「ストリートファイターII'」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ストリートファイターII'」を以下のとおり復元します。
本項目ではAC版「ストリートファイターII'」(''良作'')、「ストリートファイターII'TURBO」(判定なし)およびそれらの家庭用移植版の紹介をしています。
-無印は[[ストリートファイターII]]、「スーパー」以降は[[スーパーストリートファイターII]]の項目を参照。
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#contents()
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*ストリートファイターII'
【すとりーとふぁいたーつーだっしゅ】
|ジャンル|対戦格闘アクション|~|
|対応機種|アーケード(CPシステム)|~|
|販売・開発元|カプコン|~|
|稼働開始日|1992年4月14日|~|
//|プレイ人数|人|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|ストIIのバージョンアップ版&br()四天王が使用可能に&br()''極悪性能のベガ様''|~|
|>|>|CENTER:''[[ストリートファイターシリーズリンク>ストリートファイターシリーズ]]''|

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**概要
初代『[[ストリートファイターII]]』によって格闘ゲームに、CPU戦ばかりでなく対人戦の要素でもブームに火が付き、ゲームセンターで2台の筺体を対面に繋いだ通信対戦台が出回り始めた頃。~
対戦としての面白さをもっと追求しようと、初代のボスキャラクターである四天王の使用解禁、対戦のバランス調整を目的にカプコンが発表したバージョンアップ版である。サブタイトルは「CHAMPION EDITION」。

個性豊かな8人に加え、新たに使えるようになった4人、計12人のキャラクターから1人を選択し、同キャラを含めた12人全員を倒す事が目的。


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**変更点

***システム
-基本的なシステムは『ストリートファイターII』と同様。
-全体的に攻撃力が減少した(特に連打キャンセルで複数ヒットする弱攻撃)。
-気絶から復帰後の約1秒間は気絶ダメージが入らないようになった。これにより前作であった「一回気絶してしまうと気絶~気絶で試合終了」という事態は起きにくくなったが、完全に無くなったわけではない。
-四天王に行き着くまでの8人の進み順は最初はランダムだが、以降はそこを起点としてリュウ→本田→ブランカ→ガイル→ケン→春麗→ザンギエフ→ダルシム→(リュウ)のローテーションとなる。
-勝利時およびエンディングのセリフにカタカナと漢字が使われるようになり、文章が分かりやすくなった。

***音楽
-エンディング曲が新たに加わった。それ以外は初代と同じ。
//-ボイスは多少削減され、(当然だが春麗以外の)投げや敗北時のボイスは本田やザンギエフの低い声に統一された。
//↑多分SFC版で声が変わったのと錯綜してる

***グラフィック
-キャラクターの一枚絵の輪郭が全体的に角ばったデザインにアレンジ。特にリュウやガイル等は大幅に変更された。
--春麗のチャイナドレスやバルログの敗北時の顔(通称:鼻水)の配色ミスは修正された。

-各ステージの背景の時刻が変わったり(例としてリュウステージ:夕方→深夜)、容量削減のため、ステージに存在していたオブジェクトのいくつかが削除されたりした((特に初代サガットステージは、筐体性能を限界近く利用してグラフィックを表現しており、容量が最大となるキャラクターの組み合わせ(ザンギエフ対サガット)でぎりぎりゲームが動くほどであった。最も大きいグラフィックを持つサガット同士での対戦を可能にした事で容量の限界を超えてしまうため、ヤシの木が削除されたとの事。))。
--削除されたオブジェクトの容量は、四天王の新技に使われている。

-前作ケンのエンディングで衝撃を与えた「いらいざ」もちゃんと美人に描き直されている。

//-全キャラにストレート勝ちでクリアすると、スタッフの似顔絵が表示される専用エンドロールが流れる。
//って要素無かったっけ?

***キャラクター
#region(8人+4人の追加プレイヤーキャラクターたちの変更点)
''リュウ''
-波動拳の出るまでの時間が短縮された。波動拳の鳥籠((相手を画面端に追いやり、飛び道具連打で相手の行動を制限すること。なおCPUもやたら使ってくる。))が脅威になりだし、守り型のキャラクターとして確立していく。
-他に、弱昇龍拳を地上で当てても相手はダウン、竜巻旋風脚も当たると相手はダウンする上に上昇・下降時が無敵、と必殺技を中心に大幅強化された。
-対戦では中位であるものの、使い易さと爽快感からリュウ使いが激増した。

''ケン''
-今作から同キャラ対戦が可能となったために、リュウとは対照的に攻め型のキャラクターとして強化された。
-昇龍拳を(中・強で)地上で当てると複数ヒットして相手がダウンするのは勿論、技の発生、判定、威力、着地の隙の面で強化された。強の昇龍拳が横に大きく伸び、全キャラ相手に正面からの大・大・アッパー昇龍拳といったおなじみの連続技が入るようになったため、ケン相手にピヨッたらほぼKOは確定とも言える。通常技ではジャンプ強パンチが強化され、飛び込みの主力になった。
-しかし、波動拳は発生が遅いまま変わらず、竜巻も当たれば高速でベシベシと見た目は楽しいが威力は弱いので、飛び込みの通じない上位キャラ相手には極めて不利のままであった。
-他のキャラクターも全般的に強化されているので、対戦ランクとしては下位に取り残され、リュウとは大きく水を開けられることになった。

''エドモンド本田''
-百裂張り手を出したまま左右移動が出来るようになり、出し易くもなった。スーパー頭突きも弱中強によって速度が変わりダウン性能が付与、通常技の判定強化など強化された部分も多い。
-その代わり対空弱頭突きの判定弱化、百裂発動中の掌に喰らい判定の付与と弱体化も目立ち、鳥籠にも相変わらず弱いままだった。

