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バブルボブル」を以下のとおり復元します。
*バブルボブル
【ばぶるぼぶる】
|ジャンル|アクション|#image(BUBBLEBOBBLE.png,title=MTJの代表作)|
|対応機種|アーケード|~|
|発売・開発元|タイトー|~|
|発売日|1986年8月|~|
|配信|アーケードアーカイブス&br;【PS4】2016年1月29日/823円(税8%込)|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※アーケードアーカイブス版より付加|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|コミカルキャラと二人プレイが魅力的|~|
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**概要
タイトーが1986年に開発・発売したアクションゲーム。~
呪いにより「泡吐きドラゴン」にされてしまった兄弟バビーとボビーが、さらわれたガールフレンドを助け呪いを解くために戦う。

ゲームシステムの主な考案は、同社の伝説的デザイナー・MTJこと三辻富貴朗氏が担当しており、本作は彼の代表作でもある。
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**特徴
-本作は画面が一切スクロールしない((ラウンドが進む際にスクロールはするが、ラウンド開始後はクリアするまでスクロールしない。))固定画面のアクションゲームである。1人または2人同時協力プレイが可能。
--プレイヤー1はバビーこと「バブルン(緑色のドラゴン)」、プレイヤー2はボビーこと「ボブルン(水色のドラゴン)」を操作する。
-操作方法は1レバー2ボタンのシンプルな構成。レバーは左右移動に用い、二つのボタンは「泡はき」と「ジャンプ」に用いる。
--「泡はき」は口を開けて真横に泡を出すというもの。泡にのると割れるが、ジャンプボタンの押しっぱなしで乗ると割らずにジャンプできる。

-ゲームの流れは以下の通り。
+敵を泡で包む。
+さらにその泡を踏んだり頭突きしたりして割ることで敵を倒す。なお触れている泡は全部一緒に割れ、同時に多数の敵を倒すと高得点。
+そうしてステージ内にいる敵をすべて倒すことでステージクリア。
+ただし泡に閉じ込めた敵を一定時間放置すると泡から抜け出し、さらに怒りモードとなって高速化する。
-ステージ数は全100面の1周エンド構成。
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**評価点
-''見た目がコミカルで可愛らしい。''
--主人公のバブルン・ボブルンを始めとして、敵キャラクターのぜんちゃんや永久パターン防止のすかるもんすたなど、~
ステージやアイテムも絵本のようなデザインで統一されており女性に好まれそうな魅力的なものに仕上がっている。
---ただし敵キャラの一部は同社『[[ちゃっくんぽっぷ]]』からの流用であり、本作には登場しない「ちゃっくん」を象ったステージも存在する。~
そういう意味では同社『フェアリーランドストーリー』から始まった可愛い路線のゲームと言える。
--操作も1レバー2ボタンとシンプルであり、本作ほど女性に好まれやすいアクションゲームはそうそうないだろう。

-繊細なゲームバランスかつ非常に多く探し甲斐がある隠し要素。
--本作は泡の同時割りや泡ジャンプを用いた多段ジャンプなど様々なテクニックが存在しており、本作はそれらを前提とした設計としており、プレイヤーの腕前=どこまで進めたかという図式があてはまる。
--ボーナスアイテムやパワーアップアイテムもプレイヤーの行動次第で何が出るかが変わる((中には、完全ランダム出現のアイテムや、ハイスコアネームで”恥ずかしいネーム”を入れてしまうことで出るアイテムもある。))、特定手段を踏むと分かるコマンドを特定画面で入力するとプレイ可能な高難度モードという要素も多い。
---ただ、下記の問題点に示している通り、これらの隠し要素は86年当時としても少々「やりすぎ」の域に入っているのだが…。

