラボコースについてであり、新曲については基本的に好評。

-2画面ハードのお約束であったプレイヤーの周辺のマップを表示する機能がない
--ゲームパッドには全体のマップを表示させる機能が存在するが、『DS』と『7』の下画面側には備わっていた「周辺のトラップや後ろから来る甲羅等を確認出来る」「次はどこへ進めばいいのか分かりやすいように向いている方向に応じてマップが回転してくれる」という機能が存在しない。
--ただし、「今までの据置機のマリオカートシリーズになかったのだから『8』にはなくて当然」と考えるユーザーも当然存在する。

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**問題点
***アイテムバランスの問題
本作も独特なアイテムが多いものの、従来のシリーズに比べてこの要素に関しては批判点が出ていることが多い。

-アイテム距離制度の弊害
--距離によってアイテムが出る制度になったことで1位に対する苛烈な攻撃は収まったが、今度は逆に「いかに最初に差をつけて、下位同士を潰し合わせる状況を作り出すか」が独走勝利の鍵となってしまっている。
---アイテムの撃ち合いも、前のカートに当てるよりも後ろの相手からの突き上げを阻止することを考えないと、そもそも順位が維持出来ない。結果、1位が低リスクでトップを維持出来てしまう悪循環に陥る。
---仮に2位とのトップ争いが起こっても、1位も2位も手札が1つしかなく、攻撃しやすいアイテムは滅多に出ないし、1つの赤こうらでは到底1位の足を止めるのは不可能である。
--1位との距離次第では最下位でもダッシュキノコやコインばかりしか出ない。序盤に差が付いてしまう理由はここにある。運悪く最下位になってしまったりして上位を狙うのが絶望的になることもしばしば。
--アイテムの2個持ちが出来なくなったのもそれに拍車をかけている。1位が身を守りにくくなったということは同時に下位プレイヤーがアイテムで巻き返ししづらくなったということでもある。
---1人の防御力低下に対し、残り11人の攻撃力低下を行えば、どう考えても攻撃力低下のほうが影響著しいのは明白である。「2個持ち不可は1位のみにすれば良かったのでは?」という意見も。
---「距離を主軸に、ある程度順位も考慮すれば良かったのに」という意見もしばしば起こる。

-アイテムのカオスさの減少
--アイテムゲーになりすぎるのはそれはそれで問題と言われてきたが、本作は場を荒らすアイテムが控えめになっている。
--肝心の荒らしアイテムであるトゲゾーやサンダーも出現率がやや抑えめ。1位を追走している時ならいざ知らず、一度独走が始まるとこれまで以上に妨害や巻き返しが困難となった。
--離れていても1位に攻撃出来るのはトゲゾーとサンダーの2つのみ、前述の2個持ち廃止により、あかこうらを使うにしても2位が1位を追うにしてもアイテムが足りず、後ろにガードアイテムを付けられてしまえば追い上げようがなくなってしまった。
---トゲゾーこうらは空中を走るのではなく、今回も地上を走るため、巻き込まれた下位のプレイヤーが追い上げるチャンスを失うことになったことも、それに拍車をかけている。
---スーパースターによる無敵状態で他のアイテムを所持していても、サンダーを受けるとアイテムをドロップしてしまう。トゲゾー甲羅やパワフルキノコを更に装備して、一気に追い上げようとしてサンダーを食らうと悲惨な状態になりやすい。コースアウトならともかく、これでは何のための無敵なのか。
--設置系アイテム(主にバナナ)は本作で非常に消失しやすい。アイテムボックスの減少に反してこれまで以上にアイテムをとりまくると上書きされて消えてしまいやすくなり、パックンの登場で除外されやすくなったりと、これまでよりも罠戦法は通じづらくなっている。
---本作では先の通り周回の存在しないコースもあり、そういったコースではバナナは防御として以外使いようがないハズレアイテムになってしまっている。
--キノコは接触した相手をダッシュさせ、さらに自分もブースト効果が使えるという「お裾分け」要素だが、ミラクル8で出てくるスターは接触されると相手にそのまま奪われてしまう。
---ミラクル8にはボム兵もついてくるため、連打して早めに使いきらないと自分の首を絞めることになるという、あまり嬉しくないアイテムとなっている。これは『7』のラッキー7も同様。

