【えーすこんばっとぜろふぉー しゃったーどすかい】
ジャンル | フライトシューティング | ![]() |
対応機種 | プレイステーション2 | |
メディア | DVD-ROM 1枚 | |
発売・開発元 | ナムコ | |
発売日 | 2001年9月13日 | |
定価 | 7,140円 | |
プレイ人数 | 1~2人 | |
廉価版 |
PlayStation 2 the Best 2004年9月16日/2,800円 |
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判定 | 良作 | |
エースコンバットシリーズ |
「1994XF04」、後に「ユリシーズ」と命名される隕石が、発見から5年後の1999年7月8日にロシュ限界の内側を通過、 1000以上の核と無数の塵に分裂したのち、地表へと落下した。
ユリシーズ落着の中心点となるユージア大陸の各国は、国際共同事業として八基の巨大レールガンからなる隕石迎撃施設「ストーンヘンジ」を建造、隕石片の破砕を試みる。
しかしその全てを止めることはかなわず、各国は莫大な経済・人的損失を受け、さらにその後の経済恐慌と難民問題、軌道上に残る隕石片の落下の恐怖を抱えることとなった。
その中で、以前から他国との緊張状態が続いていた大陸西方の大国・エルジア共和国は、首都付近への隕石片落着という最大の被害を被りながらも、最大の難民受け入れ国として期待されて一方的に難民を押し付けられ、日増しに国際関係は悪化の一途をたどった。
ユリシーズ落着から四年後、遂にエルジア軍はストーンヘンジが設置されている永世中立国サンサルバシオンを占領し、宣戦布告する。
この侵略行為に対して幾つかの国は「ISAF(独立国家連合軍)」を結成して反撃を試みるが、エルジア軍に軍事転用されたストーンヘンジの前にISAFは敗退を続ける。
射程は半径1200km、かつ高度2000フィート以上で飛行する航空機を確実に撃墜できる「超巨大対空砲」の前に、ISAF航空戦力はなすすべもなかったのだ。
起死回生のストーンヘンジ破壊作戦も失敗に終わり、とうとうISAF司令部は大陸を放棄して北東の島国ノースポイントへと撤退、残存戦力の再編成を開始する。しかし、ノースポイントの防空体制は脆弱で、エルジア軍は着々と爆撃準備を整えつつあった。
2004年9月19日。遂に開始されたノースポイント攻撃を阻止すべく、洋上のISAF空母から数機の戦闘機が発艦する。
その中には後に大戦果を上げ、エルジア側から「リボン付きの死神」と畏怖されることになるパイロット、コールサイン「メビウス1」の姿もあった…。
ナムコの送る「超本格的ヒコーキゴッコ」ゲーム『エースコンバット』シリーズの第4作。同シリーズのPS2第1作でもある。
シリーズの新たな発展を模索し、近未来を舞台としたSFストーリーが展開された前作『3』はPS1の性能を極限まで引き出した力作ではあったが、従来作とは余りに異質なストーリー展開・システム・メカデザイン故に、万人に受け入れられたとは言い難かった。
今作はシステム、ストーリー展開を『2』以前の「エリア88的な傭兵もの」に戻しつつ、よりリアリティを追求した作品として世に送り出されることとなった。
新ハード第1作ということもあってか、前作『3』や後発作と比べるとボリュームは少ない。
だが、1人の無名パイロットの英雄譚を語るストーリーテリングの手法、そしてミッション進行に合わせて語られる、戦災孤児の少年を主人公としたどこか物悲しくも情緒に溢れたサイドストーリーは非常に完成度が高く、「空」をイメージした青色を基調としたシステムインターフェイスと合わせ、作品全体に「飛ぶ爽快感」を色濃く漂わせている。
本作制作にあたり、後の「PROJECT ACES」の前身ともなる「プロジェクト・AC4」が結成された。制作コンセプトは、"IT'S CHANGING EVERYTHING AGAIN"(全てが変わる、再び)
なお、サブタイトルの『shattered skies』は直訳すると「砕かれた空」となる。本編では「ソラノカケラ」の訳が与えられており、これはユリシーズによって、そしてストーンヘンジによって引き裂かれたユージア大陸の空を表わしていると思われる。
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《今日は俺の誕生日だ。勝利をプレゼントしてくれ!》
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基本形態
機体について
ゲーム性
ストーリーテリング
戦果を確認する撃墜者の機体に、黄色で『13』の文字が描かれていたことを 私は、決して忘れない───
結果として本作は、『エースコンバット』シリーズ最高の販売本数264万本を達成し、以降のシリーズ展開の路線を決定づけた、PS2初期におけるフライトシューティングの名作となった。
本作を「シリーズ最高傑作」と評するシリーズユーザーは今なお数多い。本作から採用されて、以降標準的になったシステム、ゲーム展開、演出は多い。実験段階の部分もあるが、実質的にシリーズの完成形・標準とも言うべき作品である。
後のシリーズ作品が「1人の無名パイロットの英雄譚」路線にやや傾いていったのに対して、「兵士の英雄譚」と「悲しみ」が入り混じった、『3』とは別の意味合いで他シリーズには見られない異色さが感じられる『04』は、今なおプレイヤーの心に残り続けている。
*1 補給に戻るには時間がかかるため、いかに効率のよい攻略法をものにするかも問われる。
*2 後作では「細部が分かるのはいいが、全体の見映え・爽快感が『04』に比べて薄い」と苦言を呈する人もいた。
*3 無論、現実の軍事作戦では回線を垂れ流しにすることはあり得ない。かっこいいからこれくらいは目をつぶろう
*4 それを示すかのようにジャケットを飾る機体も第一作と同じF-22である。
*5 ちなみに、同作のサウンドトラックには、本作のED曲のリミックス版が収録されている。
*6 一応、ラストミッションクリア後の無線で「He is comming home」と言われているので男性と思われる。
*7 これは他作品の主人公にも言えることでもある。