タイムギャル
【たいむぎゃる】
ジャンル
|
LDゲーム
|
|
対応機種
|
アーケード X1/MSX メガCD メガLD マッキントッシュ プレイステーション セガサターン iOS Android Nintendo Switch
|
発売・開発元
|
【AC・PS・MLD・Mac・iOS/Android・NS】タイトー 【SS】エグゼコ・デベロップメント 【MCD】ウルフチーム
|
稼動開始日
|
1985年10月
|
プレイ人数
|
1~2人(交代制)
|
備考
|
AC版以外の発売日と価格は移植版を参照
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
LDゲームゆえの単調さは相変わらず 躍動感あふれるアニメーション&ミスシーンのギャグ演出は必見の価値あり
|
概要
リアルタイムで流される映像内に発生する指示に従い、ボタンやレバーを操作して様々なシーンをクリアしてエンディングまで導いていくLD(レーザーディスク)ゲーム。
わかりやすく言えば、今で言う「“QTE”」で全編構成されたゲームである。
本作は日本国内で制作されたLDゲームの中でも特に知名度の高い作品で、1984年度制作の『忍者ハヤテ』、本作と同年制作の『宇宙戦艦ヤマト』に続くタイトーのLDアニメーションゲームシリーズ第3弾として制作された。
映像制作は東映動画(現:東映アニメーション)、キャラクターデザインはアニメーターの我妻宏が担当している。
全16シーン。二人交互プレイ対応。
ストーリー
タイムマシンによる時空間航行の技術が確立された31世紀初頭。
時間犯罪を未然に防ぐために創設された国際警察機構『歴史保安警察』の施設内部に保管されていた世界唯一のタイムマシンが、大悪党ルーダに強奪されてしまった。
歴史保安警察のエース・「タイムギャル」ことレイカは、時空間航空服「タイムスーツ」の力を駆使し、時空の彼方に逃げ込んだルーダを追うべく様々な時代を駆け抜けていく。
ゲーム内容
4方向レバーとボタンを使ってレイカを間接的に操作する。
レバーはレイカのアクションの誘導とタイムストップ時の行動選択に用い、ボタンは武器による攻撃とタイムストップの発動及びタイムストップ時の選択決定に用いる。
ボタン・レバー入力のミス、タイムストップイベントでの選択肢ミス・制限時間切れにより残機を失い、0になるとゲームオーバー。
シーンクリア後はボーナススコアが加算された上で次のシーンへ移行する。
全クリア後は
残機数×5000P+クリアボーナス5000Pのボーナススコアが加算され、最終的なスコアが算出された上でゲーム終了となる。
基本操作
-
レバー・ボタン入力
-
リアルタイムに流れる映像内で発生する入力指示に従い、レバー及びボタンを入力する。
-
具体的には、画面内の特定の箇所が光った瞬間に、光っている箇所に対応するデバイスを入力する。
光の発生の直前に矢印・ボタンアイコンによる指示が一瞬だけ表示されるようになっているが、難易度レベルが2以上の場合ステージが先に進むにつれ、アイコンがランダムで「?」表示に変化して隠されるようになる。難易度MAXの場合は、画面内の光のみを頼りに入力デバイスを判断しなくてはならず、入力タイミングもより厳しくなる。また、ステージ進行毎にボタン入力の受付猶予が徐々に短くなっていく。
-
「忍者ハヤテ」では指示入力のかなり前の段階で光が発生し予め入力方向を察知できるようになっている個所もあったが、本作では光の発生と入力指示アイコンの表示は終始ほぼ同タイミングであるため、より鋭い反射神経が必要となっている。
-
正解ごとにスコアが加算され、一定点数毎にエクステンドが発生して残機が増える。
-
指示発生から入力までの時間が短いほど高得点となり、入力指示と異なる入力が正解とし受け付けられる
隠し入力
によってスコアをより伸ばすことができる。
-
レバー入力よりボタン入力の方が得点が高く、レバー入力指示でもボタン入力が正解として受け付けられる箇所(もしくはその逆)が複数存在する。
-
全16シーンの内、8シーンはランダムで映像が右左反転してレバー入力の左右が入れ替わるため、単純に覚えた通りに入力するだけとはいかない。
-
タイムストップ
-
本作独自のゲーム要素として、追い詰められたレイカが危機回避のため自分以外の周囲の時間を一時的に停止させるイベント「タイムストップ」が要所要所で発生する。
レイカのスーツの胸のボタンが光ったときにボタン入力を行うことで画面が一時停止して画面内に3つの選択肢が表示される。この中から適切なものを制限時間内にレバーとボタンで選択する。
-
選択肢を間違うもしくは時間切れで1ミス。時間切れの場合、正解にカーソルを合わせていてもミスとなる。
-
選択肢は常に3つで正解は1つのみ。イベントの内容と正解は常に固定なので運の要素はない。
これらの操作の繰り返しによってレイカに次々と襲い掛かるアクシデントを切り抜けさせ、次のシーンへと導くのがゲームの流れの全てである。
シーン一覧
本作は全16シーン構成で、エンディングを迎えるには16シーンすべてをクリアしなければならず、最終ステージのA.D.4001ステージは他の15シーン全てをクリアしないと出現しない。
+
|
シーン一覧
|
時代
|
ステージ
|
サブタイトル |
過去
|
紀元前
|
B.C.70,000,000
|
恐竜退治はレイカにおまかせ♡
|
B.C.65,000,000
|
ここは白亜紀恐竜天国
|
B.C.30,000
|
原始人は美少女がお好き
|
B.C.16,000
|
突撃! ロデオでマンモスちゃん
|
B.C.44
|
美女と野獣と剣闘士
|
中世
|
A.D.500
|
地底トロッコGO!GO!GO!