-アイテム性能がやや不安定
--下位のブーストアイテムが全般的に弱体化し、7で消えた巨大キノコなど自分を強化する無敵系アイテムも減少。これにより爆発的な追い上げは難しくなっている。
--こうらなどの投げるアイテムは判定が強くなり当たりやすくなったのだが、緑やファイヤーボールといった誘導しないアイテムは接近警告がないため非常に奇襲性が高く、理不尽さを感じることもしばしば。
---ボム兵は余波でスリップが期待でき、なおかつ上手く投げれば数人を吹っ飛ばすことが出来る。とはいえ、クリーンヒット時の硬直はこうらやバナナとそんなに変わらず、むしろ自分が巻き込まれたり防御に使えない点を考えるとハズレアイテム気味。
---トリプルバナナはカートの周りを回転する仕様になった。これにより異常な防御力は弱体化されて独走させづらくした反面、使う前に他アイテムと接触して破壊されやすくなり、防御としても設置アイテムとしても活躍がさせづらい。
---あかこうらはさらに凶悪化し、ワープゾーンに入ってもギリギリドライバーの尻にくっついていれば一緒に突入してダメージを与えてくる。当然ワープ中に落ちると落下判定になるので、膨大なタイムロスとコイン6枚没収とかなりの大ダメージ。
--攻撃アイテムが強い反面、スピード強化のアイテムなどはそこまで爆発的なブーストを生み出すわけではなく、引いても逆転力が低い。
---一方で下記のスターを始め、当てると相手をふっ飛ばす系のアイテムは、これまでより慣性が働いて吹き飛ばされるようになったため、当てても慣性でゴールしてしまったりする。ダウン復帰においても投擲系アイテムよりやや早く、全般的かなり弱くなっている。
---ハズレとまでは言わないものの、本作では後述のスター中のブースト弱体化もあり、パワフルダッシュキノコに比べると逆転の面ではかなり見劣りしてしまう。

-アイテムの出現率の問題
--今回はカミナリ雲こそなくなったものの、引いてもたいしてレースでは活かせないアイテムがよく出るようになった。コインもそうだが1個だけのダッシュキノコなどは恩恵が少なく、2ラップ目から出てくるともはやハズレ同然。
---本作の新要素であるブーメランフラワーやパックンフラワーなどはレアめなアイテムは、距離制度の影響もあって『Wii』や『7』などの同等アイテムと比較すると出現率が低くなっている。
---特にスターは『7』と同じ、あるいはそれ以上にブースト効果がなくなっており、ダッシュキノコよりもブースト力が低く、もはや救済アイテムとしての体をなしていない。スターで相手を弾き飛ばすのも本作では狙う必要性が薄い。
--一部のアイテムがやたら偏って出てくることがある。ただでさえアイテムボックスポイントが少ないのにも関わらずトリプルキノコしか出ないこともザラ、コースによってはこれだと追い上げが難しくなることも。
---ハズレアイテムとされるコインは1位によく出現するアイテムだが、トップ争いしているライバルレーサーに対しても高確率で振られる。これを引いてしまうと身を守ることも追い上げることも出来ない。トップ争いに参加出来るというプレイヤーは大抵既にコインを大量に持っている為、尚更ハズレ感が高い。
---また、設定でアイテムの種類を固定してもコインが出てくることもある。甲羅に固定した状態で出てきてしまうと無防備となる。
---せっかく登場したスーパークラクションも、ほとんど出てこない。上位などは特にそうなのでトゲゾーこうらを破壊出来るというメリットを体感しづらい。あまりに出過ぎても1位の独走を助長しすぎてしまうが…。

