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エスプレイド」を以下のとおり復元します。
*エスプレイド
【えすぷれいど】
|ジャンル|シューティング||
|対応機種|アーケード|~|
|販売元|アトラス|~|
|開発元|ケイブ|~|
|稼動開始日|1998年|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|スタイリッシュながらも悲劇的な世界観&br()キャラクター性を前面に出した弾幕シューティングの草分け|~|
|>|>|CENTER:''[[ケイブ弾幕系STGリンク>ケイブ弾幕系STGシリーズ]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
-『[[首領蜂]]』『[[怒首領蜂]]』などの作品が出された後に稼働した、弾幕シューティング。
--タイトルは「E.S.P(超能力)」+本作品のボス戦音楽である「RAGING DEICIDE」の略語という意味で、合成名詞である。
-2018年、超能力犯罪者集団「夜叉」によって乗っ取られた東京が舞台。
--プレイヤーは「相模祐介」「J-B 5th」「美作いろり」の3人のESP者(エスプ者)から一人を選択し、全五面を戦い抜いていく。
--二人同時プレイも可能。

**ストーリー
「ESP者」と呼ばれる、超能力者による犯罪が多発している現代。その中でも強大なグループである「夜叉」は今や世界を動かせるほどの力を持ち、~
東京を自分たちの都合の良い、城塞へと作り変えていった。~
彼らは都内に徹底的な捜査網を敷き、ESP者がPK使用時に出す「DRIVE波」を感知し、拉致・洗脳も辞さない強硬な姿勢で、~
組織のしもべとなるESP者を次々に増やしていった。~
だが、それらは表立って話題にされることはなく、東京に暮らしている者にとっては普通の、平凡な生活が何も知らされずにおくられているのだった。~

事態を重く見た阪神国際警察は、少数ではあるが署内にESP犯罪機関「JUDGE」を設立、「美作いろり」を戦闘員として帝都へ送り込む。~
ロシア政府も現状を不都合と認識、「ブラックピーターパン」のコードネームを持つESP兵器「J-B 5th」を送り込み、「夜叉」の壊滅を狙う。~

東京の鳳凰高校に通う「相模祐介」は、7歳のときにESP者として覚醒していたものの、祖父に「超能力を絶対に使うな」と強く戒められており、~
自分自身も力に頼ることなく生きていきたいと思っていたため、「夜叉」の捜査網にかかることなく、日々を過ごしていた。~
しかしイブの日の終業式後、陰湿な嫌がらせと暴力に遇っていたクラスメイトの「近江覚」が、突如ESP者として覚醒。~
夜叉のスカウトマン達に感知され、誘拐されてしまう。~
祐介は幼いころの苦い経験と、心の中にある正義感、それを示せなかった自分に駆られ、能力を使い彼を追いかける道を選んだ。~

予想だにしていなかった、自分の能力の凄まじさ。~
「夜叉」と「JUDGE」の激しい戦い。裏で暗躍する、「ブラックピーターパン」の破壊と殺戮の跡などを目のあたりにし、~
祐介は重大かつ深刻な状況を思い知らされる事になる。そして・・・

**ステージ構成
-1面は選んだキャラにより固定、2面~3面は各主人公のステージがランダムに選択されるようになっている。当然、後のステージの方が難しくなり、道中の敵数・弾数が増し、ボス戦の弾幕パターンも激しくなる。

相模祐介ステージ「HOUOU HIGH SCHOOL」~
突如現れた夜叉のスカウトマンに締め落され、気絶させられて拉致される「近江覚」。~
彼を追いかけ、行く手を邪魔する夜叉との交戦状態に入る。~
ボスは「近江覚」。憎悪に凝り固まった彼は、今までの鬱憤を晴らすかのようにESPを乱用し、無差別な攻撃を繰り出す。~

J-B 5thステージ「SHOPPING MALL AT NIGHT」~
ショッピングモールで演説をぶつ、夜叉の息のかかった要人。そこへ上空から現われ、机ごと命を絶った「J-B 5th」。~
計画を邪魔された夜叉は怒り、彼を亡き者にせんとする。~
ボスは巨大装甲戦車「IZUNA」。~

美作いろりステージ「BAY AREA」~
夜叉のミサイル攻撃に逢う海浜公園。一人の女性が逃げる最中に躓いて転んでしまい、絶体絶命になる。~
しかし、間一髪でバリアを張って女性を守った「美作いろり」。そのまま夜叉へ戦いを挑む。~
ボスは巨大戦闘ヘリ「ペラボーイ」。~