|
A.D.666
|
666は死霊の番号
|
現代
|
A.D.1588
|
海の男は女難に注意
|
A.D.1941
|
太平洋戦線異常あり
|
A.D.1990
|
戦場は危険がいっぱい
|
未来
|
A.D.2001
|
2001年未来の暴走族
|
A.D.2010
|
星の降る街…隕石大落下?!
|
A.D.3001
|
悪党機神ザイオの脅威
|
A.D.3999
|
エイリアンにご用心
|
A.D.4000
|
目指せ未来のTOPGUN
|
A.D.4001
|
時空の彼方より愛を込めて♡
|
|
キャラクター
-
レイカ (CV:山本百合子)
-
タイムマシン開発者の娘で、時間犯罪未然防止のために創設された警察機構「歴史保安警察」のエース。人呼んで「タイムギャル」。
幼少時より父の研究の被験者としてタイムトラベルを繰り返していた経験を買われて犯人追跡の適任者に選ばれ、奪われたタイムマシンを取り戻すべく、タイムスーツの力を駆使して過去から未来を駆け抜けていく。(公式バックストーリーより)
-
ルーダ
-
タイムマシンを強奪した30世紀最大の大悪党。レイカの追跡に気づいて歴史のゆく先々に罠を仕掛けており、ラストシーンでレイカを待ち受けている。
-
操作ミスしてレイカが災難に見舞われる度に高笑いして嘲り笑うシーンがお約束のように挿入される。
評価点
キャラクターの魅力を押し出した作風
-
ヒロイン・レイカの魅力
-
本作の世界観や舞台設定は80年代当時のアニメファン層を意識したSFもののOVA的なテイストで、ヒロインであるレイカのルックスも露出度の高いビキニ型のスーツにロングヘアーと、当時のアニメファンのツボをついた非常にわかりやすいデザインである。
-
基本的にセリフらしいセリフが存在しないLDゲームのキャラクターには珍しく大量のボイスが用意されており、通常アニメーション中もこれでもかという位に喋りまくる。美少女ヒロイン然とした通常時の姿とミス時のコミカルかつ無様なやられっぷりのギャップも実に印象的。
-
担当声優・山本百合子のはつらつとしたアドリブ演技による底抜けに明るく元気なイメージづけもあって際立った個性を持っており、太ももを露にして元気いっぱいに飛び回るその姿で(主に男性)プレイヤーのハートをがっちりと掴んだ。キャラクター人気も高く、一時期タイトーの看板キャラとして扱われていたほど。
-
多彩かつコミカルなミスリアクションの数々。
-
ミスリアクションこそこのゲームの全てと言ってもよい程で、多種多様な死に様を披露するその度に頭身の低いデフォルメキャラに変化して見せる80年代のギャグアニメのノリを基調としたオーバーなリアクションと、担当声優の巧みなアドリブ演技によるギャグ演出が好評を呼んだ。
-
一部、ギャグリアクションを取る間もなくガチで死亡してしまう場合もあったりするが極わずかで、全編にわたってコミカルなギャグ調で統一されている。このおかげで残酷さや後味の悪さが軽減されているのもよいところで、怪物にお尻をかじられたり天使になって昇天したりと、その種類は実に豊富。同じシーンのセリフ違いを除いただけでも60種類近くある。
-
中でもB.C.65,000,000ステージ冒頭における「ジャンプした瞬間にパンツを恐竜に食い千切られ赤面してしゃがみこむ」というちょっぴりエッチなリアクションが大きな話題となった。開発スタッフも「そこが本作最大の見せ場」と豪語した程で、そこでわざとミスして楽しむ御仁も多かったとか。
-
「ミスリアクションがコミカル」という作風のLDゲームは、オリジナル作品としての前作に当たる『忍者ハヤテ』の他、国外のLDゲームや国産の他メーカーの作品にも存在しているが、むしろ「単調なゲーム性だからこそキャラと演出に拘った」と言っても過言ではないと思えるほどの力の入れっぷりが窺えるのは本作くらいのものだろう。
結果的に「わざとミスしてリアクションを楽しむ」というLDゲームにあるまじき珍現象を生み出すことになった。
-
ちなみに、本作に原画で関わった著名なアニメーター毛利和昭氏によると「ミスシーンは必ず3頭身で統一」という縛りだったらしく、「ギャグに振って残酷さを和らげるためと解釈していた」と言う。
