「神獄塔 メアリスケルター」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
神獄塔 メアリスケルター」を以下のとおり復元します。
*神獄塔 メアリスケルター
【かんごくとう めありすけるたー】
|ジャンル|3DダンジョンRPG|CENTER:&amazon(B01E75VRP0)通常版|CENTER:&amazon(B00H6CAPPK)限定版|
|対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~|~|
|発売元|コンパイルハート|~|~|
|開発元|ゼロディブ&br;コンパイルハート|~|~|
|発売日|2016年10月13日|~|~|
|定価|通常版:7,344円 / 限定版:9,504円 / ダウンロード版:6,480円(各税8%込)|~|~|
|レーティング|CERO:D(17歳以上対象)|~|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|~|
|ポイント|作中の設定が重視されるも調整は不足気味&br;運により大きく左右されるゲームバランス&br;ダンジョンゲー×キャラゲーとしての面目は保った|~|~|
|>|>|>|CENTER:''コンパイルハートWizライク系列''&br; [[限界凸記 モエロクロニクル]] / [[限界凸起 モエロクリスタル]] / [[メイQノ地下ニ死ス]] / ''神獄塔 メアリスケルター'' / [[塔亰Clanpool]] / [[神獄塔 メアリスケルター2]] / 神獄塔 メアリスケルターFinale|
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#contents(fromhere);
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**概要
コンパイルハートより発売された3DダンジョンRPG。『[[メイQノ地下ニ死ス]]』の約1年後に発売された新規タイトル。~
キャラクターデザインは同社のナナメダケイ氏が担当。~
公称ジャンルは「謎解き×パニック×アクティブ3DダンジョンRPG」。~
~
電撃プレイステーション&電撃文庫協賛タイトルで、電撃プレイステーション誌上で数回にわたり特集記事と、本編の前日譚小説が掲載された。~
現在は公式サイトで全文を読むことができる。~
「電パイル」ブランド発足前の作品ではあるが、電撃側との連携の厚さは相当なもので、実質的には電パイル第ゼロ弾ともいうべき作品にあたる。~
~
ゲームとしてはコンパイルハートが得意とするお色気要素が本作でも一部に発揮されている。~
一方で、パッケージイラストはヒロインの一人である「アリス」が返り血を浴びたまま微笑んでいるというもの。ホラー・猟奇的な描写にも力が入っている。~
といってもゲーム本編では肉体が過度な損傷を受けるような描写は出てこず、血の色も基本的に蛍光ピンクとなっているので、よほどホラー系が苦手でない限りは普通に遊べる。~
~
開発元は発売まで公開されていなかったが、『[[剣と魔法と学園モノ。]]』等を手がけたゼロディブが主要プログラムの担当だとスタッフロールにて判明している(デザインについてはコンパイルハートのスタッフ名もあるので共同開発といったところか)。~
システムは、同社が本作以前にコンパイルハートと開発したDRPG第一弾『[[限界凸記 モエロクロニクル]]』とその直系作『[[限界凸起 モエロクリスタル]]』に類似したものが多い。~
大きな違いとして、全ての敵モンスターが3Dモデルで描かれ、攻撃時は固有のモーションをするようになった。~
ただし、プレイヤー側は依然として2D表現のままである。~
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**ストーリー
>ジェイル——それは「生命ある監獄」と呼ばれる難攻不落の人間収容所。~
数十年前に突如街が陥没し生まれたこの監獄は、「メルヒェン」と呼ばれる不気味な化け物によって管理されていた。~
少年「ジャック」はジェイルの収容者としていつが始まりだったのかを忘れる程の永い時を夢や希望、心の平安、人間らしさの全てを奪われ、日夜不条理な拷問を受けながら、ただ生かされていた。~
しかし全ての光から閉ざされたような日々の続くある日、「血式少女隊」と名乗る組織がジャックを牢獄から救い出す。~
それは自らも血式少女と共に脱獄を企てる運命の始まりだった――。奪われたもの全てを奪い返すため、ジャックと血式少女隊は難攻不落のジェイル脱獄を決行する!!~
~
(※公式サイトより抜粋)