-特殊バブルやアイテムで敵を一掃するカタルシス
--度々、割ると水が出て来て敵を洪水で押し流す''ウォーターバブル''、電撃が発生する''サンダーバブル''、床を火の海にする''ファイヤーバブル''など特殊バブルがあるステージが用意されている。~
敵に泡を当てる→泡に包まれた敵を割って倒すだけというマンネリに陥りがちだちが、こういった特殊バブルを出すステージを置いてメリハリを付け、プレイヤーを飽きさせない工夫は見事。
---ただし、その効果はプレイヤー自身にも及び、敵と一緒に水で流されて敵に衝突してアウト、電撃や火炙りで行動不能になったところで敵の攻撃が直撃してアウトなど、諸刃の剣にもなっている。~
どのタイミングで、特殊バブルをどう使っていけば、自身が危険な目に遭わずに済むかなどの戦略を練り、攻略パターンを構築するのも、バブルボブルの醍醐味ともいえる。
--アイテムは泡の代わりに一定時間火炎が吐き放題になる、ステージを水没させて全滅させる等、ほぼノーリスクで窮地を乗り切れるようなモノが多い。~
特殊バブルよりもより視覚的にド派手に敵を殲滅できるものが多く、「ラッキーなアイテムを引いたおかげで楽にクリアできた」ということも起こり得る。そのカタルシス即ち快感度はハンパではない。
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**問題点
-''可愛らしい見た目やシンプル操作とは裏腹に、1コインクリアの難易度はかなり高い。''
--前半ステージはまだ遊びやすいが、後半ステージは頭を捻る難解なものが大半。敵やアイテムの種類も多く、決して一筋縄では行かない高難易度となっている。~
更に全100面構成と[[アーケードゲームとしてはかなりの長丁場>グロブダー]]であり、それに耐えられる程の高い集中力と持久力が要求される。
//ディップスイッチが工場出荷時のままではおそらく初見でクリアできない。
//アーケードゲームで初見クリア不可なんて常識でしょ

-悪い意味でも隠し要素が多い。
--攻略情報なしで真のエンディングを迎えるには、(ノーミスで該当ステージに到達する事で現れる)シークレットルームに入って暗号のヒント((シークレットルームは20面、30面、40面に登場するが、暗号解読に必要なのは20面のシークレットルームのみで、後の2つはパワーアップ用の隠しコマンドが(暗号で)書かれている。))を得た後、100面クリア後に表示される暗号を解読。~
暗号に書かれていた隠しコマンドをタイトル画面で入力して「スーパーバブルボブル」モードにしてゲームを開始、''「2人プレイ」で100面クリア''してやっと真のエンディングを見る事が出来る。
---なお、「スーパーバブルボブル」モードの1人プレイで100面クリアしても前のステージに戻されてしまう。
--アイテムの種類が多いと言うことは強化アイテムの種類も多いと言うことでもある。
---特に泡の連射が可能になるキャンデーの有無は難易度に大きくかかわる。
--隠しコマンドは重ねて使用可能な上、隠しコマンドの中には基本強化アイテム永続というものもあるので、知っているかどうかで難易度が大きく変わる。
---しかも一度入力すると誰かが1回プレイするまで効果が有効になり続けるため、客が隠しコマンドを仕込んで台を放置すると言う(お店の利益的には)迷惑行為も見られた。~
なお、「スーパーバブルボブル」モードに限りゲーム開始時に選択肢が出るので、ノーマルモードをやりたければキャンセル可能。
--大量の隠し要素とアイテム、謎解き、ZAP(クリア条件を満たさないと前のステージに戻される事)の存在から、ナムコの『[[ドルアーガの塔]]』の影響を指摘する声もある。
---1人プレイだと強制的にZAPループとなるため、ゲーメストなどのハイスコア集計で「完全1人プレイ」で満たすことの出来ない「ALL」でのスコア集計ができなかった。~
それによりZAPループ((強制的に発動するため、永久パターン(永パ)とは見なされなかった。))によるカンストをもって集計終了となった。どうやっても「完全1人プレイでのALL」が不可能な点は、アーケードゲームとして破綻していたとも言える。
---なお、ZAPループは続編『レインボーアイランド』でも可能だったが、こちらはループ成立のために特定手順が必要なため永久パターンと見なされ集計打ち切りとなった((永パ対策のされたエキストラバージョンでのみ集計続行。))。
--隠しコマンドなど、攻略が進むことによる逆進的な難易度曲線。
---本作ではまだ「いちゲーム内」に限ればマシであったが、続編の『レインボーアイランド』ではかなり悪化(((完全攻略なら)ステージが進むほど難易度が下がり、後半ステージでは基本テクニックすらほぼ必要なくなるレベルで無双でき、(死ぬという意味で)ミスをする要素が非常に限られていた。))している。
--ノーミスで50面まで行くと、70面までワープできる「ゴールドドア」が出現する。2人同時プレイの場合はどちらかがノーミスで行けばいい。
---51~69面には難関面が多いため、このドアを知っているか、あるいは出現させることができるかどうかで、1コイン100面クリアの難易度が大きく変わった。
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**総評
2人同時プレイ前提のエンディングやアーケードゲームとしては長丁場すぎる面数など、ゲーム上、無視できない問題点は多い。~
一方で、腕前の上達とステージの進行具合がシンクロした繊細なゲームバランスや、泡で敵を一掃する快感などの優れた点も多く備え持っており、良質アクションゲームとして、今なお評価の高い1作でもある。