-アイテムダメージ後の無敵時間が他シリーズに比べてやや短い
--バナナの皮を始め、今回はアイテムによるダメージ効果が大きく、完全に減速するようになっている。このうえで無敵時間が短いため、ダメージ演出が終わるのとほぼ同時にダメージを食らうようになる。
--この点は『Wii』の雷・トゲゾー・POWなどのコンボに似ている理不尽さがある。本作は当てやすい投擲アイテムが増えたためこのような現象が起きやすい。
---トリプルこうらなどは当然この戦法を取りやすくなっている。受ければ確実に最下位層へ真っ逆さまである。
--サンダーは喰らえばこれまで以上にドリフトやジャンプアクションがしづらくなり、前作までのように元に戻る際に体制を立て直すのが難しくなっている。
---こういった状態変化時に追撃が起これば攻撃されたプレイヤーは大きくロスするというシリーズ従来の問題点に加えて、『7』以上に次々とコインをこぼすことになり、逆転がさらに難しくなってしまう。
--前作では1位に対する過度なダメージが問題視されたが、この仕様のため本作では1位より少し下のプレイヤーや中間順位のプレイヤーに対して集中的にダメージが行きやすくなり、理不尽に中間順位のドライバーが最下位に転落する事例がより増えてしまった。
---特に1位に独走されていると、距離精度の適応によって、2位に対する攻撃がやや苛烈になる。2位の距離ではコインやバナナといった1位を攻撃出来ないアイテムばかりが出ることも相まって、1位が独走しやすい環境になるのも無理からぬといったところだろう。
-アイテムを命中させた時のキャラクターアクションが他シリーズに比べて出づらくなっている。
--近年の作品ではアイテムでダメージを与えた際、キャラがガッツポーズをとるようになったが、今作はその判定がやや厳しいようで、目の前にいる相手に甲羅を当ててもアクションしない時がある。
--一見どうでもいい様な差だが、引っかかりやすい場所に置いたバナナが誰かに当たったか(=自分が次の周で通っても大丈夫か)、後ろに投げた甲羅が後続に当たって妨害できたかなど熾烈な争いでは死活問題にもなりうる。
--トゲゾーこうらなどを投げてもたまに出ないことがあるため、当たったかどうかがよくわからなくなってしまっている。今回はトゲゾーこうらを防御する手段が増えたために尚更不便。

***システム周りの問題
-WiiUゲームパッドに情報が集中してしまい、テレビ画面にマップが表示出来な%%い%%かった。
--本作で一番槍玉にあがる問題点だったが、後のアップデートによってこの点は改善され、マップは任意でテレビ画面横に表示出来るようになった。ちなみにマップはキラーやトゲゾーこうらの動向も分かるようになっている。
--この点は「特に必要ない」「ゲームパッドをチラ見するのもテクニックの一つ」という意見も見られる。これはもっともな話と言えるが、重要なのはゲームパッド単体プレイの時でさえもマップが見られないということ。
---「パッドをチラ見する」という意見も、両画面の近い『DS』や『7』はともかく、据え置き型であるWiiUではパッド操作しながらではレース画面を見えづらいという意見がある。見やすくするならばWiiリモコン等でプレイし、ゲームパッドを充電スタンド等を用いてテレビの隣に立て、ゲームパッドはコントローラとして使うのを諦めなければならない。
---もっともカーナビのような扱いに出来るとも言えるため、そこまで見る余裕がないほど常時レースが苛烈するわけでもない。
--中には「順位・アイテム所持表もテレビに写してくれ」という声があるが、テレビ画面に情報が集中しすぎることを軽減することが一定の目的として考えられているのがゲームパッドである為、それありきの内容には噛み合わない要望である。
---ちなみに初代でゴール順を表示したり、『64』~『ダブルダッシュ!!』でトップ4のアイコンを表示したりと「順位情報のテレビ表示」には前例があるものの、それ以降は『DS』と『7』の下画面でしか採用されていない。つまりゲーム画面がうるさくなりすぎるという懸念が否めない。
--ゲームパッドにしか表示されない情報が存在するため、&bold(){テレビを使わずゲームパッドの画面だけでプレイする他、多人数プレイ時で誰かにゲームパッドをコントローラとして使用されると参照できなくなる}という問題があり、マップはもちろん順位やアイテムの情報でも適切とは言い難い。
---余談だが、多人数プレイ時でゲームパッドをコントローラとして使用するとゲームパッド上には2~4Pの画面が同時に表示される為、一人だけ『GBA』、『DS』、『7』のような携帯機感覚でプレイする……なんてことは出来ない。

-ネット対戦やグランプリ中にマシン・キャラの変更が相変わらず出来ない
--しかも本作ではカート・バイクでまるで性能が違うだけあって、どちらかに勝負をかける結果となる。カートが安定してしまう理由の一つでもある。
--せっかくNintendo Directでカートとバイクの違いをしっかり見せたのにも関わらず勿体無い点である。

-タイムアタックのゴースト数減少
--前作に当たる『7』では、いつのまに通信を行えば全世界のゴーストを取り入れて自分を含めた8台同時の疑似グランプリにも設定出来た(もちろんゴースト1台でのタイマン型にも設定出来る)が、今作ではゴースト1台でのタイマン型のみになってしまった。

-チーム戦の同士討ち
--今までチーム戦では仲間の攻撃を食らっても怯まずにアイテムが消滅するだけで済んだが、今作ではしっかりとサンダー以外のダメージを受け、チームメイト間による協力プレイがほぼできなくなった。もはやチーム戦モードを作る意味があったのか疑問。

