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*ブラスターマスター 【ぶらすたーますたー】 |ジャンル|3Dアクションシューティング|CENTER:&amazon(B000069SB7,image)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|サンソフト|~| |開発元|アートシステム|~| |発売日|2000年7月13日|~| |定価|5,800円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2011年11月23日/617円|~| |判定|なし|~| |ポイント|メタファイト唯一の3D&br()国内初の「ブラスターマスター」名義作品|~| |>|>|CENTER:''[[メタファイト/ブラスターマスターシリーズリンク>メタファイト/ブラスターマスターシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[超惑星戦記 メタファイト]]』から始まり、海外で『Blaster Master』のタイトルで展開していたシリーズからフルポリゴンによる3D作品が登場。海外版のタイトルは『Blaster Master: Blasting Again』((OPムービーは国内外共通で、日本版でも『Blaster Master: Blasting Again』のタイトルが表示される。))。 今作は日本国内で初めて発売された『ブラスターマスター』名義の作品である。旧作では日本版『メタファイト』と海外版『Blaster Master』ではそれぞれ異なった世界観でシリーズを展開していたが、今作ではタイトル通り国内外共に内容が統一されており、国内版においてもストーリーは海外版『Blaster Master』シリーズの流れを汲んでいる。 過去の『Blaster Master』シリーズの主人公だった「ジェイソン・フラドニック」の息子「ロディ」を新たな主人公とし、姉の「エルフィ」のサポートを受けつつ戦車「ソフィア」で異生命体に立ち向かうという内容。ド派手なエフェクトを交えた激しい闘いが待っている。 **ストーリー >2019年~ 地球上では地殻陥没、潮流等大規模の異変が次々と発生していた。~ だがそれを”異生命体の襲来”と感じる者たちは少なかった。~ 18年前の地下の戦いを多くの人々は知らなかったのだ。~ この時に一人の英雄が地球を救ったことも同様に知られてはいない。 > >その英雄の名はジェイソン…異文明のマシンを駆り、異生命体”ライトニングビーイング”を撃退した男である。~ それ以後何度となく、彼はこの世界の危機を救ってきた((『Blaster Master』、『2』に加え、『メタファイトEX』も海外では『Blaster Master: Enemy Below』というタイトルでジェイソンの戦いを描いている。))。~ 今回もまた彼の助けが地球には必要だった。~ …だが今、その彼はこの世にいない。~ 彼は数年前に、ライトニングビーイングの残党との戦いで命を落としていたのだ。 > >しかしジェイソンはその意志を子供たちに受け継いでいた。~ その子供たちの名はロディとエルフィ。~ ジェイソンの死後、かつて父が駆った愛機と意志を受け継ぎ、彼らはライトニングビーイングと戦い続けていたのである。 > >今度の大襲来もまた、子供たちは予感していた。~ だが彼らはまだ幼い…~ 彼らにとって今回の戦いは最大の試練以外、何者でもないのだ。~ 果たして二人にこの地球の危機を救うことが出来るのだろうか??? > >たった二人の、地球を守る戦いがここに始まり、そして多くの秘密が解き明かされる…… (取扱説明書より) **特徴 ''&size(16){登場人物}'' -ロディ --主人公。15歳。両親を亡くしてからは姉と二人で暮らしている。幼い頃から父に戦闘車両”SOPHIA J7”((ジェイソンの愛機「SOPHIA The3rd NORA MA-01」が彼の手で改造された今作の戦車。))の操縦を叩き込まれていた。 -エルフィ --ロディの姉。18歳。両親を亡くして以来、唯一の家族である。 --サポートに徹してくれて的確な判断力を心がける。『[[Battle Kid: Fortress of Peril]]』で言うとDバイヤーズのような役割をこなす。 -ジェイソン --ブラスターマスターシリーズの主人公でロディとエルフィの父。かつてソフィアを駆り、幾度となく世界を救ってきた英雄。しかし敵の罠にかかり命を落とす。 -イブ(イヴ)((表記に揺れがあり、説明書でも「ブ」と「ヴ」の両方が書かれている。後年の『ブラスターマスター ゼロ』では「ヴ」で統一された。)) --ロディとエルフィの母。かつてジェイソンと共に戦った異星人。物語開始の5年前に病気で他界している。 --元々は海外で発売された小説版のキャラであり、ゲーム過去作には登場していない。本作は小説の設定を逆輸入した形となっている。 ''&size(16){ゲーム内容}'' -戦車と人間、この両者を使い分けるのは従来と同様。 -本作では完全3Dのためトップビュー、サイドビューという言い方は存在しない。 **評価点 -セーブ機能の実装。 --おそらく多くの原作プレーヤーが一番望んだ機能ではないだろうか。旧作はボリュームのある内容にも拘らず、セーブやパスワードでのコンティニューが一切存在しなかった。精々、本作以前に出た『[[メタファイトEX]]』でパスワード機能が付いた程度であった。 --本作では各地にメンテナンスベース(セーブポイント)が点在。ボス前にも用意されている。 --メンテナンスベースではHPが徐々に回復する。即座には回復させてくれないが、修理している雰囲気は出ている。 --プレイタイムも記録される。 -ムービー演出 --ストーリーが進むにつれてムービーが挿入される。 --音声も英語で用意されている、なお字幕が出るので安心。 --容量の都合でリアルタイムの場面でも上手くカメラワークが活用され臨場感を出している。 ---そのあたりは限られた容量を上手く節約していると言える。 -BGM --パイロットステージでも専用BGMが追加、しかも各ステージ毎に用意されている。 -ボスバトル --ボス戦前には前述の通りセーブポイントが設置されている上、エルフィが警告してくれるのでしっかり準備が出来る。 --戦闘前にはムービーや会話のやりとりも行われる。 --旧作では実装されていなかったボスHPもバーで表示。部位毎にHPが設定されているが、それも全て表示される。最初のボスからしていきなり''十数本のHPバーが表示され''、プレイヤーの度肝を抜いてくれる。 ---勿論、全て破壊する必要は無く、弱点となる部位さえ倒してしまえば良い。尤も、そこだけピンポイントで狙うのも難しいので、撃ちまくってガンガン部位破壊をしていく事になる。 --過去作ではパイロットで戦うボスばかりだったが、本作では戦車で戦うボスも登場。強大な敵と戦っている実感がある。 -原作要素 --1st曲は勿論あの曲である、3rdボスはキューブ、6thは氷を意識したステージなど色々盛り込まれている。 -ワイヤーフレームの使い方が良い --アイテム ---激しい戦火が飛び交うとこではアイテムは見落とし易いのが相場であるが、本作では正四面体で大きく囲って分かり易くそれでいて邪魔にならない。表示取得した際も上手く消える。作中の車内のモニターもアイテムを検知してマーキングする機能がいかにもありそうでSF感がある。 --ローディング ---移動する度にロードが頻繁に入るがPSの性能では仕方のないところである。そのロードも1~2秒程度なのでストレスにはならない ---タンク(人間)が前進する動作に奥から四角いワイヤーフレームが合わさって前に進んでいる感じがある。 ---そのワイヤーの色もステージに応じて色が違うなど細かい。マグマのステージでは赤い、水のステージでは青いなど。 ---ただし、下に落下、リフトで昇降という場面でも演出は変わらないのはやや残念な所。 -その他 --サポート役のエルフィは随所でアドバイスをくれる他、ポーズ画面でも常に一言添える。地下世界の探索における孤独感を和らげてくれる。 --プレーヤーの腕前に応じて難易度を選べる。 --演出がド派手なので激しく戦っている気分になれる。それでいて、鳥の群れ、魚群などもあり細部もこだわっている。 --横に跳ぶ事が出来る。意外と使いどころが多く痒い所に手が届く仕様と言える。 **賛否両論点 -落下耐性 --シリーズ他作品ではパイロットが高所から落ちると即死ないしはダメージを受ける仕様だったが、今回はどんなに高所から落下しても全くのノーダメージ。 --難易度を必要以上に釣り上げていた側面もあった為、事故死を恐れずにプレイできるようにはなったが、逆に不自然さが生じているのも否めない。ロディは父((『2』ではジェイソンも落下耐性を身に付けていた。))やケインとは比較にならない足腰の持ち主なのか…。 **問題点 -過去作に続いての問題だが、ステージのバリエーションは豊かとは言い難い --地下世界がメイン舞台という設定の為だが、タンクは洞窟ばかり、人間は人工物ばかりの構成で全体を通してあまり変わり映えがしない。 --基点である洞窟から時空転移してそれぞれのステージに移動する事になるのだが、どのステージも「水の洞窟」「火山洞」など、バリエーションこそあっても洞窟には変わりないので新鮮味は薄く、時空転移の設定も上手く活かせているとは言い難い。生身で入るのも、基本的にその各洞窟にある敵基地だけ。 -空気を読まない敵の猛攻 --ダンジョンの出入り口であろうとセーブポイントであろうと敵の攻撃は容赦なく飛んでくる。流石にそのあたりでは一息付きたいところである。 -イベントが用意されているのは良いのだが、いちいちBGMが止まり、再開時にはリセットされる。ストーリーイベントならともかく、バリアーが解除される演出程度でも同様なので気になる人は気になる。 -クライム機能が地味 --狭い壁を伝って上に登れるのは良いのだが、見た目も動作も地味過ぎる上にコレジャナイ感が強い、それと10秒くらいかかりスピード感は無い。あまり出番がないのが救いか。 --以降の作品では、パイロットだけで先行して戦車をリフトで上げるという場面が用意される事になる。 //-あるステージで、流れている水を凍結させて新しいルートを作るギミックがあるが、流石に短時間で大量の水が凍結するのは無理がある。%%別作品でも色々と突っ込みどころ満載の理屈が出て来るが。%% ---- **総評 現在も支持されているメタファイト/ブラスターマスターシリーズ。~ その中でも本作は現在に至るまで唯一のフルポリゴン作品なので、3Dが好き、更にド派手な戦闘を楽しみたいプレーヤーにはオススメである。 ---- **余談 -後年に発売された『メタファイト』のリブート版『[[ブラスターマスター ゼロ]]』では世界観や設定は大きく変わっているが、本作では主人公の両親だったジェイソンとイヴの物語が改めて展開されている。ある意味ではタイトル通り本作の『ゼロ』とも言えなくもない。