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ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート - (2013/02/14 (木) 16:02:11) の編集履歴(バックアップ)


ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート

【どらごんくえすともんすたーず きゃらばんはーと】

ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 エニックス
開発元 トーセ
発売日 2003年3月29日
価格 5,980円(税抜)
ドラゴンクエストシリーズリンク


概要

ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵』の続編。『ドラクエ7』のキーファが主人公を務める他、同じく『7』からフォズ大神官が出演している。
人間とモンスターが協力して戦闘を行うキャラバンシステムや歩くたびに減っていく食料など、ドラゴンクエストモンスターズ(以下DQM)の中でも独自要素がとても多い。
なお本作がエニックス名義で販売された最後のソフトである。

特徴

  • 今までのDQMシリーズが一つの拠点から旅の扉経由で様々な所に行くというものだったが、キャラバンハートはキャラバンを率いて世界中を歩き回ってオーブを集めるというのが冒険の目的となっており、従来のDQMと比べて本家ドラクエのようにストーリー重視となっている。舞台となる世界もマルタの国やタイジュの国といったオリジナルの世界ではなくドラゴンクエスト2の世界そのものであり、ロトの勇者達がシドーを倒した数百年後という設定。ストーリーの内容もナンバリングドラクエと同じようなお使いイベントや魔物討伐などが中心となっている。
  • 本作ではキャラバンを率いて冒険するため、モンスターオンリーだった前作までと違いナンバリングドラクエの用に人間を仲間にできる。街の中で特定の人間に話しかければ仲間になってくれる。仲間にできるのは最大20人で職業は合計22種。この仲間たちを好きなように組み合わせて馬車を編成すると、モンスターたちの戦闘をサポートしてくれる。しかし馬車には重さ制限があり、モンスターの重さと仲間の重さを調整して編成しなければならない。
    • ベースキャンプも最初は設備が教会・タダ宿・補給のおばば位しかないが、道具屋(商人がいると開く。商人のランクにより売り物が豊富になる)・酒場(踊り子or料理人がいると開く)・預り所(盗賊がいると開く)・カジノ(遊び人orギャンブラーがいると開く。ランクによりスロットや景品の種類も増える)などが開設され、さながら一つの「移動する町」として旅の助けになってくれる。
    • 職業も戦士・武闘家・僧侶・魔法使いなどの定番の職業から、メタルハンター(敵の守備力を無視して一定ダメージを与える。ランク3だと遭遇する敵にメタル系が混じるという効果も)・料理人(移動中は食料の減るスピードを遅くし、戦闘中は料理でガードモンスターのMPを回復してくれる)・地図士(移動中は地図を開いて世界地図やダンジョンの地図を見る事ができ、戦闘中は地形を調べてガードモンスターの素早さを上げる)といったこのゲームならではの職業、ギャンブラー(敵か味方のHPを減らすというギャンブル行為を行う)・転生士(不思議な力で倒したモンスターを転生させ、キャラバンの仲間に加える)といったクリア後のみの職業もある。

評価点

作りこまれたストーリー

  • 前作までと違いナンバリングと同じ要領で作成されているので、ナンバリングをプレイしているのと同じ感覚でプレイできる。BGMの方もほとんどがドラクエ1・2のアレンジであり、ロト三部作をプレイしたユーザーを意識して作られている。もちろんドラクエ2を思い出させてくれるネタも多々存在しているため、ドラクエ2既プレイのプレイヤーにとってはどこか懐かしさが感じられる。
    • さすがに船は定期船のみ(周回は山手線形式だが、逆流は可能)という都合上、船でしか行けなかったテパの村や大灯台が地続きで行けるなど、地理にもアレンジが加えられているが。
    • また、漫画『ドラゴンクエストモンスターズ+』の一部設定を引き継いだと思われる要所も存在する。

豊富なやりこみ要素

  • 一週目のエンディングを見ると、世界中に散らばる「カラーオーブ」を集めながら、「オーブのダンジョン」に入ってレアボス(一定ターン以内に倒すとレアオーブや心をもらえる)と戦ったり、今まで歩んできた街を回りながら様々な仲間を集めたりすることが可能。好きな職業の人間を仲間にできたり様々な敵が出るダンジョンを遊べたり、従来のモンスターズよりやりこみ要素がてんこ盛り。発売当初は食料などの汚点が目立ち気にもされていなかったが、次回作のジョーカーのやりこみ要素がとても少なかったのもあり、現在ではこれらの要素は高く評価されている。