-バイクの存在意義がやや薄い
--元々マリオ''カート''なのだから当然だが、最高速度が速いカートのほうがタイムアタック・対戦ともに安定してしまう。
---ラストは直線が多いレースゲームにおいて、最後の攻防で不利になるという点はやはり大きく、メリット以上の効果が得られているとは言い難い。
--ただし薄いだけで『Wii』の時のような一方的なものではなく、やはりカーブメインのコースやグランプリでは公言通りの性能を発揮する。
--せっかく2種類あるなら、使用マシンを2台決められるようにして、コースごとに扱うマシンを変えられるようにしても良かったかもしれない。

-ステータスの一つ、加速や重さはメーターの最大値が小数点位置の部分は切り捨てられる。
--例えば「マリオ+スタンダードカート+ノーマルタイヤ+スーパーカイト」の組み合わせの加速性能は2.5だが、実際は2.0で0.5の部分は影響されず無駄になってしまう。
---厳密に言えば切り捨てではないのだが、体感できるほどの差がないため影響はまずない。
--重さも加速ほどではないが、小数点位置より整数点位置の方が明らかにパラメーターに影響する。

-カート・ドライバーにおける、ステータスの個性付けが少なすぎる。
--これまでは密かに細かく各キャラクターの微妙な性能の違いを考えられていたが、本作でのキャラクター性能は大きく7種類に分けられており、細かい性能の上下が個別に存在しない。
---さらに、コクッパ7人衆はせっかく7人居るにも関わらず、この7種類に7人がそれぞれ分散しているわけではなく性能が被っているキャラクターが何名か居る。
---前述通り重量級有利なバランスのため、結果的に重量級というだけでキャラが選ばれてしまうことに。
--ドライバーだけに飽きたらず、せっかくカスタマイズ出来るカートやバイクにおいてもそれは同様。グライダーに関しては2種類しか能力個性がない。せっかくたくさんのキャラクターやマシンパーツを出したのにも関わらず登場意義が薄くなってしまった感がある。
---単に車のボディやパーツの外見が違うだけで、結局安定する組み合わせのドライバーとパーツが選ばれるだけなので、こういった仕様の変化が効果をあげているかと言えば疑わしいものがある。
//「モートンカート8」という言葉は中立的な観点でないように感じられます。
//挙げられていた「視界の確保」についても、(特に重量級Miiと比較して)モートンだけが優れているとは言えません。
//キャラクターの強弱に関しては、単に「重量級が有利」と述べるだけで良いと思います。

-バグに近い加速テクニックの存在
--通常速度より加速した状態でに左右交互にミニジャンプを繰り返すと、速度が落ちなくなる裏技的テクニック。雷マークのようなジグザグを描くので"サンダードリフト"と呼ばれる(略称サンドリ)。真っ直ぐ直線に走るより速くなるとは如何なものか。なお何故かハングオンバイクでは行えないのでこのカテゴリは不利である。
--着地ドリフト(ミニジャンプ後着地寸前でドリフトを開始すること)を短時間で連続で繰り返すねじれドリフト。こちらはサンドリより難易度は高い。
---DS等の過去作に存在していた"直ドリ"(直線上でミニターボを連発するテクニック)程ゲームバランスを崩壊させている訳ではないが…
--これらの小技を可能か否かで速さに大きく差が出てしまい、中級者以上が集まった試合で差をつけるには事実上これを強制される。サンドリは操作していて楽しくも何ともないし、指やコントローラーに大きな負担を掛け、素早い左右交互入力が難しいハンドル操作のハンデを大きくしている。
---明らかに原理不明な加速方法なためバグの類のテクニックと思われるが、現時点で最新のVer.4.1でも可能なため、真偽は不明。