''春麗''
-新技として、初代で没になった背中蹴り(鶴脚落)が使えるようになった。百裂脚も出し易くなり、連続技にも組み込める。そしてスピニングバードキックも出始めが無敵に。
-しかし、初代で大きなアドバンテージだった投げ間合い、通常技の喰らい判定が見た目通りになった結果、『ダッシュ』で最も弱体化したキャラクターになった。
-余談だが、春麗の同キャラ戦すなわち女性と戦うカードが生まれた為、その場合は勝利台詞の「大したことない男だわ!」「全ての男たちは私にひざまずくのよ!」の「男」部分が「女」に差し替わるようになった。『ストII』シリーズ全体において、相手に応じて台詞の一部分が改変されるのは春麗のみ((ベガは『スパII』で総替えされた。))。

''ブランカ''
-ローリングアタックのカウンターダメージが無くなり、電撃が出易くなった。益々レバー操作とボタン連打主体のお手軽キャラとしての性格が強まり、使用人口が激増した。

''ザンギエフ''
-ダブルラリアットが対空兵器として使え、左右に動く事も出来るようになった。屈強K等の通常技も強化され、箸にも棒にも掛からなかった地上戦が大分やり易くなった。
-反面スクリューパイルドライバーは着地時に離れるようになり、ハメ殺しがしにくくなった。また小技も威力が下がり連射も効きにくくなっている。
-対戦ではガイル、サガットを相手に悲惨なまでの相性を叩き出し、相変わらず単独の最下位であった。
//VSダルシムは『ストII』よりはマシになってるしガイルやサガットほどじゃない

''ガイル''
-サマーソルトキックの着地に硬直時間ができ、近強K・屈中K・遠弱P等の通常技も弱体化した。もちろん真空投げも修正。
-しかし、封印バグの消去、ソニックを溜めたまま前進攻撃ができるニーバズーカ(通称:ラビットニー・ラビニ)の追加、リバーサル技が出し易くなった事により、総合的に見れば寧ろ強化されており、『ダッシュ』においてベガ、サガットと並ぶ3強に入っている。唯一ベガと五分に戦える他、ザンギエフに対して前作以上に詰ませている。
//本田は前作よりマシになってる

''ダルシム''
-判定の強過ぎた通常技の喰らい判定が増大、防御力も低下し「リーチと対応力は一線を画すが、打たれ弱く操作も難しい」という上級者向けのキャラクターとして確立した。
-一方で、近距離の通常技がキャンセル可能、ドリルキック・ドリル頭突きもすぐ出せるようになり、攻めキャラとしても使えるようになった。ザンギエフ共々、しゃがみでサガットの上タイガーショットを避けられるようになったが、自分のヨガファイアーもリュウ・ケンの竜巻で避けられてしまうように…。

''以下のキャラクターはこの作品から使用可能キャラクターになった。''

''M・バイソン''
-つかみ技として「ヘッドボマー」ができるようになっている。
-パンチ系しか無い技構成、ジャンプも遅い上に飛び込み技の判定も弱いので「固められると終わり」と言えた。特にベガ、ガイルとの相性は極悪そのもの。他の四天王が上位を独占する中、彼だけが下位にポツンとしていた。
-しかし豊富な連続技で気絶から気絶に持っていけるため使いこなせればかなり面白いキャラクターであり、上級者には好まれた。

''バルログ''
-回転しながらの突進技「ローリングクリスタルフラッシュ」が出来る様になり((モーション自体は初代からあったが、回転時に攻撃判定が付いた。))、スペイン以外では壁を蹴って上空から「フライングバルセロナアタック&イズナドロップ」で急襲する様になった。
-機動力の高さに加え、投げ技の威力が異様に大きかったため、対戦では3強の直下位であった。
-なお、その高速で画面を飛び回る戦法には「ヒョーバル」という俗称が定着した。

''サガット''
-足払い・投げができるようになった。さらに「タイガークラッシュ」が追加され、この技は対空技にも連続技にも使い分け可能。タイガーショット、タイガーアッパーカットの強さも健在であり、「飛ばせて落とす」単純な戦い方で多くのキャラクターを詰ませており、対戦ではトップクラスに位置する。

''ベガ''
-『ダッシュ』における最強キャラ。
-「サイコクラッシャーアタック」は''ガードされても本来の75%の削りダメージを与える''((サイコクラッシャーに限らず、『ターボ』の削りダメージは本来のダメージの25%と設定されており、サイコクラッシャーは3回削るため。ちなみに先に発売された海外版では削り回数が5回となっておりさらに凶悪だった。))上、隙も小さい。しかも全身に攻撃判定がある上、腰から下は攻撃判定のみでやられ判定がないので、起き上がりに下半身を重ねる通称「サイコテイル」を使われると、相手は無敵技を出したところで攻撃が外れてしまい隙を晒すだけになる。
-そして何より「ダブルニーハメ」((ダブルニー屈中P立中Kダブルニー…で、延々と相手をガード状態で固めたまま削り殺すテクニック。脱出は極めて困難であり、キャラクターによっては完全にハマる。))「サイコ投げ」((サイコクラッシャーアタックをガードさせ、着地と同時に即投げてしまうというテクニック。理論上はハメ技ではないのだが、投げ時にベガ側はボタン連打で良いのに対し、相手側はベガの着地前にボタンを押してしまうと通常技が出てしまい攻撃モーション中に投げられてしまう(『ストII』シリーズの投げ技は全て1フレーム発動な為、投げが成立する間合いなら無敵技以外には一方的に勝てる)。当然、ボタンを押すのが遅ければ普通に投げられてしまう。))と称されるハメ技を簡単に出せる、ジャブから派生する連続技は気絶から気絶に持っていける死の連続攻撃。こんな性能のおかげで「ベガ禁止台」まで設置される有様であった。
//--ちなみにこのサイコクラッシャーアタック、前作では「(CPUの都合上)体力が半分以下にならないと使用しない」「発生が遅い」「発動中は受けるダメージが2倍になる」という弱点があったのだが、本作では体力に関係なく使用できる上に、発生が早くなるなど''弱体化されるどころかむしろ強化されている。''
//いちいち書くほどのことじゃない。『ストII』のCPU仕様じゃ使い物にならないのは目に見えてわかるんだから