-4面からは全キャラで共通。

4面「WANGAN SUBWAY LINE」~
地下鉄を駆け抜け、夜叉の執拗な追撃を振り切りつつ、総本部への道を辿る。~
ボスは装甲人形「プレアデス」。~

5面「LAST STAGE YAKSA STRONG HOLD」~
ついに「夜叉」の総本部へ辿り着き、壮絶な戦いを繰り広げる。~
前半部中ボスは夜叉最高幹部「五行覚師」。撃破後に突入する後半部(施設内)では、夥しい数の量産型ESP者「アリスクローン」が待ち受ける。~
後半部中ボスは無敵の軍神「アレス」、最終ボスは夜叉総帥「ガラ婦人」。

**システム
-操作系統は8方向レバー+「ショット」「パワーショット」「ガードバリア」の3ボタン。
-通常攻撃
--ショットボタンで通常ショットを撃つ。画面中の弾数に制限がなく、押しっぱなしにすることでフルオートになり、同時に低速移動状態になる。微調整で弾幕を抜けつつ攻撃するのに便利。
--パワーショットボタンで「パワーショット」を撃つ。画面中の弾数に制限があり、最大16発までしか出せない。性質はキャラによって大きく異なる。点数を稼ぐためにも非常に重要な攻撃となっている。
-ガードバリア
--一般的なSTGにおけるボムの役割(溜め撃ち可能なボム)。使用の際は専用のゲージを消費する。
--ボタンを押している間は自機の周りにバリアを展開し、一切ダメージを受けなくなる。ボタンを離すと、強力なエネルギー波を撃ち出す。
--バリアを溜め、同時に敵弾を吸収することで威力や攻撃時間が強化されるが、ゲージ消費量も増える。
--発動した瞬間に一定量ゲージを消費するため、押してすぐに離して…を繰り返した場合、回復を挟まない限り4回でゲージが空になる。
---ただし、ゲージさえゼロでなければ最低消費量以下でも発動することはできる。
-プレイヤーキャラ
--相模祐介
---ショット幅は狭いが、その分ノーマルショットの火力が最強で移動スピードも3人中最速。また、三人の中で唯一、ノーマルショットとパワーショットを同時に放つことができる。
---パワーショットの威力は最低だが、その分発射角度を広く曲げることができ、上手く使えばショット幅の狭さを補える。
--J-B 5th
---画面の広範囲をカバーするショットを持つ。耐久力の低い雑魚に対しては無類の強さを持つが、接近しない限り火力は低め。
---パワーショットの単発威力は三人中最高だが、全く曲げることができず、自機の真正面にしか発射できない。
--美作いろり
---ショット幅は祐介より広く、J-Bよりは狭い。威力的にも二人の中間。
---パワーショットも、曲げられる角度・ショット威力共に二人の中間的な性能。

**アイテム
-P
--パワーアップ。ある程度の個数を回収すると、1段階のパワーアップとなる。
-MP
--パワーマックス(ゲームオーバー時のみ出現)
-L
--1up。4面で出現。ただし高速で走る列車の最後尾に配置されており、本当に一瞬で通り過ぎてしまう。
-円
--得点アイテム。パワーアップが最強段階になった後、本来「P」を出す敵を倒すと出現する。
--「パワーショットを敵に当て、その最中にノーマルショットで敵を倒す」ことにより、倍率をかけて出現量を増やすことができる。
--倍率次第によっては、本来なら全く「P」を出さない敵に対してからも「円」を獲ることができる。
-E
--バリアゲージが回復。
--「ある一定個数以上、円を集めた状態」かつ、「バリアゲージを消耗した状態」になると、『バリアゲージ回復モード』に入り、この間に「円」と擦り替わる形で出現する。
--モード中は猛烈な勢いで円を消耗していく。「バリアゲージが満タンになる」、または「円の個数が0になる」ことで、回復モードは終了する。
--集める円の個数は最初は200で始まり、『バリアゲージ回復モード』を起こすたびに上限が100ずつ増えていく。

