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Duke Nukem 3D」を以下のとおり復元します。
*Duke Nukem 3D
【でゅーく にゅーけむ すりーでぃー】
|ジャンル|FPS|CENTER:&amazon(B01M9CRRU4)|
|対応機種|MS-DOS(オリジナル版)&br;Windows(20th版)|~|
|メディア|CD-ROM|~|
|発売元|FormGen(オリジナル版)&br;Gearbox Publishing(20th版)|~|
|開発元|3D Realms|~|
|発売日|1996年1月29日|~|
|定価|¥1.980 JPY(Steam)|~|
|配信|Steamにてオンライン販売中(20th版)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|''Buildエンジン四天王筆頭''&br;カルト的評価を得たバカゲー&br;ただのバカでは終わらない2DFPS屈指の作りこみ&br;エログロ要素は人を選ぶ&br;|~|
//|>|>|CENTER:''Duke Nukemシリーズ''|
//シリーズリンクが作られていないようなのでCO
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#contents(fromhere)
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**ストーリー
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>21世紀初頭のいつか。
>主人公Duke Nukemは「[[Duke Nukem II>Duke Nukem]]」での戦いを終え、美女たちとの優雅なバカンスを目指して自前の宇宙船で地球へと向かっていた。
>アメリカ・ロサンゼルスへと到着したDukeだったが、彼の宇宙船は突如謎の勢力による攻撃を受け、制御不能に陥ってしまう。
>救難信号を送ろうとしたDukeは、LAPD(ロサンゼルス警察)がエイリアンの手に落ち、半ば壊滅していることに気付く。ロサンゼルス市民は蹂躙され、町中の美女たちはエイリアンによって拉致されてしまっていた。
>もはや彼の休暇計画は台無しになってしまった。
>「奴らの侵略を止めてやる」 そう誓った彼は船の緊急脱出装置を作動させ、ただ一人ロサンゼルスのビルへ降り立つ。
>
>果たして彼はエイリアン共の侵略を止め、美女たちを解放できるのか。
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**概要
黎明期の競技用FPSとして1文化を築いた「QUAKE」と同年に発売された、WolfensteinやDOOMのような2DのFPSとしては末期に当たる作品((リリースは本作の方が二ヶ月早い))。~
3D realmsによって開発され、同社の最新エンジン「Buildエンジン」による密度の高いマップを売りにしていた。徹底した娯楽アクション映画的なノリと、それまでの2DFPSにはあまり見られなかったリアルさを追求した作りこみが最大の特徴。

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**基本システム
-大まかなゲームの流れは『[[DOOM]]』と共通している。
-オリジナル版は3エピソード構成となっており、各エピソードはそれぞれ独立している。武器の持ち越しなどは不可能。
--「アトミックエディション」で1エピソードが、「20thアニバーサリー」でもう1エピソードが追加され、現在の最新バージョンは5エピソード構成となっている。ボリュームはそこそこ。
-主人公Duke Nukemを操作し、エイリアンやピッグコップといった敵対勢力を銃や爆発物で倒し先に進んでいく。ゴール地点に存在する''核マークの描かれたガラス張りのスイッチを叩き割って作動させる''とステージクリア。クリア画面では''廃墟と化した街に立つDuke''が映し出され、撃破率やシークレット数などのクリアリザルトが表示される。
-DOOM同様にマップのどこかに点在する赤・青・黄のキーカードを探し、それをカードリーダーに使用して扉を開くことで先に進んでいく。
--どのステージにも一筋縄ではいかないギミックや敵が待ち構えており、単なるキーカード迷路にならないよう配慮されている。
-メディキットやジェットパック、敵を霍乱するホログラム装置といった任意のタイミングで使用可能なアイテムが存在。空を飛んで強引にショートカットしてみたり、ピンチに陥った時に回復したりとプレイヤーの取れる行動が増えた。
-各エピソードのラストには強力なボスが存在。攻略方法は単純な撃ち合いだが、圧倒的な火力でプレイヤーを追い詰める。
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**評価点
''全編通じて漂うバカゲー感''
-そもそも主人公からして''赤いタンクトップにグラサンを付けた、全身武器まみれの金髪マッチョの男''。敵対勢力は''地球侵略を企むエイリアン''で、救出対象は''誘拐された美女たち''。とことんまで「お約束」を踏襲している。
--ステージ1はいきなり''エイリアンに制圧されたポルノ映画館''。エイリアンがレジ係を担当していたり、館内をジェットパックで飛び回っていたり、''個室便所で用を足していたり''とおおよそ侵略生物に見合わないユルさ。
--''バーを制圧して皆でストリップショーを鑑賞する''、''日本料理店に自動攻撃タレットを仕込んで武装施設化''するなど、全編に渡りエイリアン側の行動はどこかズレている。アメリカはわりと壊滅的な被害を被っているはずなのだが、危機感はまったく感じられない。

