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ドラゴンズレア (FC) - (2020/05/17 (日) 08:44:58) の編集履歴(バックアップ)
ドラゴンズレア
【どらごんずれあ】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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2MbitROMカートリッジ
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発売元
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EPIC・ソニーレコード
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開発元
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Motivetime
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発売日
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1991年9月20日
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定価
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5,900円
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判定
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クソゲー
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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動きが滑らかすぎて操作しづらい主人公 即死&配置が鬼畜な罠の数々 城に入ることすらできずにGAMEOVER 気づいたら白骨化していた 頑張ればクリアできるが頑張りたくない
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概要
元々は、1983年にアーケード用のレーザーディスク(LD)ゲームとして発売された作品。
ムービー中に出てくるコマンド入力指示に合わせてデバイスを入力し、シーンを先に進めて行く斬新なシステムと、カートゥーンアニメを基調としたコミカルな映像演出で好評を博した。
本作はその世界観をもとにアクションゲームとしてリメイクされた同名の別作品で、海外版からの移植作である。
システム
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横スクロールのステージクリアタイプのアクションゲーム
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単純に奥まで進み、各ステージでボスを倒せばステージクリア。
問題点
アニメーションに凝ったゆえの操作性の弊害
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滑らかな動きが特徴であるがそれゆえに、主人公の動きがゆったりしていて遅く(北米版はさらに遅い)、移動も攻撃も回避もワンテンポ動作が遅れてしまうためにとっさの行動を変えることが非常に難しい。
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下記の通りゲームそのものも難しいのだが、操作性の悪さが更に拍車をかけてしまっている。
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結果、原作での成功シーンのきびきびとした動きは一切再現されておらず、やっていて爽快感もない。
難しすぎるゲーム内容
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まず主人公のグラフィックが大きい上に、全身に当たり判定があるため攻撃に当たりやすい。
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にもかかわらず、ゲーム中に登場する敵や罠の大半は当たると即死(白骨化)する。
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上記、挙動の重さで分かっていても即死してしまう事も多い。
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コウモリなどの左右に飛んでくるザコ敵は当たってもHPがちょっと減るだけで済む(時間経過でも少しずつ減っていく)のだが、
即死ばかりするせいでHPにはほとんど意味がない。
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主人公の身長はゲーム画面の高さ(ゲージ表示などを除く)の
3割ほどを占める。
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原作でもかなり長身に描かれているのでそれを再現したものと思われるが、ゲームデザインとはまるで噛み合っていない。
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敵や罠の配置がシビアで、初見殺しのものが多い。
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突然現れる敵や落とし穴、動く足場といったアクションゲームではおなじみのトラップも、当たり判定が大きくとっさの回避が難しいこのゲームでは凶悪な存在となる。
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しかも動く足場は動きに合わせて前進しないと落ちる。
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また、狭い通路に杭が仕掛けられていたり、上下に仕掛けられた横向きの回転棒をしゃがみとジャンプを切り替えながら抜けなければならなかったりする。
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しかも、後者は着地した先に落とし穴が仕掛けられているという鬼畜ぶりである。この罠があるステージ4は本作で最難関のステージとされる。
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ゲーム中盤にある、ステージ移行用のエレベーターも初見殺しの罠になっている。
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上から下へと降りていき、各階で一定時間止まっては降りていくのだが、どの階がどこへ繋がっているかの説明はない。
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正しい出口から出ないと前のステージに戻されてしまう。
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そもそもエレベーターと降り口の間をジャンプする必要があり、届かなければもちろん即死。挙動の重い本作ではこれも致命的。
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理不尽さは最初のステージで十分に堪能できる。
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橋を渡って門番のドラゴンを倒し、城の扉を開けて中に入るという、わずか1画面のステージなのだが…。
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橋はところどころ床が抜けるようになっており、立つ位置が悪いと落下死する。微調整が難しいこのゲームでは、床が抜けたらほぼ確実に死亡する。