''ロケテスト版の性能について''
-発売に先立つ1992年の2月、AOUショーにおいてストII'のロケテストが開催された。この時のバージョンではザンギエフやバイソンが強キャラであり、バルログはこの時点では最強キャラと言われた。
--ザンギエフは強脚払いの判定が製品版とは比べ物にならないほど強く、スクリューを決めても間合いが離れないままであった。
--バイソンはジャンプ攻撃の判定が製品版とは比べ物にならないほど強く、脚払い対空などまず余裕で潰せるほどだった。ターンパンチは溜め時間に関係なく『ストII』中ボス時と同じ攻撃力が出せ、ダッシュアッパーもしゃがんだ相手に当てる(ガードさせる)ことができた。
--バルログは特殊技のバク転に全く隙が無く、投げられ判定も無かったので対空・対地両方で使える凶悪な逃げ技であった。
-この後すぐに再調整されて製品版の強さに落ち着いた。おかげで、AOUショーのロケテストをやり込んだザンギ使いやバイソン使い達は、製品版で涙を流すこととなった。
#endregion

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**評価点
''対戦格闘ゲームの基本形を確立させた''
-プレイヤー同士で対戦した場合、勝った方は次に乱入されるまでは1Pモードでプレイを継続出来るようになった((『ストII』時はプレイヤー同士の対戦になった場合、勝っても負けてもゲームオーバーになる。))。
--これは、以降の格闘ゲームにおけるスタンダードとなる方式であり、ゲームセンターの風景を決定づけたと言える。
//筐体を2台使ってのいわゆる「対戦台」が設置されるようになったのもこの作品からである。
//対戦台は『ストII』後期から設置されていたのでCOします。

-''同キャラ対戦の実現''
--初代では「同じキャラクターが二人いるのは不自然」という理由で導入されなかった同キャラ対戦だが、実際に大会で同じキャラをメインとするプレイヤー同士の対戦等で不都合が起きていたため、設定上の不自然さよりもゲーム性を重視することとなりこの作品で解禁された。それに伴いキャラクターの衣装の色が決定ボタンに応じて変化するようになった。
---これにより、対人戦の自由度が飛躍的に高まった。以降、後続の格闘ゲームでも同キャラ対戦やカラー選択ができるのが普通となっていく。((厳密には『II'』よりも早く1989年に発売されたタイトーの『バイオレンスファイト』にて、既に同キャラ対戦とキャラクターカラーの概念は導入されていた。))
---ちなみにこの作品当時はもちろん初期の同キャラ対戦ができるゲームでは、色違いは「ニセ○○」と呼ばれた事や、それを勝利デモ中で自らネタにする作品もあった。
--ステージ開始時にスタートボタン押しっぱなしにすることで相手側の「INSERT COIN」表示部に「求む!対戦プレイ」と表示することが可能。これは以降のシリーズにも受け継がれた。

''四天王が新たに使用可能''
-このゲームにおいて一番の見所であり、前作で散々苦しめられたボスキャラクターをこちらが自在に使えるというのは稼働前から注目を集めた。

''永久プレイの防止''
-前作でのダブルKOによる永久稼ぎ防止として、FINALラウンドは4ラウンド目に繰り上げられた(前作では10ラウンドまで行えた)。一切のスコアが入らず、勝負が付かなければ両者ゲームオーバーになる。
--新たな稼ぎ要素として、「必殺技でトドメを刺すと、技点が3倍になる」というフィーチャーが導入されている。

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**問題点
''キャラクター間の格差''
-初代『ストII』では「キャラ勝ち」の要素が強くなり過ぎていたため((ダルシム、ガイルが圧倒的に強く春麗が何とか対抗できる図式、最弱はザンギエフで次いでリュウとケン。))、『ダッシュ』で対人戦をメインにするにあたってバランスを再調整することもバージョンアップの意図であった。
--だが、「キャラ勝ち」の要素は相変わらずであり、強力な四天王が使用可能になったことで寧ろ拡大した。上位面ではベガがぶっちぎりの最強キャラとして君臨し、これにガイル、サガットを含めたた3人が3強とされ次点がバルログ、下位に目をやると最弱はまたしてもザンギエフ、次いでケン、バイソンと上位下位の顔ぶれを見ても初代『ストII』とほぼ同様になってしまったため、調整不足は否めなかった。
---特にザンギエフ対サガットの相性は1:9であり、「竹槍で要塞に攻め込むような組み合わせ」と例えられた((この組み合わせは基本的に、『スーパー』まではほぼ勝ち目がないと言われている。))。初代のザンギエフ対ダルシムと並び『ストII』シリーズで最も終わっている対戦の1つと呼べるだろう。

''ハメ技''
-初代にも当て投げ等のハメ技は存在したが、当て投げのあるリュウとケン、ザンギエフの性能や対戦における地位を考えると、寧ろ必須ともいえ暗黙の了解であり、そもそもこの様な状況に持ち込むこと自体が困難であった。
--しかし、今作のベガは只でさえ高性能であり、上述の「ダブルニーハメ」、「サイコ投げ」は手順も簡単、且つ仕掛けるのも容易く、対処不能なキャラクターが多いのでお子様プレイヤーの御用達になってしまい、ゲーメストでも問題にされ座談会が組まれる程であった。
--余談だが、「サイコ投げ」がリリース後問題になった際に開発者らがベガのサイコクラッシャーのデータを再度調べた所(内部的に空中に居る判定になっていて、何も抵抗出来なかった)というのが実際の所であったらしい。

