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Mortal Kombat Deadly Alliance」を以下のとおり復元します。
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*Mortal Kombat Deadly Alliance
【も-たるこんばっと でっどりー あらいあんす】
|ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B000069BD9)|
|対応機種|プレイステーション2&br;ニンテンドーゲームキューブ&br;Xbox|~|
|発売・開発元|ミッドウェイゲームス|~|
|発売日|2002年11月16日|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|完全な3D格闘に&br;ビギナーにも遊びやすくなった&br;発展途中なのか未熟な部分は多い|~|

**概要
モータルコンバットのメインシリーズとしては5作目にあたる。3D化に伴って粗いポリゴンが目立ってしまった『4』とは違い、PS2・Xbox・GCという次世代プラットフォームに写ったことでグラフィックが向上した。尚、本作以降からACでの展開が無くなり、家庭用オンリーでの展開となる。~
略称は後発シリーズの『Deception』と区別するためにMKDAとなっている。~

***ストーリー
>「クァン・チーが地獄界から逃げ出したのは既に知っているだろう。逃げ出してから、彼は長い間忘れ去られていた竜王の兵たちによって発掘された碑文石を開放し、我々の敵の一人…シャン・スンと同盟を結成したのだ。~
彼らの力によって、世界を支配するために障害となった二人を強襲することを計画した。一人は、魔界のシャオ・カーンである。そして彼らは地球に向かい、地球の勇敢な戦士でありモータルコンバットのチャンピオンであるリュウ・カンに直面した。彼の魂をシャン・スンが吸収し、クァン・チーの協力によってその目的は達成された。~
リュウ・カンは、死んだ。~
彼らは魔界に戻り、残った軍兵の石像に魂を吹き込み支配しようとしている。もし成功すれば、それは魔界を支配し、そして最期にはこの地球をも支配することになるだろう。私は悪に吸収される世界を傍観できず、自らの地位を放棄して君たちを再び決戦の場に導いた。我々は今すぐ行動しなければならない、この『死の同盟』を止めるのだ。」~
~
(これはライデンの言葉である) 

***システム
-まだ2D要素が強かった『4』以前の格闘システムを一新し、完全な3D格闘に変化。
--一つのキャラクターに格闘のスタイルが2つ、武器スタイルが1つ、計3スタイルが備わっている。3種のスタイルは格闘中で常に変更可能。それぞれのスタイルに切り替えながら攻撃するコンボ技も用意されている。 
-グラフィックが向上したことで、FATALITYも残虐性が増している。首を無理やり伸ばしたり目玉が飛び出るといったユニークなものも存在するが、今作のFATALITYは演出も含め全体的にダークなものが多い。
-初代ぶりに対戦の合間に出現するミニゲームが復活した。連打で対象物を壊すTest Your Mightと、コインの隠されたカップを選ぶTest Your Sightの2種類で、対戦の合間にランダムで出現する。

***登場キャラクター
-『4』とは違ってリュウ・カン以外の初代メンバーが軒並み復活している。
-新キャラはアーマックの命を救ったことでサイコキネシスを伝授された盲目のケンシ、魔界出身ながら地球の戦士に味方する酔いどれのボー・ライ・チョー、部下を死の同盟に殺され復讐を決意した魔界出身のリ・メイ、リンクェイの女性メンバーでサブゼロの弟子であるフロスト、女ヴァンパイアのニタラ、黒龍会の前進である赤龍会リーダーのマヴァド、そのメンバーのスーハオ、周囲を蝿が飛び交っている鬼のドラミン。~
特にケンシは以降の作品でも数多く登場する人気キャラとなった。
-中ボスは冥界の鬼で怪物のような容貌をしたモロク、ボスは死の同盟であるクァン・チーとシャン・スンとの連続対決。
-隠しキャラクターとして登場するモカプはモーションキャプチャーをモデルにしており、ネタ要素が高い。火を体にまとうブレイズは『II』の背景キャラクターだったものがプレイアブルキャラクターとして昇華したもので、後の『Armageddon』の布石となっている。

***ゲームモード
"Arcadeモード"
-本作のメインモードで、中ボスのモロクと死の同盟を倒す事が目的。
--本作と『Deception』『Armageddon』ではCPUの強さは対戦前にパーセンテージで表示され、後半ステージほど割合が高くなっている。この数値はオプションで強さを変更することにより初期値が上下する。
--ランダムで対戦の合間にミニゲームが出現することがある。