自ら担当した上述のBC65,000,000ステージのリアクションも特に見せ場を意識していたわけではないとのことで、「パンツが破られる程度なら3頭身の必要もないだろうと通常の頭身のまま描いた結果、最大の見せ場になってしまった」「縛りを破ったのになぜNGが出なかったのが謎」……とのことである。
-
ゲームテンポの良さ
-
本作は1ステージ辺りの入力回数が比較的少なめで、かつ映像のテンポが速い。その中でキャラクターのスピーディなアクションにミスリアクションが適宜挟まれていく構成となっているためメリハリがついており、キャラクターや映像そのものの魅力とスピーディなゲーム展開で飽きさせない。
アニメーションの質の高さ
-
躍動感あふれるアニメシーン
-
大手アニメ会社の制作だけあってアニメーションの質は非常に高く、
総枚数1万枚以上のフルアニメーション(時間換算約30分)
という贅沢な動画枚数と全編背景動画によるダイナミックな作画も相まって、昨今のアニメ作品ではなかなかお目にかかれないほどに突出した躍動感でよく動く。
ミスリアクションだけが注目されがちだが、様々なアクシデントを華麗な身のこなしで切り抜けていくレイカの活き活きとしたアクションも本作の見どころの1つである。
-
本作に原画担当で関わったスタッフの中には、本作の後に「ドリームハンター麗夢」のキャラクターデザイン等で人気を博する毛利和昭を始めとして、80年代のアニメシーンを支えた多くのベテランアニメーターが関わった。
-
純粋なアニメ作品としての魅力
-
前述の通り、本作では通常アニメーション時ですらもレイカが様々なアクシデントから逃げ回りつつ余裕で喋りまくっているので非常に賑やか。
これにより、キャラクターの個性と共に純粋なアニメーション作品としての魅力も強く押し出されており、映像作品としてのエンターテイメント性においては『忍者ハヤテ』同様、完成度が非常に高い。
演出面
-
本作では全面クリア時のネームエントリーで制限時間0になるまで待つかボタンを押して入力を終了すると、スタッフロールが流れる。
また、ネームエントリーBGMが用意されており、中途ゲームオーバーでのランクイン時には途中まで、全クリア後のランクイン時に制限時間0になるまで待つとそのまま最後まで流れ、ボタンを押すといったんBGMが切れた後、スタッフロールの表示と同時にBGMのショート版が流れるようになっている。
-
『忍者ハヤテ』では全クリア時に短いデモが流れクリア達成のメッセージが表示された後にGAMEOVER表示で終了、BGMのない無音状態でネームエントリーと言う簡素な演出であった他、OPデモも非常に短いダイジェスト映像的なものだった。
本作では同様にダイジェスト映像ながらテーマ曲を交えた2分弱の長い映像になっており、まさにOP映像と言うにふさわしい趣になっている。この点はささやかな演出の進化ともいえる。
問題点
-
デバイス入力受付時間の短さ
-
『忍者ハヤテ』では入力方向が8方向と複雑な代わりに入力受付時間は比較的余裕があったが、本作では操作方向が4方向とシンプルな反面入力受付時間がかなり短く入力のタイミング自体もかなりシビア。難易度設定が最低でもパターンがわかっているのに入力が間に合わなくてミスということが起きがちで、選択肢を選ばせるという初見殺しの要素も相まって難易度は相応に高い。
-
『ハヤテ』の方に存在したミススキップ設定がない代わりに、ステージ開始直後規定時間以内に規定数残機を失った場合に受付時間猶予が増加するレベルダウン設定が存在するが、設定が有効になっていないと恩恵は受けられない。
-
『ハヤテ』では「キャラクターが武器に手をかける」などの予備動作によって、指示発生の前の段階で予め入力の正解を予測できる個所も多かったが、本作では主人公がひたすら逃げまくるという流れで進行する都合で予備動作といえるアクションが特に存在しないため、映像の速さも相まって入力デバイスの判断が難しい。
-
一応、映像の流れや、背景とキャラとの位置関係で上下左右の入力方向を予測し易いシーンもそれなりにあるが、背景とキャラクターの移動方向の因果関係が分かりにくい箇所も多い。そのケースにおいて入力デバイスが正解と異なっても正解と認められるシーンがいくつかあるが、『ハヤテ』と比べるとその数自体も多くはない。