**登場人物
#region(メインキャラとサブキャラ、そのキャスト)
セリフは公式サイト等で記載されているものだが、''実際のゲーム中には登場しない。''近いニュアンスのセリフなら有り、あくまでイメージ。~
-&font(120%){''ジャック''}(CV:酒井広大)
-&font(110%){「''みんなで必ずジェイルから脱出するんだ!僕の、この命にかけても…!!''」}
--本作の主人公である少年。非常に特殊な血を宿しており、自身の血を分け与えることで血式少女(ヒロイン)達を浄化し、暴走から救える。
---血の放出に使用するのが、彼専用の装備「メアリガン」である。他のキャラは装備不能。
--ジャックはプレイヤーの分身にあたる。物語は基本的にジャックの視点で進んでいき、任意の血式少女との恋愛イベントも発生させられる。
--序盤では気弱な発言をしてしまうが、中盤以降は心身ともにたくましくなっていく。
--血式リビドー((特殊能力を持つ者が潜在的に抱えている奇妙な衝動))は、高所を目指すこと。
--作中でのセリフは非常に多い。他キャラ同様フルボイス(心の声以外は)となっているため、存在感はかなりのもの。
---女の子推しのゲームという事を開発者も想定していたのか、オプションではご丁寧にも「主人公だけボイスOFF」・「主人公だけカットインOFF」という機能が存在している。他、「男性だけボイスOFF」という機能もある。%%でも酒井氏ら男性陣の演技も素晴らしいのでできればちゃんと聞いてあげよう%%~
&br;
-&font(120%){''アリス''}(CV:上坂すみれ)
-&font(110%){「''人々を監獄の外へと連れ出すため、あなた達には死んでもらうわ''」}
--ジャックの幼馴染であり、オープニングでは彼と同じ場所に囚われていた。
--後に血式少女であると判明し、ジャックのためにも戦うことを決意する。
--血式リビドーは、探求すること。
--作中では常識人ポジション。普段は落ち着いた言動をしているが、ジャックを心から慕っており、彼が軽んじられるような場面では相手を威圧することさえある。
---ただ初公開されたセリフ(実際のゲーム中には登場しない)からして、当初はもっと物騒なキャラと位置付けられていたのかもしれない。
---パッケージや他のキービジュアルでもメインに描かれることが多く、ヒロイン達の中でも一際目立つ扱いとなっている。~
&br;
-&font(120%){''赤ずきん''}(CV:大久保瑠美)
-&font(110%){「''んー、よく分かんないから、ぶん殴ってから考えるね!''」}
--人外じみた戦闘力を有する血式少女隊の一員で古参。リーダー格でバランスのとれた強さをもつ。
--すべての血式少女に共通する特徴として、「メルヒェン」(本作のモンスター全般)の血を浴び過ぎると理性を無くし暴走してしまうことがあり、赤ずきんもその例外ではない。
--赤ずきんがジャックとアリスを無事救出したことにより、物語が動き出す。
--血式リビドーは、被り物をすること。
---リーダーとしての立場は後にジャックへある程度ゆずった形となる。他のメンバーの加入によって徐々に影が薄くなってしまうが、要所要所では真のリーダーともいうべき行動をとってくれるので印象深い。
---余談だが、オープニングのみ妙に空恐ろしい言動をしている。そしてセリフ例が酷い。~
&br;
-&font(120%){''白雪姫''}(CV:高野麻里佳)
-&font(110%){「''お怪我はありませんか?じっとしててください、絆創膏を貼りますね''」}
--作中で三番目にパーティへ加入する血式少女。ドジな一面があるものの心優しい。
--暴走した時のギャップはパーティ中随一。狂い笑いや「殺っちゃいますよ」「毒リンゴはいかがですかァ?」などインパクトのある攻撃(ボイス)は敵だけでなくプレイヤーも圧倒する。
--血式リビドーは、鏡を恐怖すること。
---彼女と眠り姫だけで攻略しなければならない二番目のダンジョンの冒頭は、作中でも最難関ポイントの一つとなっている。キャラ性も相まって記憶に残る。
---演じる高野氏は、本作へ出演した後もコンパイルハート作品の常連声優になっている。~
&br;
-&font(120%){''眠り姫''}(CV:長久友紀)
-&font(110%){「''……あなた、王子様じゃ、ない……残念……ばいばい''」}
--白雪姫と一緒に加入する血式少女で、容姿は全く似ていないが白雪姫の妹である。
---言葉少なく、よく居眠りをしているボクっ娘で抜群のスタイルを持つ。おまけに不思議ちゃん。
---「ん……ん……」としか喋らないことが多いものの、何故かそれでコミュニケーションがとれる。
--血式リビドーは、睡眠をとること。
---アップデート前は、序盤に銃を入手するのが困難となっており、アーチャー系である彼女とかぐや姫だけ銃を主体とするジョブへの変更が非常にしづらいという難点があった。~
&br;
-&font(120%){''親指姫''}(CV:高橋李依)
-&font(110%){「''か、勘違いしないでよ!妹たちのためなんだからね!''」}
--作中で四番目に加入する血式少女。白雪姫と眠り姫、二人の姉にあたる人物。「メルヒェン」に捕まっており、この親指姫の救出作戦が序盤の山場になる。彼女が無事だった理由はノベル版で補足されている。
--ツンデレ系の言動をしている。その個性を踏まえた上で見れば、登場人物の中でも最も裏表が無く、わかりやすい言動をした人物。
--血式リビドーは、自立すること。
---ちなみにこの三姉妹を演じる高野氏、長久氏、高橋氏の3名は、本作のOP及びEDテーマを歌う「イヤホンズ」のメンバーでもある。
---歌はあくまでイヤホンズとしてのもので三姉妹が歌っているという体裁ではないが、歌詞は作品の世界観を的確に表していると概ね好評。~
&br;
-&font(120%){''シンデレラ''}(CV:今井麻美)
-&font(110%){「''おーっほほほ! 無様ですわね!''」}
--作中で五番目、もしくは六番目に加入する血式少女。正規隊員の一人だが物語当初は行方不明になっている。
--格闘家のような容姿とは裏腹にお嬢様系の言動をしている。掃除好き。
--血式リビドーは、お洒落をすること。
---暴走すると弱気(ネガティブ)になるという他には無い個性も持つ。
---演じる今井氏はコンパイルハートの常連声優であり、ネプテューヌシリーズのノワール役といえば解りやすいだろうか。~
&br;
-&font(120%){''かぐや姫''}(CV:五十嵐裕美)
-&font(110%){「''……働きたくないです~。放っといてください~''」}
--作中で六番目、もしくは五番目に加入する血式少女。物語の冒頭で顔見せがあるものの、その後は長らく登場しない。
--血式リビドーは、宝物を収集すること。
---引きこもりのオタクのような言動をしており、語尾を伸ばし気味に話す。それでいて不思議と気品のある喋り方であり、五十嵐の代表作として挙げられやすい某働きたくない系アイドルとは巧みに演技が差別化されている。
---歩くことすら面倒くさがり、年中「バンブー1号」という空飛ぶ乗り物に腰掛けている。しかし床トラップを無効化したりはできず、パーティが落とし穴にはまったときは律儀にも一緒に落ちてしまう。~
&br;
-&font(120%){''ラプンツェル''}(CV:小澤亜李)
-&font(110%){「''ねーねー知ってる知ってる?血ってね、とってもおいしいの!''」}
--作中で七番目、もしくは八番目に加入する血式少女。たった一人ダンジョンの中で生きていた。
--食いしん坊のロリキャラ。野生児としての一面もたびたび強調される。全裸になることも躊躇がないが、そういうシーンではその長い髪に全身を包まれており拝めない。
--血式リビドーは、髪を伸ばすこと。
---言動は非常に幼く、幼いが故に残酷な発言もしたりするが、そんなときは他のメンバーが手早くフォローに回るので浮くことがない。~
&br;
-&font(120%){''グレーテル''}(CV:種﨑敦美)
-&font(110%){「''頭の悪いやり方ね。私の作った薬を飲みなさい。倍の効率で働けるわ''」}
--作中で八番目、もしくは七番目に加入する血式少女。マッドサイエンティストな眼鏡キャラ。
--モンスター寄りの存在で、最初は主人公たちにも敵対する姿勢を見せる。しかし自らの探究心と、ある人物の遺言が合致したことから、パーティに加入する。
--他キャラとは違う独特な倫理観を持ち、セリフもかなり長いので、終盤の加入ながら抜群の存在感を持つ。口を引きつらせた薄ら笑いを浮かべながら、ささやくように長ゼリフを宣うのが大変サマになっている。
--血式リビドーは、好奇心を満たすこと。
---血式リビドーがアリスと似ている他、OPではアリスのすぐ後に彼女が表示される(他のメンバーは表示されない)というシーンがあるなど、おそらくアリスの対比として設定されている。本編でも実際、アリスと絡む機会がかなり多い。~
&br;
-&font(120%){''ハーメルン''}(CV:今村彩夏)
-&font(110%){「''お……おんにゃのこと言うでない!ワレはハーメルン。魔王でありゅぞ!''」}
--作中で最後に加入する血式少女。ただ一人、本編の流れで仲間にならない。仲間にせずともエンディングには到達できるため、隠しキャラ的な位置づけ。
--唯一敵として交戦する機会があるため3Dモデルが例外的に用意されている他、ノベル版にもしっかりと登場。ある意味、最も優遇されている。
--中二病的な言動をしているが白雪姫よりもドジで、セリフを噛んでしまうこともままある。
--血式リビドーらしきものの描写は無い。強いて挙げれば、誰かと遊ぶこと。
---パッケージはおろか、公式サイトにもその姿が無く、故にキャストの紹介もされていない。他はサブキャラ達ですらツイッター用アイコンや壁紙も配布されているというのに、隠しキャラとはいえこの点だけピックアップすると逆に不遇ともとれる。
---さすがに本作発売後に登場した『神獄塔 メアリスケルター ビジュアルブック&ストーリーガイドブック』では普通に掲載されている。
---地味なところで、実は公式サイトでも「DLC情報」のサンプルではかろうじて姿を確認できるが、公式サイトの情報しか仕入れていない方にとっては''誰だかわからない''。
---演じる今村氏もまた、白雪姫役の高野氏と共に本作のあとコンパイルハート作品の常連声優になっている。~
&br;
-''血式少女隊員(ジャックは血式少年)の名前は、読んで字のごとく有名な童話からとられている。''~
&br;
--組織によって与えられたコードネーム…というわけではなく、いずれも生まれ持ったもの。物語の舞台は現代日本なので強い違和感がある。また、自身の出自については何故かあやふやなメンバーが多い。
--これらは終盤に明かされる、最も衝撃的な事実の伏線になっている。
---……なのだが、あろうことか公式サイト「WORLD」の項目で半端にネタバレされている。さすがに核心部分にまでは触れられていないが。
---後述する「ナイトメア」の姿と戦闘中の使用技は、特定の血式少女隊員に関連しているなど芸が細かい。~
&br;
&br;
-【サブキャラ】
--''十島博士''(CV:山本兼平)
---血式少女隊員を束ねる老人。諸事情でセリフ量はとんでもなく多く、ほぼメインキャラの一人。ゲーム中では転職システムなどを担当。

