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ONE ~輝く季節へ~」を以下のとおり復元します。
注意:このページでは、『ONE ~輝く季節へ~』(''判定なし'')とPS移植版『輝く季節へ』(''微妙リメイク'')を扱っています。
//議論無しでの判定変更は論外です。 判定変更の手順を踏んでください。
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//移植版の記事を統合しました。
*ONE ~輝く季節へ~
【わん かがやくきせつへ】

|ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B00009ELB2)|
|対応機種|Windows 95(初版)&br()Windows 95/98(廉価再販)&br()Windows 98~XP(フルボイス版)|~|
|発売・開発元|Tactics(初版/再販)&br()ネクストン(フルボイス版)|~|
|発売日|1998年5月29日(初版)|~|
|レーティング|ソフ倫:18歳未満禁止|~|
|ポイント|恋愛ゲームの転換点?|~|
//|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20){''本作はPS版を除いて18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}}
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**概要
株式会社ネクストンのアダルトゲームブランド「Tactics」の三作目にあたる恋愛アドベンチャーゲーム。~
「心に届くADV第2弾」として企画、開発された(ちなみに第1弾にあたる『MOON.』はカルト系の作品となっている)。~
また当時人気を博していた『[[ToHeart]]』(Leaf)の後追い的な要素を持っている。


**特徴
『ToHeart』を意識していただけあって一見するとよくある学園モノであり、基本的には晩秋から冬を経て春先にかけての地方都市らしき場所が舞台であるのだが、時々どこともつかない場所における「ぼく」と「少女」の謎めいた会話が挿入される。~
更に情緒不安定、事故による失明、先天性唖障害…と、ヒロイン6人中3人がハンディキャップの所有者(更に他3人の内2人と主人公も健常者とは言いがたい)と異色のラインナップ。しかも一人は別の学校の生徒だが転入したり学校外のみで会う訳では無く、途中で主人公達がしれっとクラスに入れている。~
ただ、盲目のヒロインについては「そんな盲目者が本当にいるのか」的な描写も多い(例えば白杖要らずで普通に学校の中を歩いているところ)。

テキストを読みつつ、時折発生する選択肢を選ぶことにより、ヒロインのうちいずれかのシナリオへと分岐していく。システム的にこれというべきものはない構造となっている。ただし、(ノベルゲーではない)アドベンチャーの体裁をとった作品でありながら、場所移動画面もなくミニゲームも搭載されておらず、ノベルゲーに限りなく近い構造。

***主要な登場人物

-折原浩平(おりはら こうへい)…主人公。両親と妹を亡くしており叔母と二人暮しだが、忙しいためすれ違いの生活をしている。変わり者の側面が強いが世話焼きでもある。
-長森瑞佳(ながもり みずか)…浩平の幼馴染で、叔母と暮らすようになって以来の付き合い。毎朝浩平を起こしに来ては彼の奇行に呆れるのが日課。捨て猫を保護してしまう無類の猫好きでもある。
-七瀬留美(ななせ るみ)…時期外れの転校生。乙女らしくなるのが目標だが、元が男勝りの剣道少女な上に主人公や繭がいたずらするせいでよく地が出てしまうが姉御肌で面倒見が良い。
-椎名繭(しいな まゆ)…年齢不詳の登校拒否児。死んだペットのフェレットを埋葬しようとしていたところ主人公らに会う。癇癪持ちで躁鬱が非常に激しい上に精神的にも幼い。
-里村茜(さとむら あかね)…雨の日に買い手のない空き地で佇んでいたクラスメイト。寡黙で他人の関わりを拒絶している。かなりの可愛い物好きと極度の甘党でもある。
-川名みさき(かわな みさき)…子供の頃事故により視力を失った上級生。しかしそれを感じさせないくらいに明るくお茶目。一見おしとやかに見えるがかなり社交的で大食い((ファンからは元祖カレー先輩とも呼ばれている))である。
-上月澪(こうづき みお)…生まれつき口が利けない(喋ろうとしても声が出ない)後輩。喋る代わりにスケッチブックの筆談と身振り手振りで意思疎通を図る。ドジ気味だが元気っ子。