-
デバイスの先行入力は受け付けられるため、正解さえ覚えてしまえば次に入力すべきデバイスを予め連打しておくことでしのぐことは可能。
-
LDゲームゆえにやる事の単調さは相変わらず
-
難易度は高めだが、結局はパターンとタイミングの暗記が全てなので、ゲームとしてはやはり底は浅い。
総評
上述の通り、他のLDゲーム作品とは一風異なった独特な魅力を内包していた本作だが、LDゲームそのものの短命性ゆえに初期料金設定が200円と高かったことが影響してか、全国規模で筐体の早期撤去が相次いでしまったといい、残念ながら稼働期間は非常に短かった。
その一方で、上述に挙げた評価点の数々により、衰退速度が著しかったLDゲームの中に置いてかなりの知名度を獲得すると共に、キャラクター人気も高い作品になった。
単調なシステムゆえゲーム性そのものに見るべきところはないが、魅力的なキャラクターが見せる多彩でコミカルなミスリアクション、そしてアニメ映像そのものの活き活きとした躍動感は必見に値する。これだけでも十分、見る価値はあると言えよう
移植版
-
『タイムギャル』- VHDpc INTER ACTION(MSX、シャープX1)版(タイトー、1986年)
-
パーソナルコンピュータに外付けユニットであるVHDpcマーク付きプレイヤー、VHDインターフェイスユニットを組み合わせることで遊べる、独自規格のビデオディスク向け移植。MSXとシャープX1向けに発売された。
-
移植版の中では発売が最も早く、稼働の翌年に発売された。
-
これ以降の移植版は90年代以降になってからの発売のため、稼働当時唯一にして唯一高画質で遊べる移植版であったが、ソフトに加えて遊ぶための環境を整えるだけでも非常に高額な出費が必要なのがネックだった。
データ供給のメディアの都合も相まって今から遊ぶ環境を整えるのは非常に困難。ソフト自体にもかなりのプレミアがついている。
-
『タイムギャル』- メガCD(ウルフチーム、1992年11月13日発売/7,800円)
-
ハード本体の動画圧縮取り込み技術が未発達であったため、取り込んだ元画像を圧縮し1枚1枚手作業で修正を施すという荒業でグラフィックを再現している。
-
画面圧縮の都合で画像が小さくなったため映像は画面中央のウィンドウ内に表示されるようになり、画面内に表示されていた操作指示は映像ウィンドウ内の左右上下にあるタイムボールの点滅による指示に置き換わっている。スコアは右画面下にレイカの顔グラフィックと共に表示され、アクションの成否の度に表情が変化するようになっている。
-
OPムービーとスタッフロールの映像と曲がオリジナルのものに差し替えられ、OPにオリジナル主題歌「時空をこえて」が挿入されている。
-
歌唱はレイカを演じた山本百合子氏。フルバージョンを収録した非売品のシングルCDが購入者に配布された。海外版のOPではボーカル部分を別の楽器に差し替えたインストバージョンが使われている。
-
画像の劣化が著しいことに加えて中割が削減されている部分が多いためアニメーションもやや粗くなっているが、映像そのものの質はオリジナル版と比して遜色なくプレイ感覚共に忠実な移植を実現しており、OPにフルボイスのボーカル曲を挿入するなどウルフチームらしい技術力の高さがいかんなく発揮されている。
-
ハイスコア画面とHARDモードクリア時のごほうびCGとして描き下ろしのグラフィックも用意されている。
-
『タイムギャル』-セガCD版(ウルフチーム、1993年)
-
北米向けにセガCD版が発売された。内容は基本的に国内版と同一だが、以下の変更点が存在する。
-
OPの映像がAC版の映像をコンバートの上で編集したものに差し替えられており、上述の通り曲がインストバージョンになっている。
-
英語音声で吹き替えられている(かけ声程度でアドリブの演技は再現されていない)。
-
効果音が刷新されている。
-
一部のミスシーンが削除され別シーンのものに差し替えられている。
-
『タイムギャル』- Mac版(タイトー、1994年発売/8,800円)