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ドラゴンは主人公が画面の中ほどまで進まないと登場しない。そのまま倒そうとすると近すぎてドラゴンに当たってしまうので、すぐに引き返して距離を取る必要があるのだが、ドラゴンはこちらがしゃがんでいると首を引っ込め、こちらが攻撃したり移動しようと立ち上がった途端に炎を吐いてくるという嫌らしい行動ルーチンを持っている。
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主人公の初期装備であるナイフはまっすぐ飛ばすことができず、重力に従って失速して落ちてしまうため非常に当てづらい。
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ドラゴンを避けて進むこともできるが扉は開かないので先に進めない。また、閉じた扉にぶつかるとなぜか即死する。
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武器使用による体力減少も地味に痛い
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大抵の場合、即死トラップで死ぬのでゲーム全体で見ればそこまで影響はないものの、途中で雑魚からダメージ受けすぎると、実質詰み状態になる。
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ボスは武器を使用した攻撃でしか倒せないので、ボス撃破に必要な武器使用回数以下の体力になると実質的な詰み状態。
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コンティニューは存在しない。
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ライフ(残機)を30から始められる(通常は5)裏技もあるが、一定以上のハイスコアがないと使えない。操作とステージの内容に習熟していないと裏技も使えないし、使えても難易度が難易度だけに焼け石に水である。
評価点
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原作がアニメーションを売りにした作品だけあって、背景も含めたグラフィックがファミコンとは思えないほど美しく、主人公も敵キャラクターもよく動く。特に主人公の一挙手一投足の滑らかな動きは特筆に価する。
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LD版のストーリーの流れや場面はそこそこ再現している。
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かといって死にやすく、初見殺しが多い所まで再現されても困るのだが。
総評
原作であるレーザーディスクの持ち味や雰囲気を踏襲しつつ、アクションゲームとした本作。
しかし、元から高い難易度設定を、操作性周りの不備や難が更に高めてしまい、終始ストレスがたまる出来栄えと化してしまった。
理不尽なアクションゲームが多いFCの中でも屈指の難ゲーといえる。
原作のLD版自体が難易度の高さで有名だったため、その点だけは原作譲りと言える点だろうか。
その後の展開
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後にGB・SFC・ジェネシス(海外メガドライブ)にも移植されている。
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システムはFC版と異なっているが、難易度が高いことに変わりはない。
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また、LD版の初代をベースとした3Dアクションゲーム『Dragon's Lair 3D』がUBIソフトから2002年にGC・Xbox・Windows版、2004年に欧州限定でPS2版が発売されている。
余談
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「フローティングリザードキング」(王冠をかぶって浮遊するトカゲのような、得点アイテムを盗む敵)という敵が画面に登場すると、ザコもボスも関係なくすべての敵が消えてしまうという仕様(?)があり、これを利用するとラスボスを倒さずにクリアすることができる(北米版ではできない)。
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カタツムリ?
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主人公が杭に潰されると兜と足だけになって少しだけ動けるのだが、その姿がカタツムリにしか見えないため、「潰されるとなぜかカタツムリに変身する」と誤解されることも多い。
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原作であるLDゲーム版は、リアルタイムで流されるムービー中に発生するコマンド入力指示に従い、デバイスを入力し、成功すれば次のシーンへ、失敗すればもう1度同じシーンをやり直しというシンプルなルール。
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例えば主人公の右に在る物が一瞬光ったらキーを素早く右に倒せば生存、違うボタンを押したり無視すると死亡と言った具合。現代で言うところのQTE(クイックタイムイベント)といえば分かりやすいだろう。
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欧米初のLDゲームの元祖として有名だが、トラップの理不尽さや入力タイミングのシビアさなどからかなりの高難度ゲーとしても知られている。
特に後発のLDゲーム作品に標準で搭載されている矢印・ボタンアイコンによる入力指示の補助表示が一切存在しないのもシビアさに拍車をかけている。
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ディズニーに勤務していた著名アニメーター、ドン・ブルース氏が手がけた事もあって映像の質が非常に高く、欧米初のLDゲームの元祖として人気を博した。
後年に3DOやメガCD・GBC・DS、PS2、GC、Wii、Xbox360のDL販売サービスXBLA、PC(Steam)等に完全移植されるなど、復刻が非常に盛んである。
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特筆すべきなのは2000年にCAPCOM USAから発売されたGBC版であろう。H/Wスペックから考えても「FCやGBのようなアクションゲームの間違いだろ?」と思いきや、LDゲームの方を半ば無茶移植とも言うべき技術力で再現している(制約上端折っている箇所はあるが)。ちなみに移植を手掛けたのは知る人ぞ知るDigital Eclipse。
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ゲームの黒幕はモードロックという魔法使いであるが、
最後まで一切登場しない
。続編でようやく登場する。
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続編として『Dragon's Lair II:Time Warp』が前作同様LDゲームとして1991年に出ている。こちらもPS3、Wii、DSiWare、PC(Steam)、Mac(Steam)、Amiga、CD-i、iOS等といった多くのプラットフォームに移植されている。
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世界観は異なるが、同じ製作スタッフによる作品にSF冒険活劇をテーマとした「スペースエース」があり、こちらはタイトーの有名LDゲーム『タイムギャル』の作風に影響を与えた作品として知られている。
また本作同様、SFCでアクションゲーム化されているがやはり難易度が高く、SFC屈指の難ゲーとして有名である。