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謎の村雨城 - (2013/08/05 (月) 23:36:40) の編集履歴(バックアップ)


謎の村雨城

【なぞのむらさめじょう】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム
ゲームボーイアドバンス
発売・開発元 任天堂
発売日 【FCD】1986年4月14日
【GBA】2004年8月10日
定価 【FCD】2,600円(データ書き換え:500円)
【GBA】2,000円
配信 バーチャルコンソール
【wii】2008年8月19日/500Wiiポイント
【3DS】2013年7月3日/500円
ポイント ゼルダに似ているようで似ていない
出来は純粋に良くも悪くもない
BGMは名曲

概要

 ファミコンのROM容量の頭打ちと価格高騰に頭を悩ませていた任天堂が打った起死回生の一手が、安価かつデータ書き換え可能なメディアを持つ拡張システム「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」(以下ディスクシステム)であった。本作はこの新ハードの発表と同時に発表され『ゼルダの伝説』とともにゲーム誌の紙面を飾り、しかも前人気はゼルダよりこちらの方が上だった。
 だが本作はディスクシステムのロンチタイトルにはならなかった。一説には「任天堂が商品として売り出せるレベルに達していないと判断し、発売を見送ったため」とされている。しかし前人気が高かったことから商品化要望が任天堂に殺到、その結果遅れて販売されることとなったのだが、評判の割には普通の作品であった…。

特徴

  • 見下ろし視点型のアクションゲームであり、画面の端に達するとスクロールするという点では同時期の『ゼルダの伝説』に近い。ただしゼルダが謎解きとアイテムの使いこなしを重視してるのに対し、こちらはアクション重視の作りとなっている。
  • 隠密である主人公「鷹丸」を操り、全9ステージを戦い抜く。基本武器は刀と飛び道具。前者はリーチは短いが使用制限はなく、敵の飛び道具の一部を弾き返せる。後者は射程が長く、弾数制限が付くがアイテムで性能を強化することもできる。さらに短い時間だが姿をくらませる「透明の術」もしくは画面全体攻撃の「イナズマの術」を3回まで使用可能(アイテムとして取得できる)。
  • 難易度はやや高めで、大量に飛来する手裏剣や敵忍者、ギリギリからの攻撃が必要となる侍、独特かつ強力な攻撃を行うボスなど歯ごたえ十分。また各所にアイテムが散らばっているので、それを覚えるのが攻略のカギになる。
  • クリア後は周回プレイが始まるが、3周目以降は難易度がまったく上昇しないため、覚えて慣れてしまうと全体的にヌルゲー気味に。アクションゲームの宿命とも言えるが。

評価点

  • グラフィックはそれなりに良くFCのソフトにしては十分多彩かつ、綺麗。
  • BGMも好評。曲数こそ少ないが名曲ぞろい。
    • のちのスマブラXにて原曲のまま使用されていることからも、そのレベルの高さが分かる。中でも「道中BGM」は評価が高く、アレンジVer.がいくつか投稿されている。

問題点

  • ゲームバランスが若干悪い
    • 鷹丸は4方向にしか動けないのだが、敵は自在に動き回る上に四方八方から飛び道具を放ってくる。また、動きも早く攻撃の密度も高め。敵の動きやアイテムの位置を覚えれば十分に対策は立てられるが、全編通して難易度は高め。
    • 本作は「ライフ制&残機制」だが、ライフ回復アイテムこそあれ最大ライフ上昇アイテムがなく、復活もその場復活。そのため強力なアイテムを持って死んでしまうと、再びパワーアップするために来た道を戻ることを強いられる場合もある。
  • ささいなことかもしれないが敵を倒すと血が飛び出る。FCだからグロくないとはいえこれはこれでどうなんだ。

総評

 ゲーム自体の出来は普通なのだが(これより難しいアクションゲームは山ほどあった)斬新な要素があまりないため『ゼルダの伝説』や『スーパーマリオブラザーズ2』『メトロイド』といったタイトルに隠れてしまった作品。

  • 前述の『ゼルダの伝説』『メトロイド』などは高い評価を受け、現在でもシリーズ化されているが、本作は一切シリーズ化されておらず、任天堂製のゲームとしてはややマイナーな存在。『アトランチスの謎』『コンボイの謎』と合わせて「ファミコン謎のクソゲー三部作」のように扱われることもある。
    • しかし擁護不可能のクソゲーである他2作と異なり本作はマイナーではあっても普通に遊べる出来である。むしろ数合わせのような扱いであり、これも地味さが招いた悲劇かもしれない。
  • このタイトルがマイナー作に留まった理由は「任天堂にしてみれは特にこのゲームをシリーズ化する必要がなかった」からかもしれない。純粋なアクションには『スーパーマリオブラザーズ』という看板が存在し、探索重視型である『ゼルダ』や『メトロイド』の方が人気が出た上にさらなる発展が見込めたからだろう。

余談

  • 本作には無敵技が存在するのだが、その条件は「鷹丸の残機を100機以上にする」こと。正直そんな芸当が可能なプレイヤーには無敵技など不要である…。
  • 説明書の最後のページにはラスボスの弱点を示す暗号が載っているが、実は初期版には誤植があり正確には解読できない。ただしこの内容が分からなくても普通に攻略できるので問題はない。
  • ディスクシステムの常としてセーブ機能があり、ゲームオーバーになってもその面の道中からスタートできるが、このゲームは慣れれば1周に要する時間は30分前後なので、ゼルダやメトロイドに比べるとそれほど必要性は感じられない。
  • 評価、知名度は今ひとつなのだが、なぜか1986年にドラマ化されている。
  • 『週刊少年ジャンプ』で「謎の村雨くん」という漫画が連載されていたが、本作とは関係ない。
  • 本作は表舞台に出る機会が少なかったゲームだが、近年では日の目を見る場所が増えてきている。具体的には…
    • 『ピクミン2』のお宝アイテムとして本作のディスクカードが登場*1
    • GBAにファミコンミニとして移植&Wii・3DSのVC(バーチャルコンソール)でも配信。
    • ドンキーコング3や『大乱闘スマッシュブラザーズX』のBGMとして本作が登場。
    • 任天堂のマイナーキャラが集まる『キャプテン★レインボー』にて鷹丸本人が登場。
    • コーエーの『戦国無双3』にて任天堂公認コラボ*2
    • WiiUで発売された『ニンテンドーランド』に本作をモチーフにした『鷹丸の手裏剣道場』というミニゲームが収録。*3