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せがれいじり - (2014/03/08 (土) 19:46:51) の編集履歴(バックアップ)


注意:本稿では、PS『せがれいじり』とPS2『続せがれいじり 変珍たませがれ』の2本を紹介する。両方とも「バカゲー」に分類。


せがれいじり

【せがれいじり】

ジャンル おバカ
対応機種 プレイステーション
発売元 エニックス
開発元 ブレインドック
ネメシス
発売日 1999年6月3日
価格 5,800円
分類 バカゲー
ポイント 「せがれをいじっておおきくしよう!」
エニックスご乱心
徹頭徹尾くだらない出来(良い意味で)
実はおバカではない側面も…?

概要

ジャンル「おバカ」と自ら明言した伝説の「バカゲー」。その圧倒的なタイトルや、サイケデリックな設定・世界観に当時衝撃を受けたキッズは少なくない。
「あのドラクエの発売元が出す」という意味でも非常に衝撃的であった。
なお、BGM等音響全般とCGの制作は『ウゴウゴルーガ』で有名な秋元きつね氏である。
エンディングテーマにも氏の楽曲である『ペンギン』(を小学生に合唱してもらったもの)等が使われている。

あらすじ

- 昔々遠い未来にせがれが住んでいました。せがれはサナギなので矢印です。
- ある日、超プリティーなむすめさん(彼女も矢印)を見つけ、ママに言いました。
- 「あのむすめさんとラブラブになりたいなぁ」
- キリンのママはこう言いました。「大きくなったらね」
- こうしてせがれは大きくなるためにセケンへと飛び出していくのでした。
  • …と、突っ込みどころしかないプロローグからゲームが始まる。が、肝心のゲーム自体突っ込みどころ満載なのでこれはまだ序の口である。
    • ついでに言うとせがれを大きくする目的なのに 大きくなるのはママの首

内容

  • セケン(フィールド)にあるモノを調べると「作文」が始まる。この「作文」と呼ばれる文章の羅列を組み立て、そこから生まれる「おバカムービー」を鑑賞、組み合わせ次第では新たな「オキモノ」がフィールドに生まれたりする。これらの繰り返しによってゲームを進めていく。
    • 作文の内容は本当にデタラメそのものであり、どんな文章でも成立しムービーや紙芝居が観賞できる。
      • ちなみに作文は1つのモノに付き3回まで可能。回数が減ったら家に帰って回復する事も可能。
    • しかもこのムービー、当時からするとマジで品質が高い。そんな全力で作ったムービーを使ってマジでしょーもない作文を本気でそっくりそのまま描写してくれる。最早これだけでツッコミ所である。
      • こういう全力で明後日の方向へぶっ飛んでいる努力もバカゲーっぷりに拍車をぶっ掛けている。
    • ただそのネタが面白いかと言われると、人には薦め辛い内容ではある。シュールギャグのオンパレードと取るか、寒いネタのオンパレードと取るか、評価は真っ二つに分かれる。
+ とにかくどういうゲームなのかは実際に見た方が早い。

  • 独創的すぎるキャラクターたち。
    • 矢印頭のせがれとむすめさん、ママは元より、人面牛の「件(くだん)」やオッサンにしか見えない外見のキャラ「はなこ」、何故かモヒカン頭で全裸の「ヒト」などほぼ全てのキャラが意味不明な造形をしている。
  • タイトル画面のメニューも狂っている。
    • オプションはゲーム中での作文と同じ仕様であり、変更するたびにムービーが流れる。一応オプションとしての機能はあるのでご安心を。
    • 意味不明なモード「 たらいからはじめる 」。これを選択するとムービーが流れて直後に文章が出る。というだけのもの。
      • ちなみに文章の種類は数パターンある。
  • 所謂ミニゲームである「ちびゲーム」も数種類存在するが、どれもユニーク過ぎる。
    • ペンギンを踏んばらせて相手にうんこをぶつける対戦ゲーム。敵の攻撃を頭突きで跳ね返して攻撃するインベーダーゲームのような何か。宇宙を通り越して異次元まで伸びているママの首を落ちてくる金を集めながら登るゲームと、他に類を見ないものが揃っている。

総評

  • 存在自体がもはや伝説とも呼べるほどのバカゲーである。全編にわたって下ネタ・意味不明ネタのオンパレードである。
    • そもそも『せがれいじり』というタイトル自体下ネタである。 ただ、タイトルの真の意味に気付かなかったキッズは多いと思われる。
      • なお制作者は「語感を意識しての命名で、そういう意味を想定したわけではない」と否定している。「下ネタに聞こえるという意見もあったが、まあそう思う人が居たとしても別にそれもいいんじゃない?と思って名付けた」「(このタイトルの)インパクトがあまりにも強く、最後までこれを上回る代替案が出なかった」との事。
    • 説明書のマップ説明にも「眺めるだけでは(役に)立ちません」等と書かれている。特に何も思わず読み飛ばした子供も多かっただろう。
    • びんびん を調べたあとの反応など、子供には理解できない性的なネタもチラホラ。ある意味ではエンディングへの伏線と言えるかもしれない。
    • 意外にも、ラストには……(後述)。
  • 「コロコロコミック」での熱烈な紹介や「おはスタ」などのタイアップもあり、最終的には17万本以上をセールス。この種類の作品としては空前の大ヒットを記録した。そのためか『超兄貴』と並び、多作だったPS時代「バカゲー」の代名詞として呼ばれることも多い。
    • 「おはスタ」では『ハコいりせがれ』という30秒ほどの短編CGアニメが放映されていた。こちらも本編と同じようにシュールでどこかおバカな感じである。
  • ちなみに本作のキャッチコピーは「プレゼントに最悪」(公式)。
  • 2002年には続編『続せがれいじり 変珍たませがれ』が発売された。詳細は後述。
    • 2003年にはスクウェアとの合併記念により『半熟英雄 対 3D』にせがれとむすめさんがゲスト出演した。
  • ちなみにキャラクターの著作権は秋元きつね氏にあるとの事で、ゲーム以外では好きに使えるらしく、彼の映像作品にも良くせがれいじりのキャラクターが登場しているほか、ピンバッジ等のグッズも製作されている。
+ 一見すると只のおバカなゲームに見えるが…(閲覧注意)