"Versusモード"
-2P用の対戦モード。純粋な対戦だけではなく、ハンデをつけたりコインを賭けたりといった特別な対戦も可能。

"Practiceモード"
-練習モード。従来の格闘ゲームのような細かな練習設定は無くシンプルに収まっている。

"Konquestモード"
-本作より追加されたモード。とある修行僧がモータルコンバットの戦士達に戦術を伝授してもらいながら旅をしていくという内容。AADVやRPG要素の強くなった続編とは違い、この段階ではテキストベースのシンプルなストーリー展開である。
--各キャラクターのアクションやコンボ・必殺技を伝授するスタイルは今作から継承されている。本作では基本動作を終えたあと、キャラ選択画面から学びたいキャラクターを選んで特訓していく形式となっている。まだ解禁していないキャラクターでは特訓できず、また特訓が終わったキャラクターで再度特訓することは出来ない。

"The Kryptモード"
-ゲームプレイ中に集めるコインで墓を発掘し、中にある収集要素を手に入れるモード。墓は頭文字でAAからZZまで存在し、ゲームの制作資料やコンセプトなどのイラスト・ムービーの他、隠しキャラクターや隠しステージといった豪華な特典まである。発掘したものはKontentで自由に閲覧可能。

"Player Profile"
-プロフィールを作成したり、確認するモード。ゲームをセーブするためにプロフィールの作成は必須。

"Options"
-オプション。

"Kontent"
-The Kryptで収集したコンテンツを自由に閲覧できるモード。またArcadeをクリアした場合のエンディングも再度閲覧できる。

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**評価点
-グラフィックが向上しそれぞれのストーリーがより明確になったことで世界観が深まった。
--『4』以前は実写もしくは古いポリゴンモデルで表現上どうしても胡散臭くなりがちだったが、完全に実写モデルの表現を取り払ってCGモデルを導入したことによってムービーによる多彩な演出表現が可能になっている。それによってキャラクターのストーリーにもより力が入れられた。本作はまだ表現の面で比較的落ち着いているものの、後発の作品ではムービーにより力が入っており、世界観のイメージ向上に貢献している。
-全体的に初心者にもとっつきやすくなった。
--『3』や『4』に比べて技が出しやすくなっており、超反応気味だったCPUの難易度も抑えられている。
--今回初登場のKonquestモードではゲームの基礎動作から始まり、それぞれのキャラのコンボや必殺技を練習できる。アドベンチャーもしくは3Dアクション風味である後発作品と比べるとシンプルだが、無駄がないぶん格闘部分のチュートリアルモードとして非常にとっつきやすい。
--今作のFATALITYは距離に関係なく出せる。またFATALITY受付中はスタイルを変更することでキャラをその場に固定することが出来るので暴発する心配もない。これは『Deception』でも同様だが、こちらでは距離の条件が復活している。
--前作ではPractice上でしか確認できなかった技表がポーズメニューからいつでも確認できるようになった。ただし前作と違ってFATALITYは明記されていない。
-家庭向けとなったことで隠し要素と収集要素が大幅に増えた。
--以前の隠しキャラはその都度特定のコマンドを入力する必要があり、ストーリーの繋がりも薄いおまけ程度の扱いでしかなかったが、今作からは一度解禁させることで常駐し、それぞれのキャラクターがきちんとしたストーリーやエンディングを持ち個性化されている。
--モカプとブレイズはKonquestを完全クリアすることで使用可能になるが、選択方法が特殊な上にFATALITYがなくモーションが他キャラの使い回しなので「おまけキャラ」といえる。それでも2人にはきちんとしたストーリーとエンディングが用意されている。
-今作から追加されたKryptは本作のコンセプトアートだけでなく過去シリーズの資料やグッズ写真などの貴重な画像も用意されており、映像コンテンツもあって収集する楽しさがある。中でも本作の登場キャラであるスコーピオンが狂ったように斧やハンマーを振るって料理するネタ動画「Cooking With Scorpion」は必見。
--またゲーム初回時からKontentで閲覧できるムービーとして、本作を制作中に収録されたドキュメント風ビデオ「Making of MK」、過去のMKシリーズをダイジェストで紹介している「MK History」、ミュージックビデオの「Immortal」が存在するが、こちらもファンには嬉しい内容である。