#region(close,本作の焦点)
***本作の焦点

実は本作には「ゲームのクライマックスで主人公が消える」という重大な特徴がある。~
正確に言えば、本当に消える前に周りの人々から忘れられていき、最終的には物質的にも消えてしまうことになる(えいえんのせかいと言われるものに飛ばされてしまうらしい)。~
しかし、ヒロインとの絆を築けていれば彼女のみが主人公のことを忘れず、消滅自体は不可避ながら帰還が可能となっている。駄目であればそのまま帰って来られない。~
上で挙げた謎の会話は、「えいえんのせかい」における主人公と住人との会話とされている。~
この現象について企画の段階では「クライマックスを演出するための舞台装置である」という言い方がされており((ToHeartみたいなのを作れと指示する上層部(必ずしも悪いことではないが)と製作者達の間に意識の差があったと思われ、額面通りに受け取って良いかは微妙。実際問題、各所にしっかりと設定や伏線が為されており、簡単に作ったものではないことが伺える。))、~
みさき、茜、澪のシナリオでは舞台装置としての役割に忠実だが、瑞佳のシナリオでは「ぼく」と会話する「少女」の正体が明かされるなど思わせぶりな演出がなされる。((描写の細かな違いについてはシナリオライター二名体制の影響と思われる))~
また、どのシナリオにおいても、一度「消える」という手続きを経ねば戻ってこられないことなど、謎もいくつか残されている。~
しかし結局のところ、考証の材料はシナリオ中に配置されている物の、えいえんのせかいの正体についてはプレイヤーの想像に任せられている、というのが実情である。~
これらの謎は答え合わせこそないが難解な描写で煙に巻くと言った類ではないので、深く考えなくてもある程度は何となく納得出来る。

ここで『ONE』をプレイヤーへ向けた一種の寓話と捉えているプレイヤーは「主人公はヒロインによってえいえんから救い上げられたけど、プレイヤーはむしろそのヒロインによってえいえんに囚われているんじゃないか?」というような危惧を抱く場合もある。~
つまり「恋愛の絆を頼りにして主人公が元の世界に戻ってくる」という図式を劇中で綺麗に描き完成度も高かったために、実際にやっていたプレイヤーがむしろ当のヒロインにのめり込み過ぎて現実に戻ってこられなくなる、ということである。~
ライトノベル作家の本田透も自著『萌える男』にて「(実は自分がそうなのだけど)このゲームによって却って二次元に囚われるユーザーが多くなった」と述べている。なお彼はみさきと脳内結婚したと公言するほどONEの影響を受けている人物である。

そういったメタな要素を抜きにして一口に言えば「最愛の人の死によって喪失感を抱えた主人公がヒロインとの交流により救われる」というのが大筋であり、それが愉快な日常と実際に消えるというストーリー上のギミックとが相まって感動を呼んだといえる。~
また他の5人のヒロインが恋愛をテーマにする一方で椎名繭のシナリオが若干特殊で、このルートでは一時的に繭の身柄を預かり彼女の心の成長を見守るという形になる。~
後に麻枝准氏がKanonやAIRでこだわることになる擬似家族コミュニティの原型をこのルートに求めることが出来るかもしれない。

また、ヒロインは全て曲者揃いなもののハンディキャップ以外の描写も多く、キャラを魅力的に描けている。~
主人公の折原浩平も一見無個性な主人公に見えるが変わり者の範疇では収まらないほど個性が強く、大きな魅力になっている。~
その一方でハンディキャップの重さ等もしっかり描いており、日常との落差も後のKeyブランドに受け継がれる魅力の一つと言える。((ちなみに前作MOON.も根本では類似点があるものの、凌辱描写が多々ある上に舞台や環境等から明るい日常描写も皆無なので作風が大きく異なる。))

BGMについても評価が高く、この手の古い作品にしては珍しくアレンジや耳コピが比較的多い。

絵柄については賛否両論だが古い作品なので古めかしいのは否定できない。同時に樋上いたる氏がまだ若手の頃で腕が甘く、ある意味で伝説となっているCGもある。~
しかし本作より前の『同棲』や『MOON.』の頃から印象的な絵柄で知られており、好意的に受け止めるファンも多い。