-バトル専用コースの廃止
--''本作の最大の問題点の一つ''とも言えるポイント。今回のバトルコースは全てレース用コースからのほぼ完全な使い回し。試合中は長いコースをぐるぐる回る羽目になる。
--逆走や極端にプレイヤー同士が離れた際の処置も特になく、単純に従来のルールをレース用コースで再現しただけ。バトルならではの反重力を利用した戦法なども編み出されず、アイテム2個持ちが出来ない為攻防も少ない。
--結果、試合が膠着しやすく非常にやりづらい仕様となっており、盛り上がりに欠ける。オンラインでもバトル部屋は過疎がはっきりと目立っていることからも、誰にも評価されていないのがわかる。
--また、風船が全部割れると前作や『Wii』のようにポイント半分の状態で再開ではなく、そのままリタイアとなりゴースト化して敵を攻撃するという『64』や『アドバンス』に近い仕様となっている。コースの仕様もあって、この仕様によってリタイア者もその後楽しめるとは言い難い。
---Wiiではさほどバトルレースでの不満がなかっただけに、何故今更こんな仕様にしたのか疑問が募る。「DLCなどに合わせて配信では?」という希望的な憶測もあったが、当然そんなことはなかった。
//しかし、Nintendo Switch向けに発表された本作の移植タイトルではこの問題が改善され、バトル専用コースが何と復活する事となった。
//『8デラックス』の記述については発売後3か月経ってからそっちの記事に書くべき。

-オプション回りの劣化
--ゲームパッドのハンドルスタイルでプレイする場合、毎回の起動時に必ず1回1回自分で設定しないといけない。しかもレース開始直後の短い時間にである。
---起動時1回だけイジれば良いだけとはいえ、せっかく新しいスタイルであるゲームパッドプレイをより億劫にし、敬遠され気味なゲームパッドの印象をさらに悪くしかねない仕様。
--アップデート前はゲームパッドに情報が依存していたことに不満が集中していただけに、尚更ゲームパッドという要素に振り回されている感は否めない。
--当初はオプション画面すらなかったが、アップデートで総合スコアなどは見られるようになった。

-Miiのヘルメット強制
--ゲームの仕様上どうしても後ろを向いてしまい表情のパーツが確認出来ない為、Miiでプレイしているという感覚に浸る為には、後ろから髪型を見る位しかなかった。しかし、今作ではヘルメットの着用を強制されて髪型さえも見られなくなり、Miiの個性が大幅に殺されてしまった。
---ゲームでもヘルメットの着用を義務付けることで、現実でノーヘルメットでバイク等を運転しないよう呼びかけたかったのかしれないが、他のキャラがノーヘルメットである時点で説得力皆無。

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**総評
マリオカートの集大成として作られたため、要素に関してはほぼ全部載せに近い内容となっている。~
反重力という新しい設定を競争要素としてうまくおとし、カートとバイクの格差をなくすことで、レースゲームとしての質はさらに進化したといっていいだろう。~
しかし、アイテム出現のバランスの悪さなどを始め、問題点も見逃せないほど大きいものがあるのは否めない。~
特にアップデート前は「どうして?」というレベルの痒いところに手が届かない問題点も多く、本来の良質なゲーム性の足を引っ張っていた。~
今ではある程度改善されたとはいえ、あくまでオプション周りの不便さの解消であって、ゲームバランスに関してはほとんどいじられていない。~
よって、本作はレースゲームとして『Wii』より完成度は増したものの、総合的に『7』ほど完成度が高いとはいえない。パーティーレースゲームとしては『Wii』にも劣る部分がある。~
つまり本作も、『Wii』に近い「良いゲームだが、見逃せない問題点が多い」傾向にあると言える。

単純なレース要素は強くなり、テクニックを駆使して走るスタイルを重視するプレイヤーにとっては、これまで以上に面白くなったと言える。~
従来のテクニックに加え、スピンターボによるブーストなどの新要素をどう活かすかということも、場合によっては要求されるので、新しいやりごたえもある。~
しかし、そういったポイントは、ビギナーやライトユーザーに配慮した数々の改良要素に見合っているかと考えると、首を傾げる部分もある。~
特にマリオカートシリーズが先駆けとなった『アイテムを使ったパーティー要素』が薄れている点は首を傾げる点であり、マリオカートである理由も薄れた感も強い。

ある程度続いているシリーズゆえに仕方がないことではあるのだが、上述した点も含め本作では新規・復刻・調整された要素のほぼ全てが賛否両論となってしまった。~
そのため人によってはグラフィック以外が過去作全てからみて劣化という声から、歴代作同様またはそれ以上に面白いという声まである。~
Wii版ははっきり賛否が分かれる作品であったが、本作ははっきり評価二分されている、というより非常に評価がバラついているゲームであると言えよう。

また、誰が見ても劣化としかいいようのない仕様となったバトルゲームも忘れてはならない。~
バトル用のコースを用意せず、レース用のコースを使いまわすという仕様は、手抜きと言われても仕方ないレベルである。実際プレイ人口はほぼゼロに近いほどまで減った。~
こういった要素も、アイテムバトルゲーム離れを促進させてしまっているだろう。HD画質でまともなバトルゲームがプレイしたいという人には非常にガッカリな内容と言える。