''バグ''
-前作であったバグはもちろん修正されているが、新しいバグも存在している。特に影響が大きいのは「ダルシムの吹っ飛びやられに食らい判定が存在している」というもので、空中コンボを叩き込む事が可能になっている。
--特にVSザンギエフ戦では「一度掴み技で掴まれると、離れた瞬間にヘッドバット((レバー上ジャンプ強パンチ。気絶ダメージ値が非常に高く、当てれば一発で気絶する。))で気絶→再度掴み技」の繰り返しで敗北確定となってしまう。もっとも、ザンギエフがダルシムを掴める距離まで近付く事そのものが困難なのだが。
--スコアアタックに関しても、本作では「タイムオーバー後に、延々相手にめくりジャンプ攻撃を当て続ける事ができる」バグが見つかってしまったため、集計打ち切りとなってしまった。

''エンディング''
-容量の都合なのか、四天王のエンディングは実質的にメッセージが違うだけの代物になっている。
--グラフィックは完全に悪役であるベガに合わせたものであり、冷酷な貴族のバルログはまだしも、単なる喧嘩バカ(当時)のバイソンと孤高の格闘家であるサガットのメッセージはかなり浮いている。
-初代のプレイアブルキャラクターのうちケンのエンディングは描き直されたが、それ以外の7人は実質的に前作とほとんど変わらない((エドモンド本田に至ってはエンディングのイラストが業務用のシリーズでは全く書き直されなかった。))。春麗の服もゲーム中の青いチャイナドレスではない。  

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**総評
無印『II』をベースに対人対戦を意識して調整された作品。~
バランス的にはそれほど良くなかったが、本作のヒットが格闘ゲームの対戦人気を決定付けることになった。

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**余談
-次の『ターボ』が出る直前に、「ゲームスピードがアップするバージョンが出る」という噂が駆け巡り、『ダッシュ』にて、基板上のディップスイッチの組み合わせにより倍速モードで稼働させる店舗があった。
--主にタイトー直営店で数台の『ダッシュ』を抱えている店舗に限るが、社内通達でこのディップスイッチの設定が周り、『ターボ』までの繋ぎとされた。
--そのプレイスピードは『ターボ』が逆に遅く感じる程の動きで見ている分には楽しいが、コマンド入力が追いつかない・いつのまにか終わっている等メチャクチャ。ある意味『ターボ』のウリを潰してしまっていた。

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**コピー品(海賊版)について
-『ストII』の大ヒットに伴い、この『ダッシュ』を元にした不正コピーによる海賊版が多数市場に出回っていた。中でも''『ストIIダッシュレインボー』''((この通称は、タイトル画面の文字が本来の色と違い、カラフルなラインで塗られている事に由来している。))と呼ばれる、試合中にキャラクターを切り替えられたり宙に浮いたり飛び道具がホーミングしたりとデタラメな調整が施されているバージョンが有名((なお、不正コピーを元にさらなる不正コピーを重ねたバージョンが流通している。そのため、一口に「レインボー」と言っても実は約30種類のバージョンがあったりする。仕様も細かいところで違っており、一部は日本でも「降龍」や「屠龍」という名前のものが出回った実例がある。))。
--あまりのハチャメチャさに面白がってあえて入荷するゲーセンも見られ、中にはレインボー大会を開くというゲーセンも数多く見られている。
--海賊版対策としてカプコンは『ストリートファイターII'ターボ』を発表。まず海外、時間を置いて国内でもターボの基板に切り替わったため、大ヒットしたゲームにしては異例の速さで消えていった。

-ちなみにカプコンスタッフは海賊版に怒り心頭…かと思いきや結構バカウケしながらプレイしていたらしい。

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*ストリートファイターII'TURBO
【すとりーとふぁいたーつーだっしゅたーぼ】
|ジャンル|対戦格闘アクション|~|
|対応機種|アーケード(CPシステム)|~|
|販売・開発元|カプコン|~|
|稼働開始日|1992年12月17日|~|
//|プレイ人数|人|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|大ヒット格ゲーの焼き直し&br()ターボ化でスピードアップ&br()バランス調整により整備された対戦環境|~|

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**概要(TURBO)
-『ストリートファイターII'』の海賊版対策を目的にカプコンが発表したバージョンアップ版である。サブタイトルは「HYPER FIGHTING」。
-個性豊かな12人のキャラクターから1人を選択し、同キャラを含めた12人全員を倒す事が目的。

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**変更点(TURBO)

***システム(TURBO)
-基本的なシステムは『ストリートファイターII』の頁を参照。
-タイトル名通り、ゲームスピードがそれまでの1.7倍前後になった。これは、出回っていた海賊版のキャラ足が異様に速かった事による。
--コマンド系必殺技の入力時間は長めに設定されている。ゲームスピードが上がった事で、全般的に飛び込み技に反応し辛くなり、攻め有利になっている。
--速くなった分、一撃のダメージが低く抑えられ、プレイ時間に差が出ないよう調整されている。

***グラフィック(TURBO)
-2Pカラーが変更された。また、本作はベガを除き唯一2Pカラーがデフォルトカラーとなっている((そして後の『スパIIX』では最早、一体何がデフォルトカラーか分からない事に))。

***キャラクター(TURBO)
-各キャラに追加された必殺技は下位に低迷していたキャラクターに対する救済的な意図(鳥籠脱出用が多い)の他にも、前述の海賊版にもあった「必殺技を空中で出せる」「飛び道具のないキャラが飛び道具を出す」「消える(ワープする)ダルシム((初代『ストII』には「ヨガキエール」というバグがあった。))」などファンサービス要素が強い。
-一方、前作で上位だったキャラクターは弱体化しかされなかった。特にバルログやベガの凋落ぶりは哀れ。