--''ハル''(CV:亀山雄慈)
---十島博士の友人にあたる、渋めの眼帯兄貴。ゲーム中ではプレイヤーの武器改造を担当。プレイスタイルによってはお世話になる。

--''上島視子''(CV:笹本菜津枝)
---救護班の頼れる女医。ゲーム中では浄化ミニゲームを担当。小説版でもいい感じの出番がある。

--''くらら''(CV:中島唯)
---ハルの自称助手。ラプンツェル並みのようじょ。ゲーム中ではショップを担当。世界観を忠実に反映してか、品揃えがイマイチなのが残念。

--''ミチル''(CV:吉岡麻耶)
---「タイヨウ教団」の教祖様。おだやかな女性だが、ある理由で精神を病んでおり、ときどき錯乱したかのようなセリフを笑顔で優しく語り出す。

--''陽司''(CV:土岐準一) 
---ミチルの弟。副教祖として冷徹に振舞うこともあるが、すべては姉を守るためのことで、健気な姉弟愛が描かれる。

--''門脇永遠''(CV:落合福嗣)
---街を守る門番を務める男性。かつてモンスターにより知人友人の多くを殺されており、この世界で生き抜くモブの逞しさと狂気を代表している。

--''人魚姫''(CV:無し)
---赤ずきんが幼い頃「元水族館ダンジョン」で出会うも、本部に連れ帰るまでに暴走して発狂し、赤ずきんにトドメを刺されてしまい本編開始以前に死亡した人物。
---ゲーム中に名前は挙がり、今も赤ずきんに深いトラウマを残していると分かるものの、顔絵すら出てこないので前日譚小説を読んでいないと馴染みが薄い。
---元水族館ダンジョンも作中には登場しない。

--''マモル''(CV:逢坂良太)&''ヒカリ''(CV:沼倉愛美)
---本作の小説『神獄塔 メアリスケルター ~光の在処~』で主役を張る少年少女。ゲームでは冒頭とラストにだけ登場し、いいところを掻っ攫う。
---小説には他にも、元研究者の''イツキ''、喧嘩っ早い姉御の''カエデ''、オネェ口調だったり常におどけている技師''タクミ''という三人のオリジナルキャラが登場する。~
&br;
上記以外にも、名無しのモブが数名登場してゲームをにぎやかしてくれる。
&br;
#endregion
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**基本システム
-''Wizライク(ウィザードリィ形式の3Dダンジョン)''
--オートマッピング制であり、1マスずつマップを埋め、踏破していく。
--ダンジョンは全10種で、物語の進行に応じて進める範囲が広がっていく。
--LボタンかRボタンでカニ歩きが可能な他、マップで場所を指定するとオートパイロット機能によりその地点まで自動でパーティを歩かせられたりと、システム面はそれなりに充実している。
---物語の進行に応じて血式少女が増え、ダンジョン探索を助ける機能も更に追加されていく。
---ゲーム中いつでも難易度変更が行えるが、これによって変化するのは戦闘関連の難易度である。

-''街(拠点)に相当する「解放地区」''
--ここには血式少女隊を擁する組織「黎明解放戦線」の基地と、独自に民衆をまとめている「タイヨウ教団」の本部があり、いずれもメニュー形式で利用できる。
--ショップでの売買、改造による装備品の強化、職業変更、タッチ機能を使ってお触りする「穢れ浄化ミニゲーム」が行える他、「居住スペース」では血式少女にサプライズアイテム(プレゼント)を贈って好感度を増加させられる。
---サプライズアイテムは90種以上もあり、「洗いざらしの止血帯」「焦げついた鍋」など''個性的''なものばかり。血式少女ごと、渡したアイテムによって好感度が増減するのだが、''こんなものを渡されて喜ぶのか''と、プレイヤーのほうが困惑させられてしまうことも。
---好感度などの条件を満たしフラグが立ったときに限り「屋上」や「街広場」などへも移動可能となり、そこで血式少女の素顔に迫るイベントを見ることができる。この辺りにはキャラゲーとしてのサービス感がある。
---個別エンディングも存在する。
--「タイヨウ教団」の本部では、RPGにありがちなお使い系のクエストを受けられる。

-''パーティ構成''
--「登場人物」の項で紹介している人物以外が加わることはなく、最大で11人パーティとなる。
--ダンジョンにはその全員で潜入している体裁になっており、移動中の探索用スキルは全員分がいつでも使用できる。しかし、戦闘に参加できるのは最大でも6人まで。
---6人の内、設定上、主人公だけは絶対に外すことができない。なお戦闘終了後は控えメンバーにも経験値が行き渡る(ただし100%ではない)。主人公以外が全員倒されるとゲームオーバー。
---戦闘参加人数が多いほど、1人あたりに割り振られる経験値が減ってしまう。逆に言えば、あえて少人数で戦うことで集中的な育成も可能。
---主人公以外はポジション(前衛もしくは後衛)を設定できる。全員を後衛にすることはできない。
---スキルの中にはRPGお馴染みの体力を回復するものもあるが、移動中だと、控えメンバーのものは使用できない面倒な制約がある(戦闘参加の設定をすればすぐ使えるようにはなるが)。
---控えメンバーは、戦闘参加メンバーと任意にコンビを組むことができ、攻撃の際にときどき割り込みカットインで追加ダメージを与えてくれる。

-''職業変更''
--血式少女は、ファイター(前衛戦士タイプ)、リベロ(魔法戦士タイプ)、アーチャー(後衛戦士タイプ)、サイエンス(学者タイプ)、マジシャン(魔法使いタイプ)のいずれかに属している。
---ファイターからマジシャンへ鞍替えしたりはできないものの、同タイプの中でさらに細分化された別の職に就くことができる。グラフィックも全くの別物に。
#region(詳細表)
|【''ファイター''系列】&br;アリス&シンデレラ|パラディン&br;(聖戦士)|マーシャル&br;(拳闘士)|デストロイ&br;(狂戦士)|ブラッドロード&br;(魔戦士)|
|【''リベロ''系列】&br;赤ずきん&ラプンツェル|ポエット&br;(歌姫)|フェアリー&br;(踊り子)|ピエロ&br;(道化師)|ブラッド&br;(奇術師)|
|【''アーチャー''系列】&br;眠り姫&かぐや姫|スナイパー&br;(狙撃手)|スピードガンナー&br;(銃士)|ダークシーカー&br;(暗殺者)|ブラッドハンター&br;(悪魔狩人)|
|【''サイエンス''系列】&br;白雪姫&グレーテル|アイテムツーラー&br;(道具士)|ミミクリー&br;(ものまね士)|ロジカリスト&br;(電脳使い)|ブラケミスト&br;(錬金術師)|
|【''マジシャン''系列】&br;親指姫&ハーメルン|セラピスト&br;(看護師)|カウンセラー&br;(心理士)|ネクロマンサー&br;(死霊使い)|ブラッドウィッチ&br;(魔女)|
#endregion

--上記の職業変更は10レベルアップするごとに1回可能となる。
---『モエロクロニクル』や『モエロクリスタル』と異なり、スキルは一度習得すれば変更後の職でも使える他、キャラのレベルをリセットする「血式退化」でスキルポイントの振り直しもできる。

--予約特典のプロダクトコードを入力することで全キャラが就ける特別職、''さくら巫女''が手に入る。予約特典でしか登場機会の無いレア職業。
---性能云々以上に、全員を同じ見た目にできるという点もありがたい。他に全キャラが就ける職業というものは無いのでなおさら。
--他にも店舗別の予約特典として、''T-ヒーラー''(※TSUTAYA限定)、''G-アサシン''(※ゲオ限定)、''JO-シンガー''(※ジョーシン限定)という三つの職業も存在。
---ストアでの再販はされておらず今や入手困難。既存色の色違いではなく、各社のロゴをモチーフにした描き下ろしのデザイン衣装になっているという凝りようであった。
---さすがに全員分は描き下ろせなかったのか、通常職のように就ける人に制限がある。そして隠しキャラである某女史は、上記三社特典のいずれからも省かれてしまった……さくら巫女で我慢するしかない。~
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**3Dダンジョンの特徴
-''とてつもなく広い''。
--二番目のダンジョンからして、同ジャンルの他作品のラストダンジョンを凌駕するほどの面積がある。以降のダンジョンはさらに広くなっていく。
---なお、3Dダンジョン系RPGとしての前作に当たる『メイQ』と違い、今作では周回要素は一切ない。他、同作品にあったシステムはこれといって引き継がれていない。