ドット絵

  • 当時のゲームとしては人間キャラクターやモンスターのドット絵がかわいい。

BGM

  • 当時のゲームとしてはかなり良質なBGMがそろっている。ドラクエ2のアレンジが懐かしく感じる人も多いようだ。

フィールドイベント

  • フィールドを歩いているとシルエットクイズや道具屋との対面などの様々なイベントが登場する。食料や金を魔物やニセ僧侶から奪われたりすることもあるが、特定の職業の人間を馬車に入れていることで回避できたり、アイテムやお金を入手できることもある。

問題点

食料

  • 本作を語る上で欠かせないのが食料システム。食料は店で購入できる(1つにつき1G)が、これを購入しないと旅が非常に困難になる。なんと歩くたびにモンスターのHPが減っていくのだ。
    放置しておくとHPが1になってしまいモンスターとであった瞬間、バギなどで一掃されて全滅…ということもある。
    特に今作ではモンスターのエンカウント数がテリワンやイルルカの三体までではなく、従来のドラクエのように大量に出てくるので逃げるのに失敗すると袋叩きにされてしまう。
    • 序盤は食料の補給でお金が足りなくなりがちであり、ゲーム後半でも補給を忘れて大変な目に遭う(それでもダンジョンではランダムイベントで魔法使い(最深層の1つ手前のフロアに飛ばしてくれる)を狙うため補給を最小限にとどめる者もいる)事も。
    • 一応携帯用の食料(使うと一定数食料が補充される)や職業の力で回復することも可能だが、前者についてはアイテムの所持数がかなりきついのであまり持ち歩けないのが辛い。

モンスターの数

  • 今作では配合システムではなく、転心システムが使用されているのでモンスターを7匹以上仲間にできない。
    一人一人NPCとして性格が設定されているので、モンスターといえど前作までのポケモン的な仲間と違い、ナンバリングの「人間キャラ」のように扱われているようだ。
    そのため従来のDQMであった配合のようにモンスターがいなくなることはなく、転身で心を吹き込み姿を変えながらストーリーを進めることになる。

レベルを上げて物理で殴ればいい

  • オーブのダンジョンのボスを倒すとカラーオーブがもらえるが、呪文や特技で攻撃するより物理で殴った方が効率よくダメージを与えられる。
    職業のマスター戦士(最初のターンだけダメージ二倍)やマスター剣士(最初のターンだけ2回攻撃)の特殊効果も強すぎるので、基本的にひたすら殴るのが最適解。
    魔法使いのような固定ダメージの職業は序盤以外ほとんど役に立たない。
    戦士・剣士・武闘家など戦闘の花形となる職業の攻撃力もガードモンスターの攻撃力に依存するという弱点があるのだが。そのためモンスターの転身も攻撃力の成長重視になり易い。
    最も魔法使いは「トヘロス(一定歩数の間エンカウントをなくす。ランク3で使用可能)」、賢者はルーラ(ランク2だとベースキャンプに戻るだけだが、ランク3では一度行った町に移動できる)があるので、移動という観点ではこれらの職業は非常に役立つ。要は戦闘や移動、ベースキャンプで花形となる職業が違うわけなのだが。

報酬の低さ

  • レベルアップに必要な経験値に対してモンスターからもらえる経験値がかなり低い。
    しかもエリアが変わるとモンスターがかなり強くなるレベル上げ必須のバランスのため余計に苦しくなる。
    -もちろんDQ名物メタル狩りはあるが、安定して倒せるようになるのはなかなか大変。

アイテム所持数

  • アイテム所持数は24だが、イベントアイテム(ハートゲッター・各種幻魔の羽根)は捨てる事も預ける事もできずアイテム欄を圧迫する。またクリア後は必然的にオーブにアイテム欄の大半を占められるため、回復アイテムや携帯食料が持ちづらい原因ともなっている。
    • そのためクリア後はいらないオーブ類をすぐ預けられるように、ベースキャンプに預り所を建てられる盗賊は1人は入れておかないと厳しい。

総評

  • 発売当初はDQMの続きとして買った人が多く本家のドラクエのようなシステムで失望した人が多いが、現在では評価は大分落ち着いてきている。
    DQMの続きではなく、『ドラゴンクエスト2.5』だと思ってプレイした方がいい。
  • キャラバン編成や転身などの独特のシステムはあったものの、今作のシステムは以降の作品では登場していない。
    ただオーブのダンジョンは評価が高かったのか、似たようなものとしてドラクエ9では「宝の地図」が、ドラクエ10では「魔法の迷宮」が登場している。