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ゾイドオルタナティブ - (2019/08/16 (金) 15:45:40) の編集履歴(バックアップ)


ゾイドオルタナティブ

【ぞいどおるたなてぃぶ】

ジャンル シミュレーション
対応機種 Xbox360
発売元 タカラトミー
開発元 翔泳社
発売日 2007年10月18日
定価 6,800円(税別)
判定 クソゲー
ポイント 2007年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点
リ・イマジネーションゾイド
ハード性能の無駄遣い
ゾイドゲーなのにコンセプトはゾイド否定
FCやGBにさえ負ける内容の薄さ
参戦機たったの5か、ゴミめ
原作破壊してまでリアルを徹底追求した割に子供のオモチャに劣るミリタリー要素
KOTY関連作品一覧
ゾイドシリーズリンク


概要

タカラトミー(旧トミー)から販売されている動物型兵器の玩具シリーズを元にしたシミュレーションゲーム。
「オルタナティブ」(代替品)の名に相応しく、圧倒的な内容の薄さと勝手な原作の設定改変が特徴。
発売当時のゾイドに関する某掲示板では「暗闇の中に一条の光が見えたかと思ったら、荷電粒子砲だった」とまで称された。


問題点

  • 登場するゾイドは敵味方あわせてたったの5種類、必殺技エフェクトがノイズだけ、ステージ数もたったの14。
    • 登場機体種類5は歴代ゾイドゲー最下位
      • 一機ごと製作に手間がかかるためで登場数が限られる格闘ゲーム版や、容量が段違いに低いFC版、果ては初期型(白黒)ゲームボーイ版のゾイドにさえ劣っている数である。
    • ゾイドの魅力の一つは多種多様な機体がでてくることだが、これではまるで足りない。
      • 原作では帝国/共和国(主要勢力)あわせて数十種類のゾイドが登場し、役割に応じて細分化されていたが、この登場機体数ではそれを再現できるわけもない。
        長距離野砲的なゾイドや、戦闘力は低いが索敵能力に長ける電子戦闘ゾイド、地上ゾイドに対し対戦車ヘリ的な猛威を振るうゾイドなど、色々といるはずなのだが。
    • 人気ゾイドのデスザウラーに至っては、「デスザウラー砲」という名義でストーンヘンジのような巨大砲台にされている*1もはやゾイドですら無くなってしまった。
    • 実感がない人のためにガンダムシリーズで例えるなら、「ザク、グフ、ドム、ジム、ガンタンク、名前だけがビグ・ザムな砲台しか出ないガンダムゲー」レベルと言うとピンと来るだろうか。
    • 2周でほぼ揃ってしまう程度の武器集め・やり込み要素。
  • 雰囲気も単なるミリタリー調でゾイドらしさがない。
    • たしかに原作も戦争を行っているという設定の作品ではあるけども…。
    • しかも英語。トランスフォーマーならまだしも…。
    • ミリタリー「ぽく」はなっているが、実際は「おもちゃなゾイド」にミリタリーらしさで負けている。
      • おもちゃ版の箱にはちゃんと機体の周りに随伴歩兵が写っているものもあるし補給や輸送に関してもストーリー上で言及されている(ちゃんと考察されている)がこの作品には当然出てこない。他のゾイド作品でも再現されてはいないがそれらはべつにミリタリー調を前に押し出しているわけではない。
  • 格闘武器がない。これではゾイドが動物の形をしている意味が全くない。
    • なんでもミリタリー調を推し進めた結果、機械兵器で格闘などありえない*2為、ただの四足歩行戦車として扱ったらしい。しかし本来の設定ではゾイドはロボットではなく、異星(惑星Zi)の金属生命体を改造したサイボーグ兵器である。そして動物の本能も残っており、野生で人に束縛されず野を駆けている個体さえいる。例えるなら『金属の体を持った軍馬や軍象』であり、戦車や装甲車みたいな純粋な戦闘機械ではない*3
      • 更に生き物らしさを無くす為に、目や口の無いデザインに変更している。尤も噛み付き攻撃が無いのに口がある方が却って不可解だが。
      • そもそもの設定からして、本来ゾイドとは「ZOIC ANDROIDS(動物のアンドロイド)」の略称*4であったのだが、今作では「Zoological Organization Interface Driving System(動物学的操縦システム)」の頭字語とされており、根本的に設定が変更されている。
    • しかもよりによって、5種類しかない登場機体のうち2機がわざわざシールドライガー(ライオン型)とセイバータイガー*5(タイガー型)。
      • この二機はネコ科らしい生き生きとした(つまりリアルな兵器的な動きとは対照的な)動きをする様が他のゾイド作品(ゲーム、アニメ、紙面など)で幾度となく描写されてきた機体であり、その戦法も高い機動力を活かして一気に接近し鋭い爪と牙での格闘戦を得意とするものである*6
        確かに双方ともに人気の高い機体ではあるのだが、このゲームの目指すものとまったく真逆のベクトルに特化したゾイドであり、登場機体のチョイスとしては最悪と言わざるを得ない。
      • と言うか残り3種類も、格闘機のコマンドウルフ(狼型)、角による体当たりが得意なディバイソン(バッファロー型)、レッドホーン(スティラコサウルス型)だったりする。一応後ろの二つは重武装な為、砲撃機と言えなくも無いが*7
      • 砲台にされたデスザウラーも、荷電粒子砲の印象が非常に強い為にあまり知られていないが、格闘戦が出来ない訳ではない*8
      • これまたガンダムで例えるなら、「マニピュレーターは非効率的なので簡略化、ビーム兵器はリアルじゃないので排除、コアブロックシステムも非科学的なため分離合体機能は廃止、バーニアも鉄人28号のように巨大な形に換装、顔にバルカンがあるのは不合理なため削除、トリコロールの装甲も撤廃して武骨な黒や灰色の鉄鋼版に変換、脚や股関節もマジンガーのようなシンプルな形に改造、肩の装甲も邪魔なのでザク型に変更、ついでに頭部デザインもボトムズ風に変更されたガンダム(と主張されている何か)」状態である。
  • ムービーが全然ゾイドっぽくない。
    • ムービーというか紙芝居だが。
    • というのもほぼ一切アニメーションが無く、数枚登場する一枚絵をズームしたり動かして辛うじて「ムーブ」しているに過ぎない。
  • 主人公達の顔グラも全員ヘルメットで素顔が見えず、感情移入しづらい。
  • 正直ここまでされると、製作者はゾイドの事を馬鹿にしているんじゃないだろうかと疑いたくなるレベルの改変である。