#endregion

**問題点(賛否両論点)
-基本的にはヒロインを追いかけていけばいいのだが、時々意地悪な選択肢が発生する。
--留美シナリオへの分岐が顕著。正解が勘で分かりづらい上に、大抵は選び間違えれば即アウトになる、いわば初見殺し。
---具体例を挙げると「カンニング込みで漢字の読み試験を解く」というシーンなのだが、選択肢の形式が「読みを当てる」のではなく「正解を書いていそうな人の答案を盗み見る」というややこしい物になっている。誰が正答で誰が誤答しているかはパターンだが、誤答を1問以下にしなければ留美シナリオは詰みになるため、対応表の作成がほぼ必須である。ユニークな解答が楽しめるのは救いだが。
--他のヒロインも「一件関係のなさそうな行動を取ったら目当てのヒロインに会えた」というようなことがよくあるため注意が必要となる(特にみさき)。意地悪な選択な上に最後の辺りでBADエンドとなるものもある。
--留美と異なる意味で瑞佳シナリオでの選択が外道。瑞佳に好意的に接するか冷たくするか、の選択がしつこいくらいに発生し、ちょっと甘い顔をすればバッドエンド行き、というものである。&br()何故、と言われるとネタバレになる上に一言では説明出来ない。((これは実際にプレイしても分かりにくく、主人公と瑞佳それぞれの思いと関係性を推測出来ないと理不尽な主人公と何故か献身的なヒロインにしか見えない。そのせいもあってか瑞佳シナリオは評価が分かれやすい上に色々な解釈がある。))
-そっちの意味では実用性がほぼない。全体的に肌が硬そうでしていることがあっさり気味であるため。
--そもそも、いわゆるエロゲーでありながら一部のシナリオではエロシーン自体をキャンセルすることも可能にされている。
--本作にそんなことを期待するな、とは言えなくもないが、''それは18禁恋愛ゲームとしてどうなんだ''という気もしないでもない。
---本作の焦点を考えるとこのゲームジャンルが最も自然ではあるのだが…。
-何度も動作確認版が新たに発売されているが、古いゲームなだけあって初版はWindows95にのみ正式対応な上にシステムも古臭い。操作性が悪い上に解像度も小さく、BGMもCD-DAだったりと流石に不便。(あまり問題ではないが)回想モードも無い。

#region(シナリオの謎について(ネタバレ有り))
-上述しているが謎の会話は「えいえんの世界」での会話。会話の内容は主に主人公が本編開始時~エンディング前までを思い返しているという形になっている。(明言されていないが、そうでないと物語との関連性が薄い)~
但し、永遠の世界の時間の流れが現実世界と同じとは限らない上に相互に影響しあってる可能性も高い。((主人公の独白に俯瞰してるような気持ちになっていたりえいえんの世界へ行く予感がある))
--つまり、学園生活を過ごしていたらある日唐突に消えて唐突に帰ってくる話ではなく、ゲーム開始時点から一貫して主人公がヒロインとの絆一つを頼りにして戻ってくる物語と言える。~
その為、(思い留まっても「えいえんの世界」へ強制的に行ってしまうという設定もあるが)「えいえんの世界」に行くのは逆説的に必然となる。
--ちなみに誰とも深く関わらなかったBADエンドではある日いきなり「えいえんの世界」に行ったところで終わる。
--主人公が「えいえんの世界」に引き込まれる((主人公自身が望んだことなので正確な表現ではない))のは偶然でもポッと出でもなく、主人公の妹を亡くしたトラウマと瑞佳の言動が要因になっている。
--「えいえんの世界」についてはヒロインの里村茜や氷上シュンというキャラも関わっており、設定を補間する要素になっている。
--「えいえんの世界」は一見悪いものの様にも見えるが、主人公が特に大切にしているものでもあり一概に悪いものとは言えない。
-各キャラクターの若干分かり辛い設定について(分かりにくくなければ割愛)
--主人公は奇行(基本的にギャグとして描かれる)が多い上に好きでやっている様子も伺えるが、全くの狂人という訳でも無い。~
独白から今までの経験(トラウマを紛らわす為のもの)が影響しているのが伺える。かなりの世話焼きなのもご都合主義ではなくてこれが影響している可能性がある。
--瑞佳は一見テンプレ的な無条件且つ自然に世話を焼く幼馴染に見えるが((ToHeartみたいなのを作れと指示されたのが影響してると思われる))、これは恋愛感情や保護者の代わりではなくて主人公との昔からの関係を非常に強く固持している為。((強く固持とは言っても義務的・作業的なものではなく、自分の意思で固持している。時折見せる違和感のある挙動は大体これが影響している。))~
キャラの内面と話の流れが独自性の強いものになっており、主人公側もただ甘受してる訳でなく、この関係を強く大切にしていることが公式サイトのキャラ紹介や作中の端々から伺える。
---これらは個別ルート後の外道な選択肢にも大きく関わっており、主人公の内面を知る手がかりにもなる。~
別の見方をすると主人公の古傷が大きく抉られる話なのが他ヒロインと大きく違う点((つまり、単に戸惑いだけで外道行為をしている訳でも製作者が適当に話を書いた訳でもない。ちなみに他ヒロインに対しては戸惑ったり勘違いからの失敗はあっても意図的な外道行為はほとんどない。))。そのことが主人公の自己中心的な仕打ちと強烈な自己嫌悪、その後の話へと繋がっていく。
---他のヒロインも日常からしっかり伏線が張られているが特に瑞佳シナリオは最初から距離が近いが故に共通ルートでの選択肢や日常の細かな様子が疎密に関わっている。~
その為、割と素直な選択肢のみで個別ルートに入れるヒロインでありながら、何気ない選択肢を1つでも間違うと個別ルートに入れなくなるのには理由あってのことである。
--「みずか」と呼ばれている少女については特に明言されていないので具体的なことは不明なものの、幼い頃の瑞佳とその思い出に主人公自身の思いと亡くなった妹との記憶が関係している。~
曖昧に表現されている上にどれか一つでも欠けると成立しないので分かりやすい様でいて分かり辛い存在になっている。
---このキャラは瑞佳シナリオや「えいえんの世界」に関わっているだけでなく、主人公の内面に深く関わっている。~
気にしなくてもストーリーの大筋には影響しないので問題無いが、理解しようとすることで納得出来る部分が増える。
---主人公と瑞佳の台詞から瑞佳の思っている「えいえん」と主人公とみずかの言う「えいえん」は似て非なるものと思われる。~
主人公と瑞佳は繋がりを歪と言っても良い程大事にしているという点で似た者同士だが、思考の方向性が異なるので瑞佳の方は「えいえんの世界」に捕らわれていない。
#endregion