-
パソコン版移植。デバイス入力は全てマウスのクリックで行う。
-
『タイムギャル』- メガLD版(タイトー、1995年3月発売/9,800円)
-
パイオニア、NECホームエレクトロニクス(OEM)より発売されたレーザーディスクプレイヤー「レーザーアクティヴ」向けの移植で、レーザーディスクとCD-ROMの機能を組み合わせた新規格LD-ROM(LD-ROM2、MEGA-LD)専用ソフト。
-
ゲーセン並みの高画質で遊べる点で支持を得たが、本体・ソフト共に定価が非常に高額だったため、VHD版同様購入のハードルが高く、ソフト単体で優に20万近いプレミアがついている。また、レーザーディスク自体劣化し易いメディアのため、今プレイしても画面にノイズが生じている可能性も高い。
-
『タイムギャル&忍者ハヤテ』- プレイステーション版(タイトー、1996年7月5日発売/6,800円)
『タイムギャル&忍者ハヤテ』- セガサターン版(エグゼコ・デベロップメント、1997年1月17日発売/5,800円)
-
両者とも『タイムギャル』と『忍者ハヤテ』の2本を収録したオムニバスソフト。各ハード共にCD-ROM2枚組みで、各ディスクに作品が一つずつ収録される形となっている。
両機種共に、英数字フォントの変更が施されている他、CD-ROMメディアゆえに画質はそこそこながら、ほぼ完全移植でプレイ感覚も再現されている。データのセーブ機能には対応していないが、アニメシーンだけを鑑賞できるモードが搭載されており、純粋なアニメ作品としても楽しめる様になっている。
-
PS版・SS版共に「DIP MODE」による難易度、残機数、ステージ進行順変更などの内部設定変更機能と、サウンドテストモード・残機無制限(これのみPS版限定)の裏技が仕込まれている。
-
両機種共に、元々の発売本数が極端に少ない事情もあって、こちらも入手困難でプレミア価格が付いている。
-
『タイムギャル』(iOS版・Android版 / 配信開始日:2017年4月1日・4月3日/共に1,100円)
-
タイトーの往年の懐かし名作ゲームをアプリ配信するプロジェクト「タイトークラシックス」の第1弾タイトルとして配信された。
-
クリア済みのシーンを自由に閲覧できる『シアターモード』搭載の他、追加コンテンツとして『入力デバイス事前告知』と『開発資料閲覧コーナー』を有料で購入できる。
-
『
タイトー LDゲームコレクション
』(Nintendo Switch 発売日:2023年12月14日)
-
『
タイムギャル HDリマスター
』(Nintendo Switch ダウンロード専売/配信日:2023年12月14日)
-
タイトーLDアニメーションゲームシリーズ全3作をHDリマスターにより収録したオムニバス作品。ダウンロード向けの単品販売も同日配信された。
-
また、パッケージ版の特装版にのみ完全新作となる続編『タイムギャル リバース』のオンラインダウンロードコードが付属している。
-
ノベル形式のADVで、要所要所に原作を意識したQTEによるアクション性や制限時間付きの選択肢が挿入されるという構成になっている。
-
ストーリーはAC版の後日談で、新主人公ルナの時空を超えた冒険が描かれる。
-
シアターモード、トレーニングモードの存在やUIのデザイン面等は概ね上記のiOS/Android版と同様のものになっている。
-
リマスター作業時のミスか、左右反転ステージであるB.C.650.000.000ステージ開始直後のレイカ出現シーンのみが反転していないという不具合があり、シーン冒頭で反転の有無を判断できなくなっている(シアター・トレーニングモードや特装版特典ブルーレイディスク内でも同様)。
余談
-
本作がリリースされた80年代中期は、まだ今でいう「萌え」や「オタク」といった概念が明確に確立しておらず、そうした言葉も一般的ではなかった時期であったが、当時既にゲームセンターにはそういった層が集まる傾向があった。
女性が主人公のゲームが多く作られ、またそれらのゲームに熱烈なファンが多く発生し始めたのも、ちょうどこの頃である。
-