実は緻密に練り上げたデザインコンセプトの元に製作されたゲームである。
セケンとオカカワリすることで視野を広げていくせがれ、首を長くして待つママなど、深く考えなくてもその片鱗は感じ取れるだろう。
特に、ラストに唐突に訪れる 号泣モノのエンディング は数多くのプレイヤーの涙腺を破壊した。誰もがこのゲームで「まさか泣かされるとは」と考えていたに違いない。
しかし、このゲームはあえて明確なテーマを提示せず、その解釈を(あるいは考える事そのものを放棄するのを)プレイヤーに委ねている。
よって、ここでそのテーマを表記する事、またはテーマがある事自体に触れることは、このゲームの存在意義に関わる危険な行為であると言える。
詳しくは秋元きつね氏のホームページ内のせがれいじり解説書(大人向け)を参照。
しかし、秋元きつね氏曰く「あくまで『せがれいじり』の1側面でしかなく、ただバカなゲームとして楽しみたい方は絶対に読まないで下さい」との事。

 


続せがれいじり 変珍たませがれ

【ぞくせがれいじり へんちんたませがれ】

ジャンル おバカ
対応機種 プレイステーション2
発売元 エニックス
開発元 ブレインドック
ネメシス
発売日 2002年6月27日
価格 6,800円
分類 バカゲー
ポイント 間違いなく血筋を受け継いだ怪作
作業感が強くなった点は賛否両論
一部劣化した面もある

概要

↑の直接の続編。プラットフォームをPS2に移し、様々なシステムの変更と追加がなされている。
タイトルはおそらく「アさて、アさて、さては南京玉すだれ」という古典的なギャグとのひっかけ。
今回はセケンに暮らす様々な人から、「オネガイ」を受けて彼らの「ドロイド」を作文を作ることで、オネガイに合わせて「変珍」させることが目標になる。
作文を作る以外にも「新しい漢字を作る」「ポーズを選ぶ」「(トイレの)我慢の度合いを決める」などと言った新しいオカカワリ方が登場している。
尚、続編ではあるが、ストーリー的には前作の過去の話である。

問題点

  • ギャグのパワーが落ちた。
    • この辺はその人個人の好みにもよるが。ただ前作に比べるとはっちゃけ度が全体的に落ちたように感じられる。
    • 前作でメインだった秋元きつね以外の作家もギャグに参加しており、統一性に欠ける点がある。
  • 新システムが今一つ。
    • 上記の通り、ドロイドを変珍させる事が目的なのだが…。
      • ただ無目的におカカワリしていれば目標を達成できていた前作に比べて明確な目標が出来た…ともいえるが無目的に作文を作って楽しむことができなくなった、ともいえる。
      • できあがった作文によっては目標が遠ざかることもある。この場合再び正解と同じ作文を作ってまた変珍させる必要がある。スキップはできるが、まどろっこしい。
      • ちなみに今回は作文作成の回数は設定されていないので、何度でも作る事が出来る。逆に言えば、そうしなければクリアできないという事。
    • 新たに「ジャマッコ」というお邪魔キャラが登場。遭遇するとカードジャンケンにより撃退することになる。
      • …しかし負けるとペナルティが科せられるだけで勝ったところでメリットがない。このため極力避けて進むことになり、うっかり遭遇すると面倒なことになる。
    • 前作では全ての作文にコメントが用意されていたのだが、今作では汎用の数種類しか存在せず、どんな作文を作っても変珍をさせても同じようなコメントが返って来るだけである。
  • 一部オキモノについては、作文を作っても変珍するだけでムービーが流れないものが幾つかある。変珍専用と言ってしまえばそれまでだが、せっかく作文を作ってもムービーが無ければ面白くも何ともない。
  • マップが劣化。
    • 球状のマップになっており地平線の向こうは見えない。マップからのダイレクトワープもなくなり移動が面倒になった。
      • ダイレクトワープが無くなったのは前述のジャマッコとの兼ね合いかと思われる。本当に名前の通り邪魔な奴らである…。

評価点

  • グラフィックの向上。
    • オブジェクトがポリゴンになるなど、マシンパワーの向上を実感できるものになっている。
      • とはいえ元がPSとしてはトップクラスのグラフィックレベルであったため、そこまで変わったものでもないが。
  • 変珍そのものは各パーツのデザインが非常にぶっ飛んでおり、組み合わせで奇想天外なものができるなどなかなか面白い。
    • 自宅でいままで集めた変珍パーツのコレクションを見ることもできる。解説もついておりコンプリートを目指すのも一興。
  • ギャグの方向性はそのまま。楽しめる人には十分楽しめる。
  • ちびゲームも健在。ボス視点の弾幕シューティングなど、本作でも他ではまず見ないような内容のものが揃っている。

総評

バカゲーとして見れば標準以上の出来であるのは確か。しかしシステム的にはお世辞にも進化しているとは言い難い。
ギャグ自体も人によってはややテンションが落ちたように感じることもあり、前作ほどの評価は受けていない。