**総評
ギャグを交えた日常パート、ヒロインとの絆を深めるパート、破局の予感を漂わせながらも最後の最後にハッピーエンドへ持っていく最終パート、という構図は泣きゲーもしくはシナリオ重視型恋愛ゲームの基礎となった。~
普通の現代世界を舞台にしたエロゲーでありながらそっち方面どころか日常や恋愛以外の物事に焦点を強く当てているという面も特徴的((主人公とヒロイン達の設定に至っては安易に真似出来るものでは無いせいか、未だに埋没していない))で、『ToHeart』の存在も大きいが恋愛以外のシナリオを重視したエロゲー・ギャルゲーの先駆け的存在とも言える((そういうのが全く無かった訳では無いしMOON.でも似たことが言えるのだが、ONE以前はあまり勢いがなかった))。~
推理物では無い通常の物語で謎を作り、想像の余地を多く残す手法(※手抜きではない)についても同様のことが言え、直接間接問わず業界に与えた影響は大きいと思われる。((この点は特にKanonで話題となった))

**余談
-その後、本作の中核スタッフのほぼ全員がネクストン上層部との対立から退社。スタッフの1人だった樋上いたる氏の紹介で株式会社ビジュアルアーツに入社し、彼らが中心となって新ブランド「Key」を設立している。~
そのため、Keyファンの間では『MOON.』と『ONE』もKey作品と同一視されることが多い。
--一方、下に記した移植版や本作のメディアミックスは、版権の都合もあってメインスタッフを介さずに行われたため、これらのメディア展開で追加された人物や設定等は公式として認めないファンも多い。
---こういうことがあったためか、熱狂的なKeyファンは『MOON.』と『ONE』のメディア展開について過敏になっている。(Tacticsのその後の作品については無関係なのでノータッチ)
---ネクストン傘下のBaseSonというブランドがONE2という作品を出しているが、原作スタッフは全く関わっていないので評価はともかく完全に別物という扱い。本作との繋がりもあまり無い。

-ちなみに「知ってるがお前の態度が気に入らない」のAAでスケッチブックを持っているのが上月澪である。~
ただし、ゲームで実際にあるシーンではない。
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*輝く季節へ
【かがやくきせつへ】
|ジャンル|恋愛アドベンチャー|&amazon(B00005OVTB)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|KID|~|
|発売日|1999年4月1日|~|
|定価|6,800円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''微妙リメイク''|~|
|ポイント|どこか蛇足な追加CG&br()半ば黒歴史の追加ヒロイン&br()元シナリオの改変はほぼない|~|

**概要(PS版)
上記、『ONE ~輝く季節へ~』のPS移植版。~
原作のスタッフは後に泣きゲーブランドとして一世を風靡した「Key」を設立したことで知られており、ONEも時折Key作品と同列に扱われることがある。~
が、原作スタッフのうち、当時Tacticsに残っていたのはプロデューサーのYET11(吉沢務)氏のみであり、他のスタッフはほぼKeyに移っていた。~
~
タイトルが変更されたのは、PSにおいて既に『ONE』というゲームが発売されていた為である。