--ランダムエンカウントとシンボルエンカウントが混在している。
---本作のランダムエンカウントはエンカウント頻度がかなり少なめで連続発生も起きない。プレイヤーの歩数がある程度保障されている模様。
---しかし敵シンボルがときどき通り道を塞ぐように置かれており(移動もしてくれない)、後半ほどその数も増して嫌らしい存在になる。ランダムエンカウント直後に敵シンボルを見つけるとやるせない気持ちにさせられる。
---どちらのエンカウント形式でも逃走可能。
---シンボルエンカウントについては、撃破すると一定時間は出現しない。また、後退しつつ接触した状態で逃走に成功すると''素通りできる''という抜け穴も一応ある。

--プレイヤーの操作性が問われるようなトラップがたまに配置されている。
---一部のトラップ床は攻撃判定が出たり消えたりしている(ガスの蒸気や飛来する矢など)。これらは見てからでも避けられるのが特徴。
---トラップに引っかかったりダンジョン内のギミックを使用するとパーティ内の誰かのボイスが再生され、ゲームを可愛くにぎやかす。
---トラップのダメージにより移動中でも全滅してしまう。アップデートにより被ダメージが増加しているのでトラップを侮れなくなった。
---公称ジャンルに「謎解き」と付くだけあって、パーティキャラの特定の能力を正しく使わないと突破できない大規模な仕掛けも稀にある。

-''三大欲求とルーレット(ジェイルボーナス)''
--本作のダンジョンの実態は''ジェイルという名の生き物''。
--ダンジョン探索中は三種のアイコンが画面右上に表示され、それぞれ下記の欲求を表している。
---【''食欲''】。モンスターを倒すと微増、戦闘中にモンスターの弱点を突くことで急増。~
条件が緩いためとても溜めやすい。
---【''性欲''】。宝箱を調べる、採取ポイントを調べることで増加。調べると性欲が急増する「エモーションポイント」というものもダンジョン内に存在する。~
宝箱以外はダンジョンを出入りすると高確率で復活する。
---【''睡眠欲''】。探索中、ときどき発生する「ジェイル睡眠タイム」期間中、パーティがノーダメージでいると勝手に溜まっていく。~
実のところ相当溜まりづらく、これを一定回数最大にするクエストはクリアが面倒。

--要求される行動をとり続けアイコン内部の色が満タンになると、移動中・戦闘中を問わず、突然ルーレットが1回開始される。このルーレットは強制である。
---各欲求は満タンになるとルーレット発生後にリセットされる。エンディングまで幾度となくルーレットを回すことになる。
---ルーレットの中身はランダムで、目押し可能。基本的にプラス効果しか存在しないが、「全キャラ全回復」といった超強力なものから、とてつもなく貧相なものまであり、とにかく運要素が強い。
--ダンジョン内を歩いている際に「ジェイルの気まぐれ」という簡易イベントが起き、三大欲求の幾つかが勝手に増減することがある。
---このような仕様上、もはやルーレットを出現させずにクリアすることのほうが難しい。

--ゲーム中に月の色が切り替わることがあり、月の色に対応した欲求は特に増加しやすくなる。
---月の正体は終盤に判明する。シナリオでも、主人公が月を眺めて色について独白するというシーンが時おり登場する。
---ただしこれは演出的なものであり、''現在のゲーム中の月の色と一致しているとは限らない。''

-''放浪商人''
--ランダムエンカウントで、稀にモンスターではなく正体不明の商人とエンカウントする。
---街の施設でも決して購入できない、設定上は失われて久しいはずの強力な武器・防具を彼から購入可能。ただし高額。後半になると品揃えは100種を超える。
---ここでしか購入できないものが非常に多く、後半のダンジョンで出会うほど商品の全体的な質も上がるが、品揃え自体はランダム。出会うのが運なら、良い商品を買えるかどうかも運である。
---前述のジェイルボーナスには放浪商人の出現率を急増させるというものがあるほど。
---それでも何度も出会うのは至難のわざである。同じ場所で待っていてくれず、次に出会うときもランダムエンカウントに期待するしかない。

-''ナイトメア''
--各ダンジョンの大ボスの総称。ストーリー本編にも絡み、主人公たちの討伐対象である。個体によってはダンジョン内を自由に歩き回っている。
---フィールドを移動するナイトメアの周囲は闇に包まれており、画面が見え辛くなる。近くにいると「移動する闇」を目にすることになる。
---性質は『[[世界樹の迷宮シリーズ]] 』のF.O.Eに似ているが、あちらと違ってプレイヤーが立ち止まっていてもお構いなしに動きまくり、飛び道具を放って''移動中のプレイヤーに攻撃してくる''。

--ナイトメア出現の可能性があるフロアでは、雄叫びのSEを合図に、どこかにナイトメアが配置される。運が悪いと''プレイヤーのすぐ近くにいきなり配置される。''
--ナイトメアの一定範囲内まで近付いてしまうと''「虐殺鬼ごっこモード」''となり、メニューが開けなくなるのでアイテムも回復スキルも使えない、一部の探索用スキルが封印されるなど厳しい状態になる。
---一定範囲外まで抜け出せば逃走完了となり、報酬としてアイテムが手に入る。一度でも戦闘で部位破壊をしておくと報酬がランクアップする。

--ナイトメアからの逃走中にザコ敵とエンカウントした場合は、ザコ敵を支援する形でナイトメアからの援護攻撃も飛んでくる。ナイトメアへの反撃はできない。
---袋小路にまで追い詰められると直接ナイトメアに戦闘を挑むしかない。戦闘を挑むと、通常のザコ敵とほぼ同様に戦える。
---最初の段階では体の部位を破壊するとそれで戦闘終了となり、しばらく行動不能&通過可能となるのでその隙に脱出を目指すことになる。部位は後の戦闘では回復している。
---ストーリーを進行させないと完全には倒すことができないが、倒した後は二度と出現しなくなる。

--ナイトメアの中には決戦の際、1フロアに収まらない程の体躯の''「巨大ナイトメア」''と化す個体も存在する。巨大ナイトメアには、専用マップを駆け抜けながら点在する交戦ポイントで攻撃するという形で挑む事になる。
---専用マップにあるギミックを駆使する事で討伐を優位に進める事ができる。
---専用マップは(難易度EASY以外では)一切地図を確認できないので迷いやすい。また通常のナイトメア戦と同様にザコ敵も普通に登場し、ザコ戦中の支援攻撃も飛んでくる。更にはメニュー画面を開けないため移動中の回復等も行えないなど、ナイトメア戦の特徴をほぼ引き継いでいる。故にさらに難しくなっている。
---このタイプのナイトメアは徘徊できないのでダンジョンで襲ってこない。