#region(12人のプレイヤーキャラクターたちの変更点)
''リュウ''
-「空中竜巻旋風脚」が使えるようになり((本作のみ空中で水平移動。スパII以降はジャンプ軌道に合わせて滑らかな放物線を描くように進み、使用位置による飛距離の変動も加味されるようになった))、ゲームの高速化も手伝って相手の意表を突く戦法にも長けた万能キャラとして対戦ではトップに躍り出た。ただ、これは『ダッシュ』での強キャラが軒並み弱体化させられたのも一因にある。

''ケン''
-リュウと同じく「空中竜巻旋風脚」が使えるようになり、これが攻めキャラとして対戦相手を翻弄するバリエーションを増やすものであり、ゲームの高速化も手伝って上位キャラに躍進した。ターボにおいて使用人口が最も多かったキャラクターである。

''エドモンド本田''
-鳥籠に対する脱出法として、新たに「スーパー百貫落とし」が使えるようになった。さらに、尻・腹を使ったジャンプ攻撃の範囲も拡がった。
-オレンジの浴衣に緑の隈取りがなかなか気持ち悪い。

''春麗''
-「空中スピニングバードキック」が出せるようになった。空中で(つまり、レバーを上に入れてから)レバーを下に溜めるのは困難である為、下入れかつ空中にとどまれる鷹爪脚から繋ぎ・離脱技として使われることが多い。投げ技の有効範囲も『ダッシュ』よりは広くなっている。飛び道具として「気功拳」が使えるようになったが、コマンドがヨガフレイムコンパチなのもありターボの時点では使い勝手が良くない。

''ブランカ''
-地上から空中に向かう「バーチカルローリング」が使えるようになった((本作のみ「相手方向へ弧を描きながら上昇し、垂直落下する」という、エドモンド本田の「スーパー百貫落とし」に近い仕様になっている。))。初心者でも扱いやすい強キャラとしての性格を益々深めている。

''ザンギエフ''
-足払いやグランドタイガーショットを地上で避けられる「ハイスピードダブルラリアット」が使えるようになった。ゲームの高速化で飛び込み易くなったこともあり、かなり戦える様になっている。あくまで前二作よりマシになったという程度であり、上位には程遠いが。

''ガイル''
-「『ダッシュ』で弱体化し損ねた」と判断された様で、『ターボ』ではソニックブーム、サマーソルトキックの発生後に大きな硬直時間が付く等弱体化が目立った。対戦では一気に中下位にまで滑り落ち、押される場面が多くなってしまった。また初代のプレイアブルキャラクターで唯一、新必殺技の追加は無く、以降もこの傾向はあらゆる作品においても一貫して引き継がれている(スーパーコンボや超必殺技を除く)。

''ダルシム''
-ハメ脱出用として、新たに「ヨガテレポート」が可能となった。空中で攻撃を食らうバグももちろん直されている。

''M・バイソン''
-鳥籠対策としてターンパンチの出し際が無敵状態となり、飛び道具にカウンターを合わせる事が可能となった。他に屈中Kが下に強い攻撃になり足払いを潰し易くなっている。

''バルログ''
-全ての面で下方修正が施されることになった。『ダッシュ』で猛威を奮った投げ技の威力が激減、攻撃力も極端に低下、ローリングクリスタルフラッシュの溜め時間の増大、スライディングの移動距離の減少、立・屈Pのリーチが短くなり機動力も落ちた結果、最下位を争うまでに転落してしまった。
-暴発を防ぐためか、バックスラッシュのコマンドが変更されている。

''サガット''
-タイガーショットの硬直が長くなり、高速化で「飛ばせて落とす」戦法における引きつけがし辛くなった。しかしそれでもまだまだ強く、対戦では上位に位置する。

''ベガ''
-『ダッシュ』の反動で過剰なまでの弱体化を喰らう羽目になった。顕著な違いはダブルニープレスと通常技で攻撃判定・繋がり易さ共に弱体化、「サイコ投げ」も不可能になるなど『ダッシュ』での殆どの戦法や連続技が使えなくなり(一応「サイコテイル」は可能)、最弱クラスに沈んでしまった。
#endregion

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**評価点(TURBO)
''対戦バランスの整備''
-キャラクターの調整はしっかり成されており、キャラ間の標準偏差は後の『スパIIX』と並んでシリーズで最も小さい部類である。
--特に、リュウ、ケンを筆頭に初代やダッシュで下位に低迷していたキャラクターがランクを上げる事により、「下剋上」の様相を呈した。
--『ダッシュ』で問題となった各種ハメ技も使用不能になった。
--その分、プレイヤーの実力がより反映されるようになり、三作目にしてようやく有意義な対戦ができるようになった。

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**問題点(TURBO)
''焼き直し''
-基本的なシステムで見ても、ビジュアル的に見ても前作『ダッシュ』から何も変わっておらず、乱暴に言えば既存作をスピードアップさせた焼き直しに過ぎない本作を、あたかも新作のように発売したことに対し、「メーカーの安直に儲ける姿勢だ」と批判が巻き起こった。
--当時の『ゲーメスト』でも『ターボ』を名指しにして「カプコン内のコピー製品」という投稿が紹介された。他にも同種の意見や投稿は少なくない。
--ただ、本作は「大量に出回っていた『ダッシュ』のコピー・改造基板」を駆逐するという目的で急遽作られたバージョンであるため、仕方ない所ではある。『ターボ』開発前にすでにカプコン内では次回作である『スーパー』の開発が始まっていたため、『ターボ』に資金も手間もかけるわけにはいかなかったのである。
//もっとも、プレイヤーにとってはそんな事情は関係ないのだが。
//関係あるに決まってるだろ。海賊版が横行してる状況を放置してたらどうなるかもわからんか?
//当時はその辺の意識まだユルかったから。今の著作権状況を踏まえての話じゃないっしょ