本作を皮切りにタイトーは勢いをつけ精力的に『[[ラスタンサーガ]]』や『[[究極タイガー]]』などの名作を多数発売、ゲーセンで一時代を築くこととなった。~
//インカムの悪評うんぬんはここで述べることでないので余談に回す。
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**移植
本作はタイトーおよびMTJ氏を代表する作品のひとつであり、家庭用ゲーム機からパソコンまで数多くのマシンに移植されている。ここではその内で代表的なものを紹介する。

-ファミコンディスクシステム版
--最も有名な移植。得点となるフードアイテムの種類が減ったりしているが、プレイ感覚をほぼそのまま再現した良好な移植である。

-ゲームボーイ版
--本体とソフト2セットと通信ケーブルで2人同時プレーが可能。パスワードコンティニュー、ボス戦前後のテキストでストーリーを把握することができる。ただし、テキストは全文英語。
---携帯機の画面サイズの都合上、ステージが上下で繋がっており、自分や敵が何処に居るのかが把握しづらい。レーダー類などもなく慣れが必要。

-セガマークIII/マスターシステム版
--『ファイナルバブルボブル』名義で販売。セガ発売だが開発はタイトーが行っている。
---アイテム・シークレットルーム・隠しコマンドの大幅な増加やすーぱーどらんく以外の大型敵の追加、パスワードコンティニュー、~
ゲームオーバー時のヒント表示追加など、『ファイナル』の名を冠するだけあって様々な追加要素が含まれた作品。
---ゲームスピートの維持の関係からか、FM音源には対応していないのが残念。
--後述のSwitch用ソフト『バブルボブル 4 フレンズ』のAmazonサイバーマンデー限定版に特典としてDLコードが付属された。

-X68000版
--タイトーの許諾を得てマイコンソフトが移植。おまけとして『サイバブルン』という全20面のパロディモードが収録されている((『サイバブルン』はBGMも『サイバリオン』のフレーズが混じるなど元ネタを踏襲している部分も所々で見られるが、おまけとはいえステージ構成が全般的に難易度高めという代物なので本編高次面でのプレイテクニックを有効活用することが要求される。))。

-プレイステーション2版
--『タイトーメモリーズ上巻』に収録。通常版は隠し要素扱いで最初から遊べないが、のちの廉価版では最初から遊ぶことが可能。

-ニンテンドーDS版
--『[[バブルボブルDS]]』参照。移植版の「CLASSIC」とリメイク版の「NEW AGE」を同梱。
//---物理的に二人同時プレイが不可能な携帯機で原作再現をした「CLASSIC」は、二組のDSとソフトを用意して通信プレイしないと真のエンディングを迎えられないという、原作の問題点を継承してしまっている
//批評については当該記事で・