特に80年代に制作されるようになったゲーム作品の中には、当時のアニメ業界で流行っていたOVAの作風に影響を受けたものが多く、アニメファンを中心とするマニア層をTVゲームに惹きつける大きな要因となった。
-
当時のOVAは「美少女ヒロインが活躍するSFもの」が定番ジャンルだったこともあり、まさにその内容と合致していた本作がマニア層に大いに受け入れられたのも当然と言える。そういう意味では、本作は「オタク黎明期を象徴する作品」と言えるだろう。
-
アニメーション映像により描かれる女性キャラクターの魅力を存分にアピールした作風は後のギャルゲーと呼ばれるジャンルに大きな影響を与えており、86年代以降に制作された女性主人公の有名作などとも合わせ、ギャルゲーの始祖とも言われている。
-
ヒロインのレイカはその人気ぶりから一時期タイトーのマスコットキャラとして扱われていた。
-
1990年頃の業界展示会や直営店舗の開店イベントにおいてコンパニオンにレイカの衣装を着せてキャンペーンを行ったり、『トップランディング』の販促宣伝のためにスチュワーデス姿の等身大ポップを飾られたり(そして盗まれもした)、1988年制定のタイトーのコーポレート・アイデンティティ用ポスターのイメージキャラクターに抜擢されたり、PCエンジン版『パズニック』のクリア後の一枚絵に出たりと、ゲーム内外含めて露出は多かった。
-
1991年に発売されたタイトークイズゲーム「クイズ地球防衛軍」では、2P側の操作キャラがもろに彼女を意識した緑髪の「レイカ」というキャラクターだった。
-
本作稼働から26年経過した2011年に発売されたPS3配信専売タイトル『エレベーターアクション デラックス』では、レイカが無料の追加配信キャラとして登場している。
-
本作が他作品に与えた影響も地味に大きい。
-
同社製作のシューティングゲーム『奇々怪界』のやられパターンの多彩さは、本作がミスリアクションの多彩さで人を惹きつけインカムを伸ばした実績にあやかってのことであったと、製作スタッフが同人誌『ゲームクロニクル1 奇々怪界』のインタビューで明かしている。
-
また、アルファシステム製作・タイトー販売の縦スクロールシューティングゲーム『式神の城III』には、レイカをモチーフにしたキャラ「霧島零香」(しかもコードネームが「タイムギャル」)が登場している。
-
稼動期間が短かったことに加え、LD媒体ゆえに筺体自体の寿命も極めて短かったため、国内には稼働可能な状態で現存している筐体はもう残っていないという。
-
1992年のメガCD移植の際に、ウルフチームが全国のゲームセンターと連絡を取り合って探したものの、ついに見つからなかったことが当時のメガドライブFAN及びBEEPメガドライブの両誌で語られており、タイトーに残されていたサンプル用のLD媒体が移植に使用されたという。
-
本作のBGMは東映動画側のスタッフによる作曲であるが、本作のサウンドディレクターである今村善雄氏と小倉久佳氏がデモBGMの演奏に参加している。
-
2005年発売の複数メーカーの合同アルバム「レジェンド オブ ゲームミュージック ~プレミアムボックス」に本作のBGMも収録された。音源化はこのアルバムが初。
-
その他、ドコモのdメニュー向けゲームポータルサイト「タイトーステーション」で配信されていたカードゲーム「大富豪パーティー」のBGMにタイトーの往年レトロアーケードゲームBGMのアレンジが用いられており、本作のメインテーマも「
Time Gal -Future Queen MIX-
」のタイトルでアレンジされている。i-Tunesストアでサウンドトラックが発売されており、購入が可能。また、タイトーのレトロアケゲーのキャラクターたちが選択可能なマイキャラ及び対戦相手として出演しており、レイカも出演していた。
-
本作はLDゲーム版『ドラゴンズレア』のスタッフが手掛けたLDゲーム『スペースエース』からの影響が濃いとされている。
-
SF冒険活劇的世界観やシステムの土台、ミス時に敵役が嘲笑う演出なども同作に存在している。
-
本作に『忍者ハヤテ』の主人公ハヤテがカメオ出演しているシーンが1か所だけある。
参考動画
最終更新:2024年12月20日 14:46