''単なる「バカ」で終わらない作りこみ''
-とにかくやれることが異様に豊富。トイレで用を足すこともできれば上映機のスイッチを押して映画の上映をすることもでき、ビリヤードをプレイしたり、ストリップショーでは踊り子にチップを渡すことすら可能。破壊可能オブジェクトも豊富であり、マップの密度は極めて高い。
--本作のマップの作りこみは後のBuildエンジン作品にも受け継がれ、一種の伝統芸能となった。

''多彩な武器''
-近接攻撃マイティフット(キック)、ピストル、ショットガン、三連式マシンガン、ロケット砲といったお決まりの武装に加え、先制攻撃や地形破壊に便利な遠隔起爆式パイプ爆弾、変わった使い勝手の凍結光線銃と収縮光線銃、強力なミサイル連射装置デバスターなどさまざまな武器が登場。プレイヤーの火力はかなり高く、強力な武器で敵を蹴散らす爽快感が味わえる。

''豊富なシークレット''
-意外なところに上れたり、意外なところに隠し要素が存在していたりする。その数も豊富。
--特に豊富なのが''有名キャラクターの死体''。ルーク・スカイウォーカー、インディージョーンズ、RoTTのカルト教団員、スネークプリスケン、ドゥームガイ、破壊されたT-800、シリアスサムなど至るところにアメリカを代表するキャラクターたちの''死体''が隠されている。
--「エイリアン」のエッグチェンバー、「ドクターフー」のターディス、「2001年宇宙の旅」のモノリスなど、攻略ルート上必ず遭遇する場面にも多量の映画ネタが仕込まれている。80~90年代のアメリカン・ポップカルチャーに関する知識があればあるほど楽しめる。

''リアルなマップ''
-2Dエンジンにしては驚異的な作りこみにより、現実的なマップを生み出すことに成功している。
--1面からしてとにかく汚い。ゴミが撒き散らされネズミが徘徊し、薄暗く陰湿なストリートの雰囲気は90年代のロサンゼルスで撮影されたアクション映画の世界そのもの。
--単純で迷路的な地形がほとんど見られず、道理の通ったマップ構成を基本としている。迷路的だった同年のQUAKEのマップと比較すると一目瞭然。

''とにかく喋る主人公''
-敵を倒したり、オブジェクトを使用したり、アクションを起こしたりといったプレイヤーの行動に合わせ、主人公Dukeは様々な反応を返す。パターンは非常に豊富であり、声質もキャラクターに合った渋いもの。キャラクターのかっこよさが強調され、愛着を湧かせてくれる。
--台詞の殆どは「キャプテンスーパーマーケット」などのアクション映画からの引用。元ネタに気付くとさらに楽しめる。
--「とにかく喋る主人公」という要素は後のBuildエンジンタイトルにも受け継がれ、同様の不謹慎バカゲーとして作られた『Postal2』などにも継承された。
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**難点
''強調されるエログロ要素''
-敵造形はかなりグロテスクな部類。特にエイリアンエッグとそこから生まれるスライム状のエイリアンは倒しづらい上に張り付かれると画面全体を覆ってくるため、人によってはトラウマレベルのキモさ。
--エンディングなどで表示されるカットシーンも頭が吹っ飛んだりとかなり過激。一応申し訳程度にオプションで子供向け規制モードも実装されているが、全体的にゴア描写は過剰。
-ポルノ映画館やストリップクラブ、卑猥なポスター、所々で遭遇する美女など性的描写もかなり多い。アメリカ人の想像する卑猥さで構成されているため、人によって好みが分かれる所だろう。