-''移動中の探索用スキル''
--血式少女につき、一人一種所持しており、これらは「血式能力」と呼ばれる。
---例えばアリスのものは、足元にセーブポイント兼ダンジョン脱出ポイントを設置するというもの。
---使用には他のRPGでいうところのMPにあたる「SP」を消費するが、一回あたりの消費量が少なくほぼ際限なく使うことができる。
--ダンジョンの隠し通路を開通させたり、一定時間トラップを無効化するものもある。特にダッシュができるようになると探索時間を大きく減らせる。
---一部の血式能力は「虐殺鬼ごっこモード」中のナイトメアにも有効。ナイトメアを足止めしたり、戦闘突入前からダメージを与えられる。使い方は限定されるが、強制的に脱出することが可能なものも。~
&br;
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**戦闘の特徴
-AGI(素早さ)の高い順にターンが回ってきて、1回だけ任意の行動ができるコマンド式バトル。
---攻撃後は次にターンが回ってくるのが遅くなる。場合によっては、他者に抜かされたり複数回行動されることもある。
--戦闘はAIに任せ、自動でコマンドを実行することもできる。
--主人公ジャックは直接攻撃が出来ないかわりに、アイテムが自由に使える他、専用装備の「メアリガン」で補助行動が行える。敵から狙われないという特徴もある。
--血式少女には「返り血アイコン」が存在し、敵の弱点属性を突くことで1アイコン溜まる。
---このとき一定以上のダメージ量を与える「オーバーキル」だった場合は一気に2アイコン以上溜まる。他にも様々な条件で溜まる。

-''「ジェノサイドモード」''
--「返り血アイコン」が5アイコン分溜まると、血式少女がジェノサイドモードとなり、銀髪で桃色の瞳になったカットインが挿入される。
---攻守が大幅に強化され、専用技まで使用可能になる等メリットばかり。ただし1~5ターンしか効果が持続しない。そして戦闘終了すると必ず解除される(虐殺鬼ごっこモード中は例外)。
---探索における重要要素として、ジェノサイドモード時でさらに出血が発生するとHP・SPが回復する。回復量は全体の出血量に比例するため、弱点を突く全体攻撃ならかなりの回復が期待できる。
--血式少女には「返り血アイコン」とは別に、「穢れ」という要素もある。大ダメージを受けるか仲間が戦闘不能になる等ネガティブなことが起きると返り血アイコンの色が濁っていき、これは初期状態を含めると5段階の色が存在する。

-''「ブラッドスケルターモード」''
--穢れが2段階以上溜まっているときに「返り血アイコン」が5アイコン分溜まると、ジェノサイドモードでなく、ブラッドスケルターモードになってしまうことがある(その確率は穢れ段階に依存)。5段階目の黒色になっていると確実に発生。
--血のオーラをまとい全裸じみた過激な姿となり、1ターンに1~3回行動、通常攻撃を1~3回連続で放てるものの、''命令は不能でパーティメンバーを攻撃することもある''。
---他のRPGでいうところの「混乱状態」であり、攻撃が運良く敵に向かえば爽快だが、パーティを攻撃し壊滅させてしまうことも少なくない。このモードの解除は主人公にしか行えない(一応、HP0で戦闘不能になっても解除される)。
---本来ならメリット尽くしのジェノサイドモードであるが、同時にブラッドスケルター化してしまうリスクもあるため、システムに深みがある。
---ブラッドスケルター状態での全身図を拝む機会はあまりないため、どんな姿か知りたい人は公式サイトを見るのが手っ取り早い。『神獄塔 メアリスケルター ビジュアルブック&ストーリーガイドブック』にも掲載されている。

-''「舐める」と「魂血スキル」''
--全ての血式少女が使える共通コマンドに、他の血式少女を「舐める」というものがある。
--返り血が2~3アイコン以上溜まっている相手に対して使用できる。舐めると返り血アイコンが''ゼロ''になる。
---戦闘中にどうやって、どれだけ舐め回しているのか気になるところだが、演出は残念ながら地味。なお''舐められる側に恥ずかしがる専用ボイス''がある。
--返り血アイコンがゼロになるだけでなく、同時にキャラごと異なった補助効果が発生する。全員の防御力アップなど、通常のスキルを超える性能を持つものが多く、これらは「魂血スキル」と呼ばれる。
---キャラごと効果が違う上、「他のキャラに(舐めて)発動してもらう」という自力では発動できない点が異色。また、細かい効果としてジェイルの性欲が微増する。
---強力な「魂血スキル」は低レベルクリアを狙う際には欠かせず、やり込むなら「舐められ要員」の選定も重要となる。
---ブラッドスケルター化してしまう危険がある場合は、穢れを浄化する他、この「舐める」によって初期化することでも避けられる。プレイヤーごとの戦略が光る。~
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**評価点
-''個性溢れるダンジョンRPG''
--一つ一つは他のダンジョンRPGで見かけるようなシステムでも、本作の絵柄と世界観との組み合わせにより真新しいイメージをプレイヤーに与えてくれる。
---複雑なシステムは意外と少なく、ゲーム内のチュートリアルも充実しておりいつでも読み返せる仕様となっている。

-''適度な緊張感を持った、テンポ良い戦闘''
--先述の通り、各ヒロインは常に暴走化の危険性を抱えており、レベルを上げ現ダンジョン内のザコ達が格下になろうと気を抜けば身内に刺され全滅の可能性がある。
---体力回復やバフを行うだけでなく、一歩先を見越しあえて穢れ浄化を優先してあげたりと、他作品とは一味違った駆け引きを楽しめ、パーティへの庇護欲も湧いてくる。
---劣勢状態をジェノサイドモードやジェイルボーナスで一気に覆したときの達成感は他に類を見ない。
---戦闘演出はアップデートにより大半が高速化、及びスキップできるので、サクサク進められる。

-''ヒロイン達の多彩なビジュアルと膨大なボイス数''
--職業変更するとヒロインの立ち絵がしっかりとその職業のものに変化するので、コスプレとしても楽しめる。
---しかも立ち絵を用いたイベントシーンは、原則として現在の職業の姿で登場してくれるため、「プレイヤー自身で編成した少女達が会話している」ことがよく表現されている。
--イベントシーンがフルボイスであることに加え、戦闘中であろうと喋りまくり、ボイスのバリエーションも豊富。
--ジェノサイドモードとブラッドスケルターモード専用のボイスもある。通常時とは様変わりしたサディスティックなセリフを存分に聴け、声優の演じ分けを楽しめる。
---「ジェノサイドモード中に仲間へ回復スキルを使う」など、プレイヤーがあまりとらないであろう行動にもしっかり専用ボイスがある。

-''サウンド''
--ZIZZ STUDIO担当のBGMは粒ぞろい。シンフォニックで壮大な曲がとにかく多く、耳にしっかりと残る。
---効果音も良く出来ており、モンスターの悲鳴や撃破したときの効果音、血しぶき音が戦闘の爽快感を高めてくれる。

-''萌え寄りの独特なエロス表現''
--ブラッドスケルターモードや穢れ浄化ミニゲームであられもない姿になるヒロイン達の姿は必見。
---イベント一枚絵に至るまで全てナナメダケイ氏が担当しており、2Dで描かれたヒロインのクオリティはブレない。
---作中ではブラッドスケルターモードなどの全体像を見る機会はほぼないため、公式サイトで確認しよう。

-''ゲーム内にモンスターやイラストを確認可能なギャラリーが用意されている''
--一部はエンディング後でないと確認できないものの、オマケとしては気が利いている。

-''ロード時間が全体的に早い''
--エンカウント後、戦闘突入までがかなりスムーズ。ダンジョン選択時と階層移動時、街への帰還の際に若干もたつく程度。
---長めのロードの際にはイメージビジュアルとTIPSが挿入され、無駄な時間にしない工夫も入っている。

-''統一されたダークな世界観''
--人々が拷問されたり、虫けらのように殺害されるハードな世界観を最後まで貫いている。このため、ジェイルからの脱獄という最終目標に全くブレが生じない。~
ヒロインとの触れ合いやエッチな要素が丁度良い清涼剤になっている。
---また公式サイトに掲載された前日譚やタイアップの小説作品が世界観に深みが出しており、プレイヤーを没入させてくれる。

