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マルサの女」を以下のとおり復元します。
*マルサの女
【まるさのおんな】

|ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000068HL8)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|2MbitROMカートリッジ|~|
|開発・発売元|カプコン|~|
|発売日|1989年9月19日|~|
|定価|5900円|~|
|ポイント|大人向けの映画をそのまんま再現|~|

**概要
映画『マルサの女』を原作とするコマンド選択式ADV。映画版の監督を務めた伊丹十三が監修を行っている。~

**ストーリー
港町税務署のやり手調査員・板倉亮子。ある日、彼女は職務である税務調査を行った際に、「脱税マニュアル」なる指南書が出回っている事が発覚した。亮子は同マニュアルによって脱税に手を染めた企業等を調査して回るが、強制捜査権のない税務署員の身に次第に限界を感じるようになる。その後、国税局査察官(通称「マルサ」)に抜擢された亮子はその職権を行使し、脱税マニュアルの背後に潜む暴力団や巨大組織との戦いに身を投じていく。

**ゲーム内容
-細かい設定の変更はあるが、基本的に原作と同じストーリーをなぞる形でゲームが進む。

-ストーリーは完全一本道。斜め見下ろし視点で描かれたマップを移動して調査先を訪れ、目的を達成して税務署に戻り上司に報告…という流れを繰り返す。
--その場その場で必要なコマンドを絞り込んでくれる。また、基本的には調査先でやるべき事をすべてやり終えないと他の場所へ移動できないため、特に詰まる局面もなくサクサク進む。

-セーブはパスワード制。節目ごとに固定であり、プレイ途中にセーブ・再開することはできない。

-人物グラフィックは原作映画の実写映像に忠実なリアル路線。デフォルメは入っておらず、映画版で演じたキャストの容姿をリアルに再現している。背景もよく描き込まれている。~
&image(marusa_01.gif,width=240)本作主人公の板倉亮子。背景ともども、いい仕事してます。

**短所
-税務関係の内容を扱っているため、「使途不明金」「仲介手数料」「貸し倒れ金」などの語句が平然と出てくるが、漢字が一切使われていないため読み辛い。
//-テキストに「その''とうり''」というおいおいなミスがある。

**総評
原作をほぼ踏襲したストーリーは、映画同様に面白くドラマチックである。全般的に親切設計なので攻略で詰まる局面も少なく、ADVとしての出来は決して悪くない。しかしテキストの分量が抑え目であるため、ストーリーを充分に理解するにはゲーム中に提示される情報以外に一定の基礎教養を必要とする。~
原作映画の内容を知っている人や劇中に出てくる用語やその意味を理解できる人向けの大人向け作品であるが、そのアダルトな雰囲気もまた、本作の魅力である。
//それをクリアできると思われる年齢層は、FCの想定するユーザー層に対する割合としてはいかほどのものだったろうか。グラフィックの質を多少落としてでも文章を親切にするべきだったのか? いや、原作に忠実なグラフィックもまた、本作の味わいの内である事に間違いはない。
//となると、FCゲームの原作にこのチョイスはそもそも適切だったのか?~容量の限界と正面衝突する結果に終わった、不遇にして硬派な作品である。
//そもそも子供向けでなく、ファミコンユーザーの中でも原作を知っている大人向けの作品と見るのが妥当だろう。

**余談
-ラストの暗号は、ヒントとなる「ルブダビーエッチ」という言葉を別の情報と照合する事で導き出せるのだが、そのもう一つの情報は聞き直しができないため、メモ推奨。聞き流してしまった場合は最後のパスワードからやり直すしかない。
--とはいっても、初回プレイ時はそもそも重要な情報だと気付かない事も多く、ここで一度手詰まりを経験する人も多いとか。

-著作権やCEROレーティングの問題を考えるに、VCなどでの配信も望みが薄い。ある程度年をとってから見ると面白い作品なだけに、残念である。

-「桃太郎電鉄」シリーズにはこの作品を元ネタにした「マルサカード」なる妨害カードが存在する。
--マルサの女が出動して税金を払っていない社長から所持金を「税金」として徴収するという、場合によっては「他人に使うつもりだったが自分があべこべに税金を払ってしまった」「スリの銀次との連携プレイで1位から4位に転落」など悲劇すら生む恐ろしい効果のカードである。
--著作権の都合からか、後年のシリーズで出てこなくなった。

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