''アメリカ的な核描写''
-主人公からして『Duke'' Nuke''m』なのもあり、核や原子を扱った要素がそこかしこに見られる。
--バカゲー的作風のため扱いはかなり雑。日本人によっては、その描写に嫌悪感を抱く可能性もある。
--本作のヒットを受けた3D Realmsは同エンジンを利用して『[[Shadow warrior]]』を製作したのだが、開発途中で本作のノリを受け継いだ仕様にした結果''核ミサイルを武器として使用するニンジャ''というとんでもないものを生み出している((『Shadow warrior』は元々本作と同時開発で進められており、内容や設定はかなりシリアスなものだったのだが、DN3Dの予想外のヒットから路線変更されてしまったという経緯がある。))。良くも悪くも北米のスタジオらしい作風と言えるだろう。

''敵の反応速度''
-後のBuildエンジン作品にも共通する問題点として、敵の反応速度が以上に速いという点が挙げられる。特に雑魚敵ピッグコップの使用するショットガンはかなりの脅威であり、一発での至近距離のしゃがみ撃ちを食らえばかなりの痛手となる。
--本編はバカゲー的テイストだが、その見た目に反して難易度はかなりシビアな部類。成熟期の2DFPSプレイヤー向けというのを考えると調整としては妥当だが、現在のFPSに慣れているといささか理不尽に感じるかもしれない。
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**総評
2DFPS末期・3DFPS黎明期の1996年に作られた、2DFPS屈指の完成度を誇る作品。当時の3DFPSには不可能であった、2Dだからこそ可能な異様な作り込み、そしてその作りこみの多くをバカゲー的要素に費やすという娯楽性の高い内容がウケ、末期の2DFPSとしては異例の人気を獲得した。~
FPSの歴史上においてはさほど貢献したわけではないものの、後のBuildエンジン作品共々「バカゲーFPS」ジャンルを開拓、「[[Serious Sam]]」や「Postal2」といった娯楽的FPS作品の草分け的存在としての地位を獲得した。

日本では「Duke Nukem forever」で悪い意味で知名度のあるシリーズだが、本作の出来栄えは非常に良い。往年のアメリカン・ポップカルチャー知識に自信があれば、本作も十分に楽しめるだろう。
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**余談
-「ビルドエンジン四天王」の一つと称されるが、残りの2つは「Blood:One unit whole Blood」((後に『昇剛』や『F.E.A.R.』などを手掛けるMonolith Productionsのデビュー作))と「[[Shadow Warrior]]」、最後の一つは人によって変わるが、大抵の場合「Redneck Rampage」(Xatrix Entertainment)を指す。Duke Nukem 3Dの成功に続けとばかりに本作のノリを継承した結果、四天王全てがバカゲーテイストに。
--4作品全てにカルト的な人気があり、MODが製作されるなど根強く活動が行われている。特に本作の人気は一番高く、別のエンジンを利用した有志によるリメイクプロジェクトが非常に多い。
-長らく権利関係の問題で配信に恵まれなかったが、2010年9月に3D Realms自身が開発を放棄していた『Duke Nukem Forever』の開発を継続するためにGearboxが版権を取得。2013年にはDevolver Digitalをパブリッシャーとした『Duke Nukem 3D:Megaton Edition』がSteamにて配信開始された((内容は完全版である「~Atomic Edition」にOpenGLで動作するアドオンが追加されたもの))。
--その後、2015年1月にDevolver DigitalとGearboxとのライセンス契約終了により『~Megaton Edition』の配信は停止となったが、Gearboxから生誕20周年を記念し、新規エピソードも付いた『Duke Nukem 3D: 20th Anniversary World Tour』の発売が告知され、2016年10月にSteamにて配信開始された。((PS4/XboxOne版も同時発売された。更に2020年にはSwitch版が発売されている))こちらはメニューなどが全て日本語となっており、任意巻き戻し機能など便利な新機能が搭載されている。
--反面、元の単語に含まれるニュアンスを無視した翻訳もあり場所によっては若干の違和感もある。尚、オリジナルのデュークの声優であるジョン・セント・ジョンの音声は再録されたものが使われている。

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