-''ダンジョンごとに雰囲気が大幅に変わる''
#region(各ダンジョンの景観と特徴の解説)

-''元街道沿いエリア''
--ジャックとアリスが囚われていたダンジョン。「不思議の国のアリス」を思わせるデザインで、針が高速で逆回転し続ける時計盤があちこちにある。壁には無数のトランプや動き回る絵画がはめ込まれ、人ほどのサイズがある書物も埋め込まれている。また、空の檻が生きているかのようにゴトゴトと振動している。
---最初のダンジョンにしてギミックだらけ。赤ずきんの血式能力で破壊できるオブジェクトがとにかく多く、それに気付かないと大損する。
---本作がどのようなものかを表すような外観に加え、急に迫りくるナイトメアに不慣れなのもあって恐怖に苛まれること請け合い。~
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-''元墓所エリア''
--西洋風の大庭といった雰囲気の屋外ダンジョンで、墓が無造作に点在している。常に薄暗く、穴から湧き出て伸縮を繰り返す謎の植物、隅っこで口を開き痙攣している髭面の男など、奇怪なオブジェクトの数々が恐怖を煽る。どれもただのオブジェクトなので(要はダンジョンを仕切る壁)、パーティの誰もそれらに言及しないのだが、プレイヤーの目にだけ変なものが見えているのかと余計に薄気味悪くなってくる。
---BGM「墓標の為の子守唄」も鬱屈としており、レクイエムじみた曲調で聴いていて全くうきうきしない。ここを探索中に元街道沿いエリアの進める範囲が徐々に広がるため、気晴らしを兼ねてそちらにも潜ったほうがいい。
---大ボスであるナイトメアがかなり強めに設定されており、体感的な強さではゲーム中最強クラス。中ボスであるプリンセスジークも、到底プリンセスには見えない恐ろしげな容姿と隙の無い強さで襲ってくるため印象に残る。
---2つ目のエリアでこんなホラー面をぶち込んでくるとはなかなか大胆である。~
&br;
-''旧寺院エリア''
--和風の屋外ダンジョン。巨大な竹が乱立し、それら一つ一つに鉄格子がはめられ牢獄となっている。延々と続く竹林の合間に神社の境内じみた迷路エリアがある。和式の甲冑が斬りつけてきたりとギミックの一部も和風。かぐや姫にとって因縁の地となる。
---難易度は元繁華街エリアよりも圧倒的に上。先にこちらを選ぶと大変苦労する。
---ここと元繁華街エリアの怖さは比較的マイルドなのだが、代わりにイベントで人間サイドの闇が垣間見れてやはり精神ダメージが大きい。~
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-''元繁華街エリア''
--シンデレラと共に挑む九龍城砦風のダンジョン。本作の舞台が日本であることを考慮すると、実際には横浜中華街あたりなのだろうか。延々と薄暗い路地が続き、場違いに綺麗な電飾の数々がかえって不安を煽る。特に「カボチャの馬車」の形状になっているものが妙に恐い。
---BGM「Distorted Reality」は環境音風で、シンデレラという作品よろしく時計のチチチ…という音が入っており、いたずらに焦燥感が募る。
---中ボスとナイトメア、共に元ネタが分かりやすい。~
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-''旧学生街エリア''
--グレーテルと、彼女にとって馴染み深い人物が暮らしているダンジョン。名前に反して、実際には木造の校舎がどこまでも続いている。
--ただしそこら中にお菓子が散らばっており、掃除用のバケツにまで無造作に菓子が詰められているのには狂気を感じてしまう。長い廊下と、それにくっつくように無数の教室があり、お菓子の扉ばかりが延々と連なっているフロアもある。
--天井や壁にびっしりと塗られた赤色のクリームが、もしかしなくても臓物に見える。ぶよぶよとひとりでに動いているものまである。やはり臓物なのだろうか…
---滑るお菓子の床やワープゾーン地帯まであり、後者は童話の展開に沿う形で突破する必要があるなど、味のあるダンジョンとなっている。~
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-''旧河川・沼エリア''
--謎の毛糸玉を目撃したという情報に基づいて潜入するダンジョン。沼の上に浮かんだ線路を進んでいく。無数の檻が積み上げられており、中には沈んでいる檻もあって物悲しい。
---本作にしてはダンジョンのサイズがかなり小さいが、そのぶんナイトメアから逃げにくくなっている。~
&br;
-''元駅構内エリア''
--戦闘時の背景は駅のホーム風だが、実際に探索するフィールドのほうでは天井が無く、これもまた名称とは違って駅構内とは思えない場所を歩いていく。実際の雰囲気は殺風景な都会の路地である。
--BGM「眠れる氷の街」はダンジョンの景観によく似合っているものの、曲名には少々疑問が残るところ。開発中に大きくダンジョンの想定が変わったのだろうか?
---ある人物にとって因縁深いダンジョン。到着時の会話と、スーツを着たオオカミ頭の獣人が、本作におけるモンスターの残酷な設定を改めて思い出させてくる。~
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-''監獄塔''
--「解放地区」からもはっきりと視認できる、異形のラストダンジョン。シナリオの進行により、「解放地区」の背景絵の監獄塔が実際に伸びていくので芸が細かい。
--おどろおどろしい生物的な外観に反し、塔の内部はスラム街や廃工場を思わせる景観になっており、サイバーな見た目の巨大甲殻虫やオーク風の獣人などカオスなオブジェクトを見かけられる。
---かなり早い段階で潜入できるようになるが、仲間が揃わないと上層へは進めない他、LV40未満ではザコにすら歯が立たないだろう。しかし、もし資金が余っているなら放浪商人目当てであえて潜入してみるのも手。最高クラスの装備品をいきなり購入できる。
#endregion
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**賛否両論点
-''運に左右される局面が多い''
--放浪商人と早めに出会えるかどうかはクリア時間の短縮に直結する。ルーレットも同様。
--ダンジョン内の一部エリアは、ルーレットで当たりを引かないとずっと開通されない。ゲームクリアには必須ではないが、かなりの強運と目押しスキルがないと本作は踏破しきれないのがデフォなのである。
---ダンジョンの一階層(各フロア)ごとに当たりを引く必要がある。コンプリートまでの道のりは果てしなく遠い。
---これを受けてか、アップデートによってルーレットの速度が低下し、目押しが十分可能なレベルとなった。

-''ザコ敵のステータスにあまり個性を感じられない''
--本作には豊富な状態異常が用意されているが、敵がそれらを使ってくるのは大抵2ターン目以降。プレイヤーにしてみても、搦め手を用いるより殴った方が早い。
--結果として、大抵のザコ敵がプレイヤー相手に通常攻撃を一回繰り出せるかどうかという地味な存在に留まっている。
---防御面がザルで、プレイヤーから高威力技を叩き込まれると額面通りに喰らい、ほとんどダメージを軽減しない。よって全体攻撃で種類問わずまとめて倒されてしまう。
---敵にも前衛・後衛の概念があり、後衛にそのダンジョン最強のザコ敵が配置されている場合はさすがに粘りを見せてくるが、ゲームを通してみるとレアケースである。

-''中盤以降、どんどん大味になっていくゲームバランス''
--二番目のダンジョンが終わるまでは回復アイテムすら満足に揃わず、大変ひもじい中でやりくりするしかない。道中の入手品を一切ムダにできない。
---しかし物語的にも余裕が出てくる三番目のダンジョン以降は、逆に資金や装備が有り余るほど取得できる。ザコ戦は味方全員が最強技を乱発していればほぼ1ターンでカタがつき、回復もアイテムでし放題。
---親指姫とハーメルンが習得できる「モータルエレメントフォース」(''複数属性で全体攻撃'')を使っておけば、SPに困ることすらない((一発撃てばまずゲージが最大に到達し、次の戦闘でジェノサイドモードで撃てば2発分の消費など余裕で賄えるほどの回復が発生する。ただし、術師系統はボス戦では物理系統に比べると単発ダメージしかないためダメージソースとなりづらく、バランスはとれている。))。
---味方の暴走というリスクを常に背負っているゲームではあるが、上記の事情により作業感が強まってくる。戦闘後に適宜回復を行うことになるため、これが新たな息抜きにはなるが。
---終盤になるとザコ達の強さも一気にインフレする。どちらが先に殴って蹴散らすか、ますます「攻撃は最大の防御」を体現したゲームバランスになっていく。
---大型のザコ敵が一斉になぎ倒されていくのを見るのは心地良い。

