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ポンポコ - (2011/11/29 (火) 12:35:40) の編集履歴(バックアップ)


ポンポコ

【ぽんぽこ】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
発売元 シグマ商事
開発元 セイブ開発
稼働開始日 1982年
ポイント 狸が主役の横固定画面ドットイート
狸関連のBGM

概要

  • 1982年にてシグマ商事(後のケイエム企画)がリリースしたアーケードゲーム。開発は後にシューティング界のヒット作『雷電シリーズ』を生み出す事となるセイブ開発が行っている。
  • ジャンルとしてはジャンプ動作のある、横視線の固定画面でゲームが進行するドットイートアクションに該当する。
  • 一人~二人交互プレイ可能。全20ステージ構成だが、それをすべてクリアしてもステージが続くエンドレスループゲームである。

主なルール

  • 主人公の狸を操作して画面内に8つ配置されているドットアイテムをすべて回収すればステージクリアとなる。
    • ドットアイテムはステージによって違い、フルーツや野菜などの他に何故かビールが配置されているステージもある。おそらくビールは狸の大好物なんだろうと解釈するしかない様だ。
  • ゲームとしてはドットイートの部類だが、はしごを乗り降りして地形の上下を行き来したり、穴の段差などをジャンプで乗り越える必要があったりと、プレイ感覚は若干『ドンキーコング』のそれに近いものとなっている。
  • コントローラーはレバーとボタン1つでの操作となる。レバーにて狸の移動操作、ボタンはジャンプに使用する。
    • レバー左右で狸の前後移動操作。はしごに近づいた状態でレバー上下でそれを乗り降りできる。
    • レバーニュートラル状態でボタンを押せば、狸の向き前方に「小ジャンプ」を行う(垂直ジャンプはこのゲームには存在しない)。
    • レバーを前後どちらかに入れながらボタンを押せば、狸の向き前方に小ジャンプよりも長く飛べる「大ジャンプ」を行う。
  • ステージ内には敵があちこちでうろついており、これをかわす必要がある。
    • 敵の動きはすべてその地形を一定基準に左右で動いているだけに過ぎず、特別に機軸が読めないトリッキーな動き回り方はしない。よって、敵パターンの把握は同期のゲームの中でも容易な部類に入るだろう。
    • このゲームにおける狸の攻撃手段は一切存在しない。その為、敵に近づいた場合はそれを避ける以外にミスを回避する方法はない。
    • また、ジャンプで敵をかわすという方法も通用しない*1ので、やつらとの正面衝突は死を意味する結果となる。
    • 敵を確実にかわすには「はしごの中間部分に留まっていると絶対に敵に触れないのを利用してやり過ごす」という方法がある。
  • 地形のあちこちには「穴の段差」や「トゲ」が置かれており、それらをジャンプしないと先に進めない。ジャンプせずにそれらに触れれば当然ながらミスとなる。
    • 穴の段差などにはその配置の大きさにばらつきがあり、小ジャンプと大ジャンプの使い分けが非常に重要となる。
  • ドットアイテムの他にも「壷」が置かれている。これに触れると以下の2種類の効果のどれかが発生する。
    • 一つはスコアボーナスが得られる効果。いわゆる「当たり」である。
    • もう一つは壷の中から新たな敵が発生し、よりやつらの回避が困難になる効果。いうまでもなく「はずれ」である。
      • しかも厄介な事に、最初からいる敵の移動スピードは速めで、壷の敵のスピードは非常にとろい。もしそいつら2匹が同じ地形に留まるとその時間差のコンビネーションによってはしごまで到達できず、どうあがいても上の地形に進めなくなり、上地形にドットアイテムが残っている場合においては最悪クリアは詰み(強制ミス)となってしまう恐れもあるので要注意である。
    • 壷の中が当たりかはずれかは外見上ではわからないが、どちらが入っているかは完全固定である為、配置パターンさえ記憶さえすればはずれを極力避ける事も可能。
    • また、壷はドットアイテムとは違い触れなくてもクリアには影響しないので、あえて壷に近づかずにドットアイテムだけを回収する安全重視な攻略法も通用する(但し、場所によっては壷に触れないと先のドットアイテムが取れない状況もあるので完全なる壷回避は不可能)。
  • 残機制ですべてなくなるとゲームオーバー(コンティニューは不可)。
    • ミスする条件は「狸が敵に触れる」「穴の段差やトゲをジャンプせずに触れる」「画面上部にあるタイマー(制限時間)が0になる」のいずれかとなっている。
    • ミス後はすべてのドットアイテム、敵、壷が初期の状態に戻された完全戻り復活となる。これにより、上記の詰み状態に陥っても残機さえ残っていればゲームそのものがクリア不可能になる心配はない。

特徴

いわゆる動物が主役の可愛い路線のアクションゲームなのだが、本作はどちらかといえばマイナーな動物である狸が主役を務めるという異色のキャスティングとなっている。そしてゲームタイトルが「ポンポコ」という直球なネーミングであり、当時のACゲームの中でもコミカルとシュールさを兼ね備えた外観を持つ作品であった。
狸が主役である為なのか、デモ画面などのBGMに関しては「たんたんたぬきの~♪」「しょ、しょ、しょうじょうじ~♪」といった狸に纏わる童謡が採用されており、そのシュール加減に拍車をかけている。しかし残念ながら道中のBGMは存在せず効果音しか聞こえないのが少々寂しいところか。
グラフィック周りは黒背景が画面を占める割合が多く、当時の基準でもやや殺風景である感は否めない。しかし、オープニングデモで狸の集団がBGMにあわせてダンスしたり、ゲーム内にて狸を移動する度に尻尾をふりふりと揺らしたり、ミスすると画面下に回転しながら落下したりと、狸の動きが非常に可愛らしく愛着が沸いてくる。

ゲームとしては「移動したり、ジャンプしたり、はしごを利用したりしてドットアイテムを全部回収すればいい」という非常にシンプルなルールであり、初見のプレイヤーでも即効で入り込める親しみさを持っている。
しかし、「ステージを進める度にドットアイテムや穴の段差などの配置が絶妙に厄介になる」「壷の触れ方によっては詰みが発生する可能性がある」「ミス後はすべてがリセットされた状態でのスタートとなる」という条件の厳しさもあり、決して簡単な難易度ではない。
それ故に「このステージはどういう行動パターンで攻略すれば確実にクリアできるか」「触れていい壷とそうじゃない壷の把握を覚えているか」という、なかなかのパターン化を要するであろう戦略味のあるゲーム性が詰まっており、当時の人気ゲームとは決して引けをとらない面白さを持っている。
当時のゲームの例に漏れず、余計な演出がない分進行テンポは極めて良質であり、波に乗ってくると「シンプル故のテンポ感が心地よく、シンプルではあるがシンプルでは済まされない」楽しさが堪能できる作品である。

残念ながら家庭用移殖の類は全くされておらず、今プレイする環境は大幅に限られるのが実情なのが悲しいところ…。