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**賛否両論点(TURBO)
''CPU戦の難易度の上昇''
-今作のCPU戦は新技の実装やアルゴリズムの強化によって前作以上に難易度が上昇した。無印CPS時代の作品の中でも最高と呼んでも過言ではない。
-ハイスピードダブルラリアットでしゃがみ攻撃を避けるザンギエフや、ヨガテレポートでステージを飛び回るダルシムなどはともかく、今作のCPU戦で一番の脅威となるのはエドモンド本田だろうか。
--彼は前作までは比較的弱い相手だったが、今作ではスーパー百貫落としで飛び道具をかわしまくる、つかみ技で体力を大幅に奪ってくるといった行動を取るため、今作最強クラスのCPUと化してしまった。CPU戦のクリアを目指すのなら、再序盤辺りで本田戦を持って来ないと非常にきつい展開になりやすい。

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**総評(TURBO)
ゲームスピードの高速化に加え、『ダッシュ』からゲームバランスが大きく向上している。~
それなりにヒットはしたものの、焼き直し感の強さから前作ほどの評価は得られなかった。

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**余談(TURBO)
-ゲーム雑誌『ゲーメスト』のII'TURBO紹介記事において「''ザンギュラ''はキックボタン3つ同時押しで足に判定のない、速めの回転の''スーパーウリアッ上''が出せる。」という伝説的な誤植が存在する。
--本来は「''ザンギエフ''は(中略)''スーパーラリアット''が出せる。」と表記されるはずだった。なお、これはロケテスト版におけるキックボタン同時押しの技名であり((この紹介記事当時は『ターボ』稼働前であり、取材に使用されたのはロケテスト版のため。))、製品版では技名が「''ハイスピードダブルラリアット''」に変更されている。
---あまりにも強烈過ぎたのか、この誤植自体が直後の記事でネタにされるほど。
--当時の『ゲーメスト』はこの他にも数多く伝説級の迷誤植を残しているが、その主な原因として「当時の雑誌原稿はまだ手書きが主流だったにも関わらず、編集スタッフが悪筆揃いであった」事と「締切直前の入稿が多く、誤植を直す時間が取れなかった」事が挙げられている。他にも「[[インド人を右に>スカッドレース]]」等、面白い誤植が非常に多い。
--更に言えば、『ダッシュ』のキャラクター人気投票の時点で「''ザンギエラ''」と誤植されていた。
---ちなみに''ザンギエラ''は好きなキャラ''ビリ''(12位)、嫌いなキャラ10位という結果。%%要するにただの空気キャラ。%%
--[[CAPCOM FIGHTING Jam]]のザンギエフのブリスされた姿が「ザンギュラちゃん」と名付けられた。元ネタは言わずもがな。
--[[MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER]]ではメカザンギエフに「シベリアンブリザード」という技があるが、''ダブルラリアットで真上に上昇してから投げ技をかける''というものであり、ある意味これが本当の「''ウリアッ上''」である。%%そこまで意図していたかは不明。%%

-上述の通り『ターボ』開発当時は『スーパー』の開発が始まっていたため、一部『スーパー』のフィーチャーや数値が混ざっているとのこと。

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*家庭用への移植
**ストリートファイターII'
|ジャンル|対戦格闘アクション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/71-qxVAmAHL._AA1024_.jpg,width=120)|
|対応機種|PCエンジン&br()X68000|~|
|メディア|【PCE】20MbitHuカード&br()【X68k】5"2HDフロッピー|~|
|販売元|【PCE】NECホームエレクトロニクス&br()【X68k】カプコン|~|
|開発元|【PCE】カプコン|~|
|発売日|【PCE】1993年6月12日|~|
|定価|【PCE】9,800円|~|
//|プレイ人数|人|~|
|レーティング|【VC】(PCE)CERO:B(12歳以上対象)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】(PCE)2009年11月10日/600Wiiポイント(税5%込)&br()※2019年1月31日配信終了|~|
|判定|なし|~|
//|ポイント||~|

-PCE版
--PCE(Huカード)で純粋に『ストリートファイターII'』の単体移植が発売。SFC版の『ストII』をベースにしており、移植度自体は非常に高い。CD媒体ではなく、SFC版の16MBを上回る20MBの大容量ROMカード採用で読み込み時間も無く、ゲーム内容だけ見れば全体として8ビット機とは思えないほどのかなりの良移植の部類。
--ボイスはWiiのバーチャルコンソール版ではMD版のようにしゃがれた声となってしまっているが、実機やエミュレーター上では目立ってしゃがれた声にはなっていない。Huカード媒体のソフトのためBGMはPCE本体の波形メモリ音源を使っており、ADPCMによるサンプリング音源のSFC版やFM音源のMD版と比べ、8ビット感漂う音色となっている。
--本体の性能の関係で背景の多重スクロールが省略されている(そのため、ダルシムステージではスクロールすると背景手前側にいる象は床の上を滑っているような不自然な見た目になってしまっている)が、PCEのハード特性上比較的色鮮やかなグラフィックとなっている。
--PCE付属のコントローラーにはボタンが4つ(SELECT、RUN、I、II)しかない。弱・中・強攻撃はそれぞれRUN、I、IIボタンに割り当てられており、パンチとキックをSELECTボタンで切り替えなければならなかった。まともにプレイするためには「アベニューパッド6」や「アーケードパッド6」といった別売の6ボタンコントローラーを使用する必要があった。
---6ボタンのコントローラが開発、発売されたきっかけは本作による。
--だが、当時のアーケードでは既に半年前からダッシュターボが稼働していた上に、それを移植した後述のSFC版が本作の翌月に発売されてしまったため、ターボモードが遊べず今更感の漂う本作は過剰出荷も相まってワゴンゲーと化してしまった。
---そしてPCE系ハードで『スーパー』が移植されることもなく、本作が唯一のPCEで遊べる『ストII』となってしまった。
--ただし後述のSFC版やMD版のダッシュモードがターボ準拠でダッシュ風にしているだけなのに対し、こちらはダッシュをそのまま移植しているため、「ダッシュそのものの移植」として比較するならばPCE版の方が再現度が高い。
--ゲームオーバー画面やエンドロールでは、SELECT+RUNのPCE標準リセットを用い手元で即終了してニューゲームを始められるため快適。
--本シリーズの源流である『ストリートファイター』唯一の移植作『ファイティングストリート』がPCエンジンでは初となるCD-ROMソフトとして発売され、その末裔がHuカードで発売されるという面白い現象が起こっている。