**変更点
-シナリオ関係
--新ヒロイン「清水なつき」の追加
--コンシューマ移植に当たって規制に引っかかるシーンの削除
---エロ関係はかなりの量が削除されており、直接的なシーンは当然ながら、18禁とまでは言えないヒロインのパンツを下ろすシーン等も削除。
---仕方ないと言えば仕方ないが、飲酒シーン等も削除されている。
-音声・BGM関係
--音声の追加
--効果音の追加
--CD-DAからPSの内蔵音源に変更。
-新規CGの追加
--ただし、Hシーン等の削除で、当然ながらそれらのCGもカット。
-その他
--メッセージウィンドウ方式からビジュアルノベル方式へ変更
--セーブ数の増加
--バックログ機能の追加

**評価点(PS版)
-シナリオの変更点
--良くも悪くもベタ移植。しかし原作スタッフが関わっていない上に追加シナリオとCGの出来からするとベタ移植で良かったと言えるだろう。~
原作購入者が買う意義は薄いが原作の代わりにやったりエロゲーに抵抗がある人が買う分には十分と言える。
-音声の追加
--演じているのは有名声優が多く、演技の出来自体は良い。とはいえ、やはり声がなかった物に新規で付けたため、イメージと合わないという原作ファンの声はある。

***問題点(PS版)
-追加シナリオ
--何をおいてもやはり本作でまず話題に上がるのは新ヒロイン「清水なつき」の存在。
--いくら原作シナリオライターが関わってないとは言え、''原作の否定''とも取れるシナリオ展開になっており、この点だけでも原作ファンから非常に酷評されている。
--原作と関係無しに考えても感情移入が難しいキャラな上に話も強引過ぎていまいちと言う評価が多い。~
他のヒロインと比べて極端に登場が遅いせいか、進展も駆け足になってしまっている。
#region(シナリオ詳細(ネタバレ有り))
--元々の『ONE』では、「幼い頃に妹と死別したトラウマからか、次第に「えいえんのせかい」と呼ばれるものに引きずられていく中、ヒロインとの絆を見つけそれを頼りにえいえんから帰還する」というシナリオの流れであり、それがいわゆる「泣きゲー」として評価されている~
しかし、なつきシナリオでは''結局主人公が元の世界に戻ってこない''。
--これは泣きゲー云々の話だけではなく、原作の物語・テーマ・設定のそれぞれと著しくかけ離れている。ベタ移植で設定やテーマ等は全く変わっていないので無視出来るものでもない。((もしかしたら他ヒロインと同じ流れにすると不評を買うと判断した結果かもしれないが))
#endregion
--一応評価する声や普通という声も存在する。当然、原作や諸々の設定とは切り離した上での評価ではある。

-演技指導ミス?
--声優の質自体はいいのだが、言い回しがシーンにそぐわなかったり等、演技に疑問のあるシーンが存在する。

-追加CGが微妙
--イラストレーターが変更されている為、追加CGだけ他から浮いてしまっている。独特の絵柄を似せようと意識したのは理解出来るがお世辞にも成功してるとは言い難い。
--加えて、追加シーンにも「何でこのシーンに?」と首を傾げたくなる追加も。

-ビジュアルノベル方式への変更の中途半端さ
--元がウィンドウ形式だったものをただ強引にずらっと並べただけであり、実質ただ見づらくなっただけである。
---元が次の表示に切り替わるからこそ同じ人物が連続して喋っていても「」で区切っていたのだが、これも「」区切りごとそのまま縦に並べている。~
その為、同じ人物の台詞が「」で区切って連続して一つの画面に表示される。会話の流れによっては、別人の台詞と勘違いしやすい。

-PS内臓音源にした事で、BGMは若干劣化

-基本的に移植した範囲では原作通りである為、理不尽な選択肢などはそのまま。

**総評(PS版)
追加シナリオを除けば、細々と劣化が存在するものの、おおよそ無難なコンシューマ移植である。~
まずまず無難な出来でPS版から入るのも悪くはないだろう。~
とはいえ、やはり「清水なつき」と追加CGはなかった事にしている原作ファンが多い。

**余談(PS版)
本作のビジュアルファンブックには、PC版製作スタッフのインタビューも掲載されている。

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//書いたは書いたが歯切れが悪いです。後で手直しするかも。

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