**評価点
-ストーリーを含めた演出面
--まず、公式のホームページを見て欲しい。[[Characters Profile >http://www.cave.co.jp/gameonline/esprade/chara/chara.html]]
--見てもらって分かると思うが、この作品の主人公&敵の人物は、どれも心に傷を負った連中ばかり。
---そして、「誰が」「何が」正義なのか、という点に関しては一言も触れられていない。
--ゲーム中でもストーリーの細部は全く説明されず、各キャラのエンディングも非常に淡々としており、プレイヤーに「あえて想像の余地をたっぷりと残した」ストーリーとなっている。
--背景の演出も細かく、面クリア時に音楽に合わせてババババッと切り替わるキャッチーな一枚絵も質が高く、プレイヤーに強い印象を残している。
-絶妙な難易度設定
--一見すると、「こんなのホントに捌けるのか」と思わせる後半面の攻撃も、やり込んで雑魚敵を処理していく手順を確立させれば、確実に先に進めるようになっていける。
--ボス戦はどれもガチ勝負。弾幕のランダム性もあって、単純なパターンとはならない。
---ラスボスのバリア(ボム)回避方法が「画面外に逃げる」というのも斬新。非常に人間臭い回避方法で、しかも画面外に逃げるまでの間バリアショットを当て続ければ、その分はしっかり効くので不公平感も少ない。
--これらの要素が噛み合わさることにより、「上級者でも、油断してると死ぬ」「初心者でも、いつかはクリアできる」難易度になっている。
-快感度の高い稼ぎシステム
--「中型以上の敵機体にパワーショットを全て当てながら倒す」とその敵から黄金の「x16」の文字と共にまとまった大量の円アイテムが高速で振ってきてそれをキャッチ、というスコア稼ぎシステムの快感は抜群。
-音楽
--BGMの評価は高い。
--本作のボス戦の音楽は''「RAGING DEICIDE」たった一曲だけ''なのだが、各ボスのシチュエーションと相まってかなり燃えるBGMとなっている。
--道中の曲も決して評価は低くない。ただ、プレイしていると弾幕を捌くのに必死で、聴いているどころではないのは贅沢な悩みかもしれない。
--エンディングの曲も短いがとてもシックで、ゲームをクリアしたプレイヤーに強い印象を残している。

**問題点
-突き詰めた稼ぎはあまり面白くない
--といっても、ボスまでの道中でいかに「円」アイテムを高倍率で回収していくか…という稼ぎは充分に面白い。
--ボス戦での稼ぎで、究極的にスコアを求めると「撃ち込み点数効率の良いパワーショット、それも攻撃力が弱いのを((パワーショットの威力はかなり変則的な仕様となっており、MAXの15発で説明すると、真ん中の7~9発目が最も威力が高く、1発目と15発目が最も威力が低くなっている。山の曲線をイメージして貰うと分かると思われる。))」ボスの弱点部分以外にちまちまと撃って稼がなければならない。これが非常に時間がかかり、ダルい稼ぎとなっている。
--プレイした者からも、ギャラリーしている者からもあまり見栄えが良くなく、総じて評判が低め。「このチマチマが面白い」というプレイヤーも勿論いるだろうが、それは少数派であった。
---本作の反省から、本作をベースとした稼ぎシステムを採用している『エスプガルーダ』PS2版のアレンジモードではパワーショット単体では撃ち込み点が入らないようになっている。
-アイテムの画面内出現個数限界が意外と低く、効率よく回収していかないと「無駄」になってしまいやすい。

**総評
出た当時は難易度的には難しかったが、今となってはケイブシューの中ではそれなりに簡単な部類に入る。~
また、演出面も素晴らしく、稼ぎをしなければプレイしていてストレスを感じる要素も少ないので、弾幕系シューティングの入門としても適した作品といえる。

これ以降、自機を人物にし、キャラクター性を押しだした弾幕系シューティングが増えていったことを鑑みても、本作の与えた影響は大きいと言えるだろう。

**余談
-本作は版権の関係上のこともあり(ケイブ開発・アトラス販売)、未だに家庭用に移植されていない。移植を望む声はとても大きいのだが…。
--かつては携帯電話アプリのゲーセン横丁でプレイすることができたが、現在では利用不可能。
-ゲームスタート時にABCボタン、いずれかを押しっぱなしてスタートすると、本来は不可視である「倍率タイマー」が表示されるようになる。
--「倍率タイマー」の減り方は実は1Pと2Pで違い、2P側の方が減りが緩やか。その代わり初期ランクが若干高いが、それすら「敵の爆発に巻き込んだ敵弾がアイテムに変わる」というシステム上、稼ぎに有利に働く。このため、稼ぎプレイヤーは2P側を使う。
-キャラ選択をBやCボタンで行なうことで、本来はランダムである2・3面を任意に決定できる。「SHOPPING MALL AT NIGHT」 のボスは3面に持ってくると機雷が撃ち返し弾をばら撒くようになり非常に厄介なので、クリア重視なら2面に持ってきたほうがいい。
--相模祐介
---Bで「SHOPPING MALL AT NIGHT」が2面、「BAY AREA」が3面になる。Cならその逆。
--J-B 5th
---Bで「BAY AREA」が2面、「HOUOH HIGH SCHOOL」が3面になる。Cならその逆。
--美作いろり
---Bで「HOUOH HIGH SCHOOL」が2面、「SHOPPING MALL AT NIGHT」が3面になる。Cならその逆。
-美作いろりにだけ、実は隠しエンディングがある。クリアした後、デモに入るまでに1Pと2Pのスタートボタンを押しっぱなしにしていると…。
--しかしその内容は「ひどい」の一言。感動をぶち壊しかねないものなので、初回クリア時はこちらではなく、正規のエンディングを見ることをお勧めする。

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