-X68k版
--移植度は高い。他機種版で当時カットされていた、白人が黒人を殴りつけるAC版のタイトルデモもきっちりある。
--画面解像度の変更が可能で、24kHz表示が最もAC版の見た目に近かったが水平方向の表示範囲が狭く((有志作の改良パッチを使うと少しだけ表示範囲を広げられた))、また廉価版ディスプレイでは表示出来ないモードだった。最も解像度の高い31kHz表示だと当時の他の家庭用移植と同様の、横に潰れたような見た目になる。
---15kHz、31kHz共に384×256、512×256ドットのモードを選択でき、31kHzの512×256ドットモードがもっともアーケードに画面比に近くなる。
--フロッピーディスク媒体のため、HDDインストールも出来たがデータ読み込み時間は長くアクセス回数も多い。エンドロールもAC版に近い再現をしているのだが、この所為で対戦場面が変わる毎に長い読み込みが入る。
--X68kのジョイスティックポートはアタリ仕様コネクタで、コントローラーは2ボタンが標準だったため、SFC・MD用のCPSファイター(カプコン純正6ボタンジョイスティック)を使用するための変換アダプタが付属。
---ただしSFC用の方はCPSファイター付属の専用コネクタでの接続のため、任天堂純正コントローラーなど他のSFC用ジョイパッドは繋げられない。
---その反面、MD用のコネクタはそのまま((アタリ仕様の一部配線違い))だったため、MD2付属の標準6ボタンパッドやサードパーティ製のMD用コントローラーが接続可能で、このアダプタ以外に移植版[[チェルノブ]]同梱の変換アダプタ((元はユーザーの電子工作品が発祥))での代用も出来た。
//--BGMはMIDI音源演奏にも対応。またMPU((CPUと同義))判別で高クロック対応や32bitMPUの機種では複数PCM音の同時再生に対応した音声ドライバが組み込まれ、BGMのドラム音にキャラの声が重なってもきちんと重なった状態で再生される・・・らしい。

**ストリートファイターII TURBO
|ジャンル|対戦格闘アクション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/41akEQFxAwL.jpg,width=90)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|20MbitROMカートリッジ|~|
|販売・開発元|カプコン|~|
|発売日|1993年7月11日|~|
|定価|9,980円|~|
//|プレイ人数|人|~|
|レーティング|【VC】CERO:B(12歳以上対象)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2007年8月10日/800Wiiポイント(税5%込)&br()※2019年1月31日配信終了&br()【WiiU】2014年6月25日/823円(税8%込)&br;【New3DS】2016年7月20日/823円(税8%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|

-SFC版は『ストリートファイターII TURBO(’ダッシュはつかない)』が発売。~
商品名こそ『ターボ』であるが、中身は''『ダッシュ』と『ターボ』をセットでカップリング移植''したものであり、『ダッシュ』仕様のモード(ノーマルモード)と『ターボ』仕様のターボモードのどちらも遊べる。
--ただし、ノーマルモードは『ダッシュ』仕様といっても「AC版『ターボ』の新技が使えない」「キャラカラーとゲームスピードが『ダッシュ』になる」というだけであり、現代の格闘ゲームでの.ver選択のようにキャラ性能まで細かく『ダッシュ』仕様に調整がされたという事ではない(ダルシムに対する空中コンボは再現されている)。
--ターボモードのターボ速度(ゲームスピード)を変えることが可能だが、隠しコマンドを入れると通常設定で☆4個が最高(デフォルト設定は3個)の所を、最高で☆10個まで変えられるという要素がある。☆10個は普通にゲームを遊ぶのは困難なほど速い。~
ちなみに同じ隠しコマンドを違う場所で入れると、プレイヤー側のみ一切必殺技を使えなくなる制限プレイも可能。
-AC版で攻撃力が異常に低くなっていたバイソンの近立強Pが修正されている(後述のMD版『'PLUS』も同様)。
-CPUの挙動は基本的にAC版と同様だが、一部CPUの挙動が修正されている。
--挙動が修正されたキャラはバルログとサガット。この2名は1ラウンド開始時に特定の行動を必ず行うため、AC版では1ラウンド目に確実にパーフェクトを取れるパターンを組む事が出来たが、SFC版ではそれが出来なくなった。
//改訂した者ですが、比較したところ前作と比較してほぼ再現と言うほどの改善はされていなかったので削除します
-ザンギエフの3ボタン同時押し技は前作同様に2ボタン同時押しでも出せるが、他の同時押し技(ヨガテレポートとバックスラッシュ)は2ボタンでは出せない。不評だったためか、SFC版『スーパー』では全ての同時押し技が2ボタンで出せるようになった。
-前作のボーナスステージはAC版に存在していたタルとドラム管の2種類がカットされレンガと車の2つに変更されていたが、続編である本作でタルが実装。更にボーナスステージの順番も車→レンガ→タルという原作に近い順番に変更された。
-前作における各キャラのEDは内容こそAC版と同様だったがSFCへの移植に伴いグラフィックが変更されていた。だが、今作のEDはグラフィックもAC版の物が再現されているため、任天堂ハードとしては初めてACに忠実な内容のEDを見られるようになった。