評価点

  • OPムービーの質はいい。OP詐欺といわれている。
    • ゲーム内のクオリティも高い部類といえるだろう。
  • 戦略性は好評
    • 攻撃の際に近くに仲間がいれば援護射撃を行ってくれる。しかし敵もまた然りで、ウッカリ囲まれてしまうと集中砲火をくらってしまう。
    • 攻撃ヒット時に偶にショック状態にでき、この状態では一切の抵抗ができなくなる。さらにこの状態で敵の援護射撃を受け続けると成す術なくやられてしまう。
      • DLCでショック状態に絶対ならないスキンを購入できる。

総評

ゾイドの魅力である「おもちゃらしさとミリタリーらしさ」から「おもちゃらしさ」と「ミリタリーらしさ」双方を抜き取ったゲー無となってしまった。
ゾイドゲーならある筈の限定特典キット*9も今作には無い。
ホビーコンテンツとしての長らくのゾイドの斜陽振りを象徴したかのようなゲームと言える。


余談

  • ゾイドについて
    • このゲームの発売時点で、子供をターゲットにした展開は既に終了していた*10。2007年はタカラトミーからの新作キットがほとんど発売されておらず、コトブキヤのプラモデル*11も始まったばかりであり、ファンは寂しさと不安を抱えていた。その状況で発売されたのが本作である…。
      • その後、タカラトミーも大人のファン向けに新シリーズを始めるが、本格的な展開をしていた頃と比べて遥かに短命に終わり、以降は突発的に新キットが発売されるのみとなった。前述のコトブキヤの展開は軌道に乗っており、そちらの人気でゾイド自体を支える状態が長く続いた*12
    • 子供向けシリーズの人気低迷については、原作(バトルストーリー*13)でのパワーインフレにより、旧作後半は「空を飛べて格闘も砲撃も強いゾイド」、新作は「空を飛ぶ最強機」こそ無いもののヒーロー性重視なのか「ライオン型とT-REX(ティラノサウルス)型ばかり」と言う状態になって飽きられた部分がある*14
    • ちなみにT-REX型は格闘も砲撃も標準以上の超万能機、ライオン型も初期は格闘特化だったが終盤はT-REX同様超万能機になってしまった。しかもアニメ(ゾイドフューザーズ)だと両方とも飛行ゾイドより速く飛んだりする*15。結果、現在の斜陽っぷりに繋がる。
      • 言わば「スーパーロボット」的な機体が増えており、このゲームのデザイン路線はそれに対するアンチテーゼとも取れるが、方向性が極端すぎる。
    • 大人向けシリーズについては、新キットの発売と長らく再販されていなかった過去のキットの復刻の両方を行っていた。しかし、急激な価格上昇*16と復刻キットのラインナップのイマイチさ*17が原因で長続きしなかった。
    • そして、ゾイドシリーズは2018年の「ゾイドワイルド」まで長い停滞期間が続く事となった。
      「~ワイルド」は久々に子供をメインターゲットにしたシリーズであり、二年目の展開が決定して新コンセプトのキットが発売されるなど、順調に展開を続けている。*18
      • 同様に、ゾイドのコンシューマーゲームも、Switchにて発売予定の『キング オブ ブラスト』まで途絶える事となる。
        ちなみにこちらも好調で、タカラトミーが公式ツイッターで「好調な滑り出しをきることができました」と呟いている。
      • なお『ワイルド』では「ゾイドとゾイド乗りの絆」をさらに推し進める路線のようであり、ゾイドと人間が絡みやすいようにサイズが半分ほどに小型化され*19、「コックピットに搭乗」ではなく「背中に騎乗」となっている。
        それっていいのかと思う人が居るかもしれないが、1980年代に展開していた旧シリーズでも「かつては『ワイルド』と同サイズの野生ゾイドにゾイド人(惑星Zi人)が跨って槍を振り回していた」と言う設定であり*20、先祖返りしただけと言えなくもない。
  • タカラトミーの5年?連続?KOTY?最終候補入りの始まりである。これが発売されたときは、誰がこのような事を予測したであろうか。