-''仲間キャラクターを使い分ける意義が薄い''
--職業変更による意図通りのカスタマイズがやり易い反面、すぐ器用万能なキャラばかりになってしまい、ボス戦以外であえてキャラを使い分ける必要性が少ない。
---それぞれが概ね代替不可能な役割を有しているため、性能的に死にキャラがいないのは救いかもしれない。

-''報酬が魅力的すぎて怖くないナイトメア''
--運悪いと何度も出会ってしまうことを見越してか、現在攻略中のダンジョンの序盤でも頑張れば何とか撃退できるステータスである。
--しかもその体力は再戦時も引き継いでおり、プレイヤーが部位破壊した箇所こそ復活するものの、復活時も最大体力までは回復していない。
---ある程度育ったパーティからは報酬目当てでむしろ狩られる存在に成り得る。

-''見た目は本当に怖いナイトメア''
--本作でも特に凝った造形で、個体によっては生理的な嫌悪感を覚えるデザイン。
---そのキモさもまた設定通りではあるが、ホラー描写がひどく苦手だという方は気をつけた方が良いかもしれない。公式サイトで何体かのデザインを確認可能。

-''血で道標をつけるシステムが処理を重くしてしまう''
--ザコ敵をオーバーキルで倒した場合、戦闘終了後にそのマスが返り血のエフェクトで染め上げられる。効果はずっと続き、血が壁や床に付きっぱなしになる。
--ナイトメアとの「虐殺鬼ごっこ」では全体マップが非表示になるため(※高難易度限定)、この返り血が良い目印になるとの触れ込みだったが、''増えるほどマップの描画処理が重くなる''。
---特にグラフィックが凝っている二番目のダンジョンで影響が顕著。便利に使えなくはないが、人によってはシステムの存在自体が気になるかも。

-''頻繁に要求される血晶アイテム''
--モンスターがドロップする血晶アイテムは12種類もあり、職業変更の際にはその各種が複数個要求される。おまけにあまり獲得できないものもある。
--職業変更だけでなく、装備品強化やレベルリセットにさえ相当な数が要求される。
---よってこれらのシステムは気軽に使えず、計画的に利用しないといけない。
---一応、オーバーキル発生時は必ず血晶をドロップしてくれるという救済措置はある。ただしダンジョンによっては全く出ない血晶アイテムもあり、根本的な解決にはなっていない。

-''やたら種類が豊富なアイテムと戦闘用スキル''
--店売り品と、採取ポイント・ドロップ品では手に入るものが異なる。20回復40回復80回復と値が小刻み過ぎて、中盤以降に下位種など使っていられない。そのくせ道中でしつこく手に入るのでアイテム欄をムダに圧迫してしまう。
---非売品が多いという点は、アイテムコレクターには嬉しいかもしれない。
--武器種も、短剣、長剣、大剣、鎌、槍、矢、銃、ナックル、ハンマー、はさみ、スティック、マイク、注射器、鞭、カード、本、水晶、爆弾…とバリエーションが多く、職業変更の際には装備品の用意に苦労する。
---なお防具は全員が自由に身につけられる。
--その一方で、35種類までしか持ち込めないという制限がある。現在はアップデートで99種までとなっている。
---装備品やプレゼントアイテムなど、ダンジョンから持ち帰らないといけない品が多い中で、この制限は非常に邪魔。しかも入手先がランダム出現の放浪商人なので、同じ品が入手できる保証もない。
---アップデート後はよほどあれこれ持ち込まなければ上限に到達することはなくなった。
--アイテムという枠組みではないが、スキルも細分化されており種類がかなり多く、便利なものを見つけるのに苦労する。

-''クエストの淡白さ''
--「〇〇を□□してくれ」といった簡潔な依頼文のみで始まり、達成時には報酬の獲得と、システムメッセージが表示されるだけ。
---ヒロイン周りの描写が凝っている一方で、クエストには何らイベントも絡まない。とてもシンプルである。

-''高速スキップしないと冗長な戦闘時のモーションとエフェクト''
--敵のモーションが、ものによってはかなり長い。
--スキルのエフェクトはなかなか凝っているものの、これまた演出が長い。
---どちらもスキップしないと差し支える長さなのが困り物。
---そしてスキップ機能を多用していると、刺激的なブラッドスケルター化の演出についても、せっかくのボイスごとスキップしてしまいやすく不便。

-''ゲームオーバー時はリトライができない''
--セーブが容易に行える一方で、戦闘で全滅した場合は問答無用でタイトル画面に戻されてしまう。おかげで緊張感はある。

-''ストーリーの中盤が中だるみ気味''
--ダンジョンクリアと仲間加入の流れだけを何度も繰り返すため、物語自体は途中、ほとんど進まなくなる。丁寧な進行ではある。

-''次に探索するダンジョンを選択肢で選べる機会がある''
--シナリオ上で数回発生。軽い気持ちで主人公に二択を委ねられるが、一度決めると変更ができない。選ばなかったほうの攻略は後回しになる。
--難易度的には片側が難しく設定されている。どちらでも選べてしまうがゲームバランス的な面での正解は一択である(なおその事実は教えてくれない)。
---大筋のストーリーは変化しないが、参入するキャラの順番が変わる都合上、若干セリフが変化する。

-''隠しダンジョンの先にあるもの''
--苦労して踏破した結果、むしろ絶望しかねない鬱要素を用意している。デッドオアアライブな戦闘バランスと言い、コンパイルハートらしいというべきだろうか…。
---ある意味、続編が期待できるとも言えなくもない。

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**問題点
-''アップデート必須なほど不具合が多い''
--不具合と機能不足のせいで発売当時の評価を下げる一因となってしまった。
--発売後5回もアップデートが実施され、ゲームバランスの見直し、装備品の追加、ソート機能の追加、C2エラーやフリーズバグの修正、多くの宝箱のハズレアイテムを質の良いものに変更、バッドエンド確定後の救済措置の追加に…と様々な部分が刷新されていった。アップデートを適応しない状態でのプレイはまったく薦められない。
---2016年10月13日、10月20日、10月27日、11月7日と毎週のようにアップデートが行われ、それから間を挟み2017年3月1日になって唐突に5回目のアップデートを実施。コンパイルハートとゼロディブのタイトルで、ここまでまめなアップデートを行った例は他には無い。%%それだけ大元が酷かったということの証左でもある%%
--度重なるアップデートにより、現在は十分遊べる程度にはなっている。それでも原因不明のフリーズが低確率で発生する事も…(編集者はクリアまでに一度だけフリーズした)。

-''ダンジョンの大部分が無意味に広く、取得物も割に合わない''
--物語の都合上、ナイトメアが徘徊しなくなったフロアも依然としてだだっ広いまま。そもそもナイトメアが出現しない階層もある。
---「大変長い通路を進んだ先にあったのは店売りの回復アイテム」、「通路と思ったら実は回廊で、何も見つからずぐるっと一周させられただけだった」などは日常茶飯事。精神衛生上よろしくない。
---アップデートで一部の宝箱の中身が刷新された。とはいえ、まだまだ割に合わない品も多い。
---極わずかだが、ダンジョン内でのみ発生する会話イベントもある。このようなイベントが大量にあれば探索の面白さも増したのだが、アップデートでもイベントは追加されなかった。