-SFC版は『ダッシュ』が発売されていない為露骨な焼き直しという批判もほとんどなく、純粋なバージョンアップと好意的に受け止められた。

-初代同様SFCという当時の流行トップクラスのハードであったことで小中学生を中心に絶大な人気を集め、両国国技館で2回目の大会が開催。~
初代のチャンピオンがシード出場の1回戦で呆気なく敗退する波乱の幕開けに。最終的にはサガット使いがリュウ使いを完璧に抑えて優勝した。

**ストリートファイターII'PLUS
|ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B0001488KO)|
|対応機種|メガドライブ|~|
|メディア|24MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|1993年9月28日|~|
|定価|9,800円|~|
//|プレイ人数|人|~|
|レーティング|【VC】CERO:B(12歳以上対象)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2008年7月29日/600Wiiポイント(税5%込)&br()※2019年1月31日配信終了|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|

-こちらもSFC版同様に『ダッシュ』と『ターボ』をセット移植したものだが、パッケージイラストは『ダッシュプラス』というタイトルに合わせてアーケード版『ダッシュ』のものを使っている。~
ゲーム中も「ターボ」という単語は一切使わず、『ダッシュ』仕様のモードは「ダッシュモード」、『ターボ』仕様のモードは「エキサイトモード」となっている。
--つまり実質的にはSFC版と同等であるのだが、タイトルや各種モードの名称を変える事で、あくまで「SFC版とMD版は別タイトルの作品」という扱いになっている。
---このようなややこしい事になったのは、『ターボ』という商品名が、先行リリースされたSFC版独占になり、使用できなくなってしまったためらしい。当時の雑誌記事でも『ターボ』の移植という事は伏せられ、あくまで「エキサイトモードという新モードが追加された」という体裁での紹介になっていた。業界の力関係が垣間見えるというモノだろうか。
--SFC版では隠し要素だった☆の数が、MD版のエキサイトモードでは最初から☆10個まで選択できるほか、隠しコマンドでダッシュモードでも速度変更が可能になる。
--オリジナルモードとして複数のキャラでチームを作って対戦する「グループバトル」が追加されている。
---最大6vs6で対戦可能で、選択した順に対戦していく「マッチプレイ」と勝ち抜き制で相手側のキャラを全滅させた方が勝ちとなる一言で言えば『[[KOF>THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]』のような「エキシビジョン」が用意されている。なお、エキシビジョンのみチーム人数を個別に設定可能なので、ハンデをつけることが可能。
---1Pと2Pが交互にキャラを選択し、同キャラ対戦が不可能なため早い者勝ちになっており事前に使うキャラを打ち合わせておくのが推奨される。
-難点としては文字のフォントが粗い事と、ボイスがしゃがれて聞こえる等音源が悪い事か。また、一度に使用可能な色数制限の関係からかヒット・ガードエフェクトの色が他機種版と異なっている。
-完成までに何度か試作版も作られていたらしく、当初はスコア表示部に黒帯がついていたりしたが、ロム容量を増やす事で対処するなどしていた。
--カプコンの外注(一説によると水口エンジニアリング)にて「Street Fighter II' Turbo」名義での開発も進められており、データが流出したのか動画等でその内容が確認できる。
---流失品とだけあってタイトルロゴが「STII' Turbo」と略されていたり(romデータが流失された時に改変された可能性が高い)グラフィックがややチープといった問題はあるものの、BGMの音程がACそのままであったり、当時のコンシューマ移植では数少ないピンチ時のBGMが収録されている、ゲームそのものも普通に遊べるなど、むしろ製品版よりも評価できる部分が多かった。ややドラムの強調が目立ったが。

-2005年4月2日には、『[[大魔界村]]』とともにTV接続型ミニゲーム機『メガドライブ プレイTV3』の内蔵ソフトとして収録された。
--2019年9月19日発売の『メガドライブミニ』にも収録されている。

**その他
-1998年12月3日にPS・SSでは『II』『ダッシュ』『ターボ』をまとめて収録した『カプコンジェネレーション・第5集~格闘家たち~』が発売されている。
--移植度はほぼ完璧で、こちらはある条件を満たすと『ハイパーストリートファイターII』に先駆けて『II』『ダッシュ』『ターボ』のキャラで対戦が可能となる「SUPER VS. MODE」が搭載されている他、設定資料集やアレンジBGMなども収録されておりファンアイテムとしての価値が高い。
--収録されているアレンジBGMは、「毎作新規のアレンジBGMを収録」というシリーズの慣例から外れて3DO版『X』と過去のCPS2作品の移植版の物から流用という形になったが、これにより偶発的にではあるが『CPS2基準のBGMでCPシステム作品を遊べる』という、後のPS2版『ハイパー』とは真逆の現象が起こる事になった。
---ちなみにアレンジBGMのうち、各種エンディング及びスタッフロールの物は未収録だが、その理由は「流用元の作品は内容が内容なので『ダッシュ』『ターボ』の四天王エンディングが未収録だった為」という可能性があるのだが、それならシリーズの慣例に従って新規で四天王EDをアレンジするべきだった筈である。
--なお、カプジェネ版は後にPS2/PSP『[[カプコン クラシックス コレクション]]』にも再録されている。カプジェネ側の隠し要素が全て解禁済みの状態+他タイトルとのカップリングという事実上のアッパー移植となっている。

-2003年にPS2・2004年にACで『[[ハイパーストリートファイターII]]』が発売されている。
--こちらは『スーパーストリートファイターIIX』をベースに過去の『II』シリーズの性能をまとめたもので、『II』『ダッシュ』『ターボ』の性能のキャラでも対戦が可能。

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