**問題点
全体的に未熟なシステム
-まだノウハウが培われていなかったためかレスポンスが固く、全体的に重苦しい印象を受ける。従来のスピード感のある展開ではないのも地味な印象。
--『Deception』のコンボブレーカーや『Armageddon』のインタラプトのようなブロッキングシステムが無く、単に技をぶつけ合う展開になりがち。コンボ補正も厳しく繋がりにくいものになっており、組み合わせの自由度は低い。
--CPUも後半になるにつれてガードが固くなっており、従来のシリーズと比べれば易化しているものの『Deception』『Armageddon』と比べると若干難しめ。
--本作の中ボスであるMorochは従来のGoroやKintaroのような奇抜なデザインでなくありきたりなモンスターで、技自体も少なく全体的に地味。ボスの2人組についても前作のシノック同様に通常キャラと同じサイズ・性質でインパクトは薄い。
--ボスとして復活した本作のシャン・スンはキャラクターロードの都合か、(後述のGBA版以外では)変身できなくなっている。
--『Deception』や『Armageddon』を先にプレイしていると、遊びやすさの面でかなり違和感がある。

FATALITYの問題点
-シリーズの華であるFATALITYが1つだけになってしまった。しかも破壊される部位が首か胴体しかなく、多くはなんらかの肉片と血が吹き出るだけという抑えめな演出になっている。
--大腹で敵を潰すボー・ライ・チョー、サイコキネシスで目玉をもぎ取るケンシなどユニークなFATALITYもあるが、クァン・チーは本作のボスという立場ながら首を伸ばすというふざけた技で不評。ワイヤーの動きが不自然なマバドのFATALITYも違和感がある。キタナは一見ユニークだがやってることは『2』とまんまでオリジナリティに欠ける。
-全体的に破壊演出が控えめながら、FATALITYの中身自体はホラーじみたものが多い。
--有名なのがサイラックス。胴体のクレーンでキャラクターを掴み、数回叩きつけた後に胴体の中へキャラクターを押し込み、中でミンチのように砕いてから吐き出すというもの。こちらも肉片だけ出てくるので演出としては地味だが、サイボーグだけに無表情で殺害する姿は恐怖そのものである。毒霧を吹いて血を吐き苦しめながら断首するソニアもなかなかの冷酷っぷりである。
-作品の特徴として残虐な行為で相手を殺すのは従来のシリーズ同様だが、それと同時に派手なアクションと演出で魅せるクールな要素、もしくは非現実的で笑えるような馬鹿っぽさ・ユーモア要素などを備えているのがFATALITYの醍醐味でもあった。本作は『1』『2』のような残虐路線を再び持ってきたのは良いものの、演出面で地味になってしまい中途半端さが目立っている。これは完全な3D化と次世代プラットフォームの移行に伴ってキャラのモーションに手慣れていなかったのが原因と思われる。

Kryptの作業感
-以降の作品とは違って数がAA〜ZZまであるのは評価できるが、肝心のコインが貯まりにくいうえに掘り起こすために必要なコインの枚数が多く、コインを集めるのも墓を掘り起こすのも苦行になる。本作ではハズレ(何も入っていない墓)もあるのでタチが悪い。
--「違う墓の掘り直し」を行わせないためか、1つ掘り起こすたびに毎回セーブが入りテンポが悪い。ちなみにこの毎回セーブは『Deception』でも存在する。

その他
-ロードが若干長めでテンポが悪い。
--今作と『Deception』『Armageddon』では、セーブデータ作成の為にプロフィールを制作することになり、ここで次回起動時データを呼び出すためのパスワードをコマンドで設定する。このパスワードを忘れてしまうとデータ呼び出しが行えなくなってしまう。
--またセーブデータはどの機種でもコピー禁止になっているためバックアップも出来ない。これは対戦でコインを賭ける要素があることを踏まえたデータ複製の対策だと思われる。