-''鍵のかかった扉に対応した鍵がどれか分からない''
--全体マップで鍵付きの扉の位置までは分かるが、どの鍵で開くかが不明。鍵を探すことも苦労させられる。
---挙句に「牢獄の鍵01」といった無骨な名称で懐に入ってくるものが多い。大抵は入手したフロアで使うが、扉が多い場合は総当たりになってしまう。
---一部は鍵アイテムではなく、ギミックを起動させてロックを解除するというタイプのものもある。これも、全体マップの情報では読み取れず不親切。

-''シナリオ上の表現と、ゲームでの表現が一致していないものが散見される''
--主人公たちの住まう拠点は「陽の光さえ届かぬ不毛の地」であるはずなのだが、主人公の自室シーンの背景(昼版)では、''まばゆいばかりの日光が差し込んでいる''。実は街灯なのか?
---「こんな夜中に誰だろう」とのセリフで昼間の背景が使われているイベントもある。
--加入したばかりのキャラとのイベントがすぐに発生し、「こんなところに居るなんて珍しいね」と、長らく付き合いがあるかのようなセリフが飛び出す。
--つい最近の出来事であるかのような口ぶりで、ゲーム内の時系列ではるかに昔のことを喋りだす。
---上記2件は、ライターとイベント発生場所のすり合わせが上手くできていなかったか、適切な発生条件が指定されていないと思われる。アップデートでも修正されていない。

-''ルーレットの前後で多少もたつく''
--ルーレットのロードに若干の時間がかかるため、アイコンを注視せずにプレイしていて思いがけないタイミングで発生してしまうと、テンポを阻害されたように感じる。

-''ダンジョン探索中のBGMが、エンカウントが発生するたび先頭から再生される''
--他と比べれば些細な点だが、連戦になると気になってくる。

-''立ち絵を会話イベント以外では満足に見ることができない''
--全身がしっかり確認できるのは職業変更画面のみ。戦闘ではバストアップばかり見ることになる。
---3DダンジョンRPGの常ではあるが、移動中は一人称視点で、バストアップよりさらに表示面積の劣るアイコンでしか仲間の姿を確認できない。

-''終盤に加入するキャラの不遇''
--初期レベルが低く設定されており、愛が無ければ控えに直行してもらうしかない。

-''ラスボス戦ですら使い回しBGM''
--旧寺院エリアの巨大ナイトメア戦BGM「正義を翳す神々の宴」が流用されており、ラスボス専用のBGMが無い。最も盛り上がる局面で使い回しBGMというのは…。
---一応ラスボスも巨大ナイトメアである。~
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**総評
もともと人を選びやすい3DダンジョンRPGというジャンルを、様々な要素で味付けした実験的な作品。特にダークなテイストが強い。~
しかし暗いシーンが含まれる一方でギャルゲーじみた微笑ましいシーンも多く、作中のヒロインの誰かしらに興味があれば手を出してみる価値はある。~
アップデートが可能な環境にあり、3DダンジョンRPGというジャンルへの理解も深ければ、本作独自の要素を人一倍楽しめるだろう。~
アップデート済みの状態で発売されなかった点は大いに悔やまれる。
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**余談
-ボスであるナイトメアがスタンしたときに表示される「ノックダウン!」という文字のデザインは、『モエロクロニクル』や『モエロクリスタル』で中ボスのモン娘の本体にダメージを与え続けた際に表示されるものと同一である。
--両作でお色気要素だった部位破壊演出のほうは、本作のナイトメアにかかれば表皮が剥がれもっとおぞましい見た目が露出するという恐怖要素へ昇華されている。

-関連商品として、本作はサントラが単体で市販されている(『神獄塔 メアリスケルターオリジナルサウンドトラック』)。コンパイルハートのタイトルとしては珍しい。

-書籍『神獄塔 メアリスケルター ビジュアルブック&ストーリーガイドブック』に攻略情報はほとんど掲載されておらず、アイテムの一覧なども載っていないので注意。

-前日譚と同じく乙野四方字氏が手掛けたノベル『神獄塔 メアリスケルター ~光の在処~』がゲームとほぼ同時に発売された。
--前日譚とは異なり、作中の時系列や世界設定は共通だが、別主人公たちを中心とした物語である。
---本作中でも序章まで読むことができる。ダンジョンに落ちているノベルの切れ端を拾い集めることで、27ページ分にあたる内容を読める。続きはもちろん書籍でどうぞ。

-本作のエンディングテーマ『ヨロコビノウタ』は、名称通りベートーヴェンの『歓喜の歌』を始めとした様々な著名作((作曲欄には「作曲:フレデリック・ショパン(夜想曲),ヨハン・パッヘルベル(カノン),ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(G線上のアリア),クリスティアン・ペツォールト(メヌエット),ジョルジュ・ビゼー(カルメン),ジョアキーノ・ロッシーニ(ウィリアム・テル),ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(ハレルヤ),ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(歓喜の歌)」と記載されている。多分これを二度見しない人はなかなかいないと思われる。))を繋ぎ合わせているという驚きの曲となっている(歌詞はオリジナル)。
--勿論それで違和感はない出来であり、オリジナリティのある曲となっている。
--後に、TVアニメ『AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION』の最終話でイヤホンズの3人が担当するヒロインたちの歌う挿入歌としても使われており、本作を知らなくても曲だけ知っているという人もいる。

-海外版は『Mary Skelter: Nightmares』のタイトルで、2017年9月に発売。
--その後、2018年7月19日にPC版もSteamとGOG.comでDL版が発売された。Steam版は「おま国」により日本からの購入は不可だが、GOG版は日本からの購入が可能。但し、音声のみ日本語でUI/字幕は英語という仕様。

-スクウェア・エニックスとポケラボによるスマホゲー『シノアリス』(2017年6月6日サービス開始)は、本作と同じくヒロイン達の名前が童話のタイトル名で、独自の容姿アレンジと性格を与えたものになっている。
--…これだけなら童話モチーフ作品として特別珍しく無いものの、メインヒロインがどこかで見たような黒髪ショートヘアのアリスだったり、各ヒロインが何らかのワード(衝動)に縛られていたり、大ボス兼召喚獣の種族名が''ナイトメア''だったりするため、本作ファンの間で幾らか話題になった。出演声優も少し被っている。%%ついでにこちらもバグが多かったりする%%
---類似点は多少あるが、本作とコラボを行ったりはしていない。悪しからず。

-コンパイルハートの公式ツイッター上で、発売からしばらく経った2017年現在もナナメダケイ氏の新規描き下ろしイラストがツイートされるなど、スタッフから愛されているタイトルであると窺える。
--2017年11月10日にLINEスタンプを販売開始、これはコンパイルハート初のLINEスタンプでもある。
--ゼロディブのほうは公式サイトの更新が2015年で止まっているが、社長ブログのほうは更新されている。コンパイルハートタイトルには触れられていない。
--2018年7月12日にPS4で『神獄塔 メアリスケルター2』が発売された。

//---2018年3月10日、ついに本作の続編が正式発表された。現時点の情報から、ジャンル変更は無くコンパイルハートWizライク系列の最新作となる模様。
//なお、続編ではなく序盤から分岐する別の可能性での物語となっている(状況的にはもっと前の段階で分岐しているが)。
//↑これは1の話でないし、明言されたわけでもないのでCO

-タイトル画面で表示される監獄塔イラストなどのコンセプトアートは、自身のイラスト技法書などをリリースしている、よー清水氏が担当している。
--本作からの縁なのか、同氏は続編である『神獄塔 メアリスケルター2』や『[[Death end re;Quest]]』でも同様にコンセプトアートを手がけている。

復元してよろしいですか?