-Switch版
--後述の『バブルボブル 4 フレンズ』に同時収録されている。

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**続編・派生作品
-本作の続編として『レインボーアイランド』『パラソルスター』『バブルシンフォニー』『バブルメモリーズ』の4作が存在する。
--このうち、『パラソルスター』は家庭用であるPCエンジンのみの作品で、それ以外はアーケードが初出の作品である。~
前者2作は人間に戻ったバビーとボビーが主人公。また、後者2作は本作のゲームシステムをそのまま継承した作品となる。
--時系列として最も未来なのは『シンフォニー』で、同作ではバビーとボビーのガールフレンドとして「クルン」と「コロン」が初登場((同作品の主人公達は第1作目のバビーとボビーの子孫達で、同作品のバビーとボビーは名前も外見も先祖と全く同じ。ちなみにクルンは金髪で緑のリボン、コロンは赤髪で紫のリボンが目印。))した。~
主人公かつヒロインである彼女たちはそれぞれ「クルルン」「コロロン」((外見はそれぞれ緑のリボンを付けた黄色のドラゴン、紫のリボンを付けたピンク色のドラゴン。))として活躍するも、本家シリーズの展開や時系列の都合からか同作のみの登場に終わっていた。~
…のだが、稼働20年後の2014年に携帯ゲーム『LINE パズルボブル』で以前と同じ設定で復活を果たし、2017年の『[[みんなでスペランカーZ>スペランカーシリーズ]]』((発売元がタイトーの親会社のスクウェア・エニックスであることによるコラボレーション。))でも衣装として登場した。
--''そして2019年8月、タイトーはシリーズ新作となるSwitch用ソフト『Bubble Bobble 4 Friends』(原題)を突如発表した。''シリーズ人気の高い欧州で同年11月に先行発売する。
---国内では『バブルボブル 4 フレンズ』のタイトルで2020年2月27日に発売された。タイトルの通り4人同時プレイが可能となり、上記の「クルルン」「コロロン」もプレイヤーキャラとして登場する。
--更に全100面の新モードを追加した『バブルボブル 4 フレンズ すかるもんすたの逆襲』が2020年11月19日に発売予定。対応機種はPlayStation4。
---先行しているSwitch版は同日に無料アップデート配信が予定されている。

-また、後に本作のキャラクターを使ったパズルゲーム『''[[パズルボブル]]''』もリリースされ、派生元である本シリーズをしのぐ大人気シリーズとなった。
--本家の主人公であるバブルンとボブルンは同シリーズでも主人公を務め、「バブルン&ボブルンは実は人間」等の基本的なキャラ設定も本家と同じものの、世界観自体の繋がりはない。~
続編では独自のストーリーやキャラクターが設定されたことにより、「同シリーズのバブルン&ボブルン」は「本家のバブルン&ボブルン」とはパラレルの存在として扱われている((例えば、本家シリーズでは『メモリーズ』で「醜い姿」と形容された泡吐きドラゴンだが、『パズルボブル』シリーズでは「(バビーとボビーは)人間の姿よりもドラゴンの姿でいるほうが好き」と、真逆の設定となっている。))。
---『[[魔導物語>魔導物語1-2-3]]』に対する『[[ぷよぷよ]]』のように「派生作品の方が派生元の作品より有名となってしまったケース」のひとつとして例に挙げられることも多い。
--その可愛らしい容姿から、本家の時点である程度の人気があったバブルンだが、同シリーズのヒットによりタイトーのマスコットキャラクターとして扱われることとなる。

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**余談
-本作は名作として評価が高いが、オペレーター側(店側)からは「インカム(≒1クレジット当たりのプレイ時間)に無頓着なタイトー」という悪評も得た作品でもある。
--初心者には厳しく、上級者になる程プレイ時間がやたら長くなる問題は当時のアーケードでよく起こる難しい問題であった。
//((『ドルアーガの塔』で「ZAP禁止」の張り紙が張られまくっていたのは既に2年前の話だと言うのにZAPを正式採用したのだから、当然とも言える。))。
--それと関係しているかは不明だが、本作にはなぜかクレジット上限が9のバージョンと、2桁投入可能なバージョンが存在した。

-1986年当時、アーケード基板業者はタイトーが過去に発売した業務用STG『スクランブルフォーメーション』の基板を本作の基板に変更する交換用ROMキットを販売していた。

-上記の『パズルボブル』シリーズの発足以前に、バブルンはそのキャラクター性を見込まれたのか、STGである『[[メガブラスト]]』に出演したのだが…。詳細は別項にて。

-本作はどういうわけか韓国でかなりの人気があり、あちらではスマホ用に『バブルボブル for KAKAO』がリリースされているほどである。
--また2009年には韓国アイドルグループ・少女時代がこのゲームのBGMに歌詞を加えて歌ったラーメンのCMが韓国で放送されている事が日本で話題となった。
---この件は当時日本のインターネット上で「もしや盗作か?」と疑惑がもたれたが、ちゃんとタイトーの許可を得ているとの事。
--これは、稼働当時にコピー基板((主にタイトルが「ボブルボブル」に書き換えられたバージョンが有名で、敵キャラクターの左右移動が異常に速かった。そもそも、韓国はハリウッドが匙を投げるほどのコピー大国である中国や北朝鮮とは地続き・近く、かつ当時は軍事政権でもあったので、正規品が出回り難かったものと思われる。))が大量に出回ったことも関係していると思われる。
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