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**総評
3D要素を濃くしたシステムは『Deception』『Armaggeddon』と継承され、本作でその雛形をほぼ完成させてはいるが、まだまだ先陣を切ったばかりで未熟な部分も多く、同時期の格闘ゲームと比べてもいまいちダイナミックさに欠ける地味な雰囲気に落ち着いてしまった。後発の2作はレスポンスが比較的スムーズになり、システムとしてもより洗練されているので、シリーズファン以外で本作を購入するメリットはあまりないかもしれない。ただKontentの数は本作から既に充実しているため、よりシリーズを知りたいならば遊んでもらいたい一作。

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**余談
-本作の元凶である死の同盟によってかなりのキャラが犠牲になっているところから、クァン・チーとシャン・スンのタッグが如何に凶悪な存在であったことが伺える。
--リュウ・カンとシャオ・カーンだけでなく、最終的にはソニア・ブレイド、クン・ラオ、キタナ、ジャックス、ジョニー・ケイジ といったレギュラー陣も殺された。彼らはオナガによって蘇生され、『Deception』にてオナガ側に洗脳されたり記憶を戻したりといったサブストーリーがある。幾らかのキャラが『Unchained』でプレイアブルキャラクターとして復活し、ストーリーの修正・補填が行われている。
--ちなみに死亡したと思われたシャオ・カーンは実は本物ではなく影武者的存在であり、死の同盟よりも一枚上手であった。
-一部のキャラには武器を突き刺す奇妙な技が用意されており、突き刺されたキャラはどんどん体力が減少していく。不評だったのか『Deception』ではカットされている。また幾らかのキャラは一定時間パワーアップ出来る能力も持っていたが、こちらも以降の作品でカットされた。
-Konquestでサイラックスはジョニー・ケイジの出演した映画を酷く嫌っており、特に彼の主演である「Ninja Mime」が嫌だという意外な一面が発覚している。「Ninja Mime」は2011年版『Mortal Kombat』でも背景として登場しており、『X』では映画出演時の衣装と思われるものがジョニー・ケージの隠しコスチュームとして選択できる。

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**GBA版
|ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B00007B9N4)|&amazon(B00008XKZ5)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|~|
|発売・開発元|ミッドウェイゲームス|~|~|
|発売日|Deadly Alliance:2002年11月20日&br;Tournament Edition:2003年8月25日|~|~|
|判定|なし|~|~|

**概要(GBA版)
-ハード的にそのままでの移植は不可能なために、携帯機用として全体的に作り直された。『Deadly Alliance』『Tournament Edition』の2つが存在し、ストーリーやシステムは同様だが選べるキャラクターが異なる。何れの作品にもモロクは登場しない。
-携帯機のスペックなりに3D格闘を再現している。ただしスタイルが2つになり、武器はコマンド技の一つとなっている。スタイルを変更しながらのコンボは無い。
-ゲームシステムとしてはかなり大雑把だが、プレレンダリングのキャラクターを使用して上下左右自由に移動することが出来たり、GBAながらに3D格闘を再現しようとする熱意が伝わってくる。
-『Tournament Edition』は後発タイトルであり、武器を使用するWeapon FATALITYが追加されたり、Practiceやストーリー・エンディング閲覧など新しいモードが追加されているので事実上バージョンアップした続編といえるが、シャン・スン、クァン・チー、スコーピオン以外キャラクターは総入れ替えされている。
--『Tournament Edition』では本編では使用できなかったセクターやヌーブ・サイボットが隠しキャラクターとして収録されている。また『Deadly Alliance』側で出しすぎた女性キャラクターがニタラしかいなくなってしまうのを補完するためか、シリーズの外伝作『Mythologies:Sub-Zero』で登場したサリーナがオリジナルキャラクターとして使用出来るようになっている。サリーナは『Armageddon』で再登場した。
-通信対戦は同ソフトだけでなく2つの別々タイトルでも可能になっている。ただし使用できるキャラクターとステージは限定される。
-Kryptも健在。ほぼ大半はキャラの色替え特典であるが、隠しキャラやステージ、中には対戦画面を視覚的に変えるおまけモードなども収録されている。『Tornament Edition』ではWeapon FATALITYもここで解禁できる。
-GBA版のみ、シャン・スンは以前のシリーズのようにコマンド入力で一定時間他のキャラクターに変身することが出来る。

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