新規に向けて評価出来る部分もあるものの、シリーズ経験者からすると不満点が非常に多い。~
加えて、シリーズ経験者の意見を受けて変えた仕様が噛み合わず、新規ユーザー向けの要素を邪魔している(特にテクニック重視な点)点も見られる。~
結果として本作は新規層に向けているとして見ても、シリーズファンに向けているとして見ても、中途半端な印象は否めない。~
ただ、発売後も様々なアップデートによって追加要素を何かと盛り込んでおり、ゲームを常に進歩させようとする努力を常に続ける意欲的な面があることは忘れてはいけないだろう。
//「下記のように」と書いておきながら下記に何も無かったので文章修正、項目をCOするならこういう所に気を使ってほしいと思わざるを得ないこの頃

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**その後の展開
-2014年8月下旬に行われたメルセデス・ベンツとのコラボと同時に大幅なアップデートが行われた。その際、本作の初期に散々言われていたマップ表示を始め、難点として語られていた主な項目は概ね改善された。
--マップ表示の他に、グランプリ終了時のコマンドが「ハイライトを見る」が一番上であったのが「次のレース」に変更。キャラ・マシンカスタマイズの最終記憶。ネットワークの安定化。戦績記録スコアの追加。他人のハイライトを自分用に編集可能になど、その対応の良さはかなり評価された。
--コラボで実装された車種はクロスオーバーSUV「GLAクラス」、レトロなフォーミュラカー「W25 シルバーアロー」、スポーツクーペ「300SL ロードスター」の3種。シリーズ初の実車カートとなった。

-2014年8月に有料DLCの存在が発表された。マリオシリーズでこのような売り方は珍しく、話題を呼んだ。「DLCを予約して購入する」という構造はDLCとしても稀。
--ドライバー3名、カート4種類、8コースのセットで各800円(税込)。第1弾と第2弾をまとめたパックは1,200円(税込)とお得。2015年12月現在で第3弾以降の予定はない模様。
--第1弾は『ゼルダの伝説』シリーズ、第2弾は『どうぶつの森』シリーズとのコラボとなっており、追加コースの中にはハイラル城や村人達が住む街がそのままサーキットになった物も。
--両方を購入するとヨッシーとヘイホーのカラーバリエーションが8種類追加される。
---コースの作り込みの高さからプレイヤーからの評価は概ね好評。『F-ZERO』・『エキサイトバイク』のコースなども存在し、往年のファンにはまさかのサプライズとなった。
-またアップデート(Ver2.0)により、ネット対戦でのレート上限が99999になり、レート自体が上がりにくく、下がりやすくなった(例を挙げると、12人部屋にて1位で+5だったとすると最下位で-30ほどになる)。一般層やライトユーザーにはあまり関係のないことだが、経験者にとっては賛否両論が分かれている。
--ただしVer3.0のアップデートでレートに関しては再び計算式が以前と近いものに戻っている。最もレートに関しては元の計算式でも賛否両論だったので一概にどちらが良かったかは言えないが。

-2014年11月のアップデートでamiiboに対応するようになった。使用すると対応するキャラクターをモチーフにしたmii用のスーツが追加される(性能は変化しない)。
--2015年4月のアップデートで対応amiiboが追加された。

-2015年4月のアップデートで、マリオカートシリーズ史上初となる''200ccクラス''が登場した。ただしタイムアタックでは使用できず、ネット対戦でもカスタムルールでしか走ることが出来ない。
--最も150cc以下とは1.5倍程スピードが違い完全に別のゲームと言えるほどの挙動なので、仕方がないともいえる。またバグかは不明だが、CPUもカートを制御できず、勝手に落下や衝突を繰り返すことも。まぁそのおかげで難易度が下がっている面もあるのだが。

-潤沢なゲーム内容に加えて、DLCによってさらに広がる点
--『メルセデス・ベンツ』の実車とコラボし、デフォルメしたクルマが無料DLCとして配信されている。
--これと合わせて、ベンツのCMでも実写マリオが登場した。実車でマリオカートのコースを走ったり、ベンツに乗ったマリオのドット絵が描かれたりなどやりたい放題。
---特に、マリオに勝利したルイージのダンスは必見である。
--前述の通り『ゼルダの伝説』『どうぶつの森』など任天堂の他作品とのコラボが行われ、有料DLCとして登場キャラクターの乗るオリジナルカートとグランプリコースのセットが配信された。}

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